JPS6123414B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6123414B2
JPS6123414B2 JP4282378A JP4282378A JPS6123414B2 JP S6123414 B2 JPS6123414 B2 JP S6123414B2 JP 4282378 A JP4282378 A JP 4282378A JP 4282378 A JP4282378 A JP 4282378A JP S6123414 B2 JPS6123414 B2 JP S6123414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
clutch
servo motor
motor
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4282378A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS54134252A (en
Inventor
Noryuki Takahashi
Torao Hatsutori
Tasuku Date
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP4282378A priority Critical patent/JPS54134252A/ja
Publication of JPS54134252A publication Critical patent/JPS54134252A/ja
Publication of JPS6123414B2 publication Critical patent/JPS6123414B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、定吐出量型油圧ポンプと斜板式可変
容量型油圧モータとを備えた車輛用油圧式無段変
速機の操作制御装置に関するものである。
従来、入力軸を走行用エンジンに連動させた斜
板式定吐出量型油圧ポンプと、出力軸と車輛の駆
動車軸に連動された斜板式可変容量型油圧モータ
とを油圧的に連結し、油圧モータの吐出量を、モ
ータ斜板の傾斜角を変更することにより調節して
前記入力軸と出力軸間の変速比を無段階に調節す
るようにした、無段変速装置を備えた車輛は既に
知られているが、この従来公知のものでは、無段
変速機の油圧モータのモータ斜板を傾動操作する
チエンジサーボモータ、および無段変速機のクラ
ツチ操作をするクラツチサーボモータはそれぞれ
別の操作系により操作されるようにしているの
で、その操作系が複雑になるばかりでなく、それ
らの関連操作を的確に行いにくい憾があり、操作
も面倒であつた。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、エン
ジンの絞り弁開度操作のみにより前記チエンジサ
ーボモータ、およびクラツチサーボモータを別々
に、あるいは連動して的確に操作し、車輛の負荷
と車速に常に適合した変速比が自動的に無段階に
得られるようにして車輛を快適に運転できるよう
にした、車輛用油圧式無段変速機の操作制御装置
を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明は、入力軸
が走行用エンジンに連動された定吐出量型油圧ポ
ンプと、出力軸が車輛の駆動車軸に連動された斜
板式可変容量型油圧モータとを油圧的に連結し、
前記油圧モータの吐出量をモータ斜板の傾斜角の
変更により調節して、前記入力軸と出力軸間の変
速比を無段階に調節できるようにした、車輛用油
圧式無段変速機の操作制御装置において、前記走
行用エンジンの絞り弁開度に比例した制御力と、
そのエンジンの回転数に比例した制御力を入力し
てそれらの力の差を変位に変換し、その変位によ
り制御方向を決定するとともにその制御力を増幅
して出力し得る油圧式制御弁付主サーボモータ
と;前記無段変速機のモータ斜板に連結され、こ
れを傾動制御して前記無段変速機を変速操作し得
る油圧式チエンジサーボモータと;前記無段変速
機に連結され、その変速機をクラツチ操作し得る
油圧式クラツチサーボモータと;前記制御弁付主
サーボモータの出力部材を、前記チエンジサーボ
モータおよびクラツチサーボモータの各入力部材
にそれぞれ連動連結させ、前記出力部材の作動
を、前記チエンジサーボモータとクラツチサーボ
モータとにそれぞれ単独に、あるいは連動して伝
達させる連動操作装置と;を少なくとも備え、エ
ンジンの絞り弁開度操作のみにより前記無段変速
機の変速およびクラツチ操作を自動的に行うこと
ができるようにしたことを特徴とする。
以下、図面により本発明の一実施例について説
明する。
第1図に示すように本発明装置は、定吐出量型
斜板式油圧ポンプPと可変容量型油圧モータMと
を油圧的に連結して構成される、従来公知の油圧
式無段変速機CVTと、車輛走行用エンジン(図
示せず)によつて駆動されるエンジン駆動ポンプ
EPと、そのエンジン駆動ポンプEPと同期して駆
動され、エンジンの回転数に比例した出力油圧を
発生する遠心ガバナCGと、前記エンジンの絞り
開度に比例した力と、エンジンの回転数に比例し
た力との差を変位に変換し、その変位によつて出
力制御部材の制御方向を決定するとゝもにその制
御力を増巾するようにした制御弁付主サーボモー
タMSと、車輛の運転者によつて手動操作され、
手動変速位置、自動変速位置およびニユートラル
位置の3つの位置を選定する変速操作装置CSH
と前記無段変速機CVTにおける油圧モータMの
モータ斜板11を傾動制御する油圧式チエンジサ
ーボモータCHSと、前記無段変速機CVTのクラ
ツチ操作を行う油圧式クラツチサーボモータCLS
と、前記制御弁付主サーボモータMSと、前記チ
エンジおよびクラツチサーボモータCHS,CLS
とを連動させそれらサーボモータCHS,CLSを
単独に、あるいは連動して操作制御する連動操作
装置OPCと、前記クラツチサーボモータCLSを
強制的に“クラツチオフ”させる強制クラツチオ
フ装置CLOと、車輛の走行によつて駆動され、
車速に比例した出力油圧を発生する走行駆動ポン
プVPとより構成されている。
先ずはじめに斜板式定吐出量型多プランジヤ油
圧ポンプPと、斜板式可変容量型多プランジヤ油
圧モータMとよりなる無段変速機CVTの構成に
ついて説明する。
尚、この無段変速機CVTは従来既に知られて
いるものであるので、その構成を簡単に説明す
る。前記油圧ポンプPは、入力軸3に貫通される
とゝもにこれにスプライン係合2されたポンプシ
リンダ1と、そのポンプシリンダ1にその回転中
心を囲むように設けられた環状配列の多数のシリ
ンダ孔4,4………にそれぞれ摺合した多数のポ
ンププランジヤ5,5………を有し、入力軸3に
は図示しないエンジンからの動力がフライホイー
ルを介して伝達されるようになつている。一方、
前記油圧モータMは、前記ポンプシリンダ1を同
心上で囲繞してそれと相対的に回転できるように
配設されたモータシリンダ8と、そのモータシリ
ンダ8に、その回転中心を囲むように設けられた
環状配列のシリンダ孔9,9………にそれぞれ摺
合した多数のモータプランジヤ10,10………
を有する。
油圧ポンプPの各ポンププランジヤ5の内端
は、球面継手7を介して油圧モータMのモータシ
リンダ8内に一定角度で傾斜して固定されたポン
プ斜板6に自在に回動できるように連結されてい
る。したがつてモータシリンダ8に対してポンプ
シリンダ1が回転すると、多数のポンププランジ
ヤ5,5………は、前記ポンプ斜板6により順次
に往復摺動され吐出行程と吸入行程が繰り返され
る。
各モータプランジヤ10の内端は、球面継手1
2を介してモータ斜板11の表面に回動自在に連
結されている。前記モータ斜板11はその中央部
両側に一対のトラニオン軸13が突出されてお
り、それらのトラニオン軸13は、ミツシヨンケ
ースに枢支されていてモータ斜板11はミツシヨ
ンケースに対して左右に傾動できるようになつて
いる。
またモータシリンダ8の端部(第1図において
左端部)には、駆動歯車14が一体に形成され
て、出力軸15を構成しており、モータシリンダ
8、すなわち出力軸15の回転力は図示しない伝
動機構を介して車輛の駆動車輪に伝達されるよう
になつている。ところでモータシリンダ8が回転
すれば、多数のモータプランジヤ10,10……
…は位相をずらしてシリンダ孔9,9………内を
往復摺動して膨脹、あるいは収縮行程を繰り返
す。この場合、モータプランジヤ10,10……
…の摺動ストロークは、モータ斜板11が図に実
線で示す最大傾斜位置Smaxのとき最大となり、
また図に鎖線で示す最小傾斜位置Sminのとき最
小となる。而して前記モータ斜板11の傾斜角は
後述するチエンジサーボモータCHSによつて無
段階に調整制御される。
油圧ポンプPと油圧モータM間は、作動油分配
機構dsを構成する、後述の分配盤17と分配環
18とに形成される油圧通路を介して連通されて
いる。そしてエンジンの駆動により入力軸3が回
転されると、これにスプライン係合2されるポン
プシリンダ1が回転され、吐出行程中のポンププ
ランジヤ5を収容したシリンダ孔4から吐出され
る高圧の作動油は、後に詳述の作動油分配機構
dsを介して膨脹行程中のモータプランジヤ10
を収容したシリンダ孔9内に給送され、一方収縮
