JPS594993B2 - 発酵法によるl−リジンの製法 - Google Patents

発酵法によるl−リジンの製法

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JPS594993B2
JPS594993B2 JP15927776A JP15927776A JPS594993B2 JP S594993 B2 JPS594993 B2 JP S594993B2 JP 15927776 A JP15927776 A JP 15927776A JP 15927776 A JP15927776 A JP 15927776A JP S594993 B2 JPS594993 B2 JP S594993B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は発酵法によるL−リジンの製法に関する。
従来知られている発酵法によるL−IJリジン製造法は
、ホモセリン要求性変異株等の栄養要求性変異株、スレ
オニン感受性変異株、5−(2−アミノエチル)L−シ
スティン(以下ABCと記す耐性変異株等の代謝調節変
異株を用いる方法の2つに分けられる。
本発明者らは、より効率の高いL −IJレジン産菌を
誘導すべく研究した結果、ブレビバクテリウム属又は、
コリネバクテリウム属に属し、リジンアナログに耐性を
有し、かつ少くとも一つのキノン又は、キノリン骨格を
有する化合物に耐性を有する変異株が、極めて高い収率
で、L −IJリジン生産することを見い出した。
この発明は、この知見にもとすいて完成されるに到った
ものである。
本発明の変異株が、著量のL−IJリジン生産する機構
は、明らかでないが、上記栄養要求性変異株にも属さず
、又、上記の代謝調節変異株にも属さない新しい型の変
異株であることは明らかである。
本発明に於て用いる微生物は、グルタミン酸生産菌とし
て知られている代表的な微生物、ブレビバクテリウム属
、コリネバクテリウム属、アルスロバクタ−属もしくは
、ノカルディア属などに属する微生物を親株として通常
の変異誘導法、およびスクリーニング法により採取され
るところのリジンアナログに耐性を有し、かつ少くとも
一つのキノン又はキノリン骨格を有する化合物に耐性を
有する変異株である。
本発明におけるリジンアナログとは、以下のような性質
を有する化合物であり、例えばABC1α−ハロゲノカ
プロラクタム、γ−メチルリジン等がある。
(1)化学構造がリジンに類似する。
(2)ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属等
の微生物の増殖を抑制する。
(3)上記増殖の抑制は、培地にL −IJリジン添加
することにより解除される。
本発明におけるキノンまたはキノリン骨格を有する化合
物とは以下のような性質を有する化合物であり、例えば
8−ハイドロキシキノリン(以下8−Qと記す)、8−
ハイドロキシキノリン−5−スルフォン酸、5,8−ジ
オキソ−6−アミツーアークロロキノリン(以下PYと
記す)等のキノリン誘導体、1,4−ナフトキノン(以
下1゜4−NQと記す)、1,2−ナフトキノン(以下
1.2−NQと記す)、2,3−ジクロロナフトキノン
(以下CNQと記す)、5−カルボキシ−31−チア−
6′−アザ−2,3−シクロヘキセノナフタレン−1,
4−キノン、6 ’−(S)−カルボキシ−3′−チア
−7フーアザー2,3−シクロへブテノナフタレン−1
,4−キノン(以下PXと記す)、Nα、Nε−ビス(
3−クロロ−1,4−ナフト−2−キノリル)−L−I
JリジC以下PLと記す)及びグラナチシン(以下GR
と記す:等がある。
(1)ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属等
の微生物の増殖を抑制する。
(2) この増殖の抑制はL−ロイシンを培地に添加
することにより部分的に又は全部解除される。
以下に本発明の変異株について、その具体的誘導方法の
1例と得られた菌株について、キノン又は、キノリン誘
導体に対する耐性の度合いを示す実験例を示す。
なおCCLはα−クロロカプロラクタムを示す。
(1) jレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム
AJ11082(FERM−P 3840)(AEC
’ CCLrAla−)を、常法ニヨリN−メチルーN
