JP3133983B2 - 4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの潤滑装置

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JP3133983B2
JP3133983B2 JP10196521A JP19652198A JP3133983B2 JP 3133983 B2 JP3133983 B2 JP 3133983B2 JP 10196521 A JP10196521 A JP 10196521A JP 19652198 A JP19652198 A JP 19652198A JP 3133983 B2 JP3133983 B2 JP 3133983B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーバヘッドカム
形の4サイクルエンジンにおいて、吸気用カム軸及び排
気用カム軸の中間軸受部に潤滑油を導く潤滑装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭58−113512号公報
には、シリンダヘッドに吸気用と排気用の2本のカム軸
を設けた、いわゆるDOHC形の4サイクルエンジンが
開示されている。このエンジンでは、1気筒当たり3個
の吸気バルブ及び2個の排気バルブを、夫々ロッカアー
ムを介してカム軸に連動させており、このロッカアーム
はロッカ軸や油圧式のラッシュアジャスタを介してシリ
ンダヘッドに支持されている。このロッカアームを支持
するラッシュアジャスタは、ロッカアームとバルブステ
ムとの間のタペットクリアランスを自動的にゼロ調整す
るためのものである。そして、これらの従来技術では、
オイルポンプから送られる潤滑油は、ラッシュアジャス
タのリザーバ室を経由した後にカム軸の軸受の給油口に
導かれる構成となっており、ここから軸受部とジャーナ
ル部との間のクリアランスを通じて流出するようになっ
ている。また、吸気用カム軸の中間軸受部の数を排気用
カム軸の中間軸受部の数と同一にし、3個の吸気カムを
それらの両側に配置した2個の中間軸受部で支持してい
る。
【0003】例えば実開昭64−53406号公報に開
示されているように、この種のラッシュアジャスタは、
シリンダヘッドに埋め込まれるボデーと、このボデーに
対し軸方向に摺動可能に嵌挿されたプランジャとを備え
ており、プランジャの先端がロッカアームの一端に接し
ている。そして、ボデーの底部とプランジャとの間には
高圧室が形成されており、この高圧室はチェック弁を介
してプランジャの内部のリザーバ室に連なっている。リ
ザーバ室はボデーに開設した導入孔を介してシリンダヘ
ッド側のオイル通路に連なっており、このオイル通路を
介してオイルポンプからの潤滑油がリザーバ室や高圧室
に供給されるようになっている。従って、エンジン運転
中、プランジャは高圧室内の油圧によって常にロッカア
ームに押し付けられており、このことによりロッカアー
ムの支点位置を一定に保持している。
【0004】例えば実開昭63−171608号公報に
開示されているように、シリンダヘッドに吸気用カム軸
及び排気用カム軸のジャーナル部を受ける軸受部が設け
られている。これらの軸受部には潤滑油を供給する給油
口が開口されており、オイルポンプから送られる潤滑油
は、シリンダヘッド内のオイル通路を介して上記軸受部
に供給されている。そして、オイルポンプと吸気用カム
軸の軸受部を接続するオイル通路の長さと、オイルポン
プと排気用カム軸の軸受部を接続するオイル通路の長さ
とは異なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のDOHC形の4
サイクルエンジンでは、吸気用カム軸の軸受部の数を排
気用カム軸の軸受部の数と同一にし、3個の吸気カムを
それらの両側に配置した2個の軸受部で支持している。
3個の吸気カムのうち中央の吸気カムは両端の軸受部か
ら相当離れているので、吸気用カム軸が中央の吸気カム
の部分で撓み、そのため中央の吸気バルブの作動が両端
の吸気バルブの作動と一致しないという欠点があった。
本発明は、4サイクルエンジンの潤滑装置において、排
気バルブよりも数が多い吸気バルブの作動を確実にする
