JPH0786385B2 - 油圧式無段変速機 - Google Patents

油圧式無段変速機

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JPH0786385B2
JPH0786385B2 JP61173379A JP17337986A JPH0786385B2 JP H0786385 B2 JPH0786385 B2 JP H0786385B2 JP 61173379 A JP61173379 A JP 61173379A JP 17337986 A JP17337986 A JP 17337986A JP H0786385 B2 JPH0786385 B2 JP H0786385B2
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hydraulic
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valve
motor
oil
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尚史 飯野
弘二 山口
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は油圧式無段変速機に関し、特に、入力軸に連な
る油圧ポンプと、出力軸に連なる可変容量型油圧モータ
とを油圧回路にて連結してなる油圧式無段変速機に関す
る。
〈従来の技術〉 自動車の無段変速機として、入力軸に連なるポンプシリ
ンダにその回転中心を囲繞して環状に配設された多数の
ポンププランジャを摺合してなる油圧ポンプと、出力軸
に連なるモータシリンダにその回転中心を囲繞して環状
に配設された多数のモータプランジャを摺合してなる油
圧モータとを油圧回路にて連結し、前記モータシリンダ
と前記ポンプシリンダとの相対回転に伴い、前記ポンプ
プランジャに往復動を与えるポンプ斜板を前記モータシ
リンダに設けると共に、前記モータシリンダの回転に伴
い前記モータプランジャに往復動を与え、かつ往復動ス
トロークを無段階に調節すべく、傾斜角を無段階に変化
させることの可能なモータ斜板を機体枠に傾動自在に設
けてなる油圧式無段変速機が知られている。
このような変速機にあっては、特公昭32−7159号公報、
あるいは特公昭56−50142号公報などに開示されている
ように、モータ斜板の傾斜角を最小、即ち0にして変速
比が1:1となるように制御が行なわれる。
この時、油圧ポンプの吐出ポートと油圧モータの吸入ポ
ート間を連結する油圧回路を閉鎖することにより、ポン
ププランジャをポンプシリンダ内でロックして、ポンプ
斜板を介してモータシリンダを機械的に駆動することが
できる。そしてこのようにすることにより、モータプラ
ンジャに油圧ポンプの吐出圧力が作用することを防止し
てモータ斜板へのスラスト荷重を低減すると同時に、モ
ータプランジャとモータシリンダ間の油の漏洩を削減す
ることが可能となる。
また、モータプランジャの先端にシューを設け、シュー
の滑動面に油圧を導き油圧平衡を図っている場合にも、
上記した油圧回路の閉鎖により、シューの滑動面に導入
される油圧を低下させ、更に油の漏れを削減することが
できる。
即ち、上記したように油圧ポンプと油圧モータとの間の
油圧回路を閉鎖することにより、変速装置の動力伝達効
率の改善のみならず、耐久性をも向上し得ることが、従
来、公知である。
一方、油圧式無段変速機には、油圧ポンプの吐出ポート
と吸入ポート間を短絡し得る通路を設け、この通路の流
路面積を変化させることにより油圧ポンプと油圧モータ
間の動力伝達容量を変化させ、これにより入出力軸間の
動力伝達を断続させるようにしてなるクラッチ弁が設け
られることが一般的である。
〈発明が解決しようとする問題点〉 ところで、油圧回路の断続装置及びクラッチ弁として、
例えば特開昭54−134252号公報に開示されるように、共
通の弁体により油圧ポンプの吐出ポートの閉鎖、開放
と、油圧ポンプの吐出ポートと吸入ポートとの間の短絡
通路の流量調節とを行なうようにされているものにあっ
ては、吐出ポートの断続がON・OFF制御であるのに対
し、クラッチ弁はアナログ制御であることから、両者を
単一のアクチュエータで制御すると、微妙なクラッチコ
ントロールが行ない難いという問題がある。
油圧回路の断続とクラッチ操作とを、別個のアクチュエ
ータにより単独に制御する形式の変速機が特開昭55−15
2622号公報に開示されているが、この場合、変速機を中
立状態とすべくクラッチOFFになるようにクラッチ弁を
制御した際に油圧ポンプの吐出ポートが開放されていな
いと、油圧ポンプと油圧モータとがポンププランジャと
ポンプ斜板とを介して機械的に結合され、クラッチをOF
Fにしたにも拘らず動力の伝達が遮断されないという問
題を生ずる。
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目的
は、クラッチOFF操作により確実に入出力軸間の動力伝
達を遮断し得ると共に、微妙なクラッチコントロールを
行なうことが可能なように改良された油圧式無段変速機
を提供することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 このような目的は、本発明によれば、入力軸に連なる油
圧ポンプと、出力軸に連なる可変容量型量型油圧モータ
と、前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間を連結する
油圧閉回路と、該油圧閉回路を断続するための油圧サー
ボモータからなる油圧回路断続弁と、前記油圧ポンプの
吐出ポートと吸入ポートとの間を短絡する通路の流路面
積を連続的に変化させることによって前記油圧ポンプと
前記油圧モータ間の動力伝達容量を変化させるためのク
ラッチ弁とを有する油圧式無段変速機であって、前記油
圧回路断続弁を常時開弁方向へ付勢する付勢手段153
と、前記油圧回路断続弁を閉弁方向へ駆動する第1のア
スチュエータJ1と、前記クラッチ弁を開閉駆動する第2
のアクチュエータJ2と、前記油圧回路断続弁と前記第1
のアクチュエータ間に設けられ、かつ前記第2のアクチ
ュエータに連動連結されたクラッチ手段127d、151aとを
有し、前記第2のアクチュエータの前記クラッチ弁を開
弁する動作に連動して前記クラッチ手段の切断状態が選
択されることを特徴とする油圧式無段変速機を提供する
