JPH09271382A - エクトインを用いるl−アミノ酸の発酵法による製造方法 - Google Patents
エクトインを用いるl−アミノ酸の発酵法による製造方法Info
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- JPH09271382A JPH09271382A JP8355996A JP8355996A JPH09271382A JP H09271382 A JPH09271382 A JP H09271382A JP 8355996 A JP8355996 A JP 8355996A JP 8355996 A JP8355996 A JP 8355996A JP H09271382 A JPH09271382 A JP H09271382A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 L−アミノ酸の発酵工程の改良は、L−
アミノ酸生産の効率化に寄与してきた。今回、発酵条件
の改良法として、添加法によるL−アミノ酸生産の効率
化を検討する。 【解決手段】 L−アミノ酸の発酵生産をするに当た
り、エクトインの存在下で培養することにより、L−ア
ミノ酸生産量を増大させる。
アミノ酸生産の効率化に寄与してきた。今回、発酵条件
の改良法として、添加法によるL−アミノ酸生産の効率
化を検討する。 【解決手段】 L−アミノ酸の発酵生産をするに当た
り、エクトインの存在下で培養することにより、L−ア
ミノ酸生産量を増大させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エクトインを用い
るL−アミノ酸の製造法に関する。さらに詳しくは、エ
クトインをL−アミノ酸生産能を有する微生物源を用い
る工程に存在せしめてL−アミノ酸を高濃度化、高速度
蓄積化、高収率化させ、L−アミノ酸生産を効率化せし
める方法に関する。
るL−アミノ酸の製造法に関する。さらに詳しくは、エ
クトインをL−アミノ酸生産能を有する微生物源を用い
る工程に存在せしめてL−アミノ酸を高濃度化、高速度
蓄積化、高収率化させ、L−アミノ酸生産を効率化せし
める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物を用いたL−アミノ酸の生産方法
に於いて、発酵工程の改善によるL−アミノ酸の生産効
率を高める方法は従来より種々研究されている。例え
ば、抗生物質、界面活性剤又は抗酸化剤を添加する方法
(特開昭50−5592、特開昭50−64486、特
開昭50−12292、特開昭62−48393、特開
平5−3793)、酸素を富化させる方法(特開昭61
−216697)、通電する方法(特開昭62−5898
6)、炭素源濃度制御法(特開昭57−29289、特
開平5−76346)、栄養素量の制御法(特開平5−
30985)、ビチオンを過剰に添加する方法(特開昭
62−61593)、アスパラギン酸を添加する方法
(特開昭59−154994)、キノリン類の添加法
(特開昭53−86091)、N−メチルグリシン類を
添加する方法(特開昭62−181791)などが知ら
れている。
に於いて、発酵工程の改善によるL−アミノ酸の生産効
率を高める方法は従来より種々研究されている。例え
ば、抗生物質、界面活性剤又は抗酸化剤を添加する方法
(特開昭50−5592、特開昭50−64486、特
開昭50−12292、特開昭62−48393、特開
平5−3793)、酸素を富化させる方法(特開昭61
−216697)、通電する方法(特開昭62−5898
6)、炭素源濃度制御法(特開昭57−29289、特
開平5−76346)、栄養素量の制御法(特開平5−
30985)、ビチオンを過剰に添加する方法(特開昭
62−61593)、アスパラギン酸を添加する方法
(特開昭59−154994)、キノリン類の添加法
(特開昭53−86091)、N−メチルグリシン類を
添加する方法(特開昭62−181791)などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の個々のL−アミ
ノ酸の発酵生産技術及びそれらの組合せ技術は、L−ア
ミノ酸生産の効率化に寄与してきた。しかし、産業界に
おいては、更に、安価で高生産できるL−アミノ酸の工
業的製造方法が求められており、この点において従来の
技術でははなはだ不充分である。本発明はこのような課
題を解決すべく多種のL−アミノ酸の発酵法に対して、
それらによる生産の効率化を可能にする新規で汎用性の
高い方法を提供する。
ノ酸の発酵生産技術及びそれらの組合せ技術は、L−ア
ミノ酸生産の効率化に寄与してきた。しかし、産業界に
おいては、更に、安価で高生産できるL−アミノ酸の工
業的製造方法が求められており、この点において従来の
技術でははなはだ不充分である。本発明はこのような課
題を解決すべく多種のL−アミノ酸の発酵法に対して、
それらによる生産の効率化を可能にする新規で汎用性の
高い方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはL−アミノ
酸の新規で効率的生産方法について鋭意研究を積み重ね
た。その結果、エクトインの存在により、微生物のL−
アミノ酸生産量が顕著に促進することを発見し、これに
基づき、本発明を完成した。
酸の新規で効率的生産方法について鋭意研究を積み重ね
た。その結果、エクトインの存在により、微生物のL−
アミノ酸生産量が顕著に促進することを発見し、これに
基づき、本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
明する。
【0006】エクトインは、1,4,5,6−テトラヒ
ドロ−2−メチル−4−ピリミジン−カルボン酸または
3,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリ
ミジン−カルボン酸で示される環状アミノ酸であり、好
塩性細菌Ectothiorhodospira ha
lochlorisが生産する補償溶質として発見さ
れ、その高浸透圧に対する耐性作用(すなわち、高浸透
圧耐性)が報告されている(Galinski,B.
