JPS6115168B2 - - Google Patents
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- JPS6115168B2 JPS6115168B2 JP10881181A JP10881181A JPS6115168B2 JP S6115168 B2 JPS6115168 B2 JP S6115168B2 JP 10881181 A JP10881181 A JP 10881181A JP 10881181 A JP10881181 A JP 10881181A JP S6115168 B2 JPS6115168 B2 JP S6115168B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
本発明は、ポリエチレンテレフタレートとポリ
ブチレンテレフタレートとをサイド・バイ・サイ
ド型に複合紡糸し、延伸熱処理後直ちに高温加熱
空気押込ノズルに導き捲縮を発現させると同時に
発現した捲縮を熱固定し冷却してからノズルから
取り出し、巻き取るノントルク捲縮加工糸の製造
法に関し、特に伸縮性が要求される衣料用途に適
する高性能の捲縮加工糸を紡糸直結で連続して
(所謂SDTY)、あるいは紡糸後高速度で加工する
方法(所謂DTY)を提供せんとするところにあ
る。 従来、捲縮糸の加工法は、延伸糸に実撚を入れ
加熱セツト後冷却解撚するいわゆる仮撚加工法が
主流となつており、この方法は近年部分配向糸
(POY)と高速フリクシヨン仮撚ユニツトの出現
により、それまでのスピンドル型の仮撚機より高
速化が可能になり、いわゆるPOY―DTYとして
1000m/mmの加工速度の領域に入つた。しかし、
この方法は、機械的加工法であるのでその速度に
も自ずと限界があり、例えば紡糸直結の連続化に
は企業的メリツトは殆ぼ出ない。これに対し、延
伸糸を予熱後加熱空気加工する方法が種々提案さ
れている(特公昭53―35175号;USP3729831;
USP3852857)。これらの方法は高速化と云う点で
は良い方法であるが、衣料に用いる加工糸として
は、嵩性に劣り、又、加工方法が繊維に過度の熱
収縮率を起こさせる方法であるので、加工糸は染
斑及び力学的特性において劣る欠点(伸びやすい
糸)がある。そこでこれらの適応範囲はカーペツ
トのタフト糸BCFを製造する方法に使用されて
いるのが現状である。これらに対し、フリクシヨ
ンユニツトで仮撚後空気押込ノズルで熱セツトす
る(特開昭53―119348号、特開昭54―68433号)
方法が提案されているが、これらもやはり、紡糸
直結加工に適する加工速度(3000m/mm以上)に
はなりえないし、又、糸掛性が複雑である。そこ
でこれらの方法に対し、本発明と同一考え方で紡
糸時に異種、又は異質ポリマーを複合紡糸し、延
伸熱処理後加熱空気加工する方法が提案されてい
る。(USP4115989;USP4118534、実公昭46―
9535号、特公昭45―37576号;特開昭54―42441
号) しかし、これらの方法は、速度的には適した方
法であるが、捲縮加工糸としての嵩性と力学的特
性において衣料用途には依然として適したものと
は言い難い。 一方、高捲縮性を有し、かつ、捲縮堅牢度の高
い複合繊維の製造法として、本発明と同様の考え
でポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートを両成分として複合紡糸し延伸後処
理後加熱空気ジエツトを通して弛緩熱処理する方
法が提案されている(特公昭43―19108号、特開
昭51―84924号)が、これらの方法は、延伸後の
熱処理温度が120〜130℃と低く、かつ、380〜400
℃の高温流体での熱処理の為に熱収縮が大となり
すぎてひけ、染斑等好ましくないことが出現し、
捲縮加工糸としての嵩性と力学的特性においてま
だ十分とは云い難い。 従つて本発明の目的はかかる欠点を除去し、高
捲縮性能を有する特に伸縮性に優れた加工糸を
2000m/mm以上もの速度で加工しうる高生産性の
ある加工法を提供することにある。かかる本発明
の目的を達成するには(1)成分の一方がポリエチレ
ンテレフタレートであり、もう一方の成分がポリ
ブチレンテレフタレートであるサイド・バイ・サ
イド複合繊維を溶融紡糸し、延伸熱処理して引続
き加熱流体押込ノズルにより捲縮発現加工する紡
糸直結加工、又は、一旦巻取つた紡出糸を延伸熱
処理に引続き、加熱流体押込ノズルにより捲縮発
現加工する延伸直結加工において、以下の〜
の条件を満足する如く加工することが有利である
ことが判明した。 条件 〜 サイド・バイ・サイド複合繊維の溶融紡糸用
口金としてポリエチレンテレフタレートとポリ
ブチレンテレフタレートとを各々独立して吐出
し、口金面を出た直後に接合してサイド・バ
イ・サイド型の複合繊維を形成せしめるように
した分離型複合紡糸口を用いる。 サイド・バイ・サイドのポリエチレンテレフ
タレートの固有粘度〔η〕が0.34〜0.45であ
ること。 サイド・バイ・サイド2成分間の固有粘度差
△〔η〕(ポリブチレンテレフタレートの固
有粘度〔η〕―ポリエチレンテレフタレート
の固有粘度〔η〕)が0.20〜0.60であるこ
と。 延伸熱処理後の伸度が20〜35%であること。 延伸後の熱処理温度が150〜210℃で0.05秒以
上処理すること。 加熱流体押込ノズルにおける加熱空気又は蒸
気温度が160〜240℃であること。 本発明を更に詳細に説明する。 サイド・バイ・サイド型の複合紡出糸を加熱空
気で加工すれば捲縮発現することは前記の如く
(USP4115989;USP4118534、実公昭46―9535、
特公昭45―37576;特開昭54―42441;特公昭43―
19108;特開昭51―84924)公知の事実であるがこ
