JPS608649Y2 - 乗用型田植機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、乗用車体にリンク機構を介して複数条植え
の苗植付装置を昇降自在に連結し、かつ、その苗植付装
置の最外側の植付爪による苗植付予定箇所が前記乗用車
体の車輪走行跡より横外方寄りの位置となるように乗用
車体に対する苗植付装置の相対位置を設定しである乗用
型田植機に関する。

上記のように乗用車体に対してリンク機構を介して複数
条植えの苗植付装置を連結したものでは、走行機体に対
して苗植付装置を直結した歩行型田植機のように、その
苗植付装置の下部に設けられたフロートによって大きな
機体荷重を支持させる必要がないので、フロートを比較
的接地面積の小さなもので構成でき、そのフロートの推
進によって発生する泥波の影響を少なくできる点で有利
であるが、上述のように植付条数増加に伴って最外側の
植付爪が走行用車輪位置よりも機体外方側へはみ出して
設けられる場合には、従来では、植付爪による苗植付箇
所の前方および横外方に接地面を有したフロートが設け
られていたため、つまり、最外側の植付爪による苗植付
箇所と既植苗との間隔（一般には３０ｃｍ前後）内に最
外側のフロートの一部が位置されていて、しかも、乗用
型であることから、歩行型の場合のようにフロートと既
植苗との位置関係を常時目視しながら走行させることが
できないため、苗植付走行中にそのフロートの一部が既
植苗に接触して、あるいは、フロートが既植苗に近づく
ことで泥波により既植苗を倒したり傾けたりしてしまう
虞れがあった。

本考案は、上述のように車輪走行跡よりも外側に苗植付
けを行うように構成された乗用型田植機において、フロ
ートの形状およびその配設位置を工夫して、機体の僅か
な蛇行などによって既植苗が押し倒されるような不具合
を解消することを目的とする。

上記目的を達成するための本考案の特徴とする構成は、
乗用車体にリンク機構を介して複数条植えの苗植付装置
を昇降自在に連結し、かつ、その苗植付装置の最外側の
植付爪による苗植付予定箇所が前記乗用車体の車輪走行
跡よりも横外方寄りの位置となるように乗用車体に対す
る苗植付装置の相対位置を設定しである乗用型田植機に
おいて、前記最外側の植付爪による苗植付予定箇所を整
地するフロートを、乗用車体の中央側の植付爪による苗
植付予定箇所を整地するフロートとは別に、その最外側
の植付爪にのみ対応した一条用フロートとして構成し、
さらに、この最外側のフロートを、その後部外方側が切
欠かれた平面視略り字型に形成し、その切欠部分内に苗
を植付けるように前記植付爪を位置させるとともに、そ
の切欠部分よりも中央側寄りの前後方向に長いフロート
部分を乗用車体の走行用車輪の通過跡に対応させて位置
させた点にあり、かか゛る構成から次の作用効果を奏す
る。

すなわち、最外側の植付爪に対応して設けられるフロー
トは、その後部外方側に切欠部分を有した平面視り字型
に形成されていて、前記最外側の植付爪よりも既植苗側
への突出量がきわめて小さく構成されているので、従来
のように、最外側の植付爪による苗植付箇所よりも外側
にフロートの大きな整地面が存在せず、従って、既植苗
列とフロート外側縁との間隔を充分に広くとって、機体
が僅かに蛇行した程度でフロートが既植苗と接触したり
、そのフロートの泥波で既植苗を倒したりする虞れは少
なくできるものであり、フロート外側縁と既植苗との間
隔を常に目視しながら走行することのできない乗用型田
植機として好適なものを得られたものである。

