JPS5941441B2 - ハイドロキシエチルデンプンの製造方法 - Google Patents

ハイドロキシエチルデンプンの製造方法

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JPS5941441B2
JPS5941441B2 JP13573377A JP13573377A JPS5941441B2 JP S5941441 B2 JPS5941441 B2 JP S5941441B2 JP 13573377 A JP13573377 A JP 13573377A JP 13573377 A JP13573377 A JP 13573377A JP S5941441 B2 JPS5941441 B2 JP S5941441B2
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reverse osmosis
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hes
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hydroxyethyl starch
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B31/00Preparation of derivatives of starch
    • C08B31/08Ethers
    • C08B31/12Ethers having alkyl or cycloalkyl radicals substituted by heteroatoms, e.g. hydroxyalkyl or carboxyalkyl starch

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はハイドロキシエチルデンプン(以下HESと略
記する。
の新規な製造方法に関するものである。HESが血圧保
持作用を有することが知られて以来、その製造方法につ
いて多数の文献が発表されている。
その一例としてドイツ国特許公開公報第1、813、5
71号には、ワキシースターチを酸加水分解してからハ
イドロキシエチル化するか、あるいは逆にワキシースタ
ーチをハイドロキシエチル化してから酸加水分解するこ
とにより、ハイドロキシエチル基の置換度(以下DSと
略記する)が0.68〜0.78で極限粘度が0.19
〜0.27のハイドロキシエチルデンプンを製造する方
法が開示されている。しかしながら、本発明者らは、こ
のドイツ国特許公開公報所載の方法によつて得られるH
ESを用いた実験で赤血球の凝集を認めており、従つて
このHESは末梢循環に対する悪影響を及ぼすことが明
らかである。更にはW、L0Th0−mps0neta
1(5urgGynec、0bstet0131、96
5〜972|1970)によつて報告されている実験結
果からも、明らかなように、このHESは体内で加水分
解を受けにくい結果、生体内に長期にわたつて残留する
ので、代用血漿剤としては極めて不都合なものである。
そもそも代用血漿剤は大量出血時のショックを防止する
ために使用されるものであるから、血圧を迅速に回復す
る作用および末梢循環血流を与える作用を有し、同時に
血球を凝集させることなく、しかも目的達成後にはすみ
やかに体外に排泄されるものでなければならない。この
ような性質に着目してDSが0.50〜0.55であり
、かつ極限粘度が0.09〜0.14のHESが代用血
漿剤として有望であることが知られている(たとえば入
倉勉氏ほか5名応用薬理第6巻第5号第1023頁19
72年 が、この特定のHESの製造方法は未だ発表さ
れていない。本発明は、DSが0.50〜0.55であ
り、かつ極限粘度が0.09〜0.14のHESを工業
的にきわめて有利に製造する方法を提供することを目自
勺とするものである。HESの製造方法に関しては、数
件の特許公報が発行されている。
たとえば特公昭45−39833号公報(アメリカン・
