JP2538130Y2 - 屋根材の固定構造 - Google Patents

屋根材の固定構造

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JP2538130Y2
JP2538130Y2 JP1992048282U JP4828292U JP2538130Y2 JP 2538130 Y2 JP2538130 Y2 JP 2538130Y2 JP 1992048282 U JP1992048282 U JP 1992048282U JP 4828292 U JP4828292 U JP 4828292U JP 2538130 Y2 JP2538130 Y2 JP 2538130Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、プレハブ建築や仮設住
宅等に使用される屋根材に関し、詳しくは、屋根材の固
定は確実にかつ強固におこなえながら、屋根材を外して
再利用を図るのに、容易に外すことができ、特に、固定
のための嵌着凹部の永久変形をなくし、屋根材の再利用
において有利にしようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】図9に、プレハブ建築等に使用される従
来の屋根材が示されており、この屋根材は、中央部に完
全山部82が設けられていると共に、その両端部に第1
半山部83及び第2半山部84がそれぞれ設けられて、
各山部の間に溝部85が設けられて、全体として波状を
している。この屋根材81を屋根面に取付けるには、こ
の屋根材81の各山部と同一ピッチの複数の支持山部8
7を備えた固定具86が使用される。この固定具86
は、屋根面の傾斜方向に沿って、その棟部から軒部に向
けて所定の間隔で水平方向に設けられた梁部材88の上
面にボルト、溶接等により固定される。固定具86の支
持山部87の頂部87aには、この頂部87aから上方
へ突出するボルト89が一体に取付けられている。この
屋根材81を屋根面に取り付けるには、屋根材81を固
定具86の上部に載置して、屋根材81の各山部82,
83及び84の頂部に前記ボルト89を挿通するボルト
孔91を開けて、このボルト孔91に、固定具86の各
支持山部87に取り付けられたボルト89をそれぞれ挿
通させ、このボルト89にパッキング等を介してナット
90をねじ込むことにより、固定具86を介して屋根材
81を梁部材88に固定していた。このように、従来の
屋根材81は、両端の半山部83及び84のみならず、
中央に設けられた完全山部82をもボルト89により固
定具86の支持山部87に直接に固定していた。この屋
根材は、取り外して再利用することを予定しておらず、
屋根材81の完全山部82の部分にもボルト孔91を開
ける必要があると共に、取付状態においてこのボルト孔
91に挿通されたボルト89が屋根材の上面に露出状態
で突出する。よって、屋根面に対する屋根材の取付けに
手間と時間を要すると共に、屋根材のボルト孔の部分に
おいて錆が発生し、これにより屋根材の寿命が短くな
り、更に突出したボルトにより屋根面の外観が害される
という諸欠点があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、屋根材の固
定は確実にかつ強固におこなえながら、屋根材を外して
再利用を図るのに、容易に外すことができ、特に、固定
のための嵌着凹部の永久変形をなくし、屋根材の再利用
において有利となる屋根材の固定構造の提供を課題とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本考案は、両側に傾斜板部が形成されている完全山部
が設けられ、完全山部の両端に樋状の溝部が設けられ、
全体として波形をしている屋根材の固定構造であって、
完全山部の両傾斜板部に一対の嵌着凹部が対向して設け
られ、嵌着凹部とこれより下方の傾斜板部との間に嵌着
凹部とは逆方向にわん曲する永久変形防止用の溝部が形
成され、屋根材の横断面形状に対応する固定具を、屋根
