JPS6244050B2 - - Google Patents

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JPS6244050B2
JPS6244050B2 JP56141630A JP14163081A JPS6244050B2 JP S6244050 B2 JPS6244050 B2 JP S6244050B2 JP 56141630 A JP56141630 A JP 56141630A JP 14163081 A JP14163081 A JP 14163081A JP S6244050 B2 JPS6244050 B2 JP S6244050B2
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JP
Japan
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component
yarn
false twisting
crimped yarn
mol
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JP56141630A
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JPS5846129A (ja
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Toshimasa Kuroda
Seiji Ishii
Tatsuya Shibata
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Priority to US06/399,148 priority patent/US4473996A/en
Priority to DE8282303741T priority patent/DE3276243D1/de
Priority to EP82303741A priority patent/EP0070703B1/en
Publication of JPS5846129A publication Critical patent/JPS5846129A/ja
Publication of JPS6244050B2 publication Critical patent/JPS6244050B2/ja
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は伸縮性に優れ、特に伸縮織物用に適し
たポリエステル複合捲縮糸条、及びその製造方法
に関するものである。 近年織編物の機能性に対する要求が高まりつつ
あるが、なかでも伸縮性能に対する要求は一段と
強くなつてきている。これは織編物の伸縮性能が
衣服着用時の着ごこちと圧迫感との間に密接な関
係を持つており、伸縮性能が良好なものは、身体
各部の動きに織編物の伸び縮みが容易に追従出来
るため圧迫感がなく、活動が円滑に行なえる利点
があり、更にシワになりにくいと言つた長所を持
つていることから来るものである。 織編物に伸縮性を持たせる場合、編物は構成組
織がルーズであるため、通常の仮撚加工糸等を用
いても比較的容易に伸縮性を付与させることが出
来るが、織物は編物に比べ構成組織が密なため、
通常の仮撚加工糸を用いても充分満足出来る伸縮
織物は得られない。しかしながら織物には編物で
は得られない他の特徴、例えば風合、光沢につい
て編物にはない優れた面を有しているので、これ
らの織物の特徴を生かした上で更に伸縮性能を付
与することが切に要望されてきた。 前記の如き要求に対し、織物の伸縮性能を高め
る方法としては従来より数多く提案がなされてい
る。例えばウレタン、ゴム等の伸縮性に優れた弾
性糸素材を一部混入する方法が用いられている
が、ウレタン、ゴム等が高価であるばかりか、こ
れらはあまりにも伸び易く、それら単独では織成
が不可能であり、使用に際しては伸縮性の低い糸
