JPS622028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は寝台や患者運搬車等に於ける伸縮脚部
材に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 寝台等の床部の高さを調節自在とする構成の１
つに、脚を伸縮させる構成があり、この伸縮脚に
は雄ねじ棒と、これに螺合する雌ねじを利用した
機構が多用されている。しかしながら従来のかか
る機構を用いた脚では、伸縮ストロークを長くす
るためには雄ねじの長さを長くしなければならな
いので最短脚長が長くなつてしまい、即ち床部の
高さ調節範囲を広くすると、その最低高さが高く
なつてしまうという不都合がある。

本考案は極めて合理的な構成によりかかる問題
点を解決するもので、即ちその目的とするところ
は最短脚長が短かく、しかも伸縮ストロークが長
い脚を構成することにあるものである。以下実施
例に基づいて詳述すると次の通りである。

（問題点を解決するための手段） 符号１は脚上部を構成する外筒であり、該外筒
１内に雄ねじ棒２を回転自在に支持する。符号３
は脚下部を構成する内筒であり、該内筒３の上部
に雌ねじ４を設ける。符号５は筒状ねじであり、
この筒状ねじ５は外側に雄ねじ部６並びに内側上
部に雌ねじ部７を形成する。しかして本考案の脚
部材は前記雄ねじ棒２と雌ねじ４との間に、１ツ
以上の前記筒状ねじ５を夫々対応するねじ部６，
７を螺合させて介在させ、そして前記雄ねじ棒２
の下部並びに筒状ねじ５の下部外側にストツパー
部８，９を設けたことを特徴とするものである。
第２図の実施例は筒状ねじ５を１ツとしたもの
で、夫々雄ねじ棒２と雌ねじ部７及び雄ねじ部６
と雌ねじ４とが螺合している。また第３図の実施
例は筒状ねじ５を２ツ（内側から５ａ，５ｂとし
て示す）としたもので、夫々雄ねじ棒２と雌ねじ
部７ａ、雄ねじ部６ａと雌ねじ部７ｂ、雄ねじ部
６ｂと雌ねじ４とが螺合している。本考案の脚部
材は以上の構成に於いて、例えば第１図に示すよ
うに寝台等の床部１０側に外筒１を固定すると共
に、内筒３にキヤスター１１を設けて脚として使
用する。雄ねじ棒２は例えばこの図に示すように
駆動力伝達用ねじ歯車１２、連動シヤフト１３を
介してクランクハンドル１４によつて回転駆動す
る等、適宜の機構により回転駆動するように構成
する。

（作用） しかして第２図の構成に於いて、便宜上外筒１
側が移動しないものとして動作を説明すると次の
通りである。まず(a)の状態で雄ねじ棒２を一方向
に回転させると、該雄ねじ棒２に螺合している雌
ねじ部７により、筒状ねじ５が前記雄ねじ棒２に
沿つて下降する。筒状ねじ５は下降自在であるう
ちは回転しない。更に雄ねじ棒２が回転して、雌
ねじ部７がストツパー部８に当接し、下降が不能
となると雄ねじ棒２の回転と共に筒状ねじ５が回
転する。従つて該筒状ねじ５の雄ねじ部６に螺合
している雌ねじ４がストツパー部９に至るまで筒
状ねじ５に沿つて下降する。

以上の動作は前述した通り、便宜上外筒１側が
移動しないものとした動作であり、実際上は前述
した方向に雄ねじ棒２を回転させると、まず筒状
ねじ５に支持されて雄ねじ棒２が上昇した後、筒
状ねじ５が雄ねじ棒２と共に上昇するのである。
また雄ねじ棒２を前述と逆方向に回転させること
により前述と逆の動作で、該雄ねじ棒２を下降す
ることができる。第３図の構成のように筒状ねじ
５が複数の場合にも、順次かかる筒状ねじ５が前
述した動作を行なつて雄ねじ棒２を昇降させるこ
とができる。

このようにして本考案の脚部材は、雄ねじ棒２
を回転することにより、伸縮させ、かかる伸縮に
より外筒１を昇降させ、以つて床部１０の高さ調
節を行なうことができる。本考案はこのように雄
ねじと雌ねじの螺合により伸縮させるものである
が、この雄ねじ側は、外筒１に支持した雄ねじ棒
２と筒状ねじ５の雄ねじ部６によつて構成すると
共に、雌ねじ側は、内筒３に固定した雌ねじ４と
筒状ねじ５の雌ねじ部７によつて構成しており、
かかる構成により雄ねじ側も伸縮するので、最大
に伸長させた長さと、最小に短縮させた長さの比
を大きくすることができる。

（考案の効果） 本考案は以上の通り、伸縮脚の上部を構成する
外筒に支持した雄ねじ棒と、該伸縮脚の下部を構
成する内筒に設けた雌ねじとの間に、１ツ以上の
筒状ねじを螺合、介在させて、雄ねじ側を伸縮自
在に構成したので、最大伸長長さと最小短縮長さ
の比を大きくすることができ、こうして床部の高
さ調節範囲が広く、しかも床部の最低高さが低い
寝台等を容易に構成し得るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の伸縮脚部材を適用した寝台の
一実施例を示すもので、ａは外観斜視図、ｂは要
部拡大斜視図で、第２図ａ，ｂは本考案の一実施
例の構成並びに動作を示す断面図で、第３図ａ，
ｂは本考案の他の実施例の構成並びに動作を示す
断面図である。 符号、１……外筒、２……雄ねじ棒、３……内
筒、４……雌ねじ、５……筒状ねじ、６……雄ね
じ部、７……雌ねじ部、８，９……ストツパー
部、１０……床部、１１……キヤスタ、１２……
駆動力伝達用ねじ歯車、１３……連動シヤフト、
１４……クランクハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚上部を構成する外筒内に回転自在に支持した
   雄ねじ棒と、脚下部を構成する内筒の上部に固定
   した雌ねじと、外側に雄ねじ部並びに内側上部に
   雌ねじ部を形成した筒状ねじを有し、前記雄ねじ
   棒と雌ねじとの間に１ツ以上の前記筒状ねじを、
   夫々対応するねじ部を螺合させて介在させ、前記
   雄ねじ棒の下部並びに筒状ねじの下部外側にはス
   トツパー部を設けたことを特徴とする寝台用伸縮
   脚部材。