ことにより達成される。
〈作用〉 このようにすれば、クラッチの断時には必ず油圧ポンプ
の吐出ポートが開放されるようになり、入出力軸間の動
力伝達が確実に遮断されることとなる。しかも油圧回路
断続弁とクラッチ弁とが別個のアクチュエータにて制御
されるので、要求作動特性が互いに異なる両弁にそれぞ
れに適した特性を付与することができ、特に微妙な操作
を必要とされるクラッチを高精度に、かつ高い作動応答
性をもって制御することができる。
〈実施例〉 以下に添付の図面を参照して本発明の好適実施例につい
て詳細に説明する。
第1図は本発明が適用された油圧式無段変速機を示して
おり長手方向について分割形成されたケース半体1a、1b
を結合してなるミッションケース1の内部には、変速装
置を構成する油圧ポンプPと油圧モータMとが内蔵され
ている。
油圧ポンプPは、入力軸2の端部3にスプライン結合さ
れたポンプシリンダ4と、該ポンプシリンダ4に入力軸
2と同心的な円周上に入力軸2に平行して設けられた多
数のシリンダ孔5と、該シリンダ孔5にそれぞれ摺合し
た多数のポンププランジャ6とを有しており、入力軸2
に結合されたフライホイール7を介して伝達される図示
されないエンジンの動力により回転駆動される。
油圧モータMは、ポンプシリンダ4を外囲して設けられ
たモータシリンダ8と、該モータシリンダ8に入力軸2
と同心的な円周上に入力軸2に平行して設けられた多数
のシリンダ孔9と、該シリンダ孔9にそれぞれ摺合した
多数のモータプランジャ10とを有しており、ポンプシリ
ンダ4と同心上にて相対回転自在なようにされている。
モータシリンダ8の軸線方向両端には、一対の支軸11
a、11bが突設されており、一方の支軸11aは、玉軸受12
を介して右ケース半体1bの端壁に、他方の支軸11bはニ
ードル軸受13を介して左ケース半体1aの端壁にそれぞれ
支持されている。
玉軸受12のインナレース12aから突出した一方の支軸11a
の外端には、ストップリング14が装着され、また、アウ
タレース12bの外周外端部には、別のストップリング15
が端壁外面に形成された環状凹部16に係合すべく装着さ
れ、更に、アウタレース12bの外端面に当接する押え板1
7がボルト18を用いて右ケース半体1bの軸線方向端面に
固着されている。このようにして、玉軸受12及び支軸11
aが、右ケース半体1bに対して軸線方向移動を阻止され
た上で一体的に組付けられている。
他方の支軸11bには、歯車19が一体的に形成されてお
り、油圧モータMの出力を該歯車19に噛合する遊動歯車
20を介して差動歯車装置21へと伝達し得るようにされて
いる。
モータシリンダ8の内側には、各ポンププランジャ6に
対して所定の角度をもって傾斜したポンプ斜板22が固定
されており、その傾斜面に円環状をなすポンプシュー23
が回転摺動自在なように支承されている。
各ポンププランジャ6には、ポンプ斜板22に向かって開
口する有底孔24が形成されており、この孔24内に挿入さ
れた連接桿25が、その内端のボールジョイント26aを介
してポンププランジャ6に対して成る程度首振りし得る
ように連結されている。また連設桿25は、有底孔24より
ポンププランジャ6の外部に突出しており、その突出端
に形成されたボールジョイント26bを介して前記したポ
ンプシュー23とも首振り自在なように連結されている。
円環状をなすポンプシュー23は、その外周面をニードル
軸受27を介してモータシリンダ8の内側に支持されてお
り、またポンプシュー23のポンププランジャ側の内周部
に形成された段部23aに当接する押えリング28が、ばね
保持体29を介して入力軸2を外囲して縮設されたばね30
の弾発力を受け、ポンプシュー23をポンプ斜板22に押圧
するようにされている。ばね保持体29は、入力軸2に形
成されたスプライン部31に摺動自在に嵌合しており、押
えリング28とは球面をもって接触している。従って、ば
ね保持体29は、どのような取付位置に於ても押えリング
28にまんべんくなく接触して、ばね30の弾発力を伝える
ことができる。
このようにしてポンプシュー23は、ポンプ斜板22上に於
て常に定位置で回転摺動することができる。
ポンプシリンダ4とポンプシュー23との対向端面には、
互いに噛合する傘歯車32、33が、互いに等しい歯数を有
してそれぞれ固設されている。これら傘歯車32、33の噛
合により、入力軸2によりポンプシリンダ4を駆動すれ
ば、ポンプシリンダ4がポンプシュー23を同期的に回転
駆動することとなる。そしてこれらの回転に伴い、ポン
プ斜板22の傾斜面の上り側を走るポンププランジャ6
は、ポンプ斜板22からポンプシュー23及び連設桿25を介
して吐出行程を与えられ、また傾斜面の下り側を走るポ
ンププランジャ6は吸入行程を与えられる。
この動作中、ポンプ斜板22、即ちポンプシュー23の傾き
に起因し、連接桿25の両端のボールジョイント26a、26b
の各中心の回転軌跡は同一円筒面に収まらないが、両回
転軌跡のずれに応じて連接桿25がポンププランジャ6の
有底孔24内でボールジョイント26aを支点として揺動す
ることから、ポンププランジャ6を円滑に摺動させるこ
とができる。また、多数のポンププランジャ6のほぼ半
数は常に吐出行程にあり、それら背面側のポンプ油室の
高い油圧により連接桿25を介してポンプシュー23の半周
部分をポンプ斜板22に対して押圧しており、その押圧力
はポンプシュー23の他の半周部分にも及んでいる。従っ
てポンプシュー23は摺動面全体をポンプ斜板22に対して
常に押圧されることとなり、吸入行程側のポンプ油室に
何等かの原因により急激な圧力低下が起きた場合にも、
ポンプシュー23の一部がポンプ斜板22から浮上がること
はない。
ポンプシュー23は、ポンプ斜板22との当接面の各連接桿
25に対応した位置に油圧ポケット34を凹設されており、
この油圧ポケット34をポンプシリンダ4内の油室に連通
させるために、ポンププランジャ6、連設桿25及びポン
プシュー23には、一連の油孔35、36、37が穿設されてい
る。従って、ポンプシリンダ4の作動中には、その内部
の圧油が油圧ポケット34に供給され、そしてその圧油
は、ポンププランジャ6からポンプシュー23に加わる推
力を支承するようにポンプシュー23に圧力を及ぼすた
め、ポンプシュー23はポンプ斜板22との接触圧力を低減
させ、同時にポンプシュー23とポンプ斜板22との摺動面
を潤滑することができる。
ミッションケース1の内部には、各モータプランジャ10