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、吸気バルブ及び排気バルブを作動させる
ために、吸気用カム軸及び排気用カム軸に吸気カム及び
排気カムをそれぞれ形成し、1気筒当たりの吸気バルブ
の数を排気バルブの数よりも多くし、吸気用カム軸及び
排気用カム軸をそれぞれ中間軸受部を介してシリンダヘ
ッドに支持させ、オイルポンプから吸気用カム軸の中間
軸受部に至る第1潤滑通路を配設するとともにオイルポ
ンプから排気用カム軸の中間軸受部に至る第2潤滑通路
を配設し、前記第1潤滑通路の長さを前記第2潤滑通路
の長さよりも短くした4サイクルエンジンの潤滑装置に
おいて、排気バルブよりも多数の吸気バルブを作動させ
るため、排気カムよりも多数の吸気カムを形成し、吸気
用カム軸の中間軸受部の数を排気用カム軸の中間軸受部
の数よりも多くし、吸気用カム軸の中間軸受部及び排気
用カム軸の中間軸受部を吸気カム及び排気カムの間に隣
接してそれぞれ配置し、カムキャップを被せて固定した
複数の前記中間軸受部によって吸気用カム軸及び排気用
カム軸を支持し、前記カムキャップに前記第1潤滑通路
及び前記第2潤滑通路の一部を構成するオイル通路を形
成したことを構成とする。本発明において、吸気用カム
軸の2個の中間軸受部は、中央の吸気バルブを作動させ
るための中央の吸気カムと、両端の吸気バルブを作動さ
せるための両端の吸気カムとの間に配置され、排気用カ
ム軸の1個の中間軸受部は、2個の排気バルブを作動さ
せる2個の排気カムの間に配置され、吸気用カム軸の中
間軸受部の幅は排気用カム軸の中間軸受部の幅よりも狭
くすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の4サイクルエンジンの潤
滑装置の発明の実施の形態を図1ないし図10にもとづい
て説明する。図3中符号1はシリンダブロック、2はシ
リンダヘッドであり、シリンダヘッド2の上面2aはヘ
ッドカバー3によって覆われている。シリンダヘッド2
とヘッドカバー3との間には動弁室4が形成されてい
る。この動弁室4には吸気用カム軸5と排気用カム軸6
が互いに平行をなして配設されている。吸気バルブ19a
〜19c及び排気バルブ20a〜20bを作動させるために、
吸気用カム軸5及び排気用カム軸6に吸気カム26及び排
気カム27が形成されている。
【0008】図5に示すように、吸気用カム軸5と排気
用カム軸6の一端には、夫々スプロケット7が固定され
ており、これらスプロケット7の間にはタイミングチェ
ーン8が掛け渡されている。また、排気用カム軸6の他
端にはタイミングプーリ9が固定されており、このタイ
ミングプーリ9はタイミングベルト10を介してクランク
軸(図示せず)と連動されている。従って、本実施の形
態の場合、吸気用カム軸5は排気用カム軸6からの動力
伝達によって回転駆動される。
【0009】シリンダブロック1内には、複数の気筒11
がクランク軸の軸方向に沿って並置されている。図3に
示すように、このシリンダブロック1に重ね合わされる
シリンダヘッド2の合面には、ペントルーフ形の燃焼室
12を形作る凹部13が形成されている。凹部13は気筒11に
対応して設けられており、夫々の凹部13には図10及び図
5に示すように、1気筒当たりの吸気バルブの数を排気
バルブの数よりも多くし、3個の吸気口14a,14b,14
cと、2個の排気口15a,15bが開口されている。上面
視でこれら吸気口14a,14b,14cと排気口15a,15b
の中心線は、気筒11のボア中心X1 を通り、かつカム軸
5,6の軸方向と平行に延びる基準線A1 を挟んだ位置
に設けられており、上記ボア中心X1 上にはプラグ挿着
孔16が開口されている。
【0010】シリンダヘッド2はヘッドボルト17を介し
てシリンダブロック1に連結されている。ヘッドボルト
17は図1及び図5に示すように、吸気用カム軸5側と排
気用カム軸6側に一列づつ並置されており、これら両カ
ム軸5,6よりも内側に位置されている。シリンダヘッ
ド2の吸気口14a,14b,14cは3個の吸気バルブ19
a,19b,19cによって個別に開閉されるとともに、排
気口15a,15bも2個の排気バルブ20a,20bによって
個別に開閉される。これら吸気バルブ19a,19b,19c
