JPS6130535Y2

JPS6130535Y2 -

Info

Publication number: JPS6130535Y2
Application number: JP1980067107U
Authority: JP
Priority date: 1980-05-16
Filing date: 1980-05-16
Publication date: 1986-09-06
Also published as: FR2482530A1; DE3119437A1; GB2078850A; FR2482530B1; US4394048A; JPS56168957U; DE3119437C2; GB2078850B

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、自動車用シートの両側ロツクリクラ
イナに関するものであり、シートの両側の噛合機
構のロツク・レリーズを同時にコントロールする
連動機構において、その寸法精度を高めることな
く、操作力の伝達を確実に行い、しかも操作力伝
達部の摩耗、変形等を来たし難い機構を提供する
ことを目的とする。

従来の連動機構においては、左右の噛合機構を
連動せしめるため、連動棒の両端部に駆動のため
の回転力伝達部が設けられているが、この回転力
伝達部は、通常矩形状あるいは円欠鼓状断面の連
動棒端およびこれと嵌合する部材からなるもので
あつて、この嵌合部の遊隙のため、操作量がその
まゝ被伝達側に伝達されず、操作量の伝達ロスと
して大きく影響してくるために、操作ハンドルの
操作量を大きくとる必要が生じ、また嵌合部の嵌
合精度を厳しく管理することが要求されていた。

また、操作ハンドルの回動による被伝達側にお
ける伝達トルクの嵌合部への作用力としては、嵌
合部の狭い受圧面に対し大きな面圧として加えら
れるため、繰返して加えられる伝達トルクによ
り、受圧面が摩耗したり変形したりする機会が多
く、嵌合部の遊隙が増加し、前述の如き不工合が
増大するため、嵌合部の受圧面を広くとつたり、
材質上の考慮を特に払つたりして嵌合部の摩耗、
変形に対処する配慮が要求されていた。

更に嵌合部の嵌合精度を向上せしめた結果、シ
ートアセンブリの組付工程に際して精度の高い連
動棒の嵌合部の嵌挿に苦しめられることともな
り、かかる不工合の生じないリクライナ装置が要
望されていた。

本考案はこの要望に応えるもので、プレス加工
による比較的粗い寸法精度の部品をもつてして
も、伝達ロスや伝達部の摩耗、変形等の発生を低
く抑え得る装置を提供するものであり、その構成
について以下図面により説明する。

第１図は実施例の連動機構を装備した左側のシ
ートのアウタ側（車室外側）斜視図であり、シー
トクツシヨン１およびシートバツク２が、それぞ
れロアアーム３およびアツパアーム４に結合さ
れ、両アーム３，４はヒンジ軸５において回動自
在に枢着係合され、この回動角はリクライナ装置
６により着座者によつて任意に選定されうる。リ
クライナ装置６のロツク・レリーズは、操作レバ
７に係合されている操作ハンドル８のヒンジ軸５
回りの回動操作により行なわれる。

なお、ロアアーム３はロアレール９上を車体前
後方向に可動とされている。

第２図はシートクツシヨンおよびシートバツク
を取除いた骨組のみの左側シートのインナ側（車
室中央側）斜視図であり、ロアアーム３，３ａに
係合され、シートクツシヨン１を支持するシート
クツシヨンフレーム１０およびアツパアーム４，
４ａに係合され、シートバツク２を支持するシー
トバツクフレーム１１、左右の噛合機構１２，１
２ａ、両噛合機構１２，１２ａを連動せしめる連
動機構１３およびシートを前後せしめるシートト
ラツク操作機構１４が示されている。連動機構１
３は図示の如く、一連に係合した左側の操作レバ
７、補助レバ１５、連動棒１６、右側の補助レバ
１５ａ（第３図参照）および操作レバ７ａより構
成されている。

以下各部材については左右略対称であるから右
側部材の番号には符号ａを付記して示すこととす
る。

第３図の分解斜視図によりリクライナ装置の詳
細を説明するに、シートクツシヨンフレーム１０
（第２図参照）を挾持して対向するロアアーム
３，３ａのそれぞれにはヒンジ軸５，５ａが外側
へ突設されており、アツパアーム４，４ａがそれ
ぞれヒンジ軸５，５ａに回動自在に枢着されてい
る。細かい多数の円弧状の歯１７，１７ａをそれ
ぞれ有するラツチ１８，１８ａが、それぞれアツ
パアーム４，４ａに、円弧状の歯部１７，１７ａ
の中心が該アツパアーム４，４ａの回動中心と同
芯となるごとく、固設されている。図示例におい
ては、第４図、第５図に示すごとくラツチ１８は
３本のリベツト１９によりアツパアーム４に固設
されている。