また、最外側の植付爪に対応して設けられるフロートは
一条用フロートであるから、多条用フロートに比べて、
凹凸の激しい車輪通過跡に設けられるフロートとして、
好適な泥面従性の良好なものであり、さらにまた、その
フロートのうち前後方向に長いフロート部分が車輪通過
跡に対応して設けられていることにより、フロートによ
る整地長さを長くして、前述の如く泥面追従性の良いも
のでありながら整地機能の著しい低下は避けられる利点
がある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図は乗用型田植機の全体を示腰この田植機
は前後夫々に左右一対の耕盤走行用車輪１，１及び２，
２を装備した乗用車体３の前後車輪間に、平行回連リン
ク機構４及び昇降アーム５を介して苗植付装置６を昇降
自在に連結支持した構成となっている。

前記苗植付装置６は左右車輪間に４条の植付けを行う主
苗植付装置６ａと、車輪外側に１条の植付けを行う補助
苗植付装置６ｂとからなり、かつ、補助苗植付装置６ｂ
は主苗植付装置６ａの横側部に着脱自在に構成されてい
る。

前記主苗植付装置６ａは、左右一定ストロークで往復移
動する後下り傾斜姿勢の苗のせ台７ａ。

この苗のせ台７ａの下端から載置苗を植付単位量づつ取
出して田面に植付ける４本の植付爪８ａ・・・、田面の
苗植付予定箇所を均らす整地フロート９ａ、及び、苗の
せ台部動機構と植付爪駆動機構を備えた植付ケース１０
ａから構成されている。

そして、前記整地フロート９ａの後部左右外側に切欠部
分１１．１１を形成して、ここに外側２条分の植付爪８
ａｖ８ａを位置させるとともに、整地フロー）９ａの後
部左右中央に幅広の切欠部分１２を形成して、この切欠
部分１２の左右部位に中央２条の植付爪８ａ、８ａが配
置されている。

又、前記補助苗植付装置６ｂも同様に、苗のせ台７ｂ、
植付爪８ｂ、整地フロート９ｂ及び植付ケース１０ｂか
らなり、この植付ケース１０ｂから延出した２本の連結
フレーム１３．１４を主苗植付装置６ａの植付ケース１
０ａに連結し、一方の連結フレーム１３内の伝動軸１５
を介して植付ケース１０ａから植付ケース１０ｂに動力
伝達を行うよう構成されている。

そして、前記整地フロート９ｂは、その後部外方側に切
欠部分１６を設けて全体が平面視で略り字型に形成して
あり、その切欠部分１６よりも機体中央側寄りの前後方
向に長いフロート部分９ｂ’を前記走行車輪１の通過跡
に位置させるとともに、前記切欠部分１６に最外側端の
植付爪８ｂが配置され、整地フロート９ｂの外側縁が植
付爪８ｂから外方に大きく突出させない構成となってい
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型田植機の実施例を示し、第１
図は全体側面図、第２図は全体平面図、第３図は要部の
拡大平面図である。 ３・・・・・・乗用車体、５・・・・・・リンク機構、
６・・・・・・苗植付装置、８ｂ・・・・・・植付爪、
９ｂ・・・・・・整地用フロート、１６・・・・・・切
欠部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗用車体３にリンク機構５を介して複数条植えの苗植付
   装置６を昇降自在に連結し、かつ、その苗植付装置６の
   最外側の植付爪８ｂによる苗植付予定箇所が前記乗用車
   体３の車輪走行跡よりも横外方寄りの位置となるように
   乗用車体３に対する苗植付装置６の相対位置を設定しで
   ある乗用型田植機において、前記最外側の植付爪８ｂに
   よる苗植付予定箇所を整地するフロート９ｂを、乗用車
   体３の中央側の植付爪８ａ・・・による苗植付予定箇所
   を整地するフロート９ａとは別に、その最外側の植付爪
   ８ｂにのみ対応した一条用フロートとして構成し、さら
   に、この最外側のフロート９ｂを、その後部外方側が切
   欠かれた平面視略り字型に形成味その切欠部分１６内に
   苗を植付けるように前記植付爪８ｂを位置させるととも
   に、その切欠部分１６よりも中央側寄りの前後方向に長
   いフロート部分９ｂ′を乗用車体３の走行用車輪１の通
   過跡に対応させて位置させであることを特徴とする乗用
   型田植機。