JPS59162292A - 塗装後耐食性にすぐれた複層メツキ鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、塗装後針食性にすぐれた複層メッキ鋼１反
に１＠する。

近時、厳しい腐食城境に晒される自動車車体に対し、各
種耐食メッキ鋼板の通用が検討、推進されているが、か
かる用途向けとしては、まず第１に、塗装後針食性のす
ぐれることが要求される。

ここに云う塗装後針食性とは、塗装（カチオン電着塗装
系）下での塗膜庇部からの赤錆発生、同じく流部付近の
鋼板素地の局部腐食傾向、そして塗！摸ブリスター（ふ
くれ）の発生に関連したもので、すなわち耐赤錆性、耐
局部腐食性、附ブリスター性という３つの性質を含む意
味がある。

さて、従来よυ防食を目的としたメッキとしては、Ｚｎ
系メッキおよびＺｎ−Ｆｅ合金系やＺｎ−Ｎｉ合企系等
のＺｎ合金系メッキか一般化しているが、このような種
類のメッキ鋼板はその何れもが、塗装後針食性の点で自
動車重体用として満足できないものである。すなわち、
まずＺｎメッキ鋼板は、メッキ層の犠牲防食能が太さい
ため、塗装後においても庇部を起点とする鋼板素地の腐
食か生じにくく、同時にその自らの庇部勿腐食生成物に
よってシールするという腐食抑制上有効な性質もめる。

しかしながらそのス面、庇部から塗膜のブリスターが広
がり塗膜剥離がおこる傾向がつよい。その点、Ｚｎ　Ｎ
ｉ合金系メッキ鋼板、なかでもメッキ皮膜中のＮ１量８
〜２０ｗｔ％のものは、裸の耐食性、つ才りメッキ層自
体の耐食性にすぐれることから、ブリスターの発生は少
ないが、メッキ層の犠牲防食能が低く、局部的に腐食が
進行する傾向があり、庇部イζ」近の鋼板素地がアノー
ドとして腐食され易い欠点がある。また、Ｌ’ｅ−Ｚｎ
系合金メ−ツキ鋼板、とくに耐食制料として通例的に知
られるメッキＺ１１含有量が６０〜９０ｗｔ％程度のも
のは、上記Ｎｉ−Ｚｎ系合金メッキ鋼板にみられる局部
腐食の傾向はないが、裸面耐食性に劣るため、耐ブリス
ター性に不満を残す。

一方、一般に塗装後針食性を改善するものとして、メッ
キ面上にＦｅ−Ｚｎ系合金メッキを施すというメッキの
複層化が提案されている。この対Ｍンま、付与するＦｅ
−Ｚｎ系合金メッキ表面層のＦｅ含有量を低く　（Ｆｅ
５６０ｗｔ％）するものと高＜　（Ｆｅ＞６０ｗｔ％）
するものの２つに分けられ、前者はとくにＺｎ系メッキ
についてその裸面耐食性を、後者は化成処理訃を、それ
ぞれ改善して塗装後針食性の向上を？！Ｊることを意図
したものと思われる。しかしながら前者の手段では、な
お十分な裸面耐食性が？（ｆられす、とくに耐ブリスタ
ー性という点では格段の性能向上は望み得ないものであ
る。また後者についても以下のような問題がある。すな
わち、化収処理性とは、塗装に先立って行う化成処理、
通常はリン酸塩処理において得られる化成結晶の形態を
支配する因子であり、この化成結晶の形態は塗装後ｒお
ける塗膜の密着性に支配的影響を及ぼすものである。し
だがってこの手段は、塗膜の密着性向上を図るものと云
うこ吉ができるが、その塗膜密着性改善の効果を得るた
めには、表面層の付着量を最低限５ｆ／ｍ２にする必要
がある。これは、表面層の彼覆率の関係と考えられるか
、この５１７ｍ”以」−の付着量では、表面層かＦｅ＞
６０〜ｖｔ％と高Ｆｅであるため・赤錆発生の傾向が与
えられることとなる。

それによしんばこの赤錆発生の問題かなかったとしても
、もともとメッキ面の塗膜に対する性質を改善するとい
うそのこと自体、頭記した如き塗装後針食性に対しては
有効なことで０まない。

すなわち現在のところ、耐ブリスター性、耐赤錆性、耐
局部腐食性を全て含めた意味での塗装後針食性において
、とくに自動車車体用として満足のゆくものは、既存の
メッキ鋼板の中には見当らない。