′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンにて処理(250
td!/ml、 30℃で30分)した後、以下に示
す最少培地に、8−Q、PY。
1’、4−NQ、1.2−NQ、CNQ、GR。
PX、又はPLをそれぞれ、5 pfi/ml 、 5
μg7<ml 、 10μL/続、10μm/l 、
10μg/ml 、 i p、g/ml 、 30 p
、 g/ml、又は30pg/d添加した培地に接種し
、31.5℃で振とうし、耐性株の集積培養を行なった
2〜7日後、菌の生育が認められた培養液を、下記培地
組成の分離用培地に塗床し、2〜4日間31℃にて培養
し、生じたコロニーを採取した。
最少培地組成 グルコース 2 g/dll尿素
0.25 g/dl 硫酸アンモニウム 1 g/dlKH2P
0. 0.1 9/a1MgS04・7H2
00,04g/dl FeSO4・7H201rr1?/d1 Mn S 04 ・4H201”9/ d 11ビオチ
ン 50 μg/ 13サイアミン塩酸
塩 100 μg/11NaC15ml/dl L−7ラー=−7pH7,250m97 dllニコチ
ン酸アミド 0.5 ■/d7この様にして
得られた各種キノン又はキノリン骨格を有する化合物に
耐性を有しかつリジンアナログに耐性を有する菌の内、
L −IJレジン産能のすぐれた変異株としてAJ11
083(FERM−P3841 )(AEOr、CCL
r、AAa−,8−Q’)AJ11084(FERM−
P3842)(AECr。
CCL’、Ala 、PYr)、AJ 11085(
1085(FER43)(AECr、CCL’、Ala
−,1,4−NQr)、AJ11086(FERM−P
3844)(AEOr、CCLr、Ala−,1,2−
NQr)jAJ −11087(FERM−P3810
87(FER。
CCLr、AAa−、CNQr)、AJ 11088(
FERM−P31088(FER,CCL’、Ala−
、GR’)、AJ11089(FERH−P3847)
(AECr。
CCLr、AAa−、PXr)、及びAJ11090(
FERM−P3848 )(ARCr、CCLr。
Ala−tpxr)、を採取した。
又、同様の方法によりコリネバクテリウム・アセトグル
タミクムAJ11094(FFRM−P381094(
FFR。
Ala−)を親株として処理することにより、L −リ
ジン生成能の優れたキノンまたはキノリン骨格を有する
化合物に耐性を有する変異株としてAJ11095(F
ERM−P3857)(AECr。
Ala−,8−Qr)およびAJ 11096(FER
M−P3858)(AECr、AAa−、PXr)を採
取した。
(2) AJ 11083 、 AJ 11084
、 AJl 1085 、 AJ 11086 、 A
J 11087 。
AJ 11088 、 AJ 11089 、及びAJ
11090についてキノン又はキノリン骨格を有する化
合物に対する耐性の度合いを調べた。
結果を第2表に示す。
AJ 11083 、 AJ 11084 、 AJ1
1085、AJ−11086,AJ11087゜AJ
11089およびAJ 11090の菌体を下記組成の
液体培地で洗浄後その6rrLlにそれぞれけん濁した
(このけん濁液の562mμにおける吸光度はその26
倍希釈液として0.330゜0°300.0.320.
0.330.0.300 。
0.300,0.330であった。
)これを、下記の液体培地に第2表に記載した濃度の8
−Q。
PY、1.4−NQ、1.2−NQ、CNQ。
GR,PX、又はPLを添加した培地を、31rLlづ
つ入れた試験管に、0.1 dづつ接種して30℃にて
24時間培養した。
又、対照としてAJ 11082を同様に培養した。
培地組成ニ ゲルコース 2 9/dl(NH4)2
S04 1 g/dlKH2P0.
0.1 ji/di!;MgSO4・7H
200,049/dl NaCI O,05g/dl尿素
0.25g/dl ビオチン 50 μm1/1サイアミン
塩酸塩 200 /1FeSO4−’yH
2o 1〜/UMnSO4・4H2o
1 ’%’/ UL−アラニン
50 η/Uニコチン酸アミド 5
■/lpH7、2(KOHによる) 結果は、第1表の如くであり、親株のAJ11082株
は、キノン及びキノリン骨格を有する化合物を含有する
培地ではほとんど生育し得なかったが、AJ11083
.AJ11084゜AJ11085.AJ11086.
