JPS5944979B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ゲート痕あるいはノック痕が表面に残らない
成形品を成形するための射出成形用金型に関する。

従来、この種射出成形用金型として、例えば第１図に示
す構造のものか知られている。

図において、１は固定金型取付板、２はこの取付板１に
スペーサブロック３および受板４，５を介して組立てら
れた固定金型、６は可動金型取付板、７はこの取付板６
に組立てられた可動金型である。

８は固定金型２と可動金型７とによって構成されたキャ
ビティ、９はスプルーブツシュである。

スプルーブツシュ９に穿設されたスプルー１０の一端は
固定金型２中に穿設したランナ一孔１１に連通し、この
ランナ一孔１１の先端１２は小口径に形成されいわゆる
ピンゲートを構成してキャビティ８に連通している。

１３は受板４に固定されかっ受板５を貫通してスプレー
キャビティに突出するスプルー保持ピン、１４はエゼク
タ−プレート１５に立設され受板４，５および固定金型
２を貫通してキャビティ８に突出することかできるノッ
クピンである。

そして、かかる構成の成形金型によれば、スプルーブツ
シュ９のスプルー１０より射出された溶融樹脂材料は、
スプルーキャビティ、ランナ一孔１１、ピンゲート１２
を介してキャビティ８中へと充填され所定の成形品か成
形される。

勿論この成形品は可動金型７側か製品表面とされ、ゲー
ト痕あるいはノック痕はすべて裏面側に残るように設計
されている。

しかしなから、かかる成形金型によれば、ノックピン１
４を駆動するエゼクタ−プレート１５の動作量を確保す
るためスペーサ３によって金型中に所定空間を設けなけ
ればならず、このため、スプルーブツシュ９の一端、す
なわらノズル９ａからゲート１２までの距離か犬となり
、成形条件に悪影響を及ぼしていた。

また、かかる金型構造は、ゲート位置か一般の金型構造
とは反対であり、金型組立か異るため汎用性に乏しいと
いった不都合もあった。

第２図はこの種成形品を成形する一般構造の射出成形用
金型を示す。

同図において、１６は可動金型取付板、１７はこの取付
板１６にスペーサ１８を介して組付けられた可動金型、
１９は固定金型取付板、２０はこの取付板１９に組付け
られた固定金型、２１は可動盤、２２はノックピンであ
る。

そして、スプルーブツシュ２３は固定金型２０に付設さ
れ、このブツシュ２３に穿設されたスプルー２４は可動
金型１７に設けたトンネルゲート孔２５に連通している
。

さらに、このトンネルゲート孔２５は、キャビティ２７
に連通ずるランナ一孔２６に連通している。

しかして、かかる構成の成形金型によれば、型開き時、
トンネルゲートの構成によりゲート切断は行なわれるも
、成形品にはランナーがついたままであり、このランナ
ーを切断する２次加工が必要であった。

かかる事情から、本発明は比較的成形条件の安定がはか
られるゲート位置を可動金型側に設けた一般構造の射出
成形用金型であって、ランナー切断等の後加工を不要と
したところの射出成形用金型を提供するものである。

この目的を達成した本発明に係る射出成形用金型は、固
定金型と、これに型締めされてキャビティを構成する可
動金型と、前記固定金型および可動金型と共動じて前記
キャビティの側方に位置するゲートチップキャビティを
構成するスライド金型とから構成され、このスライド金
型を、可動金型の型開き動作に連動して可動金型上を摺
動して型開きさせるようにし、かつこのスライド金型と
共に移動するゲートチップキャビアイと、前記キャビテ
ィの背面との間に、ゲートを設けるように構成したもの
である。

以下、本発明について、第３図ないし第６図を参照して
詳細に説明する。

これらの図において、３０は可動金型取付板、３１はこ
の取付板３０にスペーサ３２を介して組付けられた可動
金型であり、また３３は固定金型取付板、３４はこの取
付板３３に受板３５を介して組付けられた固定金型であ
り、第３図に示すように型締め状態において可動金型３
１、固定金型３４とによってキャビティ５０が構成され
る。

スプルーブツシュ３６は固定金型側、詳しくは取付板３
３、受板３５を貫通するようにして組付けられ、このブ
ツシュ３６に穿設されたスプルー３７は固定金型３４と
受板３５によって構成された主ランナ−キャビティ５１
に連通し、この主ランナ−キャビティから複数個のラン
ナ一孔５２か固定金型３４を貫通して穿設されている。