行程中のモータプランジヤ10を収容したシリン
ダ孔9から排出される作動油は後に詳述の作動油
分配機構dsを介して吸入行程中のポンププラン
ジヤ5を収容するシリンダ孔4内に還流される。
このようにして入力軸3の回転中は油圧ポンプP
と油圧モータM間を高圧作動油が循環し、その間
吐出行程中のポンププランジヤ5がポンプ斜板6
を介してモータシリンダ8に与える反動トルクと
膨脹行程中のモータプランジヤ10がモータ斜板
11がうける反動トルクとの和によつてモータシ
リンダ8は回転駆動される。そしてモータ斜板1
1の傾斜角を最小傾斜角(垂直位置)Sminから
最大傾斜位置Smaxまで傾動制御することにより
油圧モータMの容量を零から所定の値まで変える
ことができ、入力軸3と出力軸15間の変速比を
1:1から最大値まで無段階に変えることができ
る。
次にエンジンによつて駆動される、前記エンジ
ン駆動ポンプEPについて説明すると、これは通
常の歯車ポンプで構成され、その吸込口は油溜T
に連通され、またその吐出口は主給油路20に連
通されている。主給油路20は二又に分岐され、
その一方21は後述する制御弁付主サーボモータ
MSの中央作動油路44に連通され、またその他
方22は後述する開閉弁Vおよび給油路118を
介して同じく後述する強制クラツチオフ装置
CLOの流通ポート117に連通される。また主
給油路20からは補給油路24が分岐されてお
り、この補給油路24は、前記無段変速機CVT
の入力軸3内の油路25を通り、逆止弁26,2
7を介して前記油圧ポンプPと油圧モータMの油
圧閉回路内に連通され、その回路内の作動油が漏
洩したとき、その分を自動的に補給できるように
なつている。尚、28はエンジン駆動ポンプEP
の吐出口直後の主給油路20に介在した逆止弁、
29は主給油路20の前記逆止弁28より下流側
に接続されるリリーフ弁である。
次に前記遠心ガバナCGであるが、これは従来
公知の構造のものであつて、前記エンジン駆動ポ
ンプEPと同期して駆動され、エンジンの回転数
に比例した出力油圧を発生することができるもの
であり、その入力側には、前記主給油路20から
の圧力油が分岐油路30を介して給油され、また
その出力側からの出力圧油は、油路31を介し
て、後述する制御弁付主サーボモータMSに連通
されている。
次にエンジンの絞り開度に比例した力とエンジ
ンの回転数に比例した力とを入力させ、それらの
力の差を変位に変換し、その変位により出力制御
部材、すなわち出力ピストン54の制御方向を決
定するとゝもにその制御力を増巾するようにした
制御弁付主サーボモータMSの構成について説明
すると、制御函33には、その両側面に開口する
弁孔34が穿設され、この弁孔34内には、その
中央部にスプール弁35が、その左右端部には、
左、右入力ピストン36,37がそれぞれ摺動自
在に嵌合されている。前記スプール弁35は、そ
の中央、および左右にそれぞれランド部r2および
r1,r3を有しており、前記弁孔34内を第1図に
おいて左側より4つの油室a,b,cおよびdに
区画している。前記油室a,d内には、それぞれ
伝達ばね38,39が縮設され、これらの伝達ば
ね38,39の弾発力によつて左、右入力ピスト
ン36,37は制御函33外に突出している。前
記左入力ピストン36の外端面には、エンジンの
絞り弁(図示せず)に連動する回転カム40のカ
ム面が当接されており、また前記右入力ピストン
37の外側面には、前記制御函33に上端を止着
した規制板41の下端が当接されている。制御函
33の右側面にはストツパ42が設けられ、この
ストツパ42は規制板41の左方への移動を規制
している。また規制板41にはバイメタル43が
沿着されており、寒冷時にその規制板41の下部
を第1図において右方に撓曲されるようになつて
いて、寒冷時において、エンジンを暖機運転する
際にフアストアイドルによるアイドル回転数の上
昇に起因する。前記スプール弁35の移動を修正
できるようにしたものであり、すなわちエンジン
のアイドル回転数のばらつきに対するスプール弁
35の動きの補整をなすものである。前記弁孔3
4の中央部には、前記エンジン駆動ポンプEPに
主給油路20,21を介して連通する中央作動油
路44が開口されており、この中央作動油路44
はスプール弁35の左右動により油室bあるいは
cに選択的に連通し得る。弁孔34の油室bと、
後述するサーボシリンダ48の左油室eとは左作
動油路45を介して連通され、また弁孔34の油
室cと、前記サーボシリンダ48の右油室fとは
右作動油路46を介して連通される。尚、右作動
油路46には、さらに後述する補給油路47が連
通される。また弁孔34には、その油室a,bあ
るいはcに連通し得る還流油路49が開口されて
おり、そのうち油室a,bと還流油路49との連
通路にはオリフイス51,52が介在されてい
る。そして前記還流油路49は油溜Tに連通して
いる。さらに弁孔34には、前記油室dに連通し
得る制御油路53が開口され、この制御油路53
はエンジンの回転数に比例した圧力油を発生する
前記遠心ガバナCGの出力ポートに出力油路31
を介して連通されている。
前記弁孔34の下方において制御函33には、
サーボシリンダ48が形成され、このサーボシリ
ンダ48内には、このシリンダ48内を左油室e
と右油室fとに区画する出力部材、すなわち出力
ピストン54が摺動自在に嵌合されている。また
制御函33には前記サーボシリンダ48の中心を
通る、後述の変速操作杆Lの先端部が摺動自在に
貫通支持されており、前記出力ピストン54に
は、その中心に軸孔56が形成されその軸孔56
に後述する変速操作杆Lの先端部が摺動自在に貫
通されている。また後に詳述するように変速操作
杆Lの先端部には第一大径部l2より段差58を介
して第一小径部l1が形成されており、この第一小
径部l1に前記出力ピストン54がくると、その軸
孔56と第一小径部l1間に細隙が形成され、この
細隙を介して前記左油室eと右油室fとが連通さ
れるようになつている。またサーボシリンダ48
の左端壁には、前記変速操作杆Lが左位置、すな
わち後述の自動変速位置Dあるいはニユートラル
位置Nに移動したとき、前記第一大径部l2が嵌入
し得る嵌入孔57が穿設されている。
前記出力ピストン54にはピストンロツド55
が一体に形成され、このピストンロツド55は、
制御函33外に延出され、その先端部に後述する
連動操作装置OPCの作動腕132の上端が連結
されており、出力ピストン54の左右動により前
記作動腕132は左右に揺動できるようになつて
いる。
ところでエンジンを加速すべく図示しない絞り
弁を開放していくと、それに連動する回転カム4
0は、第1図において反時計方向に回動して左入
力ピストン36は右に移動し、その左入力ピスト
ン36の変位は伝達ばね38により力に変換され
てスプール弁35に伝達されるので、そのスプー
ル弁35は、図示しないエンジンの絞り弁開度に
比例した変位量だけ右方向に摺動する。これによ
り中央作動油路44は油室b、左作動油路45を
介してサーボシリンダ48の左油室eに連通し、
一方、サーボシリンダ48の右油室fは右作動油
路46、油室cを介して還流油路49に連通する
ので、エンジン駆動ポンプEPからの圧力油は主
給油路20,21、中央作動油路44、油室b、
および左作動油路45を通つて左油室e内に圧入
され、右油室f内の油は、右作動油路46、油室
c、および還流油路49を通つて油溜Tに還流さ
れ、出力ピストン54を第1図において右に移動
することができる。
絞り弁の開度増によりエンジンの回転数が上昇
すると、これに比例して前述のように遠心ガバナ
CGの出力油圧が上昇し、その上昇圧力油は出力
油路31、制御油路53を通つて弁孔34の油室
dに供給されるので、スプール弁35はエンジン
の回転数の上昇に比例した変位量だけ左方向に摺
動する。すると今度は中央作動油路44は油室
c、右作動油路46を介してサーボシリンダ48
の右油室fに連通し、一方、左油室eは左作動油
路45、油室bを介して還流油路49に連通する
ので、エンジン駆動ポンプEPからの圧力油は右
油室fに供給され、左油室e内の油は油溜Tに還
流され、出力ピストン54は左に摺動する。
またエンジンを減速すべく、その絞り弁を閉じ
ていけば、回転カム40に第1図時計方向に回転
して左入力ピストン36は、今度は絞り弁開度に
比例した変位量だけ左方向に摺動し、前述と全く
逆に左油室eが油溜Tに、また右油室fがエンジ
ン駆動ポンプEPの主給油路20,21に連通し
出力ピストン54は左に動かされる。以上により
エンジンの回転数が減少すると、これに比例して
遠心ガバナCGの出力油圧が下降し、前記と全く
逆にスプール弁35はエンジンの回転数の下降に
比例した変位量だけ右方向に摺動する。すると再
びエンジン駆動ポンプEPからの圧力油は左油室
eに供給され、右油室fは油溜Tに連通するの
で、出力ピストン54は右に摺動する。
以上のようにスプール弁35は、絞り弁の開度
すなわち回転カム40の回転に基づく外力と、遠
心ガバナCGからの油圧力、すなわちエンジンの
回転数に比例した制御力とが均衡するところまで
左右に無段階に動かされる。したがつて例えば、
エンジン回転数が比較的低く、かつ絞り弁開度が
比較的大きい条件下ではスプール弁35が右に動
かされ、これに追従して出力ピストン54はサー
ボモータで増巾されて右に動かされ、また反対に
エンジン回転数が比較的高く、かつ絞り弁開度が
