JPS646285B2 - - Google Patents

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JPS646285B2
JPS646285B2 JP4731082A JP4731082A JPS646285B2 JP S646285 B2 JPS646285 B2 JP S646285B2 JP 4731082 A JP4731082 A JP 4731082A JP 4731082 A JP4731082 A JP 4731082A JP S646285 B2 JPS646285 B2 JP S646285B2
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composite crimped
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JP4731082A
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Toshimasa Kuroda
Shinji Oowaki
Tatsuya Shibata
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル複合捲縮糸条に関する。
本発明の目的は伸縮性に優れ、かつ改善された染
色堅牢度を有する伸機織物用に適したポリエステ
ル複合捲縮糸条を提供することにある。 尚、本発明で言う“複合捲縮糸条”とは収縮差
による捲縮(コンジユゲートタイプ)と機械的捲
縮(例えば仮撚捲縮)を併せ有する捲縮糸条を称
する。 近年織編物の機能性、特に伸縮性能に対する要
求が一段と強くなつてきている。この織編物の伸
縮性能は衣服着用時の着心地と圧迫感との間に密
接な関係を有しており、例えば伸縮性能が良好な
ものは、身体各部の動きに織編物の伸び縮みが容
易に追従できるため圧迫感がなく、着用時の活動
が円滑に行なえることになる。 所で、織編物に伸縮性を持たせる場合、編物に
おいては構成組織がルーズであるため、通常の仮
撚加工糸等を用いても比較的容易に伸縮性を付与
させることが出来るが、織物は編物に比べ構成組
織が密なため、通常の仮撚加工糸を用いても充分
満足出来る伸縮織物は得られない。しかしながら
織物には編物では得られない他の特徴、例えば風
合、光沢について編物にはない優れた面を有して
いるので、これらの織物の特徴を生かした上で更
に伸縮性能を付与することが切に要望されてき
た。 以前、本発明者は、かかる着心地の良い伸縮性
織物としては、織物としての伸長率が少くとも15
%以上を有していることが必要であることを突き
止め、この様な織物を得るための糸条としては、
高荷重下での捲縮発現力が高い糸条ほど適してい
ることを知つた。そして、かかる糸条としては、
ポリブチレンテレフタレート(A成分)とポリエ
チレンテレフタレート(B成分)とのサイド−バ
イ−サイド型、又は、偏心シースコア型に複合さ
れていると共に仮撚捲縮が付与されており、10
mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率
TC10が8%以上であるような複合捲縮糸条であ
れば所期の目的を達成できることを確認し、特願
昭56−141630号明細書にて提案した。 かかる複合捲縮糸条は、ポリブチレンテレフタ
レートであるA成分がポリエチレンテレフタレー
トであるB成分よりも大きな熱収縮応力を有する
ため、高荷重下においてさえ加撚状態、即ち単繊
維が微細な捲縮状態に戻ろうとする力が大きく、
高い捲縮力を呈することができるのである。 この様な高い捲縮力を有する複合捲縮糸条によ
つて伸縮性に優れた織物を与えることができる
が、他方、その織物の主たる用途、例えばトレー
ニングウエア、ユニフオーム、アノラツク等の体
育衣料用途には伸縮性能と共に優れた染色堅牢性
も要求され、具体的にはJIS L 0844−1973 A
−2法の「洗たくに対する染色堅牢度試験法」に
準拠して測定した染色堅牢度が4級以上のものが
要求されている。しかしながら、本発明者が提案
した前記糸条では、かかる染色堅牢度が高々3〜
