JPS5828586Y2 - 床部の昇降用駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は寝台、診療台、治療台、ストレッチャーその他
意者等が仰臥する台の床部を昇降させるための新規な駆
動機構に関するものである。

例えば患者等が仰臥する寝台には、その床部を複数個の
床部骨に分割して、そのうちの所望の床部骨を適当な方
向に回動により昇降させて全体として前記床部を起伏状
態とするようにした構成のものや、前記床部を支持する
床部支持枠を昇降させることにより前記床部を全体とし
て昇降させるようにした構成のものや、かかる床部支持
枠に於いて患者の頭に対応する側あるいは足に対応する
側のうちのいずれか一方側だけを昇降させることによっ
て傾斜させるようにした構成のもの等がある。

このような寝台では、前記床部の下方の適宜個所に昇降
機構を装置し、該昇降機構に於いて作動部材に加えた変
位を変換して前記床部の昇降を行なっている。

かかる作動部材に変位を加えるための従来の代表的な駆
動機構としては、外筒内に伸縮自在に構成した内筒の一
側に雌ねじを設けると共に、該雌ねじに雄ねじ棒を螺合
させ、該雌ねじ棒の回転にまり内筒を外筒に対して伸縮
させるものがあり、かかる駆動装置は、軸方向への内筒
の移動を前記雌ねじと雄ねじ棒との間の摩擦力によって
阻止することができるので、荷重に抗しての床部の支持
を装置自体で簡単に行ない得るという特徴がある。

しかしながら、従来のかかる駆動機構は前記摩擦力によ
る内筒の移動阻止を確実に行なうためには前記ねじのピ
ッチを大きくすることができず、前記作動部材を所定量
変位させるのに必要な前記雄ねじ棒の回転数が比較的多
いという欠点がある。

本考案はかかるねじのピッチを大きくすることなしに前
記作動部材に大きな変位を与え得るようにし、以って該
作動部材を所定量変位させるのに必要な雄ねじ棒の回転
数を少なくしたものである。

以下本考案を実施例に基づいて詳細に説明すると次の通
りである。

符号１は外筒であり、該外筒１内に中筒２を、並びに該
中筒２内に内筒３を夫々伸縮自在に構成する。

該中筒２の一側に雌ねじ４を設け、前記外筒１の一側に
回転自在に支持した雄ねじ棒５を該雌ねじ４に螺合する
。

また前記中筒２の他側には案内車６を設け、該案内車６
に巻掛けた巻掛体７の−端を前記外筒１の適所に固定す
ると共・に、他端を前記内筒３の一側に固定する。

該巻掛体７はワイヤーやベルトの他、チェーン等であっ
ても良い。

また前記案内車６の取り付は位置並びに巻掛体７の経路
は第２図、第３図に示すように適宜で良い。

かかる構成に於いて本考案の駆動機構は、寝台８等の仰
臥台の床部９の昇降機構に於いて、自体に加えられた変
位を変換して床部９あるいは床部支持枠１０を昇降させ
る作動部材１１に前記内筒３の他側を連結すると共に、
該昇降機構の構成に応じて床部支持枠１０や基台１２等
に前記外筒１の一側を固定する。

そして前記雄ねじ棒５の一側には、クランクハンドル１
３やギヤ付モータ（図示せず）等の回転駆動装置を接続
する。

第４図ａは適宜の床部９を回動昇降させて起伏状態とす
る昇降機構に本考案駆動装置を適用した一例を示すもの
で、ｂは床部を支持する床部支持枠１０を平行リンク機
構によって昇降させ、以って床部９を全体として昇降さ
せる昇降機構に本考案駆動装置を適用した一例を示すも
のである。

しかして第２図ａの状態に於いて、クランクハンドル１
３等によって雄ねじ棒５を所定の方向に回転させると、
雌ねじ４が図中左方に移動し、従って中筒２が移動して
外筒１から伸長する。

かかる中筒２の移動により案内車６が移動するので、巻
掛体７の両端が引っ張られるが、一端は外筒１の適所に
固定しているので移動せず、他端が移動して内筒３を該
案内車６方向に移動させる。