条で撚糸をカバリング材として用い、伸びを制限
しなければならない。このため撚糸の如きはなは
だ非能率且つ繁雑な工程を必要とし織物製造コス
トが高くなると言う欠点がある。 本発明者らはかかる従来の問題点を解消し、伸
縮性に優れた織物を得るための糸条をより安価に
提供せんとして鋭意研究を重ねた。 まず手はじめに、各種の捲縮糸条を作成して、
それらを織物にしたときの織物の伸長率と捲縮糸
条の諸特性値との関係を詳細に検討した。捲縮糸
条の諸特性値のうち、特に本発明者等の注意をひ
いたのは、高荷重下での沸水処理時の捲縮率であ
つた。種々の捲縮糸条について、沸水処理時の荷
重を種々変更して捲縮率を測定し、沸水処理時の
荷重と捲縮率との関係をグラフにプロツトすると
第1図のようになる。第1図からも明らかなよう
に、低荷重下では同程度の捲縮率を示す糸条イ,
ロにおいても、高荷重下では異なる値を示した
り、ハの糸条にみられる如く低荷重下では他の糸
条に比べ低い捲縮率を示すが、高荷重下では高い
値となるもの等、それぞれ沸水処理時の荷重の変
化に対して異なる挙動を示す糸条があることが判
明した。そして織物とした場合はロ,ハの如く高
荷重下での捲縮率が高い糸条の方が、大きい伸長
率を示すことが判つた。 そこで上記知見をもとに伸長率に優れた織物に
適した捲縮糸条を提供せんとし、高荷重下での沸
水処理時の捲縮率が高い糸条を得るべく更に検討
を重ねた結果、ポリブチレンテレフタレートとポ
リエチレンテレフタレートとをある特定の条件で
サイドバイサイド型、あるいは偏心シースコア型
の複合繊維となし更に特定の条件下で仮撚加工を
施せば良いことを見出し、本発明に到達した。 即ち、本願の第1の発明は、80モル%以上のポ
リブチレンテレフタレートから成るA成分と80モ
ル%以上のポリエチレンテレフタレートから成る
極限粘度〔η〕Bが0.55以下のB成分とが30:70〜
70:30の比率でサイドバイサイド型あるいは偏心
シースコア型に複合され且つ仮撚捲縮が付与され
ているフイラメントから成るマルチフイラメント
の捲縮糸条であつて、10mg/deの荷重下で沸水
処理を施した時の捲縮率TC10が10%以上である
ことを特徴とするポリエステル複合捲縮糸条であ
り、更に第2の発明は、80モル%以上のポリブチ
レンテレフタレートから成るA成分と80モル%以
上のポリエチレンテレフタレートから成り且つ極
限粘度〔η〕Bが0.55以下であるB成分とが30:70
〜70:30の比率でサイドバイサイド型あるいは偏
心シースコア型に複合紡糸されているフイラメン
トから成るマルチフイラメントを仮撚加工用原糸
として用い、下記(i),(ii)式を同時に満足する条件
でシングルヒーター仮撚加工することを特徴とす
るポリエステル複合捲縮糸条の製造方法 (i) TW≧24380/√ (ii) 185+50〔η〕B≧T≧170 但し、 TW:仮撚数(T/M) De:仮撚加工後の糸条総デニール T:仮撚ヒーター温度(℃) 〔η〕B:B成分の極限粘度 である。 本発明の捲縮糸条の最も大きな特徴は、高荷重
下即ち10mg/deの荷重下で沸水処理を施した時
の捲縮率TC10が10%以上であるということであ
る。 第2図は、捲縮糸条の10mg/deの荷重下で沸
水処理を施した時の捲縮率TC10と該捲縮糸条を
用いて製織した織物の伸長率との関係を示すグラ
フであるが、捲縮糸条の捲縮率TC10と織物の伸
長率との間に極めて密接な関係があることがわか
る。特に伸縮織物として実用上充分満足できる織
物は18%以上の伸長率を有していることが要求さ
れるが、第2図に示している如く伸長率18%以上
の織物を得るには糸条の捲縮率TC10を10%以上
とする必要がある。 このように、高荷重下で沸水処理を施した時の
捲縮率TC10と織物の伸長率との間に密接な相関
関係が成立する理由は、生機のリラツクス、染色
工程における縮みが糸条の捲縮発現力と関係する
所が大きく、高荷重下での捲縮発現力が大きい捲
縮糸程、高い伸びを有する織物が得られることに
なるものと推測される。 このように、捲縮率TC10が10%以上の捲縮糸
