JPH0623619Y2 - 床パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主として２階の床として使用される床パネ
ルに関するものである。

従来の技術 従来のプレハブ住宅特に集合住宅における２階に床は、
まず、現場で取り付けられた１階の軸組或いは柱の上端
間に床梁を渡し、互いに平行な各床梁に根太受を取り付
け、タンバックル式のブレースを取り付けて建ち通りの
修正を行なうとともに、その根太受上に根太を渡して床
材を張り付けていた。また、根太受の下面には野縁受が
取り付けられ、この野縁受の下面に取り付けた天井野縁
へ天井板を張り付けて天井を施工している。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の床の構造においては、根太受の取付け、根太
及びブレースの取付けを全て現場で行っており、そのた
め、現場施工の工数が非常に多くなる欠点を有してい
る。また、これら根太受、根太、ブレース等がそれぞれ
別の部品として現場に搬入され、しかも、根太受や根太
を取りつけるための金具が必要となって現場へ搬入され
る部品点数が非常に多くなり、それらの管理も非常に煩
雑となる欠点がある。

この考案は、このような従来の床構造の欠点を解消して
予め工場で生産された床パネルを現場へ搬入して床梁間
へ設置するのみでよく、従って現場作業の工数を大幅に
削減することのできる床パネルを提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記の課題を解決するため、この考案では、互いに平行
な根太受間に適宜間隔を置いて複数の根太を取り付ける
とともに、この根太より下側において、上記根太受間に
跨ってブレースを渡し、かつ、これら根太受、根太、そ
の根太の上面に張り付けられる床下地板及びブレースが
予め一体のパネルを構成していることを特徴とするもの
である。

作用 以上の如く、根太受（１）（１）、根太（４）（４）
…、及びブレース（６）（６）が、それぞれ一体のパネ
ル（10）を構成しているため、このようなパネル（10）
を工場生産して現場へ搬入し、現場では、これを梁間へ
設置して取り付けるのみでよい。

実施例 第１図〜第３図において、（１）（１）は、互いに平行
に配置される左右一対の根太受であり、この根太受
（１）は、断面Ｌ形のアングル部材からなるものであっ
て、その水平片（２）（２）が外方へ、垂直片（３）
（３）が下方へ向くようにして配置される。このように
配置される各根太受（１）（１）間には、適宜間隔をお
いて複数の根太（４）（４）…が、その両端部を固着し
て渡されている。根太受（１）（１）の長手方向の両端
部に位置する根太（４）（４）と、同じく中間部に位置
する根太（４）とによって囲まれる２つの方形の空間部
分には、これらの空間の対角線方向の隅部に固定プレー
ト（５）（５）が固着され、この固定プレート（５）
（５）間に跨って、それぞれ角パイプからなる圧縮型の
ブレース（６）（６）が、相互にくの字形を形成するよ
うにして取り付けられている。（７）は床下地板であ
り、この床下地板（７）が、ビスその他の手段によって
上記根太（４）上に張り付けられる。

次に、上記根太受（１）（１）の長手方向の両端部に位
置する根太（４）（４）及び中間部の根太（４）の下面
には、これら根太（４）（４）…の方向に沿って野縁受
（８）（８）…が取り付けられており、これらの野縁受
（８）（８）…間に跨って天井野縁（９）（９）（９）
が各々平行に渡されている。

この実施例では、上記根太受（１）（１）、根太（４）
（４）…、ブレース（６）（６）、野縁受（８）（８）
（８）及び天井野縁（９）（９）（９）を、予め一体の
パネルとして工場で生産するものであり、これを現場で
梁へ取り付けて施工される。第４図は、このような床パ
ネル（10）の取付け状態を示しており、図において（1
1）は、１階の軸組であり、この軸組（11）上にＨ形鋼
からなる床梁（12）が取り付けられている。そして、上
記床パネル（10）は、その左右両側の根太受（１）
（１）において、その水平片（２）（２）を上記床梁
（12）上へ設置し、これによって、各床梁（12）間へ渡
すようにして設置されるものである。（13）は、床梁
（12）上に設置された２階の軸組を示している。