ホスピタル・サプライ社)には、25℃において0.1
9〜0.27d1/gのインペレット粘度を有し、かつ
0.68〜0.78のDSを有するHESの製造方法が
記載されている。この公報記載の方法においてはエーテ
ル化反応によつて副生するエチレングリコールを除去す
るために、HESの反応混合物をアセトンまたはイソプ
ロパノールで処理することが開示されている。これらの
有機溶剤を使用すれば、当然それを回収しなければなら
ないのみならず、引火、爆発および大気汚染等について
細心の注意と多額の設備投資をしなければならない。ま
た抽出用に使用した有機溶剤をHESから完全に除去す
ることはほとんど不可能であるから、衛生上の見地から
考えても有機溶剤による抽出は好ましくない。またこの
公報所載の方法では、溶剤抽出に代えて透析を行なうこ
とも提案されているが、透析によればエチレングリコー
ルのような低分子物質を除去することができるにすぎな
い。それだけでなく透析法は拡散現象を利用する方法で
あるから、物質が膜を透過する速度が極端に遅くて、短
時間内に大量の物質を処理することを必要とする工業的
規模の方法には適当でなく、あえて大量処理方法に採用
しようとすれば膨大な透析装置を必要とするから、多額
の設備投資を要するという欠点もある。
また透析法は高濃度溶液中の溶質が膜を透過して低濃度
溶液中へ移動し、低濃度の溶媒が高濃度へ移行するため
希釈される。
したがつてHES溶液を透析法によつて濃縮することは
不可能である。さらに前述のドイツ国特許公開公報所載
の方法においても、副生グリコールを除去するためにア
セトンやイソプロパノールによる抽出を採用しているか
ら、満足なものではない。また、特公昭48−1617
3号公報(杏林製薬社)にはDSが0.5〜0.6でか
つ分子量が40,000〜90,0000HESの注射
剤の製造方法が記載されている。
この公報所載の発明は注射剤の製造方法であるから、H
ESの固体を採取する方法は全然記載されていない。本
発明者は、前記特定のHESの乾燥粉末を製造するに際
して、有機溶剤を使用することなく、しかもHESを能
率よく乾燥固化する方法を探究した結果、本発明を完成
するにいたつた。
以下に本発明について説明する。本発明の方法はアミロ
ペクチン含量99%以上のワキシ・コーンスターチを糊
化し、アルカリの存在下においてこれにエチレンオキサ
イドを作用させてDSが0.50−0.55の範囲にな
るまでハイドロキシエチル化し、つぎにこのHESO)
DSに実質的な変化を与えることなく、極限粘度が0.
09〜0.14の範囲になるまで酸加水分解によつて低
分子化するか、あるいはエーテル化と酸加水分解の順序
を逆に行ない、さらに脱色処理および逆浸透処理を経て
乾燥することを特徴とするDSが0.50〜0.55で
極限粘度が0.09〜0,14のHESの製造方法であ
る。
しかし酸加水分解後にエーテル化を行なうと、得られる
HESが濃色なものとなる傾向があるからエーテル化の
次に酸加水分解を行なう方が好適である。なお所望なら
逆浸透処理の前または後に限外済過処理を併用すること
もできる。さらに付記すれば逆浸透処理装置をあらかじ
め殺菌しておき、HES溶液には防腐剤をあらかじめ混
入しておくことが好ましい。更に、逆浸透方法において
は、溶媒で副生物を抽出する精製方法にくらべて品質の
すぐれたものが得られる。とくに塩化物、硫酸塩の含有
が少ない。例えば従来の溶媒抽出精製方法では塩化物0
.5%、硫酸塩190〜300ppmに対し、逆浸透精
製のものは塩化物0.1%、硫酸塩15ppmである。
上記のとおりDSが0.50〜0.55で、かつ極限粘
度が0.09〜0,14のHESは、代用血漿剤として
優秀なものであるが、本発明者は上記の範囲内において
極限粘度の上限を0.12まで低下させれば、HESの
血球凝集作用がさらに一段と軽一減され、生理的食塩水
の血球凝集作用とほぼ同等になることを知見した。
よつて本発明は、実施態様の一つとしてDSが0.50
〜0.55であつて、かつ極限粘度が0.09〜0.1
2のHESの製造方法をも包含するものである。次に本