3.5級程度のものしか得られず、体育衣料分野へ
の適用の点では末だ十分なものとは言えないこと
が判明した。 そこで、本発明者はこの染色堅牢度の問題を解
消するべく種々検討を行なつたところ、5−ナト
リウムスルホイソフタレート成分(以下CD成分
と示す)が共重合されたポリブチレンテレフタレ
ートとポリエチレンテレフタレートとを使用し、
塩基性染料によつて染色することによつて染色堅
牢度が著しく向上するのではないかと考察した。 ところが、或る一定量以上のCD成分を共重合
したA成分又はB成分から成る複合捲縮糸条は染
色堅牢度は向上するものの、伸縮性能が劣つた糸
条となつて実用に供し得ないという致命的問題が
生じた。 本発明者は、かかる染色堅牢性及び伸縮性能と
いつた特性を同時に満足する捲縮糸条について鋭
意検討を重ねたところ、A成分及びB成分におけ
るCD成分の共重合量及び極限粘度の値を特定の
範囲に設定することによつて、両方の機能が併存
する捲縮糸条が得られることを究明し、本発明に
到達したものである。 即ち、本発明は主たる構成成分がポリブチレン
テレフタレートであるA成分と主たる構成成分が
ポリエチレンテレフタレートであるB成分とがサ
イド−バイ−サイド型、又は、偏心シースコア型
に複合紡糸された繊維より成る複合捲縮糸条にお
いて、該A成分及びB成分とが下記の〜の条
件を同時に満し、かつ、該複合捲縮糸条のTC10
が8%以上であることを特徴とするポリエステル
複合捲縮糸条である。 A成分は1.0〜3.0モル%の5−ナトリウムス
ルホイソフタレート成分が共重合されているポ
リブチレンテレフタレートであつて、その極限
粘度〔η〕Aが0.6〜1.1である。 B成分は4.0モル%以下の5−ナトリウムス
ルホイソフタレート成分が共重合されているポ
リエチレンテレフタレートであつて、その極限
粘度〔η〕Bが0.35〜0.5である。 〔但し、TC10とは複合捲縮糸条を10mg/deの
荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率である。〕 本発明について更に説明する。 ポリブチレンテレフタレートであるA成分とポ
リエチレンテレフタレートであるB成分とをサイ
ド−バイ−サイド型、又は、偏心シースコア型に
複合紡糸された繊維より成る複合捲縮糸条の特徴
として、ポリブチレンテレフタレート特有の性質
によつて仮撚加工後の捲縮糸条でさえも単繊維中
のA成分はB成分よりも大なる熱収縮応力を有し
ていることが挙げられる。 従つて、高荷重下においてさえA成分は熱によ
つて大きく収縮するので高い捲縮率を呈すること
ができるのである。 他方、かかる捲縮糸条は分散染料によつて染色
されるが、染色物はその染色堅牢性という面では
劣る欠点を有している。 即ち、分散染料の分子はポリマー中でポリマー
鎖と何らかの結合力で結びついているものではな
いため、ポリブチレンテレフタレート繊維の如く
内部構造が比較的“弛い”繊維微細構造を有する
繊維では、洗濯等によつて染料のブリードアウト
が生じ易いからである。 従つて、この様な捲縮糸条の染色堅牢性を向上
させるには、染料分子とポリマー鎖とを何らかの
結合力、例えばイオン結合によつて結びつけるこ
とが有用であり、かかる観点から5−ナトリウム
スルホイソフタレート成分を共重合して染料の染
着座を有するポリマーから成る捲縮糸条を、塩基
性染料で染色することによつて染色堅牢性の向上
を図つたものである。 ところが、CD成分を共重合したポリマーの結
晶性は、ホモポリマーに比して低下するため、か
かる共重合ポリマーから成る繊維は一般に熱収縮
率が増大する傾向にあり、A成分とB成分の組合
せ如何によつては、B成分の熱収縮応力はA成分
のそれに比してその差が極めて小さくなり、この
様な複合糸から成る捲縮糸条からは優れた伸縮性
能を有する織物は得られないのである。この点、
本発明はA成分及びB成分についてCD成分の共
重合割合及び極限粘度を特定の範囲に設定するこ
とによつて上記の熱収縮率に関する問題を克服
し、優れた染色堅牢性と優れた伸縮性能とを有す
る捲縮糸条を得ることができるのである。 以上の説明から明らかなように、本発明におい
て第1に重要な点は、10mg/deの荷重下で沸水
