JPS606586Y2 - デイ−ゼル機関のシリンダヘツド給油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシリンダブロックに設けられたメインオイルギ
ヤラリから供給された潤滑油を、シリンダヘッドに設け
られた各吸排気弁腕及び燃料弁腕に供給するディーゼル
機関のシリンダヘッド給油装置に関するものである。

従来、燃料噴射装置として噴射ポンプと噴射ノズルとを
一体にしたユニットインジェクタを弁腕室内に設けたデ
ィーゼル機関においては、そのユニットインジェクタの
両側に吸気弁及び排気弁を配設するのが一般的である。

この場合、吸気弁の吸気弁腕及び排気弁の排気弁腕はユ
ニットインジェクタの両側に配設するのが通例であるが
、これらの吸排気弁腕に対する潤滑油の供給はシリンダ
ブロックに設けられたメインオイルギヤラリから弁腕支
え舎内に設けた潤滑油供給路を介してそれぞれ行なわれ
るが、一方、そのユニットインジェクタ駆動用の燃料弁
腕に対する潤滑油の供給も上記メインオイルギヤラリか
ら別系統の潤滑油供給路を設けて行なっており、シリン
ダヘッド上に設けられた吸排気弁腕及び燃料弁腕への給
油の糸路が、複雑になると共に、その保守点検上におい
ても不便であった。

そこで本考案は、シリンダヘッド上に設けた吸排気弁腕
及び燃料弁腕を支持する弁腕支え台をシリンダヘッドに
対してシリンダヘッドボルトにより共締めし、そのシリ
ンダヘッドボルトのシリンダヘッドに対する貫通隙間部
を潤滑油路として、その潤滑油路と各弁腕軸の潤滑油穴
とをそれぞれ相互に連通させる潤滑油路を形成して、一
系統の潤滑油路にて各吸排気弁腕及び燃料弁腕のすべて
を潤滑させることを目的としたものである。

即ち本考案は、吸排気弁腕軸及び燃料弁腕軸を支持する
複数の弁腕支え台を、シリンダヘッドに対しシリンダヘ
ッドボルトによりそれぞれ共締めすると共に、それらシ
リンダヘッドボルトのウチの少なくとも１個のシリンダ
ヘッドボルトの、シリンダヘッドに対する貫通隙間部に
シリンダブロックからの潤滑油供給路を連通させ、かつ
、該貫通隙間部と弁腕支え台の吸排気弁腕軸及び燃料弁
腕軸の各潤滑油穴とを連通ずる潤滑油路を形威し、更に
該燃料弁腕軸内に、各弁腕支え台に形成された該潤滑油
路を互に連通ずる潤滑油路を貫設することにより構成さ
れる。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図は、本考案の実施例におけるユニット
インジェクタ１の両側に、図示されていない吸気弁及び
排気弁を配設したディーゼル機関の弁腕装置を示してお
り、ユニットインジェクタ１は図示されていないシリン
ダボアのほぼ中心位置に傾斜して配設し、その両側に吸
気弁の吸気弁腕２及び排気弁の排気弁腕３が配設され、
これら吸気弁腕２及び排気弁腕３を支持する各弁腕支え
台４ａ及び４ｂをシリンダとシリンダとの中間部にそれ
ぞれ設けており、これら弁腕支え台４ａ及び４ｂと一体
の弁腕軸４ｃに、吸気弁腕２及び排気弁腕３をそれぞれ
揺動自在に片持支持させている。

その結果、吸気弁腕２の一方の側面２ａは弁腕支え台４
ａの側面で位置決めされながら保持されており、排気弁
腕３の一方の側面３ｂは弁腕支え台４ｂの側面で位置決
めされながら保持されている。

また、吸気弁腕２の他方の側面２ｂと排気弁腕３の他方
の側面３ａとはユニットインジェクタ１の押え部材であ
る双また形状の押え金具５の側面５ａ及び５ｂでそれぞ
れ位置決めされながら保持されている。

更に、吸気弁腕２を組付けた弁腕支え台４ａ及び排気弁
腕３を組付けた弁腕支え台４ｂはシリンダヘッド６に取
り付けられ、それらの中間にユニットインジェクタ１を
挿着した後、押え金具５で押え付けの上押えボルト７で
固定している。

また、第３図に示すごとく、燃料カム１１、吸気カム１
２、排気カム１３を有するカム軸８が回ることにより、
その燃料カム１１を介してユニットインジェクタ１駆動
用の燃料弁腕９を作動して燃料噴射を行なうが、その燃
料弁腕軸１０は前記弁腕支え台４ａ、４ｂに支持されて
おり、一方、カム軸８の吸気カム１２、排気カム１３を
介して吸気弁腕２及び排気弁腕３を揺動して吸気弁及び
排気弁をリフトさせるようにしている。

更に、第４図に示すごとく、このディーゼル機関のシリ
ンダとシリンダとの中間部にそれぞれ位置した弁腕支え
台４ａ（及び図示されていない４ｂ）をボルト１５によ
りシリンダヘッド６に対し固定すると共に、シリンダヘ
ッド６をシリンダブロック１９に締付けるシリンダヘッ
ドボルト１６により、この弁腕支え台４ａ（及び４ｂ）
をそれぞれ共締めにより強固に固設し、更にその位置の
精度を出すためにノックピン１７により位置決めしてい
る。

