JP2600097Y2 - 時計の輪列構造 - Google Patents

時計の輪列構造

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JP2600097Y2 JP1992065774U JP6577492U JP2600097Y2 JP 2600097 Y2 JP2600097 Y2 JP 2600097Y2 JP 1992065774 U JP1992065774 U JP 1992065774U JP 6577492 U JP6577492 U JP 6577492U JP 2600097 Y2 JP2600097 Y2 JP 2600097Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、指針表示式時計のカレ
ンダー輪列構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の指針表示時計のカレンダー輪列構
造における日送り機構は、時計駆動輪列からの回転力を
筒車と噛合する日回し車に伝達し、更に日回し車に設け
た日送り爪と日板の歯とを係合させることによって日板
を送るものである。その際、日送り際に日板の歯を2枚
以上送らないために、日回し車の外周部に障害物を設け
ることによって日回し車の形状を変形させ一枚の歯だけ
に係合し、日板を一日分送るものである。
【0003】また、更に従来の指針表示時計のカレンダ
ー輪列構造における早送り機構は、リューズ一段引きで
リューズ回転を行うことによって、ツヅミ車に設けた爪
の回転動作を係合する伝えレバーを介して早修正伝えレ
バーに伝え、更に早修正伝えレバーに設けた日送り爪で
日板を送るものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
指針表示式時計のカレンダー輪列構造における日送り機
構では、日回し車の外周に外壁や障害物を設けて日板と
係合するための突出した送り爪を日回し車を変形させる
ことによって日板の歯との係合量を制御して日板の歯を
一日に2枚以上送らないようにしている。そのため、日
回し車を変形可能な複雑な形状にしなければならないと
いう欠点を有している。
【0005】また、従来の指針表示時計のカレンダー輪
列構造における早修正機構では、ツヅミ車、早修正伝え
レバー、日板と伝達を行わなければならず、部品点数が
多くなる上、複数の部品を介することによって信頼性の
ある動作が難しくなるという欠点を有している。更に、
時計モジュールの外周に配置するリング状の日板のよう
にピッチの大きな歯の場合は良いが、早修正レバーの送
り爪の動作範囲が広くなってしまい、小さな歯車を修正
することが難しいという欠点を有している。
【0006】本考案の目的は、時計ムーブメントのコス
トダウンを図ると共に、指針でカレンダーを表示する場
合の信頼性の高いカレンダー輪列構造を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は次のような構成をしている。カレンダーを
日針で表示可能な時計のカレンダー輪列の早修正機構に
おいて、前記日針は日針駆動車の回転により駆動され、
且つ前記早修正機構は、リューズの回転に連動し早修正
ツメを有するツヅミ車、レバー体に前記日針駆動車を回
転させる送りツメと前記早修正ツメに係合するツメ係合
部を備えた早修正レバーより成り、前記早修正レバーは
レバー体と送りツメをバネ部でもって結合し、前記送り
ツメ近傍に設けた規制ボスにより、前記バネ部が該規制
ボスにて変形し、前記送りツメの作動軌跡が変わるよう
に規制することによって、前記日針が日の修正を可能と
するものである。更に、前記送りツメが前記日針駆動車
の歯を送った後の、送りツメの作動軌跡を規制するガイ
ド壁を設けたことを特徴とする。
【0008】前記カレンダーの日送り機構において、表
示指針を駆動する指針駆動車と該指針駆動車と噛合する
複数の伝達車を有し、該伝達車のうち1つの伝達車は3
1枚の歯を有し、更に別の伝達車である日送り車は回転
穴が長穴形状であり、歯車面に対して垂直方向に押えバ
ネを掛けていることを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述
