JP2688509B2 - ヘミセルロースの抽出・精製法 - Google Patents

ヘミセルロースの抽出・精製法

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JP2688509B2 JP63269502A JP26950288A JP2688509B2 JP 2688509 B2 JP2688509 B2 JP 2688509B2 JP 63269502 A JP63269502 A JP 63269502A JP 26950288 A JP26950288 A JP 26950288A JP 2688509 B2 JP2688509 B2 JP 2688509B2
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    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、小麦フスマからヘミセルロースを抽出・調
製する方法に関する。詳しくは、小麦フスマから水溶性
のヘミセルロースを高純度で抽出・調製する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、成人病の予防、整腸作用、大腸ガンの予防等の
点から繊維質食品の摂取の必要性が再認識されている。
それに伴って食物繊維(ダイエタリーファイバー)が健
康食品として注目を集めており、食物繊維を各種食品に
添加することが試みられている。そして、そのような試
みの1つに、従来、主に家畜用飼料として用いられてき
た食物繊維を多量に含有する小麦フスマの食品への利用
がある。しかしながら、小麦フスマは食物繊維とともに
それ以外の成分をも多量に含有しており、小麦フスマを
そのまま食品に添加して上記成人病等の発生を予防しよ
うとする際には、多量の小麦フスマを食品に添加するこ
とが必要であり、食品の食感の低下を招いていた。
そこで、小麦フスマを処理して主に繊維質成分のみを
分取又は回収してそれを利用しようとすることが色々試
みられるようになり、そのような方法の例として、小麦
フスマを粉砕・分級処理して繊維質分含有量の多い区分
を分取して使用する方法、小麦フスマを化学的にまたは
生物学的に処理して食物繊維性の有効成分を取り出して
利用する方法が従来知られている。
そして小麦フスマを化学的に処理して有効成分を取り
出す従来技術の1つとして小麦フスマをアルカリ側で抽
出処理して小麦フスマ中に含まれるヘミセルロースを抽
出し、これを血清コレステロール上昇抑制物質として利
用することが知られており(特公昭62−6691号)、そこ
では抽出されたヘミセルロースを精製せずに或は活性炭
とイオン交換樹脂又は活性炭とセロファンチューブ透析
膜を用いて精製してから使用している。しかしながら、
そこではアルカリとして0.5規定以上の高濃度のアルカ
リ溶液を使用しているためにヘミセルロースを含有する
アルカリ抽出液を酸で中和した後に多量の塩を生じ、塩
類の除去やその他の不純物の精製処理に長い時間を要
し、目的物を短時間に多量に且つ高収率で調製すること
が困難であった。しかも、そこで調製されたヘミセルロ
ースは精製後も灰分やその他の不純物を多く含んでお
り、かつ水への溶解性も充分ではない。ところで、その
準医薬的な用途から、純度のより高いヘミセルロースが
望まれており、かつ取り扱い容易性等の点から水等への
溶解性の高いヘミセルロースを高収率で得ることが求め
られている。
〔発明の内容〕
本発明者等は、純度がより高く、かつ水にたいする溶
解性のより良いヘミセルロースを小麦フスマから短時間
に高収率で得ることを目的として研究を続けた。その結
果、小麦フスマをアルカリで処理してヘミセルロースを
抽出して調製する際に、アルカリとして特定の濃度の希
アルカリ溶液を使用するとともに、抽出後に特定の精製
処置の施すことによりかかる目的を達成し得ることを見
出して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、小麦フスマを水洗して水溶性物質を除去した後、0.
