JPS6036675Y2 - サイデイングボ−ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築、構築物の内、外壁材として必要な断熱性
、エアサイクル機能、および防火性を具備するサイディ
ングボードに関する。

省エネルギー法等の普及により、建物においては断熱材
の使用が上昇の一途を辿っている。

しかしながら、この種建造物における断熱材の施工状態
は単に断熱性のみを重視したものであった。

その結果、例えば住宅においては結露が発生し、構成材
が腐食したり、断熱材の性能が劣化すると共に、家具、
衣服等の汚損、および室内環境悪化等が大きな問題とな
っていた。

この種問題が生ずる原因としては、■建物外周壁に対す
る断熱不足、＠各部位間の換気不足、の建物室内空気の
循環不足、■防湿層の不備等の１つが存在したからであ
る。

本考案はこのような欠点を除去するため、不通気性の基
材とシート状物間に独立気泡発泡組織の合成樹脂発泡体
と特殊シート状物を一体に形威し、この複合体の背面に
上記■〜Ｏの機能を大幅に改善すると共に、内外部結露
の発生を阻止したサイディングボードを提案する。

以下に図面を用いて本考案に係るサイディングボードの
一実施例について詳細に説明する。

１は主体で硬質基材を断面凹状に成形すると共に、長方
形状の長尺に形威し、主に表面材、化粧材（エンボス加
工板）として機能するものである。

２は雄型連結部で主体１の一側端を外側方へ突出した差
込縁３を有し、４は雌型連結部で主体１の他側縁を内側
方へ屈曲し、再び外側方へ突出して差込溝５を設け、そ
の差込溝５の下縁６を外側方へ延長して延長部７を形威
したものである。

８は突条で延長部７の途中に必要に応じて設けるもので
あり、９，１０は舌片で差込縁３、延長部７の先端に第
２図ａ ％ ｈに示すように形威し、サイディングボー
ドの施工、運搬の際に作業員が負傷するのを防止すると
共に、サイディングボード連結部に対する弾性付与機能
を有するものである。

１１は断熱層で主体１の凹状、および雄、雌型連結部２
．４の背面２ａ、４ａよりも下方へ突出させた膨出部１
２と膨出部１２のうち雄型連結部２近傍をΔｅに亘って
窪ませた切り欠き部１２ａとからなり、主に断熱材、芯
材、および後記する空気循環路の３面隔壁として機能す
るものである。

また、断熱層１１の素材としては、合成樹脂発泡体、例
えばポリエステルフオーム、ポリウレタンフォーム、ポ
リイソシアヌレートフオーム、フェノールフオーム、ポ
リスチレンフオーム、ポリエチレンフオーム、塩化ビニ
ルフオーム等の１種以上からなり、その製造法は成形体
を用いるか、あるいは現場発泡体による。

なお、防火性、断熱性からは独立気泡組織で、かつ炭化
層となるポリイソシアヌレートフオーム、フェノールフ
オームが特に好ましい。

また、断熱層１１の厚さＨ１〜Ｈ３はＨｌ＞ Ｈ２≧Ｈ
３、Ｈｚ＝４ｗｎ以上に形成する。

なお、Ｈ２を４ｍｍ以上とするのはサイディングボード
を相互に連結した際の連結部における断熱性が結露発生
に大きな影響があるからである。

１３は凹部で断熱層１１の背面１１ａの途中に例えば第
３図ａ ” ｅに示す断面形状にその背面１１ａから主
体１の裏面１ａに向って窪ませ、この断面で主体１の側
壁１ｂに平行に直線状に形成したものである。

凹部１３の形成法としては型材で主体１と断熱層１１と
を一挙に接着すると共に、凹部を形成するか、断熱層１
１を形成後に切除するかのいずれかによる。

なお、凹部１３の高さ比は例えばＨ，＝５０ｍｍのとき
に２０斜とし、空気の対流を乱さない空隙を形成するも
のとである。

もちろん、Ｈｌが大きくなれば、それに応じてＨ４も大
きくすることができるものである。

１４はシート状物で凹部１３の開口面を覆い、上記凹部
１３を後記する空気循環路として機能させる所要量の空
気を吸排気しうる隔壁材、および断熱層１１を形成する
際の離型材として役立つものである。