条を得るには、80モル%以上、好ましくは90モル
%以上のポリブチレンテレフタレートから成るA
成分と80モル%以上、好ましくは90モル%以上の
ポリエチレンテレフタレートから成るB成分とを
30:70〜70:30のサイドバイサイド型、あるいは
偏心シースコア型に複合されており、且つB成分
の極限粘度〔η〕Bは0.55以下となされたフイラメ
ントから成るマルチフイラメント(以下、複合糸
条と称することがある)を用いることが必要であ
る。 本発明におけるA成分は80モル%以上、好まし
くは90モル%以上のポリブチレンテレフタレート
で構成されている必要がある。ポリブチレンテレ
フタレートが80モル%未満になると染色性におい
て耐洗濯性、耐候性等が低下するという問題が発
生するので避けなければならない。一方、B成分
は80モル%以上、好ましくは90モル%以上のポリ
エチレンテレフタレートで構成されていることが
必要である。ポリエチレンテレフタレートが80モ
ル%未満になると本発明の目的とする捲縮率
TC10が10%以上の捲縮糸条が得られなくなる。 上述のポリブチレンテレフタレートには20モル
%以下、好ましくは10モル%以下の割合で第3成
分、例えばイソフタル酸、フタル酸、メチルテレ
フタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸類や、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール等のジグリコール類を共重
合させても良く、又少量の他の重合体や酸化チタ
ン、炭酸カルシユーム等の艷消剤、その他の公知
の添加剤を含有していても良い。 又ポリエチレンテレフタレートには20モル%以
下、好ましくは10モル%以下の割合で第3成分、
例えば前述のジカルボン酸類やトリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等のジグリコール類を共重合させて
も良く、又少量の他の重合体や酸化チタン、炭酸
カルシウーム等の艷消剤、その他の公知の添加剤
を含有していても良い。 ポリブチレンテレフタレートから成るA成分と
ポリエチレンテレフタレートから成るB成分とを
サイドバイサイド型、あるいは偏心シースコア型
に複合紡糸するには、従来公知の紡糸口金、例え
ば特公昭43―19108号、特公昭41―16125号公報に
記載されている紡糸口金を用いて溶融紡糸するこ
とによつて容易に紡糸することが出来る。特にサ
イドバイサイド型複合糸条を得る場合は実公昭42
―19536号公報に記載されているように吐出直後
の両成分ポリマーを口金直下で接合させるように
した口金を用いると安定に紡糸することが出来
る。即ち、溶融流動粘度の異なるポリマーを同一
吐出比率で同一孔から押し出した場合、流動粘度
の低いポリマーは流動粘度の高いポリマーよりも
吐出線速度が速くなり、吐出された複合糸条が吐
出直後屈曲し、口金面に付着するいわゆるニーイ
ング現象が生じ、紡糸安定性を低下させる原因と
なる。ところが実公昭42―19536号公報に記載さ
れている口金を用いれば、各吐出ポリマーの溶融
流動粘度が異なつていても、複合時の速度がほぼ
同一となるため、ニーイング現象は起らず安定し
た紡糸が可能となる。 ポリブチレンテレフタレートから成るA成分と
ポリエチレンテレフタレートから成るB成分の複
合糸条にしめる重量割合即ちA,B両成分の吐出
比率は紡糸安定性の面を考慮して、A成分比率が
30〜70%、好ましくは35〜65%、B成分比率が70
〜30%、好ましくは65〜35%の割合にすれば良
い。 尚、偏心シースコア型複合紡糸におけるA成分
とB成分の配置については、特に限定する必要は
ないが、染色耐久性を考慮して、染色耐久性に優
れたポリエチレンテレフタレートから成るB成分
をシース部、ポリブチレンテレフタレートから成
るA成分をコア部に配置するのが好ましい。 次に本発明のポリエステル複合捲縮糸条を製造
する上で最も重要なことはポリエチレンテレフタ
