JPS5911709Y2 - 電動式おろし器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は大根おろし等の用に供される電動式おろし器
であって、詳しくは切削刃体を高速回転（３０００ Ｒ
．Ｐ．Ｍ以上）させて被切削物を切削させる電動式おろ
し器の改良に関するものである。

一般に、電動式おろし器は、６０００ Ｒ．Ｐ．Ｍ程度
のモータの回転数を、減速歯車機構を介して８００Ｒ．
Ｐ．Ｍ程度に減速させて円板状の切削刃体を高トルクで
回転駆動し、切削室の頂壁部に形威された筒形挿入口よ
り、被切削物、たとえば大根を挿入するとともに、この
大根を上方から上記切削刃体に押し込みながら上記切削
刃体で切削するように構威してある。

しかるに、上記低速駆動のものでは、わざわざ大根を切
削刃体に押し当てる労力を要し、その押込力も手加減で
調整しなければならず、使い辛いうえ、大根を押し当て
時に施回させたり、あるいは切削刃体の回転軌跡を変え
る手段を導入しない限り、大根の被切削面に、上記切削
刃体の突起刃の軌跡が波紋状に廠痕化して、上記突起刃
が同じ位置を通過して滑ってしまい、切れ味を良好に維
持させるのが難しい。

このため、すでに、上記切削刃体を３０００ Ｒ．Ｐ．
Ｍ以上の高速で回転させ、予め小片化された大根を切削
室に投入して、上記大根を切削刃体の回転力で踊“躍運
動させながら、この大根を切削刃体の突起刃との衝撃で
切削させることにより、切れ味が良く、扱い易いおろし
器が提案されている。

ところで、切削室内に投入された小片状の大根は不規則
な方向に踊躍すればするほど、効果的に切削されるが、
上記のものは、切削室が回転切削刃体の回転中心と同心
位置において固定されているから、切削の進行にともな
って球状化した小片状の大根が遠心力で上記切削室の内
壁に当たり、そのまま上記内壁に倣って旋回し、このた
め上記切削刃体との衝突回数も少なくなり、切削初期に
比べて切削効率がやや低下する欠点がある。

上記切削室を回転切削刃体の回転中心とは偏心した位置
に設定することが考えられるが、その場合には、小片化
された大根が多量に投入された場合、あるいは回転切削
刃体を回転させる以前に、大根が切削室内に投入された
場合に、上記大根が回転切削刃体の突起刃に突き刺った
まま上記内壁に突っかかり易く、このため回転切削刃体
の回転が途中でロックされるおそれがある。

したがって、この考案は上記切削室を回転切削刃体の回
転中心と同心位置と偏心位置との間で水平移動可能に設
定することにより、被切削物を効果的に切削できるうえ
、回転切削刃体の回転が途中でロックされるおそれもな
く良好な切削作用を有効に維持し得る電動式おろし器を
提供することを目白勺とする。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

第１図において、１は駆動部ケースで、内部には、電源
電池２ならびにモータ装着ベース３に取り付けられたモ
ータ４等が収納されている。

モータ４は６０００ Ｒ．Ｐ．Ｍ程度の回転数が得られ
るものが好ましい。

上記モータ４の回転軸５には、原動歯車６が固定されて
いる。

７は上記駆動部ケース１の頂壁部１ａとモータ装着ベー
ス３とにそれぞれ固設された軸受体８，９に回転自在に
支承された駆動軸体であり、この駆動軸体７には、上記
原動歯車６に噛合された従動歯車１０が固定されている
。

１１は上記駆動部ケース１の周壁に装着された電源スイ
ッチ、たとえば周方向へスライド自在に設定された操作
釦１２、この操作釦１２に装着された可動接触片１３お
よびこの可動接触片１３に接離される固定接触片１４等
からなる。

１５は、上記駆動軸体７の先端に固定された円板状の回
転切削刃体で、この回転切削刃体１５の主面１５ ａに
は、放射状に配列された多数の突起刃１６が形或されて
いる。

上記回転切削刃体１５は上記モータ４の回転力を受けて
５０００ Ｒ．Ｐ．Ｍ程度の高速で回転駆動される。

１７は上記駆動部ケース１の頂壁部１ａに載置された環
状の受皿体で、上記切削刃体１５で切削された被切削物
Ｍの貯留空間１８を形或している。

１９は上記受皿体１７の開口端部１７ ａに装着可能に
装着された蓋体であり、この蓋体１９には、上記回転切
削刃体１５と対応して筒状部２０が形或されており、こ
の筒状部２０と上記切削刃体１５の主面１５ ａとで囲
繞される空間で切削室２１を構戊している。

この実施例では、上記筒状部２０の上端開口２０ ａを
被切削物Ｍの投入口も兼務させてある。

この投入口２０ ａから切削室２１内に投入された被切
削物Ｍを上記回転切削刃体１５の高速回転によりその主
面１５ａ上で踊躍運動させながら切削させるため、上記
被切削物Ｍは予め小片状に切削したものを投入すればよ
い。