面の傾斜方向と略直交する方向に梁部材の上面に固定
し、屋根材の嵌着凹部の頂部に対応するように鋼板をわ
ん曲成形して、幅方向の両端部に屋根材の嵌着凹部に対
応する嵌合凸部が形成されるとともに嵌合凸部の端部か
ら突片が垂下された止め具を固定具の山部の頂部に屋根
面の傾斜方向に沿って固定し、固定時においては、固定
具の山部に固定された止め具の上方に屋根材の完全山部
を配置して押圧することにより、屋根材の完全山部を弾
性変形させて、嵌着凹部に止め具の各嵌合凸部を嵌着し
て、屋根材の完全山部を止め具に固定し、取外し時にお
いては、屋根材の幅方向の一端部を他端部に対して押し
上げて傾斜させることにより、屋根材の完全山部を弾性
変形させて、屋根材の嵌着凹部と止め具の嵌合凸部との
嵌着を解除する構成にしたことを特徴とするものであ
る。
【0005】
【考案の作用】屋根材を屋根面に固定する際には、固定
具の山部に固定された止め具の上方に屋根材の完全山部
を配置して無造作に押圧すると、この完全山部の頂部の
部分が瞬間的に弾性変形されて、完全山部の各嵌着凹部
に止め具の各嵌着凹部がそれぞれ嵌着されて、屋根材の
完全山部の部分が前記止め具に固定される。一方、屋根
面に固定された屋根材を取り外す際には、屋根材の幅方
向の一端部を他端部に対して押し上げて傾斜させると、
屋根材の完全山部の頂部が弾性変形されて、屋根材の嵌
着凹部と止め具の嵌合凸部との嵌着が解除されて、屋根
材の完全山部が止め具から分離される。即ち、完全山部
の両傾斜板部に一対の嵌着凹部が対向して設けられ、嵌
着凹部とこれより下方の傾斜板部との間に嵌着凹部とは
逆方向にわん曲する永久変形防止用の溝部が形成され、
取外し時においては、屋根材の幅方向の一端部を他端部
に対して押し上げて傾斜させることにより、屋根材の完
全山部を弾性変形させて、屋根材の嵌着凹部と止め具の
嵌合凸部との嵌着を解除するものであり、屋根材の嵌着
凹部を弾性変形させて止め具の嵌合凸部に嵌着すること
で、屋根材の完全山部における固定を確実にかつ強固に
おこなえるものでありながら、一方の屋根材の他端部を
持ち上げて回転させて外す際に、嵌着凹部と傾斜板部と
の間における溝部において、傾斜板部の持ち上げ回転に
起因して、嵌着凹部の下片を嵌合凸部の下片から回転し
て離そうとする分力を大きく生じさせることができ、嵌
着凹部を円滑に弾性変形させることができ、加えて、溝
部において、傾斜板部を持ち上げ回転させる回転力が直
接、嵌着凹部の下片の下端部に集中するのを回避でき、
この箇所の永久変形を回避することができ、結果とし
て、嵌着凹部の永久変形を防止しながら、嵌着凹部を嵌
合凸部から円滑に外すことでき、屋根材を再使用するの
に有利になるものである。更に、止め具には、屋根材の
嵌着凹部に対応する嵌合凸部が形成されるとともに嵌合
凸部の端部から突片が垂下されていて、屋根材の嵌着凹
部を弾性変形させて止め具の嵌合凸部に嵌着して、屋根
材の完全山部における止め具への固定をおこない、そし
て、屋根材の他端部を持ち上げて回転させて外す際に、
止め具の嵌 合凸部の端部からは突片が垂下されていて、
嵌合凸部の下端には鉄板を切断した切断縁のようなエッ
ジが形成されることがなく、エッジが形成されること
で、屋根材の嵌着凹部側に傷を付けることを回避するこ
とができ、再利用を図る屋根材において有効となるので
ある。 しかも、止め具の嵌合凸部の端部から突片が垂下
されていて、嵌合凸部に嵌着凹部を嵌合させた場合に、
突片にて嵌着凹部に引き続いて形成された溝部の背部を
受け、突片がないものに比べて、止め具に嵌着凹部を嵌
着する場合の嵌着姿勢を安定化させ、かつ、突片で溝部
を受けることで、溝部を嵌着凸部から外しやすくなるの
である。
【0006】
【実施例】以下、実施例を挙げて本考案を更に詳細に説
明する。図1は、本考案に係わる屋根材Aの部分斜視図
であり、図2は、同じく正面図であって、この屋根材A
は、所定幅の金属薄板をロール成型して、所定の長さに
切断したものである。この屋根材Aの幅方向の中央部に
は、基板部1から上方に所定高さ突出する山状の完全山
