JPS5927050Y2 - 複合貫通形ｌｃ部品 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数の貫通コンテ゛ンサとインダクタンス素
子とを併せ持つ複合貫通形ＬＣ部品に関する。

各種の電子・電気機器における高周波ノイズ成分等をア
ース側に吸収するノイズフィルタとして、従来より第１
図に示すような複合貫通形コンテ゛ンサが知られている
。

この複合貫通形コンデンサは、平板状に形成された磁器
基板１に、その厚み方向に貫通する複数個の貫通孔２を
設けると共に、該磁器基板１の両面上の貫通孔２のまわ
りに、互に独立する電極３および共通電極４をそれぞれ
設け、電極３のそれぞれに、貫通孔２内を貫通させた貫
通端子５のつば部５ａを半田付け６した構造となってい
る。

前記磁器基板１は、チタン酸バリウムもしくは酸化チタ
ン系等の高誘電率の誘電体磁器または半導体磁器によっ
て構成される。

上記複合貫通形コンテ゛ンサにおいて、各貫通端子５と
接地電極たる共通電極４との間に、磁器基板１による貫
通コンテ゛ンサが形成され、これによって貫通端子５を
流れる電流に含まれる高周波ノイズ成分がアース側に吸
収される。

しかし、上述の複合貫通形コンデンサは、小形で安価で
あるという利点はあるが、ノイズフィルタ素子が、貫通
コンデンサだけであるから、ノイズ減衰効果に限界があ
った。

また、ノイズ減衰効果を向上させるためには、誘電体た
る磁器基板１の厚みｔ。

をできるだけ薄くし、貫通端子５と共通端子４との間に
形成される貫通コンデンサの容量をできるだけ大きくす
る必要があるが、磁器基板１を薄くすると全体の機械的
強度が低下してしまうため、磁器基板１の厚みｔｏは一
定厚みより小さくすることができない。

このため、従来の複合貫通形コンデンサは容量増大に限
界があり、十分なノイズ減衰効果を得ることができない
という欠点があった。

本考案は上述する欠点を一掃し、ノイズ減衰効果が非常
に高い高性能の複合貫通形ＬＣ部品を提供することを目
的とする。

上記目的を達成するため、本考案は、平板状の磁器基板
と、該磁器基板の厚さ方向の一面上に間隔をおいて被着
形成された複数の電極と、該複数の電極のそれぞれにそ
の中心部を通って磁器基板の厚さ方向に貫通するように
個別的に形成された貫通孔と、該貫通孔を通して前記磁
器基板の厚さ方向に貫通し前記複数の電極のそれぞれに
固着された貫通端子と、前記複数の電極に対して前記磁
器基板の厚さ方向において共通に対向する共通電極と、
前記磁器基板の厚さ方向の他面側に配置されて前記貫通
端子を貫通させ、該貫通端子に対してインダクタンス素
子として結合される平板状の磁性体を有して構成され、
前記磁性体を前記貫通端子に加工形成されたつば部によ
って下側から支持したことを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第２図Ａは本考案に係る複合貫通形ＬＣ部品の断面図、
第２図Ｂは同じくその等価回路図である。

図において第１図と同一の参照符号は同一の構成部分を
示している。

この実施例では、磁器基板１の一面上に設けた共通電極
４上に、フェライト板より成る磁性体７を装着しである
。

該磁性体７には、磁器基板１の貫通孔２と同一ピッチの
貫通孔７ａを予め設けてあって、該貫通孔７ａ内を貫通
させた貫通端子５を、つば部５ｂの部分でカシメること
により、磁性体７を共通電極４上に固定しである。

このように、磁性体７を貫通端子５に加工形成したつば
部５ｂによって支持する構造であると、磁性体７の支持
に当って、貫通端子５を機械的にカシメるだけで良いの
で、組立が容易になり、量産性が向上する。

また、後で磁性体７が剥離する等の事故を生じることが
なく、磁性体７を確実に固定できるので信頼性が向上す
る。

上述のような構造であれば、第２図Ｂに示すように、各
貫通端子５毎に、磁器基板１による貫通コンデンサＣ１
と、磁性体７によるインダクタンスＬ１とより成るＬ型
回路が構成されるから、第１図の貫通コンデンサのみの
場合より、優れたノイズ減衰効果を得ることができる。

また磁性体７は磁器基板１の一面に、カシメの手段で取
付ける構造であるから、全体の基本的な形状、すなわち
平板状の形状を崩すことなく、簡単に組立てることがで
き、使用に便利で、コスト的にも有利である。