1〜0.4規定のアルカリ水溶液で処理してヘミセルロース
から主としてなる区分をアルカリ水溶液中に溶出させ、
限外過膜及びイオン交換樹脂を用いて順に精製するこ
とを特徴とするヘミセルロースの抽出・精製法である。
本発明では、小麦フスマとして、通常の製粉工程で生
ずる一般フスマ、それ以外のフスマのいずれも使用で
き、小麦フスマの組成や生成過程を問わない。そのうち
でも特に、一般フスマを粉砕した後、繊維質分に富む区
分を分級処理することにより得られた繊維質分含量の多
いフスマを使用すると、純度のより高いヘミセルロース
を高収量で得ることができる。
本発明では、小麦フスマをまず水洗して蛋白質、少糖
類、その他の有機物質の水溶性夾雑物を水中に溶出させ
て除去する。水の温度は、小麦フスマ中の有効成分を分
解しない温度であれば特に限定されないが、操作のし易
さ、夾雑物の除去効率、熱効率等の点から通常20〜70℃
がよく、そのうちでも特に30〜60℃がよい。水洗は、小
麦フスマを水(温水)に分散させて撹拌しながら行うの
が、フスマからの水溶性成分の除去を円滑に行うことが
でき望ましいが、これに限定されない。水に分散させて
撹拌しながら水洗する場合には、水100重量部に対して
小麦フスマ約10〜20重量部を分散させて、周速度(回転
羽根の周方向速度)約10〜30m/秒の回転速度で約2〜10
分間水洗を行うのが、操作のし易さ、水溶性成分の除去
効率、水洗終了後のフスマから水の除去の容易さ等の点
から望ましい。水洗の終了は、当初の小麦フスマ中に含
有されている蛋白質の約60%以上、好ましくは80%以上
が除去された時点とする。
次いで、水洗の終了した小麦フスマから水を分離す
る。水の分離は、過、遠心分離、遠心過等の固体と
液体の分離にたいして一般に採用されているいずれの方
法で行ってもよい。操作が簡単であり速やかに水を分離
できる点で遠心過による分離が好ましい。水を除去し
た後の小麦フスマ固形物に、そのまま湿った状態で、又
は必要に応じて乾燥して、次のアルカリ水溶液による抽
出処理を施す。
アルカリ水溶液によるヘミセルロースの抽出処理に際
しては、0.1〜0.4規定、好ましくは0.15〜0.3規定、特
に好ましくは0.2〜0.25規定のアルカリ水溶液を使用す
る。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウ
ム等のアルカリ土類金属水酸化物の水溶液のいずれも使
用出来るが、取り扱い易さ、抽出したヘミセルロースの
精製のし易さ等の点から水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムの水溶液が好ましい。また抽出処理は、ヘミセルロ
ースの加熱による分解が生じない温度、通常、約10〜80
℃の温度で行う。アルカリ水溶液中へのヘミセルロース
の溶出のし易さ、抽出に要する時間等の抽出効率の点か
ら40〜70℃の範囲の温度が好ましい。温度が10℃より低
いとヘミセルロース等の抽出に時間がかかり、効率が悪
い。温度が高いほどヘミセルロースの抽出が促進され、
短時間で抽出が可能であるが、80℃を越えるとヘミセル
ロースの加水分解を生じ望ましくない。一般に、アルカ
リ水溶液のアルカリ濃度が高いほど低温での抽出が可能
であり、アルカリ濃度が低い場合には高温で抽出するの
が抽出効率等の点から望ましい。上記水洗処理の場合と
同様に、水洗後の小麦フスマ固形物100重量部を上記の
濃度のアルカリ水溶液約400〜1000重量部中に分散させ
て撹拌しながら抽出処理を行うと短時間で効率良くヘミ
セルロースが抽出される。アルカリ水溶液の量が上記よ
りも少ないと撹拌操作が円滑に行われず、抽出効率が落
ちる。その際の撹拌は7〜25m/秒の周速度で行うのが良
い。撹拌時の周速度が大きいほどヘミセルロースの抽出
が促進され抽出に要する時間が短くて済む。しかしなが