処理を施した時の捲縮率TC10が8%以上、好ま
しくは10%以上であることである。 ここで、捲縮糸条のTC10が8%未満となる場
合、この捲縮糸条を使用した織物の伸長率は15%
未満となるため、身体の動きに織物の伸び縮みが
容易に追従することができなく圧迫感を与えてし
まうのである。 第2に重要な点は、A成分がCD成分を1.0〜3.0
%、好ましくは1.0〜1.8モル%共重合されてお
り、かつA成分の極限粘度〔η〕Aが0.6〜1.1、
好ましくは0.65〜0.9とすることである。 ここで、CD成分の共重合量が1.0モル%未満で
ある場合、塩基性染料の染着座が少なく十分な染
色濃度が得られない。一方、共重合量が3.0モル
%を越える量である場合、ポリマーの融点が下が
り繊維として適した結晶性がえられないばかり
か、その熔融粘度はいちぢるしく上昇し、紡糸性
が悪化する。 また、極限粘度〔η〕Aが0.6未満の場合、B
成分との熱収縮率が小さくなるためTC10も8%
未満となる。又は、〔η〕Aが1.1を越える場合
は、熔融粘度が著しく高く、均一な熔融が困難と
なり紡糸中に単糸切れが発生するなどの紡糸性が
著しく悪化する。 第3に重要な点は、B成分がCD成分を4.0モル
%以下、好ましくは3モル%以下共重合されてお
り、かつ、B成分の極限粘度〔η〕Bを0.35〜
0.5、好ましくは0.35〜0.47とすることである。 ここで、CD成分の共重合量が4.0モル%を越え
た量の場合、B成分の結晶性が低下するため得ら
れる捲縮糸ではA成分及びB成分との熱収縮率の
差が極めて小さくなり、TC10が8%以上の捲縮
糸条は得られない。 また、極限粘度〔η〕Bが0.35未満の場合、紡
糸口金からポリマーを連続して均一に吐出でき
ず、いわゆるドリツプ現象を起す。又、〔η〕B
が0.5を越える場合も、B成分の結晶性が低下す
るためB成分もかなりの熱収縮率を有する。従つ
てA成分及びB成分の熱収縮応力の差が小さくな
るためTC10が8%未満となるのである。 かかるポリエステル複合捲縮糸条を製造する例
としては、CD成分が1.0〜3.0モル%共重合され、
かつ、〔η〕Aが0.6〜1.1であるA成分と、CD成
分の共重合量が4.0モル%以下であり、かつ、
〔η〕Bが0.35〜0.5であるB成分とをサイド−バ
イ−サイド型、又は、偏心シースコア型に複合紡
糸し、次いで延伸後に仮撚加工、又は、延伸仮撚
加工の際にシングルヒーター仮撚加工を施すこと
によつて、高荷重下即ち10mg/deの荷重下で沸
水処理を施した時の捲縮率TC10が8%以上の捲
縮糸条が得られるのである。 上記製造法について更に詳述すると、A成分と
B成分とをサイド−バイ−サイド型、あるいは偏
心シースコア型に複合紡糸するには、従来公知の
紡糸口金、例えば特公昭43−19108号、特公昭41
−16125号公報に記載されている紡糸口金を用い
て溶融紡糸することによつて容易に紡糸すること
が出来る。特にサイド−バイ−サイド型複合糸条
を得る場合は実公昭42−19536号公報に記載され
ているように吐出直後の両成分ポリマーを口金直
下で接合させるようにした口金を用いると安定に
紡糸することが出来る。即ち、溶融流動粘度の異
なるポリマーを同一吐出比率で同一孔から押し出
した場合、流動粘度の低いポリマーは流動粘度の
高いポリマーよりも吐出線速度が速くなり、吐出
された複合糸条が吐出直後屈曲し、口金面に付着
するいわゆるニーイング現象が生じ、紡糸安定性
を低下させる原因となる。ところが実公昭42−
19536号公報に記載されている口金を用いれば、
各吐出ポリマーの溶融流動粘度が異なつていて
も、複合時の速度がほぼ同一となるため、ニーイ
ング現象は起らず安定した紡糸が可能となる。 また、A成分及びB成分の複合糸条にしめる重
量割合、即ちA、B両成分の吐出比率は紡糸安定
性の面を考慮して、A成分比率が30〜70%、特に
好ましくは35〜65%、B成分比率が70〜30%、特
に好ましくは65〜35%の割合にすれば良い。 かくして複合紡糸された糸条は冷却流体によつ
て冷却した後、ローラーを介して1500m/分以
上、好ましくは1500〜3000m/分の速度で巻き取
ることが大切である。ここで、巻き取り速度が