に対向するようにモータ斜板38が、その両外側から突出
する一対のトラニオン軸39を介して傾動自在に枢支され
ており、このモータ斜板38の傾斜面に滑接さするモータ
シュー40が、各モータプランジャ10の外端に形成された
ボールジョイント10aと首振自在に結合している。
各モータプランジャ10は、前記したポンププランジャ6
と同様に往復運動を行い、膨脹及び収縮行程を繰返しつ
つモータシリンダ8を回転させることとなる。この際、
モータプランジャ10のストロークは、モータ斜板38の傾
斜角度を、後記するようにして、各モータプランジャ10
に対して垂直となる直立位置から、図示の最大傾斜位置
へと変化させることにより、0から最大まで無段階に調
節することができる。
モータシリンダ8は、その軸線方向に分割された第1〜
第4の部分8a〜8dより構成されている。第1の部分8aに
は、前記した支軸11b及びポンプ斜板22が設けられ、ま
た第2の部分8bには、前記したシリンダ孔9の内のモー
タプランジャ10の摺動を案内するガイド孔41が設けら
れ、また第3及び第4の部分8c、8dには、前記したシリ
ンダ孔9の内のガイド孔41より若干大径とされた一連の
油室42が設けられ、そして第3の部分8cは、各シリンダ
孔5、9への油路が設けられた分配盤43を構成し、第4
の部分には前記した一方の支軸11aが形成されている。
第1の部分8aには、第2の部分8bとの対向端部に連結フ
ランジ44が一体的に形成されており、該フランジ44に対
向する第2の部分8bの端面に形成された位置決め孔45に
比較的緊密に嵌合されると共に、複数のボルト46により
第2の部分8bに固着されている。また、第2、第3及び
第4の部分8b、8c、8dは、それらの各接合部にノックピ
ン47を嵌入して相互に位置決めがなされると共に、複数
のボルト48により一体的に結合されている。
前記した入力軸2は、その外端部をニードル軸受49を介
してモータシリンダ8の他方の支軸11bの中心部に、ま
たその内端部をニードル軸受50を介して分配盤43の中心
部にそれぞれ支持されている。
ポンプシリンダ4と、ばね保持体29との間には、前記し
たようにばね30が縮設されており、このばね30の弾発力
により、ポンプシリンダ4を分配盤43に圧接して、これ
らの回転摺動部からの油の漏洩を防止すると共に、その
弾発反力により前記したようにばね保持体29、押えリン
グ28、ポンプシュー23及びポンプ斜板22をモータシリン
ダ8の内部に支持している。
モータシリンダ8の一方の支軸11aは、中空に形成され
ており、その中心部に、固定軸51が挿入されている。こ
の固定軸51の内端には、分配環52がOリングを介して液
密に嵌着されており、該分配環52の軸線方向端面が偏心
して分配盤43に摺接し得るようにされている。この分配
環52により、モータシリンダ8の第4の部分8dに形成さ
れた中空部53が、内側油室53aと外側油室53bとに区画さ
れる。
分配盤43には、吐出ポート54及び吸入ポート55が穿設さ
れており、その吐出ポート54により、吐出行程にあるポ
ンププランジャ6のシリンダ孔5と内側油室53a間が連
通され、また吸入ポート55により、吸入行程にあるポン
ププランジャ6のシリンダ孔5と外側油室53b間が連通
される。また分配盤43には、多数の連絡ポート56が穿設
されており、これらによりモータシリンダ8のシリンダ
孔9が、第4の部分8d内の中空部53に連通される。
このようにして、油圧ポンプPと油圧モータM間には、
分配盤43、及び分配環52を介して油圧閉回路が形成され
ている。従って、入力軸2よりポンプシリンダ4を駆動
すると、ポンププランジャ6の吐出行程により生成され
た高圧の作動油が、吐出ポート54から内側油室53a及び
これと連通状態にある連絡ポート56を経て膨脹行程にあ
るモータプランジャ10のシリンダ孔9に流入して、その
モータプランジャ10に推力を与える。一方、収縮行程に
あるモータプランジャ10により排出される作動油は、外
側油室53bに連通する連絡ポート56、及び吸入ポート55
を介して吸入行程にあるポンププランジャ6のシリンダ
孔5を流入する。このような作動油の循環により、吐出
行程のポンププランジャ6がポンプ斜板22を介してモー
タシリンダ8に与える反動トルクと、膨脹行程のモータ
プランジャ10がモータ斜板22から受ける反動トルクとの
和によって、モータシリンダ8が駆動される。
この場合、ポンプシリンダ4に対するモータシリンダ8
の変速比は次式によって与えられる。
上式から、油圧モータMの容量を0から或る値に代えれ
ば、変速比を1から或る必要な値にまで変えることがで
きることが解る。
ところで、油圧モータMの容量は、モータプランジャ10
のストロークにより決定されることから、モータ斜板38
を前記したように直立位置から或る傾斜角まで傾動させ
ることにより、変速比を1から或る値まで無段階に調節
することができる。
ミッションケース1内の上部には、モータ斜板38を傾動
操作するための第1のサーボモータとしての油圧式チェ
ンジサーボモータS1が設けられている。このチェンジサ
ーボモータS1は、ミッションケース1に固着されたサー
ボシリンダ58と、その内部を左側油室59と右側油室60と
に区画するサーボピストン61と、サーボピストン61に一
体的に形成されたピストンロッド62と、サーボピストン
61の端面からピストンロッド62にかけて穿設した弁孔63
内に摺合された第1パイロット弁64とから構成されてい
る。
サーボピストン61と一体のピストンロッド62は、サーボ
シリンダ58を貫通してその端部をミッションケース1内
に突出しており、この突出端をモータ斜板38に連結部材
65を介してピン結合されている。
第1パイロット弁64の先端部には、弁孔63に密接に嵌合
し得るようにランド部64aが形成され、また、該ランド
部64aの後方は対角方向の2面が、ある軸線方向寸法に
亘って削り落され、凹部64bを形成している。そしてこ
の凹部64bの後方には止め輪66が嵌装され、サーボピス
トン61の内周面に嵌着された止め輪67に当接することに
より抜止めがなされている。
ピストンロッド62を含むサーボピストン61には、第1パ
イロット弁64の右方向移動に応じて右側油室60を弁孔63
を介して図示されないオイルタンクに開放し得る排出路
68と、第1パイロット弁64の左方向移動に応じて右側油
室60を左側油室59に連通し得る連絡路69とが穿設されて
いる。