する。図1は本考案の実施例による時計の外観図、図2
は時計ムーブメントの裏蓋側から見た左半分の平面図、
図3は時計ムーブメントの裏蓋側から見た右半分の平面
図であり、図4は時計ムーブメントの指針側から見た左
半分の平面図、図5は時計ムーブメントの指針側から見
た右半分の平面図、図6、図7、図8は図1に示す時計
の輪列機構を示す要部断面図である。図1〜図8におい
て同一番号は同一構成要素を示す。図1において、1は
時計の略中心部を回転中心とし12時間で1回転する時
針、2は時針1と同軸で60分で1回転する分針、3は
やはり時針1と同軸で60秒で1回転する秒針であり、
これらの指針により現地の通常時刻を表す。4は第1の
時差時刻を表す第1時差時刻表示部、5は第2の時差時
刻を表す第2時差時刻表示部、6は第3の時差時刻を表
す第3時差時刻表示部であり、各時差時刻表示部4、
5、6は時計の略中心部からほぼ均等の距離を隔てて三
方に向かって配置されている。そして前記時差時刻表示
部4、5、6は、12時間で1回転するローカルタイム
時針(以下LT時針と略記する)4a、5a、6aと、
60分で1回転するローカルタイム分針(以下LT分針
と略記する)4b、5b、6bの各2本の指針により時
差時刻を表示する。7はカレンダー表示部であり日針7
aが揺動駆動にて1ヶ月の周期で1往復することにより
日付を表す。
【0010】8は外部操作部材としてのリューズであ
り、外部切り換え引き出し段数は2段に設定でき、通常
使用状態では最も押し込んだ位置(0段位置)で使用
し、1段引きした状態でリューズ8を右回転すると前記
日付の早修正が可能であり、更に2段引きした状態では
秒針が任意の位置で停止すると共に、リューズ8を左右
回転すると前記時針1、分針2が回転し現在時刻に合わ
せるための針合わせができる。9、10、11は前記L
T時針4a、5a、6aの針修正用の外部操作部材であ
るプッシュボタン(以下PBと略記する)(1)、
(2)、(3)であり、それぞれ1回押すごとにPB
(1)9では第1時差表示部4、PB(2)10では第
2時差表示部5、PB(3)11では第3時差表示部6
のLT時針4a、5a、6aを1時間単位で修正ができ
るようになっている。該針修正は前記リューズ8の引き
出し段数位置に関係なく各PB9、10、11操作によ
り常時可能となっている。
【0011】次に時計ムーブメントの基本構造について
説明する。図2及び図3の時計ムーブメントにおいて、
時計ムーブメントの略中心部にハッチングを付して示し
ている(A)は大規模量産している小型の3針用モジュ
ール(以下は基本モジュールと呼ぶ)で、大規模量産化
によりモジュールのコストダウンを図っている。
【0012】本考案の時計ムーブメント構造は図7また
は図8を参照すると、基本モジュール(A)の基台であ
る地板12を挟んで裏蓋側に基本モジュール(A)が配
置され、地板12の文字板側には地板12と文字板13
との断面的中空部に下受14を基台とするローカルタイ
ム表示輪列15やカレンダー表示輪列16等を配設した
2層構造になっていて、前記地板12と下受14は1個
所に設けたネジ締結部17(図5参照)により仮止めさ
れ組立途中の部品の安定化を図っている。
【0013】前記基本モジュール(A)は、地板12や
輪列受18、中受19等により軸支される、電気機械変
換機としてのステップモーター20を構成するローター
21や、5番車22、4番車23、3番車24あるいは
中心車25などより成る指針輪列機構と、リューズ8を
固着する巻真26を構成要素に含む外部操作切り換え機
構、さらに電子時計の電源である電池27と共に、IC
チップ28aや水晶振動子28bを搭載してなる回路ブ
ロック28等を備えている。
【0014】基本モジュール(A)の略中心部に配設さ
れ秒針3が固着される4番車23は、5番車22を介し
てローター21により駆動される。さらに4番車23の
回転は3番車24を介して分針2を固着する中心車25
へと伝えられる。該中心車25は中心歯車25aと分カ
ナ25bとからなるすでに周知のスリップ構造となって
いる。前記分カナ25bには後述するローカルタイム表
示用輪列15を駆動するための分伝え車29が係合さ
