JPS6123415B2 - - Google Patents

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JPS6123415B2
JPS6123415B2 JP53143187A JP14318778A JPS6123415B2 JP S6123415 B2 JPS6123415 B2 JP S6123415B2 JP 53143187 A JP53143187 A JP 53143187A JP 14318778 A JP14318778 A JP 14318778A JP S6123415 B2 JPS6123415 B2 JP S6123415B2
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JP
Japan
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valve
oil
hydraulic
clutch
motor
Prior art date
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Application number
JP53143187A
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English (en)
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JPS54134253A (en
Inventor
Noryuki Takahashi
Torao Hatsutori
Tasuku Date
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP14318778A priority Critical patent/JPS54134253A/ja
Publication of JPS54134253A publication Critical patent/JPS54134253A/ja
Publication of JPS6123415B2 publication Critical patent/JPS6123415B2/ja
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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車等に用いられる油圧式無段変
速機、特に入力軸に連なる定吐出量型油圧ポンプ
と、出力軸に連なる斜板式可変容量型油圧モータ
とを油圧的に連結し、前記油圧モータの容量をモ
ータ斜板の傾斜角の変更により調節して、前記入
力軸と出力軸間の変速比を無段階に調節できるよ
うにした変速機の制御装置に関するもので、その
目的とするところは、油圧モータを作動させるク
ラツチオン状態、それを不作動にクラツチオフ状
態およびその中間の半クラツチ状態が容易、確実
に得られるようにし、さらにそのクラツチ操作用
の摺動弁を用いて、適時に油圧モータと油圧ポン
プ間を直結できるようにした、構造簡単な油圧式
無段変速機の制御装置を提供することにある。
そしてかかる目的を達成するため本発明は、入
力軸に連なる定吐出量型油圧ポンプと、出力軸に
連なる斜板式可変容量型油圧モータとを油圧的に
連結し、前記油圧モータの容量をモータ斜板の傾
斜角の変更により調節して、前記入力軸と出力軸
間の変速比を無段階に調節できるようにした油圧
式無段変速機において、ミツシヨンケースに付設
したシリンダの内部を前記油圧ポンプの吐出ポー
トが開口する高圧油室に、またその外側を前記油
圧ポンプの吸入ポートが開口する低圧油室にそれ
ぞれ連通し、前記シリンダの側壁に前記両油室間
を連通する短絡ポートを設け、前記シリンダ内に
軸方向往復動可能に摺合したクラツチ弁を、該弁
の軸方向往動により前記短絡ポートを閉鎖しその
軸方向復動により同ポートを開放するように構成
し、このクラツチ弁の前端に、その往動限で前記
吐出ポートを閉塞する弁体を付設したことを特徴
とする。
以下、図面により本発明の一実施例について説
明する。
第1図に示すように本発明装置は、定吐出量型
斜板式油圧ポンプPと可変容量型油圧モータMと
を油圧的に連結して構成される、従来公知の油圧
式無段変速機CVTと、車輛走行用エンジン(図
示せず)によつて駆動されるエンジン駆動ポンプ
EPと、そのエンジン駆動ポンプEPと同期して駆
動され、エンジンの回転数に比例した出力油圧を
発生する遠心ガバナCGと、前記エンジンの絞り
弁開度に比例した力と、エンジンの回転数に比例
した力との差を変位に変換し、その変位によつて
出力制御部材の制御方向を決定するとゝもにその
制御力を増巾するようにした制御弁付主サーボモ
ータMSと、車輛の運転者によつて手動操作さ
れ、手動変速位置、自動変速位置およびニユート
ラル位置の3つの位置を選定する変速操作装置
CSHと前記無段変速機CVTにおける油圧モータ
Mのモータ斜板11を傾動制御する油圧式チエン
ジサーボモータCHSと、前記無段変速機CVTの
クラツチ操作を行う油圧式クラツチサーボモータ
CLSと、前記制御弁付主サーボモータMSと、前
記チエンジおよびクラツチサーボモータCHS,
CLSとを連動させそれらサーボモータCHS,
CLSを単独に、あるいは連動して操作制御する連
動操作装置OPCと、前記クラツチサーボモータ
CLSを強制的に“クラツチオフ”させる強制クラ
ツチオフ装置CLOと、車輛の走行によつて駆動
され、車速に比例した出力油圧を発生する走行駆
動ポンプVPとより構成されている。
先ずはじめに斜板式定吐出量型多プランジヤ油
圧ポンプPと、斜板式可変容量型多プランジヤ油
圧モータMとよりなる無段変速機CVTの構成に
ついて説明する。
尚、この無段変速機CVTは従来既に知られて
いるものであるので、その構成を簡単に説明す
る。前記油圧ポンプPは、入力軸3に貫通される
とゝもにこれにスプライン係合2されたポンプシ
リンダ1と、そのポンプシリンダ1にその回転中
心を囲むように設けられた環状配列の多数のシリ
ンダ孔4,4………にそれぞれ摺合した多数のポ
ンププランジヤ5,5………を有し、入力軸3に
は図示しないエンジンからの動力がフライホイー
ルを介して伝達されるようになつている。一方、
前記油圧モータMは、前記ポンプシリンダ1を同
心上で囲繞してそれと相対的に回転できるように
配設されたモータシリンダ8と、そのモータシリ
ンダ8に、その回転中心を囲むように設けられた
環状配列のシリンダ孔9,9………にそれぞれ摺
合した多数のモータプランジヤ10,10………
を有する。
油圧ポンプPの各ポンププランジヤ5の内側
は、球面継手7を介して油圧モータMのモータシ
リンダ8内に一定角度で傾斜して固定されたポン
プ斜板6に自在に回動できるように連結されてい
る。したがつてモータシリンダ8に対してポンプ
シリンダ1が回転すると、多数のポンププランジ
ヤ5,5………は、前記ポンプ斜板6により順次
に往復摺動され吐出行程と吸入行程が繰り返され
る。
各モータプランジヤ10の内端は、球面継手1
2を介してモータ斜板11の表面に回動自在に連
結されている。前記モータ斜板11はその中央部
両側に一対のトラニオン軸13が突出されてお
り、それらのトラニオン軸13は、ミツシヨンケ
ースに枢支されていてモータ斜板11はミツシヨ
ンケースに対して左右に傾動できるようになつて
いる。
またモータシリンダ8の端部(第1図において
