JPH0367698B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、床部支持枠の昇降傾斜機構に関する
ものである。

（従来の技術） 診察台、治療台、寝台等の床部の高さは、診察
治療あるいは注射等の処理に際して、適宜に調節
できることが望ましい。また、病気の種類によつ
ては、治療、処置の一環として患者の頭側あるい
は足側を、他側よりも高く維持するために、前記
床部を傾斜させる必要も生じる。

かかる床部の高さや傾斜の調節を行えるように
した従来の床部支持枠の昇降傾斜機構としては、
例えば第６図の模式図に示すものがある。（実公
昭53−37515号参照）これは、床部支持枠ａの頭
側および足側に、その短手方向に回動杆ｂを設
け、この回動杆ｂのそれぞれに作動腕ｃ，ｃを突
設し、それらの先端を平行リンク機構を構成する
ように基台ｄの回動自在に固定したもので、この
際、いずれか一方の作動腕ｃは遊動支持腕ｅを介
して基台ｄに支持するものである。こいして作動
腕ｃを適宜な回動用駆動機構により回動させるこ
とにより、床部支持枠ａを昇降、そして傾斜させ
るものである。即ち、頭側と足側の作動腕ｃを連
動して平行リンクとして回動させれば、床部支持
枠ａを平行に昇降させることができ、また床部支
持枠ａの上昇状態等に於いて、頭側か足側のどち
らか一方の作動腕ｃを適宜回動すれば、床部支持
枠ａを所望の角度に傾斜させることができる。な
お、図においては、作動腕ｃの回動用駆動機構は
省略してある。

（本発明が解決しようとする課題） 第６図に示す従来の機構では、床部支持枠ａの
平行な昇降時におけるその移動軌跡は、第６図ｂ
に示すように長手方向に湾曲するので、もし壁ｆ
等が隣接していると、これと当接して傷をつけた
りすることがあるという欠点がある。

本発明は、このような課題を解決することを目
的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明の構成を実施例に対応する第１図〜第５
図に基づいて説明する。

まず特許請求の範囲第１項記載の構成は、床部
支持枠１の頭側及び足側に、その短手方向に回動
杆２，２ａ，２ｂを設け、回動杆２のそれぞれに
は作動腕３，３ａ，３ｂを、互いに背向または対
向する方向に突設し、作動腕３の先端は基台４に
回動と共にその長手方向に移動可能に支持し、作
動腕３のうち頭側か足側のどちらか一方の作動腕
３ａの適所には第１の回動支点５を構成すると共
に、第１の回動支点５よりも回動杆２ａ側に対応
する基台４に第２の回動支点６を構成して前記第
１の回動支点５と第２の回動支点６間に回動支持
腕７を連結し、さらに前記回動杆２のそれぞれに
は互いに独立して操作可能な回動用駆動手段８，
８ａ，８ｂを設けると共に、前記第２の回動支点
６は、回動杆２ａの軸線と交叉する鉛直線ｌ上に
構成すると共に、第２の回動支点６と第１の回動
支点５間の距離が、第１の回動支点５と回動杆２
ａとの距離に等しくなるように構成したものであ
る。

また第２項記載の構成は、前記第１項記載の機
構に於いて、回動杆２の回動用駆動手段８は、そ
れぞれの回動杆２に突設した駆動腕９，９ａ，９
ｂと、それぞれの駆動腕９に回動自在に連結する
と共に、床部支持枠１の長手方向に進退自在に構
成した駆動杆１０，１０ａ，１０ｂとで構成した
ものである。