れ、該分伝え車29は中心車25と同速回転により60
分に1回転の割で駆動する。
【0015】前記中心車25は指針輪列を構成すると共
に、通常時刻の指針修正用の裏輪列を構成する第1日の
裏車30と噛み合う(図3参照)。該第1日の裏車30
は、巻真26に係合して回動するツヅミ車31の回転に
連動して中心車25を駆動する。すなわち針合わせのた
めにリューズ2段引き状態にすると、周知の如く外部操
作切り換え機構を構成するオシドリ32、カンヌキ33
等が巻真26と連動するツヅミ車31が小鉄車34と噛
み合う位置に移動し、リューズ8の回転操作に連動して
小鉄車34→日の裏伝え車35→第1日の裏車30の経
路で回転力が伝達される。
【0016】次にローカルタイム表示輪列15とカレン
ダー表示輪列16について図4〜図8を基に説明する。
図6を参照すると、前記基本モジュール(A)に配設し
た中心車25に係合している分伝え車29はその中心穴
が分カナ25bの中間胴部25c外径に係合し、且つ分
伝え車29に設けた凸部29aが中間胴部25cに残し
た歯形25dの一部と平面的に噛み合うよう形成されて
いる。このように凸部29aが歯形25dと係合するこ
とによって、中心車25に伝わった回転力を確実に次の
番車に伝達するようになっている。従って、一部の時計
に見られた中心車の中胴部に合成樹脂性の分伝え車を圧
入固定する固定構造に比べて、本考案の実施例では分伝
え車29を中心車25に装着する場合や外す場合に、他
部品への過多な荷重を掛けることが少ないので部品の損
傷がなく安定した組み込みができる。
【0017】図4、図5を参照すると、前記分伝え車2
9の回転力は平面的に重合しないように配設された第2
日の裏車36と第3日の裏車37の双方に伝達される。
前者の第2日の裏車36は、第1時差時刻表示部4のデ
ュアル2番車(1)38と第2時差時刻表示部5のデュ
アル2番車(2)39及び分伝え車29とで形成される
略デルタ型の平面スペースのほぼ中央に配設されてい
て、歯車部(1)36aと歯車部(2)36bとカナ部
36cより形成されている。そして、歯車部(1)36
aは分伝え車29と噛み合い、歯車部(2)36bはデ
ュアル2番車(1)38を構成するデュアル2番歯車
(1)38aとデュアル2番車(2)39を構成するデ
ュアル2番歯車(2)39aと噛み合い、さらにカナ部
36cは通常時刻表示する時針1を固着する筒車40と
噛み合うと共に、それぞれの噛み合い部は断面的に互い
に重なることのないように配置されている。
【0018】前記歯車部(1)36aと歯車部(2)3
6bは、分伝え車29の回転とデュアル2番歯車
(1)、(2)38a、39aの回転が単に同速で回転
するように伝達するためのアイドラー車であるが、図6
を参照するように噛み合い断面配置を2層化して歯車部
(1)36aと歯車部(2)36bの2対で噛み合うよ
うにすることで、歯形の歯数比が従来のアイドラー車を
介した輪列に対して比較的自由に選択できるようになっ
た。このため分伝え車29とデュアル2番歯車(1)3
8aとデュアル2番歯車(2)の歯数は非共通でも差し
つかえがなく、とりわけ時計のデザイン性を考慮して時
差時刻表示部の平面的な配置に合わせたデュアル2番車
(1)38とデュアル2番車(2)39の双方に噛み合
う適正な位置に配設することが可能となっている。
【0019】後者の第3日の裏車37は図5図示の如
く、第3時差時刻表示部6を構成するデュアル2番車
(3)41のデュアル2番歯車(3)41aと噛み合
い、前記第2日の裏車36と同様に分伝え車29の回転
を同速で伝達している。
【0020】前述の各時差時刻表示部4、5、6の構成
要素であるLT時針4a、5a、6aとLT分針4b、
5b、6bを固着して回転させるローカルタイム表示輪
列15は次のような輪列構成により駆動している。すな
わち、第1時差時刻表示部4、第2時差時刻表示部5、
第3時差時刻表示部6の各輪列構成は、分伝え車29か
ら前記第2日の裏車36又は第3日の裏車37までは同
一の輪列構成となっているので、ここでは図4、図6を
参照して第1時差時刻表示部4の中心部の輪列構成につ
いてのみ説明する。
【0021】前記第1時差時刻表示部4を構成する輪列