及び排気バルブ20a,20bのバルブステム21,22は、バ
ルブガイド23を介してシリンダヘッド2に支持されてお
り、バルブステム21,22の上端部は、図3に示すように
シリンダヘッド2を貫通して動弁室4に突出している。
【0011】図3及び図10に示すように、吸気バルブ19
a,19b,19c及び排気バルブ20a,20bは、そのバル
ブステム21,22が吸気用カム軸5及び排気用カム軸6と
直交する方向に沿って互いに平行に導出されて、これら
カム軸5,6の軸方向に沿って並設されている。3個の
吸気バルブ19a,19b,19cのうち、中央の吸気バルブ
19bは、両側(両端)の吸気バルブ19a,19cに対し燃
焼室12の径方向外側にオフセットされている。このた
め、中央の吸気バルブ19bのボア中心線X2 に対する傾
斜角α1 は、図3に示すように両側の吸気バルブ19a,
19cの傾斜角α2よりも小さく設定されており、これら
3個の吸気バルブ19a,19b,19cのバルブステム21の
上端部は、上記基準線A1 と平行をなす略同一直線上に
位置されている。
【0012】図4に示すように、シリンダヘッド2及び
ヘッドカバー3には、プラグ挿着孔16に連なるプラグ挿
入孔24が形成されており、このプラグ挿入孔24は各気筒
11の吸気バルブ19a,19b,19cと排気バルブ20a,20
bとの間に位置されている。一方、図5に示すように、
吸気用カム軸5は1気筒につき3個の吸気カム26を備え
ているとともに、排気用カム軸6は1気筒につき2個の
排気カム27を備えている。そして、図3に示すように、
これら両カム軸5,6は吸気バルブ19a,19b,19c及
び排気バルブ20a,20bの軸線Y1 、Y2 を外れた位置
に設けられているため、上記吸気カム26及び排気カム27
は夫々ロッカアーム28を介して吸気バルブ19a,19b,
19c及び排気バルブ20a,20bのバルブステム21,22に
連動されている。
【0013】ロッカアーム28は、そのバルブステム21,
22の接触部とは反対側の一端が油圧式のラッシュアジャ
スタ30によって支持されている。このラッシュアジャス
タ30は図2に示すように、円筒状をなすボデー31と、こ
のボデー31に対し軸方向に摺動可能に嵌挿されたプラン
ジャ32を備えている。プランジャ32の内部にはリザーバ
室33が形成されており、このリザーバ室33はボデー31に
開設した供給孔34に連なっている。ボデー31の底面とプ
ランジャ32との間には高圧室35が形成されている。高圧
室35はプランジャ32の底部の連通口36を介してリザーバ
室33に連なっており、この高圧室35内には連通口36を開
閉する常閉形のチェック弁37と、プランジャ32を突出方
向に付勢するスプリング38が配設されている。
【0014】そして、プランジャ32の先端は球状に形成
されて、上記ロッカアーム28の一端の球面状の凹部39に
嵌合されており、このプランジャ32の先端にはリザーバ
室33に連なる油供給孔40が貫通して形成されている。こ
のようなラッシュアジャスタ30は、夫々が連動する吸気
バルブ19a,19b,19cや排気バルブ20a,20bと略平
行に配置されており、図3及び図5に示すように、その
ボデー31がシリンダヘッド2の上面2aに開設した装着
孔41に嵌合保持されている。
【0015】吸気用カム軸5及び排気用カム軸6は、そ
の両端部と、吸気バルブ19a,19b,19cの間の複数箇
所においてシリンダヘッド2に支持されている。すなわ
ち、図4及び図5に示すように、シリンダヘッド2の上
面2aには、各カム軸5,6の両端のジャーナル部5
a,6aを受ける両端軸受部44と、隣り合う吸気カム26
の間のジャーナル部5bならびに排気カム27の間のジャ
ーナル部6bを受ける中間軸受部45が突設されている。
中間軸受部45は隣り合う吸気バルブ19a,19b,19cと
排気バルブ20a,20bとの間において、両カム軸5,6
と直交する方向に延びており、この中間軸受部45及び両
端軸受部44の下面には、各ジャーナル部5a,5b,6
a,6bが回転自在に嵌合する嵌合凹部46が形成されて
いる。
【0016】1気筒当たり、排気カム27よりも多数の吸
気カム26を形成し、吸気用カム軸5の中間軸受部45の数
