JPH0914339A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH0914339A
JPH0914339A JP7210599A JP21059995A JPH0914339A JP H0914339 A JPH0914339 A JP H0914339A JP 7210599 A JP7210599 A JP 7210599A JP 21059995 A JP21059995 A JP 21059995A JP H0914339 A JPH0914339 A JP H0914339A
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JP
Japan
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earthquake
shelf
magnet
shaking
display case
Prior art date
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Application number
JP7210599A
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English (en)
Inventor
Kunio Miyazaki
邦雄 宮崎
Mitsuo Komori
光雄 小森
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Kongo Co Ltd
Original Assignee
Kongo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】地震等による揺のエネルギーが物品の載置設備
に伝達されることを極力抑えて、収納物や展示品などが
破損したり、また載置設備自体の転倒を防止できる安全
に優れた免震装置を得る。 【構成】物品の載置設備1を浮上させる浮上手段5、8
を有し、浮上手段5、8の押し上げ力により載置設備1
を押し上げて地震等による揺れのエネルギーの伝達を防
止する。浮上手段としては磁石5、8やエアーなどを用
いる。感震装置からの信号により浮上手段を作動させて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震等による揺れのエ
ネルギーが棚、展示ケース、テーブル、台、容器、パレ
ット、すのこ、家庭的に使用される装飾台などの物品の
載置設備へ伝達されることを極力抑えることにより、収
納物や展示品などが損傷することのない安全性に優れた
免震装置に関するものであり、特に文化財や美術品など
の保管・展示や、化学薬品などの危険物、メディアなど
の精密機械など衝撃を嫌うものの保管・展示に有効なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から物品の載置設備として、各種の
棚や展示ケース、テーブルや台、容器、パレット、すの
こなどが広く用いられている。これら物品の載置設備
は、その用途に応じて床面上に固定されているものや、
軌条などに沿って走行可能なものなどがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】これら従来の物品の載置設備のうち床面上
に固定されたものでは、地震等により床面が激しく揺れ
た場合、この揺れのエネルギーが物品の載置設備に直接
伝達されてしまう。そのため、この揺れエネルギーによ
り載置設備内の収納物や展示品などが損傷したり、また
揺れが激しい場合には載置設備自体が転倒したり、破損
してしまうという問題があった。
【0004】また、走行可能な載置設備においては、地
震等が発生して激しく揺れた場合、その走行方向に対し
ては車輪の自由回転等により地震の揺れエネルギーを吸
収できる。しかし、実際の地震等による揺れは、走行方
向だけでなくあらゆる方向から作用するため、載置設備
の走行方向とは異なる方向からの揺れに対しては対応で
きなかった。そのため地震等による揺れの方向によって
は、その揺れのエネルギーが車輪等を介して載置設備に
伝達され激しく揺れることがあった。また、展示品が文
化財や美術品などである場合には、地震等により破損し
てしまうと復元不可能となる場合があり、貴重な文化財
の保護を図ることができないし、収納物が化学薬品等の
危険物である場合には、火災の発生原因となることもあ
り得る。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、地震等による揺れのエネ
ルギーが物品の載置設備に伝達されることを極力抑え
て、収納物や展示品などが破損したり、また載置設備自
体の転倒を防止できる安全に優れた免震装置を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、物品の載置設備を浮上させる浮上手段を有
する免震装置であって、この浮上手段の押し上げ力によ
り上記載置設備を押し上げて地震等による揺れエネルギ
ーの上記載置設備側への伝達を防止することを特徴とす
る。地震等の揺れを感知する感震装置を有し、この感震
装置からの信号により浮上手段を作動させ、地震等が発
生したときのみ載置設備を押し上げるようにしてもよ
い。また、浮上手段は磁石でもよいし、エアーであって
もよい。通常時には載置設備を所定の位置に制止させ、
地震等による揺れが発生したときには解放して制止を解
除する制止手段を有するを設けてもよいし、感震装置を
設けこの感震装置が地震等による揺れを感知したときに
制止手段を解放するようにしてもよい。
【0007】
【作用】載置設備には収納物や展示品などを収納した
り、展示したりすることができる。この載置設備は浮上
手段の押圧力によりを押し上げられる。従って、この状
態で地震等が発生しても、載置設備への地震等による揺
れエネルギーの伝達を極力抑えることができる。請求項
2記載の発明ように、感震装置が地震等による揺れを感
知し、この感震装置からの信号により浮上手段を作動さ
せ載置設備を押し上げるようにした場合も載置設備への
地震等による揺れエネルギーの伝達を極力抑えることが
できる。
【0008】請求項3記載の発明のように浮上手段とし
て磁石を用いた場合、相対向する磁石の反発力により物
品の載置設備を押し上げられる。請求項4記載の発明の
ように浮上手段としてエアーを用いた場合、エアーの噴
出力により物品の載置設備を押し上げる。請求項5記載
の発明では、制止手段により通常時には物品の載置設備
が所定の位置に制止しており、地震等が発生した場合に
は、制止手段が解放して物品の載置設備が浮上手段によ
り押し上げられた状態になる。請求項6記載の発明で
は、感震装置からの信号により制止手段が解放される。
【0009】
【実施例】以下、本発明にかかる免震装置の実施例を図
面を用いて説明する。図1は本発明にかかる免震装置を
物品の載置設備としての展示ケースに適用した例を示し
たものである。図1において、符号1は物品の載置設備
としての展示ケースを示している。展示ケース1は略箱
