JPS60319B2 - フォ−クリフトの回転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フオークリフトの回転装置に関し、詳しくは
前方視野の改善に役立つ回転装置に関するものである。

一般にフオークリフトは、昇降部材を昇降させるための
ＩＪフトシリンダおよびチェーン等の荷役部品を、左右
のマスト間の中央に配置した構造となっている。そして
、昇降部材の前面には回転フオークや回転クランプ等の
アタッチメントを取付けるための回転装置が装着される
が、この回転装置は良く知られているようにアタッチメ
ント装着用の回転体が前方を完全に遮断し、しかも回転
体の駆動機構を構成するオイルモータや歯車減速機等が
回転体における支持リングの上部に戦暦固定されている
ことから、前記荷役部品がマスト間中央部に位置してい
ることと相換って運転席からの前方視野が著しく阻害さ
れこれが作業性の悪化原因となっている。本発明は、上
記した従来の不具合を除去して、運転席からの前方視野
を良化向上することのできるフオークリフトの回転装置
を提供しようとするものである。

以下、本発明を具体化した図示の実施例について詳述す
る。

図において１はアウタマストｌａとィンナマストｌｂと
からなる左右一対のマストを示しており、両アウタマス
トｌａはその上端部同志をアッパクロスビームｌａ′に
より、また下端部同志をロアクロスビームｌａ″により
それぞれ連結されるとともに、下端部が車体２の前端部
に回動可能に支持されていて、テイルトシリンダ３によ
って前後便される。一方、両ィンナマストｌｂは上端部
同志および下端部同志をアッパタィビームｌｂ′、ロア
タィビームｌｂ″によってそれぞれ連結されていて、前
記アウタマストｌａにリフトローラ４を介して上下動可
能とされている。昇降部材を構成するりフトブラケット
５を昇降するための２本のりフトシリンダ６は左右のマ
スト１の後方に配置（外側方に配置しても差支えない）
され、アウタマストｌａのｏアクロスビームーａ″上に
立設されている。リフトシリンダ６のピストンロッド６
ａ上端にはほぼＵ字形のホイール支持体７が固着され、
このホイール支持体７に支軸９を介して回転可能に支持
されたチェーンホイール８には「一端をアウタマストｌ
ａに固着し他端をリフトブラケツト５に固着したりフト
チェーン１０が掛装されている。また、ホイール支持体
７にはィンナマストｌｂの上端部またはアッパタィビー
ムｌｂ「‘こ固着されたほぼ逆Ｕ字形の受承体１１が摺
動可能に外鼓されており、この受承体１１の側板にはチ
ェーンホイール８の支軸９と係合する縦長のガイド溝１
１ａが形成されていて、このことによってリフトブラケ
ット５にはガイド溝１１ａの長さにて決定するフリーリ
フトが与えられている。・しかして、通常左右のマスト
ー間に配置されているリフトシリンダ６をマスト１の後
方に配置したことによって、左右のマスト１間には相当
スペースの空間部１２が形成され、この空間部１２には
リフトブラケット５が配置される。

リフトブラケット５は上下に一定間隙Ｓを置いて配置さ
れた上下の前面板５ｂと、両前面板５ｂを背面両側にお
いて結合する両側板５ａとからなり、この両側板５ａの
上下部にそれぞれ回転可能に鞄支されたりフトローラ１
３を介してリフトシリンダ６およびリフトチェーン１０
によりインナマストｌｂに案内されながら昇降されるよ
うになっている。リフトブラケット５における前面板５
ｂの前面には回転体１４が装着されており、この回転体
１４はリフトブラケット５の前面板５ｂに造数個のボル
ト１５によって固着された支持リング１４ａと「 この
支持リング１４ａの外周に多数個の鋼球１６を介して回
転可能に隊合されかつ外周面には大歯車１７を一体に備
えた（別体構成としても差支えない）回転リング１４ｂ
とから構成されている。そして、上記両リング１４ａ，
１４ｂの摺動面の近傍には該摺動面を前後両側から隠蔽
するためのりップ１８，１８′が装着されている。摺勢
面の前側および後側に配置される２個のＩＪツプ１８，
１８′は、合成樹脂またはゴム等の適当な弾力性を有す
る材質のものからリング状に形成されている。そして一
方のリップ１８は内縁が支持リング１４ａの外周面の後
端に固定されかつ外縁が回転リング１４ｂの背面に弾力
的に接触されており、また他方のリップ１８′は外縁が
回転リング１４ｂの内周面の前端に固着されかつ内縁が
支持リング１４ａの前面に弾力的に接触されており「こ
のことにより両リング１４ａ，１４ｂの摺動面に対する
塵挨の侵入が防止されている。回転リング１４ｂの前面
にはフオーク１９をフック部２０を介して取付けるため
の平板状のフィンガーバ−２１が通数個のボルト２２に
よって固着されており、このフィンガーバー２１の中央
部には前記支持リング１４ａの円孔１４ａ′よりも僅か
に小径の円孔２１ａが同芯的に貴談されてい・る。

