JPS6221979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカレンダー時計のカレンダー修正機構
のうち、揺動規制装置に関するものである。

従来よりカレンダー修正機構は種々のタイプの
ものが考案され実施されているが、複雑なもので
スペース的にもコスト的にも不利であつた。本発
明はカレンダー修正機構を簡素化し、時計の小
型、薄型化を図り、さらにコストの低減を図るこ
とを目的としている。

本考案の一実施例について図をもつて説明する
が、周知の部分については省略又は簡素化する。
第１図は時計体を文字板側から見た平面図で、カ
レンダー修正部を示している。外部操作部材であ
る巻真３は最も押し込まれた携帯位置にある。第
２図は第１図を時計の裏ブタ側から見た平面図、
第３図は第１図，第２図の状態から巻真３を一段
引き出した日曜修正の状態を示す平面図、第４図
は第３図の状態からさらに巻真を引き出した針合
せの状態を示す平面図、第５図，第６図は第１
図，第２図の状態での組立断面図である。

全図中、１は地板、２は日車、３は巻真、４は
曜板を固着した曜星車、５はツヅミ車、６は修正
伝エ車、７は小鉄車、８は修正車で地板１に設け
られ修正伝エ車６に同心の変形穴１ａに緩装され
る軸を有し、該軸の先端は一段細くなつており、
該部分を８ｄ部として図示してある。９は曜修正
伝エ車で地板１にピン軸固定されているが、該ピ
ンを軸として回転可能である。１０は日車２の歯
部の上方に位置して日車２のスラスト方向を案内
すると共に修正伝エ車６のスラスト荷重を受ける
役割の日車押エ２０と一体で形成された修正車バ
ネで修正車８を常に地板に押す方向のバネ力を有
している。このバネ力は後述の修正車８の揺動作
用を安定させる働きをする。１１は日曜制レバー
で日車の停止位置を決定していると同時に、図示
してないが日車の半径方向の位置決めもしてお
り、日車の内径部分が該日曜制レバーの外周部に
当接している。１２は前記日車押エ２０と一体で
構成された日曜制レバーで曜星車４の停止位置を
決定している。１３は地板１の表側に配置された
オシドリで一部は巻真と係合し、１３ａ部の端面
はカンヌキと係合可能である。１４はカンヌキ押
エでバネ部１４ａとクリツク部１４ｂ，１４ｃ，
１４ｄを有している。１５はカンヌキ１７の回転
中心であると共に前記カンヌキ押エの案内ピン、
１６も地板に植立するカンヌキ押エの案内ピン、
１８は簡単で時針が固着するパイプを有する。１
９は前記筒車へ弾着し、前記曜板と曜星車の一体
となつた曜車のスラスト荷重を受ける。２１は日
ノ裏車で周知の筒力ナから回転され筒車１８を駆
動する。又、前記小鉄車７とも常時噛合してお
り、針合せ時には該小鉄車から駆動されて、前記
筒カナ、筒車を駆動する。

作動について説明する。時計の携帯状態では巻
真３が最も押し込まれて第１図，第２図の位置に
あるが、この場合オシドリ１３ａ部はカンヌキ押
エ１４のクリツク部１４ｂにより位置決めされて
オシドリは第２図の位置にある。この場合、オシ
ドリの端面１３ｂ部とカンヌキ押エのクリツク部
先端面１４ｅにより修正車８の軸８ｄは挾持され
て地板１の変形穴１ａのほぼ中央に位置決めされ
ている。修正車８のこの位置は第１図の８ａの位
置に当る。該位置では修正車８は修正伝エ車６と
噛合しているが日車２、曜修正伝エ車９とは噛合
しておらず、時計の通常日送時の日車２、曜星車
４が回転されても修正車は回されることがなく、
不要な抵抗トルクを負荷として受けることはな
い。また、外部操作部材３が不用意に回転された
とても、ツヅミ車５、修正伝エ車６、修正車８が
８ａの位置で回転されるだけで手動で日修正、曜
修正されることはない。使用者が日修正、曜修正
しようとするときには、第１図，第２図の状態か
ら巻真３を一段引き出す操作を行なう。するとオ
シドリは第３図に示される位置に回転し、特に１
３ａ部はカンヌキ押エ１４のクリツク部を一段乗
り越えた位置の１４ｃ部で位置決めされる。この
動作中、クリツク部の形状及びカンヌキ押エのバ
ネ部１４ａの作用により使用者は適度な動作力を
感ずることは周知のとおりである。この動作力は
一般的に、前述の携帯位置から一段引き出して日
曜修正の状態にするときには軽くしておき、該日
曜修正の位置からさらに一段引き出して針合せの
状態にするときは、前述の動作力より重くする。
なぜなら該針合せ時には秒針を停止させる規正装
置が作動することは周知のとおりであるが、前記
日曜修正をしようとー段だけ巻真を引き出そうと
操作するときに一度に二段階引き出されてしまう
ことを防止するためである。このためオシドリの
１３ａ部が１４ｂ部を押しているときに発生する
１４ａ部のバネ力よりも１３ａ部が１４ｃ部を押
しているときに発生する１４ａ部のバネ力の方を
大きくする必要がある。このため一般的には前記
二者間のバネの撓み量を後者の方を大きくしてい
るのが通常であり、本発明ではこの点に着目し
て、巻真３が一段引き出された状態ではカンヌキ
押エのクリツク部１４ｃ部がオシドリの１３ａ部
により第１図の状態から大きく変移し、したがつ
てクリツク部の先端は修正車８が曜修正のための
位置８ｃに揺動することができるスペースを与え
られるように設定してある。一方、オシドリも１
３ｂ部が移動し、オシドリの凹部を呈した部分
が、修正車８が日修正の位置８ｂへ移動可能なス
ペースを与える。