ら撹拌の周速度が25m/秒を越えると熱を発し抽出したヘ
ミセルロースの加水分解を招くので好ましくない。アル
カリ水溶液による抽出は、アルカリ水溶液中に抽出され
た糖分の全量がアルカリ水溶液1ml当たり約5mg以上、好
ましくは約8〜10mgの平衡濃度になるまで行う。かかる
アルカリ水溶液による抽出処理を通常約30〜120分間行
うと、上記約8〜10mg/mlの平衡濃度を達成することが
できる。例えば、水洗した小麦フスマ20重量部を0.2規
定の水酸化ナトリウム水溶液100重量部に分散させて70
℃、周速度20m/秒で撹拌しながら抽出処理を行うと、約
30分後にアルカリ水溶液中の全糖類の濃度が5mg/mlに達
し、約1時間後には約8mg/mlの平衡濃度になり、それ以
後は処理を続けてもアルカリ水溶液中の糖類の濃度は増
加しない。
次に、抽出したヘミセルロースを含有するアルカリ水
溶液を、酸で中和してからまたは酸で中和せずに、限外
過膜およびイオン交換樹脂を用いて順に精製処理す
る。
ここで、ヘミセルロース含有水溶液を酸で中和した場
合には、水溶液が中性になりヘミセルロースの加水分解
の抑制に効果がある。この場合に、液温を低温(通常、
約40℃以下)に保って中和処理を行うと、ヘミセルロー
スの加水分解が一層抑制される。酸としては、無機酸及
び有機酸のいずれも使用出来るが、精製のし易さ等の点
から無機酸が好ましく、そのうちでも塩酸が好ましい。
酸はアルカリ水溶液が中性になる量で用い、液をゆっく
り撹拌しながら徐々に加える。酸の使用量が多いと液が
酸性になり、やはり抽出されたヘミセルロースの加水分
解を招くので注意する必要がある。酸による中和は、固
形物をアルカリ水溶液中に分散させたままで行っても又
はアルカリ水溶液から固形物を分離して除いた後に行っ
てもよい。固形物の除去には上記水洗処理後の固形物分
離と同様に遠心分離、過、遠心過等の通常の固液分
離で採用されている方法を採用出来る。中和しかつ固形
物を除去したヘミセルロース等を含有する水溶液は次い
で精製処理に付される。
上記のように、本発明では、また抽出されたヘミセル
ロースを含有するアルカリ水溶液を酸で中和せずにその
まま精製処理に付すことができるが、この場合には、中
和による塩形成がなく精製処理に付される水溶液が多量
の塩を含有しないために、イオン交換樹脂(特に陰イオ
ン交換樹脂)の塩によるイオン交換能の早期における低
下が防止でき、イオン交換樹脂を長時間再生処理せずに
精製処理に使用することができる。
精製処理は、まず限外過膜による処理を行い、次に
イオン交換樹脂による処理を行う。処理順序が逆になる
とイオン交換樹脂のイオン交換能の早期低下が生じやす
く精製が円滑に行われず、高純度のヘミセルロースが得
られない。またイオン交換能の早期における低下は、イ
オン交換樹脂の再生頻度が多くなることを意味し、これ
は経済的な点からも好ましくない。
限外過膜による処理では、水溶液から塩類、オリゴ
糖、ペプチド糖、色素等の低分子物質等の除去処理をま
ず行い、次いでヘミセルロースの濃縮処理を行う。
低分子量物質の除去処理に際しては水溶液の粘性が大
きいと限外過膜への透過流速(以後、「フラックス」
と称する)が低くなり処理効率が悪くなるので、一定値
以上のフラツクス(通常、15/hr.m2以上)を保つため
に、水溶液中の全糖量を一定値以下(通常、約10mg/ml
以下、好ましくは約5mg/ml前後)に調整する。限外過
膜としては従来知られているポリスルホン、アクリロニ
トリル共重合体、芳香族ポリアミド、ポリフツ化ビニリ
デン、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等の
ポリマーからなる膜のいずれもが使用出来る。限外過
膜としては管状膜、平膜、スパイラモジユール、中空モ