比較的小さい条件下ではスプール弁35は左に動
かされ、これに追従して出力ピストン54はサー
ボモータで増巾されて左に動かされる。
尚、前記作動は第1図に示すように補給油路4
7に通じる給油路50が後述の開閉弁Vにより閉
鎖された状態で行われる。
また前記サーボモータの作動において、出力ピ
ストン54が変速操作杆Lの第一小径部l1にある
ときは、その第一小径部l1と出力ピストン54の
軸孔56間の細隙を通して左油室eと右油室fと
が連通するので、それらの室e,f間には油が自
由に流通するようになり、出力ピストン54はそ
の左右の面積差によつて動かされる。而して出力
ピストン54はその左側面積A1が右側面積A2
りも大きいので、変速操作杆Lの第一大径部l2
至るまで右方に動かされる。このことは後に作用
説明の項で詳述するように、前記無段変速機
CVTを「手動操作」する場合に、変速操作杆L
を手動で左右動するとき、これに追従して出力ピ
ストン54を動かすことができるようにしたもの
である。
また弁孔34の油室aと還流油路49間、およ
び油室bと還流油路49間にそれぞれオリフイス
51,52を設けたのは、次の理由による。すな
わち、エンジンの絞り弁を急激に開いて回転カム
40が急激に反時計方向に回転した際、オリフイ
ス51により油室a内の油の急速な排出が如げら
れ、油室a内は瞬間的に密閉状態となり、左入力
ピストン36の右移動が油圧的にスプール弁35
に伝達されて出力ピストン54の制御力の増加補
正が行われ、車輛の加速性能を高めるようにした
ものである。また絞り弁を急速に閉じて回転カム
40が急激に時計方向に回転した際、左入力ピス
トン36は回転カム40から釈放されるが、スプ
ール弁35の左移動はオリフイス52から排出さ
れる油に及ぼす減衰作用により緩徐に行われ、そ
のため出力ピストン54は緩やかに左移動して、
無段変速機CVTの減速比は徐々に減少し、エン
ジンの急減速時に、減速比の急減少により一瞬車
輛が加速されるような危険を生じないようにした
ものである。
前記変速操作装置CSHは変速操作杆Lを、ミ
ツシヨンケースに形成した軸受部60によつて左
右に摺動できるように案内支持して構成され、変
速操作杆Lの自由端は図示しないハンドルに連動
されており、運転者が手動により左右に摺動操作
できるようになつている。
前記変速操作杆Lは、その内端より外端、すな
わち第1図において左から右へ第一小径部l1、第
一大径部l2、第二小径部l3および第二大径部l4
よりなり、第一小径部l1と第一大径部l2間に段差
58が形成される。そして第一小径部l1、第一大
径部l2が前述の制御弁付主サーボモータMS内に
挿入されている。
前記軸受部60と変速操作杆Lとの間には、こ
の変速操作杆Lを第1図に示す手動変速開始位置
M、自動変速位置Dおよびニユートラル位置Nの
3つの位置に係止するためのクリツクストツパ6
1が設けられており、このクリツクストツパ61
は変速操作杆Lに形成した3個のノツチ62,6
3および64と、前記軸受部60に設けられる係
止ボール65と、これを変速操作杆Lに向けて弾
発するばね66とより構成されている。而して手
動変速開始位置Mと自動変速位置D間の範囲は変
速操作杆Lの手動変速範囲Mrになる。而して第
1図において、手動変速開始位置M、手動変速範
囲Mr、自動変速位置Dおよびニユートラル位置
Nは何れもクリツクストツパ61の中心線を基準
にして示されている。
前記変速操作杆Lとミツシヨンケースの軸受部
60とは、それらが協働して本発明の油路の開閉
を司る開閉弁Vを構成している。以下、この開閉
弁Vの構造について説明すると、前記変速操作杆
Lの第二大径部l4には前記エンジン駆動ポンプ
EPと後に詳述する走行駆動ポンプVPに連通する
給油路118と、前記走行駆動ポンプVPのみに
連通する給油路50とが互いに隣接して横切つて
おり、これらの給油路118および50は、変速
操作杆Lが「手動変速範囲Mr」および「自動変
速位置D」にシフトされたとき、その第二大径部
l4によつて閉じられて遮断されるようになつてい
る。また変速操作杆Lが第1図において左限位
置、すなわちニユートラル位置Nにシフトされた
とき、前記給油路118および50は、何れも前
記第二大径部l4に形成した環状溝67,68を介
して連通されるようになり、エンジン駆動ポンプ
EPおよび後述する走行駆動ポンプVPからの圧力
油は、給油路118を通つて後述する強制クラツ
チオフ装置CLOのシリンダ113の右室j内に
導入され、後述するクラツチサーボモータCLSを
強制的にクラツチオフさせる。
また後述の走行駆動ポンプVPからの圧力油は
給油路50、前記補給油路47および右作動油路
46を通りサーボシリンダ48の右油室fに給油
され、第一大径部l2上にある出力ピストン54を
左限位置、すなわちTOP位置まで移動させ(変
速操作杆Lは左限位置、すなわちニユートラル位
置Nにある。)、“ニユートラル位置N”から再び
自動あるいは手動変速位置に戻るとき急激なエン
ジンブレーキ負荷がかゝらないようになつてい
る。
前記モータ斜板11を第1図鎖線に示す垂直な
TOP位置Sminから第1図実線に示す最大傾斜し
たLOW位置Smaxに傾動操作するための油圧式チ
エンジサーボモータCHSがミツシヨンケース内
に設けられる。次にこのチエンジサーボモータ
CHSの構成について説明すると、これはミツシ
ヨンケースに固定状態に支持されるサーボシリン
ダ70と、その内部を左側油室gと右側油室hと
に区画するサーボピストン71と、前記サーボシ
リンダ70を貫通して先端部が前記サーボピスト
ン71に穿設した弁孔73内に摺合されるパイロ
ツト弁72とから構成され、前記サーボピストン
71と一体のピストンロツド74はサーボシリン
ダ70を貫通してその外部に突出され、前記モー
タ斜板11にピン連結75されている。サーボシ
リンダ70の左側油室gには、サーボシリンダ7
0に形成した通路76を介して高圧油路77に連
通され、この高圧油路77内を流れる高圧油が作
用するようになつている。ところで前記高圧油路
77内には、エンジンの駆動時、油圧ポンプPか
らの高圧の作動油が、後述するクラツチサーボモ
ータCLS内を通つて給油されており、またエンジ
ンブレーキ時には前記エンジン駆動ポンプEPか
ら、前記高圧の作動油よりも低圧の一定圧力油が
同じく前記クラツチサーボモータCLS内を通つて
給油されるようになつている。またこの高圧油路
77はリリーフ弁Rを介して主給油路22に連通
され、この高圧油路77内の油圧力が所定値を超
えると、前記リリーフ弁が働くようになつてい
る。また前記弁孔73はその還流路128を通し
て油溜Tに連通されている。サーボピストン71
には、パイロツト弁72の右動に応じて右側油室
hを、弁孔73を介して油溜Tに開放させる排出
路78と、パイロツト弁72の左動に応じて今度
は右側油室hを左側油室gに連通させる供給路7
9とが穿設されている。したがつてサーボピスト
ン71は、パイロツト弁72の左、右動に追従す
るように高圧油路77内の圧力油によつて増巾作
動され、それによつてモータ斜板11を第1図実
線に示す最大傾斜位置、すなわちLOW位置Smax
から第1図鎖線に示す最小傾斜位置(垂直位
置)、すなわちTOP位置Sminまで無段階にシフト
することができる。その場合エンジンの駆動によ
り油圧ポンプPが稼動されるときは、前述のよう
にその高圧の作動油が後述のクラツチサーボモー
タCLS内を通つて高圧油路77に供給されるの
で、モータ斜板11の応答傾動を敏感にすること
ができ、またエンジンブレーキ時には、前述のよ
うにエンジン駆動ポンプEPからの前記作動油よ
りも低圧の圧力油が同じく後述のクラツチサーボ
モータCLS内を通つて前記油路77に供給される
ので、モータ斜板11の応答傾動を緩慢にして急
激なエンジンブレーキがかゝらないようにするこ
とができる。
前記無段変速機CVTの右側においてミツシヨ
ンケースの一端壁80には、固定軸81が固着さ
れ、この固定軸81は無段変速機CVTのモータ
シリンダ8の支軸部82を貫通してその内部にの
びており、この固定軸81の内端には前記分配環
18が偏心的に支持されて、さらにこの分配環1
8の内端面は前記分配盤17の一端面に油密状態
で接触している。分配管18は、モータシリンダ
8内に画成される密閉状の中空室83の内側室8
3inと外側室83outとに区画している。一方分
配盤17には吐出ポート84と吸入ポート85と
が穿設されており、前記吐出ポート84は、油圧
ポンプPの吐出行程側にあるシリンダ孔4と前記
内側室83inとを連通し、また前記吸入ポート8
5は油圧ポンプPの吸入行程側にあるシリンダ孔
4と前記外側室83outとを連通し得るようにな
つている。また前記分配盤17には前記吐出ポー
ト84および吸入ポート85のほかに多数の連絡
ポート86,86………が穿設されていて、これ
らの連絡ポート86,86………は、前記モータ
シリンダ8と共に回転する分配盤17の回転に伴
つてモータシリンダ8のシリンダ孔9,9………
を前記内側室83inあるいは外側室83outに連
通させることができる。
したがつて入力軸3の回転に伴つてポンプシリ
ンダ1が回転すると、前述のようにポンププラン
ジヤ5の吐出行程により生成された高圧の作動油
は吐出ポート84から内側室83inへ、さらにそ
れと連通状態にある連絡ポート86を経て膨脹行
程のモータプランジヤ10のシリンダ孔9へ流入