左端部)には、駆動歯車14が一体に形成されて
出力軸15を構成しており、モータシリンダ8、
すなわち出力軸15の回転力は図示しない伝動機
構を介して車輛の駆動車軸に伝達されるようにな
つている。ところでモータシリンダ8が回転すれ
ば、多数のモータプランジヤ10,10………は
位相をずらしてシリンダ孔9,9………内を往復
摺動して膨脹、あるいは収縮行程を繰り返す。こ
の場合、モータプランジヤ10,10………の摺
動ストロークは、モータ斜板11が図に実線で示
す最大傾斜位置Smaxのとき最大となり、また図
に鎖線で示す最小傾斜位置Sminのとき最小とな
る。而して前記モータ斜板11の傾斜角は後述す
るチエンジサーボモータCHSによつて無段階に
調整制御される。
油圧ポンプPと油圧モータM間は、作動油分配
機構dsを構成する、後述の分配盤17と分配環
18とに形成される油圧通路を介して連通されて
いる。そしてエンジンの駆動により入力軸3が回
転されると、これにスプライン係合2されるポン
プシリンダ1が回転され、吐出行程中のポンププ
ランジヤ5を収容したシリンダ孔4から吐出され
る高圧の作動油は、後に詳述の作動油分配機構
dsを介して膨脹行程中のモータプランジヤ10
を収容したシリンダ孔9内に給送され、一方収縮
行程中のモータプランジヤ10を収容したシリン
ダ孔9から排出される作動油は後に詳述の作動油
分配機構dsを介して吸入行程中のポンププラン
ジヤ5を収容するシリンダ孔4内に還流される。
このようにして入力軸3の回転中は油圧ポンプP
と油圧モータM間を高圧作動油が循環し、その間
吐出行程中のポンププランジヤ5がポンプ斜板6
を介してモータシリンダ8に与える反動トルクと
膨脹行程中のモータプランジヤがモータ斜板11
からうける反動トルクとの和によつてモータシリ
ンダ8は回転駆動される。そしてモータ斜板11
の傾斜角を最小傾斜角(垂直位置)Sminから最
大傾斜角Smaxまで傾動制御することにより油圧
モータMの容量を零から所定の値まで変えること
ができ、入力軸3と出力軸15間の変速比を1:
1から最大値まで無段階に変えることができる。
次にエンジンによつて駆動される、前記エンジ
ン駆動ポンプEPについて説明すると、これは通
常の歯車ポンプで構成され、その吸込口は油溜T
に連通され、またその吐出口は主給油路20に連
通されている。主給油路20は二又に分岐され、
その一方21は後述する制御弁付主サーボモータ
MSの中央作動油路44に連通され、またその他
方22は後述する開閉弁Vおよび給油路118を
介して同じく後述する強制クラツチオフ装置
CLOの流通ポート117に連通される。また主
給油路20からは補給油路24が分岐されてお
り、この補給油路24は、前記無段変速機CVT
の入力軸3内の油路25を通り、逆止弁26,2
7を介して前記油圧ポンプPと油圧モータMの油
圧閉回路内に連通され、その回路内の作動油が漏
洩したとき、その分を自動的に補給できるように
なつている。尚、28はエンジン駆動ポンプEP
の吐出口直後の主給油路20に介在した逆止弁、
29は主給油路20の前記逆止弁28より下流側
に接続されるリリーフ弁である。
次に前記遠心ガバナCGであるが、これは従来
公知の構造のものであつて、前記エンジン駆動ポ
ンプEPと同期して駆動され、エンジンの回転数
に比例した出力油圧を発生することができるもの
であり、その入力側には、前記主給油路20から
圧力油が分岐油路30を介して給油され、またそ
の出力側からの出力油圧は、油路31を介して、
後述する制御弁付主サーボモータMSに連通され
ている。
次にエンジンの絞り弁開度に比例した力とエン
ジンの回転数に比例した力とを入力させ、それら
の力の差を変位に変換し、その変位により出力制
御部材、すなわち出力ピストン54の制御方向を
決定するとゝもにその制御力を増巾するようにし
た制御弁付主サーボモータMSの構成について説
明すると、制御函33には、その両側面に開口す
る弁孔34が穿設され、この弁孔34内には、そ
の中央部にスプール弁35が、その左右端部に
は、左、右入力ピストン36,37がそれぞれ摺
動自在に嵌合されている。前記スプール弁35
は、その中央、および左右にそれぞれランド部r2
およびr1,r3を有しており、前記弁孔34内を第
1図において左側より4つの油室a,b,cおよ
びdに区画している。前記油室a,d内には、そ
れぞれ伝達ばね38,39が縮設され、これらの
伝達ばね38,39の弾発力によつて左、右入力
ピストン36,37は制御函33外に突出してい
る。前記左入力ピストン36の外端面には、エン
ジンの絞り弁(図示せず)に連動する回転カム4
0のカム面が当接されており、また前記右入力ピ
ストン37の外端面には、前記制御函33に上端
を止着した規制板41の下端が当接されている。
制御函33の右側面にはストツパ42が設けら
れ、このストツパ42は規制板41の左方への移
動を規制している。また規制板41にはバイメタ
ル43が沿着されており、寒冷時にその規制板4
1の下部を第1図において右方に撓曲されるよう
になつていて、寒冷時においてエンジンを暖機運
転する際にフアストアイドルによるアイドル回転
数の上昇に起因する、前記スプール弁35の移動
を修正できるようにしたものであり、すなわちエ
ンジンのアイドル回転数のばらつきに対するスプ
ール弁35の動きの補正をなすものである。前記
弁孔34の中央部には、前記エンジン駆動ポンプ
EPに主給油路20,21を介して連通する中央
作動油路44が開口されており、この中央作動油
路44はスプール弁35の左右動により油室bあ
るいはcに選択的に連通し得る。弁孔34の油室
bと、後述するサーボシリンダ48の左油室eと
は左作動油路45を介して連通され、また弁孔3
4の油室cと、前記サーボシリンダ48の右油室
fとは右作動油路46を介して連通される。尚、
右作動油路46には、さらに後述する補給油路4
7が連通される。また弁孔34には、その油室
a,bあるいはcに連通し得る還流油路49が開
口されており、そのうち油室a,bと還流油路4
9との連通路にはオリフイス51,52が介在さ
れている。そして前記還流油路49は油溜Tに連
通している。さらに弁孔34には、前記油室dに
連通し得る制御油路53が開口され、この制御油
路53はエンジンの回転数に比例した圧力油を発
生する前記遠心ガバナCGの出力ポートに出力油
路31を介して連通されている。
前記弁孔34の下方において制御函33には、
サーボシリンダ48が形成され、このサーボシリ
ンダ48内には、このシリンダ48内を左油室e
と右油室fとに区画する出力部材、すなわち出力
ピストン54が摺動自在に嵌合されている。また
制御函33には前記サーボシリンダ48の中心を
通る、後述の変速操作杆Lの先端部が摺動自在に
貫通支持されており、前記出力ピストン54に
は、その中心に軸孔56が形成され、その軸孔に
後述する変速操作杆Lの先端部が摺動自在に貫通
されている。また後に詳述するように変速操作杆
Lの先端部には第一大径部l2より段差58を介し
て第一小径部l1が形成されており、この第一小径
部l1に前記出力ピストン54がくると、その軸孔
56と第一小径部l1間に細隙が形成され、この細
隙を介して前記左油室eと右油室fとが連通され
るようになつている。またサーボシリンダ48の
左端壁には、前記変速操作杆Lが左位置、すなわ
ち後述の自動変速位置Dあるいはニユートラル位
置Nに移動したとき、前記第一大径部l2が嵌入し
得る嵌入孔57が穿設されている。
前記出力ピストン54にはピストンロツド55
が一体に形成され、このピストンロツド55は、
