JPH0340185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は寝台、診察台、患者運搬車等に於ける
床部支持フレームの昇降機構に関するものであ
る。

（従来の技術およびその問題点） 寝台等に於ける床部支持フレームの昇降機構と
して、まず第４図ａに示すように、床部支持フレ
ームａの下方に足車ｂを設けた基部フレームｃを
構成し、該基部フレームｃと床部支持フレームａ
を回動腕ｄで連結したものがあり、この機構は、
駆動杆ｅによる駆動腕ｆの回動に連動させて回動
腕ｄを回動させて、夫々の回動腕ｄに対応する床
部支持フレームａの個所を昇降させるものであ
る。

ところが、この昇降機構では基部フレームｃが
あるために、床部支持フレームａの下方の空間を
スツールロツカー等の格納場所として使用するこ
とができず、また構成部材が多く必要であるため
コストや重量が嵩むという問題点がある。

また第４図ｂに示すように、床部支持フレーム
ａの下方に突設した支持部材ｈと脚体ｉとを、平
行運動機構を構成する複数の支持リンクｊで連結
し、該支持リンクｊのいずれかを駆動杆ｅによる
駆動腕ｆの回動に連動させて回動させて、対応す
る床部支持フレームａの個所を昇降させるものが
あり、この機構では前例のように基部フレームｃ
が邪魔になるというようなことはないが、駆動杆
ｅや駆動腕ｆが邪魔になることがある。

更に、従来第４図ｃに示すように、床部支持フ
レームａの下方に直接に、ねじシヤフト式等の伸
縮脚体ｇを取り付け、この伸縮脚体ｇを伸縮させ
て床部支持フレームａの対応個所を昇降させるも
のがあり、この昇降機構では、前例のような問題
点はないが、昇降ストロークを大きくすると伸縮
脚体ｇは最も短縮させた状態に於いても比較的長
くなつてしまうので、床部支持フレームａの最低
高さが比較的高くなつてしまつて、乗り降りに不
便であるという問題点がある。

本考案は以上の問題点を解決することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の構成を実施例に対応する第１図〜第３
図に基づいて説明すると、本考案は、床部支持フ
レーム１の下方に突設した基部脚２に対して上部
脚３を伸縮駆動自在に設け、接地用脚４と該上部
脚３とを、平行運動機構を構成する複数の支持リ
ンク５ａ，５ｂにより連結すると共に、いずれか
の該支持リンク５ａの前記上部脚３側に作動腕部
６を延設し、該作動腕部６を前記基部脚２に突設
した支持腕７に長さ方向の遊び８を持つて回動自
在に固定したものである。

（作用） しかして、まず便宜上床部支持フレーム１が不
動で、接地用脚４が可動であるものとして動作を
説明する。

第３図ａの実線の状態に於いて、上部脚３を基
部脚２に対して伸長させ、即ち下降させると、支
持リンク５ａの、上部脚３との連結部９が下方に
移動するものの、作動腕部６の、支持腕７との連
結部１０は下方に移動しないので、支持リンク５
ａは該連結部１０を回動支点として図中時計回り
に回動する。同時に該支持リンク５ａと平行運動
機構を成す他の支持リンク５ｂも回動するので、
接地用脚４は図中仮想線で示すように下降して、
床部支持フレーム１との距離が長くなる。かかる
動作に際しての、連結部９，１０間の距離の変化
は、遊び８によつて吸収することができる。

以上の動作は前述したように、床部支持フレー
ム１が不動で、接地用脚４が可動であると仮定し
た場合であつて、実際上は接地用脚４がキヤスタ
ー１１等を介して床面１２に接地しているので、
上部脚３を基部脚２に対して伸長させると、第３
図ｂに示すように床部支持フレーム１が上昇す
る。そして逆に上部脚３を基部脚２に対して短縮
させると床部支持フレーム１が下降する。

