JP2526111B2

JP2526111B2 - 不燃性間仕切りパネル

Info

Publication number: JP2526111B2
Application number: JP63317644A
Authority: JP
Inventors: 孝雄小林
Original assignee: 淺野スレート株式会社
Priority date: 1988-12-16
Filing date: 1988-12-16
Publication date: 1996-08-21
Anticipated expiration: 2011-08-21
Also published as: JPH02164965A

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野本発明は、不燃性間仕切りパネルに関し、とくに高層
の共同住宅やホテル等における軽量耐火遮音間仕切壁を
構成するのに適する間仕切りパネルに関する。

b.従来の技術従来の間仕切りパネル１には、例えば第８図および第
９図に示すような構造のもの（特開昭63−27645号およ
び特開昭63−78942号参照）があった。このパネル１
は、パネル平板部2aの裏面に複数本の縦リブ2bを設け、
各縦リブ2bの上部に、上部スラブ３に配設した上部ラン
ナ４を嵌入させるための切込み５を設けた構造になって
いる。

このパネル１は、縦リブ2bの切込み５に上部ランナ４
を差込んで取付ることができるので、施工性に優れ、ま
た、地震等で上下スラブ3,6に変位が生じても切込み５
の部分でパネル１が滑動して、パネル１に亀裂が発生し
たり破壊したりするのを効果的に防止することができ
た。

また、パネル１は、コンクリート打込み式のものに比
べ、軽量性，耐火性，遮音性の点でも優れていた。

c.発明が解決しようとする課題ところで、このような従来のパネル１では、縦リブ2b
の切込み５と上部ランナ４との接合を確実にするため
に、該上部ランナを挟みこんで保持する部品７を切込み
５内に設ける必要があった。この部品７は接着剤を用い
て切込み５に取りつけていた。

しかし、この部品７を取付ける作業は、接着剤が硬化
するまで固定しておく必要があるため、手間がかかり、
パネル製造における作業性を低下させる一因となってい
た。

また、上記部品７は、パネル１の輸送中に離脱した
り、施工の際に外れる等の問題もあった。

さらに、従来のパネル１では、その縦リブ2bが中実で
あったため、重量が大となって取り扱い上問題があっ
た。

本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、上部ラ
ンナを挾持する部品を接着剤を用いることなく容易に固
定することができ、しかも、軽量化を図ることができる
不燃性間仕切りパネルを提供することを目的とする。

d.課題を解決するための手段本発明では、上記目的を達成するために、パネル本体
の裏面に複数本の縦リブを設け、これらの縦リブの上部
に切込みを設け、該切込みに、建物上部ランナを挟持す
るスプリング材を挿入して成り、建物の軽量耐火遮音間
仕切壁を構成する不燃性間仕切パネルにおいて、上記縦
リブに上記切込みに臨む中空部を設け、上記スプリング
材の両端に、下方に向けて、上記中空部に挿嵌しうる舌
片を延設するとともに、これらの両舌片に抜け止め手段
をそれぞれ設け、上記スプリング材を上記切込みに嵌入
するに際して、上記スプリング材の両舌片を上記中空部
に挿入することによって、上記スプリング材をその抜け
止め手段によって上記縦リブに固定する構成としてい
る。

e.実施例以下、本発明に係る不燃性間仕切りパネルの一実施例
について添附図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図〜第７図は、本発明の一実施例の要部を示して
いる。

本実施例の不燃性間仕切りパネル10は、高層の共同住
宅やホテル等の軽量耐火遮音間仕切壁を構成するに適す
るものである。このパネル10は、平板部11aの裏面に複
数本の中空縦リブ11bを設けて成るパネル本体11（第１
図参照）と、これらの縦リブ11bの上部に設けた切込み1
2に嵌着されるスプリング材13（第２図参照）とから構
成されている。

ここで、切込み12は、上方に向けて形成され、パネル
本体11の横幅方向（第１図に示す矢印Ａ方向）に伸びる
略Ｖ字状の大溝部12aと、同様に矢印Ａ方向に伸び、か
つ大溝部12aの底部に設けた略スリット状の小溝部12bと
から成っている。

また、縦リブ11bの中空部14は、その上部開口が切込
み12に臨んでおり、中空部14の水平断面形状は、長方形
となっており、切込み12の大溝部12aの幅よりもわずか
に長く設定されている。