型をしたフレーム2を有している。フレーム2は底部2
aと、この底部2aの両側部からから垂直に立ち上がっ
た側部2cと、底部2aの背面側から立ち上がった背部
2dと、側部2cと背部2dの上端部に位置する上部2
bとを有している。フレーム2の中央部には物品の収
納、展示等のための空間が形成されている。この収納空
間には、上記側部2c間に取付け支持された棚板3が数
段にわたって配置されており、この棚板3上に収納物を
収納したり、また展示品を展示できるようになってい
る。
【0010】また、上記フレーム底部2aの上端部前面
側の端部、及びフレーム上部2aの下端部前面側の端部
には、それぞれ溝又はレールが形成されており、この溝
又はレールに沿って移動可能に引き戸4が取り付けられ
ている。引き戸4はフレーム2の収納空間の幅の1/2
よりも若干大きな幅を有する2枚のガラス板が前後に重
なるようにして配置されて構成されており、引き戸4の
取っ手部分に手を掛けて引き戸4をスライドさせること
により、収納物や展示物をケース内に入れたり、又はケ
ース内から取り出したりできるようになっている。な
お、図示の実施例では前面に引き戸を有する展示ケース
であるが、背面側に引き戸を設けるようにして物品の出
し入れを行なうものでもよいし、また扉のように開くも
のであってもよく、かかる構成は任意でありその他周知
の構成を適用できる。
【0011】上記展示ケース1の底面部、即ちフレーム
2の底面部には凹部が形成されており、この凹部内に平
板状をした永久磁石5が適宜の間隔をおいて取り付けら
れている。磁石5は、図2に示したように展示ケース1
の奥行き方向に延びた一枚の板状となっており、図示の
例では適宜の間隔をおいて4ヵ所に取り付けられてい
る。この磁石5の下面は、展示ケース1の下端面と略面
一となっている。この磁石5の厚さ方向(図1において
上下方向)には着磁が施されている。
【0012】一方、床面10上には上記展示ケース1の
底面よりも面積が広い凹部9が形成されおり、この凹部
9内には磁石8が取り付けられている。磁石8は棚1の
横幅よりも長い長さを有する平板状に形成されており、
図2に示すように上記展示ケース1側の磁石5に対して
直交する方向に適宜の間隔をおいて取り付けられてい
る。磁石8の上面は凹部9の上部開口面と略面一となる
ように配置されいる。また、磁石8にはその厚さ方向に
着磁が施されている。この磁石8の上面部には上記展示
ケース側の磁石5の下面部と同極の着磁が施されてお
り、磁石8と上記磁石5とが互いに反発しあうことで展
示ケース1を浮上させる浮上手段が構成されている。
【0013】上記図1、図2に示した実施例によれば、
通常時には展示ケース1側の磁石5と床面10側の磁石
8とが互いに反発しあっていることから、この磁石の反
発力が展示ケース1に対する押し上げ力となり展示ケー
ス1が床面10上から押し上げられた状態となってい
る。この状態で地震等による激しい揺れが発生すると、
床面10はあらゆる方向に振動する。しかしながら、展
示ケース1は上記磁石5と磁石8との反発力により床面
上から押し上げられていることから、地震の揺れエネル
ギーは遮断され、展示ケース1側への伝達を極力抑える
ことができる。
【0014】このように、磁石5及び磁石8からなる浮
上手段の押し上げ力により展示ケース1を床面10上か
ら押し上げて地震等による揺れエネルギーが展示ケース
1側へ伝達されることを防止するようにしたことから、
地震等による水平方向の揺れはもちろんのこと、地震等
よる上下方向の揺れに対しても展示ケース1内の物品が
破損したり、展示ケース1自体が転倒することを防止で
きる。なお、上記磁石5と磁石8とからなる浮上手段の
押し上げ力は、展示ケース1を床面10上から完全に浮
上させるような大きさでも良いが、展示ケース1が床面
10上から僅かに押し上げられ、展示ケース1の底部が
部分的に床面10に当接する程度であってもよい。即
ち、展示ケース1が床面10上から押し上げられると
は、浮上手段の押し上げ力によって展示ケース1が相対
移動するときの摩擦抵抗が少なくなる程度に押し上げら
れていればよく、押し上げ力により展示ケース1が床面
10上から浮上していなくともよい。また、磁石5、8
は互いに直交する方向に設けなくとも、互いに斜めにな
るように設けてもよいし、棚底面及び凹部全面を覆うよ
うな一枚の平板状のものであってもよい。また磁石5、
8を部分的に千鳥状に配置してもよい。
【0015】また、図1に二点鎖線で示すように展示ケ
ース1の下端部と床面10とを結ぶ制止手段7を設ける
ようにしてもよい。この制止手段としてはロープ、紐、
チェーン、金具、合成樹脂、ゴム、ばね、糸などでもよ
いし、またカムなどを利用したブレーキやかんぬきによ
るロック機構などでもよい。制止手段7は通常時には展
示ケース1を所定の位置に保持しておくことができる。
一方、地震等による激しい揺れが発生したときには、床
面10は地震等の揺れにより振動するが、展示ケース1
は磁石5、8の反発作用により浮上しているため、所定
の位置で自立したかたちとなる。したがって、展示ケー
ス1と床面10との相対的な移動により制止手段7が切
れたり、又は破壊されることにより展示ケース1の制止
が解除され、この制止手段7を介して地震等による揺れ
エネルギーが展示ケース1側に伝達されることはない。
なお、かかる制止手段7を設ける位置や数については任
意であり、展示ケース1の側面側だけでもよいし、四隅
部にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0016】図3に示した例は、浮上手段を構成する磁
石として永久磁石と電磁石とを用いた例であり、上記図
1に示す実施例と同一の構成については同一の符号を付
して説明を省略する。図2において、床面10には凹部
9が形成されており、この凹部9内には電磁石11が幅
方向に適宜の間隔をおいてかつ、紙面手前側と奥側とに
配置されている。電磁石11は略T字状に形成されたコ
ア部と、このコアの基部に巻き回された巻線とを有して
いる。コア部は笠部11aとこの笠部から下方に向かっ
て垂直に延出したリブ11bとを有しいる。笠部11a
の上面は展示ケース1側の磁石5の下面と対向するよう
になっている。また、上記リブ11bには巻線が巻回さ
れており、この巻線は図示しない制御回路により通電制
御されるようになっている。そして、この巻線が図示し
ない制御回路により通電され、その電磁作用により磁石
として作用するようになっている。また、凹部9の開口
部には、この開口部を塞ぐ板12が取り付けられてい
る。板12には、上記電磁石11の取り付け位置に対応
する位置に孔が形成されている。この孔内に上記電磁石
11の笠部11aが配置されるようになっている。この
孔の上部開口面と笠部11aの上面とは略面一となって
いる。
【0017】上記図3に示した実施例において、通常時
には電磁石11の巻線に通電し、展示ケース1側の磁石
5と電磁石11とが同極となるようにし、この反発力に
より展示ケース1を押し上げる。この状態で地震等によ
る揺れが発生した場合、展示ケース1は磁石5と電磁石
11との反発作用により押し上げられていることから、
