JPS601120B2 - 自動溶接装置における被溶接物搬出入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来、上下方向に移動し得るトーチ取付具と水平な直交
２藤方向に移動し得る被溶接物取付具との相互位置を制
御して自動熔接するごとくした自動溶接装置における被
熔接物取付具への被溶接物の搬出入作業は、被熔接物が
軽量または短尺のものについてはもっぱら人手により行
なわれていたが、重量物または長尺のものについてはク
レーン等の荷役機械を使用して行なわれ、この場合の作
業は位置決めおよび取付けに相当長時間を要するため自
動溶接装置の処理能力の低下を招き、さらに被溶接物を
落したり、あるいは熔援熱のこもった被溶嬢物に手を触
れて火傷する等の危険性も伴なつて安全面でも問題とな
っていた。

本発明は前述事情に鑑み長尺円形状物体を対象として発
明したもので、自動溶接装置付近の所定位置に上下動可
能な昇降台を設け、さらに該昇降台に近接して被溶接物
の搬入用および搬出用コンベヤを別個または兼用に設け
、前記昇降台の上昇位置において昇降台と前記各コンベ
ヤ相互間における被溶接物の移載を行ない得る移載手段
を設け、前記昇降台より自動溶接装置の被溶接物取付具
への被熔接物の受渡し時における位置決めのための位置
修正と、被溶接物を前記被溶接物取付具に対して固定ま
たは固定解除するときの手動クランプ操作以外を総て自
動で行ない、もって被溶接物取付具に対する被溶接物の
搬出入作業時間の短縮を計るとともに、溶接作業完了后
の加熱された被熔接物に直接手を触れることによる危険
を完全に回避して、安全作業に期した自動溶接装置にお
ける被溶接物搬出入装置を提供するものである。

図の実施例により詳述する。説明の便宜上、第１，２図
において左・右を後（方・部・面）・前（方・部・面）
、第３図において左・右を右側（方）・左側（方）と呼
称する。１は平面Ｌ字形の基台、２は基台１の前記Ｌ字
の一辺に立設した垂直枠体、３は上下方向（図面矢印Ｚ
方向）に移動し得るごとく前記垂直枠体２の側面に取り
付けた腕、４は前記腕３の先端に取り付けられて垂直軸
まわり（図面矢印心方向）に揺動可能としたト−チ取付
具、５は前記トーチ取付具４先端に取り付けたトーチで
、該トーチ５の取付位置および取付角度は溶嬢方法や被
溶接物の形状等により適宜決められる。

６は前記垂直枠体２と適宜離間して基台１の前記Ｌ字の
他辺に固設した第１枠体、７は前後方向（図面矢印×方
向）に移動し得るごとく前記第１枠体６に戦暦した移動
台、８は左右方向（図面矢印Ｙ方向）に移動し得るごと
く前記移動台７に戦層した第２枠体、９は前記前後方向
の中心軸まわり（図面矢印■方向）に回転し得るごとく
前記第２枠体８の前部に取り付けた被熔接物取付具の取
付板、１川ま該取付板９に固定したＬ字形の取付治具で
、水平部１０ａ先端には左右方向に適宜離間して固定し
た２個のボール受座１１ａにより転動自在に支持される
ごとくポール１１，１１を配置してある。

１２は前記第２枠体８の下部前面に前記取付拾具１０下
方を越えて前方に突設した支持台で、先端部には前記ボ
ール１１，１１と対向する同高さ位置において固定した
２個のボール受座１３ａにより転勤自在に支持されるご
とくボール１３，１３を配置してあり、これら４個のポ
ール１１，１１，１３，１３により円形長尺の被溶接物
Ｗを回転および前後方向の移動自在なるごと〈支承可能
としてある。

１４は被溶接物Ｗを前記治具１０１こ位置決め固定する
ための市販のクランプで、前記矢印Ｘ方向に直交する軸
まわりに揺動し得るごとく前記治具１０の垂直部１０ｂ
先端前面に鞠支したＬ字形の揺動ブラケット１５の垂直
部前面に固設してあり、常時は前記揺動ブラケット１５
と共に後方に揺動退避されて被溶接物Ｗの前記治具１０
および支持台１２に対する移戦を可能ならしめるも、被
溶接物Ｗの拾具１０への固定に際しては拾具１０および
支持台１２のボール１１，１１，１３，１３間に被熔接
物Ｗを戦暦した状態で、前記揺動ブラケット１５を前方
に揺動させることにより前記クランプ１４を被溶接物Ｗ
の後部上方に位置せしめ、レバー１４ａの操作によりク
ランプ榛１４ｂを下方に押動し、該クランプ棒１４ｂの
先端を被溶接物Ｗの後部周面所定位置に穿設した位置決
め用穴Ｗａに挿入するとともに先端より若干上方に突設
した鍔部１４ｃを前記穴Ｗａ部に当接・押圧し、被溶接
物Ｗを治具１０に位置決め固定するごとくしてある。