し、そのモータプランジヤ10に推力を与え、一
方収縮行程のモータプランジヤ10により排出さ
れる作動油は外側室83outに連通する連絡ポー
ト86および吸入ポート85を通して吸入行程中
のポンププランジヤ5のシリンダ孔4に還流し、
このような作動油の循環により油圧ポンプPから
油圧モータMへの動力の伝達が行われる。而して
作動油の分配機構dsを構成する前記分配盤17
および分配環18は、この種油圧ポンプPと油圧
モータMよりなる無段変速機CVTにおいて既に
公知であるのでその詳細な説明を省略する。
ところで前記固定軸81内には、 (a) 前記油圧ポンプPの吐出側と吸入側とを短絡
させ、油圧モータMへの高圧作動油の給送を行
わないようにしてその油圧モータMを不作動に
する“クラツチオフ”状態、 (b) 油圧ポンプPから油圧モータMへ高圧作動油
を自由に循環させる“クラツチオン”状態、 (c) 前記短絡路の開度を調節して油圧ポンプPか
ら油圧モータMへの作動油の流量を制御する
“半クラツチ”状態、 (d) 油圧ポンプPの作動油の流れを完全に遮断し
てポンププランジヤ5を油圧的にロツクしてポ
ンプシリンダ1とモータシリンダ8とを一体的
に回転させる“油圧ポンプ、油圧シリンダ直
結”状態、 の以上の4つの状態を選択的に採り得るようにし
た、油圧式クラツチサーボモータCLSが装備され
ている。
以下、このクラツチサーボモータCLSの構造に
ついて説明すると、前記固定軸81には、その中
心孔89とその側壁を貫通する複数個(図におい
て2個図示)の短絡ポート87,88が穿設され
ており、これらの短絡ポート87,88の内側開
口端は、前記固定軸81の中心孔89を通して前
記内側室83inに連通され、またそれらのポート
87,88外側開口端は固定軸81の外側に形成
される通油溝90、を通して前記外側室83out
に連通されている。前記短絡ポート87,88の
内側開口端、すなわち固定軸81の中心孔89へ
の開口端は固定軸81の軸方向に若干オフセツト
している(図において短絡ポート87が短絡ポー
ト88に対して若干左にオフセツト)。
前記固定軸81の中心孔89の径小部には、ク
ラツチ弁92が摺動自在に嵌合されており、この
クラツチ弁92が図において左に摺動すると、短
絡ポート87,88は順次に閉じられ、また右に
摺動すると短絡ポート87,88は順次に開くよ
うになつている。またクラツチ弁92の内端面外
周にはテーパ面93が形成され、このテーパ面9
3は、前述のようにオフセツトされる短絡ポート
87,88と協働して、それら短絡ポート87,
88の開閉が緩徐に行われ、後に詳述するクラツ
チの切換操作を一層スムーズに行うことができる
ようになつている。
クラツチ弁92の先端には弁杆94が螺着さ
れ、この弁杆92の球状端部にはシユー95が首
振り可能に連結されている。シユー95はクラツ
チ弁92が後述するように“クラツチオン”状態
を超えてさらに左に摺動したとき、前記分配盤1
7に穿設した吐出ポート84の開口端を閉塞する
ように、その一端面に油密に密着し、吐出ポート
84から内側室83inへの油の流れを遮断するこ
とができる。
いまクラツチ弁92が図に示すように右端位置
にある状態では、短絡ポート87,88は開放さ
れ、前記内側室83inとは連通状態にあり、分配
盤17の吐出ポート84から吐出される高圧の作
動油は直ちに油圧ポンプPの吸入ポート85へ短
絡してしまい、油圧モータMへの給送が行われな
い。したがつてこの状態では油圧モータMは作動
されず、所謂“クラツチオフ”状態にある。
次にクラツチ弁92が図において左に摺動し、
前記短絡ポート87,88を何れも閉鎖した状態
になると、前記のように油圧ポンプPと油圧モー
タM間に作動油の流れを生じるので、入力軸3と
出力軸15とは油圧的に連結され所謂“クラツチ
オン”状態になる。またクラツチ弁92が前述の
“クラツチオフ”状態から“クラツチオン”状態
へ移る途中の過程では、前記短絡ポート87,8
8の開度は漸次に絞られ吐出ポート84からの作
動油の一部が油圧モータMへ流れ、他の一部が油
圧ポンプPの吸入ポート85へ短絡されることに
なる。この状態が所謂“半クラツチ”状態であ
る。ところでこの場合、前記短絡ポート87,8
8は固定軸81の軸方向、すなわちクラツチ弁9
2の摺動方向にオフセツトしていること、および
クラツチ弁92の内端面外周にテーパ面93が形
成されていること、とによつて短絡ポート87,
88の開閉が緩徐に行われる。このことはクラツ
チの切換を一層スムーズに行うことができ、また
半クラツチの区域を広くとることができ、車輛の
発進を一層スムーズにすることができる。またク
ラツチ弁92が前述の“クラツチオン”状態を超
えてさらに左に摺動すると、前記シユー95は分
配盤17の端面に密着してそこに開口した吐出ポ
ート84を閉塞して該吐出ポート84から内側室
83inへの作動油の流れを遮断し、前記“油圧ポ
ンプ、油圧モータ直結”状態となり、ポンププラ
ンジヤ5を油圧的にロツクしてポンプシリンダ1
からポンププランジヤ5群およびポンプ斜板6を
介してモータシリンダ8を機械的に駆動すること
ができる。したがつてモータプランジヤ10のモ
ータ斜板11に与える推力が消失し、その推力に
よる軸受等の各部材の負担を軽減することができ
る。而してこの“油圧ポンプ、油圧モータ直結”
状態は、モータ斜板11を直立状態にして変速比
が1:1になつたときに、すなわち“TOP位置
Smin”にあるときに行われるもので、入力軸3
から出力軸15へ動力伝達効率を良好にすること
ができる。
次に前記クラツチ弁92を固定軸81の中心孔
89内において、前述のように左右に往復制御す
るための構成について主に第2図を参照して説明
すると、前記クラツチ弁92の後方(第1,2図
右方)には油室101が形成されており、この油
室101は通常クラツチ弁92に形成した油通路
102および前記弁杆94に形成した油通路10
3を通つて前記内側室83in内に連通されてい
る。そしてエンジン駆動時には、前記油室101
内に油圧ポンプPと油圧モータM間を循環する高
圧の作動油の一部が前記内側室83inより前記油
通路103,102を通つて常時供給され、また
エンジンブレーキ時にはエンジン駆動ポンプEP
からの圧力油(前記作動油より低圧)の一部が同
じく油通路103,102を通つて常時供給され
るようになつている。また油室101には前述の
高圧油路77が連通されている。
前記クラツチ弁92の基端部(第1,2図右端
部)にはピストン部96が一体に形成され、この
ピストン部96の前方(第1,2図左方)におい
て、中心孔89の内壁とクラツチ弁92の外周間
には、環状通路97が形成されており、さらに前
記クラツチ弁92の基端部には、その後端面10
0(第1,2図右端面)に開口する行止り孔98
が穿設されている。そしてこの行止り孔98と前
記環状通路97間はクラツチ弁92に穿設した連
通孔99を介して連通されている。
前記クラツチ弁92の基端部に形成される前記
行止り孔98の奥部周面には逃げ溝104が形成
されている。行止り孔98内にはミツシヨンケー
スの一端壁80を貫通したパイロツト弁105が
挿入されている。パイロツト弁105の先端部に
はその行止り孔98内に摺合するランド部106
が形成され、そのランド部106の後方(第1,
2図において右方)には径小部107が形成され
ている。また前記パイロツト弁105には、一端
が前記行止り孔98内に開口し、他端が大気に連
通する大気連通孔108が穿設されている。
パイロツト弁105には後述する作動槓杆11
0が連結され、この作動槓杆110の作動で左右
に動かされるようになつている。
ところで、 シユー95の端面の受圧面積:A クラツチ弁92のピストン部96の断面積:B クラツチ弁92の断面積:C パイロツト弁105の断面積:D とした場合に、 A>B−D B−D>C の不等式が満足されるように各部の寸法が定めら
れる。
いま“クラツチオン”させるべくパイロツト弁
105を第1,2図左移動させると、そのパイロ
ツト弁105の径小部107は行止り孔98内に
すべて嵌入されるので、吐出ポート84からの高
圧の作動油は油通路103,102、および油室
101を介してクラツチ弁92のピストン部96
の右端面100に作用するとゝもに作動油はクラ
ツチ弁92の左端面にも作用する。而して前記ピ
ストン部96後端面の受圧面積はB−Dであり、
またクラツチ弁92前端面の受圧面積はCである
ので、前述の不等式B−D>Cによりクラツチ弁
92は左移動することになる。したがつて“クラ
ツチオン”すべくパイロツト弁105が左移動す
れば、クラツチ弁92は作動油の油圧力により同
方向に追従移動してクラツチ弁92は前記短絡ポ
ート87,88を何れも閉塞するに至り、前述の
ように“クラツチオン”状態になる。
また“クラツチオフ”させるべくパイロツト弁
105を右移動させると、そのパイロツト弁10
5の径小部107の一部が行止り孔98から抜け
出ることになるので、高圧の作動油はクラツチ弁
92のピストン部96後端面(右端面)100に
作用する一方、その作動油の一部はクラツチ弁9
2の前端面(左端面)にも作用するほか、行止り
孔98、連通孔99および環状通路97を通つて
クラツチ弁92のピストン部96の左端面にも作
用することになり、クラツチ弁92を左移動させ
るための受圧面積がB−Dであるのに対しクラツ
チ弁92を右移動させるための受圧面積はBとな