中心部はいわゆる遊星車方式を採用しており次のような
構成となっている。すなわち下受14には中心軸14a
が植設されてあり、該中心軸14aにはデュアル車
(1)43とデュアル2番車(1)38が係合し、デュ
アル2番車(1)38にはデュアル筒車(1)46が係
合している。デュアル車(1)43は歯数11枚で形成
されデュアル躍制バネ42により回転を規制されてい
る。デュアル2番車(1)38は第2日の裏車36と噛
み合うデュアル2番歯車(1)38aと、前記デュアル
2番歯車(1)38aを介して上下に設けられた遊星車
(1)、(2)44、45より構成されていて、該遊星
車(2)45にはデュアル2番歯車(1)38aに設け
た回転穴38bを貫通して、同心上に遊星車(1)44
を固着する凸部軸45aが一体に形成されている。また
デュアル筒車(1)46はLT時針(1)4aを固着し
歯数12枚で形成されており、前記遊星車(2)45と
噛み合うと共にデュアル車(1)43やデュアル2番車
(1)38と同心軸上に配設されている。そして、前記
デュアル筒車(1)46、デュアル2番車(1)38、
デュアル車(1)43は文字板13とデュアル筒車
(1)46との断面的中空部に配設したバネ性を有する
デュアル針座(1)47のバネの反力により常に下受1
4側に押圧されている。
【0022】第2日の裏車36を介して中心車25と同
速回転するデュアル2番車(1)38は、時計回転方向
に60分で1回転するよう構成されている。前記デュア
ル2番車(1)38の回転に伴なって前記デュアル車
(1)43と噛み合う遊星車(1)44は、位置規制さ
れているデュアル車(1)43の歯形43aの軌跡上を
摺動しながらデュアル2番歯車(1)38aに設けた回
転穴38bを中心に右回転する。さらに遊星車(2)4
5は遊星車(1)44に同期して同方向に回転すると共
に、遊星車(2)45と噛み合うデュアル筒車(1)4
6は、遊星車(2)45の歯形からの押圧力が前記デュ
アル針座(1)47とデュアル筒車(1)46の摩擦力
に打ち勝つことによって、前記デュアル2番車(1)3
8に対して減速比1/12の速さで且つデュアル2番車
(1)38と同じように右回転する。前記デュアル2番
車(1)38およびデュアル筒車(1)46の駆動方法
は通常運針時のみならず針合わせの場合でも同様の回転
動作を行なう。
【0023】次に、前記ローカルタイムを表示するLT
時針の時差修正について図4、図6を用いて説明する。
デュアル車(1)43の近傍に配設し、合成樹脂製のカ
レンダープレート48と一体成形したボス48aを回転
中心に動作するデュアル修正レバー(1)49は、外部
操作部材のPB(1)9に連動してPB(1)9の1回
押し操作するごとに歯形43aと係合したデュアル車
(1)43を1時間分早送りする。またデュアル修正レ
バー(1)49は、PB(1)9を解除した状態では時
計ムーブメントの外周側に配設した戻しバネ50により
常に所定の位置に停止している。
【0024】以上第1時差時刻表示部4の針合わせと修
正機構等について述べたが、他の時差時刻表示部5や6
も基本的には同じ機構を有している。とりわけ第2時差
時刻表示部5は、時差修正時の操作性を向上させるため
に2時方向に配設してあるPB(2)10と連動させる
ために、前記デュアル修正レバー(1)49と比べてデ
ュアル修正レバー(2)51の外形形状は変わっている
が、修正時の作動方向や戻しバネの作用などは同じであ
る。
【0025】以上のように通常時刻表示輪列と時差時刻
表示輪列とが連動しているので、少なくとも通常時刻の
針合わせにより時差時刻表示部も同時に針合わせがで
き、さらに時差時刻表示部は前述したプッシュボタンの
ワンタッチ操作で時差修正がセットできるので、操作方
法が分かりやすく使用者の誤操作も起きにくく、従来の
ような表示合わせミスを防止することができる。
【0026】次に、日針7aが1ヶ月の周期で揺動駆動
するカレンダー機構について図5、図7を用いて説明す
る。前述した第2日の裏車36のカナ36cと噛み合
い、通常時刻表示用の時針1を固着する円筒部40aを
有する筒車40は、筒歯車40bに対して前記円筒部4
0aとは反対側の面に日回し伝え歯車40cを有し、該
日回し伝え歯車40cは12時間で1回転すると共に、