ラツチ１８，１８ａの歯部１７，１７ａの一部
とそれぞれ噛合する歯部２０，２０ａをそれぞれ
有するポール２１，２１ａはロアアーム３，３ａ
にそれぞれ回動自在に軸支されている。

第４図に示すごとく、ポール２１はピン２２が
回動中心となるようロアアーム３に軸支されてい
る。ポール２１ａも同様にしてロアアーム３ａに
軸支される。

なお、ポール２１，２１ａには、それぞれ後述
する操作レバ７，７ａに係合されるレリーズピン
２４，２４ａが突設されている。

前記ラツチ１８，１８ａおよびポール２１，２
１ａの外側には、間にカバープレート２３，２３
ａを介在せしめてその外側に操作レバ７，７ａが
それぞれヒンジ軸５，５ａに回動自在に枢支さ
れ、抜止めのＥリング４１が装着されている。

前記カバープレート２３，２３ａは、それぞれ
ヒンジ軸５，５ａに嵌挿され、回動するラツチ１
８，１８ａの歯部１７，１７ａおよびポール２
１，２１ａの歯部２０，２０ａの噛合部を被覆挾
持するごとく、ロアアーム３，３ａに固定されて
いる。カバープレート２３は第４図に示すごとく
ピン２２およびリベツト２５によりロアアーム３
に固定され、カバープレート２３ａも同様にして
ロアアーム３ａに固定される。

前記操作レバ７には、第４図に示すごとく、特
に歯部１７，２０間の噛合を解く際に役立つごと
く、ポール２１のレリーズピン２４と摺動係合す
るカム長孔２６が穿設され、また同レバ７の先端
には操作ハンドル８が取付けられており、操作レ
バ７ａにも、操作ハンドルは取付けられていない
が、その他は同様に、ポール２１ａのレリーズピ
ンと摺動係合するカム長孔２６ａが穿設されてい
る。

ロアアーム３，３ａにそれぞれ固設されている
ヒンジ軸５，５ａには、それぞれロアアーム３，
３ａの内側に突出するヒンジ内軸２７，２７ａが
延設されている。

第５図に示すごとく、ヒンジ内軸２７には補助
レバ１５が回動自在に枢支され、同レバ１５の抜
止めのＥリング２８が装着され、該ヒンジ内軸２
７のＥリング２８の内側に連動棒１６端が回動自
在に枢支されており、同様にヒンジ内軸２７ａに
も補助レバ１５ａおよび連動棒１６端が回動自在
に嵌挿枢支されている。

前記補助レバ１５の先端は、ロアアーム３を貫
通する貫通ピン２９を介して操作レバ７と一体的
に回動しうるごとく結合され、また前記補助レバ
１５の先端寄りには、後述する連動棒１６の端部
のフツク３９のフツク端４０が係止される係止孔
３０が穿設され、フツク端４０が係止孔３０に嵌
入されることにより補助レバ１５と連動棒１６と
が連動するよう構成されており、貫通ピン２９に
はポール２１のカム面３１上を転動しうるローラ
３２が操作レバ７と補助レバ１５との間に回動自
在に挾持されている。図示例では係止孔３０は角
孔とされている。同様に補助レバ１５ａは操作レ
バ７ａと一体的にピン結合され、その先端寄りに
は係止孔３０ａが穿設され、ローラ３２ａが操作
レバ７ａと補助レバ１５ａとの間に回動自在に挾
持されている。

ロアアーム３には、貫通ピン２９が貫挿されか
つヒンジ軸５を中心に回動しうる弧状孔３３が穿
設され、またピン２２を中心として回動するレリ
ーズピン２４のピン頭が当接しないように弧状孔
３４が、またヒンジ軸５を中心として回動するリ
ベツト１９の鋲頭が突出摺接する弧状孔３５が穿
設されている。前記弧状孔３５はアツパアーム４
の回動可能の角度範囲を限定している。また図示
例では弧状孔３３と３４とは連続している。同様
にロアアーム３ａにも対称位置に各弧状孔が穿設
されている。

