JPS6029743Y2 - 指針修正機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同一修正軸にて指針帰零だけの修正と指針帰零
を含む指針修正とを選択して指針修正可能な指針修正機
構を提供するものである。

従来、指針修正機構の修正軸に、修正カナと規正カムが
一体的に移動するように配設されたものが一般的に知ら
れている。

この種の指針修正機構では、指針（特に秒針）を帰零す
る目的で修正軸を指針修正方向へ移動させた場合、修正
カナと修正伝え歯車が噛合していた。

そのため、指針を帰零する途中において、修正カナと修
正伝え歯車との歯部が噛合のために当接するので、修正
軸の移動には大きな負荷が必要となり、指針の帰零にお
ける操作性が悪いという欠点があった。

このような欠点を解消した指針修正機構として、修正軸
の修正方向の移動範囲を大にして、先ず指針帰零を行い
指針帰零終了後修正カナと修正伝え歯車とが噛合する指
針修正機構がある。

しかしながら、このような構造では、修正軸の移動範囲
がきわめて大きく、そのため時計機構の厚みが大きくな
るという問題があった。

更に、修正カナと修正伝え歯車とを常時噛合させた構造
では、時計輪列の駆動に高負荷が加わると共に、指針修
正可能外において指針を誤ってまわしてしまうという不
都合があった。

本考案は上記従来の問題を解消するために威されたもの
であり、その目的は時計機構体の厚みをなんら増大する
ことなしに、指針の帰零操作が完全に終了してから修正
カナと修正伝え歯車が噛合できる指針修正機構を提供す
ることである。

この目的を遠戚するために本考案では、パイプの外周面
に修正カナが形成され、かつ内周面に段差部を有する案
内溝が形成された修正カナ体と、該修正カナ体の案内溝
に係合して軸方向の移動が可能な突部が形成され、修正
カナ体に対して軸方向の修正軸の移動量を適宜規正する
ストッパーが固着された修正軸と、該修正軸に遊嵌され
、規正体の指針帰零状態を適宜保持可能なガイド片が形
成された規正カム体と、から構威し、修正カナと修正伝
え車を噛合させずに指針の帰零ができることを特徴とす
る。

以下図面に記載した本考案の好適な実施例に基づいて本
考案を詳細に説明する。

第１図〜第２図には本考案の修正カナ体２が示され、外
周面には修正カナ４が形成され、また、内周面には大径
部１０と小径部１２が形成されている。

小径部１２には案内溝１４．１５が形成され、それぞれ
係止部１４ａ、１５ａが形成されている。

第３図には修正カナ体２と修正軸１８の結合部の要部拡
大図が示され、端部には突部２０，２２が形成され、該
突部２０，２２の下面から軸方向に適宜変位してストッ
パー２６が固着されている。

第４図には本考案の指針修正機構の断面図が示され、機
構受板２８には支軸３０が突設され、該支軸３０には修
正カナ体２の大径部１０が摩擦結合され、修正カナ体２
が回転自在に軸支されている。

修正カナ４は周知なように時計輪列に構成する修正伝え
車３２の歯部と噛合可能に配置されている。

修正カナ体２の小径部１２の案内溝１４．１５には修正
軸１８の突部２０，２２が係合され、該突部２０，２２
とストッパー２６との長さ１を修正カナ体２は移動可能
に設定されている。

また、修正カナ体２の軸は中板３４に穿孔された透孔３
６を貫挿されている。

中板３４と下板４０の間における修正軸１８には規正カ
ム体４２が遊嵌され、一端を下板４０に係止されたコイ
ルバネ４４の弾撲力によって規正カム体４２はストッパ
ー２６に押圧結合されている。