床面10の揺れエネルギーが展示ケース1側に伝達され
るとを極力抑えることができる。従って、かかる実施例
によっても上記図1に示す実施例と同様の効果を奏する
ことができる。
【0018】上記図3に示した実施例は、常時電磁石1
1に通電するようにした例であったが、感震装置を設
け、通常時には通電を遮断しておき、感震装置が地震等
による揺れを感知したときに電磁石11に通電するよう
にしてもよい。このようにすれば、通常時には展示ケー
ス1を板12上に載置して安定して保持できるため展示
ケースがふらつくこともなく安全であるし、また常時通
電しておく必要がないためランニングコストの低減を図
ることができる。また、通常時には電磁石11に通電し
て磁石5とは異極を形成するようにし、電磁石11と磁
石5とが互いに引きあうようにし、感震装置が地震等に
よる揺れを感知したときに電磁石11の磁極を変えて電
磁石11と磁石5とが互いに反発しあうようにしてもよ
い。これにより、通常時には展示ケース1をより安定し
て保持することができる。また、磁石同士が直接対向し
なくとも、磁性体の板を介して対向するようにしてもよ
い。
【0019】なお、感震装置については展示ケース1に
取り付けるようにしてもよいし、また展示ケース1が設
置される建物自体に取り付けるようにしてもよい。また
複数の展示ケース1を並べて配置する場合には、感震装
置を個々の展示ケースに取り付けてもよいし、また一ヶ
所に取り付けてそこからの信号で全部の展示ケースを制
御するようにしてもよい。かかる場合にはケーブルなど
の配線により信号を伝達するようにしてもよいし、無線
によって信号を伝達してもよい。また、上記電磁石11
や感震装置等を停電時に駆動させるため、バックアップ
用の電源を設けるようにしてもよい。バックアップ用電
源としては、バッテリーや発電機などを設けてもよい
し、小容量で足りる場合にはコンデンサ等を用いること
もできる。上記図3に示した例では、床面側の磁石を電
磁石としたものであったが、展示ケース側の磁石を電磁
石としてもよいし、また展示ケース側及び床面側のいず
れの磁石も電磁石としてもよい。
【0020】図4に示した例は、展示ケース1の底面よ
りも広い面積を有する台2e上に展示ケース1を載置し
て保持した例である。この実施例では台2eの下面部に
磁石が取り付けられており、その他の構成については上
記図1、図2に示した実施例と同様である。図4に示し
た実施例によれば、台2eの下面は展示ケース2の下面
の面積が広くなるように形成されていることから、浮上
手段を構成する磁石5をより多数取り付けることがで
き、十分な押し上げ力を得ることができる。なお、図4
に示すように展示ケース1と台2eとを別体として構成
しなくとも、一体に構成してもよい。
【0021】図5に示した実施例は、浮上手段とローラ
等による支持手段とを併用した例である。なお、上記図
1、図2に示した実施例と同一の構成については同一の
符号を付して説明を省略する。図5において凹部9内に
は、浮上手段を構成する板状の磁石8が適宜の間隔をお
いて取り付けられている。互いに隣合う磁石8,8間及
び凹部9の内側面と磁石8との間には、支持手段として
のローラ15が取り付けられている。ローラ15はその
軸を中心として図において左右方向に回転自在となって
いる。ローラ15の上端部は、磁石8の上面よりも僅か
に高くなるように形成されており、このローラ15の上
端部が展示ケース1の底面と当接するようになってい
る。
【0022】このような状態で地震等による揺れが発生
すると、展示ケース1は磁石5と磁石8との反発作用に
より床面10上からある程度押し上げられているため、
地震等の揺れエネルギーが展示ケース1側に伝達される
ことを防止できる。また、この磁石5及び磁石8からな
る浮上手段による押し上げ力が不均一な場合又は弱い場
合には、展示ケース1の底面がローラ15と当接し、こ
のローラ15により展示ケース1が床面の揺れに対して
相対的に移動可能に支持される。よって、このローラ1
5の自由回転により展示ケース1が地震等の揺れに対し
て相対的に移動でき、揺れのエネルギーが展示ケース1
側に伝達されることを極力防止できる。
【0023】なお、上記実施例では、支持手段としてロ
ーラを用いたが、このローラに変えてキャスターやオム
ニホイル(商品名)を用いてもよいし、またボールやロ
ーラを介在させてもよい。また、樹脂など滑り部材を取
り付けてもよいし、また展示ケースとの当接面に潤滑油
を塗った支持部材で展示ケースを滑らせてもよい。ま
た、支持手段としてゴムやばねなどを配置してもよく、
かかる場合にはゴムやばねなどが撓むことにより展示ケ
ース側へ地震等による揺れエネルギーの伝達を極力抑え
ることができる。
【0024】また、図6に示したように床面側の凹部9
の大きさを展示ケース1の底面よりも小さくし、凹部9
の両端側に支持手段としてのローラ15を設け、このロ
ーラ15により展示ケース1の底部両端部を支持しても
よい。
【0025】なお、上述の図4ないし図6に示した実施
例では、磁石として永久磁石を用いた例を説明したが、
図3に示した実施例同様、永久磁石と電磁石とを併用し
てもよいし、また電磁石のみでもよい。
【0026】次に、本発明にかかる別の実施例について
図7を用いて説明する。なお、上記図1、2に示した実
施例と同一の構成については同一の符号を付して説明を
省略する。図7において、展示ケース21は、その底面
に磁石が取り付けられていない点を除き、図1の例で示
したものと同様の展示ケースである。一方、床面10に
は凹部9が形成されており、この凹部9内には浮上手段
としてのエアーを導き、噴出するホース20が配置され
ている。ホース20の上端部には、このホース20に連
通し、ホース20によって送られてきたエアーを噴出す
るための細管20aが多数形成されている。この細管2
0aは展示ケース1の底面よりも広い範囲にわたって形
成されており、展示ケース1が移動してもエアーの噴出
している範囲から外れないようになっている。また、凹
部9の開口部にはこの開口部を塞ぐようにして板27が
取り付けられている。この板27には多数の孔が形成さ
れており、この孔に上記細管21aの開口が位置するよ
うになっている。
【0027】上記ホース20には、エアーを圧縮して送
り出すコンプレッサ26と、エアーの温度、湿度を調節
する空調器25と、エアー中のゴミや埃などの異物を取
り除く空気清浄器24と、圧縮されたエアーを一時貯え
ておくためのタンク23とが取り付けられている。そし
て、タンク23の排出口側にはバルブ22が取り付けら
れており、このバルブ22が開かれることによりタンク
23内のエアーがホース20を介して展示ケース1側に
供給されるようになっている。このバルブ22は図示し
ない感震装置からの信号により、開閉動作するように制
御されている。
【0028】上記図7に示した実施例によれば、通常時
には上記バルブ22を閉めておき、コンプレッサ26等
によりタンク23内に常時圧縮エアーを貯めておく。こ
の状態では、バルブ22が閉められてホース20側にエ
アーが供給されないため、展示ケース1は板27上に保
持され、安定した状態となっている。この状態で地震等