次段車である日回し車52に回転力を伝える。
【0027】前記日回し車52は日回し伝え歯車40c
に対して1/2の減速比で駆動し24時間で1回転す
る。さらに日回し車52には、日針7aを1ヶ月周期で
揺動運針させるためのカム装置を構成する日中間車
(2)53に回転を伝える日回しツメ52aが一体成形
されている。前記日回しツメ52aは日中間車(2)5
3と24時間に1回係合して日中間車(2)53を1/
31回転させると共に、日中間車(1)54を介して日
針7aを固着する日車55や日戻し車56に回転力を伝
達する。
【0028】図9は図7からカレンダー輪列部の一部を
説明の為に取り出したところであり、裏板57は説明上
必要な所以外は除いた図で、図9により日回し車52の
機能についての説明を行う。日回し車52は、通常運針
時は筒車40の日回し伝え歯車40cからの回転により
下受14に植設した日回し車軸14bを中心として左回
転するが、後述する日針7aの早修正時に日中間車
(2)53と前記日回しツメ52aが干渉する場合、例
えば図9(a)で示すような日回し車52がカレンダー
を送った直後に、日中間車(2)53の回転によって日
回し車52の日回しツメ52aが日中間車(2)53の
歯車と干渉する状態の時にリューズ8の回転によりカレ
ンダー修正を行う場合には、部品の破損が発生しないよ
うに日回し車軸14bと係合する回転穴52bを長穴化
し、更に裏板57と一体になった日回し押えバネ57
で日回し車52の歯車面に垂直方向に弱い負荷を掛ける
ことによって、早修正レバー58の送りツメ58eによ
って日中間車(2)53が回転させられた場合、日中間
車(2)53からの回転力が日回しツメ52aを介して
日回し車52に伝わるが、図9(b)で示すように、負
荷が掛けられた点を支点として日回し車52が日中間車
(2)53からの回転力によって長穴の回転穴52bの
中を噛み合い位置から離反する方向に回転するので何等
支障のないようになっている。
【0029】一方、日回し車52が日中間車(2)53
から離反した状態以降は、筒車40の通常運針による回
転が日回し伝え歯車40cと噛合する日回し車52に伝
えられ、押えバネ57bの負荷が掛けられた点を支点と
して日回し車52が日中間車(2)53に近づく方向に
回転する。
【0030】図5により日針7aを揺動運針させるカム
装置は、日中間車(2)53に一体成形したカム53a
と、日中間車(1)54の回転中心に対して日車55と
噛み合う歯形54aとは反対側に設けたレバー54b
と、日車55を介して日中間車(1)54のレバー部5
4bが常にカム53a側に押圧されカム53aの軌跡に
添ってレバー部54bを確実に作動させるために設けた
日戻し車56と、日戻しバネ57aとにより構成されて
いる。
【0031】尚、カム53aの輪郭は、日中間車(1)
54が等速で駆動し結果として日針7aが右回転方向へ
一日あたり等間隔に運針するようなカム輪郭で形成され
ている。
【0032】ところで、日中間車(2)は日躍制バネ5
7bによって位置決めされているため、日戻しバネ57
aが掛けられた日戻し車56は噛合する日車55を介し
て日中間車(1)54のレバー54b部をカム53aに
押しつける方向に常に力を掛けるために日戻し車56、
日車55、日中間車(1)54の各々の歯車間のバック
ラッシュが前述方向に寄せられているために、日車55
の揺動動作による日針7a動作方向が変わった場合でも
バックラッシュによる指示値ズレは無く、バックラッシ
ュを補正させるための動作を必要としない。更に、日針
7aの針付け作業時においても日車55の位置が安定し
ているため作業性が向上する。
【0033】また更に前記のカレンダー輪列における日
戻しバネ57aと日躍制バネ57bにより、カム53a
とレバー54bの静的位置を安定させて日針7aの平面
方向の振れを防止すると共に、前記日回しツメ52aと
の噛み合いを安定化させて、後に述べる日針7aの早修
正機構を構成する早修正レバー58との係合を確実化さ
せている。
【0034】一方、日躍制バネ57bは日中間車(2)
53に掛けることによって、日躍制バネ57bの躍制頭
部57eが裏板57の躍制押え57fの下に潜り込み、