発明方法を各工程に分けて詳説する。
第一工程(糊化)アミロペクチン含量99%以上のワキ
シ・コーンスターチに蒸留水を加えかきまぜながら加温
、例えは90℃にして糊状に溶解する。
第二工程(ハイドロキシエチル化) 第一工程で得られた糊状液を約10℃以下まで冷却した
後に5N一水酸化ナトリウム水溶液を添加し、反応器内
の空気を窒素によつて置換し、器内の液体をかきまぜな
がらエチレンオキサイドを徐々に導通する。
この際器内の圧力が1k9/〜以上になるとエーテル化
反応が急速に進行するからDSを所望の範囲内に制御す
ることが困難となり、またエチレンオキサイド自体が重
合あるいは爆発するおそれもあるから、0.8k9/C
dを超えないように注意することが望ましい。エチレン
オキサイドを導通しながら、器内の液温を徐々に上昇さ
せ37〜42℃で約2時間反応させる。このようにすれ
ばDSが0.50〜0.55の範囲内になる程度までエ
ーテル化が進行する。なお、エーテル化の程度は、反応
系のPH、水の量、エチレンオキサイドの導通量、温度
および時間等の影響を受けるから、DSが0,50〜0
.55の範囲内にとどまるような実施条件をあらかじめ
実験的に設定しておくべきである。所定量のエチレンオ
キサイドの導通を終了すれば、反応液を冷却し、室温に
おいて6N一塩酸を送入して中和する。
第三工程(加水分解) 前工程で得られた中性液に濃塩酸を添加してPHを約0
.4〜0.6とし約60℃の温度において約5時間にわ
たつて加水分解する。
加水分解反応は温度と時間の影響を受けるから低温度で
は長時間を要し、高温度では短時間で終了する。加水分
解反応の進行中に反応液をときどきサンプリングし、液
の極限粘度を測定する。
極限粘度が0.09〜0.14の範囲まで低下すれば、
反応液を冷却し、3N一水酸化ナトリウム水溶液を加え
て中和し、加水分解反応を停止させる。この際液のPH
を6.0i0.3の範囲内に調整することが望ましい。
第四王程(脱色) 上記調整液に活性炭を加え、しばらくかきまぜた後に淵
過する。
第五工程(濃縮、脱塩、粉末化) 第四工程終了液を逆浸透装置を用いて(あるいは限外淵
過装置および逆浸透装置を用いて)濃縮、脱塩および精
製し、残液を常法にしたがつて乾燥し粉末化する。
この際スプレードライヤーを使用すれば、乾燥と粉末化
とをほとんど同時に行なうことができるから、工業的に
きわめて有利である。逆浸透処理を行なう際の溶液の温
度が過度に高い(たとえば40℃程度)場合は、膜が破
壊されるおそれがあり、また過度に(たとえばO〜5℃
程度にY冷却するとHES溶液の粘度が増大し、逆浸透
処理に長時間を要するから不利である。したがつて逆浸
透処理を安全かつ有利に行なうためにはHES溶液の温
度を約10〜30℃、特に20〜30℃程度の範囲に保
持することが望ましい。また逆浸透装置に加える圧力を
増大すれば透過速度が増大するから工業的に有利となる
が、圧力を過度に大きくすれば膜が破壊するから、膜が
破壊しない限界内においてなるべく大きな圧力を適用す
ることが有利である。このようにして得られたHESは
、塩化ナトリウムの含有率が0.2%以下(塩化物とし
て0.1%以下)、硫酸塩15ppm以下であり、エチ
レングリコールの含有率は0%であつてDSが0.50
〜0.55、極限粘度は0.09〜0.14である。ま
た生菌および発熱性物質の存在も認められない。第五工
程において逆浸透装置(あるいは限外済過装置と逆浸透
装置)を使用すれば、有機溶剤を使用することがないか
ら公害発生のおそれがなく、有機溶剤を回収する必要が
なく、しかも精製濃縮されたHES液を直ちに噴霧乾燥
工程に移すことができるからHESの製造を極めて能率
よく行なうことができる。
また本発明方法において限外淵過と逆浸透を併用すると
きは、HESの血中残留時間を延長するという好ましく
ない作用をする高分子量の分画を除去することができる
からいつそう好適である。
逆浸透法を採用する場合には、溶液が細菌の繁殖しやす
い性質であるため細菌が繁殖しやすい条件となり、細菌