れらの方法では高捲縮性能を有する、特に伸縮性
に優れた加工糸とはなりえない。 この点本発明によれば、サイド・バイ・サイド
型の複合紡出糸を延伸後加熱空気加工する方法に
おいて前述の6つの条件を満足した時のみ高捲縮
性能を有する、特に伸縮性に優れた加工糸を高い
生産性の下に製造出来るのである。 ここで、本発明で使用する語句・記号の説明を
しておく。 イ 固有粘度〔η〕:フリーホール(自由落
下)のフイラメントで測定した固有粘度であ
り、フリーホールフイラメントはサイド・バ
イ・サイド複合紡糸条件において片側のポリマ
ーを停止し、もう一方のポリマーのみを紡出し
たフリーホールのフイラメントより測定する。
この場合〔η〕は次式で決定される。 〔ここで(ηrel)はo―クロロフエノール
を溶媒とするポリマーの稀薄溶液の粘度と同温
同単位で測定した前記溶媒の粘度との比であ
り、Cは100c.c.溶媒物中のポリマーのグラム数
である。〕 ロ △〔η〕=ポリブチレンテレフタレートの
〔η〕―ポリエチレンテレフタレートの
〔η〕 ハ 延伸熱処理後の伸度とは複合紡出糸を75〜90
℃で所定の延伸倍率で延伸後、ホツトローラー
又はそれに代るホツトプレート等で150〜220℃
で0.05秒以上熱処理した糸を巻き取り、そのフ
イラメントの破断伸度を言う。破断伸度は試料
長20cmで引張り速度100%/mmで行なつた時の
破断点の伸度であり、テストは5回行なつた平
均で表わす。 本発明において第1に重要なことは、サイド・
バイ・サイド複合繊維の溶融紡糸用口金としてポ
リエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフ
タレートとを各々独立して吐出し、口金面を出た
直後の1点において接合してサイド・バイ・サイ
ド型の複合繊維を形成せしめるようにした分離型
複合紡糸口金、例えば第1図に示すような口金を
用いることにある。衣料用途に適するような嵩高
性の優れた複合繊維を得るにはサイド・バイ・サ
イド成分であるポリエチレンテレフタレートとポ
リブチレンテレフタレートとの△〔η〕を大き
く取ることが必要である。 従来より検討されてきた、口金内で異種のポリ
マーを合流、貼り合わせて複合紡糸する如くした
口金、例えば第2図に示すような口金において
は、△〔η〕を大きくすれば、口金内での両成
分の力学的相互作用によつて紡出糸が大きく屈曲
して口金面に付着するいわゆるニーリング現象を
起こし、安定した紡糸が不可能となることとが多
い。従つて△〔η〕を大きくとることが出来
ず、嵩高性に優れた複合紡出糸を安定して得るこ
とは難かしい。その点、第1図に示したような分
離型複合紡糸口金においては、口金内での両成分
が力学的相互作用を受けることがないのでニーリ
ングを防止でき、嵩高性に優れた複合紡出糸を得
るに必要な高△〔η〕の条件でも安定した紡糸
が可能となり、紡糸直結連続加工においてはその
効果は極めて大である。 尚、第1図,第2図について若干の説明をする
と、両者共に紡糸口金の一例を示す部分縦断側面
図である。第1図の場合、高粘度成分Aと低粘度
成分Bは各々単独に導入孔2,3、吐出孔4,5
を経て吐出されるが、その際各吐出孔4,5は口
金面6への垂線に対して等しく傾斜し、口金面6
直後の1点において両吐出孔の延長線が交わるよ
うに口金面6上で適正間隔を介して穿設してある
ため、高粘度成分Aと低粘度成分Bは各々の吐出
孔4,5を出た後1点において接合することがで
きる。 一方、第2図の場合、高粘度成分Aと低粘度成
分Bは各々単独に導入孔2,3に導入され口金1
内で合流、貼り合わされて吐出孔4より吐出され
るが、導入孔3は導入孔2よりも孔径が小さく、
かつ導入孔2と交わるように穿設されているた
め、高粘度成分Aと低粘度成分Bは口金内で合
流、貼り合わせられ吐出孔4より吐出される。 第2に重要なことは、ポリエチレンテレフタレ
ートの〔η〕が0.34〜0.45であることが大切で
ある。 この〔η〕が0.34より小であれば溶融紡糸時
の糸切れあるいは、紡糸口金面の汚れにより紡糸
が出来なくなり、一方、0.45を越えると紡糸性は
良くなるが、次の延伸熱処理工程にて充分な分子
配向と熱処理が高速度(2000m/mm)以上で行え
なく捲縮率は低下する。つまり、コンジユゲート
本来の熱応力差を十分発揮させるには低〔η〕
側、即ち、ポリエチレンテレフタレート側を十分
に熱セツトし、熱収縮を低くする必要があるが、
ポリエチレンテレフタレートの〔η〕が0.45以
上になると十分な熱セツトを行なう為には熱処理
温度を高温にすることが必要となりポリブチレン
テレフタレートの熱応力が低下したり、あるいは
融着を起こしたりして、実際上延伸加工が困難と
なる。従つて、低〔η〕側のポリエチレンテレフ
タレートの熱セツト性を考慮した場合、ポリエチ
レンテレフタレートの固有粘度〔η〕の低いも
の程熱セツト性は良好であり、本発明のポリエチ
レンテレフタレートの〔η〕の範囲(0.34〜
0.45)であればポリブチレンテレフタレートの熱
応力を低下させることなく、又、融着を起こさせ
ることなく充分熱セツトが可能となり、両成分間
に大きな熱応力差、収縮差を生じさせ、捲縮率を
向上させることが出来る。 第3に重要なことは、サイド・バイ・サイド2
成分間の固有粘度差△〔η〕(ポリブチレンテ
レフタレートの固有粘度〔η〕―ポリエチレン
テレフタレートの固有粘度〔η〕)が0.20〜
0.60であることが必要である。△〔η〕が0.20
より低いと、糸条の強度が低く、又、両成分間の
熱応力差が低くなり、充分な潜在捲縮能を与える
ことができない。 又、△〔η〕が0.60より大きくなるとポリエ
チレンテレフタレート側へのニーリング現象が発
生し、安定した紡糸が出来なくなり、さらに高速
で十分な高配向の延伸糸が得られず、その結果、
