JPS5847900Y2 - 移動棚の安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 室内の空間をできるだけ能率よく利用するために室の床
に軌条を敷設し、同軌条上に車輪付きの多数の物置棚を
移動自在に置き並べ、物品の出し入れをする場合は希望
の物置棚の前面に通路ができるように他の物置棚を軌条
に沿って移動させることは既に知られている。

しかし、このような物置棚においては、物置棚前面の通
路内で物品の出し入れ作業をしている者が居ることを知
らずに、他の者が誤って物置棚を動かした場合、通路内
の作業者が物置棚と物置棚との間で押し潰される恐れが
ある。

また、近年、地震に対する安全対策が厳しく要求される
ようになってきたが、これは移動物置棚においても例外
ではない。

即ち、たとえ走行車輪をロックして制動を掛けた状態に
していても、車輪の平滑な周面が平滑な軌条面に接して
いるため、地震によって物置棚が軌条上を容易に滑動し
、物置棚相互間に形成されていた作業通路が狭められ、
同通路内に入っている作業者が棚間で押し潰される危険
があるからである。

物置棚が、地震によってこのように軌条上を滑動するの
は、振動により軌条のエンドストッパーに物置棚が当り
、その反動で動いたり、物置棚相互が反発し合って動く
ものと考えられ、これは、手動式移動物置棚に限らず、
電動式移動物置棚にも共通に認められるものである。

しかも、地震によって一旦動き始めた物置棚を人間の力
によって押し返えすことは不可能に近いばかりでなく、
現実には地震によって人間はその場に立ちすくむか身近
なものにしがみつくことしかできないから、たまたま物
置棚相互間の通路内に居る者は、きわめて危険な状態に
さらされることとなる。

本発明の目的は、物置棚相互間の作業通路内に作業者が
入っているとき、他の者が誤って物置棚を動かしたとし
ても、また、たまたま地震が発生して物置棚が上記通路
を狭める向きに動いたとしても、かかる棚の移動を直ち
に、かつ、確実に阻止して、通路内の作業者の安全を保
障するようにした移動物置棚の安全装置を提供すること
にある。

以下、図示の実施例によって本考案を説明する。

第１図は底部に車輪１を軸装した複数の物置棚１ａ、１
ｂ、ｌ ｃ・・・・・・が室の床に設けられた軌条２
上に置き並べられ、上記物置棚１ａと１ｂとの間に物品
の出し入れをするための通路が設けられている状態を示
している。

各物置棚の側壁には、人が立姿勢で回転操作するに適し
た高さの所に把手３が回転自在に軸架されている。

同把手と車輪１の軸との間には、物置棚の二重に作られ
た側壁間において減速伝動機構が介装されていて、手動
による把手３の回転力を強大な回転力として車輪１に伝
達することができるようになっている。

第１図乃至第３図において、各欄の間口面の一部をなす
支柱４ａの前面には、棚の上下方向の中央付近において
軸受金具５が固着され、同金具により揺動杆６の一端部
が垂直面内において回動可能に枢着されている。

揺動杆６の全長は、棚間に形成される作業通路の最大中
と同等又は僅かに短がくなるように作られている。

揺動杆６の枢着部と相対向する隣接移動棚の間口面の一
部をなす支柱４ｂの前面には、前記軸受金具５の取付位
置よりも多少低い位置に、揺動杆６の先端部を受は止め
るべき受金具７が固着されている。

受金具７は、第３図に示されるように、正面がら見て揺
動杆６の巾と略同等の巾にＵ字状に折り曲げられた弾性
挟持部７ａを有し、揺動杆６を回動させて移動棚の間口
面から略直角方向に突出させたとき、挾持部７ａにより
、揺動杆６の先端部を弾性的に挟持し、かつ、受は止め
ることができるようになっている。

またこの態位における揺動杆６の上面には永久磁石８が
固着されており、揺動杆６の垂直面内において回動させ
て支柱４ａと平行な垂直態位をとらせたとき、永久磁石
８が支柱４ａを吸着して一ヒ記垂直態位を暫定的に保持
するようになっている。

図示の実施例は上記の如き構造をもっているがら、総て
の移動棚における揺動杆６を暫定的に垂直態位にした上
で把手３を手動的に回転操作することにより、前記減速
伝動機構を介して車輪１に強大な回転力を伝えることが
でき、重量の重い棚でもこれを軌条に沿い容易に移動さ
せることができる。

このようにして所望の棚間に作業通路を形成することが
できる。

この通路内に入って物品の出し入れ作業をするときは、
揺動杆６を回動させて移動棚の間口面から略直角方向に
突出させ、揺動杆６の先端部を受金具７の挟持部７ａに
より弾性的に挾持させておく。

こうしておけば、他の者が誤って移動棚を動かそうとし
た場合でも、あるいはたまたま地震が発生して棚が動こ
うとしても、揺動杆６の先端が対向する移動棚の支柱の
前面に当接して棚の動きが直ちに阻止され、棚間の通路
内の作業が棚と棚との間で押し潰されるという危険を未
然に防止することができる。

また、地震により移動棚が作業通路がわに倒れ込もうと
しても、揺動杆６は棚の上下の中央付近に枢着され、相
対向する棚の上下の中央付近を互いに突張るがら、移動
棚の倒れ止めがなされ、この点がらも通路内の作業者の
安全を保障することができる。

