JPS6238504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、二輪三フロート四条植え形式の歩行
型田植機に関する。

従来のかゝる田植機は、一般に左右一対の車輪
の後方に三つのフロートを横一列に並設すると共
に、中央フロートの後端部両側と左右両外側フロ
ートの後端部内側とに夫々苗植付け用切欠部を設
けて成り、これら三つのフロートが車輪の駆動反
力受け、耕盤深さの変動に伴う接地圧の変化を感
知して車輪を自動的に昇降制御させるための感知
具そして泥面整地、更には機体荷重の支え等すべ
ての機能を兼備するように構成されているため次
の如き欠点がある。

つまり、三つのフロートは前述のように駆動反
力受け更には機体荷重の支えを兼用しているため
に接地圧の変化に対する上下動が鈍重で耕盤深さ
の変化を迅速・的確に感知しきれないばかりでな
く、三つのフロートは横一列状に並設されている
ために機体のピツチング及びローリングを十分に
抑制しきれず、機体姿勢が安定せず機体操作が一
層難しい上に苗植付け深さが一定しない。又四条
植えの場合は中央二条の中間を操縦者が歩行して
いくもので、その前方には中央フロートがあるた
め、どうしても操縦者位置が後方になる傾向があ
り、機体操作を軽快に行えず、しかもこれら三つ
のフロート夫々の接地圧の感知結果からその平均
値を出して車輪の昇降制御を行わねばならず、制
御機構が複雑になる。更に左右一対の車輪の回転
に伴つて押出されていた泥土が後方の苗植付け箇
所や車輪の外側方の既植苗側に流出して、これら
の苗の植付姿勢を乱したり、或いは、浮遊苗の発
生を招く等である。

本考案はかゝる従来の欠点に鑑みて開発される
に至つたもので、機体姿勢の安定化を図り、操縦
性能、並びに苗植付け性能を向上できる上に植付
け苗の姿勢乱れも良好に防止できるものを提供し
ようとするものである。

この技術的課題を解決するための本考案の要旨
は、左右一対の走行車輪の前方中央位置に耕盤深
さの変動に伴う接地圧の変化を感知して前記車輪
を自動的に昇降制御させるための感圧具を兼ねた
前方中央フロートを配置するとともに、これら走
行車輪の後方には夫々後方フロートを配設し、こ
れら後方フロートの前半部中央又はほぼ中央箇所
に夫々前記車輪の後側一部が入り込む凹部を形成
するとともに、この凹部の両側に位置するフロー
ト部分にて整地した箇所に夫々、苗を植付けるべ
く構成した点にある。

即ち、耕盤深さの変動に伴う接地圧の変化を感
知するための感知具は車輪の駆動反力受けとはな
つていない前方中央フロートであるために、前記
接地圧の変化に敏感で迅速に対応することがで
き、車輪の昇降制御が正しく迅やかに行え、しか
も三個のフロートは三角形の各頂点に位置する三
点配置となつていてこれら三つのフロートの三点
接地支持によつて機体のピツチング及びローリン
グを十分に抑制できるものであるから、安定性の
良い機体姿勢を保ち得、機体操作を軽快に行える
上に、苗の植付け深さも一定になる。

しかも、後方フロートは左右一対として車輪の
後方に配置するもの故に、中央二条分の間を走行
する操縦者の前方には、従来のような中央フロー
トが存在しないので、操縦者は機体後方に遠く離
れることなく、左右両後方フロートの後縁近くに
寄つた位置で機体操作、操縦操作を行えるに至
り、機体と一体感をもつた軽快な操作が可能とな
る。又後方両側フロートの前半中央又はほゞ中央
箇所に夫々形成した凹部に車輪の後側一部を入り
込ませてあるために、機長を短縮でき乍らも後方
両側フロートを十分長く構成でき、従つて車輪の
駆動反力又機体荷重をしつかりと受け止めて機体
姿勢の安定化を確実に図れるのであり、機体操作
を一層軽快に行える上に一層安定した植付け深さ
が得られる。しかもこの凹部の両側に位置するフ
ロート部分によつて左右一対の走行車輪の回転に
伴つて押出される泥土が後方の苗植付け箇所や外
側方の既植苗側に流出するのを効果的に抑制で
き、植付けた苗の姿勢を乱したり浮苗を生じたり
する事態を良好に阻止できる。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図面は二輪４条植えの歩行型田植機を示し、エ
ンジン１に直結したミツシヨンケース２から後方
に延出した主フレーム３の後端部に苗植付け装置
４を連設するとともに、前記ミツシヨンケース２
の左右両側部に、左右一対の走行車輪５，５′を
装着してある伝動ケース６，６′を、その入力軸
芯周りで上下揺動可能に枢支連結し、かつ、前記
左右の走行車輪５，５′の前方横巾方向中央位置
と後方の左右両側位置とに計三個のフロート７，
８，８′を配置している。

前方中央フロート７を、耕盤深さの変動に伴う
接地圧の変化を感知して前記車輪５，５′を自動
的に昇降制御させるための感圧具に兼用構成する
とともに、後方両側フロート８，８′の前半部８
Ａ，８A′をその後半部８Ｂ，８B′よりも広巾に
形成し、かつ、この広巾前半部８Ａ，８A′の横
巾方向中央箇所に夫々、前記走行車輪５，５′の
後側一部が入り込む凹部９，９′を形成するとと
もに、この凹部９，９′の両側に位置するフロー
ト部分８ａ，８ａ，８a′，８a′を四条分の植付け
予定箇所を整地する整地部に構成している。

前記苗植付け装置４は、前方下方から後方上方
に向かつて傾斜させた左右横方向に往復移動自在
な苗のせ台４Ａ及び、この苗のせ台４Ａから順次
取出した植付け単位の苗を前記フロート部分８
ａ，８ａ，８a′，８a′にて整地された泥面に植付
ける植付け爪４Ｂ……等から構成されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る二輪四条式田植機の実施例
を示し、第１図は歩行型田植機の全体側面図、第
２図は要部の平面図である。 ５，５′……走行車輪、７，８，８′……フロー
ト、８ａ，８a′……フロート部分、９，９′……
凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の走行車輪５，５′の前方中央位置に
   耕盤深さの変動に伴う接地圧の変化を感知して前
   記車輪５，５′を自動的に昇降制御させるための
   感圧具を兼ねた前方中央フロートを配置するとと
   もに、これら走行車輪５，５′の後方には夫々後
   方フロート８，８′を配設し、これら後方フロー
   ト８，８′の前半部中央又はほぼ中央箇所に夫々
   前記車輪５，５′の後側一部が入り込む凹部９，
   ９′を形成するとともに、この凹部９，９′の両側
   に位置するフロート部分８ａ，８ａ，８a′，８
   a′にて整地した箇所に夫々、苗を植付けるべく構
   成してあることを特徴とする二輪四条式田植機。