制御函33外に延出され、その先端部に後述する
連動操作装置OPCの作動腕132の上端が連結
されており、出力ピストン54の左右動により前
記作動腕132は左右に揺動できるようになつて
いる。
ところでエンジンを加速すべく図示しない絞り
弁を開放していくと、それに連動する回転カム4
0は、第1図において反時計方向に回動して左入
力ピストン36は右に移動し、その左入力ピスト
ン36の変位は伝達ばね38により力に変換され
てスプール弁35に伝達されるので、そのスプー
ル弁35は、図示しないエンジンの絞り弁開度に
比例した変位置だけ右方向に摺動する。これによ
り中央作動油路44は油室b、左作動油路45を
介してサーボシリンダ48の左油室eに連通し、
一方、サーボシリンダ48の右油室fは右作動油
路46、油室cを介して還流油路49に連通する
ので、エンジン駆動ポンプEPからの圧力油は主
給油路20,21、中央作動油路44、油室b、
および左作動油路45を通つて左油室e内に圧入
され、右油室f内の油は、右作動油路46、油室
c、および還流油路49を通つて油溜Tに還流さ
れ、出力ピストン54を第1図において右に移動
することができる。
絞り弁の開度増によりエンジンの回転数が上昇
すると、これに比例して前述のように遠心ガバナ
CGの出力油圧が上昇し、その上昇圧力油は出力
油路31、制御油路53を通つて弁孔34の油室
dに供給されるので、スプール弁35はエンジン
の回転数の上昇に比例した変位量だけ左方向に摺
動する。すると今度は中央作動油路44は油室
c、右作動油路46を介してサーボシリンダ48
の右油室fに連通し、一方、左油室eは左作動油
路45、油室bを介して還流油路49に連通する
ので、エンジン駆動ポンプEPからの圧力油は右
油室fに供給され、左油室e内の油は油溜Tに還
流され、出力ピストン54は左に摺動する。
またエンジンを減速すべく、その絞り弁を閉じ
ていけば、回転カム40は第1図時計方向に回転
して左入力ピストン36は、今度は絞り弁開度に
比例した変位量だけ左方向に摺動し、前述と全く
逆に左油室eが油溜Tに、また右油室fがエンジ
ン駆動ポンプEPの主給油路20,21に連通し
出力ピストン54は左に動かされる。以上により
エンジンの回転数が減少すると、これに比例して
遠心ガバナCGの出力油圧が下降し、前記と全く
逆にスプール弁35はエンジンの回転数の下降に
比例した変位量だけ右方向に摺動する。すると再
びエンジン駆動ポンプEPからの圧力油は左油室
eに供給され、右油室fは油溜Tに連通するの
で、出力ピストン54は右に摺動する。
以上のようにスプール弁35は、絞り弁の開度
すなわち回転カム40の回転に基づく外力と、遠
心ガバナCGからの油圧力、すなわちエンジンの
回転数に比例した制御力とが均衡するところまで
左右に無段階に動かされる。したがつて例えば、
エンジン回転数が比較的低く、かつ絞り弁開度が
比較的大きい条件下ではスプール弁35が右に動
かされ、これに追従して出力ピストン54はサー
ボモータで増巾されて右に動かされ、また反対に
エンジン回転数が比較的高く、かつ絞り弁開度が
比較的小さい条件下ではスプール弁35は左に動
かされ、これに追従して出力ピストン54はサー
ボモータで増巾されて左に動かされる。
尚、前記作動は第1図に示すように補給油路4
7に通じる給油路50が後述の開閉弁Vにより閉
鎖された状態で行われる。
また前記サーボモータの作動において、出力ピ
ストン54が変速操作杆Lの第一小径部l1にある
ときは、その第一小径部l1と出力ピストン54の
軸孔56間の細隙を通して左油室eと右油室fと
が連通するので、それらの室e,f間には油が自
由に流通するようになり、出力ピストン54はそ
の左右の面積差によつて動かされる。而して出力
ピストン54はその左側面積A1が右側面積A2
りも大きいので、変速操作杆Lの第一大径部l2
至るまで左方に動かされる。このことは後に作用
説明の項で詳述するように、前記無段変速機
CVTを「手動操作」する場合に、変速操作杆L
を手動で左右動するとき、これに追従して出力ピ
ストン54を動かすことができるようにしたもの
である。
また弁孔34の油室aと還流油路49間、およ
び油室bと還流油路49間にそれぞれオリフイス
51,52を設けたのは、次の理由による。すな
わち、エンジンの絞り弁を急激に開いて回転カム
40が急激に反時計方向に回転した際、オリフイ
ス51により油室a内の油の急速な排出が妨げら
れ、油室a内は瞬間的に密閉状態となり、左入力
ピストン36の右移動が油圧的にスプール弁35
に伝達されて出力ピストン54の制御力の増加補
正が行われ、後に詳述するように車輛の加速性能
を高めるようにしたものである。また絞り弁を急
速に閉じて回転カム40が急激に時計方向に回転
した際、左入力ピストン36は回転カム40から
釈放されるが、スプール弁35の左移動はオリフ
イス52から排出される油に及ぼす減衰作用によ
り緩徐に行われ、そのため出力ピストン54は緩
やかに左移動して、無段変速機CVTの減速比は
徐徐に減少し、エンジンの急減速時に、減速比の
急減少により一瞬車輛が加速されるような危険を
生じないようにしたものである。
前記変速操作装置CSHは変速操作杆Lを、ミ
ツシヨンケースに形成した軸受部60によつて左
右に摺動できるように案内支持して構成され、変
速操作杆Lの自由端は図示しないハンドルに連動
されており、運転者が手動により左右に摺動操作
できるようになつている。
前記変速操作杆Lは、その内端より外端、すな
わち第1図において左から右へ第一小径部l1、第
一大径部l2、第二小径部l3および第二大径部l4
よりなり、第一小径部l1と第一大径部l2間に段差
58が形成される。そして第一小径部l1、第一大
径部l2が前述の制御弁付主サーボモータMS内に
挿入されている。
前記軸受部60と変速操作杆Lとの間には、こ
の変速操作杆Lを第1図に示す手動変速開始位置
Ma、自動変速位置Dおよびニユートラル位置N
の3つの位置に係止するためのクリツクストツパ
61が設けられており、このクリツクストツパ6
1は変速操作杆Lに形成した3個のノツチ62,
63および64と、前記軸受部60に設けられる
係止ボール65と、これを変速操作杆Lに向けて
弾発するばね66とより構成されている。而して
手動変速開始位置Maと自動変速位置D間の範囲
は変速操作杆Lの手動変速範囲Mrになる。而し
て第1図において、手動変速開始位置Ma、手動
変速範囲Mr、自動変速位置Dおよびニユートラ
ル位置Nは何れもクリツクストツパ61の中心線
を基準にして示されている。
前記変速操作杆Lとミツシヨンケースの軸受部
60とは、それらが協働して本発明の油路の開閉
を司る開閉弁Vを構成している。以下、この開閉
弁Vの構造について説明すると、前記変速操作杆
Lの第二大径部l4には前記エンジン駆動ポンプ
EPと後に詳述する走行駆動ポンプVPに連通する
給油路118と、前記走行駆動ポンプVPのみに
連通する給油路50とが互いに隣接して横切つて
おり、これらの給油路118および50は、変速
操作杆Lが「手動変速範囲Mr」および「自動変
速位置D」にシフトされたとき、その第二大径部
l4によつて閉じられて遮断されるようになつてい
る。また変速操作杆Lが第1図において左限位
置、すなわちニユートラル位置Nにシフトされた
とき、前記給油路118および50は、何れも前
記第二大径部l4に形成した環状溝67,68を介
して連通されるようになり、エンジン駆動ポンプ
EPおよび後述する走行駆動ポンプVPから圧力油
は、給油路118を通つて後述する強制クラツチ