揺動杆の軸受金具および受金具の構成は第４図乃至第８
図に示されるような構成にしてもよい。

即ち、移動棚１ａがわの支柱４ａに固定した軸受金具１
５の折曲両側片間の間隔は揺動杆６を枢支するに必要か
つ充分な程度にすると共に、移動棚１ｂがわの支柱４ｂ
に固定した受金具１７の折曲両側片間の間隔は上記軸受
金具１５の新曲両側片間の間隔よりも充分に大きくなる
ようにするのである。

このように構成しておけば、軸受金具１５と受金具１７
をたとえ相対向する位置に設けたとしても、第７図に示
されるように、相隣接する移動棚を近接させたとき受金
具１７の折曲両側片間に軸受金具１５が嵌まるから相隣
接する移動棚間に生じるデッドスペースを少なくするこ
とができ、また、第４図に示さ１１−るように、相隣接
する棚間に通路を形成して揺動杆６を移動棚の間口面が
ら突出させたとき、第１図乃至第３図の実施例の場合の
ように揺動杆６が斜面をなすということをなくすことか
で゛きる。

なお、受金具１７の内底面には永久磁石１８が固着され
ている。

これは揺動杆６を移動棚の間口面から略直角に突出させ
たとき、揺動杆６の先端部を永久磁石１８に吸着させ、
地震等により揺動杆６が振れようとしてもこれを防止し
て相隣接する棚の接近を確実に防止するためである。

また、棚１ａの支柱４ａにも永久磁石１９が固着されて
いる。

これは揺動杆６の垂直態位を暫定的に保持するための前
記実施例の永久磁石８に相当するものである。

これら永久磁石１８．１９の代りにスプリングキャッチ
を用いてもよい。

また、第９図に示されるように、揺動杆６の先端部にピ
ン６ａを固植し、揺動杆６を棚の間口面がら略直角方向
に突出させたとき、相対向する棚の支柱４ｂに取付けた
受金具２０の孔に上記ピン６ａを係合させるようにして
もよい。

このように、本考案によれば、棚間の通路内に入って作
業をしているとき、他の者が誤って棚を移動させようと
した場合、あるいは、たまたま地震が発生して棚が移動
しようとしても、直ちに棚の移動が阻止され、通路内の
作業者の安全を保障することができる。

特に地震の場合は作業者が作業通路から脱出することは
困難な場合があるから、特に大きな効果がある。

また、双方の移動棚の接近を阻止する揺動杆の先端部を
受具によって受は止めるようにしたから、地震等によっ
て移動棚全体が振動しても、揺動杆の先端を対向する移
動棚の間口面の一部をなす支柱等に確実に当接させるこ
とができ、通路内の作業者を確実に保護することができ
る。

なお、揺動杆は水平面内において回動するようにしても
よい。

また、揺動杆は移動棚の側板を棚前面がわに折り曲げた
部分に枢着してもよく、その数は移動棚の間口中にもよ
るが、少なくとも１偏設ければ足りる。

受具も図示の実施例のものに限られるものではなく、揺
動杆の先端部の形状に応じて、例えば、受具を上向きの
フックにし、揺動杆の先端に下向きのフックを固着して
両者を互いに係合するようにしてもよい。

因に、第１図乃至第３図に示された実施例において軸受
金具５と受金具７の取付位置を互いにくい違わせたのは
、相隣接する移動棚を互いに近接させたとき金具５と７
とが互いに衝合することのないようにして棚相互間の隙
間がなるべく少なくなるようにし、スペース効率が損な
われないように考慮したためである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を採用した物置棚が床の軌条−ヒに
並べて置かれた状態を示す側面図、第２図は上記物置棚
に装備された本考案装置の実施例を示す拡大側面図、第
３図は同上実施例における受具の部分の正面図、第４図
は本考案の別の実施例を示す側面図、第５図は同上実施
例の異なる作動態様を示す側面図、第６図は第４図の態
様の拡大平面図、第７図は第５図の態様の拡大平面図、
第８図よ第４図の態様の一部分を拡大して示す側面図第
９図は本考案のさらに別の実施例を第８図に準じて示す
側面図である。 ａ、ｌｂ、ＩＣ・・・・・・移動棚、１・・・・・・車
輪、２・・・・・軌条３・・・・・・把手、４ ａ 、
４ ｂ・・・・・・支柱、６・・・・・・揺動杆、７・
・・・・・受具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．軌条上に移動自在に多数置き並べられるべき移動棚
   の間口面に揺動杆の一端を枢着し、同揺動杆を枢着した
   移動棚と対向する移動棚の、上記揺動杆の枢着位置と対
   向する面に、上記揺動杆を移動棚の間口面に対し略直角
   方向に突出させたとき上記揺動杆の先端部を受は止める
   べき受具を設けてなる安全装置。 ２、受具は、相対向する移動棚の揺動杆枢着位置に対し
   互いにくい違った位置に設けた実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の移動棚の安全装置。 ３、揺動杆は、移動棚の支柱又は側板に枢着してなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の移動棚の安全装置。 ４、揺動杆は、垂直又は水平方向に回動するように枢着
   してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の移動棚の
   安全装置。