JPS621943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天板の高さをハンドル操作によつて自
由に調節できるようにした机、テーブル等のネジ
式昇降動装置に関する。

従来からハンドル操作によつて、左右に逆螺旋
部が設けられた螺杆を螺回し、これにより各逆螺
旋部に螺嵌された作動子を螺進させて、この際当
該作動子と天板とを各アームにより連枢しておく
ことで、天板を脚体に対して昇降動装置としたも
のが知られている。

しかし上述従来の装置は、中央部の境界箇所左
右が前記の如く逆螺旋となつているだけで、一体
の単一螺杆を用いて形成されているため、机やテ
ーブルのサイズに合わせて、各種寸法毎の装置を
製作しなければならず、また机やテーブルに加工
上の寸法誤差がある場合、組立て時に部材の加工
や他部材の介在が必要となることもあつて、手数
及び時間がかゝり、生産性の悪いものとなつてい
る。

そこで本考案は上述従来装置の問題点に鑑みて
検討の結果、フレーム及び螺杆を左右に分離した
ものとなし、これらを夫々軸方向への長さが調節
可能になるよう連結することによつて、各種寸法
の机やテーブルに対応して組込み可能となし、か
つ加工上の寸法誤差をも吸収できる構成とするこ
とにより、組立をも簡単にして容易に行ない得る
ようにしようとするのが、その目的である。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、第１図、第２図に示したように、左右の両伸
縮脚１，１′は、中空の基脚２，２′に昇降脚３，
３′をスライド可能に嵌挿して夫々形成されてお
り、該両昇降脚３，３′の上端に天板４は架設し
てある。

上記両伸縮脚１，１′の両基脚２，２′間には、
左右に分離された左右のフレーム５，５′左右の
螺杆６，６′が、夫々同軸状に、かつ軸方へ伸縮
自在なるよう連結横架されている。

即ち、上記左右両フレーム５，５′は、箱型で
あり。左右対称に形成され、上記両基脚２，２′
に側板７，７′を介設する等して夫々の基端が固
定されており、その先端側には横断面コ字形状の
連結用ブラケツト８が上向開口状態にて被嵌さ
れ、該連結用ブラケツト８の底板部には、その中
央部を対称軸として左右対称に横長の長孔９，
９′が穿設され、これに夫々の固定ネジ１０，１
０′を挿通して左右各フレーム５，５′をネジ止め
可能となし、かくして上記長孔９，９′の有効長
さの範囲内で、当該ブラケツト８により、軸方向
への伸縮が調節可能なるよう左右のフレーム５，
５′を連結するのである。

一方、上記左右の螺杆６，６′には、左右対
称、すにわち互いに逆螺子としたネジ部１１，１
１′が刻設してあり、かつ上記左右両フレーム
５，５′内にあつて、基端及び先端近くに夫々固
設した軸承部材１２，１２′、１３，１３′により
回転自在に内装されており、夫々の基端部６ａ，
６a′は左右の各フレーム５，５′から外側へ突出
させ、これにフツク兼用のハンドル１４を、ピン
１５等によつて脱着自在に装着できるようにして
ある。

又、同一軸線上にある螺杆６，６′の対向する
各先端部６ｂ，６b′には、相互に軸方向へスライ
ド自在となるよう嵌挿可能な太さをもつた夫々径
小径、大径の連結パイプ１６，１７を同軸に連着
して、該両連結パイプ１６，１７を相互に嵌挿
し、この際左右両螺杆６，６′が一体に回転可能
とするのである。

上記の如く両連結パイプ１６，１７がスライド
自在にして、かつ同軸に回転可能となるよう連結
するには、両パイプ１６，１７に相似形をなす任
意の多角形パイプを用いるようにしてもよいが、
図示例のように、一方の連結パイプ１７に長溝１
８を長さ方向に設け、他方の連結パイプ１６に回
り止めピン１９を突設して両者を軸方向にスライ
ド可能に係嵌することもできる。

さらに上記左右両螺杆６，６′には、それらネ
ジ部１１，１１′に適合するネジ孔が貫設された
作動子２０，２０′を夫々センターラインＡから
左右対称の位置に螺合してあり、該両作動子２
０，２０′と、前記両昇降脚３，３′の上端部にア
ーム２１，２１′の端部を軸ピン２２，２３によ
り枢着して、上記両作動子２０，２０′と両昇降
脚３，３′を夫々対称配置にて連結し、螺杆６，
６′の何れか一方を前記ハンドル１４により回転
することにより両昇降脚１，１′が上動して伸長
又は下降して縮小し、これにより同脚３，３′の
上端に固定された天板４を平状態のまゝ昇降動で
きるよう構成してある。