なお、磁器基板１は、チタン酸バリウムもしくは酸化チ
タンなどを使用した誘電体磁器または半導体磁器によっ
て構成することができる。

半導体磁器によって構成した場合には、貫通コンデンサ
Ｃ１の容量が誘電体磁器の１０倍以上にもなり、それだ
けノイズ減衰効果の優れたものが得られる。

第３図は本考案に係る複合貫通形ＬＣ部品の他の実施例
における断面図を示している。

この実施例の特徴は、誘電体機器より成る磁器基板１の
内部に共通電極４Ａを埋設し、該共通電極４Ａの両端縁
を端部電極８，９に導通接続したことである。

このような構造であると、実質的な容量を定める上部磁
器層１Ａの層厚ｔ１を薄くして電極３と共通電極４Ａと
の間に形成される貫通コンデンサの容量を増大させる一
方、上部磁器層１Ａの薄形化による機械的強度の低下分
を、下部磁器層１Ｂによって補なうことができるから、
機械的強度を低下させることなく容量を増大させること
ができる。

第４図は更に別の実施例における断面図を示している。

この実施例の特徴は、硫性体７Ｂを、互に独立した円環
状等のフェライトビーズによって構成したことである。

なおこの実施例においても、磁器基板１の内部に共通電
極４Ａを埋設しであるが、第２図Ａに示すような構造の
磁器基板と、フェライトビーズとを組合わせてもよい。

以上述べたように、本考案に係る複合貫通孔ＬＣ部品は
、平板状の磁器基板と、該磁器基板の厚さ方向の一面上
に間隔をおいて被着形成された複数の電極と、該複数の
電極のそれぞれにその中心部を通って磁器基板の厚さ方
向に貫通するように個別的に形成された貫通孔と、該貫
通孔を通して前記磁器基板の厚さ方向に貫通し前記複数
の電極のそれぞれに固着された貫通端子と、前記複数の
電極に対して前記磁器基板の厚さ方向において共通に対
向する共通電極と、前記磁器基板の厚さ方向の他面側に
配置されて前記貫通端子を貫通させ、該貫通端子に対し
てインダクタンス素子として結合される平板状の磁性体
とを有して構成され、前記磁性体を前記貫通端子に加工
形成されたつば部によって下側から支持したことを特徴
とするから、従来の貫通コンデンサだけを備えるものに
比較して、遥かに優れたノイズ低減効果を発揮する高性
能の複合貫通形ＬＣ部品を提供することができる。

しかも平板形の形状を殆んど崩すことがないので、従来
の複合貫通形コンデンサをそっくり置換することができ
、使用に便利である。

また組立が容易でコスト的にも有利である。

さらに実施例に示したように、磁器基板を内部電極構造
としたり、または半導体磁器とすることにより、貫通コ
ンデンサの容量が大きく、ノイズ低減効果の更に優れた
ものを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の複合貫通形コンデンサの断面図、第２図
Ａは本考案に係る複合貫通形ＬＣ部品の断面図、第２図
Ｂは同じく、その等価回路図、第３図、第４図は同しく
他の実施例における断面図をそれぞれ示している。 １・・・・・・磁器基板、２・・・・・・貫通孔、３・
・・・・・電極、４．４Ａ・・・・・・共通電極、５・
・・・・・貫通端子、７，７Ｂ・・・・・・磁性体。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）平板状の磁器基板と、該磁器基板の厚さ方向の一
   面上に間隔をおいて被着形成された複数の電極と、該複
   数の電極のそれぞれにその中心部を通って磁器基板の厚
   さ方向に貫通するように個別的に形成された貫通孔と、
   該貫通孔を通して前記磁器基板の厚さ方向に貫通し前記
   複数の電極のそれぞれに固着された貫通端子と、前記複
   数の電極に対して前記磁器基板の厚さ方向において共通
   に対向する共通電極と、前記磁器基板の厚さ方向の他面
   側に配置されて前記貫通端子を貫通させ、該貫通端子に
   対してインダクタンス素子として結合される平板状の磁
   性体とを有して構成され、前記磁性体を前記貫通端子に
   加工形成されたつば部によって下側から支持したことを
   特徴とする複合貫通形ＬＣ部品。
2. （２）前記磁性体は前記貫通端子に対して共通に結合さ
   れるフェライト板で成ることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の複合貫通形ＬＣ部品。
3. （３）前記磁性体は前記貫通端子に対して独立に結合さ
   れるフェライトビーズで成ることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の複合貫通形ＬＣ部品。
4. （４）前記共通電極は前記磁器基板の他面上に設けられ
   、前記磁性体は該共通電極上に取付けられることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項、第２項または第
   ３項に記載の複合貫通形ＬＣ部口口０
5. （５）前記共通電極は前記磁器基板の内部に埋設される
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項、第２
   項または第３項に記載の複合貫通形ＬＣ部品。