JPS646020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体に対して、接地フロートをその
後端より前方に離れ、かつ、重心位置より後方に
離れた箇所に配置された軸芯周りで上下揺動自在
に連結した田植機に関する。

上記田植機は、例えば、フロートが土塊等の隆
起部に乗り上がつても揺動するようにして、その
乗り上がりのために苗植付部が所定作業レベルよ
り上昇した状態で進行する距離を、フロート揺動
中心が隆起部及びその近くを通過するに相当する
短かいものに留められるように、さらには、苗植
付部を作業レベルより持ち上げて機体後進させる
際に、フロートの後端が上昇して土中に突入する
事を抑制できるように配慮されたものである。し
かしながら、従来、苗植付部を作業レベルより上
昇させると、フロートの前端が大きく下際して土
中に突入し易くなる状態にあつたため、例えば機
体旋回時にあつては、フロート前端の土中への突
入を避けるべく苗植付部を大きく持ち上げねばな
らず、苗植付部昇降に時間が掛かつて作業能率が
悪くなつたり、大なる持ち上げ労力を要する欠点
があつた。

本考案は、上記実情に鑑み、簡単な改造でもつ
て、フロートの隆起部への乗り上がりに伴う上記
した苗植付部上昇や、機体後進に伴う上記したフ
ロート後端の土中への突入等に関するトラブル発
生を従来と同様に抑制しながら、苗植付部上昇に
伴うフロート前端下降を抑制できるようにして、
上記欠点を解消することを目的とする。

次に本考案の実施の態様を例示図に基づいて説
明する。

第１図に示すように、エンジン１及び運転座席
２を備えさせた機体本体に、１個の駆動車輪３を
縦軸芯Ｘ周りで操向操作自在に備えさせ、かつ、
車輪３との協働により機体重量を支持する左右一
対の棒状摺動接地体４，４をシリンダ５により軸
芯Ｙ周りで上下揺動操作自在に備えさせて、自走
機体を構成し、植付深さを規制するために３個の
接地フロート６…を機体横方向に並列する状態で
備えさせてある４条植え可能な苗植付部７を、前
記自走機体の後部に前記接地体昇降操作により背
反的に昇降操作できるように連設すると共に、前
記機体本体から苗植付部７に回転動力を伝達すべ
く構成して、４条植え型乗用田植機を構成してあ
る。

尚、同図に示す遊転車輪８は、路上走行時等に
おいて、前記接地体４に替えて機体重量を接地支
持させるものである。

前記接地フロート６…を苗植付部７に備えさせ
るに、フロート６夫々において、第２図に示すよ
うに、フロート６の上面側に付設してある前後一
対のブラケツト９ａ，９ｂの前方側のもの９ａ
を、腰折れリンク機構１０により苗植付部機枠に
連結し、かつ、後方側のもの９ｂを、苗植付部機
枠に連結されたブラケツト１１に対して、フロー
ト６の後端より前方に離れ、かつ、重心位置Ｇよ
り後方に離れた箇所に配置された軸芯Ｐを有する
横軸により枢支連結して、機体に対する前記軸芯
Ｐ周りでの上下揺動を可能に構成し、そして、前
記腰折れリンク機構１０のリンク枢支連結軸１０
ａと苗植付部機枠とにわたり、フロート６をその
前記軸芯Ｐ周りでの前後重量がバランスするよう
に支持するコイルスプリング１２を架設して、苗
植付部７が作業レベルより上昇されても、その際
におけるフロート６の対苗植付部姿勢が、苗植付
部７が作業レベルに下降された際における対苗植
付部姿勢と同じ又はそれに近いものに維持される
ように構成してある。つまり、作業時において
は、たとえフロート６が土塊等の隆起部に乗り上
がつても、隆起部との接当反力によりフロート６
が上下揺動する事により、苗植付部７が所定作業
レベルより上昇した状態で進行する距離が極力少
なくなるように、又、機体の旋回時や後進時等に
際しては、苗植付部７を作業レベルより若干上昇
させるだけで、フロート６の前端や後端が土中に
突入する事を回避できるように構成して、隆起部
に起因する植付深さ変化を極力抑制しながら、か
つ、苗植付部昇降を迅速に行いながら安全に作業
を行えるように配慮してある。

尚、前記フロート６…のうちの中央のものの接
地変化を検出し、その検出結果に基づいて植付深
さが設定範囲内になるように前記接地体４を自動
的に昇降操作する制御機構を前記機体本体に備え
させて、耕盤凹凸にかかわらず植付深さをほぼ一
定に維持しながら作業を行えるように構成してあ
る。

又、本考案は、歩行型田植機にも適用できる。
そして、この場合、苗植付部７の持ち上げに要す
る労力を少なくできる。

以上要するに、本考案は、冒記した田植機にお
いて、前記フロート６を、その苗植付部７が作業
レベルより上昇された際における対苗植付部姿勢
が、前記苗植付部７が作業レベルに下降された際
における対苗植付部姿勢と同じ又はそれに近くな
るように支持するためのスプリング１２を設けて
ある事を特徴とする。

つまり、苗植付部７を上昇させても、フロート
６が苗植付部７が作業レベルに位置する時と同じ
又はほぼ同じの対苗植付部姿勢に維持されるか
ら、苗植付部７を従来のように大きく持ち上げな
くともフロート前端の土中への突入を抑制できる
ようになり、機体旋回等に際しての苗植付部昇降
操作に要する時間を短縮したり、労力を削減でき
て、作業を能率よく、楽に行わせる事が可能にな
つた。

しかも、姿勢保持をスプリング１２により行わ
せたから、フロート６が隆起部に乗り上がつて
も、スプリング１２が弾性変形して、フロート６
の上下揺動が支障なく行われるので、又、機体後
進時には、フロート６の対苗植付部姿勢が作業時
のそれと同じあるいはほぼ同じものにあつてフロ
ート後端が著るしく垂れ下がらないので、フロー
ト６の隆起部への乗り上がりに起因する苗植付部
上昇や機体後進時におけるフロート後端の土中へ
の突入等のトラブルを従来とほぼ同様に抑制でき
る。

さらには、フロート６の前後重量をバランスさ
せるスプリング１２を付加するだけの簡単な改造
で済み、コスト面、製作面で有利にできた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施の態様を例示
し、第１図は乗用田植機の全体側面図、第２図は
フロート取付部の側面図である。 ６……フロート、７……苗植付部、１２……ス
プリング、Ｇ……重心位置、Ｐ……軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に対して、接地フロート６をその後端より
   前方に離れ、かつ、重心位置Ｇより後方に離れた
   箇所に配置された軸芯Ｐ周りで上下揺動自在に連
   結した田植機であつて、前記フロート６を、その
   苗植付部７が作業レベルより上昇された際におけ
   る対苗植付部姿勢が、前記苗植付部７が作業レベ
   ル下降された際における対苗植付部姿勢と同じ又
   はそれに近くなるように支持するためのスプリン
   グ１２を設けてある事を特徴とする田植機。