サーボシリンダ58の左側油室59は、サーボシリンダ58の
周壁内に形成された油路70及び押え板17内に形成された
油路71を介して中空部53に連通しており、油圧ポンプP
より圧油を導入し得るようにされている。
この状態より、第1パイロット弁64を右動させると、ラ
ンド部64aが上方の連絡路69を閉塞すると同時に、下方
の排出路68を開放する。従って、油路70、71を介して流
入する圧油は、左側油室59のみに作用し、サーボピスト
ン61を右動させる。
次に第1パイロット弁64を左動させると、ランド部64a
が上記とは逆に連絡路69を右側油室60に連通し、排出路
68を閉塞する(第1図の状態)。従って、圧油は左右両
油室59、60共に作用することとなるが、受圧面積の差に
より、サーボピストン61を左動させることとなる。
また、第1パイロット弁64を途中で停止させると、左右
両油室59、60の圧力バランスにより、サーボピストン61
は油圧フローティング状態となって、その位置に停止す
る。
このようにして、サーボピストン61は、第1パイロット
弁64の動きに追従するように中空部53からの作動油圧に
よって増幅作動され、これによりモータ斜板38を第1図
に実線にて示す最大傾斜位置、即ち変速比最大から、第
1図に想像線にて示す最小傾斜位置、即ち変速比最小ま
で無段階にシフトすることができる。
第1パイロット弁64の押え板17を貫通して突出した外端
部には、第1リンクアーム72が連結されている。この第
1リンクアーム72は、後記するカム機構C1に連結され、
別途制御信号により遠隔操作が行なわれる。
第2図に良く示されるように、固定軸51の外端部の外周
面には、半径方向についての交差を比較的緩くされたス
プライン73をもって、円筒状をなす軸受部材74が結合さ
れている。この軸受部材74の外周面と、支軸11aの内周
面との間に形成された微小な間隙が、作動油の油膜圧に
より全周に亘り均等にされて支軸11aに対する軸受部材7
4の浮動的支持がなされている。
固定軸51には、軸受部材74の軸線方向内端に対向する位
置に、環状突条75が全周に亘って突設されており、該突
条75とミッションケース1の右ケース半体1bの外端面に
固着された押え板17の内面との間にて、軸受部材74の軸
線方向移動を規制するようにされている。
環状突条75寄りの部分に於ては、軸受部材74と固定軸51
との間にはスプライン73が設けられておらず、固定軸51
側に環状溝76が周設されている。そしてこの環状溝76に
は、シール材としてのOリング77及びバックアップリン
グ78が嵌着されている。
固定軸51は中空に形成されており、その周壁には内側油
室53a、外側油室53b間を連通し得る短絡ポート79a、79b
が穿設されている。そしてこのポート79a、79bを開閉す
べく、円筒状をなすクラッチ弁80が、固定軸51の中空部
に嵌入されている。
このクラッチ弁80は、固定軸51に対してはラジアルニー
ドル軸受81を介し、また押え板17に対してはスラストニ
ードル軸受82を介することにより、半径方向及び軸線方
向の位置決めがなされた上で固定軸51との相対回動が自
在なように組付けられており、その内端部の周壁に、固
定軸51の短絡ポート79a、79bにそれぞれ整合し得る短絡
孔83a、83bが穿設され、また、外端部に後記するクラッ
チ制御装置に連結される回動リンク84が形成されてい
る。この回動リンク84を回動操作することにより、短絡
孔83a、83bと短絡ポート79a、79bとの相対位置を変化さ
せ、短絡ポート79a、79bを全開にしたときにクラッチOF
F状態を、そして短絡孔83a、83bをずらして短絡ポート7
9a、79bを半開にしたときに半クラッチ状態を、更に短
絡ポート79a、79bを全閉状態にしたときにクラッチON状
態を、それぞれ得られるようにされている。即ち、図示
されたクラッチOFF状態にあっては、吐出ポート54から
内側油室53aに吐出された作動油が、短絡ポート79a、79
bを介して外側油室53bから吸入ポート55に直接流入して
油圧モータMを不作動にし、またクラッチON状態にあっ
ては、上記した作動油の短絡流動が阻止されて油圧ポン
プPから油圧モータMへの循環作用が行われ、通常の動
力伝達がなされる。
尚、クラッチ弁80外周面に於けるラジアルニードル軸受
81の近傍には、逃げ溝85が凹設されており、固定軸51が
撓んだ際にもこじれ等が生じないようにされている。
中空をなすクラッチ弁80の中心部には、第2のサーボモ
ータとしての油圧回路断続用サーボモータS2が設けられ
ている。該サーボモータS2のピストン軸86は、クラッチ
弁80の中空孔に摺合しており、このピストン軸86の先端
にはバルブロッド87が螺着されている。バルブロッド87
の先端部は、部分球面状に形成されており、シュー88が
首振り自在なように結合している。
シュー88は、ピストン軸86が第1図に於ける左方に摺動
した際に、分配盤43に穿設された吐出ポート54の開口端
を液密に閉塞し、吐出ポート54から内側油室53aへの作
動油の流通を遮断し得るようにされている。そしてこの
遮断状態にあっては、ポンププランジャ6が油圧的にロ
ックされ、油圧ポンプPと油圧モータMとが直結状態と
なり、ポンプシリンダ4からポンププランジャ6及びポ
ンプ斜板22を介して、モータシリンダ8が機械的に駆動
されることとなる。この油圧ポンプPと油圧モータMと
の直結状態は、モータ斜板38を直立状態にした変速比最
小、即ちトップ位置にて行われるもので、入力軸から出
力軸への動力伝達効率を向上すると同時に、モータプラ
ンジャ10がモータ斜板38に及ぼす推力を低減させ、軸受
等の各部材に加わる負担を軽減することができる。
ピストン軸86は、その外端部を段付にて縮径されてお
り、クラッチ弁80を支承するスラストニードル軸受82の
インナ部材82aとの間に油室89を形成している。この油
室89は、通常はピストン軸86に軸線方向に沿って穿設さ
れた油通路90と、該通路90と連通し得るようにバルブロ
ッド87の中心部に穿設された油通路91とを通って、内側
油室53a内に連通している。そしてエンジン駆動時に
は、油圧ポンプPと油圧モータM間を循環する高圧の作
動油の一部が、上記した一連の通路を経て油室89内に常
時供給される。
ピストン軸86の軸線方向中間部には、ピストン部92が一
体的に形成されており、該ピストン部92の左方に於て、
クラッチ弁80の中空孔の内面とピストン軸86の外周面と