A.ら、Eur,J.Biochem.,Vol.14
9,pp135−139(1985);高野光男ら、日本
発酵工学会大会プログラム第193頁1988年)。ま
た、エクトインの生合成経路(Peters,P.ら、F
EMS Microbiol.Lett.,Vol.7
1,pp157−162(1990))や物性(Khu
najakr,N.ら、AnnualReports
of International Center o
f Cooperative Research in
Biotechnology,Japan,Vol.
12,pp157−167(1989))についても報
告されている。さらに、エクトインを微生物から抽出単
離する方法(Khunajakr,N.ら、Annua
l Reports of Internationa
l Center of Cooperative R
esearchin Biotechnology,
Japan,Vol.12,pp157−167(19
89))や化学的に合成する方法(特開平3−3126
5号)が知られている。
ドロ−2−メチル−4−ピリミジン−カルボン酸または
3,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリ
ミジン−カルボン酸で示される環状アミノ酸であり、好
塩性細菌Ectothiorhodospira ha
lochlorisが生産する補償溶質として発見さ
れ、その高浸透圧に対する耐性作用(すなわち、高浸透
圧耐性)が報告されている(Galinski,B.
A.ら、Eur,J.Biochem.,Vol.14
9,pp135−139(1985);高野光男ら、日本
発酵工学会大会プログラム第193頁1988年)。ま
た、エクトインの生合成経路(Peters,P.ら、F
EMS Microbiol.Lett.,Vol.7
1,pp157−162(1990))や物性(Khu
najakr,N.ら、AnnualReports
of International Center o
f Cooperative Research in
Biotechnology,Japan,Vol.
12,pp157−167(1989))についても報
告されている。さらに、エクトインを微生物から抽出単
離する方法(Khunajakr,N.ら、Annua
l Reports of Internationa
l Center of Cooperative R
esearchin Biotechnology,
Japan,Vol.12,pp157−167(19
89))や化学的に合成する方法(特開平3−3126
5号)が知られている。
【0007】エクトインは、L−アスパルテート−β−
セミアルデヒドから生合成され、その合成過程にエクト
イン合成酵素群と呼ばれる、L−ジアミノ酪酸トランス
アミナーゼ、L−ジアミノ酪酸アセチルトランスフェラ
ーゼ及びエクトイン合成酵素が関与している。エクトイ
ン合成酵素は、α−N−アセチル−ジアミノ酪酸からエ
クトインを合成する酵素であり、好塩性細菌からの精製
方法やその性質について報告されている(高野光男ら、
日本生物工学会講演要旨集第203頁1992年)。さ
らに、エクトイン合成酵素の遺伝子構造および塩基配列
について明らかにされ、エクトイン合成酵素をコードす
る遺伝子DNAを宿主細胞に導入し、宿主細胞にエクト
イン合成能を付与して、高塩濃度環境下で培養効率を上
げる方法が報告されている(高野光男ら、日本生物工学
会講演要旨集第166頁1993年)。
セミアルデヒドから生合成され、その合成過程にエクト
イン合成酵素群と呼ばれる、L−ジアミノ酪酸トランス
アミナーゼ、L−ジアミノ酪酸アセチルトランスフェラ
ーゼ及びエクトイン合成酵素が関与している。エクトイ
ン合成酵素は、α−N−アセチル−ジアミノ酪酸からエ
クトインを合成する酵素であり、好塩性細菌からの精製
方法やその性質について報告されている(高野光男ら、
日本生物工学会講演要旨集第203頁1992年)。さ
らに、エクトイン合成酵素の遺伝子構造および塩基配列
について明らかにされ、エクトイン合成酵素をコードす
る遺伝子DNAを宿主細胞に導入し、宿主細胞にエクト
イン合成能を付与して、高塩濃度環境下で培養効率を上
げる方法が報告されている(高野光男ら、日本生物工学
会講演要旨集第166頁1993年)。
【0008】また、高塩濃度環境下でエクトインの添加
により、大腸菌の発育を促進させる方法(Jebbar
M.ら、Journal of Bacteriol
ogy,Vol.174,pp5027−5035(1
992))や根粒菌(Rhizobium属菌)の発育
を促進させる方法(Talibard R.ら、Jou
rnal of Bacteriology,Vol.
176,pp5210−5217(1994))が知ら
れている。
により、大腸菌の発育を促進させる方法(Jebbar
M.ら、Journal of Bacteriol
ogy,Vol.174,pp5027−5035(1
992))や根粒菌(Rhizobium属菌)の発育
を促進させる方法(Talibard R.ら、Jou
rnal of Bacteriology,Vol.