高捲縮加工糸とはなり得ない。又、この様な紡出
糸を高配向にしようとすると高速では糸切れが多
く、生産性をはなはだ悪くする。 尚、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレ
ンテレフタレートの比率(重量比率)は30%:70
%〜70%:30%迄は任意に調整し得る。 第4に、延伸熱処理後の糸の伸度が20〜35%で
あることが大切である。これは次の空気押込ノズ
ルに入る前の伸度が35%を越えるとポリブチレン
テレフタレートの配向度が充分上つてない状態に
あるので、空気押込ノズル中で高温加熱空気(又
は加熱蒸気)により捲縮発現する時、熱応力が不
足し、捲縮度が上らなくなると共に、力学的特性
も不十分で“ひげ”斑が発生しやすい。一方、20
%未満の伸度に延伸すると2000m/mm以上での延
伸性が悪く、毛羽、ラツプが多く発生し、操業上
問題となる。 第5に、延伸後の熱処理温度は150〜220℃で
0.05秒以上必要である。熱処理温度が150℃未満
になると次の工程である空気押込ノズル中で糸は
大きく収縮し強度が低下し、又、伸度が大きくな
り、織編物にした時“ひけ”現象が発生しやす
い。一方、210℃を越えると、前記の熱収縮は低
下するが、強度、伸度低下を招くばかりでなく、
〔η〕差によるコンジユケート本来の熱応力差
が低下し、捲縮性も低下する。 又、熱処理時間は0.05秒以上が必要であり、好
ましくは0.1秒間程度である。熱処理時間が0.05
秒より短かくなると延伸糸の結晶化が十分起こら
ず、従つて次の空気加工での熱収縮が大となり好
ましくない。 第6に、加熱空気又は蒸気温度が160〜240℃で
あることが好ましい。ノズル加熱空気が160℃未
満になると延伸熱処理された糸がノズル中で捲縮
発現するに十分でなく、従つて高捲縮糸とならな
い。又、この温度が240℃を越えると、ノズル中
での糸の収縮率が大きくなり、強度低下と高伸度
になるため、織物で“ひけ”が発生したり、又、
糸の収縮率が大といつた原因により収縮斑が大と
なり、染着斑及び捲縮率の斑となる。従つてここ
ではポリブチレンテレフタレートの熱安定性も考
慮して、延伸熱処理温度より10℃〜50℃位高温の
加熱流体を用いるのが好ましい。 本発明において、紡糸速度については特に限定
しないが、紡糸速度より加工速度の方が糸の捲縮
発現性能、力学的特性に及ぼす影響が大きいこと
から、紡糸直加工(SDTY)では紡糸速度として
は500〜1500m/mmがより好ましく、延伸直加工
(DTY)では加工速度が2000〜4500m/mmの範囲
であれば紡糸速度は、紡出糸に配向を起こさない
低紡速領域から部分配向を起こすPOY領域(約
4000m/mm)までの範囲で任意に選択しうる。こ
の紡糸速度は複合紡出糸のポリエチレンテレフタ
レート側の〔η〕が高くなると低紡糸速度側に
高捲縮性能に与える紡糸速度が存在し、一方、こ
の〔η〕が低くなると高捲縮性能を与える紡糸
速度は、高紡糸速度側にシフトする。しかし、条
件,で限定した〔η〕及び△〔η〕を満
足すれば、DTY又はSDTYで紡糸速度に多少の制
約があるものの高捲縮の加工糸となりうる。この
紡糸速度が500m/mm未満になると、SDTYでは高
速加工のメリツトが出せないし、又、特にPOY
―DTYでは複合紡出糸の糸質の経時変化が大き
く、安定した加工及び加工糸品質を得ることが困
難である。一方、SDTYにおいては1500m/mmを
越える紡出糸は高捲縮象性能を得ることができな
いばかりか、強度の低下が大きくなり、高速加工
に適さない。 以上述べたように、本発明によれば衣料用途に
適する高捲縮性能を有し、特に伸縮性に優れた加
工糸を高能率下に安定して製造できるノントルク
捲縮加工法が提供される。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明で捲縮率を表わすTC2,TC10(%)は以下の
測定法で行なつたものである。 TC2又はTC10=1−2/0×100(%) 試料に50mg/deの張力をかけて約3000deになる
迄巻き(片側1500de)のかせをつくる。かせ作
成後2mg/deと200mg/de相当の荷重を負荷し、1
分経過後の長さ0(cm)を測定する。0測定
後200mg/de相当荷重を除去し2mg/deを負荷した
状態(但し、TC10の場合は更に8mg/de相当荷重
を加えて合計10mg/de相当荷重を負荷した状態)
で100℃沸水中で20分間処理する。沸水処理後直
ちに全荷重を除去し、24時間フリー状態で40℃以
下で自然乾燥する。自然乾燥後の試料に再び2
mg/deと200mg/de相当の荷重を負荷し1分間経過
後の長さ1(cm)を測定する。1測定後直ち
に200mg/de相当荷重を除去し、1分間経過後の
長さ2(cm)を測定し、前記の算出式により
TC2又はTC10を算出する。 実施例 1 本実施例では第1図に示す紡糸口金を用いて紡
糸し、加工糸として最終的に145〜158デニールの
48フイラメントとなるよう紡糸吐出量をコントロ
ールした。加工糸評価としては該加工糸を筒編し
染上げを行なつたものについて風合、“ひけ”、染
斑について肉眼で判定した。これらの結果を表―
1に示した。 尚、本実施例においてポリエチレンテレフタレ
ートとポリブチレンテレフタレートとの重量比が
50%:50%の比率になるよう調節して紡糸した。
ブチレンテレフタレートとをサイド・バイ・サイ
ド型に複合紡糸し、延伸熱処理後直ちに高温加熱
空気押込ノズルに導き捲縮を発現させると同時に
発現した捲縮を熱固定し冷却してからノズルから
取り出し、巻き取るノントルク捲縮加工糸の製造
法に関し、特に伸縮性が要求される衣料用途に適
する高性能の捲縮加工糸を紡糸直結で連続して
(所謂SDTY)、あるいは紡糸後高速度で加工する