の間に環状室93が形成されている。更にピストン軸86の
中心には、外端面からピストン部92を越える行止り孔94
が穿設されており、該行止り孔94最奥部の周面には、逃
げ溝95が形成されている。この行止り孔94と環状室93と
の間は、ピストン軸86とピストン部92の内端近傍に半径
方向に穿設された通孔96aを介して連通し得るようにさ
れている。また、ピストン部92の外端面近傍には、前記
した油室89と行止り孔94とを連通し得る通孔96bが穿設
されている。
行止り孔94内には、ミッションケース1の端壁に固着さ
れた押え板17を貫通して棒状をなす第2パイロット弁97
が挿入されている。第2パイロット弁97の先端部には、
行止り孔94の内周面に密接して摺合するランド部98が形
成され、該ランド部98の右側は、適度な軸線方向寸法を
有して小径部99が形成されている。更に第2パイロット
弁97の中心には、行止り孔94内と大気とを連通する大気
連通孔100が穿設されている。また、第2パイロット弁9
7の軸線方向中間部より外端側は段付にて縮径されてお
り、ピストン軸86の外端部内周面に嵌着された止め輪10
1と段部との当接により、第2パイロット弁97の外向き
への摺動距離が規定されている。この第2パイロット弁
97は、その最外端部に係着された第2リンクアーム102
を介し、前記したチェンジサーボモータS1の第1パイロ
ット弁64と共に連結されたカム機構C1の作動により、左
右方向に摺動動作を行なう。
以上のような構成に於て、各部の寸法は、 シュー88の端面の受圧面積 :A ピストン部92の断面積 :B ピストン軸86の内端側受圧面積 :C ピストン軸86の縮径部の断面積 :D とした場合に、 A>B−C B−D>C の不等式が満足されるように定められている。
ここで第2パイロット弁97を第1、2図に於ける左方へ
移動させると、第2パイロット弁97の小径部99は、ピス
トン部92の右端面103より内方の行止り孔94内にすべて
嵌入されるので、吐出ポート54からの高圧の作動油は、
油通路91、90を経て油室89に流入し、その油圧はピスト
ン部92の右端面103に作用すると同時に、内側油室53a側
からピストン軸86の左端面にも作用する。この時、ピス
トン部92の右端面103の受圧面積はB−Dであり、ま
た、ピストン軸86の内端面の受圧面積はCであることか
ら、前記した不等式B−D>Cの関係より、ピストン軸
86は左方へ移動することとなる。ピストン軸86の移動に
伴いシュー88が分配盤43の吐出ポート54に当接し、前記
した油圧ポンプPと油圧モータMとの直結状態が実現す
る。
この状態に於て、シュー88の受圧面積Aを有する端面に
は、吐出ポート54からの高圧の作動油(油室89の油圧力
と等圧)が作用する一方、ピストン部92の受圧面積B−
Dを有する右端面103には油室89内の高圧の作動油が作
用する。ところで、両受圧面積は前記した不等式A>B
−Dの関係にあることから、シュー88にはこれを右へ移
動させる力が作用する。シュー88が若干でも右動する
と、シュー88の端面への油圧力が解除され、シュー88は
再び分配盤43の端面に押付けられる。このようにして、
A、B及びCの各受圧面積を前記した不等式を満足させ
るように所定の値に設定することにより、所謂油圧フロ
ーティングの状態を保つことができ、シュー88と吐出ポ
ート54との間からの作動油の漏洩を最小限に押えた上で
これらの間の良好な油密状態を保持することができる。
次に第2パイロット弁97を右方へ移動させると、第2パ
イロット弁97の小径部99が、ピストン部92の右端面103
から抜け出してピストン軸86の小径部に穿設された通孔
96bに連通する。これにより、高圧の作動油はピストン
部92の右端面103と同時に、ピストン軸86の内端面にも
作用する他、通孔96b、小径部99、連通孔96a及び環状室
93を通ってピストン部92の左端面にも作用することとな
る。この時、ピストン軸86を左動させるための受圧面積
がB−Dであるのに対し、ピストン軸86を右動させるた
めの受圧面積はBとなり、B>B−Dであることから、
ピストン軸86は右動し、油圧モータMと油圧ポンプPと
のロック状態が解除される。
ところで、前記したチェンジサーボモータS1に対する作
動油の供給は、固定軸51内に形成された第1の油路104
を介して内側油室53aに連通する通路と、押え板17内に
形成された第2の油路105、及び固定軸51内に別に形成
された第3の油路106を介して外側油室53bに連通する通
路とを、ボールからなるシャトル弁107により切換える
ことにより、上記した内側油室53a及び外側油室53bのい
ずれか一方から行なうようにされている。
加速時であって、しかも油圧ポンプPの吐出口54を閉鎖
しない場合には、内側油室53a側の圧力の方が外側油室5
3b側よりも高いことから、シャトル弁107は第2の油路1
05の開口部に押し当てられ、第1の油路104のみが油路7
1に連通し、内側油室53a側の作動油がチェンジサーボモ
ータS1に供給される。
減速時、或いは加速時でしかも吐出口54が閉鎖される場
合には、外側油室53b側の圧力の方が内側油室53a側より
も高くなることから、シャトル弁107は上記とは逆に第
1の油路104の開口に押当てられ、第2、第3の油路10
5、106のみが油路71に連通し、外側油室53b側の作動油
がチェンジサーボモータS1に供給される。
このようにしてチェンジサーボモータS1への作動油の供
給は、油圧閉回路内に於ける高圧側から行なわれ、常時
十分な作動力が確保し得る。
一方、左ケース半体1aの外側には、補給ポンプFが装備
されている。この補給ポンプFは、入力軸2により駆動
されて、図示されないオイルタンクより吸入した作動油
を一定の圧力にて送給するようにされており、その吐出
ポート108は、入力軸2の中心に穿設された油路109を介
し、さらに逆止弁110、111を介して分配盤43の吐出ポー
ト54、及び外側油室53bにそれぞれ連通している。これ
により、油圧ポンプPと油圧モータMとの油圧閉回路か
ら作動油が漏洩した場合にも、その分を自動的に補給ポ
ンプFから補給することができる。
尚、変速装置の右側面は、カム機構C1などを収容すべ
く、エンドカバー112により覆われている。
次に本変速装置の制御部分について主に第3図に基づい
て詳細に説明する。
モータ斜板38に傾動動作を与えるチェンジサーボモータ
S1の第1パイロット弁64に連結された第1リンクアーム