176,pp5210−5217(1994))が知ら
れている。
【0009】しかしながら、微生物の増殖はむしろアミ
ノ酸の収率を阻害することも事実であり、その例は枚挙
にいとまがない程、一般的である。そして、エクトイン
についても、L−アミノ酸の生産を促進する事実は知ら
れていないのである。
ノ酸の収率を阻害することも事実であり、その例は枚挙
にいとまがない程、一般的である。そして、エクトイン
についても、L−アミノ酸の生産を促進する事実は知ら
れていないのである。
【0010】本発明の目的は、L−アミノ酸生産の新規
な効率化の方法を提供することにある。 (参考例)エクトインの調製:ハロモナス属KS−3株
〔工業技術院生命工学技術研究所;寄託番号FERMP
−13952(平成5年11月5日受託)〕を、塩化ナト
リウムを含んだM63培地(組成:0.1MKH2P
O4,75mMKOH,15mM(NH4)2SO4,1mM
MgSO4,3.9μMFeSO4,22mMgluco
se,0.51MNaCl)に0.25%(w/v)酵
母エキスを加え(濃度はすべて終濃度)、通気攪拌条件
下37℃で一夜前培養した。この前培養液を110mM
のグルコースを含んだM63培地に2%濃度で接種し、
30℃で通気条件(0.5vvm)下に攪拌し、培養し
た。約7時間培養し、培養菌液の濁度(波長660nm
の吸光度)が約1.5に達した時に、塩化ナトリウムを
最終濃度2.56Mとなるように添加し、更に10時間
培養した。遠心分離にて菌体を採取し洗浄、菌体(we
t)を得た。この菌体を10倍量の70%エタノールで
80℃にて10分間攪拌し、ガラスフィルターによる濾
過にて粗抽出液を得た。その粗抽出液中のエタノールを
減圧濃縮(35℃)にて除去した濃縮液に、同量のクロ
ロホルムを添加混合した後、遠心分離(8,000rp
m、30分間)した。次いで、その遠心上層液(水層)
を回収し、減圧下に濃縮乾固した。残留物にクロロホル
ム処理時と同量のエタノールを加え、不溶物を遠心分離
(8,000rpm、30分間)で除去した。遠心上清液
を減圧下に濃縮乾固した後、残留物を適量の蒸留水に溶
解させ、陰イオン交換カラム(DIAION SA10
A、三菱化成株式会社製)を用いて精製分離させる。洗
浄画分にエクトインが溶出し、これを回収後凍結乾燥
し、粉末精製のエクトインを得た。エクトインの分析
は、ピータースらの方法(Peters,P.ら、FE
MS Microbiol.Lett.,Vol.7
1,pp157−162(1990))にしたがって、
高速液体クロマトグラフィーまたは薄層クロマトグラフ
ィーを用いて行った。上記の培養・精製を1000Lタ
ンクで行ったとき、湿重量6.2kgの菌体から約40
gの粉末精製のエクトインを得た。
な効率化の方法を提供することにある。 (参考例)エクトインの調製:ハロモナス属KS−3株
〔工業技術院生命工学技術研究所;寄託番号FERMP
−13952(平成5年11月5日受託)〕を、塩化ナト
リウムを含んだM63培地(組成:0.1MKH2P
O4,75mMKOH,15mM(NH4)2SO4,1mM
MgSO4,3.9μMFeSO4,22mMgluco
se,0.51MNaCl)に0.25%(w/v)酵
母エキスを加え(濃度はすべて終濃度)、通気攪拌条件
下37℃で一夜前培養した。この前培養液を110mM
のグルコースを含んだM63培地に2%濃度で接種し、
30℃で通気条件(0.5vvm)下に攪拌し、培養し
た。約7時間培養し、培養菌液の濁度(波長660nm
の吸光度)が約1.5に達した時に、塩化ナトリウムを
最終濃度2.56Mとなるように添加し、更に10時間
培養した。遠心分離にて菌体を採取し洗浄、菌体(we
t)を得た。この菌体を10倍量の70%エタノールで
80℃にて10分間攪拌し、ガラスフィルターによる濾
過にて粗抽出液を得た。その粗抽出液中のエタノールを
減圧濃縮(35℃)にて除去した濃縮液に、同量のクロ
ロホルムを添加混合した後、遠心分離(8,000rp
m、30分間)した。次いで、その遠心上層液(水層)
を回収し、減圧下に濃縮乾固した。残留物にクロロホル
ム処理時と同量のエタノールを加え、不溶物を遠心分離
(8,000rpm、30分間)で除去した。遠心上清液
を減圧下に濃縮乾固した後、残留物を適量の蒸留水に溶
解させ、陰イオン交換カラム(DIAION SA10
A、三菱化成株式会社製)を用いて精製分離させる。洗
浄画分にエクトインが溶出し、これを回収後凍結乾燥
し、粉末精製のエクトインを得た。エクトインの分析
は、ピータースらの方法(Peters,P.ら、FE
MS Microbiol.Lett.,Vol.7
1,pp157−162(1990))にしたがって、
高速液体クロマトグラフィーまたは薄層クロマトグラフ
ィーを用いて行った。上記の培養・精製を1000Lタ
ンクで行ったとき、湿重量6.2kgの菌体から約40
gの粉末精製のエクトインを得た。
【0011】本発明で用いるL−アミノ酸とはL−グル
タミン酸、L−リジン、L−グルタミン、L−アルギニ
ン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−イソ
ロイシン、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−バリ
ン、L−セリン、L−オルニチン、L−シトルリン、L
−チロシン、L−トリプトファンおよびL−ロイシンな
どのL−アミノ酸であり、ここに例示したL−アミノ酸
以外でも発酵法により生産されるL−アミノ酸であれば
本発明の方法は使用可能である。
タミン酸、L−リジン、L−グルタミン、L−アルギニ
ン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−イソ
ロイシン、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−バリ
ン、L−セリン、L−オルニチン、L−シトルリン、L
−チロシン、L−トリプトファンおよびL−ロイシンな
どのL−アミノ酸であり、ここに例示したL−アミノ酸
以外でも発酵法により生産されるL−アミノ酸であれば
本発明の方法は使用可能である。
【0012】本発明で用いるL−アミノ酸生産菌は上記
のL−アミノ酸を生産する微生物であればどのような微