また、規正カム体４２のガイド片４３は中板３４に穿孔
された透孔３５に貫挿されている。

規正カム体４２のカム面４２ａは周知なように規正体５
０と当接可能に配置されている。

規正体５０は図示は省略したが指針を有する軸に一体的
に固着されたハートカムなどのカム体側面に当接して指
針の帰零を果たす役割を有する。

また、修正軸１８は下板４０に穿孔された透孔４６に貫
挿され、ダストカバー７０の外部に延出され、修正軸１
８の端部には摘み６０が固着されている。

次に本考案の指針修正機構の動作について詳細に説明す
る。

第４図は指針修正を行う前、すなわち、時計機構が正常
に動作している使用状態を示している。

先ず、指針の規正（秒針等の指針停止、あるいは指針の
帰零などを含む）だけを行う場合は、摘み６０を第３図
に示された長さ１だけ矢印Ａ方向へ引くことによって行
う。

つまり、修正軸１８の突部２０，２２が修正カナ体２の
案内溝１４，１５を矢印Ａ方向へ移動する。

すると規正カム体４２はストッパー２６に押圧され、修
正軸１８と一体的に移動して、規正カム体４２のカム面
４２ａが規正体５０に当接する。

規正体５０は修正軸１８の矢印Ａ方向への移動と共に修
正カム体４２のカム面４２ａを摺動する。

したがって、規正体５０は第５図に示されているように
ガイド片４３の基部までで移動することによって秒針等
を帰零できる。

このとき、修正カナ体２は支軸３０に摩擦力にて結合さ
れているので、修正軸１８と一体的には移動しない。

その結果、指針帰零だけが行われ、また修正カナ４と修
正伝え車３２は噛合しないので、従来この噛合のために
修正カナ４と修正伝え車３２の歯部側面が当接するため
に生じていた負荷が削減できる。

また、指針帰零および指針修正を行う場合は、摘み６０
を更に矢印Ａ方向へ引く。

修正軸１８の突部２０，２２は修正カナ体２の係止部１
４ａ、１５ａに当接して修正カナ体２を押圧移動させ、
第６図に示された状態にて停止される。

すなわち、修正カム４２は下板４０に係止され、修正カ
ナ４は修正伝え車３２と噛合され、かつ、規正体５０は
規正カム４２のガイド片４３に係合されて停止される。

この状態で摘み６０を回転すると、修正軸１８の突部２
０，２２は修正カナ体２のガイド溝１４．１５の側壁に
当接され、修正軸１８の回転力が修正カナ体２に伝達さ
れ、さらに修正伝え車３２に伝達される。

したがって、修正伝え車３２と噛合する分針車（図示省
略）に、摘み６０からの回転力が伝達され、分針車に固
着された分針の位置修正が可能となる。

以上詳細に説明したように、本考案によれば、指針帰零
だけ、例えば秒針帰零等の指針修正と、秒針等の帰零は
もちろんのこと分針および時針等の位置修正を行う指針
修正との２種類の指針修正が選択できる。

その結果、指針の帰零だけを行う場合において、修正カ
ナと修正伝え車とが噛合しないので、お互いの歯部の噛
合のために生じていた負荷が削減できる。

従って指針帰零だけを行う際の修正軸の操作力はきわめ
て小さくてすむ。

また、通常修正軸の一部は修正カナ体内部に収納される
ため、修正軸の移動量に対して修正軸自体の長さは従来
構造となんら変らなく、時計機構体の厚みは増加しない
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の修正カナ体の平面図。 第２図は修正カナ体の断面図。 第３図は修正カナ体と修正軸とが結合された状態を示す
要部拡大図。 第４図は本考案の指針修正機構の断面図。 第５図は指針帰零だけが行われた状態を示す本考案の断
面図。 第６図は修正カナと修正伝え車が噛合した状態を示す断
面図である。 ２・・・・・・修正カナ体、４・・・・・・修正カナ、
１０・・・・・・大径部、１２・・・・・・小径部、１
４．１５・・・・・・案内溝、１４ａ、１５ａ・・・・
・・係止部、１８・・・・・・修正軸、２０，２２・・
・・・・突部、２６・・・・・・ストッパー、３２・・
・・・・修正伝え車、４２・・・・・・規正カム体、４
３・・・・・・ガイド片、５０・・・・・・規正体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 修正カムと修正カナを有する修正軸において、パイプの
   外周面に修正カナが形成され、かつ内周面に段差部を有
   する案内溝が形成された修正カナ体と、該修正カナ体の
   案内溝に係合して軸方向の移動可能な突部が形成され、
   修正カナ体に対して軸方向の修正軸の移動量を適宜規正
   するストッパーが固着された修正軸と、該修正軸に遊嵌
   され規正体の指針規正状態を適宜保持可能なガイド片が
   形成された規正カム体と、から構威され、修正カナと修
   正伝え車を噛合させずに指針の規正ができることを特徴
   とする指針修正機構。