外部衝撃によって日躍制バネ57bが外れるのを防止し
ている。
【0035】ところで、日車55はデザイン性の問題か
ら時計モジュールの外周寄りに配置されており、そのた
め日中間車(1)54と日戻し車56は他部品との干渉
を避けるために図5のような異形形状をしている。その
ため、モジュール組立時には、日中間車(1)54と日
戻し車56の相対的な位置関係を出さないと噛み合い外
れを起こすなど機能状の問題がある。そのために、カレ
ンダープレート48には庇状凸部(1)、(2)48
d、48eを前記2つの歯車組み込み部に設けてあり、
その庇状凸部(1)、(2)48d、48eおよびカレ
ンダープレート48のガイド部48g、48hの形状に
合せて組み込んだ後に日車55を組み込むことによっ
て、日中間車(1)54と日戻し車56の相対位置関係
が出るようになっている。無論、前記2つの歯車を組み
込んだ後は、歯車部は庇状凸部48d、48eの下に入
り込めるようになっているものである。
【0036】図8、図10により日針7aの早修正機構
を説明する。日針7aの早修正は、基本モジュールに搭
載された外部操作切り替え機構を構成している巻真26
の軸方向で係合するツヅミ車31に取り付けられた早修
正ツメ59と、カレンダープレート48に一体成形され
たボス48bを回転中心に作動する早修正レバー58に
より構成され、巻真26の1段引き状態でリューズ8を
回転操作すると前記早修正ツメ59はリューズ8に一
体化された巻真26の回転に連動してツヅミ車31と共
に回転し、早修正レバー58に設けた早修正ツメ59と
係合するツメ係合部である凸部58a形状と係合して前
記ボス48bを中心に早修正レバー58を回転させる。
早修正レバー58は、前記早修正ツメ59と凸部58a
形状との係合状態が解除されたときに作動前の静止位置
に戻るように、常に回転力が働くように戻しバネ58b
が一体化されている。該戻しバネ58bは、早修正レバ
ー58の回転中心部58cを略包含する如き形状の早修
正レバー体58dと一体に形成され、カレンダープレー
ト48に配設したストッパー壁48c(図4図示)に常
に当接して戻し力を得ている。さらに早修正レバー58
には、前記早修正状態で日中間車(2)53を少なくと
も1/31ずつ回転させるための送りツメ58eと、該
送りツメ58eが修正完了時点で作動前の静止位置に戻
る際に、日中間車(2)53と干渉して逆転させないよ
うに送りツメ58eに弾性力を持たせるバネ部58fを
一体形成している。
【0037】また、図10(b)、(c)は早修正機構
の作動状態を示す平面図であるが、ツヅミ車31の回転
による早修正レバー58の回転で日中間車(2)53を
1歯ずつ送るために、早修正レバー58の送りツメ58
eをカレンダープレート48に一体で設けた規制ボス4
8fを配し、通常状態では、該規制ボス48fに送りツ
メ58eが掛かるように早修正レバー58のバネ部58
fに初期タワミを持たせ、早修正時には早修正レバー5
8の回転に対して、送りツメ58eが規制ボス48fの
側面を滑るように移動して日中間車(2)53の歯車の
間に入り込んだ後(図10(b))に、送りツメ58e
が規制ボス48fを外れて早修正レバー58と同様の円
弧回転して、日中間車(2)53が躍制を跳ぶように送
る送りツメ58eの作動軌跡を規制させるものである
(図10(c))。
【0038】また更に、送りツメ58eが日中間車
(2)53の歯を2枚以上送らない為に、早修正レバー
58の頭部58cはカレンダープレート48に一体に設
けたガイド壁48iに沿って作動させられるために、送
りツメ58eは日中間車(2)53との係合が外れるよ
うになっている(図10(c))。
【0039】尚、前述したローカルタイム表示輪列15
とカレンダー機構は、下受14やカレンダープレート4
8と共に時計ムーブメントのプロフィールと略同等の形
状を有する裏板57を介して基本モジュールの地板12
にネジ締結部60で締結することにより断面的な位置規
制が成されている。
【0040】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、規制ボス
でバネ部が変形し、送りツメの作動軌跡を変えるよう
制したので、例え小径の歯車による日針送りであって