更に、１階及び２階の軸組（11）（13）の両側には、そ
れぞれ２枚の石膏ボードからなる壁パネル（14）（14）
が取り付けられている。その際、１階の壁パネル（14）
は、床梁（12）の側面を通って、前記根太受（１）の水
平片（２）下面まで突き当てるようにして取り付けられ
ている。他方、２階の壁パネル（14）は、同じく水平片
（２）の上面へ突き当てるようにして設置されている。
この第３図の壁パネル（14）（14）は、集合住宅におけ
る隣室との界壁部に用いられるものであり、このような
集合住宅の界壁部においては、その防音及び防火上の厳
しい制限があるが、この実施例では、１階の壁パネル
（14）は、上記根太受（１）の水平片（２）下面まで突
き当てられ、２階の壁パネル（14）は同じく水平片
（２）の上面まで突き当てられているため、非常に防音
性、防火性に優れたものが得られる。従来においては、
ブレース（６）を現場で床梁（12）へ取り付けており、
また、各床梁（12）間に渡される角パイプからなる根太
（４）或いは根太受（１）の端部は、この壁パネル（1
4）部分を横切るため、これらブレース（６）及び根太
（４）或いは根太受（１）を避けて壁パネル（14）を切
り開かなければならず、それだけ作業工数が増え、ま
た、防音、防火性能も減少する欠点があったが、この実
施例ではかかる欠点がない。

第３図中、（15）は、天井野縁（９）の下面に釘打ち等
して張り付けた天井板を示している。

上記第１図〜第３図は、野縁受（８）及び天井野縁
（９）をも床パネル（10）の一部として予め一体に取り
付けたものを示しているが、第５図は、このような天井
野縁（９）及び野縁受（８）を予め一体に有していない
床パネル（10）の例を示している。

考案の効果 以上の如く、この考案によれば、根太受、根太、ブレー
スが予め一体のパネルを構成しているため、このような
パネルを現場で梁間へ設置するのみでよく、各部材をそ
れぞれ現場で個別に取り付けていた従来のものに比較し
て現場作業の工数が大幅に削減され、かつ、現場での部
品数も減少して部品管理も容易となる効果が得られる。
また、予めブレースをも一体に有して完全な方形を保持
しているので、このようなものを並べて行けば当然に建
ち通りが出るため、現場での修正の必要がない。特にこ
の考案では、前記ブレースは、根太の下側において根太
受間に取り付けていることから、根太へ床下地板を直接
打ち付ける場合でも、ブレースによってその下地板が浮
き上がることがなく、そのようなブレースの浮き上がり
を防止するための溝を下地板の裏面に形成したり、或い
は、下地板と根太との間にスペーサのようなものを設け
る必要がないという利点がある。更に、実施例で示すよ
うに、床下地板をも一体に取り付けておけば、従来の如
く作業用の足場板を特別に設置する必要がなくそのまま
作業床として使用でき、また、左右方向にずれて落下す
るといった危険もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す床パネルの一部分解
斜視図、第２図は平面図、第３図は、同じく床パネルの
側面図、第４図は、床パネルの取付け状態を示す界壁部
分の要部縦断面図、第５図は、この考案の他の実施例を
示す床パネルの側面図である。 （１）……根太受、（２）……水平片、 （３）……垂直片、（４）……根太、 （６）……ブレース、（７）……床下地板、 （９）……天井野縁。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに平行な根太受間に適宜間隔を置いて
   複数の根太を取り付けるとともに、この根太より下側に
   おいて、上記根太受間に跨ってブレースを渡し、かつ、
   これら根太受、根太、その根太の上面に張り付けられる
   床下地板及びブレースが予め一体のパネルを構成してい
   ることを特徴とする床パネル。
2. 【請求項２】根太の下面に、天井野縁が直接又は間接に
   取り付けられている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の床パネル。
3. 【請求項３】各根太受が水平片と垂直片とからなる断面
   Ｌ形の部材からなり、上記垂直片が下向に水平片が外向
   きとなるよう配置されている実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の床パネル。