部2が形成されており、この完全山部2の一側には基板
部1から上方に突出し高さが完全山部2より僅かに低い
半山状の第1半山部3が、又完全山部2に対して第1半
山部3と反対側には、完全山部2と略同じ高さの半山状
の第2半山部4がそれぞれ形成されている。そして、完
全山部2と第1半山部3との間、並びに完全山部2と第
2半山部4との間は、それぞれ雨水の流れる溝部5とな
っている。屋根材の幅方向の一端から他端に向かって形
成されている第1半山部3、完全山部2、及び第2半山
部4の各間隔は同じである。完全山部2の第1半山部3
の側の傾斜面は第1傾斜板部6になっており、また第2
半山部4の側の傾斜面は第2傾斜板部7になっており、
この完全山部2の頂部8は、前記基板部1と平行になっ
ている。第1傾斜板部6には、頂部8から所定高さ下が
った箇所に、この第1傾斜板部6の面から完全山部2の
内部に所定深さ突出する溝部10が形成されて、この溝
部10の上壁10a(図5参照)と第1傾斜板部6とに
より第1嵌着凹部9が形成されている。第2傾斜板部7
にも、この第2傾斜板部7から完全山部2の内部に突出
する溝部10′が形成されて、この溝部10′の上壁1
0′aと第2傾斜板部7とにより第2嵌着凹部11が形
成されている。このようにして形成された第1及び第2
の各嵌着凹部9、11は、相対向している。
【0007】第1半山部3には、完全山部2の第1傾斜
板部6と逆向きに傾斜した第3傾斜板部12が設けら
れ、その上端が下重ね部3aとなっており、この下重ね
部3aには、U溝部13が長さ方向に沿って設けられて
いる。第3傾斜板部12には、U溝部13の底部13a
方向に突出する溝部が形成されて、この溝部が第3嵌着
凹部14になっている。U溝部13の外側には、第3傾
斜板部12と逆向きに傾斜した所定長さの第1外傾斜片
15が設けられており、この第1外傾斜片15の下端部
は、略直角に内側に折曲された後下向きに折曲されて第
4嵌着凹部16が形成されている(図4参照)。第2半
山部4には完全山部2の第2傾斜板部7と逆向きに傾斜
した第4傾斜板部17が設けられて、その頂部18は、
完全山部2の頂部8と同様に基板部1と平行になってい
る。そして、この頂部18の端部には第4傾斜板部17
と逆向きに傾斜した所定長さの第2外傾斜片19が設け
られている。第4傾斜板部17には、頂部18から所定
高さ下がった箇所に、この第4傾斜板部17の面からそ
の内部に所定深さ突出する溝部が形成されて、その突出
部が第1嵌着凸部21になっている。また、第2外傾斜
片19の下端部も第1嵌着凸部21の方向に向けてわん
曲されて第2嵌着凸部22が形成されている。
【0008】屋根面の棟部から軒部に向かって所定の間
隔をおいて、その傾斜方向と直交する水平方向に配設さ
れた梁部材に屋根材Aを固定するための固定具23は、
所定の幅を有する厚手の金属板を折り曲げ成形して製作
されており、図3に示すように、谷部に相当する固定部
24から上方へ突出する支持山部25が屋根材Aの各山
部の間隔と同一の間隔で一対形成されている。この支持
山部25の上部は、逆U字状をして、上部に頂板26a
を備えた頭部26になっており、頂板26aの中央部に
はボルト孔28が開けられている。頭部26の下部は八
の字状に開いた一対の脚部27になっている。この固定
具23の一方の支持山部25は、その頭部26の頂板2
6aにより、屋根材Aの第1半山部3のU溝部13の底
部13aを支持して固定するものである。そして、固定
具23の他の支持山部25には、その頭部26に止め具
29が取り付けられる。この止め具29は、屋根材Aよ
りも厚い鋼板をわん曲させて形成されており、前記固定
具23の幅の略2倍の長さを有している。止め具29
は、その上面の幅方向の中央部が所定幅だけ平らな平面
部31になっており、この平面部31の両側はこれに対
してそれぞれ下向きに傾斜した傾斜部32になってい
る。そして、各傾斜部32の下端は、平面部31の下方
に向けてわん曲させられて係止部33になっており、こ
の係止部33と傾斜部32とにより、嵌着凸部34が形