方法(所謂DTY)を提供せんとするところにあ
る。 従来、捲縮糸の加工法は、延伸糸に実撚を入れ
加熱セツト後冷却解撚するいわゆる仮撚加工法が
主流となつており、この方法は近年部分配向糸
(POY)と高速フリクシヨン仮撚ユニツトの出現
により、それまでのスピンドル型の仮撚機より高
速化が可能になり、いわゆるPOY―DTYとして
1000m/mmの加工速度の領域に入つた。しかし、
この方法は、機械的加工法であるのでその速度に
も自ずと限界があり、例えば紡糸直結の連続化に
は企業的メリツトは殆ぼ出ない。これに対し、延
伸糸を予熱後加熱空気加工する方法が種々提案さ
れている(特公昭53―35175号;USP3729831;
USP3852857)。これらの方法は高速化と云う点で
は良い方法であるが、衣料に用いる加工糸として
は、嵩性に劣り、又、加工方法が繊維に過度の熱
収縮率を起こさせる方法であるので、加工糸は染
斑及び力学的特性において劣る欠点(伸びやすい
糸)がある。そこでこれらの適応範囲はカーペツ
トのタフト糸BCFを製造する方法に使用されて
いるのが現状である。これらに対し、フリクシヨ
ンユニツトで仮撚後空気押込ノズルで熱セツトす
る(特開昭53―119348号、特開昭54―68433号)
方法が提案されているが、これらもやはり、紡糸
直結加工に適する加工速度(3000m/mm以上)に
はなりえないし、又、糸掛性が複雑である。そこ
でこれらの方法に対し、本発明と同一考え方で紡
糸時に異種、又は異質ポリマーを複合紡糸し、延
伸熱処理後加熱空気加工する方法が提案されてい
る。(USP4115989;USP4118534、実公昭46―
9535号、特公昭45―37576号;特開昭54―42441
号) しかし、これらの方法は、速度的には適した方
法であるが、捲縮加工糸としての嵩性と力学的特
性において衣料用途には依然として適したものと
は言い難い。 一方、高捲縮性を有し、かつ、捲縮堅牢度の高
い複合繊維の製造法として、本発明と同様の考え
でポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートを両成分として複合紡糸し延伸後処
理後加熱空気ジエツトを通して弛緩熱処理する方
法が提案されている(特公昭43―19108号、特開
昭51―84924号)が、これらの方法は、延伸後の
熱処理温度が120〜130℃と低く、かつ、380〜400
℃の高温流体での熱処理の為に熱収縮が大となり
すぎてひけ、染斑等好ましくないことが出現し、
捲縮加工糸としての嵩性と力学的特性においてま
だ十分とは云い難い。 従つて本発明の目的はかかる欠点を除去し、高
捲縮性能を有する特に伸縮性に優れた加工糸を
2000m/mm以上もの速度で加工しうる高生産性の
ある加工法を提供することにある。かかる本発明
の目的を達成するには(1)成分の一方がポリエチレ
ンテレフタレートであり、もう一方の成分がポリ
ブチレンテレフタレートであるサイド・バイ・サ
イド複合繊維を溶融紡糸し、延伸熱処理して引続
き加熱流体押込ノズルにより捲縮発現加工する紡
糸直結加工、又は、一旦巻取つた紡出糸を延伸熱
処理に引続き、加熱流体押込ノズルにより捲縮発
現加工する延伸直結加工において、以下の〜
の条件を満足する如く加工することが有利である
ことが判明した。 条件 〜 サイド・バイ・サイド複合繊維の溶融紡糸用
口金としてポリエチレンテレフタレートとポリ
ブチレンテレフタレートとを各々独立して吐出
し、口金面を出た直後に接合してサイド・バ
イ・サイド型の複合繊維を形成せしめるように
した分離型複合紡糸口を用いる。 サイド・バイ・サイドのポリエチレンテレフ
タレートの固有粘度〔η〕が0.34〜0.45であ
ること。 サイド・バイ・サイド2成分間の固有粘度差
△〔η〕(ポリブチレンテレフタレートの固
有粘度〔η〕―ポリエチレンテレフタレート
の固有粘度〔η〕)が0.20〜0.60であるこ
と。 延伸熱処理後の伸度が20〜35%であること。 延伸後の熱処理温度が150〜210℃で0.05秒以
上処理すること。 加熱流体押込ノズルにおける加熱空気又は蒸
気温度が160〜240℃であること。 本発明を更に詳細に説明する。 サイド・バイ・サイド型の複合紡出糸を加熱空
気で加工すれば捲縮発現することは前記の如く
(USP4115989;USP4118534、実公昭46―9535、
特公昭45―37576;特開昭54―42441;特公昭43―
19108;特開昭51―84924)公知の事実であるがこ
れらの方法では高捲縮性能を有する、特に伸縮性
に優れた加工糸とはなりえない。 この点本発明によれば、サイド・バイ・サイド
型の複合紡出糸を延伸後加熱空気加工する方法に
おいて前述の6つの条件を満足した時のみ高捲縮
性能を有する、特に伸縮性に優れた加工糸を高い
生産性の下に製造出来るのである。 ここで、本発明で使用する語句・記号の説明を
しておく。 イ 固有粘度〔η〕:フリーホール(自由落
下)のフイラメントで測定した固有粘度であ
り、フリーホールフイラメントはサイド・バ
イ・サイド複合紡糸条件において片側のポリマ
ーを停止し、もう一方のポリマーのみを紡出し
たフリーホールのフイラメントより測定する。
この場合〔η〕は次式で決定される。 〔ここで(ηrel)はo―クロロフエノール
を溶媒とするポリマーの稀薄溶液の粘度と同温
同単位で測定した前記溶媒の粘度との比であ
り、Cは100c.c.溶媒物中のポリマーのグラム数
である。〕 ロ △〔η〕=ポリブチレンテレフタレートの
〔η〕―ポリエチレンテレフタレートの
〔η〕 ハ 延伸熱処理後の伸度とは複合紡出糸を75〜90
℃で所定の延伸倍率で延伸後、ホツトローラー
又はそれに代るホツトプレート等で150〜220℃
で0.05秒以上熱処理した糸を巻き取り、そのフ
イラメントの破断伸度を言う。破断伸度は試料