1500m/分未満の場合、仮撚加工後の捲縮糸にお
いて単繊維中のA成分の熱収縮率とB成分のそれ
との差が小さいため捲縮糸条のTC10が8%以上
とならないのである。 次いで、巻き取つた未延伸糸を所定の延伸倍率
で延伸した後、仮撚加工に供する。この場合紡糸
引取速度を比較的速い速度、例えば2000m/分以
上の速度で巻取つた未延伸糸条を延伸仮撚加工に
供することも出来る。この延伸仮撚加工法による
と経済的に有利となるばかりか捲縮率TC10を高
くするためにも効果がある。この場合得られた未
伸延糸条の切断伸度は60〜200%にするのが良い。
もちろん紡糸、延伸、仮撚加工の各工程を適宜連
続化しても良いことはいうまでもない。 ここでの仮撚加工を2ヒーター仮撚加工で行な
つた場合、高荷重下で沸水処理を施した時の捲縮
率が低くなつてしまい、本発明の目的とする高荷
重下で沸水処理した時の捲縮率が高い捲縮糸条を
得ることは出来ない。従つて、シングルヒーター
仮撚加工を採用することが大切である。 また、仮撚加工時の条件において、仮撚数TW
(T/M)は仮撚糸条の糸条総デニールによつて
調整する必要があり24380/√(T/M)以
上、好ましくは29250/√(T/M)以上に設
定することによつてTC10が8%以上のものが得
られる。仮撚数の上限については特に限定されな
いが、仮撚加工安定性、即ち加工糸の毛羽、加工
時断糸、更には加工糸切断強度等を考慮して
39000/√(T/M)以下とするのが好まし
い。 一方、仮撚ヒーター温度については150℃以上、
好ましくは170℃以上であり且つ210℃よりも低く
する必要がある。仮撚ヒーター温度が150℃以下
ではTC10が8%以上のものは得られない。 また、ヒーター温度が210℃を越えて高い場合、
単繊維間の融着が発生するために仮撚加工後に未
解撚部を有する糸条となりTC10が8%以上のも
のが得られない。 尚、仮撚付与具についてはスピンドル仮撚具、
摩擦仮撚具、流体仮撚具等任意の仮撚具を使用す
ることが出来る。 本発明でいうCD成分を共重合したポリブチレ
ンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレー
トには、CD成分を除いた残分に対して20モル%
以下、好ましくは10モル%以下の割合で第3成
分、例えばイソフタル酸、フタル酸、メチルテレ
フタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸類や、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール等のジグリコール類を共重
合させても良く、又少量の他の重合体や酸化チタ
ン、炭酸カルシユーム等の艶消剤、その他の公知
の添加剤を含有していても良い。 また、5−ナトリウムスルホイソフタレート成
分としては5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
あるいは、そのエステル形成性誘導体が共重合物
として好ましく使用される。 かくして、得られた本発明の複合捲縮糸条は、
実施例においても示すように高荷重下、即ち10
mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率
TC10が8%以上となり、この糸条を用いて織成
した織物は伸長率が15%以上となつて極めて良好
な伸縮織物が得られる。しかも、塩基性染料で染
色することによつて、JIS L 0844−1973 A−
2法による染色堅牢度試験でも4級以上の値を示
して良好な染色堅牢度を有する。更に塩基性染料
による染色布は、分散染料で染色したものよりも
鮮やかな色彩のものが得られることは言うまでも
ない。このように、本発明の捲縮糸条は、伸縮性
と染色堅牢度が要求される体育衣料用途にも充分
に適用できるのである。 尚、本発明のポリエステル複合捲縮糸条は実質
的に無撚状態で使用しても、又撚糸して使用して
も本発明の特徴を消失してしまうものではなく、
更に本発明のポリエステル複合捲縮糸条は必要に
応じて他の材料、例えばポリエステル捲縮糸条、
ポリエステルフラツトヤーン、ナイロン捲縮糸、
ナイロンフラツトヤーンあるいは綿糸等と併用し