による揺れが発生すると、この揺れを感震装置が感知
し、この信号がバルブ22の制御回路に入力されバルブ
22が開放される。バルブ22の開放によりタンク23
内に貯えられていたエアーが一気に噴出される。これに
より、ホース20を介して細管20aから展示ケース1
の底面に向かってエアーが勢いよく噴出され、このエア
ーの押し上げ力により展示ケース1が板27上から押し
上げられる。
【0029】このように、エアーによる浮上手段の押し
上げ力により展示ケース1を床面10上から押し上げて
地震等による揺れエネルギーが展示ケース1側へ伝達さ
れることを防止するようにしたから、地震等による水平
方向の揺れだけでなく、地震等よる上下方向の揺れに対
しても展示ケース1内の物品が破損したり、又は展示ケ
ース1自体が転倒することを防止できる。また、エアー
は空調器25、空気清浄器24を介してから展示ケース
側に供給されることから、特に文化財や絵画などその保
管のために温度、湿度の管理が要求されるものの展示、
保管にも優れた効果を奏することができる。なお、上記
エアーによる浮上手段の押し上げ力は、展示ケース1を
床面10上から完全に浮上させるような大きさでもよい
が、展示ケース1が床面10上から僅かに押し上げら
れ、展示ケース1の底部が部分的に床面10に当接する
程度であってもよい。即ち、展示ケース1が床面10上
から押し上げられるとは、浮上手段の押し上げ力によっ
て展示ケース1が相対移動するときの摩擦抵抗が少なく
なる程度に押し上げられていればよく、押し上げ力によ
り展示ケース1が床面10上から浮上していなくともよ
い。
【0030】なお、上記実施例では地震等による揺れが
発生した場合だけバルブを開いてエアーを供給するよう
にした例であるが、常時エアーにより展示ケース1を押
し上げるようにしてもよい。かかる場合には、前述の制
止手段を設けて、通常時には展示ケース1がみだりに移
動しないように制止させ、地震等による揺れが発生した
ときには制止手段が開放するようにしてもよい。このよ
うにした場合であっても上記図1、図2に示す実施例と
同様の効果を奏することができる。また、コンプレッサ
や感震装置などのバックアップ用の電源を設けるように
してもよく、このバックアップ用の電源としてはバッテ
リーや発電器、コンデンサなどを用いることができる。
【0031】上記タンクに代えてボンベを用い、地震等
による揺れが発生したときにボンベのバルブを開いてエ
アーを噴出させることで、展示ケース1を浮上させるよ
うにしてもよい。かかる場合にはボンベ内のエアーとし
て窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、又は大気と同じ成分
のエアーなど任意のエアーを用いることができる。ま
た、不燃性のエアーを用いた場合には火災が発生した場
合に火災の拡大を防止できるなどの効果がある。また、
エアーを噴出するときにボンベの温度が急激に低下する
ため、ボンベを断熱材で囲っておけばよく、これにより
人がボンベに接触してけがをすることなどを防止でき安
全である。なお、図4ないし図6に示したものに本実施
例の浮上手段としてのエアーを適用してもよい。
【0032】また、図8に示すように板27に形成され
た孔のエアー噴出口の周辺部を、この噴出口に向かって
徐々に深くなるすり鉢状の凹部27aとしてもよい。こ
れにより、凹部27aと展示ケース1の底面との間の空
間が、凹部27aの中心から外側に向かって徐々に狭く
なるため、細管20aから噴出したエアーが凹部27a
の外側にいくにしたがって徐々に圧縮されるため、均一
な押し上げ力により効率よく展示ケース1を押し上げる
ことができる。
【0033】なお、上記図7,図8に示した実施例は、
いずれも床面側からエアーを噴出させて展示ケースを押
し上げるものであったが、図9に示すように展示ケース
1の底部にホース20と細管20aとを設けて、展示ケ
ース1の底部から床面10に向けてエアーを噴出させて
展示ケース1を押し上げるようにしてもよい。このよう
に図9に示した実施例によっても上記図7に示した実例
と同様の効果を奏することができる。なお、展示ケース
1の底面側から床面側に向けてエアーを噴出させる場合
には、図9に二点鎖線で示すように展示ケース1の底部
全周を覆うようにしてスカート28を設けるようにして
もよい。これによりエアーを効率よく利用することがで
きるし、また噴出されたエアーが展示ケース1の周辺に
悪影響を与えることを防止できる。
【0034】次に、本発明にかかる別の実施例について
図10を用いて説明する。図10において、符号30は
床面上に保持されたテーブルを示しており、このテーブ
ル30上にフラットボード31が載置されている。フラ
ットボード31は平板状に形成されており、その上部に
文化財などの物品32を展示、保管するようになってい
る。上記フラットボード31の底面部には紙面手前側か
ら奥側に向かって延びた凹部が適宜の間隔をおいて形成
されており、この凹部内に平板状をした永久磁石35が
取り付けられている。磁石35は紙面手前側から奥側に
向かって延びた一枚の板状となっており、図示の例では
適宜の間隔をおいて4ヵ所に取り付けられている。この
磁石35の下面はフラットボード31の下端面と略面一
となっている。
【0035】一方、床面30上には上記フラットボード
31の底面よりも面積が広い凹部39が形成されおり、
この凹部39内には磁石38が取り付けられている。磁
石38はフラットボード31の横幅よりも長い長さを有
する平板状に形成されており、上記フラットボード31
側の磁石35に対して直交する方向に適宜の間隔をおい
て取り付けられている。磁石38の上面は凹部39の上
部開口面と略面一となるように配置されいる。また、磁
石38の上面部には、展示ケース側の磁石35の下面部
と同極の着磁が施されており、この磁石38と磁石35
とが互いに反発しあうようになっており、この磁石35
と磁石38により展示ケース1の浮上手段が構成されて
いる。
【0036】上記図10に示した実施例によれば、通常
時には磁石35と磁石38との反発作用により、フラッ
トボード31がテーブル30上から押し上げられてい
る。この状態で地震等による揺れが発生すると、床面の
揺れエネルギーがテーブル30に伝達されテーブル30
は激しく揺れる。しかし、フラットボード31は上記磁
石35と磁石38との反発作用により、テーブル30上
から押し上げられていることから、地震等による揺れの
エネルギーがフラットボード31に伝達されることを極
力抑えることができる。したがって、上記フラットボー
ド式の収納・展示設備においても上記図1、図2に示し
た実施例と同様の効果を奏することができる。
【0037】なお、図10に破線で示すようにフラット
ボード31の上面に地震等による揺れの衝撃を緩衝する
ための緩衝部材33を設けてもよい。かかる緩衝部材3
3としては、カーペット、絨毯、ゴムマット、スポン
ジ、布などを用いることができる。これにより、地震等
の揺れが激しくそのエネルギーがフラットボード31側
に多少とも伝達された場合であっても、物品32の破損
を防止できる。また、収納展示物品32の性質によって