この状態で巻真３を回転すると、ツヅミ車５、
修正伝エ車６、修正車８が回転する。巻真３が右
回転されると修正伝エ車６は第１図のＢで示す矢
印方向に回転し、よつて修正車８は左回転しなが
ら８ｂの方向へ移動することは周知のとおりであ
り、地板１の変形穴１ａの壁に当つた位置８ｂで
左回転を続ける。この回転により日車２を送り日
修正される。一方、巻真の回転が左回転の場合に
は修正伝エ車６が第１図Ａ方向に回転し、修正車
８は左回転しながら８ｃの位置へ向つて移動し、
やがて８ｃ位置で曜修正伝エ車９と適当な噛合を
して回転させる。これにより曜修正伝エ車９は曜
星車４を回転し曜修正される。針合せについて説
明する。巻真３を第３図の状態からさらに一段引
き出すと第４図の状態になる。この動作中オシド
リ１３ａ部はカンヌキ１７の斜面と係合し、さら
に巻真により回転させられるので該カンヌキ１７
をピン１５を軸に左回転させる。このとき、カン
ヌキ１７の先端は周知の動作によりツヅミ車５を
巻真の移動方向と逆に移動させる。ツヅミ車は小
鉄車７と噛合する。この状態で巻真３を回転する
とツヅミ車５，小鉄車７，日ノ裏車２１が回転
し、針合せできる。この際、オシドリの１３ａ部
はカンヌキ押エのクリツク部１４ｄと係合するた
め再び、カンヌキ押エは撓み量が少ない状態にお
かれる。このため針合せへの巻真の動作中に修正
車が８ｃにあつたとしてもカンヌキ押エのクリツ
ク部先端は修正車の軸８ｄと係合し修正車８を前
述の８ａ位置へ移動させる。又、前記動作中に修
正車８が日修正の位置８ｂの位置にあつた場合に
はオシドリ１３の１３ａと１３ｂの中間にある斜
面により修正車８の軸８ｄが移動される。こうし
て修正車がどの位置にあつたとしても修正車８は
再びオシドリとカンヌキ押エに挾持されて８ａ位
置に保持される。故に針合せ中にカレンダー送り
になり日車２、曜車４、曜修正伝エ車９が回転さ
れたとしても修正車８はこれらの車に噛合してい
ないため、何の抵抗にもならない。この第４図の
状態から巻真を二段押し込めば再び、第１図，第
２図の携帯状態に戻される。なお日曜修正後、針
合せをせずして直接第１図，第２図の状態へ戻す
ことができるが、この際にも前述の場合と同様に
修正車８が如何なる位置にあろうとも第１図，第
２図の状態に復帰する。

以上説明したとおり、本考案は通常携帯時と針
合せ時には修正車８が日車２、曜車４と噛合しな
い様にするための揺動範囲を規制する揺動規制装
置に関するもので、本考案ではこの揺動規制装置
をカレンダー装置の無い時計にも一般的に使用し
ている部分であるオシドリ１３と、カンヌキ押エ
１４とで構成したことに特徴を有する。前述した
とおり、修正車８は日曜修正時以外は負荷を減ら
すために日車、曜車から離脱していることが必要
であるが、これを実施するためにはかなり複雑な
構造が考案され、実施されていたが、本案は前記
オシドリ１３、カンヌキ１７、カンヌキ押エ１４
を地板の表側に配置し、地板を挾んでカレンダー
部材と対向させることにより、該切換機構として
の必須部材のオシドリ、カンヌキ押エによつて揺
動規制作用をさせるものであり、揺動規制の専用
部材を用いずに揺動規制を達成できるという大き
な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を文字板側から見た
平面図、第２図は第１図を裏ブタ側から見た平面
図、第３図は日曜修正の状態を示す平面図、第４
図は針合せの状態を示す平面図、第５図，第６図
は第１図，第２図の組立断面図。 １……地板、８……修正車、１３……オシド
リ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地板面上に配置される環状の日車２と、前記日
   車の内側に配置される曜車４、巻真３に係合する
   オシドリ１３、前記オシドリに係合するカンヌキ
   押エ１４、及び前記日車と前記曜車の間に配置さ
   れ巻真の回転にともなつて揺動するカレンダーの
   修正車８を備え、前記オシドリと前記カンヌキ押
   エが前記巻真を軸方向の多段に位置決めするクリ
   ツク機構を構成し、前記巻真を通常作動状態の第
   １位置と、前記日車もしくは曜車を修正する第２
   位置と、時刻を修正する第３位置に位置決めしう
   るカレンダー時計の揺動規制装置において、前記
   日車と前記曜車を前記地板の一方の面に配置し、
   前記オシドリと前記カンヌキ押エを地板の他方の
   面に配置し、前記地板に前記修正車の軸８ｄが貫
   通突出し揺動しうる長穴状変形穴を形成してなる
   とともに、前記オシドリと前記カンヌキ押エは前
   記巻真の第１位置及び第３位置において前記修正
   車の軸８ｄと係合して前記修正車を前記日車及び
   前記曜車のいずれにも連結しない中間位置に規制
   する係合端面部１３ｂ，１４ｅを各々備えたこと
   を特徴とするカレンダー時計の揺動規制装置。