JPS5938814Y2 - スレ−ト葺屋根の補修用金属板屋根材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に大型工場、倉庫２体育館等に良く使用さ
れるスレート葺屋根において、古くなったスレート板屋
根材を取壊さずにその上に直接取付けて古くなったスレ
ート葺屋根を補修する金属板屋根材に関するものである
。

従来、古くなったスレート板屋根材を取壊さずにスレー
ト葺屋根を補修するための専用の屋根材がないため、古
くなったスレート葺屋根を補修する場合は、まず古くな
ったスレート板屋根材を母屋材より剥し、次にその母屋
材に新たなスレート板屋根材等を取付けて新しい屋根を
葺上げるようにしていた。

このために、屋根下の工場での操業や倉庫１体育館の使
用などを葺替工事の間長期間に亘って中止しなければな
らない。

また、剥したスレート板屋根材は不燃性のものであるた
め、この大量に出る廃棄物の処理が非常に大変である。

しかも、木毛板などの断熱板を使用している屋根の場合
、この断熱材を剥すと約５倍位に嵩張るので、処理作業
が非常に煩雑になり、かつ断熱材はセメント等が配合さ
れた準不燃性のものであるため、焼却処理が面倒かつ困
難である。

さらに、葺替工事中屋根がないため、風雨を凌ぐための
養生が必要であり、しかも骨組だけになるため危険が伴
い、かつ足場などを必要とする。

また、古くなったスレート板屋根材を１枚とか２枚とか
部分的に取替えようとする場合、フックボルトが錆付い
ているためその部分だけのスレート板屋根材を外すこと
ができず、従ってスレート板屋根材を壊して屋根裏に廻
り錆付いたフックボルトを切り取ってから、スレート板
屋根材を取外さなければならずこの作業が非常に面倒で
ある。

本考案は、上述の点に鑑み、古くなったスレート板屋根
材を取壊さずにその上に直接取付けて古くなったスレー
ト葺屋根を補修することができる金属板屋根材を提供せ
んとするものである。

本考案者は、既設のスレート葺屋根に金属板屋根材を直
接葺上げれば、スレート葺屋根を取壊さずにそのスレー
ト葺屋根を補修することができることを究明した。

ところが、スレート葺屋根にはフックボルトやナンドな
どの固定具が突出しているためｑ既設のスレート葺屋根
に金属板屋根材をただ単に直接には葺上げられない。

また、スレート葺屋根は波形をなすので、在来の金属折
板屋根材ではスレート葺屋根に対して点接触であるから
スレート葺屋根への取付状態の安定性が悪いと言う問題
点がある。

そこで、本考案者は、長年の研究開発の結果、スレート
葺屋根の谷部の径と略々同径の谷部と、スレート葺屋根
の山部の径より極めて小さい径でかつスレート葺屋根の
山部の高さより高い山部とを連続形成することにより、
スレート葺屋根に安定良く取付けることができ、しかも
固定具を収納し得る空間をも形成することができる金属
板屋根材を考案した。

以下、本考案に係るスレート葺屋根の補修用金属板屋根
材の一実施例を添付図面を参照して説明する。

第１図は本考案の金属板屋根材の正面図、第２図は補修
施工した状態の正面図、第３図は第２図における■−■
線断面図、第４図は施工状態の概略図である。

図中、１は既設のスレート板屋根材であって、山部１０
の径と谷部１１の径とが略しい波形形状をなし、既設の
Ｃ鋼２にフックボルト３により固定されている。

図中３０はバンキング、３１は亀座金、３２はナンドを
示す。

しかして、この実施例における本考案の金属板屋根材は
、薄鋼板を折曲して既設のスレート板屋根材１０山部１
０の径より極めて小さい径の山部４０と、既設のスレー
ト板屋根材１の谷部１１の径と略々同径の谷部４１とを
適宜、例えば５山に連続形成し、−側縁部を折返して折
曲部４２を形成すると共に、他側縁部の一部を凹ませて
凹部４３を設ける。

そして、前記山部４０、谷部４のピンチ、特に山部４０
のピンチを既設のスレート板屋根材１０山部１０のピン
チに合わせると共に、山部４０の高さを既設のスレート
板屋根材１０山部１０の高さより高くして、本考案の金
属板屋根材の谷部４１を既設のスレート板屋根材１の谷
部１１上に載して本考案の金属板屋根材を既設のスレー
ト板屋根材１に直接取付けた際に、本考案の金属板屋根
材の山部４０と既設のスレート板屋根材１の山部１０と
の間に既設の固定具（フンクボルト３０頭部、バンキン
グ３０、亀座金３１およびナンド３２）を収容し得る空
間Ｓが形成されるように構成する。

この実施例における本考案の金属板屋根材は、以上の如
き構成よりなるから、本考案の金属板屋根材の谷部４１
を既設のスレート板屋根材の谷部１１上に載置すると、
本考案の金属板屋根材の山部４０と既設のスレート板屋
根材１０山部１０との間に既設の固定具（フックボルト
３の頭部、バンキング３０、亀座金３１およびナンド３
２）を吸容し得る空間Ｓ１すなわち既設のスレート板屋
根材１上に突出した既設の固定具を跨いで逃げるための
空間Ｓが形成されるため、本考案の金属板屋根材をタツ
ピングビ不５により既設のスレート板屋根材１に直接取
付けることができる。