そこで本考案においては、このシリンダヘッド６の前記
シリンダヘッドボルト１６の貫通隙間部１８にシリンダ
ロック１９からの潤滑油供給路２０を連通させている。

この潤滑油供給路２０はこのディーゼル機関の図示され
ていないメインオイルギヤラリに連通しており、潤滑油
ポンプからの加圧された潤滑油が矢印のごとく供給され
るようになっている。

この貫通隙間部１８の上部は、シリンダヘッド６上面で
弁腕支え台４ａの下面に設けられた潤滑油路であるグル
ープ部２１に連通し、そのグループ部２１は更に第３図
に示す燃料弁腕９の燃料弁腕軸１０の潤滑油穴２２及び
第２図に示す吸排気弁用の弁腕軸４ｃの潤滑油穴２３と
にそれぞれ連通ずる潤滑油路を形成している。

更に、燃料弁腕９を支持する燃料弁腕軸１０内には第３
図に示すごとく潤滑油路２４が貫設され、その潤滑油路
２４は上記潤滑油穴２２に連通しており、各弁腕支え台
４ａ及び４ｂ内に設けられたグループ部２１等からなる
各潤滑油路はこの潤滑油路２４により網の目のごとく相
互に連通している。

また、本実施例では多数の弁腕支え台４ａ、４ｂ等のう
ち中央の弁腕支え台４ａのシリンダヘッドボルト１６の
貫通隙間部１８から供給された潤滑油が弁腕支え台４ａ
のグループ部２１径由燃料弁腕軸１０内の潤滑油路２４
を介して他の弁腕支え台４ｂ等により支持されている吸
気弁腕２、排気弁腕３及び燃料弁腕９のそれぞれに潤滑
油を供給している。

なお、本実施例におけるディーゼル機関のシリンダヘッ
ドにおいて、同一の潤滑系統からなる給油装置が適用可
能なのは、燃料弁腕９の燃料弁腕軸１０と吸排気弁用の
弁腕軸４ｃを支持している弁腕支え台４ａ、４ｂをシリ
ンダヘッド６に対してシリンダヘッドボルト１６により
共締めすると共に、燃料弁腕軸１０内に各シリンダを貫
通して１本の潤滑油路２４を設けたことと、各弁腕支え
台４ａｔ４ｂのシリンダヘッド６との取付面にグループ
部２１を設けてそのグループ部２１と燃料弁腕軸１０及
び吸排気弁用の弁腕軸４ｃの各潤滑油穴２２及び２３と
を連通させたことによるものである。

更に、第４図のごとくグループ部２１からカム軸８の軸
受部に連通ずる潤滑油路２５を設けることにより、カム
軸８の潤滑も本考案の給油装置と同系統の潤滑油により
可能となる。

従って、本考案のシリンダヘッド給油装置では、シリン
ダヘッド上に設けた各シリンダそれぞれの吸排気弁腕及
び燃料弁腕、更にはこれらを駆動するカム軸に対する給
油を、そのディーゼル機関のメインオイルギヤラリから
同一系統の潤滑油路により全て行なうことができるので
、その給油系統が単純化するという利点があり、その結
果、その給油装置の保守点検が容易になるという利点が
ある。

なお、本考案は主としてシリンダヘッド上に吸排気弁腕
及び燃料弁腕を有するディーゼル機関に対して有効に適
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるディーゼル機関の吸排
気弁腕装置要部の平面図、第２図は第１図の吸排気弁腕
及びその弁腕支え台の要部を示す正断面図、第３図は第
１図の燃料弁腕軸１０を示す一部断面の正面図、第４図
は第１図の弁腕支え台取付要部を示す側断面図である。 ２・・・・・・吸気弁腕、３・・・・・・排気弁腕、４
ａ、４ｂ・・・・・・弁腕支え台、４ｃ・・・・・・弁
腕軸、６・・・・・・シリンダヘッド、８・・・・・・
カム軸、１６・・・・・・シリンダヘッドボルト、１８
・・・・・・貫通隙間部、１９・・・・・・シリンダブ
ロック、２０・・・・・・潤滑油供給路 ２１・・・・
・・グループ部、２２，２３・・・・・・潤滑油穴、２
４，２５・・・・・・潤滑油路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸排気弁腕軸及び燃料弁腕軸を支持する複数の弁腕支え
   台を、シリンダヘッドに対しシリンダヘッドボルトによ
   りそれぞれ共締めすると共に、それらシリンダヘッドボ
   ルトのうちの少なくとも１個のシリンダヘッドボルトの
   、シリンダヘッドに対する貫通隙間部にシリンダブロッ
   クからの潤滑油供給路を連通させ、かつ、該貫通隙間部
   と弁腕支え台の吸排気弁腕軸及び燃料弁腕軸の各潤滑油
   穴を連通ずる潤滑油路を形成し、更に、該燃料弁腕軸内
   に、各弁腕支え台に形成された該潤滑油路を互に連通ず
   る潤滑油路を貫設したことを特徴とするディーゼル機関
   のシリンダヘッド給油装置。