を排気用カム軸6の中間軸受部45の数よりも多くし、吸
気用カム軸5の中間軸受部45及び排気用カム軸6の中間
軸受部45を吸気カム26及び排気カム27の間にそれぞれ隣
接して配置した。吸気用カム軸5の2個の中間軸受部45
は、中央の吸気バルブ19bを作動させるための中央の吸
気カム26と、両端の吸気バルブ19a,19cを作動させる
ための両端の吸気カム26との間に配置され、排気用カム
軸6の1個の中間軸受部45は、2個の排気バルブ20a,
20bを作動させる2個の排気カム27の間に配置され、吸
気用カム軸5の中間軸受部45の幅は排気用カム軸6の中
間軸受部45の幅よりも狭くすることができる。
【0017】両端軸受部44及び中間軸受部45の上面に
は、夫々カムキャップ47が被せられている。カムキャッ
プ47は嵌合凹部46との間でジャーナル部5a,5b,6
a,6bを回転自在に支持する他の嵌合凹部48を備えて
いる。そして、これらカムキャップ47は上記ヘッドカバ
ー3の内面に一体に突設されており、このヘッドカバー
3はカムキャップ47の位置でボルト49を介して上記軸受
部44,45に締め付け固定されている。このため、ヘッド
カバー3の上面には、ボルト49を通す複数の挿通孔50が
開口されている。
【0018】シリンダヘッド2の内部には、上記ラッシ
ュアジャスタ30や各カム軸5,6の軸受部44,45に潤滑
油を供給するオイル通路が形成されており、以下このオ
イル通路の詳細について説明する。すなわち、シリンダ
ブロック1の内部には図1及び図5に示すように、オイ
ルポンプ56に連なる供給路57が形成されている。供給路
57は吸気用カム軸5側に偏った位置において上下に延び
ており、その上端部が吸気側のラッシュアジャスタ30と
略同じ高さ位置にまで導かれている。動弁室4を形作る
シリンダヘッド2側の左右の側壁58には、吸気側のラッ
シュアジャスタ30及び排気側のラッシュアジャスタ30の
外側に位置して、カム軸5,6の軸方向に延びる分配通
路59a,59bが形成されている。
【0019】分配通路59a,59bの一部は上記ラッシュ
アジャスタ30が嵌合する装着孔41を貫通しており、この
貫通部分に分配通路59a,59bと装着孔41とを連通させ
る連通口60が形成されている。そして、分配通路59a,
59bの連通口60はラッシュアジャスタ30の供給孔34に連
なっており、この分配通路59a,59bのうち、吸気側の
分配通路59aが連通路61を介して供給路57の下流端に連
なっている。また、ヘッドカバー3の上面を構成する上
壁部62には、カム軸5,6と直交する方向に延びる横油
流通路63が形成されている。
【0020】横油流通路63は図1、図6及び図9に示す
ように、プラグ挿入孔24の間に位置しており、この横油
流通路63の両端部はカム軸5,6の上方を通過してい
る。ヘッドカバー3の左右の側壁64と、この側壁64に連
なるシリンダヘッド2の側壁58の内部には、シリンダヘ
ッド2とヘッドカバー3の上下方向に延びる送出路65
a,65bがそれぞれ形成されており、これら送出路65
a,65bによって上記分配通路59a,59bと横油流通路
63とが連通されている。従って、本実施の形態の場合、
横油流通路63、送出路65a,65b及び分配通路59a,59
bが吸気側と排気側のラッシュアジャスタ30を結ぶ主通
路66を構成しており、この主通路66の下流端に位置され
た排気側の分配通路59bは、動弁室4に開口することな
く閉じられている。
【0021】ヘッドカバー3の上壁部62には、各カム軸
5,6の真上を、このカム軸5,6の軸方向と平行に延
びる縦油流通路67a,67bが形成されている。縦油流通
路67a,67bは上壁部62の内部で横油流通路63と交差さ
れており、これら両通路63,67a,67bは互いに連通さ
れている。縦油流通路67a,67bは図4及び図8に示す
ように、上記カムキャップ47の位置で下向きに分岐され
ており、これら分岐通路68はジャーナル部5a,5b,
6a,6bに接する嵌合凹部48の上面に開口されてい
る。カムキャップ47に前記第1潤滑通路及び前記第2潤
滑通路の一部を構成するオイル通路(縦油流通路67a,
67b,分岐通路68)が形成されている。このため、複数
の分岐通路68は、図7に模式的に示すように上記主通路