てもよいことは勿論である。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本実施例で用いる各種の特性値は下記の方
法で測定したものである。 (イ) 10mg/deの荷重下で沸水処理を施した時の
捲縮率TC10 試料に50mg/deの張力をかけてカセ枠に巻
取り約3000deのカセをつくる。カセ作成後カ
セの一端に2mg/de+200mg/deの荷重を負荷
し、1分間経過後の長さl0(cm)を測定する。
次いで200mg/deの荷重を除去し8mg/deの荷
重を負荷(即ち試料には10mg/deの荷重が負
荷されている)した状態で100℃の沸水中にて
20分間処理する。沸水処理後直ちに全荷重を除
去し、24時間自由な状態で自然乾燥する。自然
乾燥した試料に再び2mg/de+200mg/deの荷
重を負荷し、1分間経過後の長さl1(cm)を測
定する。次いで200mg/deの荷重を除去し、1
分間経過後の長さl2を測定し次の算式で捲縮率
TC10を算出する。 TC10(%)=l1−l2/l0×100 尚、上記測定は捲縮糸条製造後3日以上経過
させた後行なうことが必要である。 (ロ) 紡糸糸条のA成分、B成分の極限粘度 〔η〕A、〔η〕B 複合紡糸条件と同一の紡糸条件にてそれぞれ
各成分を単独で吐出させた試料につきオルソク
ロロフエノールの35℃溶液で測定した。 (ハ) 仮撚加工後の糸条総デニール 試料を100mg/deの張力をかけて90mカセ取
りし、その重量を測定しデニール換算した。 (ニ) 織物伸長率 織物の緯方向に長さ30cm、幅5cmの試料を作
成し、試料の中心部から長さ方向、両端部に向
つて各々100mmの位置に印をつける(印間強さ
は200mmとなる)。この試料の一方の端部を幅60
mmのチヤツクで狭み固定し、更にもう一方の端
部に1.5Kgの荷重を取付け、5秒間放置後の長
さL(mm)を測定し次式で算出する。 織物伸長率(%)=L−200/200×100 実施例 市販の複合紡糸機を用い、0.3重量%の酸化チ
タンを含有し、第1表の如く極限粘度、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸ジメチルの共重合量を
種々変更したポリブチレンテレフタレートをA成
分、0.3重量%の酸化チタンを含有し、第1表の
如く極限粘度、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチルの共重合量を種々変更したポリエチレ
ンテレフタレートをB成分とし、それぞれを組合
せて熔融して実公昭42−19108号公報記載の口金
構造で48組の吐出口を有する口金から、A、B成
分の吐出比率を50:50で吐出し、第1表の如く紡
糸巻取速度を種々変更して巻取つた。尚吐出量は
それぞれ仮撚加工後の総デニールが150デニール
となるよう調整した。さらに、市販の一段延伸機
を用いて延伸後の伸度が30%と成るように延伸し
た。 次いで前記で得られた複合糸条を市販のシング
ルヒーター式スピンドル仮撚機を用いてヒーター
温度、仮撚数を第1表の如く種々変えて仮撚加工
を行ない、ポリエステル複合捲縮糸条を得た。尚
仮撚加工速度は120m/分であり、糸条供給速度
と引取速度の比は仮撚加工後の糸条伸度がほぼ25
%となるよう調整した。 更に得た捲縮糸条を市販の普通織機を用い、経
糸密度26.5本/cm、緯糸密度25.9本/cmとし経糸
に市販のポリエステルシングルヒーター仮撚糸
150デニール48フイラメント糸条を使用し、緯糸
に前記で作成した捲縮糸条を使用して平織物を作
成した。 次いで平織物を100℃の沸水中で40分間リラツ
クス処理、170℃の熱風中で45秒間のプリセツト、
120℃、1.5Kg/cm2Gの染色液中で45分間の染色、
160℃の熱風中で45秒間の仕上セツトの工程をへ
て織物を得た。 この織物の伸長率及び染色堅牢度を測定し、結
果を第1表に併せて示した。 尚、かかる染色液としては、染料としてエスト
ールブルーN−BRL〔Estrol Blue N−BRL(住
友化学製)〕を5%owfと、助剤としてNa2SO4
(芒硝)4g/、CH3COOH0.5c.c./を加えた