本発明は、この塗装後針食性の全ての点において従来の
メッキ鋼板にはないきわめてすぐれた性能を示す複層メ
ッキ鋼板を提供しようと−するものである。

本発明者らは、従来公知のメッキ鋼板の中で最もすぐれ
た裸面耐食性を備えるＺｎ−Ｎｉ系合金メッキ鋼板に注
目し、この本来の特徴的性能を生′／Ｊユしながら最大
の弱点である局部腐食傾向、更には耐赤錆性を改良する
有効策について、棟々実験調査を重ねた結果、この手段
として、本来の耐食性を維持できる付着量のＺｎ−Ｎｉ
系（Ｎ１８〜２０ｗｔ％）合金メッキ層の直下に、特定
以上の付着数を有するＺｎ系メッキ層か、或いは上記Ｚ
ｎ−Ｎｉ系合金メブキよりも電位か卑なＺｎ合金メッキ
層を介在せしめることが有効であること全光い出１〜だ
。

すなわち本発明は、少なくとも片面に２層以北のメッキ
層を有する鋼板であって、メッキ外層か８〜２０ｗｔ％
Ｎ１を含有する付着量５〜４０７眉のＺｎ−Ｎｉ系合金
メッキ層であり、その直下の内層か付着量５　ｆ’／ｒ
ｒｌごえのＺｎ系メッキ層または前記外層メッキより卑
な電位をもつ″２ｎ合金メッキ層であることを特徴とす
る複層メッキ鋼板を要゛旨とする。

本発明において、外層に、８〜２’Ｏｗｔ％Ｎｉ含有の
Ｚｌｌ−Ｎ　ｉ系合金メッキを採用したのは、これかＺ
ｎ合金系防食メッキの中で最もすぐれた裸面耐食性をも
ち、耐ブリスター性確保上最も有利である力１らである
。すなわち本発明のメッキ鋼板において外層は、とくに
耐ブリスター性を意図したものに他ならない。なお、上
記メッキ皮膜のフェイズとしては、ｒ４・目主体が耐食
性確保に最も有利である。

外層のけ看破については、５〜４０　ｆｈ？と限定した
が、これは、５ｙｙｒｒ？未満では上記Ｚｎ−Ｎｉ系合
金メッキ本来の耐食性か維持できないか、４０ｆ／ｉｎ
２をこえる付着は′実際上不要で徒らにコスト高のみ招
来する、との理由力・らである・なお、このＺｎ−Ｎｉ
系合金メッキは、通常知られるとおり電気メツキ法によ
り得ることができる。

次に内層については、Ｚｎ系メッキまだは外層のＺｎ−
Ｎｉ系合金メッキよりも電位が卑々Ｚｎ合金糸メツキと
しなければならない。この内層は先に述べたところから
明かなように、メッキ層に鋼板素地に対する高い犠牲防
食能を伺与して流部からの局部腐食を防止し、併せて腐
食生成物による庇部シールの効果をも期待するものであ
り、この、６図するところから、内層は上記外層よりも
電位か卑である必要がある。この電位関係が逆転すると
、内層が逆に外層の〆出を促進する形を呈する危妖かあ
り、犠牲防食層とはなり得々いものである。

Ｚｎ系メッキ層、捷たＮ　ｉ　−Ｚ　ｒ１系やＦｅ−Ｚ
ｎ系の合金メッキでも、それぞれＮｉ１０ｗｔ％以下、
Ｆｅ５０φ以下ならば、上記電位的な怠味において内層
として使用できる。この後着のＺｎ−Ｎｉ系、Ｚｎ−Ｆ
ｅ系【Ｙ金メッキは、その耐食性そのものがＺ１１系メ
ンキよりすぐれるから、これらの使用はメッキ層全体の
耐食性の向上にも寄与することになり、最も好ましいこ
とが、本発明者らの実験により確認されている０ 内層のＮ着量も、５　ｒ／ｎ？以下では十分な犠牲防食
能が得られないことから、５７眉ごえとする必要がある
。ただし４．０Ｖｒｒ？ごえの付着は実用上余シ要なく
経済的に不利なばかりである。

なお、この内１−および前記外層には、Ｓｔ、Ｐｂ、Ｓ
ｎ、１％４ｇ、ＩＶｉｎ、Ｃａｓ　Ｔｉ％Ｂ、ｅｓ　Ｃ
，ｏｓ　Ｃｒ１Ｆｅｓ　Ｃｕ１ＡＡ等の１種以上を裁量
含有せしめても、その有効性に影響はなく、本発明はこ
れを許容するものである。

本発明の復層メッキ鋼板は、上記内・外２層を有するも
のであるが、メッキ層全体として必ずしも２層である必
要はなく、例えば上記内層の更に内側に、鋼板素地腐食
を抑制するためのＮｉ、Ｆｅ、Ｇｏ等の薄メッキを介在
せしめる等によってメッキを３層以上の４ｊ１造とする
も差支えない。

本、Ｓ明【基〈メッキ構造は、必ずしも鋼板の両面に対
し適用する必要はない。片面についてのみ。

この構造を採用し他側の面は裸面のままとする、或いは
異なる別の構成のメッキ面とする、といった形で実施し
てもよく、本発明はこうした実施の形態をも全て包含す
るものとする。