すなわち、シート状物１４には上記機能を発揮するため
の微孔１５がミクロン単位からミリメートルの単位まで
の大きさで単独、あるいは混在して前記凹部１３に対応
する部分に穿設されている。

また、シート状物１４は防水シート、紙、金属箔（Ａ１
゜Ｃｕ、 Ｆｅ）、合成樹脂フィルムの１種以上からな
る。

また、空気循環路１６は第４図に示すように建物の小屋
裏１７と床下１８を連結腰上記両部位間を乱流を起さず
に対流させるのに役立つものである。

次に施工例につき説明する。

すなわち、第１図に示すようなサイディングボードを用
いて建物の外壁を形成するために第５図に示すようにサ
イディングボードＡ１を釘Ｂによって胴縁Ｃ上に固設し
、次にサイディングボードＡ１の差込溝５にサイディン
グボードんの差込縁３を挿入する。

従って、外壁を形成するには、このような作業を順次く
り返して行なえばよい。

また、高さ方向においては、第４図に示すように、水切
りＤを土台Ｅに固設し、これにサイディングボードの背
面を押圧し、水切りＤの突出辺りが断熱層１１に突きさ
さり、空気循環路１６の下端を閉塞する。

さらにサイディングボードＡ□の桁側の端部においては
、止縁Ｆが空気循環路１６の上端を閉塞する。

このようにして構築した建物では室内側表面でその温度
が室温に近づく傾向を示した。

また、結露の発生は空気循環路１６の機能により建物の
上下間でエアサイクルが行なわれるのと断熱性が十分な
ため全くなかった。

以上、説明したのは本考案に係るサイディングボードの
一実施例に過ぎず、微孔をサイディングボードの両端近
傍のみに設けることもできる。

これは微孔が大きい径のため対流が不十分のような場合
に有効である。

さらに、第６図ａ ”−’ ｃに示すように凹部１３を
テーパ状に１本、もしくは複数本形成することもできる
。

上述したように本考案に係るサイディングボードによれ
ば、一枚のサイディングボードで断熱性と空気循環路を
施工時に同時に形成できる特徴がある。

また、主体と断熱層とシート状物とを一挙に製造できる
特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイディングボードの一実施例を
示す説明図、第２図ａ ” ｈは舌片の一例を示す説明
図、第３図ａ ”−ｅは本考案の要部である空気循環路
の一例を示す説明図、第４図、第５図は本考案に係るサ
イディングボードを用いた建物の一部を示す説明図、第
６図は凹部１３のその他の実施例を示す説明図である。 １・・・・・・主体、２・・・・・・雄型連結部、３・
・・・・・差込縁、５・・・・・・差込溝、６・・・・
・・差込溝下縁、８・・・・・・突条、１２・・・・・
・膨出部、１３・・・・・・凹部、１５・・・・・・微
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬質基材からなる断面凹状の主体と、該主体の一側端を
   外側方へ突出した差込縁を有する雄型連結部と、他側端
   縁を内側方へ屈曲し、再び外側方へ突出して差込溝を形
   威し、該差込溝の下縁を外側方へ延長した延長部とを有
   する雌型連結部と、前記主体の凹状に充填すると共に雄
   型連結部近傍をΔｌに亘って窪ませ、それ以外は前記連
   結部背面より下方へ突出させた膨出部を具備する合成樹
   脂発泡体からなる断熱層を有するサイディングボードに
   おいて、前記膨出部の途中に該膨出部の背面から主体の
   裏面に向って少なくとも１つの凹部を形威し、該凹部を
   含む断熱層の全面をシート状物で被覆して空気循環路を
   形威すると共に、該シート状物のうち上記凹部の開口を
   覆った部分に微孔を多数穿設してシート状物に吸、排気
   機能を具備させたことを特徴とするサイディングボード
   。