スプリング材13は、わずかに離間させて折曲して形成
された基部13a,13aと、該基部から左右に開くように折
曲した拡開部13b,13bと、拡開部から左右水平方向に延
設した水平部13c,13cと、該水平部の端から下方に向け
て折曲形成した舌片13d,13dとから成る。

基部13a,13aの一方には、その内側方向にへこまして
押圧部13eが形成されている。

舌片13d,13dには、外部上方を向けて抜け止め手段、
例えば切起し13f,13fが形成されている。舌片13d,13dの
下端部13g,13gはそれぞれ内側へわずかに折曲されてい
る。

ここで、スプリング材13の舌片13dの幅寸法は中空部1
4の幅寸法（矢印Ａ方向の長さ）よりもわずかに小さめ
に設定されているが、基部13a、拡開部13bおよび水平部
13cの幅寸法は中空部14の幅寸法よりかなり大きめに設
定されている。

スプリング材13は、その舌片13d,13dを中空部壁面14
a,14aに沿わせて中空部14内で挿入しつつ、その基部13
a,13aを切込み12の小溝部12bに差し込むことによってパ
ネル本体11に組付けられる。この組付けは、舌片13d,13
dの下端部13g,13gがそれぞれ内側へ折曲されているの
で、スムーズに行うことができる。これによって、基部
13a,13aは切込み12の小溝部12b内に完全に収容されると
ともに、その拡開部13b,13bは大溝部12a上に位置され
る。

このとき、スプリング材13の水平部13c,13cは、縦リ
ブ11bの上面に載り、該スプリング材のそれ以上の中空
部14内への挿入を規制する。

またこのとき、スプリング材13の基部13a,13aは、そ
れ自身の弾性による拡開力によって小溝部12b内に保持
される。これとともに、舌片13d,13dの切起し13f,13f
は、中央部壁面14a,14aに係合する。これによって、ス
プリング材13は、舌片13d,13dと切起し13f,13fの共働作
用によって縦リブ11bの上部に確実に固定され、該スプ
リング材が縦リブ11bに対して揺動してガタ付くのが完
全に防止される。

以上のようにして、スプリング材13をパネル本体11に
組込むことにより本実施例の間仕切りパネル10が完成す
る。

なお、本実施例の不燃性間仕切りパネル10は、その本
体11を、例えば、繊維補強石膏モルタルあるいは繊維補
強セメントモルタル等を押出成形法によって成形するこ
とができる。

また、本発明では、中空縦リブ11bの数は特に限定さ
れず、例えばパネル本体11の平板部11aの中央に設けて
も良い。

さらに、本発明では、縦リブ11b内に限らず、パネル
本体11の平板部11a内にも複数の中空部分を設けて、よ
り一層の軽量化を図るようにしても良い。

さらにまた、切込み12の形状は、上記実施例の形状に
限定されず、要は、スプリング材13の形状と対応してい
ればどのような形状としても良く、該スプリング材が縦
リブ11bから抜けないように形成されればいかように形
成しても良い。

次に、第６図および第７図を参照して、不燃性間仕切
りパネル10を用いて建物に間仕切りを施して軽量耐火遮
音間仕切壁を構成した場合の一例について説明する。

なお、各図において、15は上部スラブ、16は下部スラ
ブ、17は壁または柱、18は上部スラブ15に取付けた上部
ランナである。上部ランナ18は、厚さが約1.6mm程度の
溝形鋼である。

いま、パネル10を上部スラブ15と下部スラブ16との間
に組込むにあたっては、上部ランナ18をスプリング材13
の開拡部13bに沿って滑り込ませ、基部13a,13a間に上部
ランナ18を差込んで設置する。それによって、組付け施
工を円滑かつ迅速に行なうことができる。このとき、上
部ランナ18は、スプリング材13の基部13a,13a間で保持
される。とくに押圧部13eを設けた場合は、その弾性に
よって押圧挾持されて確実に切込み12内に保持される。

なお、上記仕切壁を厚く形成する場合は、上部ランナ
18を構成する溝形鋼に替えて山形鋼を用いることもでき
る。

また、19は下部スラブ16に取付けた下部ランナで、そ
の厚さは1.6mm程度の山形鋼であるが、特に山形鋼には
限定されない。

ここで、パネル10の平板部11aは、その厚さが8mm程度
の繊維補強石膏板あるいは繊維補強セメント板等であ
り、また、縦リブ11bは、押出成形法により平板部11aと
一体的に、あるいは、平板部11aの両端に接着するよう
に別体に形成しても良い。

