JPH0810623Y2 - 外壁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は躯体上に断熱板を全面配設し、この断熱板上
を横張りあるいは縦張りの外装材で形成した外壁構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、外壁を形成するには、例えば主柱、間柱等から
なる躯体上にスタイロフォーム等からなる断熱板を配設
し、この断熱板上に配設固定した胴縁上に、外装材をた
だ単に固定した構造であった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、この種の方法で外壁を形成した構造で
は、胴縁と外装材との間に空間が形成され、気密性、断
熱性に欠けると共に、害虫、ねずみ等の巣となり、居住
環境の悪化を招く欠点があった。また、この空間を断熱
板で充填するためには断熱板を胴縁間の幅に切断し、か
つ、胴縁の厚さと同厚の断熱板を用意しなければなら
ず、施工性に欠ける欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕 本考案はこのような欠点を除去するため、表面幅方向
中央に凹状の受け溝を形成し、かつ、表面両縁端には外
方にＬ字状に切り欠いた受け溝片から略断面を形成した
長尺板状の断熱板を躯体上に連続的に接合配設し、受け
溝と相隣る受け溝片から形成される凹状溝に断熱板の表
面より突出しないように胴縁を嵌挿固定し、その上に外
装材を配設固定することによって、胴縁と外装材間に空
間を形成することなく、気密性、断熱性、居住性を向上
し、さらには施工性をも向上した外壁構造を提案するも
のである。

〔実施例〕

以下に図面を用いて本考案に係る代表的な外壁構造の
一実施例について詳細に説明する。第１図（ａ）、
（ｂ）は本考案に係る外壁構造の一例を示す一部切り欠
き斜視図であり、（ａ）図は横張りの外装材７を、
（ｂ）は縦張りの外装材７を使用した一例である。図に
おいて1は躯体で主柱２、間柱３とからなるものであ
る。なお、躯体1は外壁改修においての既存外壁、例え
ば大壁、真壁、あるいは特公昭53-8129号公報で示され
たような下地のモルタル壁、コンクリート壁、または内
装材と外壁材間にグラスウール、セルロースファイバ
ー、ロックウール、プラスチックフォームを充填した既
存壁も含むものである。4は断熱板で第２図に示すよう
に、断熱板4の表面幅方向中央に形成した凹状の受け溝
５と、表面両端縁に配けた外方にＬ字状に切り欠いた受
け溝片5aとから略断面を構成した長尺状板材であり、主
柱２、間柱３に対応して略垂直方向、もしくは略水平方
向に連続的に接合配設され、外壁に気密性、断熱性、防
音性、防火性、空間排除による防虫、防鼠効果を付加す
るものである。また、断熱板4の中央の凹状の受け溝５
および相隣る断熱板4の受け溝片5aから形成される受け
溝５は、胴縁６と略同一の断面形状であり、断熱材4お
よび胴縁６と外装材７を密着させ、気密性、断熱性を向
上させるものである。また断熱板4の素材としては、ス
タイロフォーム、フェノールフォーム、イソシアヌレー
トフォーム等の合成樹脂発泡体からなるボード、石膏ボ
ート、シージングインシュレーションボード、木片セメ
ント板、パーティクルボード、ケイ酸カルシウム板、グ
ラスウール等の単体、もしくはそれらの複合体である。
さらに胴縁６は、外装材７を取り付ける下地となるもの
であり、断熱板4の受け溝５に嵌挿し、略垂直方向、も
しくは略水平方向に主柱２、間柱３と対応する位置に釘
よりなる固定具８で打設固定するものである。また外装
材７は第３図（ａ）〜（ｈ）に示すような断熱金属サイ
ディング材、もしくは図示しないが窯業系のサイディン
グ材、セラミック系の外装材等の一種からなるものであ
る。なお、図示しないが、躯体1と断熱板4の間にアスフ
ァルトフェルト、ターフェルト等からなるシート状物を
配設し、防水性を向上させることもできる。

次に本考案に係る外壁構造の実施例における施工順序
を説明する。いま第１図に示すような外壁構造を形成す
るとし、第１図（ａ）のイ−イ線端面図である第４図に
おいて、主柱２、間柱３からなる躯体1に対応して断熱
板4を略垂直方向に順次配設接合し、断熱板4の受け溝５
に胴縁６を嵌挿して胴縁６上から釘よりなる固定具８を
介して躯体1に固定する。その後外装材７を土台側から
軒天側に向かって順次施工していくものである。

〔その他の実施例〕

以上説明したのは本考案に係る外壁構造の一実施例に
すぎず、第５図（ａ）〜（ｅ）に示すような断熱板4と
することもできる。すなわち第５図において（ａ）〜
（ｄ）図は断熱板4同士の接合構造の変形例であり、
（ｅ）図は断熱板4の受け溝５および受け溝片5aにプラ
スチック等からなるパッキング体９を添着した断熱板4
である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る外壁構造によれ
ば、断熱板に形成した凹状の受け溝に胴縁を嵌挿するこ
とにより、断熱板および胴縁と外壁材との間が密着し、
気密性、断熱性が向上すると共に、害虫、鼠の巣形成を
排除し、さらに作業性が向上する。等の特徴、効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ｂ）は本考案に係る外壁構造の一例を
示す一部切り欠き斜視図、第２図は上記外壁構造を構成
する代表的な断熱板の一例を示す説明図、第３図（ａ）
〜（ｈ）は上記外壁構造を構成する代表的な外装材の一
例を示す説明図、第４図は上記外壁構造の一例を示す端
面図、第５図（ａ）〜（ｅ）は断熱板の変形例を示す説
明図である。1 ……躯体、4……断熱板、５……受け溝、６……胴縁、
７……外装材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】躯体上に外壁を形成する構造において、表
   面幅方向中央に設けた凹状の受け溝と、表面幅方向両端
   縁を外方にＬ字状に切り欠いた受け溝片とから略断面を
   形成した長尺板状の断熱板を躯体上全面に連続的に接合
   配設し、該断熱板の受け溝および相隣って接合配設した
   受け溝片同士から形成される受け溝に、断熱板の表面よ
   り突出しないように胴縁を嵌挿すると共に、該胴縁を介
   して前記断熱板を固定具により躯体に固定し、かつ、前
   記胴縁に外装材を装着固定したことを特徴とする外壁構
   造。