すなわち、このフィンガーバー２１に貫設された円孔２
１ａと、前記回転体１４における支持リング１４ａの円
孔１４ａ′と、前記リフトブラケット５における上下の
前面板５ｂ間に形成された間隙Ｓとは、昇降部材および
これに装着される回転装置の中央部分に対して前方硯視
用の開□部Ａを形成することになる。従って、運転席上
の運転者はこの閉口部Ａを通して前方を親視することが
可能となり、フオーク１９の回転角度や先端位置等の確
認が容易となって荷役作業の安全性向上に役立つもので
ある。なお、前記閉口部Ａが充分な大きさを確保するよ
うに、リフトブラケツト５における下側の前面板５ｂの
上縁中央部は、フィンガーバー２１の円孔２１ａとほぼ
等しい曲率の円弧面５ｂ′に形成されている。また、前
記フィンガーバー２１の円孔２１ａには防塵円筒２３が
鉄入されかつ溶接等により固定されており、この防塵円
筒２３は支持リング１４ａの円孔１４ａ′内まで延在さ
れるとともにその外周面には支持リング１４ａの内周面
と当綾するブラシ２４を有していて、これにより上記し
た関口部Ａから塵挨が支持リング１４ａの前面とフィン
ガーバー２１の背面との間に落込んで両リングｌ４ａ，
１４ｂの摺敷面に侵入することを防止している。

また、防塵円筒２３の後端内周にはリング状の印板２５
が固着または一体に形成されており、この印板２５の円
周面と、これを取囲む非回転側のＩＪフトブラケット５
の前面板５ｂおよび支持リング１４ａとには、運転者が
目視できるようにペイントまたは着色粘着テープ等によ
り互に対応する合印２６，２７が、たとえば４５度の間
隔で付されている。従って、運転者は前方が見難いよう
な状況下にあっても非回転側の合印２７に対する回転側
の合印２６の相対位置を知ることによってフオーク１９
の回転角度を判断することができて荷役作業における安
全性を図る上に好都合である。一方、前記回転体１４を
回転駆動するための駆動機構２８は、オイルモータ２９
とこのオイルモータ２９に一体的に結合された減速機３
０とからなっていて、減速機３０のギャケース内にはオ
イルモータ２９にて回転されるウオーム３１およびウオ
ームホィール３２が内蔵され、このウオームホィール３
２の軸上には前記回転体１４における回転リング１４ｂ
の大歯車１７と噛合する駆動ピニオン３３が設けられて
いる。

そして、上記の如き構成の駆動機構２８は前記リフトブ
ラケット５における前面板５ｂの背面でかつ運転席と反
対側の側部寄り位置に該リフトブラケット５と前後方向
において重合するように配置されている。すなわち、着
席形式の運転席は一般には車体の前後方向中心線に対し
て左側に片寄っているのが普通であるため、本実施例で
は上記駆動機構２８を、前記開□部Ａを通しての運転席
からの前方視野の妨げとなりにくい右側の側板５ｂ寄り
に配置せしめたもので、オイルモータ２９を下側としか
つ該モータ２９の車由線方向が垂直方向となるように縦
向きとした状態で、減速機３０のギャケースの一部が通
数個のボルト３４によって固定されている。駆動機構２
８を上記の如く縦向きに配置したことによって、該駆動
機構２８における大部分はリフトブラケット５の陰に隠
れ減速機３０の一部のみかりフドブラケツト５の上緑よ
りも僅か高位瞳に存在するだけであって、従来のものよ
りも立ち上り寸法が小さくなるため、マスト１間にリフ
トシリンダ６やりフトチェーン１０等の荷役部品が存在
しないことと相換って運転席からの前方視野がきわめて
良化向上される。また、駆動機構２８がリフトブラケッ
ト５に対し前後方向に重合配置されたことに伴い、荷重
中心位置を車体２側に接近できるため、フオークリフト
の許容荷重が向上されて積載能力の増大につながるとと
もに、車両の前後安定度が良化されるものである。第６
図は回転体１４における支持リング１４ａと回転ＩＪン
グ１４ｂとの摺動面に対する防塵手段の変更例を示して
いる。