生物を用いてもよい。
のL−アミノ酸を生産する微生物であればどのような微
生物を用いてもよい。
【0013】具体的には、例えば下記に示すような生産
菌を用いることができる。
菌を用いることができる。
【0014】 1 L−グルタミン酸生産菌 コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC14020 (ブレビバクテリウム・ディバリカタム) コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC14067(AJ1510) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869(AJ1511) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−5012(AJ11360) コリネバクテリウム・アセトアシドフイラム ATCC13870(AJ1550) コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC13032 コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス FERM BP−1539 FERM BPー1540
【0015】 2 L−リジン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM P−1708(AJ3419) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−1709(AJ3420) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1712(AJ3425) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM BP−996(AJ12220)
【0016】 3 L−グルタミン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM P−5502(AJ11576) コリネバクテリウム・アセトアシドフイラム ATCC13870(AJ1550)
【0017】 4 L−アルギニン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM P−7642(AJ12144) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−7274(AJ12093)
【0018】 5 L−フェニルアラニン生産菌 コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM−P 1844(AJ3432) コリネバクテリウム・フラバム FERM−P 1916(AJ3439) コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC21670
【0019】 6 L−スレオニン生産菌 エセリヒア・コリ FERM BP−1483(AJ11334) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−5835(AJ11654) コリネバクテリウム・フラバム FERM P−4164(AJ11172) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−4180(AJ11178)
【0020】 7 L−イソロイシン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM P−805(AJ3271) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−4192(AJ11190)
【0021】 8 L−ヒスチジン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM−P 2316(AJ3620) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1565(AJ3386) コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC14297
【0022】 9 L−プロリン生産菌 コリネバクテリウム・フラバム FERM P−5332(AJ11512) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM BP−1219(AJ11225) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−4372(AJ11227)
【0023】 10 L−バリン生産菌 コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1945(AJ3446) コリネバクテリウム・フラバム FERM P−512(AJ3276) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1968(AJ3455)
【0024】 11 L−セリン生産菌 コリネバクテリウム・クリシノフイラム FERM P−1688(AJ3414) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1371(AJ3360) シュードモナス・メガルブエッセンス FERM P−4532(AJ11262)
【0025】 12 L−オルニチン生産菌 コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P− 5936(AJ11678) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−5644(AJ11589)
【0026】 13 L−シトルリン生産菌 コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−5643(AJ11588) コリネバクテリウム・フラバム FERM P−1645(AJ3408)