第６図には、３本の縦リブ11b,11b,11cを有する場合
のパネル10の一例が示されている。これら縦リブのう
ち、縦リブ11bは、パネル10の両端に設けられたもので
あり、必要によって相決りまたは本実加工が施された
り、必要に応じて隣り合せのパネルと接着される。ま
た、縦リブ11cは、パネル10の中央に設けられたものを
示している。

ここで、パネル10の下部は、下部ランナ19にビス20等
で固定されている。なお、遮音性能をさらに高める場合
には、パネル10表面に別の平板を張り足すようにすれば
良い。また、21はパネル10の縦リブ11b,11bまたは11c間
に形成された空間である。22はグラスウールまたはロッ
クウール等の不燃性吸音材であり、23は上下部スラブ1
5,16および壁または柱17とパネル10間の空隙を充填する
ロックウール等のマットであり、地震等には上下スラブ
15,16とパネル10間の緩衝材となる。24はパネル10の下
に敷かれる高さ調節用ライナである。25はパネル10の表
面側に設置するシール材である。

f.発明の効果以上説明したように、本発明に係る不燃性間仕切パネ
ルによれば、パネル本体の裏面に複数本の縦リブを設
け、これらの縦リブの上部に切込みを設け、該切込み
に、建物上部ランナを挟持するスプリング材を挿入して
成り、建物の軽量耐火遮音間仕切壁を構成する不燃性間
仕切パネルにおいて、上記縦リブに上記切込みに臨む中
空部を設け、上記スプリング材の両端に、下方に向け
て、上記中空部に挿嵌しうる舌片を延設するとともに、
これらの両舌片に抜け止め手段をそれぞれ設け、上記ス
プリング材を上記切込みに嵌入するに際して、上記スプ
リング材の両舌片を上記中空部に挿入することによっ
て、上記スプリング材をその抜け止め手段によって上記
縦リブに固定するように構成しているので、次のような
効果を得ることができる。

すなわち、本発明では、上記スプリング材を接着剤等
を用いることなく中空縦リブの切込みに嵌着固定するこ
とができる。したがって、不燃性間仕切パネルを容易か
つ迅速に製造することができる。

上記スプリング材は、その抜け止め手段によって上記
縦リブに確実に固定されるので、上記不燃性間仕切パネ
ルの輸送中や施工中における上記スプリング材の外れが
効果的に防止される。

また、上記縦リブに中空部を設けたことにより、上記
不燃性間仕切パネルの軽量化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本発明に係る不燃性間仕切りパネルの
一実施例を示し、第１図はそのパネル本体の上部の切込
みの部分を示す斜視図、第２図はスプリング材を示す斜
視図、第３図は不燃性間仕切りパネル上部の切込みの部
分を示す側面図、第４図は不燃性間仕切りパネルの要部
を示す平面図、第５図は第４図におけるＢ−Ｂ線断面
図、第６図および第７図は本実施例の間仕切りパネルを
用いて構成した軽量耐火遮音間仕切壁の一部を示し、第
６図はその水平断面図、第７図は第６図におけるＣ−Ｃ
線断面図、第８図および第９図は従来の不燃性間仕切り
パネルを用いて構成した軽量耐火遮音間仕切壁の一部を
示し、第８図はその水平断面図、第９図は第８図におけ
るＤ−Ｄ線断面図である。 10…不燃性間仕切りパネル、11…パネル本体、11b,11b
…縦リブ、12…切込み、13…スプリング材、14…中空
部。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】パネル本体11の裏面に複数本の縦リブ11b
を設け、これらの縦リブ11bの上部に切込み12を設け、
該切込み12に、建物上部ランナ18を挟持するスプリング
材13を挿入して成り、建物の軽量耐火遮音間仕切壁を構
成する不燃性間仕切パネルにおいて、上記縦リブ11bに上記切込み12に臨む中空部14を設け、上記スプリング材13の両端に、下方に向けて、上記中空
部14に挿嵌しうる舌片13dを延設するとともに、これら
の両舌片13dに抜け止め手段13fをそれぞれ設け、上記スプリング材13を上記切込み12に嵌入するに際し
て、上記スプリング材の両舌片13dを上記中空部14に挿
入することによって、上記スプリング材がその抜け止め
手段13fによって上記縦リブ11bに固定されることを特徴
とする不燃性間仕切りパネル。