る。したがつて当然にB>B−Dによりクラツチ
弁92は右に移動し、第1,2図に示すように前
述の“クラツチオフ”の状態になる。
また前述の“クラツチオン”の状態よりさらに
クラツチ弁92を左に移動して、シユー95を分
配盤17の吐出ポート84に接触させ、前述の
“油圧ポンプ、油圧モータ直結”状態にした場合
にはシユー95の、受圧面積Aを有する端面には
吐出ポート84からの高圧の作動油(前記油室内
の油圧力と等圧)が作用する一方、クラツチ弁9
2のピストン部96の受圧面積B−Dを有する右
端面100には油室101内の高圧の作動油が作
用する。したがつて前記不等式A>B−Dによつ
てシユー95にはこれを右へ移動する力が作用す
る。ところでシユー95が若干右へ移動すればシ
ユー95の端面への油圧力が解除されるのでシユ
ー95は再び分配盤17の端面に押付けられる。
したがつて前記A、BおよびCの受圧面積を前記
不等式を満足させて所定の値に設定することによ
り、所謂“油圧フローテイング支持”の状態を保
つことができ、シユー95と吐出ポート84間か
らの作動油の漏洩を最小限に抑えつゝそれら間の
良好な油密状態を保持することができる。
前記油圧式クラツチサーボモータCLSの後方に
おいて、ミツシヨンケースには、作動槓杆110
が左右に揺動できるように軸支111されてお
り、この作動槓杆110の上端にクラツチサーボ
モータCLSの前記パイロツト弁105の後端が連
結112されている。
前記作動槓杆110の下端には強制クラツチオ
フ装置CLOが連結121されている。この強制
クラツチオフ装置CLOは、前記変速操作杆Lを
“ニユートラル位置N”にシフトしたとき、クラ
ツチ装置を後述する連動操作装置OPCとは関係
なく強制的に“クラツチオフ”させるようにした
ものであつて、以下この装置CLOの構成につい
て説明すると、前記作動槓杆110の下部右方に
はシリンダ113が配設されており、このシリン
ダ113内には、その内部が左油室iと右油室j
とに区画するピストン114が左右に摺動自在に
嵌合されている。ピストン114と一体のピスト
ンロツド115はシリンダ113の左側端壁を貫
通して外部に突出しており、その先端に前記作動
槓杆110の下端が連結121されている。前記
左油室i内には、圧縮ばね116が縮設されてお
り、この圧縮ばね116は前記ピストン114を
右に摺動するように偏倚するとゝもに前述したよ
うに作動槓杆110を反時計方向に回動するよう
に偏倚させ二様の作動をなすようになつている。
また前記シリンダ113の右端壁には流通ポート
117が穿設されこの流通ポート117に、前記
エンジン駆動ポンプEPあるいは後述する走行駆
動ポンプVPに連なる給油路118が連通されて
おり、後に詳述するように変速操作杆Lがニユー
トラル位置Nにあるとき前記ポンプVPあるいは
VPからの圧力油が、シリンダ113の右油室j
に作用するようになつている。さらにシリンダ1
13の右端内壁には前記流通ポート117に圧接
されるリード弁119が止着されており、このリ
ード弁119には小孔120が穿設されていて、
この小孔120を通して右油室jが流通ポート1
17を介して給油路118に連通されている。し
たがつて前述の変速操作杆Lが“ニユートラル位
置N”にシフトされると、エンジン駆動ポンプ
EPあるいは走行駆動ポンプVPからの圧力油は前
記開閉弁Vを通つて給油路118より、流通ポー
ト117およびリード弁119を介してシリンダ
113の右油室jに入りピストン114を圧縮ば
ね116の弾発力に抗して左に摺動するので、作
動槓杆115は強制的に時計方向に回動され、ク
ラツチサーボモータCLSのパイロツト弁72は、
右方すなわち“クラツチオフ”側に強制移動さ
れ、ニユートラル運転時には強制的に“クラツチ
オフ”させることができるようになつている。ま
た後述する変速操作杆Lがニユートラル位置Nか
ら自動変速位置Dにシフトされ前記開閉弁Vによ
り前記ポンプEPあるいはVPと給油路118との
連通が遮断されゝば、右油室jには圧力油が供給
されなくなるので、ピストン114は圧縮ばね1
16の弾発力で右に摺動するがこの際右油室j内
の圧力油は前記小孔120を通つて絞られつつ給
油路118を通つて還流油路122に流れるの
で、作動槓杆110は緩慢に反時計方向に回動し
てクラツチサーボモータCLSの“クラツチオン”
作動は緩衝的に行われる。
前記チエンジサーボモータCHSのパイロツト
弁72およびクラツチサーボモータCLSのパイロ
ツト弁105は、それらを単独に、あるいは連動
させて作動するようにした連動操作装置OPCが
ミツシヨンケース内適所に設けられている。以下
にこの装置OPCの構成について説明すると、前
記チエンジサーボモータCHSの後方においてミ
ツシヨンケースには支持軸130が支承されてお
り、この支持軸130には、操作カム131、作
動腕132および操作腕133が一体的に回転で
きるように支持されており、そのうち作動腕13
2は前述の主サーボモータMSの出力ピストン5
4のピストンロツド55後端に連結141されて
いる。
前記操作カム131は全体形状が略杓子状に形
成され、その基端には、支持軸130の軸心Oを
中心とする短半径rsの円弧面よりなる第一カム面
c1が、またその先端には支持軸130の軸心Oを
中心とする長半径rlの円弧面よりなる第二カム面
c2が形成され、さらにそれら第一、第二カム面
c1,c2上面端部間に、内側に凹の双曲線よりなる
第三カム面c3が形成されている。操作カム131
の基端部と、前記チエンジサーボモータCHSの
パイロツト弁72基端間には引張ばね134が張
架されていて、この引張ばね134の引張力は前
記パイロツト弁72の基端面を、操作カム131
のカム面に圧接するように偏倚させている。
而して第1図に示すように、パイロツト弁72
の基端が第二カム面c2に接しているときは、操作
カム131が回転してもパイロツト弁72は移動
することなくその位置に保持され、モータ斜板1
1は最大傾斜位置Smaxすなわち“LOW位置”に
ある。操作カム131が第1図において反時計方
向に回転されると、パイロツト弁72の基端は双
曲線よりなる第三カム面c3に接触するに至り、操
作カム131の引続く回転に伴つてパイロツト弁
72はその双曲線よりなる第三カム面c3に倣つて
右方に移動する。したがつてモータ斜板11は右
方にTOP側へ傾動する。この場合前記第三カム
面c3が双曲線であることは後に詳述するようにき
わめて重要な意味をもつ。さらに操作カム131
が反時計方向に回転するとパイロツト弁72の基
端は第一カム面c1に接触するに至り、モータ斜板
11は最小傾斜位置(直立位置)Smin、すなわ
ち“TOP位置”にくる。そして操作カム131
がさらに回転しても最早パイロツト弁72は移動
しない。
前記操作腕133の先端にはクラツチ操作杆1
35の上端が連結136されている。クラツチ操
作杆135はミツシヨンケースに形成した案内孔
137を緩通して垂直にのび、その下端部は、前
記クラツチサーボモータCLSの後方に達してい
る。そしてその下端部の一側には傾斜カム面13
8が形成されており、その傾斜カム面138に
は、前記作動槓杆110の上半部に軸支されるロ
ーラ139が前記シリンダ113内の圧縮ばね1
16の弾発力により圧接されている。作動槓杆1
10の上端には前述のように前記クラツチサーボ
モータCLSのパイロツト弁105の後端が連結1
12されている。したがつて前記支持軸130が
回転すれば、操作腕133を介してクラツチ操作
杆135は昇降作動される。クラツチ操作杆13
5が上昇すると、ローラ139は傾斜カム面13
8に沿つて右に移動するので、作動槓杆110は
時計方向に回動され、パイロツト弁105は右移
動、すなわち“クラツチオフ”側へ移動し、また
クラツチ操作杆135が下降するとローラ139
は傾斜カム面138に沿つて左方に移動するの
で、作動槓杆110は反時計方向に回動され、パ
イロツト弁105は左移動、すなわち“クラツチ
オン”側へ動く。
前記クラツチ操作杆135の下部において、前
記傾斜カム面138と反対側にはバイメタル14
0が沿着されており、このバイメタル140は寒
冷時においてクラツチ操作杆135の下半部を右
方に撓曲するように作用するものであつて、寒冷
時には、パイロツト弁105が若干右に位置する
ように補正して、フアストアイドルによりエンジ
ンのアイドリング回転数が上昇しても、前記クラ
ツチサーボモータCLSが“クラツチオン”側に作
動することがないようにしており、すなわち寒冷
時エンジンのアイドリング回転数の上昇に対する
補正を、その時の温度を感知するとによつて行う
ようにしている。
ところで一般に油圧式無段変速機CVTでは、
モータ斜板11の傾斜角α(LOW−TOP)と、
入力軸3と出力軸15のトルク比Tとの関係は第
3図に示すように直線で表わされる。ところがエ
ンジンの出力は、その出力軸の回転数とそのトル
クとの積によつて表わされるので、その出力一定
とした場合に、入力軸3と出力軸15のトルク比
Tと、その変速比(速度比)iとの関係は第4図
に示すように双曲線で表わされる。而してモータ
斜板11の傾斜角α変位は、前記変速比iの変化
であるから、前述のようにモータ斜板11の直線
的変位に対してトルク比Tが双曲線的に変化する
ことになり、モータ斜板11の傾斜角αの直線的
変位と、前記トルク比Tの双曲線的変化との間に