が繁殖すれば発熱性物質が産生されるから何らかの手段
によつて細菌の繁殖を防止しなければならない。このた
めには、逆浸透装置をあらかじめ次亜塩素酸ナトリウム
の水溶液のような殺菌剤によつて殺菌したのち、クロー
ズド・サーキツト方式によつて無菌的に操作すれば目的
を達成することができる。しかし長期間にわたつて連続
運転する場合、あるいは工業的に大規模に操業する場合
には、タローズド・サーキツト方式は運転費用が増大し
、しかも長期にわたる無菌操作は困難である。このよう
な場合には、逆浸透処理に先だつて防腐剤たとえばサリ
チル酸、安息香酸、ゾルピン酸など酢酸セルロース膜に
害を与えない防腐剤をHES液に混合しておけは十分に
目的を達成することができる。しかもこのような分子量
が約5,000以下、特に500以下の防腐剤は、逆浸
透処理の段階において自動的にHESから除去されるか
らHESの製品が汚染されることはない。防腐剤の混合
割合はHES液の重量に対して100〜200ppmで
十分である。以下に実施例を示して本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によつて何らの
制限をも受けるものではない。
実施例 1 1,2001の耐?耐圧釜に蒸留水71511アミロペ
クチン含有量99%のワキシ・コーンスターチ79.5
5kgを入れ、かきまぜながらジヤケツトに蒸気を通し
、液温90℃で30分加熱すると糊状化する。
この糊状物を10℃まで冷却した後、5N一水酸化ナト
リウム水溶液801を加え、窒素によつて容器内の空気
を置換した後、かきまぜながらエチレンオキサイド35
k9を内圧が0,6kg/CT!lを超えないように徐
々に導入する。徐々に加温し、40℃で2時間反応させ
る。水冷後6N−塩酸1131で中和する。次いで60
℃に加温し、濃塩酸37.5k9を加え60℃で反応さ
せる。反応開始後、3時間目から30分毎に反応液の一
部をサンプリングし、粘度をウベローデ粘度計で測定し
、極限粘度が0.09〜0,14になつたら(約5時間
を要す)冷却し、3N一水酸化ナトリウム水溶液約12
51で中和し、そのPHを6.0土0.3に調整する。
このPH調整液に活性炭3.12kgを加えてしばらく
かきまぜた後に済過する。この脱色液1,50011を
あらかじめ消毒した限外淵過装置(済過膜はアミコン社
製のXM−300で膜面積10イ)を用いて、温度20
〜30℃、圧力3kg/Cliの条件下で1,5001
の処理液を約25時間で透過させて高分子分画を除去し
、次にこの済液を逆浸透処理する。逆浸透装置はモルセ
ツプTCD型、膜はダイセル社製DSR−20、膜面積
100rr1のものを使用し、次亜塩素酸ナトリウム1
20ppm溶液を1時間循環消毒した後に蒸留水で30
分間ずつ2回洗浄したものである。逆浸透処理の条件と
しては温度20〜3『C、圧力151<9/Cdで1,
3001を透過させ、残液に蒸留水を加えた後に再び1
,3001を透過させて残液を2001とする。透過時
間は約30時間である。この残液をそのままスプレード
ライヤーによつて乾燥粉末とした。収量52.8kg(
収率59.0%)、DSは0.54、極限粘度は0.1
10、塩化ナトリウム含量0.05%であつた。実施例
2 脱色までは実施例1と同様に処理したが、限外済過を省
略して、脱色液をただちに逆浸透処理した。
逆浸透装置はバイオエンジニアリング社製のRO型、膜
はアブコール社のAS−215、膜面積は8m2のもの
であつた。温度20〜30℃、平均圧力28k9/CT
ilで蒸留水を加えながら透過させて、残液を2001
とする。透過時間は約18時間であつた。この残液をそ
のままスプレードライヤーによつて乾燥粉末とした。収
量52!I<g(収率58.1%)、DSは0、53、
極限粘度は0.102、塩化ナトリウム含量は0.05
%であつた。実施例 3耐酸耐圧釜に蒸留水57.21
を仕込んで60℃に加温し、これにアミロペクチン含有
量99%以上のワキシ・コーンスターチ4,6k9を加
え、85〜90℃に30分間加熱する。
得られた糊状物に5N一水酸化ナトリウム水溶液12.