次に本発明の実施例について説明する。

第１表に示す２〜１層のメッキ層をもつ各種メッキ鋼板
（２００叫×２００叫）を電気メツキ法で製造した。Ｚ
ｎ−Ｎｉ、Ｚｎ−Ｆｅ合金メッキに使用したメッキ浴は
、ＺｎＳＯ４を基本としこれにＮｉ或いはＦｅを硫酸塩
の形で添加し、支持塩としてＮａ２ＳＯ４を加えたもの
である。

上記各メッキ鋼板について、リン酸岨鉛系の化成処理（
浸漬）を行い、次いでカチオン電着塗汝２０μ）を実施
し、以下に示す塗装後針食性試験を行々つだ。

く塗装後制食性試験〉 上記塗膜にクロスカットを入れ、５０°Ｃで塩水噴霧を
１０時間行い、次いで６０°Ｃで３時間逼風乾燥をした
あと、５０°Ｃの湿潤環４．（湿度９８％）に１１時げ
■晒すサイクルを５０回繰返すＩｆｆ食サイクル試験を
行い、２０回サイクル試験後の段階で赤錆発生状況を、
５０回サイクル試験後におけるクロスカット部の最大剥
離中、腐食深さ、更にクロスカット部以外のブリスター
発生状況をそれぞれ調査した。赤錆発生については、○
：赤錆、黄錆発生なし、Δ：黄錆発生め９、×：赤錆発
生めり、で評価し、クロスカット部以外のブリスター状
況について、○：発生なし、△ニ一部に発生あり、×：
全面に発生あり、で評価した。

以上の試験結果を第１表右欄に”まとめた。

上表において、純Ｚｎメッキ鋼阪＋１１ｉ、ｔ、クロス
ｈット部のふくれ巾、回部以外のブリスターの試験結果
が悪書で、その耐ブリスター性が著しく劣ることを示し
ている。Ｎｉ８〜２０ｗｔ％のＺｎ−Ｎｉ合金メッキ皮
膜をもつｗＩ板（２）は、上記耐ブリスター性の点では
格段にすぐれるが、局部腐食の頌向か強いため、腐食深
さが太きくなっている。Ｚｎ　６０　ｗｔ’ｌｙ以上の
Ｚｎ−Ｆｅ合金メッキ皮膜をもつ鋼板（３）は、上記Ｚ
ｎ−Ｎｉ合金メッキ鋼板に較べ腐食深さは小さいものの
、耐ブリスター性に劣るところかある。

（４）は表面層としてＦｅ含仔量６ｏｗｔ％以下のＺｎ
−Ｆｅ合金メッキ層をもち、内層にＺｎメッキ層を何す
る２層メッキ鋼板で、クロスカント部のふくれ巾がなお
犬きく、しかも耐赤錆性にも難がある。（５）〜（７）
は表面層として高Ｆｅ含有（Ｆｅ〉６０ｗｔ％）のＦｅ
−Ｚｎ合金メンキ表面層を有する２層メッキ鋼板である
が、（５）と（６）は表面層のイ」着層か５７眉と大き
いため、耐赤錆性に劣っている。（７）はこの（Ｊ着蚤
が２ｔ／ｍ”で少ないため耐赤錆性には問題ないが、そ
の表面層ｆり与による効果が実質的に認められない。

本発明の規定を満足する＠〜ｕ匂は、耐ブリスター性、
耐局部腐食性、耐赤錆性の全ての点において、従来例が
記録した最高レベルと同等乃至はこれを凌ぐ高性能を示
している。

比較しｌＪＫついて云えば、（８）は外層のｆＪ着量が
少なすぎて、耐ブリスター性かＺｎメッキだけの鋼板（
１）と大差のない悪書なものとなっている。（９）（は
外層の１虫含有門か少ないため、これはとくに大きなブ
リスター発生か認められる。（１＠は同じくＮｌ含有量
が高すぎて、耐ブリスター性の点でもさることなから七
くにＩ′ｌＩｊ赤錆性に難錆性る。（ｌＩ）は内層の付
着蚕が少ないため耐赤錆性に劣っている。

以上の詳、ｌ＋１１１説明から明かなように本発明の複
層メッキ鋼板は、耐ブリスター性、耐局部腐食性、耐赤
錆性の全てを含めた意味での塗装後１１１ｔ食性という
点で従来のメッキ鋼板のＭれに対しても曖位に立つもの
であるから、と９わけ自動車車体用としての実用性はき
わめて高いものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも片面に、２層以上のメッキ層を有する
   鋼板であって、メッキ外層が８〜２０ｗｔ％Ｎｉを含有
   する付着量５〜４０グ／ｒｎ”のＺｎ−Ｎｉ系合金メッ
   キ層であり、その直下の内層が付着量５　ｆ／／ｎ？ご
   えのＺｎメッキ層または前記外層メッキより卑な電位を
   もつＺｎ合金メッキ層であることを特徴とする塗装後針
   食性にすぐれた複層メッキ鋼板。