ヒンジ軸５の先端にはスパイラルスプリング３
６の内端が係止され、アツパアーム４に突設され
るフツク３７には前記スパイラルスプリング３６
の外端が係止され、シートバツク２を前方に旋回
するごとく付勢している。

なお、図示実施例においては左側にのみスパイ
ラルスプリング３６が設けられているが、両側に
取付けることも可能である。

また操作レバ７，７ａにはそれぞれロアアーム
３，３ａとの間にスプリング３８，３８ａが張設
されており、操作レバ７，７ａを第４図中反時計
方向へ回動するごとく付勢している。

連動棒１６は通常パイプ材により構成されてい
るが、両端末にそれぞれフツク３９，３９ａが固
設され、該各フツク３９，３９ａの先端には連動
棒１６の回動軸芯より離れた位置に、それぞれフ
ツク端４０，４０ａが、前記補助レバ１５，１５
ａの係合孔３０，３０ａに嵌挿係合されるごとく
突設されている。

第３図に示す如くロアアーム３，３ａはそれぞ
れロアレール９，９ａ上に前後進自在に載置さ
れ、両者間の係合、離脱を司るシートトラツク操
作機構１４は、操作レバ４２および同レバ４２に
より連動ワイヤ４３を介して同時に作動される左
右のラツチ４４，４４ａより構成されている。な
お、５はシートトラツクのホールドプレートであ
る。

次に本考案の作用効果について説明する。

第４図に示すごとく、操作レバ７は常時スプリ
ング３８により反時計方向に付勢されているた
め、貫通ピン２９に嵌挿されているローラ３２
が、ポール２１のカム面３１を、ポール２１がピ
ン２２を中心として時計方向に回動するごとく押
付けており、このためポール２１の歯部２０がラ
ツチ１８の歯部１７に噛合され、アツパアーム４
の位置が保持されている。この位置でポール２１
のレリーズピン２４は操作レバ７のカム長孔２６
中で前記噛合を妨げない、あるいは噛合を助長す
る位置を占めている。右側の噛合機構１２ａにお
いても同様である。

シートバツク２の傾斜角を調整するためには、
操作ハンル８を上方へ持上げ、操作レバ７を第４
図中ヒンジ軸５を中心として時計方向へ回動せし
める。するとローラ３２とカム面３１の当接が外
れ、他方レリーズピン２４がカム長孔２６に誘導
され、ポール２１がピン２２を中心として反時計
方向へ回動して歯部２０と歯部１７との噛合が外
れる。

他方、操作レバ７の回動により、貫通ピン２９
を介して補助レバ１５が同時にヒンジ内軸２７を
中心として回動する。補助レバ１５の回動により
これと係合しているフツク３９のフツク端４０が
回動し、このフツク３９と一体にされている連動
棒１６が回動する。連動棒１６の回動は、フツク
３９ａ、フツク端４０ａ、補助レバ１５ａを介し
て操作レバ７ａに伝達されるため、前述同様にし
て、ラツチ１８ａの歯部１７ａとポール２１ａの
歯部２０ａの噛合が外れる。この結果、シートバ
ツク２はヒンジ軸５，５ａを中心として回動可能
とされる。

連動棒１６と補助レバ１５，１５ａとの係合に
ついては、連動棒１６と一体化されているフツク
３９，３９ａのフツク端４０，４０ａが、連動棒
１６の回動中心より離れた位置で補助レバ１５，
１５ａの係合孔３０，３０ａでそれぞれ嵌合係合
しているものである。

他方、連動棒を介して伝達されるべき伝達トル
クを同一とする場合、（伝達トルク）＝（伝達面圧）（伝達面より連動棒軸
芯までの距離）で表わされるため、前記の距離が大となる程、伝
達面圧は小となり、この結果、フツク端４０，４
０ａと係合孔３０，３０ａとの嵌合部における受
圧面積を広くとらなくても、この受圧面の嵌合部
の摩耗、変形が生じ難くなる。

