JPS6124023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は機体前部で、左右巾中央部にエンジン
を配し、その後部にミツシヨンケースを連結し、
このミツシヨンケースの後方に運転席を配設し、
機体後部に植付け装置を設け、ミツシヨンケース
から左右に延出した車軸端に夫々前輪を設けてあ
る乗用田植機に関する。

かゝる乗用田植機は、機体発進時等に駆動車輪
の駆動反力が機体に作用して機体前部が浮上がる
傾向を生じた場合、前方に重量物であるエンジン
とミツシヨンケースとが設けられているため、こ
の反力に打ち勝つて、機体を安定姿勢に保ち、機
体後部における苗植付け深さが一定になり、又操
縦者も安全である利点を有する。

ところで、かゝる乗用田植機は機体が大型とな
り車高もあるために、操縦部への乗り降りにステ
ツプを必要とする。

従来、機体に対する乗降用ステツプは、一般
に、前後車輪の間の機体横側部に設けられている
か、あるいは、実開昭52−55825号公報に示され
る如く、後輪フエンダ機体横外部に設けられてい
た。

このように、機体の横から乗降するものでは、
植付け作業の途中で苗が無くなつて畦に置いてあ
る予備苗を補給する場合には、機体を畦に横付け
しなければならず、機体の巾寄せに時間がかかつ
て作業能率が低下する。

そこで、機体の前から乗降できるものが要望さ
れるのであるが、前から乗降するに当つて、乗降
の容易性を考えて、エンジンと車輪との間の低い
位置にステツプを設けると、この種一般の田植機
は、前輪がフエンダで覆われていない為、衣服が
車輪に擦れて汚れる欠点がある。

そこで、衣服の汚れの防止と乗降の容易性を考
えて、車輪の径を小さくしてその直上にステツプ
を設けたものがある（実開昭53−107509号公
報）。

しかし、この構造によると乗降し易いステツプ
にするには車輪径を可及的に小さくしなければな
らず、その結果この車輪が泥土に沈下埋没して走
行性能が大幅に損われる。従つて車輪はある程度
大径にせざるを得ない構造上に制約がある。

本考案は以上のような従来構造の欠点をうまく
解決しようとするもので、大径の車輪を用いて良
好な走行性能が得られ乍らステツプの位置を低く
して乗降を容易に行え、しかも乗降時に衣服が車
輪に擦れて汚れたり、エンジンに手や身体が触れ
て思わぬ怪我をしたりするというようなことがな
い乗用田植機を提供せんとするものである。

上記目的を達成する為に講じた本考案の特徴構
成は、冒頭に記した如き乗用田植機において、左
右の前輪とエンジン、ミツシヨンとの間で、且
つ、車輪上面に近接させた対地高さ位置に機体前
方側を遊端にしたステツプを設けると共に、前記
ステツプ内端辺はエンジン、ミツシヨンケースの
側面近くにあつて、この内端辺から上方に立上が
つてエンジン上方を覆うカバー部を一体に連設
し、且つ、外端辺は前輪の内側面近くにあつて、
この外端辺から上方に立上がつて前輪の上方を覆
う車輪カバー部分を一体に連設した点にあり、
かゝる構成から次の作用効果を奏する。

即ち、ステツプを車輪軸の上面に近接させた対
地高さとし、且つ、前方を開放するので、低い位
置、たとえば畦上から容易に乗降でき乍ら、この
ステツプの内、外端辺から夫々上方に立上がると
共にエンジン、前輪夫々の上方を覆うカバー部分
を一体に連設することにより、車輪の径を泥中に
沈下することのない充分大きな径にすることがで
きて良好な走行性能が得られ、しかも乗降時に車
輪によつて衣服を汚したり、エンジン部で手や身
体を怪我したりすることなく安全に乗降できる等
多くの利点を有する。

又エンジンやミツシヨンケースをこのカバー部
の竜骨材として利用させることも容易で丈夫なス
テツプを得やすい利点がある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図面は３輪型式の乗用型田植機を示し、図中１
は、機体の前後位置に左右一対の駆動車輪前輪
２，２と一つの操向輪３とを配備してある移動機
体であり、４は、後方下方から前方上方に向かう
前傾姿勢の苗のせ台５、植付け爪６、これらの駆
動機構を内装してある植付けミツシヨンケース７
ならびに、苗植付け面を整地するフロート８から
なる植付け装置であつて、この植付け装置４を、
前記移動機体１の後部にリンク機構９を介して昇
降可能に連結している。

前記移動機体１は次の如く構成されている。即
ち、前部機体巾中央にエンジン１０を搭載してあ
るフレーム１１の後端部に、その下端部から前記
駆動車輪２，２の車軸２Ａ，２Ａを横方向に突設
してあるミツシヨン１２を連設し、このミツシヨ
ン１２から後方に延出したパイプ状フレーム１３
に運転席１４を設けるとともに、前記パイプ状フ
レーム１３の後端部に連設した伝動ケース１５に
は、前記操向輪３への伝動機構を内装してある車
輪支持ケース１６の前部を、上下軸芯周りで旋回
可能に装着している。

また、前記左右の駆動車輪２，２とエンジン１
０、ミツシヨン１２との間で、且つ、車軸２Ａ，
２Ａ上面に近接させた対地高さ位置の夫々に、前
後方向に向かう開放空間１７，１７を有する状態
でステツプ１８，１８を設け、この両ステツプ１
８，１８とエンジン１０、ミツシヨン１２を覆う
断面ほぼコの字状のボンネツト１９ならびに、前
記駆動車輪２，２の内側部及び上部を覆う断面ほ
ぼ逆しの字状の車輪カバー２０，２０とを一体連
設するとともに、前記車輪カバー２０，２０の上
部には乗降用の握り部材２１，２１を設けてい
る。

尚、図中２２，２２は、前記植付け装置４をリ
ンク機構９を介して駆動昇降させるリフトアーム
であり、２３は、前記操向輪３に対するステアリ
ングバンドである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用田植機の実施例を示
し、第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は
一部切欠正面図である。 ２……前輪、２Ａ……車軸、４……植付け装
置、１０……エンジン、１２……ミツシヨン、１
４……運転席、１７……開放空間、１８……ステ
ツプ、１９……カバー部、２０……車輪カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体前部で、左右巾中央部にエンジン１０を配
   し、その後部にミツシヨンケース１２を連結し、
   このミツシヨンケース１２の後方に運転席１４を
   配設し、機体後部に植付け装置４を設け、ミツシ
   ヨンケース１２から左右に延出した車軸２Ａ，２
   Ａ端に夫々前輪２，２を設けてある乗用田植機に
   おいて、前記左右の前輪２，２とエンジン１０、
   ミツシヨンケース１２との間で、且つ、車軸２
   Ａ，２Ａ上面に近接させた対地高さ位置に機体前
   方側を遊端にしたステツプ１８，１８を設けると
   共に、前記ステツプ１８，１８の内端辺はエンジ
   ン１０、ミツシヨンケース１２の側面近くにあつ
   て、この内端辺から上方に立上がつてエンジン上
   方を覆うカバー部１９を一体に連設し、且つ、外
   端辺は前輪２，２の内側面近くにあつて、この外
   端辺から上方に立上がつて前輪２，２の上方を覆
   う車輪カバー２０，２０部分を一体に連設してあ
   ることを特徴とする乗用田植機。