レートから成るB成分の極限粘度〔η〕Bであり、
B成分の極限粘度〔η〕Bは0.55以下とする必要が
ある。B成分の極限粘度〔η〕Bが0.55以下の場合
10mg/de荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率
TC10が高い捲縮糸条が得られるが、B成分の極
限粘度〔η〕Bが0.55以下となすのが良好なる理由
については後述する仮撚加工にて述べる。 又ポリブチレンテレフタレートから成るA成分
の極限粘度〔η〕Aについては特に限定されるもの
ではないが、ポリエチレンテレフタレートから成
るB成分と複合紡糸した際A成分のポリブチレン
テレフタレートの分子配向度がB成分のポリエチ
レンテレフタレートの分子配向度よりも高くな
り、延伸あるいは仮撚加工後の捲縮、伸縮等の力
学特性はポリブチレンテレフタレートから成るA
成分の特性に寄因する所が大きい。そのため本発
明のポリエステル複合捲縮糸条の織成、あるいは
織物の力学的機能を保持するためにはA成分の極
限粘度〔η〕Aは0.7以上、好ましくは0.8以上にす
ることが望ましい。かくして複合紡糸された糸条
は冷却流体によつて冷却した後ローラーを介して
一定速度で巻取る。次いで所定の延伸倍率で延伸
した後仮撚加工に供する。この場合紡糸引取速度
を比較的速い速度、例えば2000m/分以上の速度
で巻取つた未延伸糸条を延伸仮撚加工に供するこ
とも出来る。この延伸仮撚加工法によると経済的
に有利となるばかりか捲縮率TC10を高くするた
めにも効果がある。この場合得られた未延伸糸条
の切断伸度は60〜200%にするのが良い。もちろ
ん紡糸、延伸、仮撚加工の各工程を適宜連続化し
ても良いことはいうまでもない。 本発明のポリエステル捲縮糸条を製造するにお
いて最も重要なことは下記の条件でシングルヒー
ター仮撚加工することである。 (i) TW≧24380/√ (ii) 185+50〔η〕B≧T≧170 但し、 TW;仮撚数(T/M) De;仮撚加工後の糸条総デニール T;仮撚ヒーター温度 〔η〕B;B成分の極限粘度 従来よりポリブチレンテレフタレートとポリエ
チレンテレフタレートとをサイドバイサイド型、
あるいは偏心シースコア型に複合紡糸した糸条は
2成分間に潜在的熱収縮能を有しており、捲縮が
発現することは特公昭43―19108号公報等におい
てすでに知られている。 しかしながら、このように複合紡糸、延伸した
糸条を単に弛緩熱処理するのみでは高荷重下で沸
水処理を施した時の捲縮率が高い捲縮糸条は得ら
れない。更に特開昭51―84924号公報に記載され
ている方法では、伸縮性に優れた織物が得られな
いばかりか、弛緩熱処理時の熱セツト斑に起因す
る染色斑の発生、あるいは弛緩熱処理時の大幅な
糸条収縮に起因する織物の緯ヒケの発生等、重大
な問題をかかえており、商品価値のある織物を得
ることが困難である。又特開昭51―67421号公報
には、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレ
ンテレフタレートとをサイドバイサイド型、ある
いは偏心シースコア型に複合させた糸条を2ヒー
ター仮撚加工に付すことが開示されている。しか
しながら仮撚後弛緩熱処理する2ヒーター仮撚加
工では、高荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率
が低くなつてしまい、本発明の高荷重下で沸水処
理した時の捲縮率が高い捲縮糸条を得ることは出
来ない。ところがポリブチレンテレフタレートと
極限粘度が0.55以下であるポリエチレンテレフタ
レートから成るサイドバイサイド型、あるいは偏
心シースコア型複合糸条に上記特定条件範囲でシ
ングルヒーター仮撚加工を施すと、高荷重下即ち
10mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の捲縮
率TC10が10%以上の捲縮糸条が得られるのであ
る。 仮撚加工時の仮撚数TW(T/M)は仮撚糸条