これらランナ一孔５２の先端５２ａはキャビティ５０の
側方に導かれかつ小口径に形成されてゲートチップキャ
ビティ５３のピンゲートとして構成されている。

このゲートチップキャビティ５３は可動金型３１と固定
金型３４およびスライド金型３８から構成される。

すなわら、スライド金型３８は、可動金型３１の型合せ
表面に刻設した凹所３１ａに組込まれ押付ピン３９によ
ってキャビティ５０側へと付勢されている。

また、このスライド金型３８には固定金型３４に植設し
たアンギュラピン４０か係合している。

前記ゲートチップキャビティ５３とキャビティ５０間は
可動金型３１に穿設したトンネルゲート孔５４によって
連通している。

４１はエゼククーロツドで、可動金型取付板３０を貫通
して、この先端にはエゼククープレート４２か組付けら
れている。

このエゼクタ−プレート４２にはその先端か前記キャビ
ティ５０に突出することかできるノックピン４３か設け
られている。

また、別のノックピン４３ａは、前記ゲートチップキャ
ビティ５３に対応され、ゲートチップを突出するノック
ピン４４を設けたプレート４５と係合している。

以上の如く構成された実施例射出成形用金型の動作につ
いて以下説明する。

第３図に示すように型締めされた金型中にスプルーブツ
シュ３６のノズル口３６ａより溶融された合成樹脂材料
が射出される。

溶融樹脂材料は、スプルー３７から主ランナ−キャビテ
ィ５１へと流れ、さらに各ランナ一孔５２に流込んでピ
ング−） ５２ ａを介してゲートチップキャビティ５
３へ充填される。

そして溶融樹脂材料はさらにこのゲートチップキャビテ
ィ５３からトンネルゲート５４を介してキャビティ５０
に充填される。

キャビティ５０に充填された溶融樹脂材料は冷却硬化さ
れ合成樹脂成形品６０が成形される。

次に型開き動作か行なわれる。

この型開き動作は、固定金型３４か受板３５から型開き
する第１の動作と、可動金型３１か固定金型３４から型
開きする第２の動作よりなる。

なお、この型開き動作の駆動機構はよく知られていると
ころであり、その説明は省略する。

第４図矢印で示すように、受板３５に対して固定金型３
４が型開き動作することによって、スプルー３７、主ラ
ンナ−キャビティ５１およびランナ一孔５２中で硬化し
たチップ６１はスプルーブツシュ３６に付着するように
して固定金型３４から抜出し、適宜の切断機構によって
スプルーブツシュ３６から構成される装置に可動金型３
１か固定金型３４から型開き動作する。

第５図矢印で示すように、可動金型３１か型開き動作す
ることによってそのアンギュラピン４０の動作にしたか
つてスライド金型３８は同図矢印で示すように可動金型
３１の凹所３１ａ中を動作する。

これによってトンネルゲート５４部分において成形品６
０とゲートチップ６１とは自動的に切断される。

すなわら、第６図に示す如く、アンギュラピン４０は矢
印ａで示すように水平方向さと移動しながらスライド金
型３８の案内孔３８ａより抜出す。

これによってスライド金型３８は同図矢印すで示す如く
下方へと移動し、しかしてトンネルゲート５４部分にお
いて成形品６０とゲートチップキャビティ５３のゲート
チップ６２とが自動的に切断されるのである。

可動金型３１が十分型開きした時点においてエジエクク
ーロッド４１か第５図矢印で示す如く動作し、これと一
体にエジェククプレート４２を介してノックピン４３が
キャビティ５０中に突出して成形品６０を突出する。

同様にしてプレート４５を介してノックピン４４もゲー
トチップキャビティ５３中に突出してゲートチップ６２
を突出する。

以上によって１サイクルの成形加工か終了する。

なお、上記実施例では、ランナ一孔５２とゲートチップ
キャビティ５３とを通常のゲート５２ａを介して連通し
たか、例えばトンネルゲート等の種々のゲート方式も採
用し得ることは勿論である。

以上詳細に説明したように、本発明によれば、ノズルと
ゲートとの間隔を適正範囲に保持することかでき、より
精度の高い成形品を成形することかできる。

また、本発明によれば、金型の型開きに連動してランナ
ーチップ、ゲートチップを自動的に切断し得るため、成
形品とランナーの切断等の追加工も必要とせず、従来の
いわゆる標準金型と同等の条件によって表面にゲート痕
あるいはノック痕を残さない成形品を簡単かつ適切に成
形することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の射出成形用金型を示す縦断
面図、第３図ないし第６図は本発明に係る射出成形用金
型の一実施例を示し、第３図は型締め状態の縦断面図、
第４図および第５図は型開き動作を説明する縦断面図、
第６図は要部縦断面図である。 ３１・・・・・・可動金型、３４・・・・・・固定金型
、３６・・・・・・スプルーブツシュ、３７・・・・・
・スプルー、３８・・・・・・スライド金型、４０・・
・・・・アンギュラ−ピン、４３・・・・・・ノックピ
ン、５０・・・・・・キャビティ、５１・・・・・・主
ランナ−キャビティ、５２・・・・・・ランナ一孔、５
３・・・・・・ゲートチップキャビティ、５４・・・・
・・トンネルゲート、６０・・・・・・成形品。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定金型と、これに型締めされてキャビティを構成
   する可動金型と、前記固定金型および可動金型と共動し
   て前記キャビティの側方に位置するゲートチップキャビ
   ティを構成するスライド金型とを備え、このスライド金
   型は、前記固定金型に設けたアンギュラ−ピンが係合し
   て前記可動金型の型開き動作に連動して可動金型上を摺
   動するように構成され、かつこのスライド金型と共に移
   動するゲートチップキャビティには、前記固定金型内の
   ランナ一孔が接続されるとともに、このゲートチップキ
   ャビティと前記キャビティの背面との間にはゲートか設
   けられていることを特徴とする射出成形用金型。