オフ装置CLOのシリンダ113の右室j内に導
入され、後述するクラツチサーボモータCLSを強
制的にクラツチオフさせる。
また後述の走行駆動ポンプVPからの圧力油は
給油路50、前記補給油路47および右作動油路
46を通りサーボシリンダ48の右油室fに給油
され、第一大径部l2上にある出力ピストン54を
左限位置、すなわちTOP位置まで移動させ(変
速操作杆Lは左限位置、すなわちニユートラル位
置Nにある。)、“ニユートラル位置N”から再び
自動あるいは手動変速位置に戻るときに急激なエ
ンジンブレーキ負荷がかゝらないようになつてい
る。
前記モータ斜板11を第1図鎖線に示す垂直な
TOP位置Sminから第1図実線に示す最大傾斜し
たLOW位置Smaxに傾動操作するための油圧式チ
エンジサーボモータCHSがミツシヨンケース内
に設けられる。次にこのチエンジサーボモータ
CHSの構成について説明すると、これはミツシ
ヨンケースに固定状態に支持されるサーボシリン
ダ70と、その内部を左側油室gと右側油室hと
に区画するサーボピストン71と、前記サーボシ
リンダ70を貫通して先端部が前記サーボピスト
ン71に穿設した弁孔73内に摺合されるパイロ
ツト弁72とから構成され、前記サーボピストン
71と一体のピストンロツド74はサーボシリン
ダ70を貫通してその外部に突出され、前記モー
タ斜板11にピン連結75されている。サーボシ
リンダ70の左側油室gには、サーボシリンダ7
0に形成した通路76を介して高圧油路77に連
通され、この高圧油路77内を流れる高圧油が作
用するようになつている。ところで前記高圧油路
77内には、エンジンの駆動時、油圧ポンプPか
らの高圧の作動油が、後述するクラツチサーボモ
ータCLS内を通つて給油されており、またエンジ
ンブレーキ時には前記エンジン駆動ポンプEPか
ら、前記高圧の作動油よりも低圧の一定圧力油が
同じくクラツチサーボモータCLS内を通つて給油
されるようになつている。またこの高圧油路77
はリリーフ弁Rを介して主給油路22に連通さ
れ、この高圧油路77内の油圧力が所定値を超え
ると、前記リリーフ弁Rが働くようになつてい
る。また前記弁孔73はその排出路78を通して
油溜Tに連通されている。サーボピストン71に
は、パイロツト弁72の右動に応じて右側油室h
を、弁孔73を介して油溜Tに開放させる排出路
78と、パイロツト弁72の左動に応じて今度は
右側油室hを左側油室gに連通させる供給路79
とが穿設されいる。したがつてサーボピストン7
1は、パイロツト弁72の左、右動に追従するよ
うに高圧油路77内の圧力油によつて増巾作動さ
れ、それによつてモータ斜板11を第1図実線に
示す最大傾斜位置、すなわちLOW位置Smaxから
第1図鎖線に示す最小傾斜位置(垂直位置)、す
なわちTOP位置Sminまで無段階にシフトするこ
とができる。その場合エンジンの駆動により油圧
ポンプPが稼動されるときは、前述のようにその
高圧の作動油が後述のクラツチサーボモータCLS
内を通つて高圧油路77に供給されるので、モー
タ斜板11の応答傾動を敏感にすることができ、
またエンジンブレーキ時には、前述のようにエン
ジン駆動ポンプEPからの前記作動油よりも低圧
の圧力油が同じく後述のクラツチサーボモータ
CLS内を通つて前記油路77に供給されるので、
モータ斜板11の応答傾動を緩慢にして急激なエ
ンジンブレーキがかゝらないようにすることがで
きる。
前記無段変速機CVTの右側においてミツシヨ
ンケースの一端壁80には、シリンダ81が固着
され、このシリンダ81は無段変速機CVTのモ
ータシリンダ8の支軸部82を貫通してその内部
にのびており、このシリンダ81の内端には前記
分配環18が偏心的に支持されて、さらにこの分
配環18の内端面は前記分配盤17の一端面に油
密状態で接触している。分配環18は、モータシ
リンダ8内に画成される密閉状の中空室83を内
側室83inと外側室83outとに区画している。
一方分配盤17には吐出ポート84と吸入ポート
85とが穿設されており、前記吐出ポート84
は、油圧ポンプPの吐出行程側にあるシリンダ孔
4と前記内側室83inとを連通し、また前記吸入
ポート85は油圧ポンプPの吸入行程側にあるシ
リンダ孔4と前記外側室83outとを連通し得る
ようになつている。また前記分配盤17には前記
吐出ポート84および吸入ポート85のほかに多
数の連絡ポート86,86………が穿設されてい
て、これらの連絡ポート86,86………は、前
記モータシリンダ8と共に回転する分配盤17の
回転に伴つてモータシリンダ8のシリンダ孔9,
9………を前記内側室83inあるいは外側室83
outに連通させるこができる。
したがつて入力軸3の回転に伴つてポンプシリ
ンダ1が回転すると、前述のようにポンププラン
ジヤ5の吐出行程により生成された高圧の作動油
は吐出ポート84から内側室83inへ、さらにそ
れと連通状態にある連絡ポート86を経て膨脹行
程のモータプランジヤ10のシリンダ孔9へ流入
し、そのモータプランジヤ10に推力を与え、一
方収縮行程のモータプランジヤ10により排出さ
れる作動油は外側室83outに連通する連絡ポー
ト86および吸入ポート85を通して吸入行程中
のポンププランジヤ5のシリンダ孔4に還流し、
このような作動油の循環により油圧ポンプPから
油圧モータMへの動力の伝達が行われる。
以上において、吐出ポート84が開口する内側
室83inは本発明の高圧油室を、また吸入ポート
85が開口する外側室83outは本発明の低圧油
室を構成する。
ところで前記シリンダ81内には、 (a) 前記油圧ポンプPの吐出側と吸入側とを短絡
させ、油圧モータMへの高圧作動油の給送を行
わないようにしてその油圧モータMを不作動に
する“クラツチオフ”状態、 (b) 油圧ポンプPから油圧モータMへ高圧作動油
を自由に循環させる“クラツチオン”状態、 (c) 前記短絡路の開度を調節して油圧ポンプPか
ら油圧モータMへの作動油の流量を制御する
“半クラツチ”状態、 (d) 油圧ポンプPの作動油の流れを完全に遮断し
てポンププランジヤ5を油圧的にロツクしてポ
ンプシリンダ1とモータシリンダ8とを一体的
に回転させる“油圧ポンプ、油圧モータ直結”
状態、 の以上の4つの状態を選択的に採り得るようにし
た、油圧式クラツチサーボモータCLSが装備され
ている。
以下、このクラツチサーボモータCLSの構造に
ついて説明すると、前記シリンダ81には、その
中心孔89とその側壁を貫通する複数個(図示例
では2個)の短絡ポート87,88が穿設されて
おり、これらの短絡ポート87,88の内側開口
端は、前記シリンダ81の中心孔89を通して前
記内側室83inに連通され、またそれらのポート
87,88外側開口端はシリンダ81の外側に形
成される通油溝90を通して前記外側室83out
に連通されている。前記短絡ポート87,88の
内側開口端、すなわちシリンダ81の中心孔89
への開口端はシリンダ81の軸方向に若干オフセ
ツトしている(図において短絡ポート87が短絡
ポート88に対して若干左にオフセツト)。
前記シリンダ81の中心孔89の径小部には、
クラツチ弁92が摺動自在に嵌合されており、こ
のクラツチ弁92が図において左に摺動すると、
短絡ポート87,88は順次に閉じられ、また右
摺動すると短絡ポート87,88は順次に開くよ
うになつている。また短絡ポート87,88の開
放を緩徐に行い得るよう、クラツチ弁92の内端
面外周にはテーパ面93が形成されている。
クラツチ弁92の先端には弁杆94が螺着さ