長20cmで引張り速度100%/mmで行なつた時の
破断点の伸度であり、テストは5回行なつた平
均で表わす。 本発明において第1に重要なことは、サイド・
バイ・サイド複合繊維の溶融紡糸用口金としてポ
リエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフ
タレートとを各々独立して吐出し、口金面を出た
直後の1点において接合してサイド・バイ・サイ
ド型の複合繊維を形成せしめるようにした分離型
複合紡糸口金、例えば第1図に示すような口金を
用いることにある。衣料用途に適するような嵩高
性の優れた複合繊維を得るにはサイド・バイ・サ
イド成分であるポリエチレンテレフタレートとポ
リブチレンテレフタレートとの△〔η〕を大き
く取ることが必要である。 従来より検討されてきた、口金内で異種のポリ
マーを合流、貼り合わせて複合紡糸する如くした
口金、例えば第2図に示すような口金において
は、△〔η〕を大きくすれば、口金内での両成
分の力学的相互作用によつて紡出糸が大きく屈曲
して口金面に付着するいわゆるニーリング現象を
起こし、安定した紡糸が不可能となることとが多
い。従つて△〔η〕を大きくとることが出来
ず、嵩高性に優れた複合紡出糸を安定して得るこ
とは難かしい。その点、第1図に示したような分
離型複合紡糸口金においては、口金内での両成分
が力学的相互作用を受けることがないのでニーリ
ングを防止でき、嵩高性に優れた複合紡出糸を得
るに必要な高△〔η〕の条件でも安定した紡糸
が可能となり、紡糸直結連続加工においてはその
効果は極めて大である。 尚、第1図,第2図について若干の説明をする
と、両者共に紡糸口金の一例を示す部分縦断側面
図である。第1図の場合、高粘度成分Aと低粘度
成分Bは各々単独に導入孔2,3、吐出孔4,5
を経て吐出されるが、その際各吐出孔4,5は口
金面6への垂線に対して等しく傾斜し、口金面6
直後の1点において両吐出孔の延長線が交わるよ
うに口金面6上で適正間隔を介して穿設してある
ため、高粘度成分Aと低粘度成分Bは各々の吐出
孔4,5を出た後1点において接合することがで
きる。 一方、第2図の場合、高粘度成分Aと低粘度成
分Bは各々単独に導入孔2,3に導入され口金1
内で合流、貼り合わされて吐出孔4より吐出され
るが、導入孔3は導入孔2よりも孔径が小さく、
かつ導入孔2と交わるように穿設されているた
め、高粘度成分Aと低粘度成分Bは口金内で合
流、貼り合わせられ吐出孔4より吐出される。 第2に重要なことは、ポリエチレンテレフタレ
ートの〔η〕が0.34〜0.45であることが大切で
ある。 この〔η〕が0.34より小であれば溶融紡糸時
の糸切れあるいは、紡糸口金面の汚れにより紡糸
が出来なくなり、一方、0.45を越えると紡糸性は
良くなるが、次の延伸熱処理工程にて充分な分子
配向と熱処理が高速度(2000m/mm)以上で行え
なく捲縮率は低下する。つまり、コンジユゲート
本来の熱応力差を十分発揮させるには低〔η〕
側、即ち、ポリエチレンテレフタレート側を十分
に熱セツトし、熱収縮を低くする必要があるが、
ポリエチレンテレフタレートの〔η〕が0.45以
上になると十分な熱セツトを行なう為には熱処理
温度を高温にすることが必要となりポリブチレン
テレフタレートの熱応力が低下したり、あるいは
融着を起こしたりして、実際上延伸加工が困難と
なる。従つて、低〔η〕側のポリエチレンテレフ
タレートの熱セツト性を考慮した場合、ポリエチ
レンテレフタレートの固有粘度〔η〕の低いも
の程熱セツト性は良好であり、本発明のポリエチ
レンテレフタレートの〔η〕の範囲(0.34〜
0.45)であればポリブチレンテレフタレートの熱
応力を低下させることなく、又、融着を起こさせ
ることなく充分熱セツトが可能となり、両成分間
に大きな熱応力差、収縮差を生じさせ、捲縮率を
向上させることが出来る。 第3に重要なことは、サイド・バイ・サイド2
成分間の固有粘度差△〔η〕(ポリブチレンテ
レフタレートの固有粘度〔η〕―ポリエチレン
テレフタレートの固有粘度〔η〕)が0.20〜
0.60であることが必要である。△〔η〕が0.20
より低いと、糸条の強度が低く、又、両成分間の
熱応力差が低くなり、充分な潜在捲縮能を与える
ことができない。 又、△〔η〕が0.60より大きくなるとポリエ
チレンテレフタレート側へのニーリング現象が発
生し、安定した紡糸が出来なくなり、さらに高速
で十分な高配向の延伸糸が得られず、その結果、
高捲縮加工糸とはなり得ない。又、この様な紡出
糸を高配向にしようとすると高速では糸切れが多
く、生産性をはなはだ悪くする。 尚、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレ
ンテレフタレートの比率(重量比率)は30%:70
%〜70%:30%迄は任意に調整し得る。 第4に、延伸熱処理後の糸の伸度が20〜35%で
あることが大切である。これは次の空気押込ノズ
ルに入る前の伸度が35%を越えるとポリブチレン
テレフタレートの配向度が充分上つてない状態に
あるので、空気押込ノズル中で高温加熱空気(又
は加熱蒸気)により捲縮発現する時、熱応力が不
足し、捲縮度が上らなくなると共に、力学的特性
も不十分で“ひげ”斑が発生しやすい。一方、20
%未満の伸度に延伸すると2000m/mm以上での延
伸性が悪く、毛羽、ラツプが多く発生し、操業上
問題となる。 第5に、延伸後の熱処理温度は150〜220℃で
0.05秒以上必要である。熱処理温度が150℃未満
になると次の工程である空気押込ノズル中で糸は
大きく収縮し強度が低下し、又、伸度が大きくな
り、織編物にした時“ひけ”現象が発生しやす
い。一方、210℃を越えると、前記の熱収縮は低
下するが、強度、伸度低下を招くばかりでなく、