ジユール等の形状のものが知られているが、それらの中
でも10mm〜15mmの内径を有するポリスルホン製の管状膜
が目詰まりがなく短時間で多量の水溶液を調製処理でき
るので好ましい。ポリオレフイン系の限外過膜は目的
物の吸着が生じ易く好ましくない。膜の分画性能として
は分画分子量で表わした場合に約8,000〜50,000のもの
が好ましい。分画分子量が8,000未満のものは目詰まり
を起こし易くフラックスの低下を生じる。また分画分子
量が50,000を越えるとやはりフラツクスが低下する(通
常15/hr・m2以下になる)ので好ましくない。この限
外過膜による低分子量物質の除去処理ではヘミセルロ
ース等を含有する水溶液を管状膜の内側に通して過を
行い膜の外側に低分子量物質を含む透過液を排出する処
理を行う。その際に膜を透過する溶液量と同量の水を管
状膜の内側に常に供給して膜処理液量を一定に保ちなが
ら処理を行うと、低分子量物質の除去が効率良く行われ
る。その場合に通常、管状膜内部の水溶液に約5〜10kg
・f/cm2圧力をかけて処理を行う。処理時に水溶液の温
度を約40〜60℃に維持しておくのが良い。液温が40℃よ
りも低いとフラツクスの低下が生じ、又液温が60℃を越
えると膜の劣化が起こり易くなる。限外過膜による低
分子量物質の除去は、以後のイオン交換樹脂による処理
が円滑に行われるように、水溶液中のアルカリ金属、ア
ルカリ土類属等のイオン濃度が0.1重量%以下になるま
で行う。なお、限外過膜で処理する前のヘミセルロー
ス含有水溶液中のアルカリ金属等のイオン濃度は、通
常、0.5〜0.8重量%程度である。例えば、管内径11.5m
m、分画分子量20,000、膜面積0.76m2のポリスルホン限
外過膜(NTU3520日東電工製)を使用して流量13/
分、圧力10kg・f/cm2で全糖量含量5mg/mlのヘミセルロ
ース含有水溶液を液温50℃で処理すると、約3時間でア
ルカリ金属等のイオン濃度が0.09重量%にまで低下す
る。
低分子量物質の除去を行った水溶液を次いで濃縮処理
する。かかる濃縮処理は水溶液中の全糖分の濃度が約8
〜20mg/ml、好ましくは10mg/ml前後になるまで行う。濃
縮操作は、上記と同じ限外過膜を使用して行い、処理
される水溶液を管状膜の内側に通し、通常約5〜10kg・
f/cm2の圧力をかける。この際に、フラツクスの低下が
生ずるが、目的の濃度になるまでそのまま濃縮を続け
る。濃縮を終了した水溶液中のアルカリ金属のイオン濃
度は、通常、約0.15〜0.8重量%になっている。
続いて上記により濃縮された水溶液をイオン交換樹脂
で処理して水溶液中に残存している塩類、蛋白質等を更
に除く。イオン交換樹脂による処理は、水溶液中の陰イ
オン及び陽イオンの両方を除くために陰イオン交換樹脂
及び陽イオン交換樹脂の両方を使用して逐次行うのが良
い。初めに陽イオン交換樹脂で処理してから次に陰イオ
ン交換樹脂で処理しても又は初めに陰イオン交換樹脂で
処理してから次に陽イオン交換樹脂で処理しても良い。
使用するイオン交換樹脂としては市販されているもので
よい。そのうちでも、ポリスルホン酸系の陽イオン交換
樹脂及びポリスチレン系の陰イオン交換樹脂を組合わせ
て用いるのが好ましい。イオン交換処理に際しては、1
時間当たりイオン交換樹脂の容量の15倍容量以下の被処
理水溶液を通液して処理をするのが良い。15倍容量より
多い水溶液を通すとイオン交換能力が低下し、処理され
た液中の塩類の濃度を低くすることができない。このイ
オン交換樹脂による処理は水溶液中の塩類の濃度が0.05
重量%以下、好ましくは100ppm以下になるまで行う。
本発明による上記一連の処理によって塩類等の灰分、
蛋白質、ヘミセルロース以外の糖類等の不純物の含有量
が極めて少ないヘミセルロースを含有する水溶液が得ら
れる。この水溶液はそのまま水溶液の形で保存し使用し