こゝで、上記両作動子２０，２０′は、左右両
フレーム５，５′の内寸法に適合して第３図に示
したように平面略コ字形状に形成され、その前後
両側板部２０a′，２０a′と、上記アーム２１′の
両側端２１a′，２１a′を軸ピン２２にて枢着し、
フレーム５，５′の壁面に沿つて上下、前後、左
右に揺動することなく所定の向にて円滑にスライ
ドできるようにしてある。

尚、左右両フレーム５，５′の上面には開口部
５ａ，５a′が軸方向へ長く設けてあり、この開口
部５ａ，５a′に上記アーム２１，２１′が夫々挿
通してある。

而して上記構成において、天板４を昇降動しよ
うとするときにはハンドル１４にて螺杆６，６′
を回転すればよく、第１図は、天板４を最も降下
した状態を示しているから、この状態から天板４
を上昇させるには、左右両螺杆６，６′の何れか
一方（図示例では右側の螺杆）にハンドル１４を
取付け、一方の螺杆に所定方向への回転力を与え
ると、当該螺杆の端部に連結してある連結パイプ
を介して他方の螺杆が同軸に回転され、これによ
り両作動子２０，２０′は各ネジ部１１，１１′に
より夫々外側方向へ各フレーム５，５′により案
内されて移動する。

従つて両アーム２１，２１′の下端も外側方向
へ移動して、両昇降脚３，３′は両基脚２，２′か
ら上方延出し、これにより両伸縮脚１，１′は伸
長して天板４は高所に調整される。

又、ハンドル１４を上述とは反対方向へ回転す
れば、各部材は上述とは反対方向に動作するの
で、天板４は降下するのであり、また当該ハンド
ル１４はカバン等小物類を掛けるのに用いられる
ようフツク状に形成されている。

以上説明したように本考案に係る机天板等の昇
降動装置によれば、ネジ式昇降動装置において、
両伸縮脚１，１′の両基脚２，２′間に架設するフ
レーム５，５′と螺杆６，６′を左右に夫々分設
し、該左右両フレーム５，５′は連結用ブラケツ
ト８を介して長さの伸縮調節が自在となるよう連
結横架し、該左右両螺杆６，６′は、夫々の端部
に同軸となるよう連結した連結パイプ１６，１７
を軸方向へスライド可能に、かつ共動回転可能な
るよう嵌挿して架設され該左右両螺杆６，６′に
夫々螺合した両作動子２０，２０′と天板４を取
着した両昇降脚３，３′にアーム２１，２１′を
夫々枢着して構成したものであるから、左右両螺
杆６，６′の内、何れか一方の螺杆にハンドル１
４を取付けて回転することで、天板４を所望高さ
に調節すことができて、かつハンドル１４は左右
何れにも取付けて使用できるので、机等の設置場
所を自由に選定できることはもとより、特に本案
によると、フレーム及び螺杆の長さを自由に伸縮
できるようにしたから、一機種で、長さ（寸法）
の異なる各種机、テーブル等に対応した組込みが
き、机、テーブル等に加工上の寸法誤差があつて
も、フレーム及び螺杆の伸縮によつてそれを吸収
できるので、組立てに際して部材を加工したり、
他の補助部材を必要とせず、組立が簡易、迅速に
行ない得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る机天板等の昇降動装置を
示した縦断正面図、第２図は同装置における主要
部の拡大斜視図、第３図は第１図における−
線矢視断面図である。 １，１′……伸縮脚、２，２′……基脚、３，
３′……昇降脚、４…………天板、５，５′……左
右のフレーム、６，６′……左右の螺杆、８……
連結用ブラケツト、１１，１１′……ネジ部、１
６，１７……連結パイプ、２０，２０′……作動
子、２１，２１′……アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 机天板等のネジ式昇降動装置において、基脚に
   昇降脚を伸縮自在に嵌装してなる両伸縮脚にあつ
   て、その相対する両基脚間には、左右対称に形成
   した左右両フレームを、連結用ブラケツト８を介
   して長さ方向へ伸縮自在なるよう同軸に連結横架
   し、該左右両フレームには左右対称にネジ部を刻
   設した左右両螺杆を回転自在に夫々内装すると共
   に、該両螺杆の対向端にあつてその一方には大径
   の連結パイプを、他方には小径の連結パイプを
   夫々同軸的に連結して、相互に軸方向へスライド
   かつ、共動回転自在なるよう嵌挿し、更に上記左
   右両螺杆のネジ部に夫々螺合した両作動子と天板
   の設けられた上記両昇降脚をアームにて夫々枢着
   連結してなる机天板等の昇降動装置。