【0027】 14 L−チロシン生産菌 コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−5836(AJ11655) コリネバクテリウム・フラバム FERM P−7914(AJ12180) パチルス・ズブチリス FERM P−6758(AJ11968)
【0028】 15 L−トリプトファン生産菌 パチルス・ズブチリス FERM P−5286(AJ11483) コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−7127(AJ12044) コリネバクテリウム・フラバム FERM BP−475(AJ12022) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM P−7128(AJ12052)
【0029】 16 L−ロイシン生産菌 コリネバクテリウム・ラクトフェルメンタム FERM P−1769(AJ3427) コリネバクテリウム・フラバム FERM P−420(AJ3226) コリネバクテリウム・グルタミクム FERM BP−5360(AJ3453)
【0030】本発明で使用するL−アミノ酸生産基本培
地としては、従来より知られているL−アミノ酸生産菌
に適したL−アミノ酸生産培地が使用可能である。さら
に詳しくは、主炭素源にはグルコース、シュークロー
ス、フラクトース、マルトースや甘蔗糖蜜、甘蔗廃糖
蜜、てん菜糖蜜、てん菜廃糖蜜、粗糖、澱粉糖化液、セ
ルロース糖化液、パルプ糖化液、乳糖などの糖質類、酢
酸、プロピオン酸、安息香酸などの脂肪酸類、ピルビン
酸、クエン酸、コハク酸、フマール酸、リンゴ酸などの
有機酸類、エチルアルコール、ブチルアルコールなどの
アルコール類等を単独に又は混合して使用できる。更に
は目的のL−アミノ酸の生合成系路の前駆物質等用いる
こともできる。
地としては、従来より知られているL−アミノ酸生産菌
に適したL−アミノ酸生産培地が使用可能である。さら
に詳しくは、主炭素源にはグルコース、シュークロー
ス、フラクトース、マルトースや甘蔗糖蜜、甘蔗廃糖
蜜、てん菜糖蜜、てん菜廃糖蜜、粗糖、澱粉糖化液、セ
ルロース糖化液、パルプ糖化液、乳糖などの糖質類、酢
酸、プロピオン酸、安息香酸などの脂肪酸類、ピルビン
酸、クエン酸、コハク酸、フマール酸、リンゴ酸などの
有機酸類、エチルアルコール、ブチルアルコールなどの
アルコール類等を単独に又は混合して使用できる。更に
は目的のL−アミノ酸の生合成系路の前駆物質等用いる
こともできる。
【0031】窒素源としては硫酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムのよ
うなアンモニウム塩、尿素、液体アンモニア、アンモニ
ア水、更には有機窒素化合物であるアミノ酸混合物、コ
ーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母エキス、大豆加
水分解物、ペプトン、肉エキス等を使用することができ
る。無機塩としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩、カリ塩、ナトリウム塩、鉄塩、マンガン塩、亜
鉛塩、銅塩その他の微量金属を必要に応じて使用する。
又、必要に応じ、ビオチン、サイアミン等のビタミン類
を使用する。
ンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムのよ
うなアンモニウム塩、尿素、液体アンモニア、アンモニ
ア水、更には有機窒素化合物であるアミノ酸混合物、コ
ーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母エキス、大豆加
水分解物、ペプトン、肉エキス等を使用することができ
る。無機塩としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩、カリ塩、ナトリウム塩、鉄塩、マンガン塩、亜
鉛塩、銅塩その他の微量金属を必要に応じて使用する。
又、必要に応じ、ビオチン、サイアミン等のビタミン類
を使用する。
【0032】本発明における培養条件は通常のL−アミ
ノ酸発酵における条件と同じであり、目的とするL−ア
ミノ酸や使用する菌株間で多少異なるが培養温度は20
〜50℃が良く、特に28〜37℃が好適である。pH
は培養中、中性付近にコントロールする方が良好な結果
を得る。通気、攪拌、振とう培養などの好気的条件で培
養する培養期間は通常1〜7日間であるが、さらに連続
培養等により期間を延長することができる。各L−アミ
ノ酸発酵液からの各々のL−アミノ酸の単離方法はイオ
ン交換樹脂処理法、その他の既知の方法により回収され
る。
ノ酸発酵における条件と同じであり、目的とするL−ア
ミノ酸や使用する菌株間で多少異なるが培養温度は20
〜50℃が良く、特に28〜37℃が好適である。pH
は培養中、中性付近にコントロールする方が良好な結果
を得る。通気、攪拌、振とう培養などの好気的条件で培
養する培養期間は通常1〜7日間であるが、さらに連続
培養等により期間を延長することができる。各L−アミ
ノ酸発酵液からの各々のL−アミノ酸の単離方法はイオ
ン交換樹脂処理法、その他の既知の方法により回収され
る。
【0033】本発明で用いられるエクトインは、塩類の
形態であっても良い。また、エクトインを含有する天然
物やエクトイン生産能を有する微生物、更には、エクト
インと目的アミノ酸の生産能を同時に有する微生物を用
いても、もちろん良い。
形態であっても良い。また、エクトインを含有する天然
物やエクトイン生産能を有する微生物、更には、エクト
インと目的アミノ酸の生産能を同時に有する微生物を用
いても、もちろん良い。
【0034】本発明でのエクトインの使用方法はこれら
を単独にあるいは二種以上組合せて発酵培地中に0.0
1〜5%の濃度、好ましくは0.05〜1.0%の濃度
になるように存在せしめれば良い。エクトインを発酵培
地中へ添加方法する場合は、あらかじめ発酵培地に加え
て培養を開始しても良いし、培養中に1回あるいは数回
にわけてあるいは連続的に途中添加しても良い。又種母
培養に加えておいて主発酵へ持ち込ませても良い。
を単独にあるいは二種以上組合せて発酵培地中に0.0
1〜5%の濃度、好ましくは0.05〜1.0%の濃度