の糸条総デニールによつて調整する必要があり
24380/√(T/M)以上、好ましくは
29250/√(T/M)以上に設定することによ
つてTC10が8%以上のものが得られる。仮撚数
の上限については特に限定されないが、仮撚加工
安定性、即ち加工糸の毛羽、加工時断糸、更には
加工糸切断強度等を考慮して39000/√(T/
M)以下とするのが好ましい。 仮撚ヒーター温度については第3図に示す如く
170℃以上であり且つ185+50〔η〕Bで算出される
値より低くする必要がある。仮撚ヒーター温度が
170℃以下ではTC10が10%以上のものは得られな
い。 又、185+50〔η〕Bで算出される値より高い場
合、B成分のポリエチレンテレフタレートの分子
配向がA成分のポリブチレンテレフタレートに制
限されて充分行なわれていないため、仮撚加工後
に非解撚部を有する糸条となりTC10が10%以上
のものが得られない。 尚、仮撚付与装置についてはスピンドル仮撚装
置、摩擦仮撚装置、流体仮撚装置等任意の仮撚装
置を使用することが出来る。 かくして得られた本発明の複合捲縮糸条は、高
荷重下即ち10mg/deの荷重下で沸水処理を施し
た時の捲縮率TC10が10%以上となり、この糸条
を用いて織成した織物は伸長率が18%以上となつ
て極めて良好な伸縮織物が得られる。 更に本発明のポリエステル複合捲縮糸条の製造
に際しては、従来の複合捲縮糸条の捲縮発現熱処
理に採用されているような、高温雰囲気中での高
リラツクス処理工程を経ず、仮撚張力下での緊張
熱セツトを受けるものであるから、熱セツト斑に
起因する染色斑、あるいは高リラツクス処理に起
因する織物中のヒケの問題等はまつたく発生しな
いのである。 本発明のポリエステル複合捲縮糸条が高い捲縮
率TC10を有する原因については未だ充分には解
明されていないが、およそ次のことによると思わ
れる。 即ち、ポリブチレンテレフタレートを主成分と
するA成分とポリエチレンテレフタレートを主成
分とするB成分とをサイドバイサイド型、あるい
は偏心シースコア型に複合紡糸した場合得られた
紡出糸においてA成分の分子配向度がB成分のそ
れに比べ高くなつている。次いで該紡出糸を延伸
して仮撚加工に供する場合、あるいは延伸同時仮
撚する場合、分子配向が比較的近んでいるA成分
はB成分に比べ伸長しにくいため、仮撚中に糸条
単繊維中のA成分側が撚糸中心部側に位置する割
合が多くなる。従つてA成分は撚糸外側に位置し
ているB成分に比べヒーターから受ける熱の量が
少なくなる。更に緊張熱セツトにおける熱応力の
緩和速度はA成分のポリブチレンテレフタレート
の方がB成分のポリエチレンテレフタレートに比
べ遅いため、A成分はB成分に比べより大きな熱
収縮応力を残存することになる。従つて解撚され
ても潜在的に加撚状態、即ち単繊維が微細な捲縮
状態に戻ろうとする力が大きくなり、高い捲縮力
を有することになるものであろう。従つて前記の
考えをもとに本発明で最も注意しなければならな
い点はB成分であるポリエチレンテレフタレート
の熱セツト性である。即ちA成分のポリブチレン
テレフタレートの熱収縮応力を極力消失させない
温度でいかにしてB成分であるポリエチレンテレ
フタレートの熱収縮応力を極大に消失させるかで
ある。その手段として本発明者等はB成分である
ポリエチレンテレフタレートの極限粘度〔η〕B
低くすることが極めて有効であることを見出しポ
リエステル複合糸条の〔η〕Bが0.55以下にした糸
条を仮撚加工することによつて本発明の特徴であ
る10mg/de荷重下で沸水処理を施した時の捲縮
率TC10が10%以上のものを容易に製造すること
に成功したのである。 尚、本発明における10mg/deの荷重下で沸水
処理を施した時の捲縮率TC10、紡出糸条のA成
分、B成分の極限粘度〔η〕A,〔η〕B、仮撚加工
後の糸条総デニールDe及び織物伸長率は次の方
法により測定したものである。 (イ) 10mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の