成されている。この係止部33の端部は下向きに折り曲
げられて突片35になっている。止め具29の平面部3
1の中央部には、円錐状で所定深さの窪み部36が形成
されている。止め具29は、完全山部2の第1及び第2
の各嵌着凹部9、11の上部に形成された空間に嵌入可
能になっており、その両嵌着凸部34,34の間隔
(d)〔図6参照〕は、完全山部2の各溝部10,1
0′の内側端の間隔(w)〔図2参照〕より大きくなっ
ている。この止め具29は、図3に示すように、支持山
部25の配列方向に対して直交にして、その窪み部36
の底部36aを固定具23の頭部26の頂板26a上に
載置し、その底部36aの中央部に開けられたボルト孔
37及び頂板26aのボルト孔28に挿通される固定ボ
ルト38と、ナット39により支持山部25に固定され
る。
【0009】固定具23を固定する梁部材41は、図3
に示すように、コの字形のアングル材から成っていて、
この梁部材41は、棟部から軒部の間において所定の間
隔をおいて屋根面の傾斜方向と直交する水平方向に配設
されている。梁部材41に対して固定具23を取り付け
るには、その固定部24を梁部材41に載置して、この
固定部24に開けた複数の孔24aの部分を梁部材41
の上面に溶着する。各梁部材41に対して多数の固定具
23が所定の間隔をおいてその長さ方向に沿って同一位
置に取り付けられている。この結果、各梁部材41の同
一位置に取り付けられた各固定具23を結ぶ線分は、屋
根面の傾斜方向に沿うことになる。そして、この固定具
23に屋根材Aを取り付けるには、屋根材Aの第1半山
部3の下重ね部3aのU溝部13の底部13aを、止め
具29を取り付けない固定具23の支持山部25の頭部
26の頂板26aに載置する(図4参照)。次いで、第
1半山部3のU溝部13の底部13aに、固定具23の
頭部26のボルト孔28と同心のボルト孔42を開け、
このボルト孔42と、固定具23のボルト孔28に挿通
したボルト43と、ナット44とにより、屋根材Aの第
1半山部3を固定具23の支持山部25に固定する。同
様にして、屋根材Aの第1半山部3の部分を棟部から軒
部にかけて屋根面の傾斜方向に沿って取り付けられた複
数の固定具23の支持山部25にそれぞれ固定する。
【0010】このようにして、全ての固定具23の一方
の支持山部25に第1半山部3を固定された屋根材Aに
対して、相隣接する別の屋根材A′を取り付けるために
は、屋根材Aに対して別の屋根材A′を屋根面と直交す
る方向に配置して、屋根材Aの第1半山部3の下重ね部
3aの上部に、屋根材A′の第2半山部4の上重ね部4
aを重ね合わせる。そして、屋根材A′の第2半山部4
を無造作に踏み付けると、その上重ね部4aが押し下げ
られて弾性変形し、その第1及び第2の各嵌着凸部2
1、22が、屋根材Aの第1半山部3の下重ね部3aの
支承部上面を滑り両側に開かれつつ下降する。屋根材
A′の第2半山部4の第2嵌着凸部22が屋根材Aの第
1半山部3の第3嵌着凹部14の嵌着可能な位置に、ま
た第2半山部4の第1嵌着凸部21が第1半山部3の第
4嵌着凹部16の嵌着可能な位置にそれぞれ達すると、
弾性変形されていた第2半山部4の上重ね部4aは原形
状に復元する。このため、屋根材A′の第2半山部4の
第2嵌着凸部22が屋根材Aの第1半山部3の第3嵌着
凹部14に嵌着し、また、その第1嵌着凸部21が第1
半山部3の第4嵌着凹部16に嵌着するので、屋根材A
の第1半山部3の上部に屋根材A′の第2半山部4が一
体的に組み付けられる。この状態においては、屋根材
A′の完全山部2は、その両溝部10、10′の内側端
の間隔(w)が前述のように止め具29の両嵌着凸部3
4の間隔(d)より小さくなっているので、図5に2点
鎖線で示すように、その両溝部10、10′の底部が複
数の止め具29の両傾斜部32,32により支承された
状態になっている。この状態で、作業者が完全山部2の
頂部8を無造作に踏み付けると、完全山部2の上部が弾
性変形させられて、その両溝部10、10′が両側に開
きつつ止め具29の両傾斜部32、32の上を滑り落ち