になるように存在せしめれば良い。エクトインを発酵培
地中へ添加方法する場合は、あらかじめ発酵培地に加え
て培養を開始しても良いし、培養中に1回あるいは数回
にわけてあるいは連続的に途中添加しても良い。又種母
培養に加えておいて主発酵へ持ち込ませても良い。
【0035】又、本発明は、従来知られているアミノ酸
の生産を効率化する公知の技術、例えば、本願明細書の
従来の技術に記載したような抗生物質、界面活性剤又は
抗酸化剤添加方法、酸素富化方法、炭素源濃度制御法、
栄養素量の制御法、ビチオン添加方法、アスパラギン酸
添加方法、キノリン類添加法、N−メチルグリシン類添
加方法等、と組み合わせてももちろん良い。
の生産を効率化する公知の技術、例えば、本願明細書の
従来の技術に記載したような抗生物質、界面活性剤又は
抗酸化剤添加方法、酸素富化方法、炭素源濃度制御法、
栄養素量の制御法、ビチオン添加方法、アスパラギン酸
添加方法、キノリン類添加法、N−メチルグリシン類添
加方法等、と組み合わせてももちろん良い。
【0036】
実施例1(L−グルタミン酸) グルコース5g/dl、KH2PO4 0.2g/dl、
MgSO4・7H2O 0.1g/dl、FeSO4・7H
2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.00
1g/dl、(NH4)2SO4 0.15g/dl、ビオチ
ン20μg/dl、チアミン塩酸塩50μg/dl、大
豆蛋白加水分解物(窒素として)0.15g/dl、消
泡剤0.005g/dlからなる種培養培地(種母培地)
300mlを1000ml容ガラスジャーに張り込み、
120℃、30分間オートクレーブ殺菌した。これにL
−グルタミン酸生産菌コリネバクテリウム・ラクトフェ
ルメンタムATCC13869を接種し、温度を31
℃、通気を150ml/毎分、撹拌を1000回転/毎
分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節しつつ20
時間培養した。これを、種培養液とする。
MgSO4・7H2O 0.1g/dl、FeSO4・7H
2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.00
1g/dl、(NH4)2SO4 0.15g/dl、ビオチ
ン20μg/dl、チアミン塩酸塩50μg/dl、大
豆蛋白加水分解物(窒素として)0.15g/dl、消
泡剤0.005g/dlからなる種培養培地(種母培地)
300mlを1000ml容ガラスジャーに張り込み、
120℃、30分間オートクレーブ殺菌した。これにL
−グルタミン酸生産菌コリネバクテリウム・ラクトフェ
ルメンタムATCC13869を接種し、温度を31
℃、通気を150ml/毎分、撹拌を1000回転/毎
分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節しつつ20
時間培養した。これを、種培養液とする。
【0037】主培養培地Aとして、甘蔗廃糖蜜糖5g/
dl(a)、KH2PO4 0.2g/dl(a)、MgS
O4・4H2O 0.05g/dl(b)、大豆蛋白加水分
解物(窒素として)0.1g/dl(b)、ビオチン3
0μg/dl(b)、サイアミン塩酸塩50μg/dl
(b)、消泡剤0.01g/dl(a)を調製する。一
方、主培養培地Aにエクトインを各々0.05,0.
2,0.5g/dlの濃度になる様に加えて調製し、こ
れを主培養培地B1、B2、B3とする。主培養培地
A、B1、B2、B3の各々300ml分((a)組成
区分と(b)組成区分を別々に120℃、30分間オー
トクレーブした後に混合する)を、1000ml容ガラ
スジャーに加え、これに上記種培養液30mlを接種
し、温度を31℃、通気を300ml/毎分、撹拌を1
400回転/毎分、pHを7.5(NH3ガス)に調節し
つつ培養を開始した。培養5時間目にポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート0.4g/dlを添加
し、温度を37℃にて培養を続けた。培養開始時の糖が
消費された時点で120℃、30分間オートクレーブし
た甘蔗廃糖蜜糖40g/dl液を主培養培地の消費に応
じて主培養培地に流加し、培地の総糖濃度が約20g/
dl相当に達する迄培養を続けた。
dl(a)、KH2PO4 0.2g/dl(a)、MgS
O4・4H2O 0.05g/dl(b)、大豆蛋白加水分
解物(窒素として)0.1g/dl(b)、ビオチン3
0μg/dl(b)、サイアミン塩酸塩50μg/dl
(b)、消泡剤0.01g/dl(a)を調製する。一
方、主培養培地Aにエクトインを各々0.05,0.
2,0.5g/dlの濃度になる様に加えて調製し、こ
れを主培養培地B1、B2、B3とする。主培養培地
A、B1、B2、B3の各々300ml分((a)組成
区分と(b)組成区分を別々に120℃、30分間オー
トクレーブした後に混合する)を、1000ml容ガラ
スジャーに加え、これに上記種培養液30mlを接種
し、温度を31℃、通気を300ml/毎分、撹拌を1
400回転/毎分、pHを7.5(NH3ガス)に調節し
つつ培養を開始した。培養5時間目にポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート0.4g/dlを添加
し、温度を37℃にて培養を続けた。培養開始時の糖が
消費された時点で120℃、30分間オートクレーブし
た甘蔗廃糖蜜糖40g/dl液を主培養培地の消費に応
じて主培養培地に流加し、培地の総糖濃度が約20g/
dl相当に達する迄培養を続けた。
【0038】その結果、次の第1表の発酵成績が得られ
た。
た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2(L−リジン) グルコース5g/dl、KH2PO4 0.2g/dl、
MgSO4・7H2O 0.1g/dl、FeSO4・7H
2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.00
1g/dl、ビオチン10μg/dl、チアミン塩酸塩
50μg/dl、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.