は磁気を嫌うものもあるため、フラットボードの上面部
に磁気シールドを設けてもよく、これにより磁石35,
磁石38からの漏洩磁束が展示物品に対して悪影響を与
えることを防止できる。
【0038】また、通常時にフラットボード31が勝手
に移動しないようにするため、フラットボード31の各
隅部に制止手段37を取り付けるようにしてもよい。か
かる制止手段37の具体的構成や作用などについては上
述の図1に示したものを用いることができる。これによ
り、通常時には制止手段37によりフラットボードを制
止させておくことができ、所定の位置に保持することが
できると共に、地震等による揺れが発生したときにはこ
の制止手段が開放するため、地震の揺れエネルギーがフ
ラットボード31側に伝達されることを極力抑えること
ができる。
【0039】なお、地震等によるによる縦揺れにより、
フラットボードが突き上げられないようにするため、図
11、図12に示したような保持手段を適用するこがで
きる。図11、図12において、床面に形成された凹部
39の各隅部の延長線上には溝37aが形成されてい
る。溝37aは、図12に示すように開口部上端から開
口部中央に向かって延出した係止部を有しており、この
凹部37a内には板状の係合部材37bが配置されてい
る。この係合部材37bの幅は、溝37aの開口よりも
大きな幅となっており、係合部材37bの両端部が上記
溝37aの係止部に当接するようになっている。また、
フラットボード31と係合部材37bの上端部との間に
は、ばね37cが取り付けられており、一方係合部材3
7bの下端部と溝37aの底面との間には、ばね37d
が取り付けられている。そして、上記ばね37c及びば
ね37dにより係合部材37bが所定の位置に支持され
るようになっている。
【0040】このように図11、図12に示した保持手
段によれば、通常時には各溝37aに設けられたばね3
7c及びばね37dの付勢力が互いに均衡することによ
り、フラットボード31が所定の位置に保持される。こ
の状態で地震等による揺れが発生すると、フラットボー
ド31は浮上手段によりテーブル上から押し上げられて
いることから、地震等による横揺れに対してはフラット
ボード31への揺れのエネルギーの伝達を極力抑えられ
るし、またばね37c及びばね37dが伸縮することに
よっても、フラットボード31側への揺れエネルギーの
伝達を極力抑えることができる。また、地震等による縦
揺れが激しい場合には、テーブル30がフラットボード
31を突き上げるようになる。この縦揺れによりばね3
7cを介して係合部材37が持ち上げられる。これに対
しては、係合部材37が溝37aの開口部の係止部に当
接してその移動が阻止されるため、係合部材37を支点
としてばね37cが伸縮することによりフラットボード
31を保持することができる。
【0041】上記図10ないし図12に示した実施例
は、磁石35,38として永久磁石を用いたものであっ
たが、前述の図3に示した実施例のように永久磁石と電
磁石とを併用してもよいし電磁石だけでもよい。また、
上記図10ないし図12に示した実施例では浮上手段と
して磁石を用いた例であったが、この磁石に代えて前述
の図7ないし図9に示したように浮上手段としてエアー
を用いてもよい。また、前述の図5、図6に示した実施
例のように、磁石やエアーなどの浮上手段と、ローラな
どの支持手段とを併用してもよい。これらの場合であっ
ても前述の実施例と同様の効果を奏することができる。
【0042】次に、本発明にかかる別の実施例について
図13を用いて説明する。図13に示した実施例は、本
発明にかかる免震装置を物品の載置設備としての棚に適
用した例である。図13において床面40上には棚41
が配置されている。棚41は周知の構造であって、底板
43と、この底板43の側端部から垂直に立ち上がるよ
うにして取り付けられた梁42,42と、底板43から
垂直に立ち上がり、上記梁42,42間を適宜の間隔に
区分するように取り付けられた中間梁42aと、梁4
2、42と中間梁42aの上端部にわたって取り付けら
れた天板43aと、上記梁42と中間梁42aとの間及
び中間梁42a間のスペースを適宜の段数にわたって仕
切る棚板44とを有している。そして、上記棚板44上
に収納、保管される物品が載置されるようになってい
る。
【0043】上記棚41の底部、即ち底板46の底部に
は凹部が形成されており、この凹部内に適宜の間隔をお
いて磁石45が取り付けられている。この磁石45は紙
面手前側から奥側に向かって延びた一枚の板状となって
おり、図示の例では梁42及び中間梁42aの位置に応
じて取り付けられている。この磁石45はその厚さ方向
に着磁が施されており、磁石45の下面は棚41の底面
の凹部開口面と略面一となっている。一方、床面上には
上記棚41の底面よりも面積が広い凹部49が形成され
おり、この凹部49内には磁石48が取り付けられてい
る。磁石48は棚41の幅よりも長い長さを有する平板
状に形成されており、上記棚41側の磁石45に対して
直交する方向に適宜の間隔をおいて取り付けられてい
る。磁石48はその厚さ方向に着磁が施されており、磁
石48の上面は凹部49の上部開口面と略面一となるよ
うに配置されいる。また、磁石48の上面部には、棚側
の磁石45の下面部と同極の着磁が施されており、磁石
48と磁石45とが互いに反発しあうようになってい
る。そして、この磁石45と磁石48とにより棚41の
浮上手段が構成されている。
【0044】上記図13に示す実施例によれば、通常の
状態では上記磁石48と磁石45との反発作用により棚
41が押し上げられている。この状態で地震等の揺れが
発生すると、床面40が激しく揺れる。しかし、棚41
は上記磁石45と磁石48の反発作用により床面40上
から押し上げられていることから、地震等による揺れの
エネルギーが棚41側へ伝達されることを極力抑えるこ
とができる。したがって、棚41内の収納物が飛び出し
たり、破損したり、また棚41の転倒を防止できる。
【0045】図14に示した実施例は本発明にかかる免
震装置を可動棚に適用した例である。なお、上記図13
に示した実施例と同一の構成については同一の符号を付
して説明を省略する。図14において、可動棚51は可
動台車52と、この可動台車52上に載置された棚41
とを有している。可動台車52の底部の両端部には、車
輪55が紙面手前側と奥側とにそれぞれ取り付けられて
いる。車輪55は軸を中心として紙面手前側、奥側に回
転自在となっており、図示しない伝達駆動系を介して後
述のハンドル54からの回転力が伝達されるようになっ
ている。そして、車輪55が図示しない軌条上を回転す
ることにより、可動台車51全体が紙面に直交する方向
に走行可能となっている。
【0046】可動台車52の左端部にはパネル53が取
り付けられている。このパネル53は上記棚41の側面
より広い幅を有すると共に、棚41の高さよりも高く形
成されており、棚41の左側面全体をカバーするように
なっている。このパネル53にはハンドル54が取り付
けられている。ハンドル54は駆動軸、減速機構などの
可動台車52の駆動系が連結されており、ハンドル54