ても良い。しかしながら精製されたヘミセルロースを長
時間安定に保つためには、水溶液を乾燥してヘミセルロ
ースを乾燥粉末の形で回収し保存しておくのが望まし
い。水溶液の乾燥は、ヘミセルロースの熱変性や熱分解
が生じない条件下であればいずれの方法でも良く、例え
ばスプレードライ法、ドラムドライ法、真空乾燥法、凍
結乾燥法等のいずれもが採用できる。この乾燥は通常15
0℃以下で行う。
また、本発明では必要に応じてヘミセルロースを漂白
剤で処理して漂白することもできる。この漂白剤による
処理は、抽出されたヘミセルロースを含有するアルカリ
水溶液に酸化剤を添加して行う、該アルカリ水溶液を酸
で中和してから酸化剤を添加して行う、限外過膜処理
を経た後の溶液に酸化剤を添加して行う、イオン交換樹
脂処理を行った後の溶液に酸化剤を添加して行う、最終
的に得られた固形状ヘミセルロースを酸化剤で処理する
等のうちの任意の方法で行うことができる。
以下に、本発明を例を挙げて具体的に説明するが本発
明はそれらによって限定されない。
下記の例中、ナトリウムイオン濃度は食塩濃度計SA−
10KB(東亜電波工業株式会社製)を用いて測定した。ま
た全糖量は次のようにして測定した。
〔全糖量の測定法〕
糖類を含有する水溶液を蒸留水で100倍に希釈する。
次にこの希釈された水溶液0.5mlに5%フェノール水溶
液0.5mlを添加して撹拌した後濃硫酸3mlを加えて更に撹
拌した。そのまま20分間放置して空冷した後、波長490n
mの吸光度を測定する。測定値をキシロースを基質とし
た標準曲線に照合して全糖量を求めた。
実施例 1 精選フスマ(蛋白質含量16重量%)2kgを50℃の温水2
0に分散させて撹拌機として日清エンジニアリング社
製スーパーFを使用して周速度25m/秒で5分間撹拌す
る。撹拌終了後、遠心過機(田辺鉄工所製)により固
形分を溶液部から分離する。得られた固形分(水分約50
%、蛋白質含量33重量%)3kgを70℃、0.2N水酸化ナト
リウム水溶液20中に入れ、前記と同じ撹拌機を用いて
周速度20m/秒で90分間撹拌する。放冷してから0.8N塩酸
水溶液5を撹拌しながらゆっくりと加えて中和する。
中和した溶液を5,000×gで10分間遠心分離する。遠心
分離後、その上清液を分取し、その全糖量が5mg/mlにな
るように水で希釈する。また、その溶液温度を50℃に保
温する。全溶液を日東電工製の管状限外過膜NTU3520
(P−18型膜面積0.76m2、内径11.5mm)の管内を通し圧
力8kg・f/cm2、流速13/minの条件下で3時間処理す
る。この時、膜透過溶液と同量の水を常に管内に補給し
膜処理液量を一定とする。
3時間後水の供給をとめ、前記と同様の条件で(流速
13/min、圧力8kg・f/cm2)で濃縮を開始しフラツクス
の低下を考慮することなく濃縮を行い、水溶液の糖濃度
が約10mg/mlになるまで行う(約1.5時間)。処理液をオ
ルガノ社製陽イオン交換樹脂IR−120E 500ccに1時間当
りイオン交換樹脂容量の10倍の流速で溶出し、次いで同
社製陰イオン交換樹脂IRA−93に同流速で流す。イオン
交換処理後得られた水溶液を真空凍結乾燥し(温度30℃
真空度0.1Torr以下)白色の生成物約150g得た。
実施例 2 実施例1の精選フスマの代わりに、一般フスマを粉砕
し気体分級して得た食物繊維含量70%の高繊維分画フス
マを用いて以下実施例1と同様に処理を行い、約170gの
白色生成物を得た。
比較例 1 特公昭62−6691号の方法により、ヘミセルロース主体
の物質を得た。この時の小麦フスマとして実施例2で用
いたものと同様の高繊維分画フスマを用いた。方法とし
ては、分画フスマ100gを5容の三角フラスコに採り、
これにグリコアミラーゼ1×104GUN/g5gを蒸留水4に
溶かし紙で過し、液に0.2M酢酸塩緩衝液(pH4.