〔η〕差によるコンジユケート本来の熱応力差
が低下し、捲縮性も低下する。 又、熱処理時間は0.05秒以上が必要であり、好
ましくは0.1秒間程度である。熱処理時間が0.05
秒より短かくなると延伸糸の結晶化が十分起こら
ず、従つて次の空気加工での熱収縮が大となり好
ましくない。 第6に、加熱空気又は蒸気温度が160〜240℃で
あることが好ましい。ノズル加熱空気が160℃未
満になると延伸熱処理された糸がノズル中で捲縮
発現するに十分でなく、従つて高捲縮糸とならな
い。又、この温度が240℃を越えると、ノズル中
での糸の収縮率が大きくなり、強度低下と高伸度
になるため、織物で“ひけ”が発生したり、又、
糸の収縮率が大といつた原因により収縮斑が大と
なり、染着斑及び捲縮率の斑となる。従つてここ
ではポリブチレンテレフタレートの熱安定性も考
慮して、延伸熱処理温度より10℃〜50℃位高温の
加熱流体を用いるのが好ましい。 本発明において、紡糸速度については特に限定
しないが、紡糸速度より加工速度の方が糸の捲縮
発現性能、力学的特性に及ぼす影響が大きいこと
から、紡糸直加工(SDTY)では紡糸速度として
は500〜1500m/mmがより好ましく、延伸直加工
(DTY)では加工速度が2000〜4500m/mmの範囲
であれば紡糸速度は、紡出糸に配向を起こさない
低紡速領域から部分配向を起こすPOY領域(約
4000m/mm)までの範囲で任意に選択しうる。こ
の紡糸速度は複合紡出糸のポリエチレンテレフタ
レート側の〔η〕が高くなると低紡糸速度側に
高捲縮性能に与える紡糸速度が存在し、一方、こ
の〔η〕が低くなると高捲縮性能を与える紡糸
速度は、高紡糸速度側にシフトする。しかし、条
件,で限定した〔η〕及び△〔η〕を満
足すれば、DTY又はSDTYで紡糸速度に多少の制
約があるものの高捲縮の加工糸となりうる。この
紡糸速度が500m/mm未満になると、SDTYでは高
速加工のメリツトが出せないし、又、特にPOY
―DTYでは複合紡出糸の糸質の経時変化が大き
く、安定した加工及び加工糸品質を得ることが困
難である。一方、SDTYにおいては1500m/mmを
越える紡出糸は高捲縮象性能を得ることができな
いばかりか、強度の低下が大きくなり、高速加工
に適さない。 以上述べたように、本発明によれば衣料用途に
適する高捲縮性能を有し、特に伸縮性に優れた加
工糸を高能率下に安定して製造できるノントルク
捲縮加工法が提供される。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明で捲縮率を表わすTC2,TC10(%)は以下の
測定法で行なつたものである。 TC2又はTC10=1−2/0×100(%) 試料に50mg/deの張力をかけて約3000deになる
迄巻き(片側1500de)のかせをつくる。かせ作
成後2mg/deと200mg/de相当の荷重を負荷し、1
分経過後の長さ0(cm)を測定する。0測定
後200mg/de相当荷重を除去し2mg/deを負荷した
状態(但し、TC10の場合は更に8mg/de相当荷重
を加えて合計10mg/de相当荷重を負荷した状態)
で100℃沸水中で20分間処理する。沸水処理後直
ちに全荷重を除去し、24時間フリー状態で40℃以
下で自然乾燥する。自然乾燥後の試料に再び2
mg/deと200mg/de相当の荷重を負荷し1分間経過
後の長さ1(cm)を測定する。1測定後直ち
に200mg/de相当荷重を除去し、1分間経過後の
長さ2(cm)を測定し、前記の算出式により
TC2又はTC10を算出する。 実施例 1 本実施例では第1図に示す紡糸口金を用いて紡
糸し、加工糸として最終的に145〜158デニールの
48フイラメントとなるよう紡糸吐出量をコントロ
ールした。加工糸評価としては該加工糸を筒編し
染上げを行なつたものについて風合、“ひけ”、染
斑について肉眼で判定した。これらの結果を表―
1に示した。 尚、本実施例においてポリエチレンテレフタレ
ートとポリブチレンテレフタレートとの重量比が
50%:50%の比率になるよう調節して紡糸した。
【表】
【表】
表―1において実験No.2,3は紡糸口金構造の
検討であるが、第2図に示す従来タイプの口金を
用いたNo.2ではニーリングが発生し、紡出糸が口
金面に付着し、紡糸ができなかつた。一方No.3で
は第1図に示す分離型複合紡糸口金を用いた例で
あり、ニーリングの発生もなく安定して紡糸でき
た。 実験No.1,3〜5はポリエチレンテレフタレー
トの〔η〕の検討であるが、No.1の様にポリエ
チレンテレフタレート側の〔η〕が0.30の様に
低くなると紡糸出来ない。又、この〔η〕が、
0.60の様に高くなり過ぎると、No.5の如く、十分
な延伸が出来なく、又、熱処理効果も低い為か
TCは低いものしか得られず、風合的にみフイラ
メント様で良くなかつた。 実験No.6〜9は△〔η〕の検討であるが、△
〔η〕が0.15と低いNo.6や△〔η〕が0.65と
高いNo.9では安定した紡糸が出来なかつた。 実験No.10〜14は延伸熱処理後の伸度についての
検討であるが、この伸度が20%以下ではNo.10の如
く加工性が悪く、連続化出来ず、又、この伸度が
No.13,14のように35%を越えると、TCが低く、
更に伸度が大となつて伸びやすい糸となり“ひ
け”、染の面でも良くなかつた。 実験No.15〜18は熱処理温度(ホツトローラー)
の検討であるが、この温度が130℃と低い場合は
次のノズル中で高収縮化し、TCが低く、又、高
伸度の加工糸となりやすい。一方、No.18のように
210℃を越えるとポリブチレンテレフタレートの
熱安定性も原因しているが、安定加工出来なかつ
た。 実験No.19〜21はホツトローラーでの熱処理時間
の検討であるが、No.19の如く0.03秒と余りにも短
かい場合にはセツト効果がなくTCが低くなり、