の回転力が駆動機構に伝達されて可動台車52を走行さ
せるようになっている。なお、駆動機構の具体的な構成
については、周知の構成を適用することができるため説
明を省略する。
【0047】可動台車52の上端部にはその幅方向に長
い凹部が形成されおり、この凹部内に磁石58が取り付
けられている。磁石58は可動台車52の幅方向に長い
長さを有する平板状に形成されている。磁石58の上面
は凹部の上部開口面と略面一となるように配置されい
る。また、棚41自体の構成は、上記図13に示した実
施例と同様であり、その底面には、上記可動台車52側
の磁石58に対して直交する方向に磁石45が取り付け
られている。磁石45は上記可動台車52に設けられた
磁石58と対向するようになっている。そして、磁石4
5と磁石58は互いに同極同士が合い対峙して互いに反
発しあうようになっており、この磁石45と磁石58と
により浮上手段が構成されている。
【0048】上記図14に示した実施例によれば、通常
時には磁石45と磁石58との反発作用により棚41は
可動台車52上から押し上げられた状態となっている。
この状態で地震等による揺れが発生すると、この揺れエ
ネルギーは床面から車輪55を介して可動台車52に伝
達される。しかし、棚41は磁石45と磁石58との反
発作用により可動台車52上から押し上げられているた
め、地震等による揺れのエネルギーが可動台車52を介
して棚45側に伝達されることを極力抑えることができ
る。したがって、棚41内の収納部が飛び出したり、破
損したり、可動台車51自体が転倒することを防止でき
る。
【0049】上記図13、図14に示した実施例は、浮
上手段を構成する磁石として永久磁石を用いたものであ
ったが、前述の図3に示した実施例のように永久磁石と
電磁石とを併用してもよいし、また電磁石だけでもよ
い。また、上記図13、図14に示した実施例は浮上手
段として磁石を用いた例であったが、磁石に代えて前述
の図7ないし図9に示したように浮上手段としてエアー
を用いてもよい。また、前述の図5に示した実施例のよ
うに、磁石やエアーなどの浮上手段と、ローラなどの支
持手段とを併用してもよい。これらの場合であっても前
述の実施例と同様の効果を奏することができる。
【0050】上記図13,14に示した例のように、パ
ネルを有する棚にあってはパネル53の変形を防止する
ため、図15ないし図22に示したパネルの変形防止手
段を設けてもよい。図15に示した例は、パネルの変形
防止手段としてパネル53の上端部から側方に向けてロ
ッド60を延設し、このロッド60の先端部分にロッド
60の上面から下面に向かって貫通した孔60aを設け
ると共に、棚41の上端部にL字状の係合部材61を取
付け、この係合部材61の一端部を上記孔60a内に貫
通させて係合させたものである。
【0051】図15に示した例によれば、通常時には、
パネル53は係止部材61及びロッド60を介して棚4
1と連結されているため、作業時に可動棚を走行させる
などしても、この反動などによりパネルが破損したり、
またパネルに取り付けられた可動棚の駆動機構に悪影響
を及ぼすことを防止することができる。
【0052】また、この状態で地震等による揺れが発生
すると、この揺れのエネルギーが可動台車を介してパネ
ル53に伝達され、パネル53が振動し、この揺れのエ
ネルギーがロッド60を介して係止部材61に伝達され
る。この揺れエネルギーにより係止部材61が折れたり
壊れたりすることにより、棚41とパネル53との連結
が解放され、棚41は可動台車上で相対移動可能とな
り、パネル53が棚41の免震効果を妨げることはな
い。
【0053】なお、ロッド60の孔60aの形状を楕円
形にしたり、またその大きさを大きくして係合部材61
との間にある程度の遊びをもたせるようにしてもよい。
また、上記実施例のようにロッドの貫通孔に代えて、ロ
ッドの下端部に有底の凹部を形成し、この凹部に係止部
材を係止させてもよい。また、これとは逆にロッド側に
係止部材を設けると共に、棚の上端部にこの係止部材と
係合する凹部を形成してもよい。
【0054】図16に示した実施例はロッド60の底面
部に凹部62を形成し、この凹部62内にばね63と、
このばねにより下方に向かって付勢されたボール64と
を配置すると共に、棚41の上端部に上記ボール61が
当接するようにし、この当接部にボール64を受けるた
めの凹部65を形成した例である。図16に示した実施
例によれば、通常時にはボール64がばね63により下
方に付勢され、このボール64が棚41上の凹部65に
押圧されながら係合することにより、棚41とパネルと
が連結される。従って、作業時に可動棚を走行させるな
どしても、この反動などによりパネルが破損したり、ま
たパネルに取り付けられた可動棚の駆動機構に対して悪
影響を与えることを防止できる。また、この状態で地震
等による揺れが発生すると、棚41の移動によってボー
ル57がばね56の付勢力に抗して上方に押し上げら
れ、棚41側とパネル側との連結が解放される。これに
よりパネルが棚41の免震効果を妨げることはなく、上
記実施例と同様の効果を奏することができる。なお、上
記実施例とは逆に棚41上部に凹部を形成し、その中に
ばねとボールとを配置し、これに対応するロッドの底面
部に曲面状の凹部を形成するようにしてもよい。
【0055】パネルの保護手段としては、上記ロッドの
下端部に電磁石を設けると共に、これに対応する棚の上
端部に磁性体を設けてもよい。かかる場合には通常時
に、上記電磁石に通電することにより棚側の磁性体を吸
着して棚とパネル側とを連結させる。一方、地震等によ
る揺れが発生したときには、この揺れを感震装置で感知
して電磁石への通電を断ち、棚とパネル側との連結を開
放する。このようにしても上記実施例と同様の効果を奏
することができる。
【0056】図17に示した実施例は、ロッド60の下
端部にラック66を形成すると共に、棚41の上端部に
上記ラックと係合するピニオン67とを設け、このピニ
オン67をかんぬき手段68で制止させたり、解放した
りするものである。かんぬき手段68は、ピニオン67
と係合するかんぬき69と錘70とを有している。かん
ぬき69の下端側の一側部には凹部69aが形成されて
おり、このかんぬき69はその下端部に設けられたばね
71により常時下方に向かって付勢されている。また上
記錘70はその上端部に形成された軸70aを中心とし
て図において左右方向に振れるようになっている。錘7
0の中間部には図において左方向に向かって係止片70
bが突出して形成されており、この係止片70bが上記
かんぬき69の凹部69aに係合するようになってい
る。なお、かんぬき手段68は棚41の天板内に凹部を
形成しこの凹部内に設けてもよいし、凹部を設けずに天
板上に取り付けるようにしてもよい。
【0057】上記図17に示した例によれば、通常時に
はかんぬき69の凹部69aに錘70側の係止片70b
が係合しているため、かんぬき69はばね70の付勢力
に抗して係止されている。この状態では、かんぬき69
の上端部が棚41の上端面から突出してピニオン67と
係合していることから、ピニオン67は回転することが