捲縮率TC10 試料に50mg/deの張力をかけてカセ枠に巻取
り約3000deのカセをつくる。カセ作成後カセの
一端に2mg/de+200mg/deの荷重を負荷し、1
分間経過後の長さ(cm)を測定する。次いで
200mg/deの荷重を除去し8mg/deの荷重を負荷
(即ち試料には10mg/deの荷重が負荷されてい
る)した状態で100℃の沸水中にて20分間処理す
る。沸水処理後直ちに全荷重を除去し、24時間自
由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に再
び2mg/de+200mg/deの荷重を負荷し、1分間
経過後の長さ(cm)を測定する。次いで200
mg/deの荷重を除去し、1分間経過後の長さ
を測定し次の算式で捲縮率TC10を算出する。 TC10(%)=×100 尚、上記測定は捲縮糸条製造後3日以上経過さ
せた後行なうことが必要である。 (ロ) 紡糸糸条のA成分,B成分の極限粘度〔η〕
A,〔η〕B 複合紡糸条件と同一の紡糸条件にてそれぞれ各
成分を単独で吐出させた試料につきオルソクロロ
フエノールの35℃溶液で測定した。 (ハ) 仮撚加工後の糸条総デニール 試料を100mg/deの張力をかけて90mカセ取り
し、その重量を測定しデニール換算した。 (ニ) 織物伸長率 織物の緯方向に長さ30cm,幅5cmの試料を作成
し、試料の中心部から長さ方向、両端部に向つて
各々100mmの位置に印をつける(印間長さは200mm
となる)。ここの試料の一方の端部を幅60mmのチ
ヤツクで狭み固定し、更にもう一方の端部に1.5
Kgの荷重を取付け、5秒間放置後の長さL(mm)
を測定し次式で算出する。 織物伸長率(%)=L−200/200×100 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 市販の複合紡糸機を用い、0.3重量%の酸化チ
タンを含有する極限粘度0.86を有するポリブチレ
ンテレフタレートをA成分とし、0.3重量%の酸
化チタンを含有し極限粘度が0.64,0.57,0.47,
0.37である4種類のポリエチレンテレフタレート
をB成分としそれぞれ組合せて溶融し特公昭43―
19108号公報記載の口金構造で48組の吐出口を有
する口金よりA,B成分の吐出比率50:50で吐出
し、紡糸巻取速度1500m/分,2500m/分、3000
m/分、種々変えて巻取つた。尚吐出量はそれぞ
れ仮撚加工後の総デニールが150デニールとなる
よう調整した。 更に1200m/分の紡糸速度で巻取つた複合糸条
については市販の1段延伸機を用いて延伸後の切
断伸度が30%となるよう延伸した。 次いで前記で得られた複合糸条を市販のシング
ルヒーター式スピンドル仮撚機を用いてヒーター
温度、仮撚数を種々変えて仮撚加工を行ない、ポ
リエステル複合捲縮糸条を得た。尚仮撚加工速度
は120m/分であり、糸条供給速度と引取速度の
比は仮撚加工後の糸条切断伸度がほぼ25%となる
よう調整した。 更に得た捲縮糸条を市販の普通織機を用い、経
糸密度26.5本/cm、緯糸密度25.9本/cmとし経糸
に市販のポリエステルシングルヒーター仮撚糸
150デニール48フイラメント糸条を使用し、緯糸
に前記で作成した捲縮糸条を使用して平織物を作
成した。 次いで平織物を100℃の沸水中で40分間リラツ
クス処理、180℃の熱風中で45秒間のプリセツ
ト、130℃の染色液中で45分間の染色、160℃の熱
風中で45秒間の仕上セツトの工程をへて織物を得
た。 この織物の伸長率を測定した結果、第1表に示
す結果を得た。
【表】
【表】 第1表においてNo.1〜5は本発明の製造方法の
請求範囲であるB成分の極限粘度〔η〕Bが満足し
ておらず、0.55を超えるため仮撚加工時の熱セツ
ト性が悪く捲縮率TC10が10%以上のものは得ら
れず、且つ織物の伸長率も18%以下で伸縮織物と
して不充分である。 No.6〜10,No.15〜16,No.20〜21,No.25〜26,No.