72の基端部は、駆動軸120に固着されている。駆動軸120
は、押え板17に固設された軸受121、122によりその両端
を回動自在なように支持されており、第1リンクアーム
72の両側に駆動カム123と駆動リンクアーム124とをそれ
ぞれ固設されている。
油圧回路断続用サーボモータS2の第2パイロット弁97に
連結された第2リンクアーム102の基端部は、前記した
駆動軸120の下側に、該駆動軸120と平行に配設された従
動軸125に固着されている。従動軸125は、押え板17に固
設された軸受122、126によりその両端を回動自在なよう
に支持されており、前記した駆動カム123に係合する従
動カム127を備えている。
従動カム127は、従動軸125に対して軸線方向位置を規定
された上で回動自在なように遊嵌されている。そして従
動軸上の従動カム127に隣接する部分には、或る長さを
もって軸線方向溝150が凹設されており、この溝150との
係合により従動軸125と一体的に回転し、かつ軸線方向
に摺動自在にされたアーム部材151が従動軸125に緩挿さ
れている。
これら従動カム127とアーム部材151との対向端面には、
互いに補完的形状をなす係合部127d、151aが形成されて
おり、この両係合部127d、151aが係合すると、従動カム
127、アーム部材151、及び従動軸125が一体的に回動し
得る。また、アーム部材151は、従動軸125に巻装された
圧縮コイルばね152により、両係合部127d、151aを常時
係合する向きに付勢されている。
第2リンクアーム102は、従動軸125に巻装された捩りコ
イルばね153により、常時第2パイロット弁97を油圧回
路断続用サーボモータS2から引出す向きに付勢されてい
る。そして、第2リンクアーム102の適所に当接し得る
ように、押え板17に固設されたストッパ部材128によ
り、第2リンクアーム102の円弧運動範囲が規定されて
いる。
駆動リンクアーム124の遊端には、油圧シリンダJ1のピ
ストンロッド129が連結されている。この油圧シリンダJ
1は、円筒状をなし両端を閉塞されたシリンダ130と、該
シリンダ130内をヘッド室131とヘッド室132とに区画す
ると共に、シリンダ内に摺動自在なように摺合したピス
トン133と、該ピストン133に一体的に形成されると共に
ロッド室132側端壁を液密かつ軸線方向移動自在に貫通
するピストンロッド129からなっており、後記する電気
−油圧式の第1サーボ弁SV1を介して別途供給される圧
油の作用により、ピストン133と共にピストンロッド129
を移動させ、それにより前記した駆動軸120に回動運動
を与えるものである。
油圧回路断続用サーボモータS2と固定軸51(第3図に於
ては図示省略)との間に介装されたクラッチ弁80の外端
部には、前記したように回動リンク84が突設されてい
る。そして回動リンク84の遊端部には、クラッチ弁80を
回動操作すべく、前記したチェンジサーボモータS1を実
質的に駆動する油圧シリンダJ1と略同等な構造を有する
油圧シリンダJ2のピストンロッド154が連結されてい
る。
油圧シリンダJ2のピストンロッド154の適所には、扇形
をなす突片155が設けられている。この突片155は、従動
軸125に設けられたアーム部材151に係合し、ピストンロ
ッド154を押出すと、アーム部材151を共に軸線方向移動
させて前記した両係合部127d、151aの係合を解除し、ピ
ストンロッド154を引込むと両係合部127d、151aの係合
作用に何ら干渉しないようにされている。
また、第2図に示したように、クラッチ弁80の短絡孔83
a、83bと、固定軸51の短絡ポート79a、79bとの位置関係
は、油圧シリンダJ2のピストンロッド154を引込んだ状
態で全閉とされ、ピストンロッド154を押出すに従って
開くようにされている。そしてクラッチ操作用油圧シリ
ンダJ2は前記したチェンジ操作用油圧シリンダJ1と同様
に電気−油圧式の第2サーボ弁SV2を介して制御され
る。
両サーボ弁SV1、SV2は、方向を変化させると同時に、絞
りの程度をも連続的に変化させることができ、しかも中
立位置を有するものであり、それぞれのソレノイド13
4、164に入力される制御装置CPからの電流信号に応じ
て、両油圧シリンダJ1、J2に供給排出する油量を制御す
るようにされている。
チェンジ操作用油圧シリンダJ1を制御する第1サーボ弁
SV1は、ポンプポートPp1、タンクポートPt1、及び一対
の出力ポートPa1、Pb1の4つのポートを有しており、出
力ポートPa1、Pb1がそれぞれ油圧シリンダJ1のヘッド室
131とロッド室132の入力ポート135、136に管路137、138
をもって接続されている。そしてポンプポートPp1は、
例えばギヤポンプ139(補給ポンプFでも可)に管路140
をもって接続されており、タンクポートPp1は、管路141
をもってオイルタンク142に接続されている。更に、ギ
ヤポンプ139とポンプポートPp1との間には、オイルタン
ク142に環流するリリーフ管路143が形成されると共に、
該管路143にはリリーフ弁144が設けられており、ギヤポ
ンプ139から圧送される圧油を必要に応じてタンク142へ
リリーフすることにより、管路内の油圧を所定の範囲内
に保持し得るようにされている。
クラッチ操作用油圧シリンダJ2を制御する第2サーボ弁
SV2は、第1サーボ弁SV1と同様に、ポンプポートPp2、
タンクポートPt2、及び一対の出力ポートPa2、Pb2の4
つのポートを有しており、出力ポートPa2、Pb2がそれぞ
れ油圧シリンダJ2のヘッド室161とロッド室162の入力ポ
ート165、166に管路167、168をもって接続されている。
そしてポンプポートPp2は、ギヤポンプ139の吐出管路14
0に第1サーボ弁SV1と共に並列接続されており、タンク
ポートPt2は、管路141をもってオイルタンク142に接続
されている。
このように構成された変速操作装置を制御する制御装置
CPは、例えばアドレスデータバスにより互いに接続され
たD/A変換器、A/D変換器、インタフェース、CPU、RAM、
ROMなどにより構成されている。そしてエンジン回転速
度(r.p.m)、スロットル開度(θth)走行速度(km/
h)、シフトポジション(SP)、制動減速度(G)、油
温(O/t℃)、水温(W/t℃)などのデータを各種センサ
により検出し、これらの情報を例えばマップコントロー
ルなどにより処理した後、サーボ弁SV1、SV2のソレノイ
