JPS592553Y2 - 秒針停止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計の秒針停止機構の改良に関し、特に秒針停
止機構の下針修正時と実計修正時との共通化を果たした
ものである。

近年、時計の高精度化が進んでおり、月差上数秒という
アナログ時計も多く製品化されている。

そして、この高精度化に伴ない時刻修正構成に秒針停止
機構等の付加機構が必要となってきている。

従来での秒針停止機構は掛時計での下針修正用と置時計
での実計修正用とに、夫々別構造のものを構成していた
。

すなわち、通常の秒針停止機構は秒針停止バネを秒針車
に押圧させて修正時に秒針車を強制的に停止させるもの
であるが、従来では下針修正用と実計修正用とで夫々異
なる秒針停止バネ及び秒針車を形成することが必要とな
っていた。

このとことは、部品管理面での問題を生じさせていたば
かりか、時計輪列の掛・蓋兼用を阻害する原因ともなっ
ており、その改良が望まれていた。

本考案は従来の問題を解決したものであり、その目的は
下針修正用と実計修正用とに共通に用いることができる
秒針停止機構を提供することにより、部品管理面及び時
計輪列の掛・蓋兼用の問題に関して改良することにある
。

本考案は上記目的を遠戚するために、秒針車の平面に円
筒状突部を形威し、秒針停止バネの係止片を上記秒針車
の円筒状突部の内側に配置し、この係止片を下針修正動
作に連動させて秒針車の外径方向に移動させ、又、実計
修正動作に連動させて秒針車の平面方向に移動させるこ
とにより、下針修正時及び実計修正時において秒針車を
上記係止片により押圧停止させる秒針停止機構を特徴と
する。

以下、好適な実施例に基づいて本考案を詳細に説明する
。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例を示すもので、
下針修正に用いた場合の秒針停止構造を示している。

秒針停止バネ１０は弾性を有する金属板をプレス加工す
るか又は合成樹脂材にて成形されて成り、中心孔１８が
地板に形成された支柱２に回転可能に軸支されている。

この秒針停止バネ１０には突片１２が形成され、この突
片１２の先端部の孔１３には下針修正軸２０が貫通して
いる。

下針修正軸２０の先端には修正カナ３０が固着されてい
て、該修正軸２０を修正時に矢印Ａ方（修正方向）に引
けば該カナ３０が突片１２と係接し、突片１２自体を回
転移動させることができるように設定されている。

すなわち、秒針停止バネ１０の上記孔１３周縁が下針修
正軸２０の修正スラスト移動の際に係接する係接面とな
っており、上記修正軸２０のスラスト方向移動と連動し
て秒針停止バネ１０を該スラスト方向に移動させること
を可能としている。

秒針停止バネ１０において孔１４は、実計修正機構での
修正軸が貫入する孔であるが、この下針修正の実施にお
いてはフリーな状態である。

１６は秒針停止バネ１０から秒針車４０方向に延び出し
た係止片である。

秒針車４０は平面４２に円筒状突部４４が形成されてお
り、上記秒針停止バネ１０の係止片１６がこの円筒状突
部４４の内側に配置されている。

この係止片１６は第２図に示すように通常時、すなわち
非修正時には秒針車４０と非接触状態が保たれるような
位置に設定されている。

又、下針修正軸２０の修正スラスト移動の方向は、上記
係止片１６を秒針車４０の外径方向に移動させるように
設定されている。

時刻修正動作は下針修正軸２０を矢印方向に引き、修正
カナ３０を時刻輪列車（図示なし）と噛合している伝達
車５０と噛合させた状態にて適位に回転させることによ
って果たされる。

このとき、秒針停止バネ１０は想像線の位置まで回転移
動させられ、これに伴ない係止片１６も想像線の位置ま
で移動し、秒針車４０の円筒状突部４４の内側壁４６を
ラジアル方向に弾性押圧することにより秒針車４０を停
止させることができる。

ここでの秒針車４０への停止の為の弾性押圧力Ｉよ突片
１２自体が弾性変形可能に形成されている為、秒針車４
０やその中心軸を変形させるほどは働らかない。

一方、下針修正軸２０及び秒針停止バネ１０の時刻修正
動作（秒針停止動作）後の復帰動作に関しては、該修正
軸２０及び該突片１２をコイルバネ等によって復帰させ
る構造が考えられる。