AJ11087.AJ11088、AJ1i089.及
びAJ11090は十分生育した。
これらの微生物をもちいてL−IJレジン生産せしめる
には、とくに困難はなく、炭素源、窒素源、無機塩類、
生育因子および使用する微生物が要求する栄養物質を含
有する通常の栄養培地をもちいて常法によりおこなう。
もちいられる炭素源としては、グルコーズ、シュークロ
ーズ、糖蜜、デンプン加水分解液などの糖類、酢酸、プ
ロピオン酸などの有機酸、エタノール、プO/々ソール
などのアルコール類、安息香酸などの有機化合物、更t
こ菌を選べば、炭化水素なども使用できる。
窒素源としては、硫安、硝安、塩安、リン安、尿素アン
モニアその他を使用できる。
又、栄養要求性を示す変異株に対しては、栄養要求物質
を、純標品として、もしくはそれらを含有するもの、例
えば、大豆タンパク質加水分解物、コーン・ステイープ
・リカー、酵母エキス、あるいはペプトンなどの形で、
天然物質を、添加使用することができる。
更にAJ11082株および、それから誘導された変異
株の場合は、ニコチン酸アミド、にコチン酸でも可)の
添加によって、その生育が促進されるので、本菌の培養
に当っては、ニコチン酸アミド(又は、ニコチン酸)、
含有物質、又はニコチン酸アミド(又はニコチン酸)そ
のものを必要に応じて添加することが好ましい。
本発酵の条件は、通気培養が良く、発酵湯度は、24〜
37℃、発酵日数は通常2〜7日である。
発酵開始時および培養中のpHは4.0〜9.0が良く
、pHの調整には、無機あるいは有機の酸性あるいはア
ルカリ性物質、更には尿素、炭酸カルシウム、アンモニ
アガスなどを使用することができる。
発酵液からのL −IJレジン採取は、通常イオン交換
樹脂法、その他の公知の方法を組み合わせることにより
、おこなわれ、培地の種類によっては、直接晶析法によ
り行なうことも可能である。
実櫂例 1 下記の組成の培地を20d宛、500d容振とうフラス
コに分注し、110℃にて5分間蒸気殺菌した。
培地組成 グルコース 10 fl/dl硫酸
アンモニウム 4.5 g/dlKH2PO
40,1g/d1 MgSO,・7H200,04g/dllFeS0 ・
7HO1■/d1 2 Mn50 ・4HO1m9/d1 2 ビオチン 5販El/1 サイアミン塩酸塩 20oltg/l 大豆タンパク塩酸加水 分解液濃imr物1.5 ml/ a l(総窒素 7
係) 炭酸カルシウム (別殺菌添加) 5 g/dl pH7,0 上記の如く調整したフラスコ中の培地に、あらかじめグ
ルコーズ・ブイヨンフラント上で生育せしめたブレビバ
クテリウム・ラクトフェルメンタムAJ11083.A
J11084.AJ11085、AJ11086.AJ
11088゜AJ11089.もしくはAJ11090
、またはコリネバクテリウム・アセトグルタミクムAJ
11095もしくはAJ−11096を1白金耳つつ接
種し、それらを31℃にて72時間振とう培養した。
又、対照として、親株であるブレビバクテリウム・ラク
トフェルインタムAJ11082および、コリネバクテ
リウム・アセトグルタミクムAJ −11094を同じ
培地、培養条件で培養した。
72時間培養後の培地中のL−IJレジン成量を、酸性
−銅ニンヒドリン反応を用いる比色法によって行なった
結果を第2表に示す。AJ11089株の培養終了液を
集め遠心分離によって、菌体及びカルシウム塩を除いた
上清液11を、強酸性イオン交換樹脂(「アンバーライ
トJ I R−120CH型)に通過させ、L−リジン
を吸着させた。
ついで、3%アンモニア水で、吸着したL −リジンを
溶出し、溶出液を減圧濃縮した。
濃縮液に塩酸を添加したのち、冷却し、L−リジンを、
L−リジン塩酸塩第2水加物として析出させ、結晶37
、5.9を得た。
