JP2729398B2 - 真壁造の通気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、主に在来木造住宅の真壁造の床部分及び壁
部分を断熱構造化する際に行われる壁体の通気装置に関
するものである。

＜従来の技術＞ 従来、木造住宅の真壁造の壁部分及び床部分を断熱構
造化する方法としては、床部分の根太と根太との間及び
壁部分の柱と間柱との間、間柱と間柱との間に断熱材を
充填する方法が一般的である。

係る場合、床部分及び壁部分の双方に充填された断熱
材の床部分と壁部分との取り合い部に於ける納まりは、
単に付き合わせの状態にあるに過ぎない。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかし、このような納まりでは、施工不良等の為、突
き合わせ部に隙間が生じて断熱不良となることがあるだ
けでなく、結露が発生して土台腐食の原因となることが
あった。

本発明はこのような問題点を解消する為に提案された
もので、断熱不良及び結露をなくし完璧な断熱構造化を
可能にした通気装置を提供することを目的とするもので
ある。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、木造住宅の真壁造の壁部分及び床部分を断
熱構造化する際の壁部分と床部分のコーナー部の通気装
置に関するもので、その主旨は布基礎上に設けられた土
台の上に、２つの平板部からなる断面凸形のブロック状
合成樹脂体の水平をなす平板部の下面に凸形稜線に略直
交する方向の複数の溝が形成されてなる断熱通気部材を
溝を下にして配置すると共に、該断熱通気部材の水平を
なす平板部面上の一方の入隅部に隣合う根太間に嵌挿配
置された床断熱材の縁部を載置し、壁断熱材の下端縁部
を前記断熱通気部材の水平をなす平板部面上の他方の入
隙部に当接せしめて配置した構成とすることにより前記
目的を達成するものである。

＜作用＞ 本発明の壁体の通気装置は、断熱通気部材が床及び壁
の断熱材の縁部取り合い部の間隙を埋めるように配置さ
れているので、取り合い部に発生し易い隙間による断熱
不良を防止し、断熱材の性能を確実に発揮することが出
来る。

又、設置されている断熱通気部材の水平をなす平板部
下面に複数の溝があるので、この溝面を土台等に接して
配置することにより、床下と壁断熱材の外側空隙との間
に空気の流動が可能となり、壁内部の湿度の低下が促進
され、土台に用いている木材の乾燥も促進され、結露に
よる土台の腐食を防止出来る。

施工に際しても、断熱通気部材が壁部分及び床部分の
断熱材の取付に際し、位置決めのガイドとしての役割を
果たし、断熱材施工の精度及び施工性の向上を図ること
が出来る。

＜実施例＞ 以下、この発明を図示する一実施例によって説明す
る。

第１図は、本発明による真壁造の通気装置を在来の木
造住宅に施工した一実施例の断面図である。

布基礎１上に設けた土台２の上に溝面を下にして断熱
通気部材３が配置され、この断熱通気部材３の水平をな
す平板部上3aの一方の入隅部に根太4,4間に嵌挿配置さ
れた床断熱材５（例えばポリエチレン発泡板，ポリスチ
レン発泡板，グラスウール成形板等）の縁部を載置し、
更に壁断熱材６（例えば、ポリエチレン発泡板やグラス
ウール等）の下端縁部を断熱通気部材３の水平をなす平
板部上3aの他方の入隅部に当接させて配置することによ
り、本発明による真壁造の通気装置が構成されている。

そして、内装板8,床板９及び外装板10等を取り付けて
木造住宅の真壁の断熱壁体が構成される。

第２図及び第３図は本発明に使用される断熱通気部材
３の斜視図であり、断熱通気部材３は２つの方形の平板
部11,11′が直角に交差した断面凸形のブロック状合成
樹脂体の水平をなす平板部11の下面に、平板部11,11′
が交差した稜線に直交する方向に複数の溝12を設けるこ
とにより構成されている。この断熱通気部材３には、例
えば、ポリスチレンやポリエチレン若しくはポリウレタ
ン等の合成樹脂を原料とした成形品、又は合成樹脂発泡
体等を使用することが出来る。

溝12の形状は通気効果があれば何ら限定されることは
なく、例えば第２図に示す長方形の他に、第３図に示す
ような半円形の溝でも良い。

第４図はこの断熱通気部材３を在来の木造住宅の真壁
造の床と壁の断熱材の取り合い部に施工した実施例を示
すものである。

断熱通気部材３は所望の寸法に切断し、土台２上の柱
７と間柱７′との間、又は隣合う間柱７′７′間に溝12
を設けた平板部11を下側にして土台２上に配置する。

この後、床断熱材5,壁断熱材６を既に詳述せる如く、
断熱通気部材３の平板部上3aの一方の入隅部と他方の入
隅部とに夫々順次配置することによって、本発明の壁体
の通気装置が完成されている。

＜発明の効果＞ 本発明に係る真壁造の通気装置は上述の如き構成と作
用とを有するので、次の如き多大な効果を奏することが
出来る。

（１）断熱材取り合い部の断熱不良をなくし、断熱材本
来の性能を発揮することが出来る。

（２）壁体内部の湿度低下を図り、結露による土台の腐
食を防止することが出来る。

（３）断熱材施工の作業性，施工精度の向上を図ること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の一実施例を示すものであ
り、第１図は本発明の真壁造の通気装置を在来の木造住
宅に施工した状態を示す断面図、第２図及び第３図は夫
々断熱通気部材の斜視図、第４図は断熱通気部材を真壁
造の床部分と壁部分との断熱材の取り合い部に配置した
状態を示す斜視図である。 １は布基礎、２は土台、３は断熱通気部材、４は根太、
５は床断熱材、６は壁断熱材、７は柱、７′は間柱、８
は内装板、９は床板、10は外装板、11,11′は平板部、1
2は溝である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】布基礎上に設けられた土台の上に、２つの
   平板部からなる断面凸形のブロック状合成樹脂体の水平
   をなす平板部の下面に凸形稜線に略直交する方向の複数
   の溝が形成されてなる断熱通気部材が溝を下にして配置
   され、該断熱通気部材の水平をなす平板部面上の一方の
   入隅部に隣合う根太間に嵌挿配置された床断熱材の縁部
   が載置され、壁断熱材の下端縁部が前記断熱通気部材の
   水平をなす平板部面上の他方の入隅部に当接せしめられ
   て配置されていることを特徴とする真壁造の通気装置。