る。そして、両溝部10、10′の底部が止め具29の
両嵌着凸部34,34を通過すると、弾性変形されてい
た完全山部2の上部は原形状に復元して、図6に示すよ
うに、その第1及び第2の各嵌着凹部9、11に止め具
29の各嵌着凸部34、34がそれぞれ嵌着する。従っ
て、作業者が屋根材A′の完全山部2を全ての固定具2
3の支持山部25の止め具29に嵌着させることによ
り、屋根材A′の完全山部2は屋根面に固定される。そ
の後、屋根材A′の第1半山部3を別の固定具23(図
示しない)の支持山部25に取り付けると、屋根材A′
の屋根面に対する取り付けは終了する。この状態におい
ては、固定具23に止め具29を取り付けている固定ボ
ルト38は、屋根材A′の完全山部2の頂部8で覆われ
て、屋根材の上面に露出しなくなる。
【0011】上記のようにして屋根材を順次取り付ける
ことにより、屋根葺き工事が終了する。次に、建築物の
取り壊しによって屋根面から上記屋根材を取り外す場合
について説明する。最初に、作業者は屋根材A′の第1
半山部3の下重ね部3aを固定具23の頭部26に取り
付けていた全てのボルト43を取り外す。次いで、作業
者が屋根材A′の第1半山部3の側を持ち上げると、図
7に示すように、その完全山部2の第1傾斜板部6は、
第2傾斜板部7の第2嵌着凹部11に嵌着する止め具2
9の嵌着凸部34を中心として反時計方向へ僅かに回転
させられる。このため、完全山部2の上部が弾性変形さ
せられて、溝部10の上壁10aが、止め具29の嵌着
凸部34の下方の係止部33に圧接されつつ外側に移動
させられて、完全山部2の第1嵌着凹部9と止め具29
の嵌着凸部34との嵌着が解除される。そして、止め具
29の嵌着凸部34に対する完全山部2の第1嵌着凹部
9の嵌着が完全に解除されたならば、図8に示すよう
に、屋根材A′を更に反時計方向に回転させつつ、その
第2嵌着凹部11が止め具29の嵌着凸部34から抜け
出す方向(図8の左方向)へ押す。これにより、屋根材
A′の溝部10′の上壁10′aが、その上部の止め具
29の係止部33に圧接されつつ同方向へ移動して、屋
根材A′の第2嵌着凹部11の止め具29の嵌着凸部3
4に対する嵌着が解除される。このようにして完全山部
2の上部が、固定具23の止め具29から完全に外れる
と、弾性変形されていた完全山部2は原形状に復帰する
(図8参照)。その後、完全山部2の側を押し上げて、
屋根材Aの第1半山部3に対する屋根材A′の第2半山
部4との嵌着を解除すると、屋根材A′の全体が屋根面
から取り外される。
【0012】なお、上記実施例では、一つの完全山部を
備えた屋根材について説明したが、完全山部の数は一個
に限定されるものでなく複数であってもよい。
【0013】
【考案の効果】本考案は、完全山部の両傾斜板部に一対
の嵌着凹部が対向して設けられ、嵌着凹部とこれより下
方の傾斜板部との間に嵌着凹部とは逆方向にわん曲する
永久変形防止用の溝部が形成され、取外し時において
は、屋根材の幅方向の一端部を他端部に対して押し上げ
て傾斜させることにより、屋根材の完全山部を弾性変形
させて、屋根材の嵌着凹部と止め具の嵌合凸部との嵌着
を解除するから、屋根材の嵌着凹部を弾性変形させて止
め具の嵌合凸部に嵌着することで、屋根材の完全山部に
おける固定を確実にかつ強固におこなえるものでありな
がら、一方の屋根材の他端部を持ち上げて回転させて外
す際に、嵌着凹部と傾斜板部との間における溝部におい
て、傾斜板部の持ち上げ回転に起因して、嵌着凹部の下
片を嵌合凸部の下片から回転して離そうとする分力を大
きく生じさせることができ、嵌着凹部を円滑に弾性変形
させることができ、加えて、溝部において、傾斜板部を
持ち上げ回転させる回転力が直接、嵌着凹部の下片の下
端部に集中するのを回避でき、この箇所の永久変形を回
避することができ、結果として、嵌着凹部の永久変形を
防止しながら、嵌着凹部を嵌合凸部から円滑に外すこと
ができ、屋根材を再使用するのに有利であるという利点
がある。更に、止め具には、屋根材の嵌着凹部に対応す
る嵌合凸部が形成されるとともに嵌合凸部の端部から突