実姉例 2 ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムAJ110
89及び、その親株AJ 11082をそれぞれスラン
ト上より1白金耳かきとり、欠配種培養培地501′I
Llに接種し、18時間、31℃にて通気攪拌培養をお
こなって種培養液を調整した種培養培地組成: グリコース 1.579/dll酢
酸アンモニウム 0.397dl尿素
0.1 Vctノ KH2PO40,1g/d1 MgS04・7H200,04g/d 1FeSO4・
7H201”/dA’ MnSO4・4H201m9//dl ピオチン 504/itサイアミ
ン塩酸塩 200 ttl/13大豆タンパ
ク塩酸加水 分解液濃縮物 2 ml!/dl(
総窒素 7条) pH7,5 一方、1ノ容小型ガラス製ジヤー・ファーメンタ−に欠
配の組成より成る主発酵培地を300ゴ宛分注し、常法
により殺菌した。
これらに上記の種培養液をそれぞれ151rLl宛接種
し、31℃にて通気攪拌培養を開始した。
主発酵培地組成: グルコーズ 2177dl酢酸アン
モニウム 0.5 g/dl尿素
0.2 fi/dl KH2PO40,1g/d1 Mg 804・7H200,049/dlFeS04・
7H201rrLVd1 MnSO4”4H201mp/dA’ ピオチン 50 μg//1サイア
ミン塩酸塩 504/lニコチン酸アミド
1■/l大豆タンパク塩酸加水 分解液濃縮物 3TLl/dl(総
窒素 7係) pH7,2 培養液中に、酢酸と酢酸アンモニウムとの混合液(酢酸
:酢酸アンモニウムとの混合液のモル比は1:0.25
、混合液の酢酸濃度は60チ)を培地のpHを、7.2
〜8.0の間lこ保持するように添加して31°〜33
℃で、55時間培養を行なった。
結果を第3表に示す。
AJ11089の発酵終了液300dから、実施例1と
同様の方法により18.1のL−リジン塩酸塩第2加水
物結晶を得た。
実姉例 3 ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムAJ110
89及びその親株である同AJ11082を、それぞれ
1白金耳、実姉例2に示した種培養培地(但し、酢酸ア
ンモニウムの代りにエチルアルコールを0.5%使用し
、さらに尿素を0.39/dlに変更した)501rL
lに接種し、18時間31℃にて通気攪拌培養を行なっ
た。
一方、11容の小型ガラス製ジャーファーメンタ−に実
姉例2において示した主発酵培地(但し、グルコーズ濃
度は、1i/dlになるようにし、酢酸アンモニウムの
代りにエチルアルコールを1fi/dl、硫酸アンモニ
ウムを0.5g/dl添加した。
)を30011Ll宛分注し、殺菌した。
これらに上記の種培養液をそれぞれ15rrLl宛接種
し、31℃にて通気攪拌培養を開始した。
培養中、アンモニアガスによりpHを、7.2〜8.2
の間に保持した。
エチルアルコールは、その消費をカスクロマトグラフで
定量し、その培地中の濃度が0.3i/dlに減少した
とき少量培地に添加した。
31〜33℃で、48時間培養後、それぞれ第4表に示
す量のL−IJグリン培養液中に蓄積した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ブレビバクテリウム属またはコリネバクテリウム属
    に属し、リジンアナログに耐性を有し、少くとも一つの
    キノン又はキノリン骨格を有する化合物に耐性を有し、
    かつI、−IJリジン生成蓄積する能力を有する変異株
    を培養し、生成蓄積したL−リジンを採取することを特
    徴とする発酵法によるL−リジンの製法。
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