も、送りツメは日針を1日駆動するに充分の軌跡と量を
確実に移動することができ、従って信頼性の高い送り機
構を得ることができる。更には、送り終わった後も送り
ツメの動きを規制することでより確実となる。また、早
修正ツメ59を有するツヅミ車31から早修正レバー5
8を介して日針7aを駆動する日中間車(2)53を修
正する機構により部品点数を削減し、また早修正レバー
58の動作軌跡の規制や日回し車52の回転穴52bの
長穴化および日回し車押さえバネ57cにより外力に対
する部品の破壊防止機構によりカレンダー輪列機構の小
型化が可能となり、組立工数の削減が図れムーブメント
のコストダウンにより低価格が実現でき、且つデザイン
性を考慮した指針配置が取りやすいというメリットがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す時計の外観図である。
【図2】本考案の実施例を示す時計ムーブメントの裏蓋
側から見た左半分の平面図である。
【図3】本考案の実施例を示す時計ムーブメントの裏蓋
側から見た右半分の平面図である。
【図4】本考案の実施例を示す時計ムーブメントの指針
側から見た左半分の平面図である。
【図5】本考案の実施例を示す時計ムーブメントの指針
側から見た右半分の平面図である。
【図6】本考案の実施例による図1の時計の輪列機構を
示す要部断面図である。
【図7】本考案の実施例による図1の時計の輪列機構を
示す要部断面図である。
【図8】本考案の実施例による図1の時計の輪列機構を
示す要部断面図である。
【図9】本考案の実施例による図1の時計のカレンダー
輪列機構を示す要部平面図である。
【図10】本考案の実施例による図1の時計のカレンダ
ー早修正機構を示す要部平面図である。
【符号の説明】
1 時針 2 分針 3 秒針 4、5、6 時差時刻表示部 4a、5a、6a ローカルタイム時針 4b、5b、6b ローカルタイム分針 8 リューズ 9、10、11 プッシュボタン 25 中心車 29 分伝え車 31 ツヅミ車 48 庇状凸部 48f 規制ボス 49、51 デュアル修正レバー 50 戻しバネ 52 日回し車 55 日車 56 日戻し車 57a 日戻しバネ 57b 日躍制バネ 57c 押えバネ 58 早修正レバー 58e 送りツメ 59 早修正ツメ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G04B 1/00 - 49/04

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カレンダーを日針により表示可能な時計
    のカレンダー輪列の早修正機構において、前記日針は日
    針駆動車の回転により駆動させると共に、前記早修正機
    構は、リューズと、リューズの回転に連動し早修正ツメ
    を有するツヅミ車と、レバー体に前記日針駆動車を回転
    させる送りツメと前記早修正ツメに係合するツメ係合部
    を備えた早修正レバーと、より成り、前記早修正レバー
    はレバー体と送りツメをバネ部でもって結合し、前記送
    りツメ近傍に設けた規制ボスにより、前記バネ部が該規
    制ボスにて変形し、前記送りツメの作動軌跡が変わるよ
    うに規制することによって、前記日針が日の修正を可能
    としたことを特徴とする時計の輪列構造。
  2. 【請求項2】 前記送りツメが前記日針駆動車の歯を送
    った後の、前記送りツメの作動軌跡を規制するガイド壁
    を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の時計の
    輪列構造。
  3. 【請求項3】 前記カレンダー輪列の日送り機構におい
    て、表示指針を駆動する指針駆動車と該指針駆動車と噛
    合する複数の伝達車を有し、該伝達車のうち1つの伝達
    車は31枚の歯を有し、更に別の伝達車である日回し車
    は回転穴が長穴形状であり、歯車面に対して垂直方向に
    押さえバネを掛けていることを特徴とする時計の輪列構
    造。
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