１６は前記第２枠体８の前端上面に固設した前記クラン
プ１４の退避確認用のＩＪミットスイッチ、１７は前記
治具１０の垂直部１０ｂに前後方向に摺動自在に挿通し
、外鼓した適宜ばね（図示せず）により常時は前方に付
勢された状態にある係合ピンで、前記クランプ１４が上
方にもたらされた状態で該クランプを後方へ退避させる
べく前記揺動ブラケット１５を揺動させた際該揺動ブラ
ケットの側面が前記係合ピン１７に当接押動し、さらに
該係合ピン１７の後端が前記リミットスイッチ１６に係
合作動し、それによって前記クランプ１４の退避完了を
検知するごとくしてある。

尚「 この場合のばね力は係合ピン１７のみを元位置に
復帰可能とする程度の弱いものとし、クランプ１４の退
避位置においては該クランプ全体の重量により係合ピン
１７が復帰しない様にしてある。１８は前記第１枠体６
の右端前方の所定位置に配置した昇降台で、床面に固定
した昇降シリンダ１９、該シリンダのロッド上端で右端
下面を連結支持される受台２０、前記シリンダ１９の前
後部両側における床面に固定した２本の案内筒２１に摺
動自在に鉄入し上端を前記受台２０下面と連結したガイ
ド榛２２，２２等より成り、前記受台２０は搬出入位置
に移動してきた前記支持台１２中央部上方に位置するご
とく左端部を突出させ、該左端前後部上面において左右
方向に配置した軸まわりに回転可能に周面Ｖ字形の前・
後ローラ２３，２４を設けてあり、このうち前ローラ２
３は前記受台２０の右端内部に設けたモータ２５により
減速機２６を介し回転駆動させるごとくしてある。

しかして前記昇降台２８は昇降シリンダ１９の作動によ
り前・後ローラ２３，２４の高さが前記ポール１１，１
３より上方または下方の所定位置に昇降し得るようにな
っている。

２７，２８は前記昇降台１８の右方および前方に配設し
た被溶接物Ｗの搬入用および搬出用のコンベヤで、この
うち搬入用コンベヤ２７は終端部左側部を前記昇降台１
８の右側部に近接して配置し、また搬出用コンベヤ２８
は女台端部を前記昇降台１８の前方則ち搬出入位置に移
動してきた前記支持台１２先端部に近接して配置してあ
り、両コンベヤ２７，２８はそれぞれ適宜駆動源２９，
３０の駆動により間欠的に駆動するごとくなっており、
駆動源３０のみ前記モータ２５と同調始動する。

尚、前記コンベヤ２７，２８は前記上昇位置にある昇降
台１８と上面を同じ高さとし、各コンベヤパネル３１，
３２の上面は中央部を若干弧状に欠除させてある。

３３は前記搬入用コンベヤ２７の終端部支持枠体に固設
したりミットスイッチで、前記コンベヤ２７で搬送され
てきた被溶接物Ｗの前端に係合して該被溶接物Ｗがコン
ベヤ２７の終端部所定位置に達したことを検知し、前記
駆動源２９の駆動を一旦停止させるものであり、譲頬駆
動源２９は後述の作動指令が出るまで駆動を開始しない
ようにしてある。

３４は前記搬入用コンベヤ２７の反昇降台２８側側部に
適宜ブラケット３５により固設したテレスコシリンダ式
プッシャで、前記昇降台１８の上昇状態においてロッド
伸長によりコンベヤ２７上に鼓遣された被溶接物Ｗを押
動し、前・後ローフ２３，２４上に移致し得るごとくし
てある。

この他動作開始指令用の自動復帰式押卸スイッチが制御
盤（図示せず）中に設けてあり、前記係合ピン１７がリ
ミットスイッチ１６に係合していないときのみ溶接が行
なわれるごとくしてある。また、昇降台１８のモータ２
５および搬出用コンベヤ２８の駆動源３０の駆動時間を
制御するタイマーも前記制御盤中に設けてあり、溶接済
被溶接物Ｗ‘を昇降台１８から搬出用コンベヤ２８に完
全に移致し得るに十分な時間を任意に設定可能となって
いる。さらに図示しないが別に設けたマイクロコンピュ
ータ内蔵の遠隔制御装置には予め所定の工程順に従って
被溶接物ＷをＸ，Ｙ，■方向、またト−チ５をＺ，山方
向にそれぞれ移動させ乍ら自動溶接を行なうごとくプロ
グラムしてある。