ものを浴比1:30になる様調製したものである。
【表】 本実施例において、No.1〜9はA成分のCD成
分の共重合量につて検討したものである。 No.1〜3はCD成分の共重合量が少なく、染色
の染着座が十分でないため染色濃度が不足する。
これに対し、No.9はCD成分の共重合量が多過ぎ
るため、ポリマーの融点が下がり、かつ、ポリマ
ーの溶融粘度が高くなり過ぎるので単繊維切れが
多発して紡糸できない。これらに対し、No.4〜8
は本発明の捲縮糸条であり、織物の伸長率及び染
色堅牢度も良好な値を示した。 No.10〜16はA成分の極限粘度〔η〕Aについて
検討したものである。No.10は〔η〕Aが低過ぎる
ため、A成分及びB成分の物性差が小さく、
TC10が8%未満となる。従つて、織物の伸長率
も15%未満となる。 一方、No.16は〔η〕Aが高過ぎるため、紡糸中
に単繊維切れが多発し紡糸できない。これらに対
し、No.11〜15は本発明の捲縮糸条であり、織物で
は良好な伸長率と染色堅牢度を示した。 No.17〜21はB成分のCD成分共重量について検
討したものである。No.21はCD成分の共重合量が
多過ぎて、B成分の結晶性が低下し熱収縮率が大
となる。従つて、得られる捲縮糸ではA成分及び
B成分の熱収縮率の差が極めて小さいため、
TC10も8%未満となり、織物の伸縮率は15%未
満となる。一方、No.17〜20は本発明の捲縮糸であ
るため、織物の伸長率及び染色堅牢度も良好な値
を示した。 No.22〜25はB成分の極限粘度〔η〕Bについて
検討したものである。No.22は〔η〕Bが低過ぎ、
紡糸中に口金より連続して均一に吐出することが
できなかつた。一方、No.25では〔η〕Bが高過ぎ
て、B成分の結晶性が低下するためB成分の熱収
縮率が大となりA成分のそれとの差が小さくな
り、捲縮糸のTC10も8%未満となる。従つて、
織物の伸縮率も15%未満であつて不良であつた。
これらに対し、No.23〜24は本発明の捲縮糸条であ
るため、織物の伸長率及び染色堅牢度共に良好で
あつた。 No.26〜28はTC10について検討したものである。
No.26はA成分及びB成分は本発明の範囲ではある
が、紡糸巻き取り速度が1500m/分以下であるた
め得られた捲縮糸条のTC10は8%未満となつた。
従つて、織物の伸長率は15%未満と不良な値とな
つた。これに対し、No.27〜28は本発明の捲縮糸条
であり織物の伸長率も染色堅牢度も良好であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主たる構成成分がポリブチレンテレフタレー
    トであるA成分と主たる構成成分がポリエチレン
    テレフタレートであるB成分とがサイド−バイ−
    サイド型、又は、偏心シースコア型に複合紡糸さ
    れた繊維より成る複合捲縮糸条において、該A成
    分及びB成分は夫々下記の〜の条件を同時に
    満し、かつ、該複合捲縮糸条のTC10が8%以上
    であることを特徴とするポリエステル複合捲縮糸
    条。 A成分は1.0〜3.0モル%の5−ナトリウムス
    ルホイソフタレート成分が共重合されているポ
    リブチレンテレフタレートであつて、その極限
    粘度〔η〕Aが0.6〜1.1である。 B成分は4.0モル%以下の5−ナトリウムス
    ルホイソフタレート成分が共重合されているポ
    リエチレンテレフタレートであつて、その極限
    粘度〔η〕Bが0.35〜0.5である。 〔但し、TC10とは複合捲縮糸条を10mg/deの
    荷重下で沸水処理を施した時の捲縮率である。〕 2 該A成分と該B成分との複合比が30:70〜
    70:30である特許請求の範囲第1項記載のポリエ
    ステル複合捲縮糸条。 3 該複合捲縮糸条が仮撚捲縮を付与されている
    特許請求の範囲第1項記載のポリエステル複合捲
    縮糸条。
JP4731082A 1982-03-26 1982-03-26 ポリエステル複合捲縮糸条 Granted JPS58169514A (ja)

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