2g/dl、消泡剤0.005g/dlからなる種培養
培地300mlを1000ml容ガラスジャーに張り込
み、120℃、30分間オートクレーブ殺菌した。これ
にL−リジン生産菌コリネバクテリウム・ラクトフェル
メンタムFERM BP−996を接種し、温度を31
℃、通気を150ml/毎分、撹拌を1000回転/毎
分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節しつつ30
時間培養した。これを種培養液とした。
MgSO4・7H2O 0.1g/dl、FeSO4・7H
2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.00
1g/dl、ビオチン10μg/dl、チアミン塩酸塩
50μg/dl、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.
2g/dl、消泡剤0.005g/dlからなる種培養
培地300mlを1000ml容ガラスジャーに張り込
み、120℃、30分間オートクレーブ殺菌した。これ
にL−リジン生産菌コリネバクテリウム・ラクトフェル
メンタムFERM BP−996を接種し、温度を31
℃、通気を150ml/毎分、撹拌を1000回転/毎
分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節しつつ30
時間培養した。これを種培養液とした。
【0041】主培養培地Aとして、グルコース5g/d
l(a)、KH2PO4 0.2g/dl(a)、MgS
O4・4H2O 0.05g/dl(b)、FeSO4・7
H2O0.001g/dl(b)、MnSO4・4H2O
0.001g/dl(b)、ビオチン10もしくは30
μg/dl(b)、サイアミン塩酸塩50μg/dl
(b)、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.20g
/dl(b)、(NH4)2SO4 4g/dl(c)、消泡剤
0.01g/dl(a)として調製する。一方、主培養
培地Aにエクトインを0.2g/dlの濃度になる様に
加え調製したものを主培養培地Bとする。主培養培地
A、Bの各300ml分((a)組成区分、(b)組成
区分、(c)組成区分を別々に120℃、30分間オー
トクレーブした後に混合する)を、1000ml容ガラ
スジャーに加え、これに上記種培養液30mlを接種
し、温度を31℃、通気を300ml/毎分、撹拌を1
200回転/毎分、pHを7.0(NH3ガス)に調節しつ
つ培養を開始した。培養開始時の糖が消費された時点
で、120℃、30分間オートクレーブしたグルコース
40g/dl液を主培養培地の糖の消費に応じて主培養
培地に流加し、培地の総糖濃度が約20g/dl相当に
達する迄培養を続けた。
l(a)、KH2PO4 0.2g/dl(a)、MgS
O4・4H2O 0.05g/dl(b)、FeSO4・7
H2O0.001g/dl(b)、MnSO4・4H2O
0.001g/dl(b)、ビオチン10もしくは30
μg/dl(b)、サイアミン塩酸塩50μg/dl
(b)、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.20g
/dl(b)、(NH4)2SO4 4g/dl(c)、消泡剤
0.01g/dl(a)として調製する。一方、主培養
培地Aにエクトインを0.2g/dlの濃度になる様に
加え調製したものを主培養培地Bとする。主培養培地
A、Bの各300ml分((a)組成区分、(b)組成
区分、(c)組成区分を別々に120℃、30分間オー
トクレーブした後に混合する)を、1000ml容ガラ
スジャーに加え、これに上記種培養液30mlを接種
し、温度を31℃、通気を300ml/毎分、撹拌を1
200回転/毎分、pHを7.0(NH3ガス)に調節しつ
つ培養を開始した。培養開始時の糖が消費された時点
で、120℃、30分間オートクレーブしたグルコース
40g/dl液を主培養培地の糖の消費に応じて主培養
培地に流加し、培地の総糖濃度が約20g/dl相当に
達する迄培養を続けた。
【0042】その結果、次の第2表の発酵成績が得られ
た。
た。
【0043】
【表2】
【0044】実施例3(L−トリプトファン) グルコース3g/dl、KH2PO4 0.1g/dl、
MgSO4・7H2O 0.05g/dl、FeSO4・7
H2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.0
01g/dl、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.
05g/dl、NH4Cl 0.3g/dl、消泡剤0.0
05g/dlからなる種培養培地300mlを1000
ml容ガラスジャーに張り込み、120℃、30分間オ
ートクレーブ殺菌した。これにL−トリプトファン生産
菌パチルス・ズブチリスFERMP−5286を接種
し、温度を33℃、通気を75ml/毎分、撹拌を80
0回転/毎分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節
しつつ40時間培養した。これを種培養液とした。
MgSO4・7H2O 0.05g/dl、FeSO4・7
H2O 0.001g/dl、MnSO4・4H2O0.0
01g/dl、大豆蛋白加水分解物(窒素として)0.