661を加え、反応容器を密閉した後に窒素によつて容
器内の空気を置換する。次いで容器内の圧力が0.6k
g/へを超えないように注意しながらエチレンオキサイ
ド2.8k9を徐々に導入し、40℃で2時間反応させ
る。反応液を冷却し、6N一塩酸で中和した後に濃塩酸
3k9を加え、60〜62℃で加水分解を行なう。3時
間後から30分ごとに反応液の一部をサンプリングし、
極限粘度が0.09〜0.14になつたら冷却し、5N
一水酸化ナトリウム水溶液で中和する。
この溶液に活性炭2509を加え、しばらくかきまぜた
後に済過する。この脱色液にサリチル酸249および蒸
留水121を加えて得た液を逆浸透処理する。逆浸透装
置はバイオエンジニアリング社製のRO型で、膜はアブ
コール社製AS−230、膜面積は8イであつた。この
装置にあらかじめ次亜塩素酸ナトリウムの120ppm
の水溶液を1時間循環し、さらに蒸留水によつて2回洗
浄して使用した。処理条件は温度20〜30℃、平均圧
力28kg/〜である。前記の脱色液に蒸留水を加えな
がら上記の逆浸透装置によつて処理する。逆浸透処理の
終点は、透過液に硝酸銀水溶液を加えても白濁を生じな
い時点とする。この時までに要した透過時間は約7時間
であつた。なお、残液(濃縮液)が201になるまで透
過させ、この残液をそのままスプレードライヤーによつ
て乾燥し、粉末製品を得る。収量4,1kg(収率57
,4%)、DSは0,52、極限粘度は0.105、塩
化ナトリウム含量は0.12%、着色度(b値)は+0
,6であつた。この実施例におけるサリチル酸は安息香
酸で代替してもよい。また逆浸透装置が細菌で汚染しな
いように注意して保存すれば、2回目以後は逆浸透装置
の殺菌を省略することができる。なお、参考として実施
例3で得たHESの分子量分布を図示すると、添付の第
1図のとおりである。
使用した装置は、日立製作所製の高速液体クロマトグラ
フ装置635型であつて、カラム(内径8mm1長さ1
50?)は昭和電工(株)製のSHODEX−HCl2
5S(内径8關、長さ50c7n)1本と同社製SHO
DEX−HPl75(内径8mm1長さ50(7L)2
本を直列に接続して使用した。HESの2%水溶液30
μlを注入し、水を用いて1.2m1/分の流速で溶出
させ、差動屈折計を検出器として溶出曲線を作製した。
測定条件はポンプ圧力90k9/dとし、検出器の感度
として4×10−5をとり、記録計のチヤート・スピー
ドは5mm/分として。標準資料としては、デキストラ
ンTllOlデキストランT−70、デキストランT4
O、デキストランT−201デキストランT−10(以
上いずれも濃度2%)、グルコース(濃度0.7%)を
用いて分子量分布の規準を定めた。また着色度(b値)
の測定は、得られたHESを6%水溶液となし、この水
溶液について測色色差計(デジタル測色色差計NB−1
01D型、日本電色工業製)で測定する。デジタル表示
のb値をもつて着色度とする。実施例 4 耐酸耐圧釜に蒸留水32.51を仕込んで60℃に加温
し、これにアミロペクチン含有量99%以上のワキシ・
コーンスターチ4.6k9を加え、85〜90℃に30
分間加熱する。
得られた糊状物を60℃まで冷却し、濃塩酸2,8k9
を加えて60〜62℃で加水分解を行なう。3時間後か
ら30分ごとに反応液の一部をサンプリングし、極限粘
度が0.09〜0.14になつたら冷却し、5N一水酸
化ナトリウム水溶液で中和したのち、更に5N水酸化ナ
トリウム水溶液9.271を加え、反応容器を密閉した
後に窒素によつて容器内の空気を置換する。
次いで容器内の圧力が0.6kg/CTilをこえない
ように注意しながら、エチレンオキサイド2,8k9を
徐々に導入する。徐々に加温して40℃で2時間反応さ
せる。71<.冷後6N一塩酸で中和し、そのPHを6
.0±0.3に調整する。
この溶液に活性炭2509を加えてかきまぜた後に淵過
する。更にこの操作を2回くり返して脱色する。あとの
精製処理方法は実施例3と同一である。収量3.6k9
(収率50%)、DSは0.52、極限粘度は0.10
8、塩化ナトリウム含量は0.11%、着色度(b値)
は+1.7であつた。実施例 5 1,2001の耐酸耐圧釜に蒸溜水71511アミロペ