第６図イに示す例は防塵円筒２３の後端外周に設けたフ
ランジ２３ａに合成樹脂製またはゴム製のＵ形リング３
５を、支持リング１４ａの内周面に密接させて取付け、
かつ防塵円筒２３については長溝２３ｂを介してボルト
３６により位置調節可能に取付けたものであり、また第
６図口に示す例は支持リング１４ａの内周寄り前面にリ
ップ３７を、フィンガーバー２１の背面と当援するよう
に設けたものであり、さらに第６図ハに示す例は支持リ
ング１４ａとフィンガーバー２１との間に○リング３８
を介在させたものであり、さらにまた第６図二に示す例
はフィンガ−バー２１の背面に支持リング１４ａの前面
と当援するブラシ２４付きの防塵リング３９を取付けた
ものであって、上記したいずれの例においても有効な防
塵効果を期待することができる。以上詳述したように、
本発明はリフトシｌｊンダをマストの後方または外側方
に配置せしめて両マスト間に空間部を形成してなるフオ
ークリフトにおいて、上記空間部に配置した昇降部材お
よびこれに装着される回転体ならびに該回転体に装着さ
れるフィンガーバーの中央部に前方視視用の開□部を設
けて前方視野を拡大したものであり、従って運転者は上
記の閉口部を通して前方を見ながらフオークやクランプ
アーム等のアタッチメントの位置あるいは状態を確認し
て荷役作業を行うことができ、作業の安全と疲労の軽減
に大きく役立つものである。また、本発明は回転装置に
おける回転体を駆動するためのオイルモータおよび減速
機からなる駆動機構を、前言己昇降部村の背面側でかつ
運転席と反対側の側方寄り位置に縦向きに設置せしめた
ので、上記駆動機構の立ち上り寸法が抑えられ、マスト
間にリフトシリンダが存在しないことと相挨つて運転席
からの前方視野がすこぶる良化向上され、また荷重中心
位置が車体側に接近されるため、フオークリフトの許容
荷重が向上されるとともに車両の前後安定度が増大され
る等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本発明を実施し
たフオークリフトを示す側面図、第２図は主要部を示す
斜視図、第３図は同じく正面図、第４図は同じく平断面
図、第５図は同じく側断面図、第６図イ〜二は回転体の
摺動面に対する防塵手段の各変更例を示す部分断面図で
ある。 １…マスト、５…リフトブラケツト、６…リフトシリン
ダ「 １２・・・空間部、１４・・・回転体、１４ａ・
・・支持リング、１４ｂ・・・回転リング、１４ａ′…
円孔、２１…フィンガーバー、２１ａ・・・円孔、２３
・・・防塵円筒、２６，２７…合印、２８・・・駆動機
構、２９・・・オイルモータ、３０…減速機、Ａ・・・
関口部。 第２図 第１図 第３図 第４図 第５図 第６図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 昇降部材を昇降せしめる２本のリフトシリンダを、
   昇降部材を案内するマストの後方に配置せしめることに
   より左右のマスト間に空間部を形成してなるフオークリ
   フトにおいて、前記空間部に配置した昇降部材の前面に
   は回転体を装着するとともに、昇降部材および回転体な
   らびに該回転体の前面に装着されるフインガーバーの各
   中央部には前方覘視用の開口部を設けたことを特徴とす
   るフオークリフトの回転装置。 ２ 昇降部材を昇降せしめる２本のリフトシリンダを、
   昇降部材を案内するマストの後方に配置せしめることに
   より左右のマスト間に空間部を形成してなるフオークリ
   フトにおいて、前記空間部に配置した昇降部材の前面に
   は回転体を装着するとともに、昇降部材および回転体な
   らびに該回転体の前面に装着されるフインガーバーの各
   中央部には前方覘視用の開口部を設け、前記昇降部材の
   背面側でかつ運転席位置の反対側寄り位置には、回転体
   駆動用のオイルモータを含む駆動機構を、該オイルモー
   タの軸が縦向きとなるように配置せしめたことを特徴と
   するフオークリフトの回転装置。