次に、第３図にて第２実施例を説明する。

この第２実施例は実計修正に用いた場合の秒針停止構造
を示すもので、秒針停止バネ１０及び秒針車４０は上述
第１実施例と同一なものを使用している。

実計修正軸１００は上板１１０及び下板１２０によりス
ラスト方向移動可能及び回転可能に軸支されており、上
端にツマミ１０２．中程に修正カナ１０４が固着され、
秒針停止バネ１０の本体端部に形成された孔１４を貫通
している。

この孔１４の周縁が実計修正軸１００の修正スラスト移
動の際にツマミ１０２と係接する係接面となっており、
上記修正軸１００のスラスト方向移動と連動して秒針停
止バネ１０を該スラスト方向に移動させることを可能と
している。

秒針停止バネ１０の係止片１６は秒針車４０の円筒状突
部４４の内側に位置し、通常時、すなわち非修正時には
秒針車４０と非接触状態が保たれる。

又、実計修正軸１００の修正スラスト移動の方向は、上
記係止片を秒針車４０の平面４２方向に移動させるよう
に設定されている。

時刻修正動作について説明すると、時刻修正は実計修正
載１００の矢印Ｂ方向に想像線の位置まで押し上げ、修
正カナ１０４を時刻輪列の日の裏車１３０と噛合させた
状態にて該修正軸１００を適位に回転させることによっ
て果たされる。

このとき秒針停止バネ１０は想像線の位置まで移動させ
られ、これに伴ない係止片１６も想像線の位置まで移動
し、秒針車４０の平面４２をスラスト方向（秒針車４０
の中心軸に対して）に弾性押圧することにより秒針車４
０を停止させることができる。

ここでの秒針車４０への停止の為の弾性押圧力は秒針停
止バネ１０自体の弾性変形によって秒針車４０及びその
中心軸を変形させるほどの押圧力は働らかない。

一方、実計修正軸１００の時刻修正動作後の復帰動作は
、図におけるコイルバネ１４０によって果たされるもの
であり、又、秒針停止バネ１０自体の復帰動作は、秒針
停止バネ１０の地板に対する固定を片持固定とすれば自
己弾性復帰力により果たされる。

以上、本考案は下針修正（掛時計）及び実計修正（置時
計）に兼用できる秒針停止機構を提供するものであり、
秒針停止バネ及び秒針車を含む秒針停止機構の共通化に
より、部品管理面及び時計輪列の掛・蓋兼用に関して大
なる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例を示す下針修正に用いた場合
の秒針停止機構の要部平面図、第２図は第１図の断面動
作図、第３図は本考案第２実施例を示す実計修正に用い
た場合の秒針停止機構の断面輪列展開図。 １０・・・・・・秒針停止バネ、１２・・・・・・突片
、１３．１４・・・・・・孔、１６・・・・・・係止片
、２０・・・・・・下針修正軸、４０・・・・・・秒針
車、４２・・・・・・平面、４４・・・・・・円筒状突
部、１００・・・・・・実計修正軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 修正軸のスラスト方向移動により修正可能となる修正機
   構において、下針修正及び実計修正兼用の秒針停止バネ
   を設け、このバネは下針修正機構の修正軸のスラスト移
   動による移動部品と係接する係接部及び実計修正機構の
   修正軸のスラスト移動による移動部品と係接する係接部
   が形威されることにより、下針修正の際と実計修正の際
   とで直交する２方向に移動させられる係止片を有し、一
   方、秒針車にはその平面に円筒状突部が形成されており
   、上記の係止片を秒針車の円筒状突部の内側に配置する
   と共に、下針修正機構の修正軸の修正スラスト移動方向
   を秒針車の外径方向に設定し且つ実計修正機構の修正軸
   の修正スラスト移動方向を秒針車の上記平面方向に設定
   することにより、下針修正時及び実計修正時において秒
   針車を上記係止片により押圧停止させることを特徴とす
   る秒針停止機構。