クチン含有量99%のワキシ・コーンスターチ79.5
k9を入れ、かきまぜながらジヤケツトに蒸気を通し、
液温90℃で30分加熱すると糊状化する。
この糊状物を10℃まで冷却した後、5N一水酸化ナト
リウム水溶液801を加え、窒素によつて容器内の空気
を置換した後、かきまぜながらエチレンオキサイド35
kgを内圧が0.8k9/CTIを超えないように徐々
に導入する。徐々に加温し、40℃で2時間反応させる
。水冷後6N−塩酸1131で中和する。ついで60℃
に加温し、濃塩酸37。51<gを加え、60℃で反応
させる。
反応開始后3時間目から30分毎に反応液の一部をサン
プリングし、粘度をウベローデ粘度計で測定し極限粘度
が、0.09〜0.12になつたら(約5時間を要す)
冷却し、3N一水酸化ナトリウム溶液1251で中和し
、そのPHを6.0+0.2に調整する。このPH調整
液に活性炭3,1kgを加えてしばらくかきまぜた後、
ろ過する。この済液1,5001をあらかじめ消毒した
超精密済過機(SF−10型、ギアサイズ0.01μ(
株)クラレ製)を用いて圧力1.5kg/(−1i1で
ろ過して高分子分画部分を除去し、次にこの淵液にサリ
チル酸1509を加えたのち逆浸透処理をする。逆浸透
装置は予め洗浄、消毒したバイオエンジニアリング(株
)製のRO型、膜はアヴコ一社製AS−2301膜面積
8rr1を用い、温度20〜30℃、入口圧力33kg
/(−1!11出口圧力23k9/CTl(平均圧力2
8kg/CIi)で運転する。逆浸透処理の終点は適定
法により塩素を定量すると0.019%である。約18
時間を要する。この濃縮液を二流体ノズル方式のスプレ
ードライヤーS−25N型(ニロ社製)を用い、入口温
度190゜C、出口温度110℃で噴霧乾燥する。収量
52.8k9(収率59.0%)、DSは0.54、極
限粘度は0.110、塩化ナトリウム含量は0.05%
である。実施例 6脱色炭処理まで実施例5と同様に処
理し、処理液を実施例5と同一条件で逆浸透処理する。
得られた2001の処理液を超精密ろ過機(SF−10
型、ボアサイズ0.01μ、(株)クラレ製)を用いて
圧力2.0k9/dで淵過し、炉液は実施例5と同様に
噴霧乾燥する。収量52.5k9(収率58.9%)、
DSは0.53、極限粘度は0.107、塩化ナトリウ
ム含量は0.05%である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法によつて得られるHESの一例の
分子量分布を示すグラフであつて、グラフの上部におい
てMWという符号を有する尺度が分子量を表わし、縦軸
は分布割合(%)を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アミロペクチン含量99%以上のワキシ・コーンス
    ターチを糊化しアルカリの存在下において、これにエチ
    レンオキサイドを作用させてハイドロキシエチル基の置
    換度が0.50〜0.55の範囲になるまでハイドロキ
    シエチル化し、つぎにこのハイドロキシエチルデンプン
    の置換度に実質的な変化を与えることなく極限粘度が0
    .09〜0.14の範囲になるまで酸加水分解によつて
    低分子化するか、あるいはエーテル化と酸化水分解の順
    序を逆に行ないさらに脱色処理および水、塩類および分
    子量5000以下の低分子物質を透過する半透膜を用い
    る逆浸透処理を経て乾燥することを特徴とする置換度が
    0.50〜0.55で極限粘度が0.09〜0.14の
    ハイドロキシエチルデンプンの製造方法。 2 逆浸透処理の前または後に限外濾過を行なう特許請
    求の範囲第1項に記載の方法。 3 ハイドロキシエチルデンプンの極限粘度が0.09
    〜0.12である特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載の方法。 4 逆浸透処理をするハイドロキシエチルデンプン溶液
    に防腐剤を混入する特許請求の範囲第1項ないし第3項
    のいずれかに記載の方法。
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