従って、古くなった既設のスレート板屋根材１を取壊さ
ずに本考案の金属板屋根材を取付けて新たな屋根を葺上
げることができる。

なお、スレート板屋根材１より突出しているフックボル
ト３の先端が空間Ｓの高さより長く突出している場合に
はそのフックボルト３の先端をナンド３２の上面の所で
切取れば、本考案の金属板屋根材をスレート板屋根材１
に直接取付けることができる。

また、この実施例の金属板屋根材は、その山部４０の径
が極めて小さいので、薄鋼板からなるものであっても山
部４０に十分な強度が得られ、従って作業中作業者が山
部１０土に乗っても凹んだり変形したりするようなこと
はない。

しかも、本考案の金属板屋根材を既設のスレート板屋根
材１に直接取付けるので、新たな母屋材などが不要とな
り、かつ作業性が簡潔化される。

さらに、本考案の金属板屋根材の谷部４１を既設のスレ
ート板屋根材１の谷部１１上に直接載置するので谷部１
１が凹んだり変形したりすることｔ′−なく安定性が良
い。

また、上述の実施例において、両側縁部に折曲部４２と
凹部４３とをそれぞれ設、げたので、本考案の金属板屋
根材の重ね合せ部分において、一方の金属板屋根材の一
側縁部の折曲部４２が他方の金属板屋根材の他側縁部に
当接するので雨水が侵入し難く、しかも万が一雨水が侵
入しても他方の金属板屋根材の他側縁部の凹部４３にお
いて毛細管現象による雨水の侵入を完全に防止すること
ができる。

なお、上述の実施例において、本考案の金属板屋根材の
内側にポリフオームなどの断熱材を接着すれば、断熱効
果が上がり既設のＣ鋼２やフックボルト３の結露を防ぐ
ことができる。

以上の実施例からも明らかなように、本考案のスレート
葺屋根の補修用金属板屋根材は、古くなった既設のスレ
ート板屋根材を取壊さずにその上に直接取付けられるよ
うに構成したものであるから、既設のスレート板屋根を
取壊さずにその上に金属板屋根を葺上げることができ、
従って補修工事中でも工場の操業を続けたり倉庫１体育
館を使用したりすることができ、また風雨を凌ぐための
養生や足場が不要となり、しかも安全にかつ短期間に補
修工事を行うことができる。

また、古いスレート葺屋根を解体する必要がないので、
従来のように古くなったスレート板屋根材や断熱材など
の廃棄物がでることはなく、従って廃棄物処理が不要と
なり能率良く補修工事を行うことができる。

しかも、補修工事が完了すると既設のスレート葺屋根の
上に新設の金属板製の屋根が葺上げられるので、保温性
や耐久性に優れており、また２重構造の屋根であっても
金属板製の屋根材を使用するので、重量的に比較的軽く
、かつ堅固な構造が得られる。

さらに、スレート葺屋根から金属板製屋根へとイメージ
チェンジを計ることができる。

さらに、本考案の金属板屋根材はその山部の径が極めて
小さいので、薄鋼板からｋるものであっても山部に十分
な強度が得られ、従って作業中作業者が山部の上に乗っ
ても山部が凹んだり変形したりすることがなく、また谷
部を既設のスレート板屋根材の谷部上に直接載置するの
で、谷部の径が山部の径に比べて極めて大きくても該谷
部は凹んだり変形したりすることがなく安定性が良い。

しかも、本考案は既設のスレート葺屋根の山部と、本考
案の金属板屋根材の山部との間に空間が形成されるので
、既設のスレート葺屋根の固定具の頭部全体を切除する
ことなく、本考案の金属板屋根材を既設のスレート葺屋
根に簡単にしかも直接に葺上げることができる。

従って、既設のスレート板屋根材に直接取付けることが
できるので、新たな母屋材などが不要となり、かつ作業
性が簡潔化されるなどの効果がある。

なお、当然のことながら本考案のスレート葺屋根の補修
用金属板屋根材は、上述の実施例にのみ限定されるもの
ではない。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案に係るスレート葺屋根の補修用金属板
屋根材の一実施例を示し、第１図は正面図、第２図は補
修施工した状態の正面図、第３図は第２図における■−
■線断面図、第４図は施工状態の概略図である。 １・・・・・・既設のスレート板屋根材、１０・・・・
・・山部、１１・・・・・・谷部、２・・・・・・Ｃ鋼
、３・・・・・・フンクボルト、４・・・・・・金属板
屋根材、４０・・・・・・山部、４１・・・・・・谷部
、Ｓ・・・・・・空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄鋼板を折曲して既設のスレート屋根材の谷部の径と略
   々同径の谷部と、既設のスレート板屋根材の山部の径よ
   り極めて小さい径の山部とを適宜に連続形成し、そのピ
   ンチを既設のスレート板屋根材のピンチに合わせると共
   に、山部の高さを既設のスレート体屋根材の山部の高さ
   より高くし、既設のスレート板屋根材の谷部上に谷部を
   載置して既設のスレート板屋根材上に直接取付けた際に
   、既設のスレート板屋根材の山部と山部との間に既設の
   スレート板屋根材の既設の固定具の頭部を収容し得る空
   間が形成されるように構成したことを特徴とするスレー
   ト葺屋根の補修用金属板屋根材。