ド134、164に電流信号を与え、表1、2に示すようにし
てサーボ弁SV1、SV2を作動させるようにされている。
即ち、ソレノイド134(164)への通電を断った状態で
は、サーボ弁SV1(SV2)のスプールは中立ポジションに
あり、作動油の流動はなく、従って、油圧シリンダJ1
(J2)のピストンロッド129(154)も不動であって、現
状維持状態となる。
ソレノイド134(164)に(+)電流を通電すると、スプ
ールは左側ポジションに移動し、吐出油を管路138(16
8)、及びシリンダ130(160)に設けられた一方の入力
ポート136(166)を介し、油圧シリンダJ1(J2)のロッ
ド室132(162)に圧送すると同時に、ヘッド室131(16
1)内の油を、他方の入力ポート135(165)、及び管路1
37(167)を介し、タンク142に排出する。このようにし
て、ソレノイド134(164)の入力電流を(+)にする
と、油圧シリンダJ1(J2)のピストン133(163)が、ピ
ストンロッド129(154)を引き込むように作動する。こ
の時、電流値を適宜に調節することにより、サーボ弁SV
1(SV2)の絞りが変化して、ピストンロッド129(154)
の動作速度も変化する。
ソレノイド134(164)に(−)電流を通電すると、スプ
ールは右側ポジションに移動し、上記とは逆方向に吐出
油が流動し、ピストンロッド129(154)が押し出される
ように作動する。
カム機構C1は、前記したように、モータ斜板38を作動さ
せるチェンジサーボモータS1の第1パイロット弁64に連
結された第1リンクアーム72と一体的に回動する駆動カ
ム123と、油圧回路断続用サーボモータS2の第2パイロ
ット弁97に連結された第2リンクアーム120と一体的に
回動し得る従動カム127とからなっている。
第4図に示すように、駆動カム123は駆動軸120を中心と
する半円弧を呈する半円部123aと、該半円部123aの半径
より部分的に外側に突出させた凸部123bと、半円部123a
の半径より部分的に内側に没入させた凹部123cとからな
り、これら3つの部分を円滑に連続させた輪郭に形成さ
れている。
従動カム127は、半円部123aと略同等の曲率の凹面から
なる弧状部127aと、該弧状部127aから概ね接線方向に延
出してなる直状部127bとからなっている。
次に上記実施例の作動の要領について第3図から第6図
を参照して説明する。
先ず吐出ポート54を開放した状態から閉鎖する状態へ変
化させる場合について説明すると、第4図に於て、第1
パイロット弁64は左方に移動しており、従ってモータ斜
板38は、チェンジサーボモータS1のピストンロッド62の
左動により最大傾斜位置、即ち変速比最大の状態にあ
る。
この状態にあっては、駆動カム123の半円部123aと従動
カム127の弧状部127aとが接触しており、また第2リン
クアーム102がストッパ部材128に当接していることか
ら、従動軸125はいずれの方向へも回転することができ
ず、油圧回路断続用サーボモータS2の第2パイロット弁
97は右方に保持され、吐出ポート54は開放状態に保持さ
れる。
次にチェンジ操作用油圧シリンダJ1のピストンロッド12
9を右方向へ移動させると、駆動軸120の時計回り方向回
転に従って駆動カム123も同方向に回転するが、第5図
に示すように駆動カム123の凸部123bと従動カム127の直
状部127bとが当接するまでは従動カム127が回転され
ず、従って第2パイロット弁97も移動せず、吐出ポート
54の開放は保持される。
更にピストンロッド129が右動すると、駆動カム123の凸
部123bが従動カム127の直状部127bを押し下げる。この
時、第3図に於けるクラッチ操作用油圧シリンダJ2のピ
ストンロッド154が引込まれた状態、即ちクラッチONの
状態にあると、アーム部材151と突片155とが非接触であ
ることから、従動カム127とアーム部材151との係合部12
7a、151aが係合し、従動軸125が従動カム127と共に回動
し得ることとなる。これにより従動軸125と共に第2リ
ンクアーム102が時計回り方向に回動し、第2パイロッ
ト弁97を左動させる。この結果、前記したような油圧の
作用により、油圧回路断続用サーボモータS2のピストン
軸と共にシュー88が左動して吐出ポート54が閉塞され
る。
この状態はチェンジサーボモータS1の第1パイロット弁
64が右動した状態であり、従って前記したようにモータ
斜板38が垂直状態、即ち変速比最小の状態にあるが、従
動カム127の両端は、駆動カム123の凸部123bと凹部123c
とによりいずれの方向への回動をも阻止されており、吐
出ポート54の閉状態が保持される。
上記とは逆に駆動カム123が反時計回り方向に回動する
と、凹部123cが従動カム127の端部127cに当接し、第2
パイロット弁97を右動させるように第2リンクアーム10
2を回動させる。そして第6図から第5図に移行する間
は、凸部123bと直状部127bとは非接触となるように両カ
ムの輪郭が定められていることから、変速比が増大傾向
となると、直ちに吐出ポート54の閉鎖を解除することが
できる。
クラッチ弁80を開きクラッチOFFすべく、油圧シリンダJ
2のピストンロッド154を押出すと、突片155がアーム部
材151を軸線方向に摺動させ、両係合部127d、151aの係
合が解除される。この結果、従動カム127が自由状態と
なり、従動軸125は駆動カム123に何ら拘束されることな
く捩りコイルばね153の付勢力により、油圧回路断続用
サーボモータS2のパイロット弁97を右動させる向きに回
動する。
従って、チェンジ操作用油圧シリンダJ1がどのような制
御状態にあろうとも、クラッチOFF操作を行なうと油圧
回路断続用サーボモータS2が油圧ポンプPの吐出ポート
54を開放する向きに保持され、動力の伝達が確実に遮断
されることとなる。
上記実施例に於いては、制御装置CPは電子制御とした
が、これに限定されるものではなく、例えばガバナなど
による機械的制御や、或いは純油圧方式にて制御するこ
とも可能である。
また、チェンジ操作、及びクラッチ操作を行うアクチュ
エータとして、油圧シリンダJ1、J2を用いるものとした
が、パルスモータ、或いは電動式リニアアクチュエータ
を用いて電気的に制御することもできる。
更に、カム機構C1は上記実施例に限定されるものではな
く、種々の態様にて連動操作が可能であり、またカム機
構による連動操作のみならず、例えばモータ斜板動作用