66から個別に分岐されており、吸気側と排気側のラッシ
ュアジャスタ30の間に位置されている。
【0022】図1、図5、図6及び図7に示すように、
オイルポンプ56から吸気用カム軸5の中間軸受部45・両
端軸受部44に至る供給路57、連通路61、送出路65a、横
油流通路63、縦油流通路67a及び分岐通路68からなるオ
イル通路を第1潤滑通路と称することとする。また、オ
イルポンプ56から排気用カム軸6の中間軸受部45・両端
軸受部44に至る供給路57、連通路61、送出路65a、横油
流通路63、縦油流通路67b及び分岐通路68からなるオイ
ル通路を第2潤滑通路と称することとする。そして、前
記第1潤滑通路の長さは前記第2潤滑通路の長さよりも
短くなっている。なお、図1中符号70は動弁室4の底面
に開口する潤滑油の戻し通路であり、この戻し通路70は
図示しないオイルパンに連なっている。
【0023】次に、本発明の実施の形態の作用について
説明する。図1及び図2に示すように、エンジンを始動
させると、オイルポンプ56から送り出された潤滑油は、
まず、供給路57、連通路61を通じて吸気側の分配通路59
aに供給され、ここから連通口60及び供給孔34を介して
吸気側のラッシュアジャスタ30のリザーバ室33や高圧室
35に流入する。また、分配通路59a内の潤滑油は、一方
の送出路65aを通って横油流通路63に流入するととも
に、ここから他方の送出路65bを通って排気側の分配通
路59bに供給される。この分配通路59b内の潤滑油は、
上記吸気側と同様に連通口60及び供給孔34を介して排気
側のラッシュアジャスタ30のリザーバ室33や高圧室35に
流入することになり、これら両室33,35の油圧が高めら
れる。
【0024】横油流通路63内の潤滑油は、縦油流通路67
a,67bにも流れ込み、ここから分岐通路68を通じて各
カム軸5,6のジャーナル部5a,5b,6a,6bに
供給される。言い換えれば、オイルポンプ56からの潤滑
油が第1潤滑通路を通って吸気用カム軸5の中間軸受部
45・両端軸受部44に供給され、オイルポンプ56からの潤
滑油が第2潤滑通路を通って排気用カム軸6の中間軸受
部45・両端軸受部44に供給される。そして、この潤滑油
はジャーナル部5a,5b,6a,6bと嵌合凹部46,
48との間のクリアランスを通じて動弁室4内に流出し、
この動弁室4の底面に開口する戻し通路70を経てオイル
パンに戻される。
【0025】ところで、エンジンの運転を停止すると、
供給路57のオイルポンプ56側の上流部分に負圧が発生す
る。すると、主通路66から分岐された分岐通路68は、ジ
ャーナル部5a,5b,6a,6bと嵌合凹部46,48と
の間のクリアランスを通じて大気中に開放されているの
で、これら分岐通路68の嵌合凹部48への開口部分に大気
圧が作用することになり、縦油流通路67a,67b、主通
路66、連通路61及び供給路57に満たされていた潤滑油
は、徐々にオイルポンプ56側に戻り始める。
【0026】この場合、排気側のラッシュアジャスタ30
に連なる分配通路59bは、排気用カム軸6に連なる分岐
通路68よりも下流側に位置し、しかも、この分配通路59
bは動弁室4に開口することなく閉じられているので、
排気側のラッシュアジャスタ30内に導かれた潤滑油は、
そのまま残留することになる。これに対し吸気側のラッ
シュアジャスタ30は、オイルポンプ56と分岐通路68との
間に位置しているので、このラッシュアジャスタ30内の
潤滑油も時間の経過に伴ってオイルポンプ56側に戻され
てしまう虞がある。
【0027】しかるに、上記構成の主通路66は、吸気側
のラッシュアジャスタ30を貫通することなく設けられて
いる、つまり、ラッシュアジャスタ30の供給孔34は分配
通路59aの連通口60に対し分岐された状態で連なってい
るから、横油流通路63から分配通路59aにまで戻された
潤滑油は、そのまま分配通路59aを伝わってオイルポン
プ56側に戻されることになる。そして、潤滑油の波面が
連通口60の開口部分を通り過ぎると、この連通口60の開
口部分が大気圧となるので、ラッシュアジャスタ30の供
給孔34と分配通路59aの連通が、上記連通口60の開口部
分で閉じられることになる。
【0028】このため、吸気側のラッシュアジャスタ30