次に本発明装置の作用につき第４図に示すタイミングチ
ャートに基づき説明する。

既に被溶接物取付具の取付治具１０上に被溶接物Ｗが搭
載されている状態において動作開始指令用押釘スイッチ
を操作する。移動台７が熔接作業位置に向って矢印Ｙ方
向に移動し、他の矢印×，Ｚ，叫，８方向の移動ととも
に自動溶接が開始され、同時に搬入用コンベヤ２７によ
り次の被溶接物Ｗがコンベヤ終端部に移送され、リミッ
トスイッチ３３の作動により停止する。

溶接完了後移動台７が搬出入位置に復帰すれば、手動操
作によりクランプ１４を外して退避位置に移動させると
、リミットスイッチ１６のＯＮにより昇降台１８が上昇
し、溶接を完了した被熔接物Ｗ′を昇降台１８上に移教
する。

上昇限において前ローラ２３および搬出用コンベヤ２８
が駆動して前記熔接済被溶接物Ｗ′を該搬出用コンベヤ
上へ移載し、タイマーによる適宜時間後プツシャ３４が
作動して次の被溶接物Ｗを昇降台１８上へ押動移教する
。次いで昇降台１８の下降により前記被溶接物Ｗが取付
拾具１０および支持台１２上へ移議される。ここにおい
て手動により被溶接物Ｗの回動および前後方向への位置
調整を行なった後、クランプ１４を操作して被溶接物Ｗ
の取付けを完了する。

再び押金ロスイッチを押すことにより、前述のごとき自
動溶接動作および次の被溶接物の搬入が始まる。このよ
うな作業の反復により、自動溶接と一部手動による被溶
接物搬出入作業を含む一連の半自動操作が連続的に行な
えるものである。

尚、最初の作業開始に際しては取付治具１０上には被溶
接物Ｗが搭載されていないため、クランプ１４はクラン
プ位置に移動させてリミットスイッチ１６をＯＦＦとし
たのち秤釦スイッチを操作し、プログラムも最初の部分
のみ自動溶接動作部の長さを適宜短縮して、被溶接物Ｗ
の搬入完了後直ちに溶接完了位置に到達するごとくして
おけばよい。

第４図中、点線による表示部分は手動操作部分であり、
可及的速かに行なえばそれだけ１サイクルの所要時間が
短縮されるものであり、作業内容は移動容易なボール上
における被溶接物Ｗの位置決めのための移動とクランプ
操作のみの軽作業である。