れ、この弁杆94の球面端部にはポペツト形の弁
体95が首振り可能に連結されている。弁体95
はクラツチ弁92が後述するように“クラツチオ
ン”状態を超えてさらに左に摺動したとき、前記
分配盤17に穿設した吐出ポート84の開口端を
閉塞するように、その一端面に油密に密着し、吐
出ポート84から内側室83inへの油の流れを遮
断することができる。
いまクラツチ弁92が図に示すように右端位置
にある状態は、短絡ポート87,88は開放さ
れ、前記内側室83inとは連通状態にあり、分配
盤17の吐出ポート84から吐出される高圧の作
動油は直ちに油圧ポンプPの吸入ポート85へ短
絡してしまい、油圧モータMへの給送が行われな
い。したがつてこの状態では油圧モータMは作動
されず、所謂“クラツチオフ”状態にある。
次にクラツチ弁92が図において左に摺動し、
前記短絡ポート87,88を何れも閉鎖した状態
になると、前記のように油圧ポンプPと油圧モー
タM間に作動油の流れを生じるので、入力軸3と
出力軸15とは油圧的に連結され所謂“クラツチ
オン”状態になる。またクラツチ弁92が前述の
“クラツチオフ”状態から“クラツチオン”状態
へ移る途中の過程では、前記短絡ポート87,8
8の開度は漸次に絞られ吐出ポート84からの作
動油の一部が油圧モータMへ流れ、他の一部が油
圧ポンプPの吸入ポート85へ短絡されることに
なる。この状態が所謂“半クラツチ”状態であ
る。ところでこの場合、前記短絡ポート87,8
8はシリンダ81の軸方向、すなわちクラツチ弁
92の摺動方向にオフセツトしていること、およ
びクラツチ弁92の内端面外周にテーパ面93が
形成されていることによつて短絡ポート87,8
8の開閉が緩徐に行われる。このことはクラツチ
の切換を一層スムーズに行うことができ、また半
クラツチの区域を広くとることができ、車輛の発
進を一層スムーズにすることができる。またクラ
ツチ弁92が前述の“クラツチオン”状態を超え
てさらに左に摺動すると、前記弁体95は分配盤
17の端面に密着してそこに開口した吐出ポート
84を閉塞して該吐出ポート84から内側室83
inへの作動油の流れを遮断し、前記“油圧ポン
プ、油圧モータ直結”状態となり、ポンププラン
ジヤ5を油圧的にロツクしてポンプシリンダ1か
らポンププランジヤ5群およびポンプ斜板6を介
してモータシリンダ8を機械的に駆動することが
できる。したがつてモータプランジヤ10のモー
タ斜板11に与える推力が消失し、その推力によ
る軸受等の各部材の負担を軽減することができ
る。而してこの“油圧ポンプ、油圧モータ直結”
状態は、モータ斜板11を直立状態にして変速比
が1:1になつたときに、すなわち“TOP位置
Smin”にあるときに行われるもので、入力軸3
から出力軸15への動力伝達効率を良好にするこ
とができる。
次に前記クラツチ弁92をシリンダ81の中心
孔89内において、前述のように左右に往復制御
するための構成について主に第2図を参照して説
明すると、前記クラツチ弁92の後端(第2図で
は右端)にはピストン部96が一体に形成されて
おり、このピストン部96の前端側と後端側にク
ラツチ弁92を囲繞する前部油室97と後述のパ
イロツト弁105を囲繞する後部油室101がそ
れぞれ形成され、その後部油室101は通常クラ
ツチ弁92に形成した油通路102および前記弁
杆94に形成した油通路103を通つて前記内側
室83in内に連通されている。そしてエンジン駆
動時には、前記油室101内に油圧ポンプPと油
圧モータM間を循環する高圧の作動油の一部が前
記内側室83inより前記油通路103,102を
通つて常時供給され、またエンジンブレーキ時に
はエンジン駆動ポンプEPからの圧力油(前記作
動油より低圧)の一部が同じく油通路103,1
02を通つて常時供給されるようになつている。
また油室101には前述の高圧油路77が連通さ
れている。
前記クラツチ弁92の基端部には、ピストン部
96の後端面100に開口する行止り孔98が穿
設されている。そしてこの行止り孔98と前記前
部油室97間はクラツチ弁92に穿設した連通孔
99を介して連通されている。
前記クラツチ弁92の基端部に形成される前記
行止り孔98の奥部周面には逃げ溝104が形成
されている。行止り孔98内にはミツシヨンケー
スの一端壁80を貫通したパイロツト弁105が
挿入されている。パイロツト弁105の先端部に
はその行止り孔98内に摺合するランド部106
が形成され、そのランド部106の後方(第2図
において右方)には径小部107が形成されてい
る。また前記パイロツト弁105には、一端が前
記行止り孔98内に開口し、他端が大気圧下の油
溜(図示せず)に連通する油溜連通孔108が穿
設されている。
パイロツト弁105には後述する作動槓杆11
0が連結され、この作動槓杆110の作動で左右
に動かされるようになつている。
ところで 弁体95の端面の受圧面積:A クラツチ弁92のピストン部96の断面積:B クラツチ弁92の断面積:C パイロツト弁105の断面積:D とした場合に、 A>B−D B−D>C の不等式が満足されるように各部の寸法が定めら
れる。
いま“クラツチオン”させるべくパイロツト弁
105を第1,2図で左移動させると、そのパイ
ロツト弁105の径小部107は行止り孔98内
にすべて嵌入されるので、吐出ポート84からの
高圧の作動油は油通路103,102を経て後部
油室101に流入し、クラツチ弁92のピストン
部96の後端面100に油圧を作用させるとゝも
に作動油はクラツチ弁92の左端面にも油圧を作
用させる。而して前記ピストン部96後端面の受
圧面積はB−Dであり、またクラツチ弁92前端
面の受圧面積はCであるので、前述の不等式B−
D>Cによりクラツチ弁92は左移動することに
なる。したがつて“クラツチオン”すべくパイロ
ツト弁92が左移動すれば、クラツチ弁92は作
動油の油圧力により同方向に追従移動してクラツ
チ弁92は前記短絡ポート87,88を何れも閉
塞するに至り、前述のように“クラツチオン”状
態になる。
また“クラツチオフ”させるべくパイロツト弁
92を右移動させると、そのパイロツト弁92の
径小部107の一部が行止り孔98から抜け出る
ことになるので、高圧の作動油は油圧をクラツチ
弁92のピストン部96後端面(右端面)100
に作用させる一方、クラツチ弁92の前端面(左
端面)にも作用するほか、行止り孔98、連通孔
99を通つて前部油室97に流入し、クラツチ弁
92のピストン部96の前端面にも油圧を作用さ
せることになり、クラツチ弁92を左移動させる
ための受圧面積がB−Dであるのに対しクラツチ
弁92を右移動させるための受圧面積はBとな
る。したがつて当然にB>B−Dによりクラツチ
弁92は右に移動し、第1,2図に示すように前
述の“クラツチオフ”の状態になる。
また前述の“クラツチオン”の状態によりさら
にクラツチ弁92を左に移動して、弁体95を分
配盤17の吐出ポート84が開口する端面に接触
させ、前述の“油圧ポンプ、油圧モータ直結”状
態にした場合には弁体95の、受圧面積Aを有す
る端面には吐出ポート84からの高圧の作動油
(前記油室内の油圧力と等圧)が作用する一方、
クラツチ弁92のピストン部96の後端受圧面積
B−Dを有する後端面100には油室101内の
高圧の作動油が作用する。したがつて前記不等式
A>B−Dによつて弁体95にはこれを左へ移動
する力が作用する。ところで弁体95が若干左へ
移動すれば弁体95の端面への油圧力が解除され
るので弁体95は再び分配盤17の端面に押付け
られる。したがつて前記A、BおよびCの受圧面