内の潤滑油がオイルポンプ56側に流出するのを防止で
き、エンジン停止時においても、ラッシュアジャスタ30
のリザーバ室33には潤滑油の多くがそのまま残存するこ
とになる。従って、エンジンを再始動させると、オイル
通路55内の各部の空気は、ジャーナル部5a,5b,6
a,6bと嵌合凹部46,48との間のクリアランスを通じ
て排出されるから、リザーバ室33や高圧室35の油圧は即
座に回復することになり、始動後において、タペットク
リアランスを直ちにゼロラッシュに調整することができ
る。
【0029】しかも、リザーバ室33や高圧室35に潤滑油
が残存していれば、ボデー31とプランジャ32との摺動部
分の油膜が途切れることもなく、この摺動部分の潤滑を
確実に行うことができる。加えて、本発明の実施の形態
によると、供給路57に連通路61を介して連なる分配通路
59aは、吸気側のラッシュアジャスタ30に連なっている
ので、エンジンが再始動されると、オイルポンプ56から
の潤滑油は、まず最初に分配通路59aから連通口60を介
して3個の吸気バルブ19a,19b,19cのラッシュアジ
ャスタ30に供給される。そして、この潤滑油は、分配通
路59aから送出路65a、横油流通路63及び送出路65bを
介して分配通路59bに導かれ、ここから2個の排気バル
ブ20a,20bのラッシュアジャスタ30に供給される。
【0030】このため、吸気バルブ19a,19b,19cの
個数が多くて、潤滑油をより多く必要とする吸気バルブ
19a,19b,19c側のラッシュアジャスタ30から給油が
開始されるため、これら吸気用のラッシュアジャスタ30
と排気用のラッシュアジャスタ30との数が異なる構成で
ありながら、これら複数のラッシュアジャスタ30に作用
する油圧のばらつきを少なく抑えることができる。よっ
て、ラッシュアジャスタ30の潤滑の信頼性が良好とな
り、エンジンの耐久性が向上する。
【0031】同様に、第1潤滑通路の長さは前記第2潤
滑通路の長さよりも短くなっているため、吸気バルブ19
a,19b,19cの個数が多くて、潤滑油をより多く必要
とする吸気バルブ19a,19b,19c側の中間軸受部45・
両端軸受部44が、排気バルブ20a,20bの個数が少なく
て、潤滑油の必要性が低い排気バルブ20a,20b側の中
間軸受部45・両端軸受部44より先に給油が開始される。
従って、これら吸気用カム軸5の中間軸受部45・両端軸
受部44と排気用カム軸6の中間軸受部45・両端軸受部44
との数が異なる構成でありながら、これら複数の中間軸
受部45・両端軸受部44に作用する油圧のばらつきを少な
く抑えることができる。
【0032】また、ラッシュアジャスタ30やカム軸5,
6のジャーナル部5a,5b,6a,6bは、主通路66
から分岐された状態で、この主通路66に連なっているか
ら、連通口60や分岐通路68の径を増減調整するだけで、
ラッシュアジャスタ30やジャーナル部5a,5b,6
a,6bに作用する油圧を自由に変えることができる利
点がある。さらに、吸気側の分配通路59aと排気側の分
配通路59bを結ぶ横油流通路63を、ヘッドカバー3に設
けたので、シリンダブロック1やシリンダヘッド2のカ
ム軸5,6方向の寸法を短縮することができる。
【0033】すなわち、上記横油流通路63をシリンダヘ
ッド2側に設けると、この横油流通路63は複数の気筒11
の間を通さなくてはならないから、横油流通路63の径に
相当する寸法だけ、気筒11の配置間隔を広げる必要があ
り、その分、シリンダブロック1やシリンダヘッド2の
全長が長くなる。しかるに、本発明の実施の形態の構成
によれば、シリンダブロック1側に横油流通路63を形成
するためのスペースを確保する必要もないから、気筒11
の配置間隔を狭めることができ、シリンダブロック1や
シリンダヘッド2をコンパクト化することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、排気バルブよりも多数の吸気
バルブを作動させるため、排気カムよりも多数の吸気カ
ムを形成し、吸気用カム軸の中間軸受部の数を排気用カ
ム軸の中間軸受部の数よりも多くし、吸気用カム軸の中
間軸受部及び排気用カム軸の中間軸受部を吸気カム及び
排気カムの間に隣接してそれぞれ配置した。そのため、