アクチュエータと油圧回路断続用アクチュエータとを別
個に設け、それぞれをプログラム制御しても良い。
〈発明の効果〉 このように、本発明によれば、クラッチをOFFすると確
実に動力の伝達を遮断することが可能となる。しかも微
妙なクラッチ操作を行ない得ることから、より円滑な発
進操作が可能となり、油圧式無段変速機の使用性を向上
する上に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用された油圧式無段変速機の縦断面
図である。 第2図は第1図に示す油圧回路断続用サーボモータS2の
拡大図である。 第3図は制御装置の系統図である。 第4図〜第6図はカム機構の動作説明図である。 P……油圧ポンプ、M……油圧モータ S1……チェンジサーボモータ S2……油圧回路断続用サーボモータ C1……カム機構、F……補給ポンプ CP……制御装置、J1、J2……油圧シリンダ SV1、SV2……サーボ弁 1……ミッションケース、1a、1b……ケース半体 2……入力軸、3……端部 4……ポンプシリンダ、5……シリンダ孔 6……ポンププランジャ、7……フライホイール 8……モータシリンダ、8a……第1の部分 8b……第2の部分、8c……第3の部分 8d……第4の部分、9……シリンダ孔 10……モータプランジャ 10a……ボールジョイント 11a、11b……支軸、12……玉軸受 12a……インナレース、12b……アウタレース 13……ニードル軸受 14、15……ストップリング 16……環状凹部、17……押え板 18……ボルト、19……歯車 20……遊動歯車、21……差動歯車装置 22……ポンプ斜板、23……ポンプシュー 23a……段部、24……有底孔 25……連接桿 26a、26b……ボールジョイント 27……ニードル軸受、28……押えリング 29……ばね保持体、30……ばね 31……スプライン部、32、33……傘歯車 34……油圧ポケット、35、36、37……油孔 38……モータ斜板、39……トラニオン軸 40……モータシュー、41……ガイド孔 42……油室、43……分配盤 44……連結フランジ、45……位置決め孔 46……ボルト、47……ノックピン 48……ボルト、49、50……ニードル軸受 51……固定軸、52……分配環 53……中空部、53a……内側油室 53b……外側油室、54……吐出ポート 55……吸入ポート、56……連結ポート 58……サーボシリンダ、59……左側油室 60……右側油室、61……サーボピストン 62……ピストンロッド、63……弁孔 64……第1パイロット弁 64a……ランド部、64b……凹部 65……連結部材、66、67……止め輪 68……排出路、69……連絡路 70、71……油路、72……第1リンクアーム 73……スプライン、74……軸受部材 75……環状突条、76……環状溝 77……Oリング、78……バックアップリング 79a、79b……短絡ポート 80……クラッチ弁 81……ラジアルニードル軸受 82……スラストニードル軸受 83a、83b……短絡孔 84……回動リンク、85……逃げ溝 86……ピストン軸、87……バルブロッド 88……シュー、89……油室 90、91……油通路、92……ピストン部 93……環状室、94……行止り孔 95……逃げ溝、96a、96b……通孔 97……第2パイロット弁 98……ランド部、99……小径部 100……大気連通孔、101……止め輪 102……リンクアーム、103……右端面 104……第1の油路、105……第2の油路 106……第3の油路、107……シャトル弁 108……吐出ポート、109……油路 110、111……逆止弁 112……エンドカバー、120……駆動軸 121、122……軸受、123……駆動カム 123a……半円部、123b……凸部 123c……凹部、124……駆動リンクアーム 125……従動軸、126……軸受 127……従動カム、127a……弧状部 127b……直状部、127c……端部 127d……係合部、128……ストッパ部材 129……ピストンロッド 130……シリンダ、131……ヘッド室 132……ロッド室、133……ピストン 134……ソレノイド 135、136……入力ポート 137、138……管路、139……ギヤポンプ 140、141……管路、142……オイルタンク 143……リリーフ管路、144……リリーフ弁 150……軸線方向溝、151……アーム部材 151a……係合部、152……圧縮コイルばね 153……捩りコイルばね 154……ピストンロッド 155……突片、160……シリンダ 161……ヘッド室、162……ロッド室 163……ピストン、164……ソレノイド 165、166……入力ポート 167、168……管路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸に連なる油圧ポンプと、出力軸に連
    なる可変容量型油圧モータと、前記油圧ポンプと前記油
    圧モータとの間を連結する油圧閉回路と、該油圧閉回路
    を断続するための油圧サーボモータからなる油圧回路断
    続弁と、前記油圧ポンプの吐出ポートと吸入ポートとの
    間を短絡する通路の流路面積を連続的に変化させること
    によって前記油圧ポンプと前記油圧モータ間の動力伝達
    容量を変化させるためのクラッチ弁とを有する油圧式無
    段変速機であって、 前記油圧回路断続弁を常時開弁方向へ付勢する付勢手段
    153と、 前記油圧回路断続弁を閉弁方向へ駆動する第1のアクチ
    ュエータJ1と、 前記クラッチ弁を開閉駆動する第2のアクチュエータJ2
    と、 前記油圧回路断続弁と前記第1のアクチュエータ間に設
    けられ、かつ前記第2のアクチュエータに連動連結され
    たクラッチ手段127d、151aとを有し、 前記第2のアクチュエータの前記クラッチ弁を開弁する
    動作に連動して前記クラッチ手段の切断状態が選択され
    ることを特徴とする油圧式無段変速機。
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US07/076,789 US4901529A (en) 1986-07-23 1987-07-23 Hydraulically operated continuously variable transmission
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