できず、このピニオン67及びラック66を介して棚4
1とパネルとが連結されている。従って、通常の作業時
などにパネルがみだりに振動することを防止でき、パネ
ルが破損したりまたパネルに取り付けられた駆動機構な
どに悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0058】この状態で地震等による揺れが発生する
と、その揺れのエネルギーは可動台車を介してパネル5
3、ロッド60へと伝達される。この状態ではかんぬき
69によりピニオン67の回転が規制されているため、
ラック66、ピニオン67を介して地震等の揺れエネル
ギーが棚41側に伝達される。そのため、棚41は地震
の初期状態ではこの地震の揺れエネルギーによって振動
する。そして、この地震等による揺れのエネルギーは棚
41の上端部に取り付けられた錘70にも伝達され、こ
の錘70が軸70aを中心に左右方向に揺れることによ
りかんぬき69の凹部69aに係合していた係止片70
bが凹部69aから外れて係止が解除される。これによ
り、ばね71の付勢力により、かんぬき69が下方に引
っ張られ、かんぬき69によるピニオン67の係止が解
除され、ピニオン69は自由に回転可能となる。したが
って、地震の揺れエネルギーによりパネルが振動して
も、この振動エネルギーはロッドを介して棚側に伝達さ
れることはなく、棚の免震効果を妨げることはなく、上
記実施例と同様の効果を奏することができる。
【0059】なお、上記図17に示した実施例では地震
の揺れエネルギーを利用してかんぬき69を開放するよ
うにしたものであったが、感震装置を設けて、この感震
装置が地震による揺れを感知したときにソレノイドなど
のアクチュエータを駆動させてかんぬき69を作動さ
せ、ピニオン67の係止を解除させてもよい。また、感
震装置やアクチュエータのバックアップ用の電源を設け
るようにしてもよい。また、地震による棚の振動等を考
慮してロッド60を蝶番などを介してパネル53へ取付
け、ロッド60がこの取付け部を中心に上下に回動でき
るようにしてもよい。
【0060】図18に示した例は、本発明に適用可能な
パネルの変形防止手段の別の例を示したものである。な
お、上記図14に示した実施例と同一の構成については
同一の符号を付して説明を省略する。図18において、
可動台車52の一側端部にはパネル53が蝶番76を介
して取り付けられている。可動台車52の上端一側辺部
とパネル53の下端一側辺部とが互いに当接しており、
パネル53の下端部と可動台車52の一端部との間には
スペースSが形成されている。上記蝶番76は紙面手前
側と奥側とにそれぞれ取り付けられており、この蝶番7
6を中心としてパネル53が図において左右方向に回動
自在となっている。一方、パネル53の上端部と棚51
の上端部との間には、止め具75が取り付けられてい
る。この止め具75としては、ゴム、ばね、合成樹脂に
より構成してもよいし、またユニバーサルジョイントを
用いてもい。止め具75の一端部には孔が形成されてお
り、この孔にビス75aが挿通されている。これにより
ビス75を中心として止め具75がパネル53に対して
回動自在に取り付けられている。また止め具75の他端
部も同様に孔が形成されており、この孔にビス75bが
挿通されている。そして、このビス75bを中心に止め
具75が棚41に対して回動自在に取り付けられてい
る。
【0061】このような状態で地震等による揺れが発生
すると、この揺れのエネルギーが車輪55、可動台車5
2、蝶番76を介してパネル53に伝達される。パネル
53はこの地震等による揺れエネルギーにより、蝶番7
6を中心として図において左右方向に相対移動する。し
たがって、このパネル53の相対移動により、棚51の
相対移動を妨げることはないし、またパネル53の相対
移動により地震等による揺れのエネルギーを吸収でき、
パネル53自体の破損やパネル53に取り付けられた可
動棚の駆動機構の保護などを図ることができる。また、
パネル53の下端部側にスペースSを設けたことから、
パネル53が回動する際に可動台車52の端部が障害と
なることはないし、またパネル53の下端部が作業者の
足に引っ掛ることもなく安全である。
【0062】図19に示した例は、可動台車52のパネ
ル53の取付け部側の下端部に傾斜面77を設けると共
に、パネル53の下端部を可動台車52の底面近傍まで
伸ばして配置した例である。その他の構成については上
記図18に示した実例と同様であるため、同一の符号を
付して説明を省略する。このように、図19に示した実
施例によれば、地震等の揺れによりパネル53が回動し
た場合いであっても、可動台車52の一端側の下端部に
傾斜面77が形成され、スペースSが形成されているた
め、パネル53の下端部が可動台車52に当接してパネ
ル53の回動の障害となることはなく、上記図18に示
した例と同様の効果を奏することができる。また、パネ
ル53の正面側からみた場合にパネル53の下端部側に
余分なスペースがなくなり、外観上仕様を良好とするこ
とができる。なお、パネル53の下端部の前面側にも傾
斜面を設けて、このパネル53の下端部の角部が床面に
当接しないようにしてもよい。
【0063】上記図18、図19に示した実施例におい
て、蝶番を設ける数や位置などは任意であり、紙面手前
側と奥側とにわたって複数個設けてもよい。また、蝶番
に代えて合成樹脂板や板ばねを屈曲させて、それぞれの
端部をパネル側と可動台車側に取り付けてもよい。ま
た、蝶番に代えて図20に示したようにパネルと可動台
車との当接部にそれぞれ略L字状の係合部材78,79
を設け、この係合部材78,79によりパネル53を回
動自在に支持してもよいし、図21に示すように係合部
78,79の形状を渦巻状にしてもよい。また操作面側
だけでなく反対側の建物の壁面側にもパネル85を設け
る場合には、図22に示すように前後(図においては左
右)のパネルを支持部材86で連結してもよい。また、
この場合には支持部材86の荷重を支持するため、棚上
に車輪87を設けてもよい。なお、車輪87に代えてキ
ャスターやオムニホイル(商品名)、ボール、ローラを
設けても良いし、また樹脂や潤滑剤を塗布した滑り部材
を設けてもよい。
【0064】上述の各実施例では、ハンドル式の可動棚
であったが本発明はかかる可動棚だけでなく、手引式の
可動棚や電動式の移動棚にも適用することができる。ま
た、これらの棚を複数配置して使用することもでき、そ
の配置としては横移動式や縦移動式、横引き式など種々
のものに適用することができる。また、上記可動台車の
車輪55をキャスターやオムニホイル(商品名)として
もよい。これにより可動台車自体が地震等による床面の
揺れに対して相対的に移動することができ、あらゆる方
向からの揺れのエネルギーを吸収することができる。
【0065】可動棚の走行をガイドするため図23に示
したように、可動棚を配置する建物の壁面80にガイド
81を設けると共に、可動台車の側部に車輪83を設
け、この車輪がこのガイド81に沿って移動することに
より可動棚の走行をガイドするようにしてもよい。上記
ガイド81はその先端部にガイド溝80aを有してい