2)1を加え調製したグルコアミラーゼ溶液5及び
トルエン数滴を加えて40℃に24時間保った。これをガラ
スフイルターで過し、水で洗浄後2容の三角フラス
コに移し、0.5N水酸化ナトリウム水溶液1を加え容器
内に窒素ガスを充満させゴム栓で密栓し、室温で16時間
振とうさせてアルカリ可溶のヘミセルロース区分の抽出
を行った。このものを遠心分離(3,000rpm、10分)して
溶液部を分取し、この溶液を氷酢酸で中和しトリクロー
ル酢酸を最終濃度が7%になるように添加して蛋白質を
沈澱させた。沈澱物を遠心分離して除去し、得られた分
離液に水を加えて約1.3としたのち、セロフアンチユ
ーブを用いて3日間流水中で透析した。透析内容物が中
性になったのを確認したのち、4倍量のエチルアルコー
ルを加え、一夜放置して沈澱を十分に生成させた。この
沈澱を遠心分離(4,000rpmで10分間)して採取し、蒸留
水1に溶解させ、乾結乾燥して約7.5gの物質を得た。
比較例 2 上記実施例1で限外過膜による処理とイオン交換樹
脂による処理を順序を逆にして精製を行った。
上記の実施例1および2ならびに比較例1および2で
得られた生成物中の各成分の含有量ならびにその水に対
する溶解性を下記の表に示す。
上記表中、「灰分」は最終的に得られたヘミセルロー
スの乾燥粉末を800℃で2時間にわたって灰化したとき
の残存物の重量を当初のヘミセルロース粉末の重量で割
った値で示した。また「全窒素含量」はケルダール分析
法により測定した。全糖量は上記と同様にして求めた。
糖分中の各構成成分(キシロース、アラビノース、グル
コース等)の含有量は各例で最終的に得られた生成物を
TARIO,BHATTI等の方法〔Biochimica et Biophysica Act
a 222巻(1970)339〜347頁〕により加水分解した後メ
チル化し、これをガスクロマトグラフィーを使用して分
析することにより求めた。表中の値は全て乾物として換
算した値である。また「水不溶分」は水不溶性成分の重
量割合を示す。
上記表中の結果から、希水酸化ナトリウム水溶液を使
用して小麦フスマの抽出処理を行った後更に限外過膜
及びイオン交換樹脂による精製処理を順に行っている本
発明の実施例1及び2では、濃水酸化ナトリウム水溶液
を用いた比較例1に比べて、また実施例1及び2と同じ
濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いているがイオン交
換樹脂による精製処理後に限外過膜による処理を行っ
ている比較例2に比べて灰分の含有量の極めて少ない純
度の高いヘミセルロースがより高い収率で得られること
がわかる。また上記の表から明らかなように、本発明の
実施例1及び2で得られたヘミセルロースは水に対する
溶解性の高いアラビノシランから主としてなり、このこ
とは本発明で得られたヘミセルロース中にはその親水性
に大きく寄与するアラビノース分の含有量が高いことに
よっても裏付けられる。また本発明の実施例1及び2の
生成物では窒素分(蛋白質)の含量も高いがこれは生成
物の水溶性を大きくする働きを有しており害にはならな
い。
〔発明の効果〕
小麦フスマを0.1〜0.4規定の希アルカリ水溶液で抽出
処理してから限外過膜及びイオン交換樹脂で順に精製
処理している本発明では、小麦フスマを0.5規定以上の
濃アルカリ水溶液で抽出処理してから活性炭と透析膜ま
たは活性炭とイオン交換樹脂で精製処理する従来法と比
べて目的とするヘミセルロースを高純度でかつ高収率で
得ることが出来る。しかも本発明では小麦フスマをあら
かじめ単に水洗処理するだけで上記の一連の処理を行う
事が出来、小麦フスマにあらかじめ他の化学処理や生物
学的処理を施す必要がない。
その上、本発明により調製されたヘミセルロースは水
に対する溶解性が極めて良いので、使用に際しては水に
溶解して容易に使用することができる。
本発明で得られた水溶解性の高いヘミセルロースは、
保水性に優れ、拡散阻害作用、カチオン吸着性を有し、
水不溶性繊維とは異なる性質を示す。また、本発明で得
られた水溶性ヘミセルロースはビフイズス菌等の良性腸
内細菌の代謝を助ける等の生理作用を有し、その栄養学
的な効果は水不溶性のものとは大きく異なっている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦フスマを水洗して水溶性物質を除去し
    た後、0.1〜0.4規定のアルカリ水溶液で処理してヘミセ
    ルロースから主としてなる区分をアルカリ水溶液中に溶
    出させ、限外過膜及びイオン交換樹脂を用いて順に精
    製することを特徴とするヘミセルロースの抽出・精製
    法。
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