相対的なずれを生じ、モータ斜板の傾斜角を直線
的に変えるようにした従来のものでは、車輛の運
転感覚に支障を及ぼしめる不都合があるが、本発
明では、このようなずれを補正できるようにして
おり、すなわち操作カム131の第三カム面c3
双曲線に形成することにより、モータ斜板11の
操作入力が直線的であつても、そのモータ斜板1
1の傾斜角αを前記トルク比Tの変化に一致する
ように双曲線的に変位できるようにして前記不都
合を解消できるようにしている。すなわちモータ
斜板11に連接させるチエンジサーボモータ
CHSのパイロツト弁72が操作カム131の第
三カム面c3に接触しているときは、変速操作杆L
の直線的左右動に基づく操作カム131の回転に
よりその双曲線カム面c3に沿つてモータ斜板11
の傾斜角αを変位させることができ、操作カム1
31の回転角β変位(LOW−TOP)に対するモ
ータ斜板11の傾斜角α変位の関係は、第5図に
示すように双曲線にすることができ、また前記操
作カム131の回転角β変位(LOW−TOP)に
対する前記トルク比Tの変化の関係も第6図に示
すように双曲線にすることができる。したがつて
操作カム131を回転するための操作入力変位が
直線的であつてもモータ斜板11の傾斜角α変位
を前記トルク比Tの変化に一致させるように補正
することができ、変速操作を一層正確かつ容易に
することができる。
次に車輛走行時に車軸等の走行回転部から動力
を得て駆動される走行駆動ポンプVPについて説
明すると、これは通常の歯車ポンプにより構成さ
れ、その吸込側は油溜Tに連通され、またその吐
出側には吐出路150が連通され、この吐出路1
50は、第一、第二副給油路151,152に分
岐されており、第一副給油路151は、前記開閉
弁Vを介して、前記制御弁は主サーボモータMS
の補給油路47に連通されており、また第二副給
油路152は、前記エンジン駆動ポンプEPに連
なる主給油路22に連通されている。
而してこの走行駆動ポンプVPは3つの作用を
なすものであつて、すなわち(1)車輛の出力走行時
には、この走行駆動ポンプVPはエンジン駆動ポ
ンプEPと並行して運転されるので、それらの一
方が故障しても、運転に何ら支障を来たすことな
くフエイルセーフになる。(2)車輛の押しかけ走行
時や、ニユートラル惰性走行中のエンスト時等、
エンジン駆動ポンプEPから必要な高圧作動油が
得られないとき走行駆動ポンプVPにより圧力作
動油を必要個所に補給することができる。(3)前記
変速操作杆Lをニユートラル位置Nにシフトした
とき、サーボシリンダ48の右油室f内に走行駆
動ポンプVPからの圧力油を供給して出力ピスト
ン54を左端位置に移動させてモータ斜板11を
強制的にTOP位置に傾動させておくことがで
き、再びドライブ走行する際に過大なエンジンブ
レーキがかゝらないようにしてシヨツクのない円
滑なニユートラル走行からドライブ走行への切換
が可能になる。
次に本発明の“自動ドライブ”、“手動ドライ
ブ”および“ニユートラル”の各運転時の作用に
ついて順に説明する。
〔〕 自動ドライブ運転 変速操作杆Lを第1図において二点鎖線に示
す“自動変速位置D”までシフトする。この位
置Dではクリツクストツパ61の係止ボール6
5はノツチ63に嵌入して変速操作杆Lを係止
する。ところでこの“自動変速位置D”では変
速操作杆Lの第一大径部l2の左端部が嵌入孔5
7内に嵌入し、サーボシリンダ48内では、そ
の全長に亘つて前記第一大径部l2が位置して出
力ピストン54はサーボシリンダ48内のどの
位置にある場合でも第一大径部l2上に摺合され
る。また前記開閉弁Vは閉成位置にあり、強制
クラツチオフ装置CLOへの給油は遮断されて
いるとゝもに補給油路47への給油も遮断され
ている。
いまエンジンを加速または減速すべく図示し
ないエンジンの絞り弁を開放または閉鎖してい
くと、それに連動する回転カム40は反時計方
向、あるいは時計方向に回動して左入力ピスト
ン36を右あるいは左に動かし、その左入力ピ
ストン36の変位は伝達ばね38により力に変
換されスプール弁35を動かし、これにより前
述のようにエンジン駆動ポンプEPからの作動
油をサーボシリンダ48に供給し、出力ピスト
ン54に絞り弁開度に応じた右方向の制御力を
与える。一方遠心ガバナCGは、エンジンの回
転数に比例した出力油圧を発生するので、その
油圧に応動してスプール弁35を介して前記作
動油をサーボシリンダ48に供給し、エンジン
回転数に応じた左方向の制御力を出力ピストン
54に与える。このようにして出力ピストン5
4は絞り弁開度に応じた右方向の制御力とエン
ジンの回転数に応じた左方向の制御力とが均衡
する点まで左右に無段階に動かされる。
ところで第1図に示す状態では出力ピストン
54は右端位置にあり、操作カム131は最も
右回転され、無段変速機CVTのモータ斜板1
1は最大傾斜位置Smax、すなわちLOW位置に
あり、その減速比は最大の状態である。
いまエンジンが駆動され、その絞り弁開度が
小さくエンジンの回転数が上昇すると、制御弁
付主サーボモータMSの出力ピストン54は左
に移動しはじめ、作動腕132を介して操作カ
ム131を左に回転しはじめるが、出力ピスト
ン54が第1図イ位置からロ位置まで移動する
範囲では操作カム131の左回転によるもチエ
ンジサーボモータCHSのパイロツト弁72は
その第二カム面c2上を滑るだけでチエンジサー
ボモータCHSは作動しないが、一方操作腕1
33は左回転されるのでクラツチ操作杆135
が下降して、クラツチサーボモータCLSのパイ
ロツト弁105は左移動して該サーボモータ
CLSは前述のように“半クラツチ”状態を経て
“クラツチオン”する。これにより無段変速機
CVTの油圧ポンプPと油圧モータMが油圧的
に連結される。
エンジンの回転数がさらに上昇して出力ピス
トン54が第1図ロ位置を超えて左移動する
と、操作カム131はさらに左回転して、チエ
ンジサーボモータCHSのパイロツト弁72の
右端が操作カム131の双曲線よりなる第三カ
ム面c3に達すると、チエンジサーボモータCHS
は作動状態に入り、モータ斜板11を傾動操作
し得るようになる。この場合前に詳述したよう
に出力ピストン54の直線的左右動に対してパ
イロツト弁72、すなわちモータ斜板11は第
三カム面c3により双曲線的に傾動され、エンジ
ンの出力特性に合致した変速操作が可能にな
る。
而して出力ピストン54が第1図ロないしハ
の範囲で左右動されるときは、エンジンが高効
率の運転下で車輛が種々の走行条件に適応して
快適安全に走行できるように自動変速制御がな
されるものであつて、たとえばエンジンの回転
数が比較的低く、かつ絞り弁開度が比較的大き
い条件下では出力ピストン54は前記ロ−ハの
範囲で右方位置を占め、それに伴いチエンジサ
ーボモータCHSはモータ斜板11を自動的に
LOW位置もしくはその近傍位置に傾動して減
速比を増大させる。また反対にエンジン回転数
が比較的高く、かつ絞り弁開度が比較的小さい
条件下では、出力ピストン54は前記ロ−ハの
範囲で左方位置を占め、それに伴いチエンジサ
ーボモータCHSはモータ斜板11を自動的に
TOP位置(垂直位置)、もしくはその近傍に傾
動され減速比は減少する。而して出力ピストン
54の前記ロ−ハの移動範囲では、クラツチ操
作杆135は下降されており、クラツチサーボ
モータCLSは“クラツチオン”状態にあること
は勿論である。
またTOP位置、すなわち出力ピストン54
がハ位置からさらに左位置に移動してハ−ニ位
置範囲にくると、チエンジサーボモータCHS
のパイロツト弁72の右端は操作カム131の
第一カム面c1に接触するに至り右端位置に達
し、最早操作カム131が回転してもパイロツ
ト弁72は右端位置を保持したまゝとなりモー
タ斜板11はTOP状態を保持したまゝにな
る。そしてこの状態ではクラツチ操作杆135
は最下降されて作動槓杆110のローラ139
はクラツチ操作杆135の棒状部に接触するに
至り、クラツチサーボモータCLSのパイロツト
弁105は“クラツチオン”位置よりさらに左
に移動してシユー95が分配盤17の吐出ポー
ト84を閉鎖するに至り、前述のように無段変
速機CVTの油圧ポンプPと油圧モータMとが
ロツク状態となり、モータ斜板11がTOP位
置、すなわち変速比が1:1になつたとき、無
段変速機CVTを油圧的にロツクして前に詳述
したように入力軸3と出力軸15の動力伝達効
率を高めることができる。
また出力ピストン54が第1図ハ位置より右
動したときは、前記“油圧ポンプ、油圧モータ
直結”状態が解除され再び“クラツチオン”の
状態に戻つた後、モータ斜板11はTOP位置
からLOW側へ傾動するようになることは言う
までもない。
尚、前記制御弁付主サーボモータMSの作動
においてオリフイス51,52およびバイメタ
ル43の存在による利点は既に述べたのでこの
項では省略する。
〔〕 手動ドライブ運転 第1図では変速操作杆Lは、手動変速開始位
置Mが示されており、この位置Mより変速操作
杆Lを左方に手動変速範囲Mrの長さ範囲でシ
フトする範囲が手動ドライブの際の変速操作杆
Lの移動範囲である。この手動ドライブ運転の
場合も前記自動ドライブ運転の場合と同じよう
に開閉弁Vは閉じ状態にある。第1図で明らか
なようにサーボシリンダ48内には変速操作杆
Lの第一小径部l1および第一大径部l2の一部が
位置している。エンジンが運転されてその回転
数が上昇すると前述のように出力ピストン54