積を前記不等式を満足させて所定の値に設定する
ことにより、所謂“油圧フローテイング支持”の
状態を保つことができ、弁体95と吐出ポート8
4間からの作動油の漏洩を最小限に抑えつゝそれ
ら間の良好な油密状態を保持することができる。
前記油圧式クラツチサーボモータCLSの後方に
おいて、ミツシヨンケースには、作動槓杆110
が左右に揺動できるように軸支111されてお
り、この作動槓杆110の上端にクラツチサーボ
モータCLSの前記パイロツト弁105の後端が連
結112されている。
前記作動槓杆110の下端には強制クラツチオ
フ装置CLOが連結121されている。この強制
クラツチオフ装置CLOは、前記変速操作杆Lを
“ニユートラル位置N”にシフトしたとき、クラ
ツチ装置を後述する連動操作装置OPCとは関係
なく強制的に“クラツチオフ”させるようにした
ものであつて、以下この装置CLOの構成につい
て説明すると、前記作動槓杆110の下部右方に
はシリンダ113が配設されており、このシリン
ダ113内には、その内部を左油室iと右油室j
とに区画するピストン114が左右に摺動自在に
嵌合されている。ピストン114と一体のピスト
ンロツド115はシリンダ113の左側端壁を貫
通して外部に突出しており、その先端に前記作動
槓杆110の下端が連結121されている。前記
左油室i内には、圧縮ばね116が縮設されてお
り、この圧縮ばね116は前記ピストン114を
右に摺動するように偏倚するとゝもに前述したよ
うに作動槓杆110を反時計方向に回動するよう
に偏倚させ二様の作動をなすようになつている。
また前記シリンダ113の右端壁には流通ポート
117が穿設されこの流通ポート117に、前記
エンジン駆動ポンプEPあるいは後述する走行駆
動ポンプVPに連なる給油路118が連通されて
おり、後に詳述するように変速操作杆Lがニユー
トラル位置Nにあるとき前記ポンプEPあるいは
VPからの圧力油が、シリンダ113の右油室j
に作用するようになつている。さらにシリンダ1
13の右端内壁には前記流通ポート117に圧接
されるリード弁119止着されており、このリー
ド弁119には小孔120が穿設されていて、こ
の小孔120を通して右油室jが流通ポート11
7を介して給油路118に連通されている。した
がつて前述の変速操作杆Lが“ニユートラル位置
N”にシフトされると、エンジン駆動ポンプEP
あるいは走行駆動ポンプVPからの圧力油は前記
開閉弁Vを通つて給油路118より、流通ポート
117およびリード弁119を介してシリンダ1
13の右油室jに入りピストン114を圧縮ばね
116の弾発力に抗して左に摺動するので、作動
槓杆115は強制的に時計方向に回動され、クラ
ツチサーボモータCLSのパイロツト弁72は、右
方すなわち“クラツチオフ”側に強制移動され、
ニユートラル運転時には強制的に“クラツチオ
フ”させることができるようになつている。また
後述する変速操作杆Lがニユートラル位置Nから
自動変速位置Dにシフトされ前記開閉弁Vにより
前記ポンプEPあるいはVPと給油路118との連
通が遮断されれば、右油室jには圧力油が供給さ
れなくなるので、ピストン114は圧縮ばね11
6の弾発力で右に摺動するがこの際右油室j内の
圧力油は前記小孔120を通つて絞られつゝ給油
路118を通つて還流油路122に流れるので、
作動槓杆110は緩慢に反時計方向に回動してク
ラツチサーボモータCLSの“クラツチオン”作動
は緩衝的に行われる。
前記チエンジサーボモータCHSのパイロツト
弁72およびクラツチサーボモータCLSのパイロ
ツト弁105は、それらを単独に、あるいは連動
させて作動するようにした連動操作装置OPCが
ミツシヨンケース内適所に設けられている。以下
にこの装置OPCの構成について説明すると、前
記チエンジサーボモータCHSの後方においてミ
ツシヨンケースには支持軸130が支承されてお
り、この支持軸130には、操作カム131、作
動腕132および操作腕133が一体的に回転で
きるように支持されており、そのうち作動腕13
2は前述の主サーボモータMSの出力ピストン5
4のピストンロツド55後端に連結141されて
いる。
前記操作カム131は全体形状が略杓子状に形
成され、その基端には、支持軸130の軸心Oを
中心とする短半径rsの円弧面よりなる第一カム面
c1が、またその先端には支持軸130の軸心Oを
中心とする長半径rlの円弧面よりなる第二カム面
c2が形成され、さらにそれら第一、第二カム面
c1,c2上面端部間に、内側に凹の双曲線よりなる
第三カム面c3が形成されている。操作カム131
の基端部と、前記チエンジサーボモータCHSの
パイロツト弁72基端間には引張ばね134が張
架されていて、この引張ばね134の引張力は前
記パイロツト弁72の基端面を、操作カム131
のカム面に圧接するように偏倚させている。
而して第1図に示すように、パイロツト弁72
の基端が第二カム面c2に接しているときは、操作
カム131が回転してもパイロツト弁72は移動
することなくその位置に保持され、モータ斜板1
1は最大傾斜位置Smaxすなわち“LOW位置”に
ある。操作カム131が第1図において反時計方
向に回転されると、パイロツト弁72の基端は双
曲線よりなる第三カム面c3に接触するに至り、操
作カム131の引続く回転に伴つてパイロツト弁
72はその双曲線よりなる第三カム面c3に倣つて
右方に移動する。したがつてモータ斜板11は右
方TOP側へ傾動する。さらに操作カム131が
反時計方向に回転するとパイロツト弁72の基端
は第一カム面c1に接触するに至り、モータ斜板1
1は最大傾斜位置(直立位置)Sminすなわち
“TOP位置”にくる。そして操作カム131がさ
らに回転しても最早パイロツト弁72は移動しな
い。
前記操作腕133の先端にはクラツチ操作杆1
35の上端が連結136されている。クラツチ操
作杆135はミツシヨンケースに形成した案内孔
137を貫通して垂直にのび、その下端部は、前
記クラツチサーボモータCLSの後方に達してい
る。そしてその下端部の一側には傾斜カム面13
8が形成されており、その傾斜カム面138に
は、前記作動槓杆110の上半部に軸支されるロ
ーラ139が前記シリンダ113内の圧縮ばね1
16の弾発力により圧接されている。作動槓杆1
10の上端には前述のように前記クラツチサーボ
モータCLSのパイロツト弁105の後端が連結1
12されている。したがつて前記支持軸130が
回転すれば、操作腕133を介してクラツチ操作
杆135は昇降作動される。クラツチ操作杆13
5が上昇すると、ローラ139は傾斜カム面13
8に沿つて右に移動するので、作動槓杆110は
時計方向に回動され、パイロツト弁105は右移
動、すなわち“クラツチオフ”側へ移動し、また
クラツチ操作杆135が下降するとローラ139
は傾斜カム面138に沿つて左方に移動するの
で、作動槓杆110は反時計方向に回動され、パ
イロツト弁105は左移動、すなわち“クラツチ
オン”側へ動く。
前記クラツチ操作杆135の下部において、前
記傾斜カム面138と反対側にはバイメタル14
0が沿着されており、このバイメタル140は寒
冷時においてクラツチ操作杆135の下半部を右
方に撓曲するように作用するものであつて、寒冷
時には、パイロツト弁105が若干右に位置する
ように補正して、フアストアイドルによりエンジ
ンのアイドリング回転数が上昇しても、前記クラ
ツチサーボモータCLSが“クラツチオン”側に作
動することがないようにしており、すなわち寒冷
時エンジンのアイドリング回転数の上昇に対する