05g/dl、NH4Cl 0.3g/dl、消泡剤0.0
05g/dlからなる種培養培地300mlを1000
ml容ガラスジャーに張り込み、120℃、30分間オ
ートクレーブ殺菌した。これにL−トリプトファン生産
菌パチルス・ズブチリスFERMP−5286を接種
し、温度を33℃、通気を75ml/毎分、撹拌を80
0回転/毎分、pHを7.0(NH3ガスによる)に調節
しつつ40時間培養した。これを種培養液とした。
【0045】主培養培地Aとして、グルコース20g/
dl(a)、KH2PO4 0.15g/dl(a)、Mg
SO4・4H2O 0.4g/dl(b)、大豆蛋白加水分
解物(窒素として)0.05g/dl(b)、消泡剤
0.01g/dl(a)を調製する。一方、主培養培地
Aにエクトインを0.2g/dlの濃度になる様に加え
調製したものを主培養培地Bとする。主培養培地A、B
の各300ml分((a)組成区分、(b)組成区分を別々
に120℃、30分間オートクレーブした後に混合す
る)を、1000ml容ガラスジャーに加え、これに上
記種培養液30mlを接種し、温度を31℃、通気を2
50ml/毎分、撹拌を1000回転/毎分、pHを
6.7(NH3ガス)に調節しつつ培養を開始した。培養開
始時の糖が消費された時点で、120℃、30分間オー
トクレーブしたグルコース40g/dl液を主培養培地
の糖の消費に応じて主培養培地に流加し、培地の総糖濃
度が約25g/dl相当に達する迄培養を続けた。
dl(a)、KH2PO4 0.15g/dl(a)、Mg
SO4・4H2O 0.4g/dl(b)、大豆蛋白加水分
解物(窒素として)0.05g/dl(b)、消泡剤
0.01g/dl(a)を調製する。一方、主培養培地
Aにエクトインを0.2g/dlの濃度になる様に加え
調製したものを主培養培地Bとする。主培養培地A、B
の各300ml分((a)組成区分、(b)組成区分を別々
に120℃、30分間オートクレーブした後に混合す
る)を、1000ml容ガラスジャーに加え、これに上
記種培養液30mlを接種し、温度を31℃、通気を2
50ml/毎分、撹拌を1000回転/毎分、pHを
6.7(NH3ガス)に調節しつつ培養を開始した。培養開
始時の糖が消費された時点で、120℃、30分間オー
トクレーブしたグルコース40g/dl液を主培養培地
の糖の消費に応じて主培養培地に流加し、培地の総糖濃
度が約25g/dl相当に達する迄培養を続けた。
【0046】その結果、次の第3表の発酵成績が得られ
た。
た。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】このように、エクトインは、L−アミノ
酸の発酵液中の蓄積濃度を高めること、培養時間を短縮
すること、また主原料に対する収率を高めることを可能
にする。即ち、エクトインはL−アミノ酸の単位バッチ
当りの収量を高め、単位設備単位期間当りのバッチ数を
増加させ、かつ単位L−アミノ酸当りの主原料を低下さ
せることを可能にする。また、L−アミノ酸の蓄積濃度
を高めることはL−アミノ酸の分離回収・精製工程を簡
略化させることも可能にする。このように、エクトイン
はL−アミノ酸の工業的生産に於いて主副原料コスト、
エネルギーコスト、生産設備コストを低下させ、かつ生
産供給能力を高めることを可能にする極めて産業上有用
性の高い方法である。
酸の発酵液中の蓄積濃度を高めること、培養時間を短縮
すること、また主原料に対する収率を高めることを可能
にする。即ち、エクトインはL−アミノ酸の単位バッチ
当りの収量を高め、単位設備単位期間当りのバッチ数を
増加させ、かつ単位L−アミノ酸当りの主原料を低下さ
せることを可能にする。また、L−アミノ酸の蓄積濃度
を高めることはL−アミノ酸の分離回収・精製工程を簡
略化させることも可能にする。このように、エクトイン
はL−アミノ酸の工業的生産に於いて主副原料コスト、
エネルギーコスト、生産設備コストを低下させ、かつ生
産供給能力を高めることを可能にする極めて産業上有用
性の高い方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:15) (C12P 13/14 C12R 1:15) (C12P 13/22 C12R 1:125) (72)発明者 木村 英一郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 豊田 康裕 大阪府松原市天美南3−14−7 (72)発明者 柴田 征一 大阪府富田林市新青葉丘町7−5
Claims (1)
- 【請求項1】 L−アミノ酸生産能を有する微生物をエ
クトイン存在下で培養し、L−アミノ酸を培養液中に生
成せしめ、これを採取することを特徴とする発酵法によ
るL−アミノ酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8355996A JPH09271382A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | エクトインを用いるl−アミノ酸の発酵法による製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8355996A JPH09271382A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | エクトインを用いるl−アミノ酸の発酵法による製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09271382A true JPH09271382A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=13805880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8355996A Pending JPH09271382A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | エクトインを用いるl−アミノ酸の発酵法による製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09271382A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001072701A (ja) * | 1999-06-29 | 2001-03-21 | Ajinomoto Co Inc | タピオカ澱粉の製造方法及びアミノ酸の発酵生産方法 |
JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
CN109589275A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-04-09 | 山东天晟生物科技有限公司 | 依克多因在维持皮肤微生态平衡中的用途 |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP8355996A patent/JPH09271382A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001072701A (ja) * | 1999-06-29 | 2001-03-21 | Ajinomoto Co Inc | タピオカ澱粉の製造方法及びアミノ酸の発酵生産方法 |
JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
CN109589275A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-04-09 | 山东天晟生物科技有限公司 | 依克多因在维持皮肤微生态平衡中的用途 |
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