又、斑が若干認められた。 実験No.22〜27はノズル温度の検討であるが表か
ら明らかな様に、ホツトローラー温度と同様低く
なりすぎても、高くなりすぎても良くない。 No.22,23のようにノズル温度が低い場合は低
TC化し、斑の面でも良くなかつた。No.27のよう
に高くなりすぎると安定加工が出来ない。 実験No.28〜32は紡糸速度についての検討である
が、SDTYの場合、表に示す如く、ほぼ500〜
1500m/mmの紡糸速度においては、ほぼ良好な捲
縮加工糸を得ることが出来る。但し、500m/mm未
満になると紡糸直結のメリツトが出なくなるし、
又、1500m/mmを越すとTC、強度低下を招きやす
い。一方、DTYで空気押込加工する場合はNo.31
の如く、紡糸速度3000m/mmのPOY領域でも良好
な捲縮糸を得ることができるので、生産性を考慮
して紡糸を決めることが望ましい。 実施例2,比較例 実施例1において風合、ひけ、斑の評価につい
て良好であつた実験No.4,17,29について平織物
を作成し、ストレツチ性を評価した。市販の普通
織機を用い、平織組織で経26.4本/cm、緯25.9
本/cmの密度で、経糸として市販のポリエチレン
テレフタレートのワンヒーター仮撚糸(150de/
48fil)を使用し、緯糸として、本発明の複合捲縮
糸(No.4,17,29)を使用して織成し生機を得
た。得られた生機を100℃リラツクス精練(20分
間)―160℃プレセツト(45秒間)−130℃高圧染
色(60分間)−180℃フアイナルセツト(45秒間)
の工程を経て伸縮性織物を得た。この伸縮性織性
を緯糸方向について長さ30cm、幅5cmの試料を作
成し、初荷重50gを負荷して試料長さ方向の中心
部から、各10cmの所に印をつける(印間の長さは
20cmとなる)。この試料の一端を幅6cmのチヤツ
クで挾み固定し、更に他端を幅6cmのチヤツクで
挾むと共にチヤツクの重量(50g)を合せて1.5
Kgとなる荷重を掛け、5秒間経過後の長さL1
(mm)を測定し、次いで除重(1.45Kg)後1分経
過後の長さL2(mm)を測定し、次式により伸長
率及び歪率を算出した。 伸長率(%)=L1−200/200×100 歪率(%)=L2−200/200×100 また、比較例として緯糸にも市販のポリエチレ
ンテレフタレートのワンヒーター仮撚糸
(150de/48fil)を使用した他は実施例と同様に
織物を作成しストレツチ性を評価した。 得られた伸長率,歪率の結果を表―2に示す。
検討であるが、第2図に示す従来タイプの口金を
用いたNo.2ではニーリングが発生し、紡出糸が口
金面に付着し、紡糸ができなかつた。一方No.3で
は第1図に示す分離型複合紡糸口金を用いた例で
あり、ニーリングの発生もなく安定して紡糸でき
た。 実験No.1,3〜5はポリエチレンテレフタレー
トの〔η〕の検討であるが、No.1の様にポリエ
チレンテレフタレート側の〔η〕が0.30の様に
低くなると紡糸出来ない。又、この〔η〕が、
0.60の様に高くなり過ぎると、No.5の如く、十分
な延伸が出来なく、又、熱処理効果も低い為か
TCは低いものしか得られず、風合的にみフイラ
メント様で良くなかつた。 実験No.6〜9は△〔η〕の検討であるが、△
〔η〕が0.15と低いNo.6や△〔η〕が0.65と
高いNo.9では安定した紡糸が出来なかつた。 実験No.10〜14は延伸熱処理後の伸度についての
検討であるが、この伸度が20%以下ではNo.10の如
く加工性が悪く、連続化出来ず、又、この伸度が
No.13,14のように35%を越えると、TCが低く、
更に伸度が大となつて伸びやすい糸となり“ひ
け”、染の面でも良くなかつた。 実験No.15〜18は熱処理温度(ホツトローラー)
の検討であるが、この温度が130℃と低い場合は
次のノズル中で高収縮化し、TCが低く、又、高
伸度の加工糸となりやすい。一方、No.18のように
210℃を越えるとポリブチレンテレフタレートの
熱安定性も原因しているが、安定加工出来なかつ
た。 実験No.19〜21はホツトローラーでの熱処理時間
の検討であるが、No.19の如く0.03秒と余りにも短
かい場合にはセツト効果がなくTCが低くなり、
又、斑が若干認められた。 実験No.22〜27はノズル温度の検討であるが表か
ら明らかな様に、ホツトローラー温度と同様低く
なりすぎても、高くなりすぎても良くない。 No.22,23のようにノズル温度が低い場合は低
TC化し、斑の面でも良くなかつた。No.27のよう
に高くなりすぎると安定加工が出来ない。 実験No.28〜32は紡糸速度についての検討である
が、SDTYの場合、表に示す如く、ほぼ500〜
1500m/mmの紡糸速度においては、ほぼ良好な捲
縮加工糸を得ることが出来る。但し、500m/mm未
満になると紡糸直結のメリツトが出なくなるし、
又、1500m/mmを越すとTC、強度低下を招きやす
い。一方、DTYで空気押込加工する場合はNo.31
の如く、紡糸速度3000m/mmのPOY領域でも良好
な捲縮糸を得ることができるので、生産性を考慮
して紡糸を決めることが望ましい。 実施例2,比較例 実施例1において風合、ひけ、斑の評価につい
て良好であつた実験No.4,17,29について平織物
を作成し、ストレツチ性を評価した。市販の普通
織機を用い、平織組織で経26.4本/cm、緯25.9
本/cmの密度で、経糸として市販のポリエチレン
テレフタレートのワンヒーター仮撚糸(150de/
48fil)を使用し、緯糸として、本発明の複合捲縮
糸(No.4,17,29)を使用して織成し生機を得
た。得られた生機を100℃リラツクス精練(20分
間)―160℃プレセツト(45秒間)−130℃高圧染
色(60分間)−180℃フアイナルセツト(45秒間)