補正を、その時の温度を感知することによつて行
うようにしている。
次に車輛走行時に車輪等の走行回転部から動力
を得て駆動される走行駆動ポンプVPについて説
明すると、これは通常の歯車ポンプにより構成さ
れ、その吸込側は油溜Tに連通され、またその吐
出側には吐出路150が連通され、この吐出路1
50は第一、第二副給油路151,152に分岐
されており、第一副給油路151は、前記開閉弁
Vを介して、前記制御弁は主サーボモータMSの
補給油路47に連通されており、また第二副給油
路152は、前記エンジン駆動ポンプEPに連な
る主給油路22に連通されている。
而してこの走行駆動ポンプVPは3つの作用を
なすものであつて、すなわち(1)車輛の出力走行行
時には、この走行駆動ポンプVPはエンジン駆動
ポンプEPと並行して運転されるので、それらの
一方が故障しても、運転に何ら支障を来たすこと
なくフエイルセーフになる。(2)車輛の押しかけ走
行時や、ニユートラル惰行走行中のエンスト時
等、エンジン駆動ポンプEPから必要な高圧作動
油が得られないとき走行駆動ポンプVPにより圧
力作動油を必要個所に補給することができる。(3)
前記変速操作杆Lをニユートラル位置Nにシフト
したとき、サーボシリンダ48の右油室f内に走
行駆動ポンプVPからの圧力油を供給して出力ピ
ストン54を左端位置に移動させてモータ斜板1
1を強制的にTOP位置に傾動させておくことが
でき、再びドライブ走行する際に過大なエンジン
ブレーキがかゝらないようにしてシヨツクのない
円滑なニユートラル走行からドライブ走行への切
換が可能になる。
次に本発明の“自動ドライブ”、“手動ドライ
ブ”および“ニユートラル”の各運転時の作用に
ついて順に説明する。
〔〕 自動ドライブ運転 変速操作杆Lを第1図において二点鎖線に示
す“自動変速位置D”までシフトする。この位
置Dではクリツクストツパ61の係止ボール6
5はノツチ63に嵌入して変速操作杆Lを係止
する。ところでこの“自動変速位置D”では変
速操作杆Lの第一大径部l2の左端部が嵌入孔5
7内に嵌入し、サーボシリンダ48内では、そ
の全長に亘つて前記第一大径部l2が位置して出
力ピストン54はサーボシリンダ48内のどの
位置にある場合でも第一大径部l2上に摺合され
る。また前記開閉弁Vは閉成位置にあり、強制
クラツチオフ装置CLOへの給油は遮断されて
いるとゝもに補給油路47への給油も遮断され
ている。
いまエンジンを加速または減速すべく図示し
ないエンジンの絞り弁を開放または閉鎖してい
くと、それに連動する回転カム40は反時計方
向、あるいは時計方向に回動して左入力ピスト
ン36を右あるいは左に動かし、その左入力ピ
ストン36の変位は伝達ばね38により力に変
換されスプール弁35を動かし、これにより前
述のようにエンジン駆動ポンプEPからの作動
油をサーボシリンダ48に供給し、出力ピスト
ン54に絞り弁開度に応じた右方向の制御力を
与える。一方遠心ガバナCGは、エンジンの回
転数に比例した出力油圧を発生するので、その
油圧に応動してスプール弁35を介して前記作
動油をサーボシリンダ48に供給し、エンジン
回転数に応じた左方向の制御力を出力ピストン
54に与える。このようにして出力ピストン5
4は絞り弁開度に応じた右方向に制御力とエン
ジンの回転数に応じた左方向の制御力とが均衡
する点まで左右に無段階に動かされる。
ところで第1図に示す状態では出力ピストン
54は右端位置にあり、操作カム131は最も
右回転され、無段変速機CVTのモータ斜板1
1は最大傾斜位置Smax、すなわちLOW位置に
あり、その減速比は最大の状態である。
いまエンジンが駆動され、その絞り弁開度が
小さくエンジンの回転数が上昇すると、制御弁
付主サーボモータMSの出力ピストン54は左
に移動しはじめ、作動腕132を介して操作カ
ム131を左に回転しはじめるが、出力ピスト
ン54が第1図イ位置かロ位置まで移動する範
囲では操作カム131の左回転によるもチエン
ジサーボモータCHSのパイロツト弁72はそ
の第二カム面c2上を滑るだけでチエンジサーボ
モータCHSは作動しないが、一方操作腕13
3は左回転されるのでクラツチ操作杆135が
下降して、クラツチサーボモータCLSのパイロ
ツト弁105は左移動して該サーボモータCLS
は前述のように“半クラツチ”状態を経て“ク
ラツチオン”する。これにより無段変速機
CVTの油圧ポンプPと油圧モータMが油圧的
に連結される。
エンジンの回転数がさらに上昇して出力ピス
トン54が第1図ロ位置を超えて左移動する
と、操作カム131はさらに左回転して、チエ
ンジサーボモータCHSのパイロツト弁72の
右端が操作カム131の双曲線よりなる第三カ
ム面c3に達すると、チエンジサーボモータCHS
は作動状態に入り、モータ斜板11を傾動操作
し得るようになる。この場合前に詳述したよう
に出力ピストン54の直線的左右動に対してパ
イロツト弁72、すなわちモータ斜板11は第
三カム面c3により双曲線的に傾動され、エンジ
ンの出力特性が合致した変速操作が可能にな
る。
而して出力ピストン54が第1図ロないしハ
の範囲で左右動されるときは、エンジンが高効
率の運転下で車輛が種々の走行条件に適応して
快適安全に走行できるように自動変速制御がな
されるものであつて、たとえばエンジンの回転
数が比較的低く、かつ絞り弁開度が比較的大き
い条件下では出力ピストン54は前記ロ−ハの
範囲で右方位置を占め、それに伴いチエンジサ
ーボモータCHSはモータ斜板11を自動的に
LOW位置もしくはその近傍位置に傾動して減
速比を増大させる。また反対にエンジン回転数
が比較的高く、かつ絞り弁開度が比較的小さい
条件下では、出力ピストン54は前記ロ−ハの
範囲で左方位置を占め、それに伴いチエンジサ
ーボモータCHSはモータ斜板11を自動的に
TOP位置(垂直位置)、もしくはその近傍に傾
動され減速比は減少する。而して出力ピストン
54の前ロ−ハの移動範囲では、クラツチ操作
杆135は下降されており、クラツチサーボモ
ータCLSは“クラツチオン”状態にあることは
勿論である。
またTOP位置、すなわち出力ピストン54
がハ位置からさらに左位置に移動してハ−ニ位
置範囲にくると、チエンジサーボモータCHS
のパイロツト弁72の右端は操作カム131の
第一カム面c1に接触するに至り右端位置に達
し、最早操作カム131が回転してもパイロツ
ト弁72は右端位置を保持したまゝとなりモー
タ斜板11はTOP状態を保持したまゝにな
る。そしてこの状態ではクラツチ操作杆135
は最下降されて作動槓杆110のローラ139
はクラツチ操作杆135の棒状部に接触するに
至り、クラツチサーボモータCLSのパイロツト
弁105は“クラツチオン”位置よりさらに左
に移動して弁体95が分配盤17の吐出ポート
84を閉鎖するに至り、前述のように無段変速
機CVTの油圧ポンプPと油圧モータMとがロ
ツク状態となり、モータ斜板11がTOP位
置、すなわち変速比が1:1になつたとき、無
段変速機CVTを油圧的にロツクして前に詳述
したように入力軸3と出力軸15の動力伝達効
率を高めることができる。
また出力ピストン54が第1図ハ位置より右
動したときは、前記“油圧ポンプ、油圧モータ
直結”状態が解除され再び“クラツチオン”の
状態に戻つた後、モータ斜板11はTOP位置
からLOW側へ傾動するようになることは言う
までもない。
尚、前記制御弁付主サーボモータMSの作動
においてオリフイス51,52およびバイメタ
ル43の存在による利点は既に述べたのでこの
項では省略する。