この際、案内車６は動滑車的な構成であるので、巻掛体
７の他端、よって内筒３は案内車６の移動距離の２倍移
動して、前記中筒２から伸長する。

このように本考案は雄ねじ棒５を回転させて雌ねじ４を
移動させることにより、中筒２を外筒１から伸長させる
と同時に、巻掛体７によって内筒３を該中筒２から伸長
させ、該内筒３の他側に連結した作動部材１１を変位さ
せて床部９を例えば第４図ａ、ｌ）に示すように荷重に
抗して上昇させることができる。

かかる際、内筒３は中筒２、つまり雌ねじ４よりも２倍
長く移動するので、単に雌雄ねじの螺合を適用した従来
の駆動機構と比較して前記作動部材１１の所定ストロー
クに対する雄ねじ棒５の回転数を半減することができ、
従って床部９の所定の昇降に要する時間を短縮すること
ができるという効果があり、殊に雄ねじ棒５をクランク
ハンドル１３によって人手で回転させる場合にはその結
果として労力を軽減し得るという効果もある。

前記床部９の荷重は作動部材１１．内筒３を経て巻掛体
７に伝達され、案内車６、中筒２を経て雌ねじ４と雄ね
じ棒５の螺合部に加わり、該螺合部に於ける雌ねヒ４と
雄ねじ棒５間の摩擦力によって該荷重を支持することが
できる。

しかして該雄ねじ棒５を前記と逆方向に回転すると、雌
ねじ４は図中右方に移動して中筒２が外筒１内に短縮し
、またこれにより案内車６が移動するので内筒３は荷重
により移動させられ、かかる距離は前述と同様中筒２の
移動距離の２倍であるので該中筒２内に短縮する。

本考案はこのように作動部材１１を移動させる内筒３が
中筒２内に短縮すると同時に、該中筒２が外筒１内に短
縮するので、該内筒３の移動ストロークを大きくしても
短縮状態に於ける全長を短かくすることができ、従って
作動部材１１と、外筒１の一側を固定する個所との距離
が短かい場合にも容易に装置することができるという効
果がある。

本考案は以上の通り、床部の昇降機構中の作動部材に連
結する内筒を、雄ねじ棒の回転による雌ねじの移動距離
の２倍移動させることができるので、前記作動部材の所
定ストロークに対する雄ねじ棒の回転数を半減すること
ができ、従って床部の所定の昇降に要する時間を短縮す
ることができ、殊に該雄ねじ棒をクランクハンドルによ
って人手で回転させる場合には労力を軽減し得るという
効果がある。

また本考案の駆動装置は前記内筒の移動ストロークを大
きくしても短縮状態に於ける全長を短かくすることがで
きるので、小さな設置スペースで寝台等に装置し得ると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概観の正面説明図、第２図
ａ、ｌ）は夫々短縮状態、伸長状態の本考案装置を示す
縦断面図、第３図はａ、ｌ）は夫々本考案装置の他側を
示す縦断説明図、Ｘ−Ｘ線断面図、第４図ａ、ｌ）は本
考案装置を適用した床部の昇降機構の具体例を示す説明
図である。 符号 １・・・・・・外筒、２・・・・・・中筒、３・
・・・・・内筒、４・・・・・・雌ねし、５・・・・・
・雄ねじ棒、６・・・・・・案内車、７・・・・・・巻
掛体、８・・・・・・寝台、９・・・・・・床部、１０
・・・・・・床部支持枠、１１・・・・・・作動部材、
１２・・・・・・基台、１３・・・・・・クランクハン
ドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒内に中筒を、並びに該中筒内に内筒を夫々伸縮自在
   に構成すると共に、該中筒の一側に雌ねじを設け、前記
   外筒の一側に回転自在に支持した雄ねじ棒を該雌ねじに
   螺合すると共に、前記中筒の他側には案内車を設け、該
   案内車に巻掛けた巻掛体の一端を前記外筒に固定すると
   共に他端を前記内筒の一側に固定し、前記雄ねじ棒を回
   転させて前記雌ねじにより前記中筒を外筒から伸長させ
   ると同時に前記案内車に巻掛けた巻掛体によって前記内
   筒を前記中筒から伸長させるようにし、該内筒の他側を
   、加えられた変位を変換して仰臥台の床部あるいは床部
   支持枠を昇降させる作動部材を連結すると共に、前記外
   筒の一側を前記仰臥台の適所に固定するようにしたこと
   を特徴とする床部の昇降用駆動機構。