JPS6143614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、例えば乗用型田植機に適した農作業
用の牽引車に関する。

【従来の技術】

一般に、従来の乗用型田植機に用いられる牽引
車においては、車体前部にエンジンが搭載される
と共に、車体のほぼ中央にトランスミツシヨンが
設けられ、このトランスミツシヨンを被うように
してフレームカバーが取付けられ、このフレーム
カバーの両側で、かつ、チエンケースの上方にス
テツプが形成されており、このステツプを基準と
して適宜の高さに座席が設けられている。

【考案が解決しようとする問題点】

このため、車体の重心が車体のほぼ中央にあ
り、このため、植付部を車体後部に装着すると後
荷重となつて走行時に不安定であり、車体前部に
バランスウエイトを取付ける必要が生じたり、ま
た、ステツプのスペースを広くとれず作業性が悪
い等の欠点があつた。

【問題点を解決するための手段】

本考案は、かかる点に鑑み、車体前部にエンジ
ン３とトランスミツシヨンケース１とを設け、こ
のトランスミツシヨンケース１の左右両側から後
方に向けて所定の間隔でほぼ平行な枠体２８，２
８を設け、この枠体２８，２８の後端側に横枠１
６で互いに連結され後方下位に向う車輪伝動ケー
ス１３，１３を装着し、前記左右の枠体２８，２
８間をステツプ２９で連結し、前記横枠１６から
支柱１７を介して座席１８を装着してなることに
よつて、車体重心が前方寄りとなり、植付部を装
着したとき前後バランスがよくなつて安定走行が
可能となると共に、ステツプが広く作業のし易い
農作業用の牽引車を提供することを目的とする。

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。 第１図ないし第３図において、乗用型田植機の
車体（牽引車）前部にはトランスミツシヨン１が
搭載されると共に、このトランスミツシヨン１の
前面にはエンジン台２が取付けられ、このエンジ
ン台２上にエンジン３が搭載されている。エンジ
ン３の駆動プーリ４とトランスミツシヨン１の従
動プーリ５間にはベルト６が張設され、トランス
ミツシヨン１の後部突出部１ａ上には、ステアリ
ング装置７が設けられ、このステアリング装置７
は公知の構成を有し、ステアリング軸８、ハンド
ル９およびステアリング軸８の回転を左右の前輪
１０，１０に伝達するためのアーム１１等からな
つている。一方、トランスミツシヨン１の下方に
は、左右方向に前輪支持軸１１ａが配設され、こ
の前輪支持軸１１ａにフアイナルケース１２，１
２を介して前記前輪１０，１０が取付けられてい
る。 また、車体後部の左右両側には後方斜め下方に
向け傾斜配設された伝動ケース１３，１３があ
り、この伝動ケース１３の後端部に左右後輪１
４，１４が軸１５，１５を介して取付けられ、前
記伝動ケース１３，１３間には横枠１６が設けら
れている。この横枠１６の中央部に支持軸１７を
介して座席１８が取付けられると共に、横枠１６
には左右に間隔を配して耳１９，１９が設けられ
ている。 前記耳１９，１９には、リング２０，２０，２
０等からなるリンク機構２１が取付けられ、この
リンク機構２１の後方にはローリング軸２２を介
して植付部２３が連結され、この植付部２３は、
３つのフロート２４、このフロート２４に支持さ
れた植付部フレーム２５、このフレーム後部に設
けられた植付杆２６およびフレーム２５上方に前
方に傾斜した配設された苗タンク２７等からなつ
ている。 前記トランスミツシヨン１の後部突出部１ａの
両側と左右伝動ケース１３の上端部間には、２つ
の平行なチエンケースを兼ねる枠体２８，２８が
並設され、この枠体２８内に図示しないチエンが
内蔵され、このチエンによりトランスミツシヨン
１から動力が伝動ケース１３に伝達されるように
なつている。 前記両枠体２８間には、オペレータが足を載せ
るためのステツプ２９が下方に凹まされて形成さ
れ、前記ステツプ２９の前端はトランスミツシヨ
ン１の後部突出部１ａに固着され、その左右両端
は枠体２８の下端部に固着されている。 そして、ステツプ２９内の右側には２つのブレ
ーキペダル３０，３０が、その左側には走行クラ
ツチペダル３１が突出配置されている。 このように、ステツプ２９を広く形成すれば、
これに伴つて、座席１８前部の作業スペースを広
くでき、田植機全体が極めて安定性のあるものと
なり、高い畦を乗り越えるような場合にも車体が
倒れるということがなくなるし、しかも足をステ
ツプ２９から踏外すこともなく安全であり、ま
た、作業もし易くなる。 また、重量物であるトランスミツシヨン１、エ
ンジン３、ステアリング装置７等が車体前部にあ
るので、車体後部に植付部２３を装着した場合に
前後バランスがよく、車体前部にバランスウエイ
トを装着する必要がなく、軽量で安定した作業が
行える。

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、左右一対の枠
体２８，２８によつて、エンジン、トランスミツ
シヨン、ハンドル、前輪部等からなる重量物と、
運転席、車輪伝動ケース、後輪からなる比較的軽
い部材とを前後に相当な間隔を設けて分離するよ
うな状態で配設でき、しかも、左右枠体２８，２
８間にステツプを設けることでこの部分を有効に
利用でき、運転席まわりを広くできて作業性が良
好となり、後部に作業機を装着したときに前後バ
ランスが良くなつて前部が浮き上るような事態を
防止できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した乗用型田植機の側面
図、第２図は同乗用型田植機の平面図、第３図は
第１図の−断面図である。 １……トランスミツシヨン、２……エンジン
台、３……エンジン、４……駆動プーリ、５……
従動プリ、６……ベルト、７……ステアリング装
置、８……ステアリング軸、９……ハンドル、１
０……前輪、１１……アーム、１２……フアイナ
ルケース、１３……伝動ケース、１４……後輪、
１５……軸、１６……横枠、１７……支柱、１８
……座席、１９……耳、２０……リンク、２１…
…リンク機構、２２……ロータリング軸、２３…
…植付部、２４……フロート、２５……植付部フ
レーム、２６……植付杆、２７……苗タンク、２
８……枠体、２９……ステツプ、３０……ブレー
キペダル、３１……クラツチペダル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前部にエンジン３とトランスミツシヨンケ
   ース１とを設け、このトランスミツシヨンケース
   １の左右両側から後方に向けて所定の間隔でほぼ
   平行な枠体２８，２８を設け、この枠体２８，２
   ８の後端側に横枠１６で互いに連結され後方下位
   に向う車輪伝動ケース１３，１３を装着し、前記
   左右の枠体２８，２８間をステツプ２９で連結
   し、前記横枠１６から支柱１７を介して座席１８
   を装着してなる農作業用の牽引車。