〔〕 手動ドライブ運転 第1図では変速操作杆Lは、手動変速開始位
置Maが示されており、この位置Maより変速操
作杆Lを左方に手動変速範囲Mrの長さ範囲で
シフトする範囲が手動ドライブの際の変速操作
杆Lの移動範囲である。この手動ドライブ運転
の場合も前記自動ドライブ運転の場合と同じよ
うに開閉弁Vは閉じ状態にある。第1図で明ら
かなようにサーボシリンダ48内には変速操作
杆Lの第一小径部l1および第一大径部l2の一部
が位置されている。エンジンが運転されてその
回転数が上昇すると前述のように出力ピストン
54は左動するが、このときその出力ピストン
54が第一小径部l1と第一大径部l2の段差58
を超えて左動すると、サーボシリンダ48の左
油室eと右油室fが、出力ピストン54の軸孔
56を通つて連通するに至る。この場合、出力
ピストン54の左受圧面積A1は右受圧面積A2
よりも大きいので、出力ピストン54が前記段
差58を超えると直ちに左動されて再び第一大
径部l2に摺合されるようになる。このことは変
速操作杆Lを前記手動変速範囲Mrでシフトす
る間は、このシフトに追従して出力ピストン5
4を増巾して左右動させることができることに
なる。したがつて変速操作杆Lを前記手動変速
範囲Mrで左右にシフト操作することにより前
記自動ドライブ運転と同じようにチエンジサー
ボモータCHSおよびクラツチサーボモータ
CLSを連動操作して無段変速機CVTの変速操
作およびクラツチ機構のクラツチ操作をするこ
とができる。
〔〕 ニユートラル運転 変速操作杆Lを前記“自動変速位置D”を超
えて一点鎖線で示す左端位置、すなわち“ニユ
ートラル位置N”までシフトする。この位置N
ではクリツクストツパ61の係止ボール65は
ノツチ64に嵌入して変速操作杆Lを係止す
る。この“ニユートラル位置N”では“自動変
速位置D”と同じく変速操作杆Lの第一大径部
l2の左端部が嵌入孔57内に嵌入する。一方開
閉弁Vは今度は開弁状態となり、エンジン駆動
ポンプEPからの圧力油と、走行駆動ポンプVP
からの圧力油とが合流して環状溝67、給油路
118を通つて強制クラツチオフ装置CLO
の、シリンダ113の右油室jに圧入されるの
で、作動槓杆110が時計方向に回転してクラ
ツチサーボモータCLSのパイロツト弁105
を、クラツチ操作杆135の位置に無関係に右
に摺動して該サーボモータCLSをクラツチオフ
させるので、前述のように無段変速機CVTの
作動状態が断たれ入力軸3の回転は出力軸15
に伝達されなくなり、車輛は惰行走行の状態と
なる。
また走行駆動ポンプVPからの圧力油は第一
副給油路151より制御弁付主サーボモータ
MSの補給油路47を通つてサーボシリンダ4
8の右油室f内に入り、出力ピストン54を左
端位置、すなわちTOP位置まで変速操作杆L
の第一大径部l2上を摺動させる。これによりモ
ータ斜板11はTOP位置(垂直位置)に傾動
される。すなわち変速操作杆Lがニユートラル
位置Nにあるときは、常にモータ斜板11は
TOP位置に保持され、爾後変速操作杆Lをド
ライブ位置にシフトした際に急激なエンジンブ
レーキがかゝらないようにして車輛にかゝるシ
ヨツクを可及的に軽減できるようにしている。
以上のように本発明によれば、ミツシヨンケー
スに付設したシリンダの内部を油圧ポンプの吐出
ポートが開口する高圧油室に、またその外側を油
圧ポンプの吸入ポートが開口する低圧油室にそれ
ぞれ連通し、前記シリンダの側壁に前記両油室間
を連通する短絡ポートを設け、前記シリンダ内に
摺合したクラツチ弁の軸方向往復動により前記短
絡ポートを開閉するようにしたので、クラツチ弁
の単純な操作により、短絡ポートを閉じて油圧モ
ータを作動させるクラツチオン状態、同ポートを
開いて油圧モータを不作動にするクラツチオフ状
態およびその中間の半クラツチ状態を容易、確実
に得ることができ、特にクラツチ弁の軸方向スト
ロークは周囲の機構に干渉されず充分に長く採れ
るので、短絡ポートの形状および個数を自由に選
定でき、それによつて半クラツチ領域を広くして
車輛の発進をスムーズに行うことができる。
また前記クラツチ弁の前端には、その往動限で
前記吐出ポートを閉塞する弁体を付設したので、
クラツチ弁とその往動限に保持するだけで吐出ポ
ートを閉塞して油圧ポンプと油圧モータとを直結
することができ、従つて特に変速比が1:1のと
き、上記直結状態により伝動効率を向上させるこ
とができると共に、モータ斜板がモータプランジ
ヤからうけるスラスト荷重を消失させて各部軸受
の寿命をのばすことができる。しかも前記クラツ
チ弁はそれの単なる摺動操作により、前述の如く
本来のクラツチ操作と、モータ・ポンプ間の直結
切換操作とを両方行うことができるから、構造が
簡単でコストの低減に寄与し得ると共に操作性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の要部を縦断して示す全体
図、第2図はそれにおけるクラツチサーボモータ
の拡大断面図である。 CVT……無段変速機、M……油圧モータ、P
……油圧ポンプ、3……入力軸、11……モータ
斜板、15……出力軸、81……シリンダ、83
in……高圧油室としての内側室、83out……低
圧油室としての外側室、84……吐出ポート、8
5……吸入ポート、87,88……短絡ポート、
92……クラツチ弁、95……弁体、96……ピ
ストン部、97……前部油室、101……後部油
室、105……パイロツト弁。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 入力軸に連なる定吐出量型油圧ポンプと、出
    力軸に連なる斜板式可変容量型油圧モータとを油
    圧的に連結し、前記油圧モータの容量をモータ斜
    板の傾斜角の変更により調節して、前記入力軸と
    出力軸間の変速比を無段階に調節できるようにし
    た油圧式無段変速機において、ミツシヨンケース
    に付設したシリンダの内部を前記油圧ポンプの吐
    出ポートが開口する高圧油室に、またその外側を
    前記油圧ポンプの吸入ポートが開口する低圧油室
    にそれぞれ連通し、前記シリンダの側壁に前記両
    油室間を連通する短絡ポートを設け、前記シリン
    ダ内に軸方向往復動可能に摺合したクラツチ弁
    を、該弁の軸方向往動により前記短絡ポートを閉
    鎖しその軸方向復動により同ポートを開放するよ
    うに構成し、このクラツチ弁の前端に、その往動
    限で前記吐出ポートを閉塞する弁体を付設した、
    油圧式無段変速機の制御装置。 2 特許請求の範囲第1項記載の油圧式無段変速
    機の制御装置において、前記クラツチ弁に、ピス
    トン部を一体に形成すると共にそのピストン部の
    油圧駆動を制御するパイロツト弁を摺合した、油
    圧式無段変速機の制御装置。 3 特許請求の範囲第2項記載の油圧式無段変速
    機の制御装置において、前記ピストン部の前端側
    と後端側とに前記クラツチ弁を囲繞する前部油室
    と前記パイロツト弁を囲繞する後部油室とを形成
    すると共に前記ピストン部の後端受圧面積を前記
    クラツチ弁の断面積よりも大きく設定し、前記後
    部油室を前記高圧油室に連通する一方、前記パイ
    ロツト弁を、その前後動により前記前部油室を後
    部油室と油溜とに選択的に連通し得るよう構成し
    た、油圧式無段変速機の制御装置。
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