の工程を経て伸縮性織物を得た。この伸縮性織性
を緯糸方向について長さ30cm、幅5cmの試料を作
成し、初荷重50gを負荷して試料長さ方向の中心
部から、各10cmの所に印をつける(印間の長さは
20cmとなる)。この試料の一端を幅6cmのチヤツ
クで挾み固定し、更に他端を幅6cmのチヤツクで
挾むと共にチヤツクの重量(50g)を合せて1.5
Kgとなる荷重を掛け、5秒間経過後の長さL1
(mm)を測定し、次いで除重(1.45Kg)後1分経
過後の長さL2(mm)を測定し、次式により伸長
率及び歪率を算出した。 伸長率(%)=L1−200/200×100 歪率(%)=L2−200/200×100 また、比較例として緯糸にも市販のポリエチレ
ンテレフタレートのワンヒーター仮撚糸
(150de/48fil)を使用した他は実施例と同様に
織物を作成しストレツチ性を評価した。 得られた伸長率,歪率の結果を表―2に示す。
【表】
表―2に示したように、いずれもかなりの伸長
率と回復率を有し、染斑、ひけのない、風合的に
もすぐれた伸縮性織物を得ることができた。 織物伸長率と使用した捲縮加工糸の捲縮率
TC10は、複合成分であるポリエチレンテレフタ
レートとポリブチレンテレフタレートの〔η〕
の組合せが同一であればかなりの相関が認められ
るが、いずれにしてもTC10が10%以上あれば前
述の織物伸長率でほぼ20%以上のものが得られる
ことがわかつた。 以上の実施例で明らかな如く、本発明の〜
の条件を満足すれば、高捲縮性能を有する、特に
伸縮性に優れた加工糸を2000m/mm以上の速度で
効率よく生産することができる。
率と回復率を有し、染斑、ひけのない、風合的に
もすぐれた伸縮性織物を得ることができた。 織物伸長率と使用した捲縮加工糸の捲縮率
TC10は、複合成分であるポリエチレンテレフタ
レートとポリブチレンテレフタレートの〔η〕
の組合せが同一であればかなりの相関が認められ
るが、いずれにしてもTC10が10%以上あれば前
述の織物伸長率でほぼ20%以上のものが得られる
ことがわかつた。 以上の実施例で明らかな如く、本発明の〜
の条件を満足すれば、高捲縮性能を有する、特に
伸縮性に優れた加工糸を2000m/mm以上の速度で
効率よく生産することができる。
第1図は本発明にて用いる分離型複合紡糸口
金、第2図は従来の複合紡糸口金を示す縦断側面
図である。 A…高粘度ポリマー成分、B…低粘度ポリマー
成分、1…口金本体、2,3…導入孔、4,5…
吐出孔、6…口金面。
金、第2図は従来の複合紡糸口金を示す縦断側面
図である。 A…高粘度ポリマー成分、B…低粘度ポリマー
成分、1…口金本体、2,3…導入孔、4,5…
吐出孔、6…口金面。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 成分の一方がポリエチレンテレフタレートで
あり、もう一方の成分がポリブチレンテレフタレ
ートであるサイド・バイ・サイド複合繊維を溶融
紡糸し、延伸後熱処理し引続き加熱流体押込ノズ
ルにより捲縮発現加工する紡糸直結加工、又は、
一旦巻取つた紡出糸を延伸・熱処理に引続き加熱
流体押込ノズルにより捲縮発現加工する延伸直結
加工において以下の〜の条件を満足する如く
加工することを特徴とする、高伸縮性を有するノ
ントルク捲縮加工糸の製造法。 条件 〜 サイド・バイ・サイド複合繊維の溶融紡糸用
口金としてポリエチレンテレフタレートとポリ
ブチレンテレフタレートとを各々独立して吐出
し、口金面を出た直後に接合してサイド・バ
イ・サイド型の複合繊維を形成せしめるように
した分離型複合紡糸口金を用いる。 サイド・バイ・サイドのポリエチレンテレフ
タレートの固有粘度〔η〕が0.34〜0.45であ
ること。 サイド・バイ・サイド2成分間の固有粘度差
△〔η〕(ポリブチレンテレフタレートの固
有粘度〔η〕−ポリエチレンテレフタレート
の固有粘度〔η〕)が0.20〜0.60であるこ
と。 延伸熱処理後の伸度が20〜35%であること。 延伸後の熱処理温度が150〜210℃で0.05秒以
上処理すること。 加熱流体押込ノズルにおける加熱空気又は蒸
気温度が160〜240℃であること。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10881181A JPS5813720A (ja) | 1981-07-14 | 1981-07-14 | 高伸縮性を有するノントルク捲縮加工糸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10881181A JPS5813720A (ja) | 1981-07-14 | 1981-07-14 | 高伸縮性を有するノントルク捲縮加工糸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5813720A JPS5813720A (ja) | 1983-01-26 |
JPS6115168B2 true JPS6115168B2 (ja) | 1986-04-23 |
Family
ID=14494086
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JPS5813720A (ja) |
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1981
- 1981-07-14 JP JP10881181A patent/JPS5813720A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS5813720A (ja) | 1983-01-26 |
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