（作用および実施例） 次に本発明の作用を実施例に対応する第１図〜
第５図に基づいて説明する。

まず、第１図に示す実施例では床部支持枠１の
頭側と足側の回動杆２ａ，２ｂの回動用駆動手段
８ａ，８ｂをそれぞれ回動杆２ａ，２ｂに突設し
た駆動腕９ａ，９ｂと、これに回動自在に連結し
た駆動杆１０ａ，１０ｂとで構成し、この駆動杆
１０ａ，１０ｂを床部支持枠１の長手方向に進退
させて、回動杆２を回動させる構成としている。
本実施例では、このような駆動杆１０の進退運動
は、その先端の雌ねじ部（図示省略）に第２の駆
動杆１１，１１ａ，１１ｂの内側に構成したねじ
シヤフト（図示省略）を螺合させて構成し、この
ねじシヤフトをモータ１２，１２ａ，１２ｂによ
り回転させることにより、それぞれの駆動杆１０
ａ，１０ｂごとに独立して行える構成としている
が、このほか例えば油圧シリンダを用いる等適宜
である。

このような構成の駆動杆１０ａ，１０ｂを同時
にあるいは単独で床部支持枠１の長手方向に進退
させて、回動杆２ａ，２ｂそしてこれを突設して
いる作動腕３ａ，３ｂを回動させることにより、
該支持枠１を昇降あるいは傾斜させることができ
る。この様子を示したのが第２図および第３図
で、かかる図の構成は作動腕３ａ，３ｂをそれぞ
れ互いに背向する方向に回動杆２ａ，２ｂに突設
した実施例に対応するものである。

第２図ａは床部支持枠１を下降限界に位置させ
た状態を示すもので、かかる状態は患者等が昇降
し易い状態である。この状態の支持枠１を上昇さ
せるには、作動腕３ａは反時計方向に、また作動
腕３ｂは時計方向に等しく回動するように駆動杆
１０ａ，１０ｂを進退すれば良い。作動腕３ａ，
３ｂをこのように回動させるためには、その先端
は、それらの間の間隔が狭くなるように移動しな
ければならないが、これはかかる先端を前述した
ように基台４の長さ方向に移動可能としているこ
とにより実現している。また以上の床部支持枠１
の上昇過程において、作動腕３の一方３ａには回
動支持腕７を連結しているので、作動腕３ａ，３
ｂは共にこの回動支持腕７の規制を受けながら、
回動と共に基台４の長手方向の移動を行なう。す
なわち、第４図に示すように、回動杆２ａが、符
号Ａの状態にあるときは、床部支持枠１は第２図
ａに示すように下降限界にあり、この状態におい
て回動杆２ａが反時計方向に回動すると、作動腕
３ａも反時計方向に回動して、符号Ｂそして符号
Ｃへと移動し、ついには符号Ｄで示す位置に至
り、支持枠１を高い位置に至らせる。この際、作
動腕３ａと基台４との間に回動支持腕７を設けて
いるので、作動腕３ａはそこに構成した回動支持
腕７の第１の回動支点５が、基台４に構成した第
２の回動支点６を中心とする円弧を描くように運
動する。

したがつて、回動杆２ａの移動軌跡は、作動腕
３ａの支持端を単純に固定した場合の湾曲した軌
跡Ｘと異なり、符号Ａから符号Ｄに至る鉛直線状
の軌跡となる。

このように本発明においては、基台４の長手方
向に対しての作動腕３，３ａ，３ｂの回動にとも
なう水平方向の距離の変化は該長手方向に対する
作動腕３の先端側の移動によつて吸収され、した
がつて床部支持枠１の上昇に際して該支持枠１を
その長手方向に移動させないので、隣接して壁が
あつても、これに当接して傷を付けたりすること
はない。