30〜31は本発明の製造方法の請求範囲である仮撚
加工条件中、ヒーター温度が170℃未満と低過ぎ
るため捲縮率TC10が10%以上のものは得られ
ず、且つ織物の伸長率もいずれも18%以下であ
る。又No.14,19,24,29,34は本発明の製造方法
の請求範囲である仮撚加工条件中、ヒーター温度
が高過ぎるため捲縮糸に非解撚部が存在し、捲縮
率TC10も10%以下であり、織物の伸長率も18%
以下である。 実施例でも明らかなように本発明の10mg/de
荷重下で沸水処理を施した時の捲縮TC10が10%
以上有するポリエステル複合捲縮糸は幾れも伸長
率18%以上の伸縮織物が得られることが判る。更
に熟練者5名により織物の光沢、染斑、織ヒケ、
ふくらみ感等の織物品位について官能テストを実
施した結果、No.5,14,19,24,29,34について
はふくらみ感の不足が指摘された以外幾れも良好
との結果を得た。 実施例で明らかな如く、本発明のポリエステル
複合捲縮糸条は高荷重下で沸水処理を施した時の
捲縮率が高いことより、伸縮性に優れた織物を容
易に且つ安価に提供することが可能である。更に
その効果は伸縮性能だけに留ることなく、本発明
のポリエステル複合捲縮糸条はその製造に仮撚加
工を用いていることより、従来のポリエステル複
合捲縮糸条で指摘されている染色斑、織ヒケの問
題をも解決し、商品価値の高い織物を提供するこ
とが出来る。 更に本発明のポリエステル複合捲縮糸条の用途
は織物だけでなく、編物あるいはレースカーテン
等のインテリア分野に使用しても良いことは言う
までもない。 又本発明のポリエステル複合捲縮糸条は実質的
無撚状態で使用しても、又撚糸して使用しても本
発明の特徴を消失してしまうものではない。 更に本発明のポリエステル複合捲縮糸条は必要
に応じて他の素材、例えばポリエステル捲縮糸
条、ポリエステルフラツトヤーン、ナイロン捲縮
糸条、ナイロンフラツトヤーン、あるいは綿糸等
と併用しても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は捲縮糸条に沸水処理を施した時の処理
荷重と捲縮率の関係を示すグラフ。第2図は10
mg/de荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率と
織物の伸長率を示すグラフ。第3図は本発明の捲
縮糸条を製造する場合の糸条の〔η〕Bと仮撚適正
ヒーター温度を示すグラフ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 80モル%以上のポリブチレンテレフタレート
    から成るA成分と80モル%以上のポリエチレンテ
    レフタレートから成る極限粘度〔η〕Bが0.55以下
    のB成分とが30:70〜70:30の比率でサイドバイ
    サイド型あるいは偏心シースコア型に複合され且
    つ仮撚捲縮が付与されているフイラメントから成
    るマルチフイラメントの捲縮糸条であつて、10
    mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率
    TC10が10%以上であることを特徴とするポリエ
    ステル複合捲縮糸条。 2 80モル%以上のポリブチレンテレフタレート
    から成るA成分と80モル%以上のポリエチレンテ
    レフタレートから成り且つ極限粘度〔η〕Bが0.55
    以下であるB成分とが30:70〜70:30の比率でサ
    イドバイサイド型あるいは偏心シースコア型に複
    合紡糸されているフイラメントから成るマルチフ
    イラメントを仮撚加工用原糸として用い、下記
    (i),(ii)式を同時に満足する条件でシングルヒータ
    ー仮撚加工することを特徴とするポリエステル複
    合捲縮糸条の製造方法。 (i) TW≧24380/√ (ii) 185+50〔η〕B≧T≧170 但し、 TW:仮撚数(T/M) De:仮撚加工後の糸条総デニール T:仮撚ヒーター温度(℃) 〔η〕B:B成分の極限粘度 3 仮撚加工用原糸の切断伸度が60〜200%であ
    る特許請求の範囲第2項記載のポリエステル複合
    捲縮糸条の製造方法。 4 仮撚加工がインドロー仮撚加工である特許請
    求の範囲第2項又は第3項記載のポリエステル複
    合捲縮糸条の製造方法。
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