は左動するが、このときその出力ピストン54
が第一小径部l1と第一大径部l2の段差58を超
えて左動すると、サーボシリンダ48の左油室
eと右油室fが、出力ピストン54の軸孔56
を通つて連通するに至る。この場合、出力ピス
トン54の左受圧面積A1は右受圧面積A2より
も大きいので、出力ピストン54が前記段差5
8を超えると直ちに右動されて再び第一大径部
l2に摺合されるようになる。このことは変速操
作杆Lを前記手動変速範囲Mrでシフトする間
は、このシフトに追従して出力ピストン54を
増巾して左右動させることができることにな
る。したがつて変速操作杆Lを前記手動変速範
囲Mrで左右にシフト操作することにより前記
自動ドライブ運転と同じようにチエンジサーボ
モータCHSおよびクラツチサーボモータCLS
を連動操作して無段変速機CVTの変速操作お
よびクラツチ機構のクラツチ操作をすることが
できる。
〔〕 ニユートラル運転 変速操作杆Lを前記“自動変速位置D”を超
えて一点鎖線で示す左端位置、すなわち“ニユ
ートラル位置N”までシフトする。この位置N
ではクリツクストツパ61の係止ボール65は
ノツチ64に嵌入して変速操作杆Lを係止す
る。この“ニユートラル位置N”では“自動変
速位置D”と同じく変速操作杆Lの第一大径部
l2の左端部が嵌入孔57内に嵌入する。一方開
閉弁Vは今度は開弁状態となり、エンジン駆動
ポンプEPからの圧力油と、走行駆動ポンプVP
からの圧力油とが合流して環状溝67、給油路
118を通つて強制クラツチオフ装置CLO
の、シリンダ113の右油室jに圧入されるの
で、作動槓杆110が時計方向に回転してクラ
ツチサーボモータCLSのパイロツト弁105
を、クラツチ操作杆135の位置に無関係に右
に摺動して該サーボモータCLSをクラツチオフ
させるので、前述のように無段変速機CVTの
作動状態が断たれ入力軸3の回転は出力軸15
に伝達されなくなり、車輛は惰行走行の状態と
なる。
また走行駆動ポンプVPからの圧力油は第一
副給油路151より制御弁付主サーボモータ
MSの補給油路47を通つてサーボシリンダ4
8の右油室f内に入り、出力ピストン54を左
端位置、すなわちTOP位置まで変速操作杆L
を第一大径部l2上を摺動させる。これによりモ
ータ斜板11はTOP位置(垂直位置)に傾動
される。すなわち変速操作杆Lがニユートラル
位置Nにあるときは、常にモータ斜板11は
TOP位置に保持され爾後変速操作杆Lをドラ
イブ位置にシフトした際に急激なエンジンブレ
ーキがかゝらないようにして車輛にかゝるシヨ
ツクを可及的に軽減できるようにしている。
以上の実施例により明らかなように本発明によ
れば、エンジンの絞り弁開度を開閉制御するだけ
で、チエンジサーボモータおよびクラツチサーボ
モータを別々に、あるいは連動して的確に操作制
御し、無段変速機の変速操作とクラツチ操作とを
自動的に行うことができ、車輛の運転条件に常に
最適な速変比を自動的に得ることができ、きわめ
て簡単な操作で車輛の快適かつ安全な自動変速運
転をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の要部を縦断して示す全体
図、第2図はクラツチサーボモータの拡大断面
図、第3図はモータ斜板の傾動角と、入力軸と出
力軸のトルク比との関係を示すグラフ、第4図は
入力軸と出力軸との変速比と、それらのトルク比
との関係を示すグラフ、第5図は操作カムの回転
角と、モータ斜板の傾動角との関係を示すグラ
フ、第6図は操作カムの回転角と、入力軸と出力
軸とのトルク比との関係を示すグラフである。 3……入力軸、11……モータ斜板、15……
出力軸、40……回転カム、54……出力部材と
しての出力ピストン、CG……遠心ガバナ、CHS
……チエンジサーボモータ、CLS……クラツチサ
ーボモータ、CVT……無段変速機、M……油圧
モータ、MS……制御弁付主サーボモータ、OPC
……連動操作装置、P……油圧ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 入力軸が走行用エンジンに連動された定吐出
    量型油圧ポンプと、出力軸が車輛の駆動車軸に連
    動された斜板式可変容量型油圧モータとを油圧的
    に連結し、前記油圧モータの吐出量をモータ斜板
    の傾斜角の変更により調節して、前記入力軸と出
    力軸間の変速比を無段階に調節できるようにし
    た、車輛用油圧式無段変速機の操作制御装置にお
    いて、前記走行用エンジンの絞り弁開度に比例し
    た制御力と、そのエンジンの回転数に比例した制
    御力を入力してそれらの力の差を変位に変換し、
    その変位により制御方向を決定するとともにその
    制御力を増幅して出力し得る油圧式制御弁付主サ
    ーボモータと:前記無段変速機のモータ斜板に連
    結され、これを傾動制御して前記無段変速機を変
    速操作し得る油圧式チエンジサーボモータと;前
    記無段変速機に連結され、その変速機をクラツチ
    操作し得る油圧式クラツチサーボモータと;前記
    制御弁付主サーボモータの出力部材を、前記チエ
    ンジサーボモータおよびクラツチサーボモータの
    各入力部材にそれぞれ連動連結させ、前記出力部
    材の作動を、前記チエンジサーボモータとクラツ
    チサーボモータとにそれぞれ単独に、あるいは連
    動して伝達させる連動操作装置と;を少なくとも
    備え、エンジンの絞り弁開度操作のみにより前記
    無段変速機の変速およびクラツチ操作を自動的に
    行うことができるようにした、車輛用油圧式無段
    変速機の操作制御装置。 2 前記特許請求の範囲第1項記載の車輛用油圧
    式無段変速機の操作制御装置において、前記油圧
    式制御弁付主サーボモータに入力される、前記2
    つの制御力のうちその一方は、走行用エンジンの
    絞り弁に連動する回転カムの回転量を力に変換し
    て得られ、また他方は前記エンジンに連動される
    遠心ガバナの出力油圧によつて得られるようにし
    た、車輛用油圧式無段変速機の操作制御装置。 3 前記特許請求の範囲第1項記載の車輛用油圧
    式無段変速機の操作制御装置において、前記連動
    操作装置は、前記クラツチサーボモータをクラツ
    チオンして前記無段変速機を作動した後に、前記
    チエンジサーボモータを作動して前記無段変速機
    を変速操作できるようにした順次作動機構を備え
    てなる、車輛用油圧式無段変速機の操作制御装
    置。 4 前記特許請求の範囲第1項記載の車輛用油圧
    式無段変速機の操作制御装置において、前記連動
    操作装置は、前記チエンジサーボモータを介して
    無段変速機のモータ斜板を減速比最小位置に傾動
    した後に、前記クラツチサーボモータが、無段変
    速機の油圧ポンプと油圧モータとを連絡する油圧
    回路を遮断するように作動する順次作動機構を備
    えてなる、車輛用油圧式無段変速機の操作制御装
    置。
JP4282378A 1978-04-11 1978-04-11 Controller for operation of hydraulic stepless transmission for vehicle Granted JPS54134252A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4282378A JPS54134252A (en) 1978-04-11 1978-04-11 Controller for operation of hydraulic stepless transmission for vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4282378A JPS54134252A (en) 1978-04-11 1978-04-11 Controller for operation of hydraulic stepless transmission for vehicle

Related Child Applications (13)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6045178A Division JPS6059466B2 (ja) 1978-05-20 1978-05-20 車輌用油圧式無段変速機の自動、手動変速制御装置
JP14318778A Division JPS54134253A (en) 1978-11-20 1978-11-20 Controller for hydraulic stepless transmission
JP14318878A Division JPS54134254A (en) 1978-11-20 1978-11-20 Controller for hydraulic stepless transmission
JP647779A Division JPS54135971A (en) 1979-01-22 1979-01-22 Impact absorber of oil pressure type stepless change gear
JP5857979A Division JPS6059471B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