以上は、床部支持枠１の上昇時について説明し
たが、下降時も同様であることはもちろんであ
る。

また本発明に於いては、作動腕３の運動を規制
する回動支持腕７は作動腕３の一方３ａにしか連
結していないので、第３図に示すように支持枠１
をその長手方向に自由に傾斜させることができ
る。例えば回動用駆動手段８の一方８ｂのみを駆
動して駆動杆１０ｂを進退させると、回動杆２ａ
は現在位置にて回動運動のみを行うが、回動杆２
ｂは自身の回動運動と共に、回動杆２ａの軸を中
心とする円弧軌跡上を移動するので、回動杆２ｂ
側の床部支持枠１は、回動杆２ｂこの回動方向に
応じて回動杆２ａ側のそれに対して上昇または傾
斜させることができる。回動用駆動手段８の他方
８ａを駆動した場合も同様で、回動杆２ａ側の床
部支持枠１が回動杆２ｂのそれに対して昇降す
る。尚、第３図ａの傾斜状態は、床部支持枠１の
回動杆２ａ側が下降状態に於いて回動用駆動手段
８ｂを駆動して、回動杆２ｂ側を上昇させた状
態、または回動杆２ｂ側が上昇状態に於いて回動
用駆動手段８ａを駆動して、回動杆２ａ側を下降
させた状態を示すものである。また第３図ｂの状
態は第３図ａと逆の状態を示すものである。

以上の昇降および傾斜動作は、第５図に示すよ
うに作動腕３ａ，３ｂを互いに対向する方向に回
動杆２ａ，２ｂに突設した場合でも、回動杆２の
回動方向と床部支持枠１の昇降関係が逆になる点
を除いては同様である。

なお、作動腕３ａの基台４への支持方法は、例
えば基台４に長手方向にみぞ１３を形成すると共
に、作動腕３にピン１４を突設して、これをみぞ
１３に摺動自在に係合させる等適宜である。

（発明の効果） 以上のような、本発明の昇降傾斜機構において
は、床部支持枠の昇降ならびに傾斜操作を自在に
行うことができ、、しかも床部支持枠の昇降時に
おけるその移動軌跡は、外方に湾曲することなく
鉛直線状となつて横に突出することがないので、
壁等に当接して傷付けたりすることがなく、した
がつて昇降操作を安全に行い得るという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の実施例に対応するも
ので、第１図は全体斜視図、第２図ａ，ｂおよび
第３図ａ，ｂは構成および動作を表わした模式的
側面図、第４図は昇降時に於ける要部の状態遷移
を表わした模式的側面図、第５図は他実施例の模
式的側面図、第６図ａ，ｂは従来例のそれぞれ模
式的斜視図と、昇降時に於ける状態遷移を表わし
た模式的側面図である。 符号、１……床部支持枠、２（２ａ，２ｂ）…
…回動杆、３（３ａ，３ｂ）……作動腕、４……
基台、５……第１の回動支点、６……第２の回動
支点、７……回動支持腕、８（８ａ，８ｂ）……
回動用駆動手段、９（９ａ，９ｂ）……駆動腕、
１０（１０ａ，１０ｂ）……駆動杆、１１（１１
ａ，１１ｂ）……第２の駆動杆、１２（１２ａ，
１２ｂ）……モータ、１３……みぞ、１４……ピ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床部支持枠の頭側及び足側に、その短手方向
   に回動杆を設け、該回動杆のそれぞれには作動腕
   を、互いに背向または対向する方向に突設し、該
   作動腕の先端は基台に回動と共にその長手方向に
   移動可能に支持し、該作動腕のうち頭側か足側の
   どちらか一方の適所には第１の回動支点を構成す
   ると共に、該第１の回動支点よりも該作動腕を突
   設した回動杆側に対応する基台に第２の回動支点
   を構成して前記第１と第２の回動支点間に回動支
   持腕を連結し、さらに前記回動杆のそれぞれには
   互いに独立して操作可能な回動用駆動手段を設け
   ると共に、前記第２の回動支点は、第１の回動支
   点を構成した作動腕を突設した回動杆の軸線と交
   叉する鉛直線上に構成すると共に、該第２の回動
   支点と第１の回動支点間の距離が、第１の回動支
   点と該回動杆との距離に等しくなるように構成し
   たことを特徴とする床部支持枠の昇降傾斜機構。 ２ 第１項記載の機構に於いて、回動杆の回動用
   駆動手段は、それぞれの回動杆に突設した駆動腕
   と、それぞれの駆動腕に回動自在に連結すると共
   に、床部支持枠の長手方向に進退自在に構成した
   駆動杆とで構成したことを特徴とする床部支持枠
   の昇降傾斜機構。