従来は連動棒端に直接嵌合部材が係合されてい
たため、この嵌合部の遊隙により、操作側の操作
レバの回動角より連動棒の回動角が小さくなり、
被操作側の操作レバの回動角は更に小さくなるた
め、嵌合部の摩耗、変形が生じると、操作側の操
作レバの回動角を相当大きくとらないと、被操作
側の噛合機構のレリーズが生起しない恐れがあつ
たが、本考案においては連動棒と操作レバと一体
的に回動する補助レバとの嵌合係合位置が連動棒
から離れた位置にあり、嵌合部の遊隙が多少あつ
ても、操作レバ７の回動角、連動棒１６の回動角
および操作レバ７ａの回動角とはほとんど同一で
あり、嵌合部の遊隙が多少あつても操作レバ７の
回動角に対する操作レバ７ａの回動角、すなわち
操作変位量の伝達ロスが少なく、嵌合部の摩耗、
変位もほとんど生起しないため、前記嵌合部の嵌
合精度を厳しく管理する必要がなくなる。従つ
て、シートアセンブリの組付に際して、遊隙を大
として連動棒嵌合部の嵌合組付を容易とすること
ができる。

本考案は実用新案登録請求の範囲に記載した構
成をなすものであるから、両側ロツクリクライナ
の連動機構において連動棒の軸芯から離れた位置
で操作力が伝達されるため、連動棒端嵌合部の遊
隙が多少あつても操作変位量の伝達ロスが少なく
なり、嵌合部の受圧面積を大としなくても受圧面
における摩耗、変形が生じ難くなり、このためフ
ツク、補助レバ等のプレス加工による比較的低い
寸法精度の部品によつても、操作変位量の伝達ロ
スを生ずることが少なく、伝達受圧面の摩耗、変
形等の生じ難い、かつ組付容易な連動機構を得る
ことができるものであり、コストの低下も著し
い、優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例の装着されたシートの外側斜
視図、第２図は同上シートの骨組を示す内側斜視
図、第３図は実施例のリクライナの分解斜視図、
第４図は同上側面図、第５図は第４図中Ｖ−Ｖ線
断面図である。１……シートクツシヨン、２……シートバツ
ク、３，３ａ……ロアアーム、４，４ａ……アツ
パアーム、５，５ａ……ヒンジ軸、６……リクラ
イナ装置、７，７ａ……操作レバ、１２，１２ａ
……噛合機構、１３……連動機構、１５，１５ａ
……補助レバ、１６……連動棒、２７，２７ａ…
…ヒンジ内軸、２９……貫通ピン、３０，３０ａ
……係止孔、３３……弧状孔、３９，３９ａ……
フツク、４０，４０ａ……フツク端。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

シートバツクが結合されるアツパアームのヒン
ジ軸回りの回動をロツク・レリーズしうる噛合機
構がシートの両側に対称的に設けられている自動
車用シートのリクライナ装置において、前記シー
トのシートクツシヨンが結合される左右両側のロ
アアームにそれぞれ設けられている噛合機構のロ
ツク・レリーズをシートの片側の操作レバにより
同時にコントロールしうる連動機構が、シートの
両側に対称的に設けられている操作レバおよび補
助レバと、前記両側の補助レバ間を係合するとこ
ろのフツクを両端に有する連動棒とよりなり、前
記操作レバはロアアームの外側において前記ヒン
ジ軸に回動自在に枢着され、前記補助レバはロア
アームの内側において前記ヒンジ軸と同軸にロア
アームの内側に突設されているヒンジ内軸に回動
自在に枢着され、前記ロアアームを挟んで対峙す
る操作レバと補助レバとは前記ロアアームに前記
ヒンジ軸の軸芯を中心として円弧状に穿設される
弧状孔に貫挿されている貫通ピンを介して一体回
動するごとく連結され、前記連動棒は両端におい
て前記補助レバの内側に突出している前記ヒンジ
内軸に回動自在に枢着され、また前記連動棒の両
端に固設されているフツクの先端に前記連動棒の
回動軸芯より離れた位置に設けられているフツク
端がそれぞれ前記補助レバに穿設されている係止
孔において前記両補助レバと係合する構成とされ
ていることを特徴とする自動車用シートの両側ロ
ツクリクライナの連動機構。