JP5857779A Division JPS6059470B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機のクラツチ制御装置
JP5857579A Division JPS551291A (en) 1979-05-15 1979-05-15 Operation controller of oil pressure type stepless transmitter for car
JP5857379A Division JPS6059468B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車輛用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
JP5857879A Division JPS551294A (en) 1979-05-15 1979-05-15 Operation controller of oil pressure type stepless transmitter for car
JP5857479A Division JPS6059472B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
JP5857679A Division JPS6059469B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機の操作制御装置
JP5857179A Division JPS6059465B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機のクラツチ装置
JP5857279A Division JPS6059467B2 (ja) 1979-05-15 1979-05-15 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS54134252A JPS54134252A (en) 1979-10-18
JPS6123414B2 true JPS6123414B2 (ja) 1986-06-05

Family

ID=12646664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4282378A Granted JPS54134252A (en) 1978-04-11 1978-04-11 Controller for operation of hydraulic stepless transmission for vehicle

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS54134252A (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS551294A (en) * 1979-05-15 1980-01-08 Honda Motor Co Ltd Operation controller of oil pressure type stepless transmitter for car
JPS551291A (en) * 1979-05-15 1980-01-08 Honda Motor Co Ltd Operation controller of oil pressure type stepless transmitter for car
JPH0749824B2 (ja) * 1986-03-06 1995-05-31 本田技研工業株式会社 車両用無段変速機の変速制御方法
US4901529A (en) * 1986-07-23 1990-02-20 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Hydraulically operated continuously variable transmission
US4838024A (en) * 1986-11-19 1989-06-13 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Hydraulically operated continuously variable transmission
JPS63145866A (ja) * 1986-12-09 1988-06-17 Honda Motor Co Ltd 油圧式伝動装置
JPS63145867A (ja) * 1986-12-09 1988-06-17 Honda Motor Co Ltd 油圧式伝動装置
JPS63150475A (ja) * 1986-12-12 1988-06-23 Honda Motor Co Ltd 斜板式油圧装置に於けるシユ−構造
JPS63149469A (ja) * 1986-12-12 1988-06-22 Honda Motor Co Ltd 油圧式無段変速機の分配環
JPS63149470A (ja) * 1986-12-12 1988-06-22 Honda Motor Co Ltd 油圧式無段変速機
JPS6396369U (ja) * 1986-12-12 1988-06-22
CA1305017C (en) * 1987-10-20 1992-07-14 Hideo Koyama Hydraulic continuously variable speed transmission with direct clutch valve
EP0321622A1 (en) * 1987-12-23 1989-06-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Apparatus for controlling continuously variable automotive transmission
JP2850925B2 (ja) * 1992-06-01 1999-01-27 川崎重工業 株式会社 油圧式無段変速機
JP3599136B2 (ja) * 1995-10-09 2004-12-08 本田技研工業株式会社 静油圧式無段変速機の自動クラッチ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS54134252A (en) 1979-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6659906B2 (en) Toroidal continuously variable transmission
JPS6123415B2 (ja)
JPS6123414B2 (ja)
US3898807A (en) Hydrostatic transmission control system
JPH0749824B2 (ja) 車両用無段変速機の変速制御方法
EP1241356B1 (en) Hydraulic circuit for a fluid motor
JPS6123419B2 (ja)
US3127745A (en) Hydrostatic transmission
JPH0756340B2 (ja) 静油圧式無段変速機の制御装置
US6409625B1 (en) Controller of toroidal continuously variable transmission
JPS6059465B2 (ja) 車両用油圧式無段変速機のクラツチ装置
US4941371A (en) Hydraulic continuously variable speed transmission with direct clutch valve
US3952515A (en) Speed and load responsive underspeed actuator for hydrostatic transmissions
JPS6059467B2 (ja) 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
JP2850925B2 (ja) 油圧式無段変速機
US5325670A (en) Clutch control device for transmission
US5014574A (en) Speed control apparatus for a continuously variable speed
JPS6123418B2 (ja)
JPS6059472B2 (ja) 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
US5060476A (en) Differential area motor circuit for hydrostatic transmission control
JPS6059470B2 (ja) 車両用油圧式無段変速機のクラツチ制御装置
JPS6123416B2 (ja)
EP1384921B1 (en) Toroidal continuously variable transmission
JPS6059471B2 (ja) 車両用油圧式無段変速機のモ−タ斜板制御装置
JPS6059466B2 (ja) 車輌用油圧式無段変速機の自動、手動変速制御装置