中間軸受と吸気用カム軸及び排気用カム軸との間に油膜
が形成されて各カム軸が回転し、中間軸受から外側へ放
出される潤滑油が、中間軸受に隣接する吸気カム及び排
気カムに供給され、各カムの潤滑が円滑かつ十分に行わ
れる。また、吸気カムも排気カムもともに中間軸受部か
らほぼ等しい間隔をおいて配置することができ、吸気カ
ムが位置する吸気用カム軸も排気カムが位置する排気用
カム軸もともに撓み量が少ない。従って、数が少ない排
気バルブも数が多い吸気バルブもともに確実に作動させ
ることができる。また、本発明では、カムキャップを被
せて固定した複数の前記中間軸受部によって吸気用カム
軸及び排気用カム軸を支持し、前記カムキャップに前記
第1潤滑通路及び前記第2潤滑通路の一部を構成するオ
イル通路を形成した。そのため、吸気用カム軸及び排気
用カム軸は、カムキャップを被せて固定した複数の前記
中間軸受部によりしっかり支持されるので、吸気バルブ
及び排気バルブの作動が確実になり、かつ軸受,カム等
の摺動部の潤滑が効率よく行われる。また、中間軸受部
に潤滑油を供給するオイル通路について、従来例(実開
昭63−171608号公報)のように、シリンダヘッ
ド内のオイル通路を軸受部の給油口に接続する必要はな
く、例えばヘッドカバー内のオイル通路からカムキャッ
プ内のオイル通路を通して中間軸受部に潤滑油を供給す
ることができる。このように、シリンダヘッド内にオイ
ル通路を形成するためのスペースのないときでも、中間
軸受部に潤滑油を供給する手段が提供されることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダヘッド回りの断面図である。
【図2】ラッシュアジャスタの断面図である。
【図3】図5中III −III 線の部分で断面した断面図で
ある。
【図4】図5中IV−IV線の部分で断面した断面図であ
る。
【図5】シリンダヘッドの平面図である。
【図6】ヘッドカバーの平面図である。
【図7】オイル通路の概略を示す模式図である。
【図8】図4中VIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図6中IX−IX線に沿う断面図である。
【図10】燃焼室の概略構成図である。
【符号の説明図】
2 シリンダヘッド 5 吸気用カム軸 6 排気用カム軸 11 気筒 19 吸気バルブ 20 排気バルブ 26 吸気カム 27 排気カム 45 中間軸受部 56 オイルポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/06 F01L 1/04 F01L 1/26 F01M 9/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気バルブ及び排気バルブを作動させる
    ために、吸気用カム軸及び排気用カム軸に吸気カム及び
    排気カムをそれぞれ形成し、1気筒当たりの吸気バルブ
    の数を排気バルブの数よりも多くし、吸気用カム軸及び
    排気用カム軸をそれぞれ中間軸受部を介してシリンダヘ
    ッドに支持させ、オイルポンプから吸気用カム軸の中間
    軸受部に至る第1潤滑通路を配設するとともにオイルポ
    ンプから排気用カム軸の中間軸受部に至る第2潤滑通路
    を配設し、前記第1潤滑通路の長さを前記第2潤滑通路
    の長さよりも短くした4サイクルエンジンの潤滑装置に
    おいて、排気バルブよりも多数の吸気バルブを作動させ
    るため、排気カムよりも多数の吸気カムを形成し、吸気
    用カム軸の中間軸受部の数を排気用カム軸の中間軸受部
    の数よりも多くし、吸気用カム軸の中間軸受部及び排気
    用カム軸の中間軸受部を吸気カム及び排気カムの間に隣
    接してそれぞれ配置し、カムキャップを被せて固定した
    複数の前記中間軸受部によって吸気用カム軸及び排気用
    カム軸を支持し、前記カムキャップに前記第1潤滑通路
    及び前記第2潤滑通路の一部を構成するオイル通路を形
    成したことを特徴とする4サイクルエンジンの潤滑装
    置。
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