尚、本実施例では搬入用コンベヤ２７と搬出用コンベヤ
２８とを別個に設けたが１つのコンベヤを搬出入兼用に
用いても同様に実施できる。

この場合、搬入用コンベヤ２７を延設するとともにモー
タ２５の代りにプッシャ３４と同様のものを昇降台１８
の受台２０左側に昇降可能に設けて溶接済被溶接物Ｗ′
をコンベヤ２７へ押し戻し可能とするか、または搬入用
のシリンダ３４の先端を８Ｕに設けた適宜真空装置によ
り被溶接物の吸着を可能として、搬出は該吸着によるご
とくしてもよい。さらにこの場合の昇降台１８は、前・
後ローラ２３，２４を廃止して単なるＶ字状支承具によ
り被溶接物Ｗの前・後部を支承させるのみでよい。以上
詳述せるごと〈本発明装置によるときは、自動溶接装置
の被溶接物取付具が本来もつている直交水平２軸の移動
、昇降台の上下方向移動、および搬入・搬出用コンベヤ
の水平移動を粗合せて従来搬出入作業に用いていたクレ
ーン等の荷役機械の３次元の運動を代行させることによ
り、被溶接物の被溶接物取付具への位置決め固定と固定
解除は人手によるものの、搬入・搬出用コンベヤと昇降
台との間、および昇降台と被熔接物取付具との間におけ
る被溶接物の移教を自動的に行わせたため、搬出入の所
要時間の大幅な短縮を計ることができ、また作業員が被
溶接物を持ち上げたり、溶接熱のこもった被熔接物に直
接手を触れたりすることなく安全な作業が確保されるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は全体平
面図〜第２，３図はそれぞれ第１図のＡ〜ＡおよびＢ〜
Ｂ矢視図、第４図はタイムチャートである。 図中、５はトーチ、９は取付板、１０１ま取付拾具、１
２は支持台、１８は昇降台、２７は搬入用コンベヤ、２
８は搬出用コンベヤ、３４はプッシヤである。 オ ■ 図 汁２図 が ３ 図 オ４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下方向に移動し得るトーチ取付具と互いに直交す
   る水平な前後・左右２つの方向に移動する移動体により
   適宜取付治具を介し被溶接物を固定し得る被溶接物取付
   具との相互位置を制御して自動溶接するごとくした自動
   溶接装置において、該自動溶接装置付近の所定位置に配
   設した昇降台と、該昇降台に近接して配置した少くとも
   １つのコンベヤと、前記昇降台の上昇位置において該昇
   降台と前記コンベヤの相互間における被溶接物の移載を
   可能とする移載手段、および前記被溶接物取付具と前記
   昇降台それぞれに設けた支承具と昇降台の昇降により該
   昇降台と被溶接物取付具との相互間における被溶接物の
   受け渡しを可能とする移載手段とを備えたことを特徴と
   する、自動溶接装置における被溶接物搬出入装置。 ２ 前記コンベヤは被溶接物の搬入用と搬出用の２つの
   コンベヤから成り、それぞれ前記搬入用コンベヤの終端
   側部と搬出用コンベヤの始端部を前記昇降台に近接させ
   た、特許請求の範囲第１項記載の自動溶接装置における
   被溶接物搬出入装置。 ３ 前記コンベヤは搬出入兼用となし、前記昇降台側部
   に並設した、特許請求の範囲第１項記載の自動溶接装置
   における被溶接物搬出入装置。 ４ 前記昇降台と搬入用コンベヤ間の移載手段として、
   前記搬入用コンベヤの反昇降台側側部にテレスコシリン
   ダ式プツシヤを設けた、特許請求の範囲第２項記載の自
   動溶接装置における被溶接物搬出入装置。 ５ 前記昇降台と搬出用コンベヤ間移載手段として、昇
   降台は上面に周面Ｖ字状のローラを搬出方向と直角の水
   平軸まわりに回転自在に少なくとも２個並設するととも
   に、該搬出側のローラを適宜駆動源により強制的に回転
   可能とし、該ローラの駆動源と前記搬出用コンベヤの駆
   動源とを同調して始動させるごとくした、特許請求の範
   囲第２項記載の自動溶接装置における被溶接物搬出入装
   置。 ６ 前記昇降台と搬出入コンベヤ間の移載手段として、
   前記コンベヤの反昇降台側側部に先端部に別に設けた適
   宜真空装置により被溶接物の吸着を可能とする吸着アタ
   ツチメントを備えたテレスコ式シリンダを設けた、特許
   請求の範囲第３項記載の自動溶接装置における被溶接物
   搬出入装置。 ７ 前記昇降台と搬出入コンベヤ間の移載手段としてコ
   ンベヤの反昇降台側側部および前記昇降台の反コンベヤ
   側側部にそれぞれ前記コンベヤまたは前記昇降台へ向う
   テレスコシリンダ式プツシヤを設けた、特許請求の範囲
   第３項記載の自動溶接装置における被溶接物搬出入装置
   。 ８ 前記昇降台は上面に少なくとも２個のＶ字状支承具
   を前記コンベヤと並列して設けた、特許請求の範囲第３
   項記載の自動溶接装置における被溶接物搬出入装置。 ９ 前記被溶接物取付具は、前記前後移動体の昇降台に
   対面する側に水平軸まわりに回転可能に設けた取付板に
   Ｌ字形治具を固定するとともに、該Ｌ字形治具とは別個
   に該治具下方を越え前方に適宜長さ突出させて支持台を
   設け、これらＬ字形治具の水平部材上および支持台先端
   にそれぞれボール受座により支持される２個宛のボール
   を配設し、これら４個のボールにより被溶接物を回転お
   よび前後移動可能に支承した状態で、前記Ｌ字形治具に
   設けた適宜クランプ手段により被溶接物の固定を行ない
   得るごとくした、特許請求の範囲第１項記載の自動溶接
   装置における被溶接物搬出入装置。 １０ 前記クランプ手段は前記治具の水平部に対向する
   ごとく前記治具に進退自在に取り付け、クランプ本体は
   後退位置にあるとき前記昇降台の昇降動作による該昇降
   台と前記被溶接物取付具の治具との間の被溶接物の受け
   渡しを可能ならしめ、適時前方に進出してクランプ棒を
   前記治具に載置した被溶接物の所定穴内に挿入・押圧す
   ることにより該被溶接物を前記治具に対し位置決め固定
   するごとくした、特許請求の範囲第９項記載の自動溶接
   装置における被溶接物搬出入装置。