本考案は以上のようにして、上部脚３を基部脚
２に対して伸縮させることにより、床面１２に対
して床部支持フレーム１を昇降させることができ
るのである。

（実施例） 以下、図面に示した本考案の実施例を説明する
と、まず基部脚２は、床部支持フレーム１の短手
方向に対応する支持パイプ１３の両側下方に突設
し、夫々の基部脚２にねじシヤフト１４を回転自
在に支持すると共に、上部脚３の上部に設けた雌
ねじ部１５を該ねじシヤフト１４に螺合し、ねじ
シヤフト１４を回転させることによつて、上部脚
３を基部脚２に対して伸縮駆動する構成であり、
またねじシヤフト１４は前記支持パイプ１３内に
回転自在に支持した駆動軸１６に適宜回転伝達機
構１７を介して接続し、クランクハンドル等によ
り前記ねじシヤフト１４を回転させて両側の基部
脚２のねじシヤフト１４を連動させて回転させる
構成である。かかる構成の他、上部脚３と基部脚
２は油圧あるいは空気圧シリンダ装置等を適用す
ることもできる。次に、符号１８は両側の基部脚
２に対応する支持リンク５ａ間に設けた補強部材
であり、かかる補強部材１８は、この他上部脚３
や、支持リンク５ｂ、接地用脚４等の適所間に設
けることができる。また遊び８は図示例に於い
て、支持腕７側に固定したピン１９に対して支持
リンク５ａに長孔２０を設けて構成しているが、
この他適宜の構成を適用することができる。

第１図の実施例に於いては、本考案の昇降機構
は、床部支持フレーム１の頭側及び足側の両側の
下側に対向して設け、上部脚３を夫々独立に伸縮
駆動し得るように構成すれば、両側を等量昇降す
ることにより床部支持フレーム１を水平状態に於
いて高さ調節ができると共に、両側の昇降量を変
えることにより傾斜させることができる。しかし
ながら、本考案機構を片側のみに設け、他側は固
定脚とすることにより、専ら水平状態から傾斜の
み可能なように構成することもできる。

（考案の効果） 本考案の昇降機構は以上の通り、床部支持フレ
ーム側の上部側と接地用脚とを平行運動機構を構
成する支持リンクにより連結し、この支持リンク
の回動により床部支持フレームを昇降させるの
で、床部支持フレームの最低位置を高くせずに大
きな昇降ストロークを得ることができるという効
果がある。また前記支持リンクの回動は基部脚に
対しての上部脚の伸縮によつて行なう構成である
ので、構成部材の占有空間を小さくすることがで
き、従来邪魔になつていた、支持リンク駆動用の
駆動腕や駆動杆等の構成部材をなくすことがで
き、床部支持フレームの下方空間の有効利用を計
れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例に対応するも
ので、第１図は本考案により構成した寝台等の全
体説明図、第２図は要部の説明的斜視図、第３図
ａ，ｂは要部の動作を示す説明的側面図である。
また第４図ａ，ｂ，ｃは従来例の説明的側面図で
ある。 符号１……床部支持フレーム、２……基部脚、
３……上部脚、４……接地用脚、５ａ，５ｂ……
支持リンク、６……作動腕部、７……支持腕、８
……遊び、９，１０……連結部、１１……キヤス
ター、１２……床面、１３……支持パイプ、１４
……ねじシヤフト、１５……雌ねじ部、１６……
駆動軸、１７……回転伝達機構、１８……補強部
材、１９……ピン、２０……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床部支持フレームの下方に突設した基部脚に対
   して上部脚を伸縮駆動自在に設け、接地用脚と該
   上部脚とを、平行運動機構を構成する複数の支持
   リンクにより連結すると共に、いずれかの該支持
   リンクの前記上部脚側に作動腕部を延設し、該作
   動腕部を前記基部脚に突設した支持腕に長さ方向
   の遊びを持つて回動自在に固定したことを特徴と
   する床部支持フレームの昇降機構。