上記投入口２０ ａは被切削物Ｍの飛び出しを防止する
ため、上蓋体２２で開閉可能に閉塞されている。

上記受皿体１７には、その底面に上記切削室２１が上記
回転切削刃体１５の回転中心Ｐに対して同心位置と偏心
位置との間を水平移動可能となるように、上記駆動部ケ
ース１の頂壁部１ａに突設された筒壁部２３にギャップ
Ｇをもって遊嵌される環状立壁部２４が形或されており
、これら両壁部２３．２４には、上記切削室２１を変位
させる際のガイド機能をもたせてある。

この実施例では、上記切削室２１を変位させるために、
上記受皿体１７を駆動部ケース１に対して水平移動させ
るように構或してあるが、上記受皿体１７を駆動部ケー
ス１に固定して、切削室２１を構或する筒状部２０のみ
を水平移動できるようにしてもよい。

上記構戒において、まず回転切削刃体１５を回転駆動さ
せ、上記切削室２１を回転切削刃体１５と同心位置（第
２図）に設定したのち、投入口２０ ａから被切削物、
たとえば小片状の大根Ｍを上記切削室２１内に投入すれ
ば、回転切削刃体１５が所定の回転数に達していなくて
も、この時大根Ｍが上記回転切削刃体１５の回転中心Ｐ
１ｌ！Ｉの高トルク部位に存在しているため、上記回
転切削刃体１５はスムースに所定の高速回転に達するこ
とができる。

上記回転切削刃体１５が所定の回転数に達すれば、上記
切削室２１を回転切削刃体１５の回転中心Ｐに対して偏
心した位置（第３図）まで水平移動させれば、大根Ｍは
突起刃１６によって切削軌跡を変えられながらさらに激
しく踊躍運動して突起刃１６との衝突回数も多くなり、
切削末期まで効果的に切削される。

この状態で、新たに大根Ｍが多量に投入されて上記突起
刃１６に突っかかったままになったとしても、上記切削
室２１を再び第２図の同心位置まで移動させるだけで、
回転切削刃体１５をロックさせることもなくその回転を
円滑に維持させることができる。

第４図は他の実施例を示し、切削室２１の水平移動を電
源スイッチ１１の操供釦１２と連動するように構或した
ものである。

すなわち、同図において、４１は上記スイッチ操作釦１
２に突設されて駆動部ケース１の頂部壁１ａに形或した
円弧状の長孔４２を貫通した連結ピンで、この連結ピン
４１の先端は上記受皿体１７の底壁に形戊された溝４３
に嵌合されている。

上記スイッチ操作釦１２の円周方向のスライド偏位に対
して上記受皿体１７が水平移動するため、上記溝４３は
第５図のように長溝で構威されている。

さらにスライド操作釦１２はＯＦＦ位置（第６図）、第
１のＯＮ位置（第７図）および第２のＯＮ位置（第８図
）を有し、ＯＦＦ位置から第１の位置にスライド変位さ
せた際に、切削室２１が回転切削刃体１５の回転中心Ｐ
と同心位置に位置決めされ、第２のＯＮ位置にスライド
変位させると、上記切削室２１が回転中心Ｐと偏心した
位置に位置決めされるように設定されている。

この場合は、操作釦１２をＯＦＦ位置から第２のＯＮ位
置に設定すれば、回転切削刃体１５の回転中心Ｐに対し
て切削室２１が偏心した位置に自動的に設定されるとと
もに、その操作期間のうちに上記回転切削刃体１５も自
動的に所定の高速回転数に達するため、扱い易い。

また切削終了時点で切削室２１，換言すれば受皿体１７
を逆方向に動かすだけで、電源スイッチ１１をＯＦＦさ
せることができる。

以上詳述したように、この考案は回転切削刃体の回転中
心に対して同心位置と偏心位置どの間を切削室が水平移
動できるように構或することにより、被切削物が上記切
削刃体で効果的に切削され、しかも切削刃体の回転がロ
ックされるおそれのない電動式おろし器を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電動式おろし器の一例を示す破
断正面図、第２図，第３図は切削室の設定位置を示す平
面図、第４図は同おろし器の他の実施例を示す破断正面
図、第５図は同おろし器のスイッチ操作部分を示す斜視
図、第６〜８図は同スイッチ操作釦の各変位位置に対応
した切削室を示す平面図である。 １５・・・・・・回転切削刃体、１５ａ・・・・・・主
面、２１・・・・・・切削室、Ｍ・・・・・・被切゛削
物、Ｐ・・・・・・回転中心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切削室２１内に投入された小片状の被切削物Ｍを、上記
   切削室２１の下側で高速回転する回転切削刃体１５の主
   面１５ａ上で踊躍させながら切削する電動式おろし器で
   あって、上記切削室２１を、上記回転切削刃体１５の回
   転中心Ｐに対して、同心位置と偏心位置との間を水平移
   動可能に構戊した電動式おろし器。