片が垂下されているから、屋根材の嵌着凹部を弾性変形
させて止め具の嵌合凸部に嵌着して、屋根材の完全山部
における止め具への固定をおこない、そして、屋根材の
他端部を持ち上げて回転させて外す際に、止め具の嵌合
凸部の端部からは突片が垂下されていて、嵌合凸部の下
端には鉄板を切断した切断縁のようなエッジが形成され
ることがなく、エッジが形成されることで、屋根材の嵌
着凹部側に傷を付けることを回避することができ、再利
用を図る屋根材において有効であるという利点がある。
しかも、止め具の嵌合凸部の端部から突片が垂下されて
いるから、嵌合凸部に嵌着凹部を嵌合させた場合に、突
片にて嵌着凹部に引き続いて形成された溝部の背部を受
けることができ、突片がないものに比べて、止め具に嵌
着凹部を嵌着する場合の嵌着姿勢を安定化させることが
でき、かつ、突片で溝部を受けることで、溝部を嵌着凸
部から外しやすくてよ いという利点がある。 即ち、本願
においては、一度施工された屋根材を外して再利用を図
るのに、屋根材側に傷がつくのを回避するとともに、外
す際には容易に外すことができ、屋根材の再利用におい
て有利にすることを特長とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の対象となる屋根材Aの部分斜視
図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】屋根材Aを取り付ける固定具23の斜視図であ
る。
【図4】相隣接する一方の屋根材Aの下重ね部3aと、
他方の屋根材A′の上重ね部4aとの連結部の断面図で
ある。
【図5】屋根材A′を固定具23に固定された止め具2
9に取り付ける状態を示す断面図である。
【図6】屋根材A′を固定具23の止め具29に取り付
けた状態を示す断面図である。
【図7】屋根材A′を固定具23の止め具29から取り
外す状態を示す断面図である。
【図8】屋根材A′を固定具23の止め具29から取り
外した状態を示す断面図である。
【図9】従来の屋根材を固定具により梁部材に取り付け
た状態を示す正面図である。
【符号の説明】
A,A′:屋根材 2:完全山部 3:第1半山部 4:第2半山部 5:溝部 6:第1傾斜板部 7:第2傾斜板部 8:完全山部の頂部 9:第1嵌着凹部 11:第2嵌着凹部 23:固定具 25:固定具の支持山部 29:止め具 34:止め具の嵌着凸部 41:梁部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側に傾斜板部が形成されている完全山
    部が設けられ、完全山部の両端に樋状の溝部が設けら
    れ、全体として波形をしている屋根材の固定構造であっ
    て、完全山部の両傾斜板部に一対の嵌着凹部が対向して
    設けられ、嵌着凹部とこれより下方の傾斜板部との間に
    嵌着凹部とは逆方向にわん曲する永久変形防止用の溝部
    が形成され、屋根材の横断面形状に対応する固定具を、
    屋根面の傾斜方向と略直交する方向に梁部材の上面に固
    定し、屋根材の嵌着凹部の頂部に対応するように鋼板を
    わん曲成形して、幅方向の両端部に屋根材の嵌着凹部に
    対応する嵌合凸部が形成されるとともに嵌合凸部の端部
    から突片が垂下された止め具を固定具の山部の頂部に屋
    根面の傾斜方向に沿って固定し、固定時においては、固
    定具の山部に固定された止め具の上方に屋根材の完全山
    部を配置して押圧することにより、屋根材の完全山部を
    弾性変形させて、嵌着凹部に止め具の各嵌合凸部を嵌着
    して、屋根材の完全山部を止め具に固定し、取外し時に
    おいては、屋根材の幅方向の一端部を他端部に対して押
    し上げて傾斜させることにより、屋根材の完全山部を弾
    性変形させて、屋根材の嵌着凹部と止め具の嵌合凸部と
    の嵌着を解除する構成にしたことを特徴とする屋根材の
    固定構造。
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