JPS6245534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、左右の走行車輪を相対的に上下方向
に位置変更させることにより、機体の左右方向の
傾きを自動修正する駆動機構を備えた歩行型田植
機に関する。

従来、機体の左右方向の傾きを検出する感知セ
ンサーは、実開昭52−161723号公報に示される如
く、左右一対の走行車輪の間に配設された、機体
前後方向に長い１つの整地フロートの側面に形成
された凹入部に配設されていた。

フロートによつて押し流された泥水は、泥面の
凹凸を均らす作用を有するのであるが、前記フロ
ートによつて押し流された泥水は大部分が車輪の
外側を通つて後方に流れる為、車輪とフロート間
の泥はけが悪く、泥面の凹凸を感知センサーが検
出して左右の車輪が背反的に昇降される欠点があ
つた。

本考案は、車輪とフロート間の泥はけを良くし
て、泥面の凹凸を検出することがないようにせん
とするものである。

上記課題解決の為に講じた本考案の技術手段
は、前記左右一対の走行車輪の前方中央位置に１
つの前部フロートを配設すると共に、後方左右両
側位置に左右一対の後部フロートを配設し、前記
機体の傾き自動修正用駆動機構に対する一つの感
圧式の傾き検出センサーを、前記前後フロート並
びに左右車輪の間で、しかも、一方の車輪の内側
に近接させて配設したことである。

上記技術手段を講じたことによる作用効果は次
の通りである。

前部フロートの前端で左右にハの字状に分けら
れた泥水は、左右一対の後部フロートの先端に衝
突して、その衝突した泥水は、後部フロートの内
側と外側とを通つて後方に流れることとなるの
で、機体内方側に流れる泥水の量が多くなり、車
輪とフロート間での泥はけが良くなり、これによ
つて、車輪とフロート間の泥面の凹凸が均らされ
て泥面の凹凸による誤検出が少なくなつた。

しかも、機体左右方向の傾きを検出するに当つ
て、後部フロートの感圧変化を利用して検出する
のではなく、別途センサーを設けて、それを、車
輪に近接させて行なうものであるから、機体傾斜
に伴うセンサーの変化量を大きくとることがで
き、機体左右方向の傾き検出精度を向上して、機
体左右姿勢自動修正による植付け不良の発生を確
実、十分に抑制することができるに至つた。

以下、本考案の実施例を図示する三条植え歩行
型田植機に基づいて説明すると、この田植機は、
前部に原動部６を連設し、かつ、後部に苗植付け
部７と後方に延びる操縦用ハンドル８を連設した
機体に対して上下方向に揺動位置変更自在で、耕
盤上を移動可能な左右一対の走行車輪１，１′を
設け、この一対の車輪１，１′間の前方中央位置
には、中央苗植付け予定泥面上を滑走可能なフロ
ート２を配設するとともに、車輪１，１′間の後
方左右両側位置には、夫々中央苗植付け予定泥面
と左右両側苗植付け予定泥面との間の泥面上を滑
走可能な本体３Ａ，３A′と、左右両側苗植付け
予定面上を滑走可能な整地部３Ｂ，３B′とをもつ
たフロート３，３′を配設し、左右車輪１，１′に
対する支持機構に作用して、左右車輪１，１′を
相対的に上下方向に位置変更させることにより、
機体の左右方向の傾きを自動修正する駆動機構４
を設けて構成してある。

前記車輪支持機構は、前後方向に位置変更固定
自在な可動部材９に、この両端において左右車輪
１，１′の上下揺動自在な伝動兼用支持ケース１
Ａ，１A′にロツド１０，１０を介して連動連結
し、その中間を支点として上下軸芯周りに揺動す
ることにより、前記ケース１Ａ，１A′を背反的
に上下揺動させる揺動部材１１を装着し、もつ
て、可動部材９の前後移動により、両車輪１，
１′を同一方向に位置変更し、かつ、揺動部材１
１の揺動により、両車輪１，１′を背反的に上下
位置変更可能なように構成してある。

前記駆動機構４は、一方の車輪１の内側で、か
つ、近接する位置において泥面上を摺動し、機体
の左右方向の傾きに伴なう接地反力変化によつて
機体に対して上下に揺動する一つの感圧式傾き検
出センサー５の上下揺動に連動して自動作動する
ものであつて、前記揺動部材１１に作用する油圧
シリンダ４Ａを設けるとともに、この油圧シリン
ダ４Ａに対する油圧回路に、前記検出センサー５
にワイヤー４Ｂを介して連動連結するスプール弁
４Ｃを設けて構成してある。

尚、前記三つのフロート２，３，３′のうち、
前方中央位置のもの２を、耕盤深さの変動によ
り、機体に対して上下動すべく構成するととも
に、この前方中央位置のフロート２の上下動に連
動して、前記可動部材９を前後に移動させる油圧
シリンダ１２を設け、もつて、耕盤深さの変動に
基づいて両車輪１，１′を自動的に同一上下方向
に位置変更させることにより、耕盤深さの変動に
拘わらず、機体の対泥面高さ、つまり、植付け深
さを一定に保持すべく構成してある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る機体左右姿勢自動修正機構
付歩行型田植機の実施例を示し、第１図は全体側
面図、第２図は要部の拡大平面図、第３図は要部
の拡大縦断背面図である。 １，１′……走行車輪、２，３，３′……フロー
ト、４……駆動機構、５……センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右の走行車輪１，１′を相対的に上下方向に
   位置変更させることにより、機体の左右方向の傾
   きを自動修正する駆動機構４を備えた歩行型田植
   機において、前記左右一対の走行車輪１，１′の
   前方中央位置に１つの前部フロート２を配設する
   と共に、後方左右両側位置に左右一対の後部フロ
   ート３，３′を配設し、前記機体の傾き自動修正
   用駆動機構４に対する一つの感圧式の傾き検出セ
   ンサー５を、前記前後フロート２，３，３′並び
   に左右車輪１，１′の間で、しかも、一方の車輪
   １の内側に近接させて配設してあることを特徴と
   する機体左右姿勢自動修正機構付歩行型田植機。