る。可動台車の側部には車輪の支持部材82が取り付け
られており、この支持部材82の先端部に水平方向に回
転可能な車輪83を設け、この車輪83が上記ガイド溝
80aに沿って回転するように配置されている。なお、
この車輪83は紙面手前側と奥側とに設けるようにす
る。また可動台車の車輪55は軌条を走行するものでも
よいし、また軌条を設けなくともよい。また、ガイド8
1は床面に設けてもよし、ガイドの形状も任意である。
また、車輪83に代えて樹脂などの滑り部材を取り付け
てもよい。
【0066】なお、上述の実施例では棚を浮上手段によ
り押し上げて棚の免震を行なうものであったが、図24
に示した実施例のように上記浮上手段を可動棚の走行に
利用してもよい。図24において、棚91の一側部には
取っ手92が設けられている。また、棚91の底部には
浮上手段としての磁石95が取り付けられている。磁石
95は、棚の幅方向に長く形成された一枚の板状となっ
ており、その厚さ方向に着磁が施されている。また、棚
91自体の構成は前述の図13に示した実施例と同一で
あるため説明を省略する。また床面90上には紙面手前
側から奥側に向かって延びた溝99が互いに平行に形成
されている。各溝99内には平板状の磁石98が全体に
わたって形成されている。この磁石98はその厚さ方向
に着磁が施され、上記棚91側の磁石95と同極同士が
相対峙して互いに反発しあうようになっており、この磁
石95と磁石98とにより棚の浮上手段が構成されてい
る。
【0067】上記図24に示した実施例によれば、通常
時には磁石95,98の反発作用により棚91は床面9
0上から押し上げられた状態となっている。この状態で
棚91内へ収納物を収納したり、また棚91内の収納物
を取り出すため棚91を移動させる場合、取っ手92に
手を掛けて棚91を引くことにより移動させることがで
きる。また、この状態で地震等による揺れが発生した場
合、棚91は磁石95と磁石98との反発作用により床
面90上から押し上げられているため、地震等による揺
れのエネルギーが棚91側に伝達されることを極力抑え
ることができる。したがって、棚91内に収納された収
納物が棚内から飛び出したり、破損したり、又は棚91
自体が転倒することを防止することができる。
【0068】なお、上記実施例は浮上手段として永久磁
石を用いたものであったが、前述の図3に示した実施例
のように永久磁石と電磁石とを併用してもよいし、また
電磁石だけを用いてもよい。電磁石を用いる場合には、
入出庫作業をしないときには電磁石の電源をオフして棚
を床面上に保持すると共に、感震装置を設けて感震装置
が地震等による揺れを感知したときに棚を浮上させても
よい。このようにすれば、入出庫作業しないときには棚
を床面上に安定して保持することができるし、無駄な電
力を消費しなくともよいため運転コストを抑えることが
できる。なお、かかる場合にも、前述の実施例同様、電
磁石及び感震装置のバックアップ電源を設けてもよい。
【0069】また、上記図24、図25に示した磁石に
代えて前述の浮上手段としてエアーを用いてもよい。ま
た、前述の実施例のように、磁石やエアーなどの浮上手
段と、ローラなどの支持手段とを併用してもよい。
【0070】上記図24に示した実施例のように棚を浮
上手段により床面上から押し上げるだけでは、棚を入出
庫作業時に走行させる際、棚が不安定となってしまうた
め、図25、26に示したようなガイド手段を設けるよ
うにしてもよい。図25、26において、棚100の底
面部には凹部100aが形成されており、この凹部10
0aの上面から下方に向かって支持部材101が取り付
けられている。この支持部材101は紙面に直交する方
向に長い平板状に形成されており、その幅方向の中央部
には上下にそれぞれ孔101aが形成されている。
【0071】上記凹部100a内にはローラ102が配
置されており、このローラ102はその中心軸から上方
に向かって延びたローラ支持体を有している。このロー
ラ支持体の幅方向の中心部には上下にそれぞれ孔102
aが形成されている。孔102aが上記支持部材101
の孔101aと重なり合わされて、この孔101a及び
102aに二俣に形成されたかんぬき103が挿通され
ることにより、ローラ102が支持部材101に支持さ
れている。この状態ではローラ102は凹部100aの
開口部下面よりも下方に突出している。上記凹部100
aの幅方向の中央部近傍には支持台を介してソレノイド
104が取り付けられており、このソレノイド104に
より上記かんぬき103が駆動されるようになってい
る。また、ソレノイド104は図示しない感震装置から
の信号により駆動されるようになっている。一方、床面
側には図26に示すように溝109が形成されており、
この溝109内を上記ローラ102が走行するようにな
っている。
【0072】上記図25、26に示した例によれば、通
常時にはばね等の付勢手段によりかんぬき103がロー
ラ102側に押しつけられ、支持部材101の孔101
a及びローラ支持体の孔102aに挿通されている。し
たがって、ローラ102はかんぬき103を介して支持
部材101に支持された状態となっており、この状態で
ローラ102は床面に形成された溝109に沿って安定
して走行することができる。この状態で地震等による揺
れが発生すると、この揺れを感震装置が感知する。この
感震装置からの信号によりソレノイド104が作動さ
れ、ばね等の付勢力に抗してかんぬき103が図19の
矢印方向に駆動される。これにより、かんぬき103と
孔101a及び孔102aとの係合が解放され、ローラ
102は支持部材101から離脱する。したがって、地
震等による揺れのエネルギーがローラ102を介して棚
100側に伝達されることを防止できる。
【0073】なお、上記実施例では二俣のかんぬきを使
用したが、支持部材及びローラ支持体の一方の孔にはビ
ス等を取付けて、このビス等を中心にローラ支持体が回
動自在とすると共に、他方の孔にかんぬき係合させて、
このかんぬきをソレノイド等で駆動してもよい。また、
上記実施例はいずれもソレノイド等のアクチュエータを
用いてかんぬきを駆動するものであったが、これを用い
ずに支持部材及びローラ支持体の孔に係合部材を挿通さ
せておき、ローラを介して伝達される地震等の揺れエネ
ルギーにより係合部材を切ったり、壊すことでローラが
支持部材から離脱するようにしてもよい。かかる場合の
係合部材としては、樹脂、ゴム、金属、木、紙、布、パ
テなど地震の揺れエネルギーにより切れたり、壊れたり
するものであればよい。またかかる場合には、孔を設け
る数や、係合部材の材質などによりどの程度の地震のエ
ネルギーが作用したときに解放するかを調整することが
できる。また、この係合部材を感震装置からの信号によ
りソレノイドなどのアクチュエータを作動させて、切っ
たり、壊したりするようにしてもよい。
【0074】図27に示した例は、可動棚に浮き上がり
防止手段を適用した例である。なお、上記図26に示し
た実施例と同一の構成については同一の符号を付して説
明を省略する。図27において、床面には棚の走行方向
に沿って延びた溝105が互いに平行に形成されてい
る。溝105は断面略U字状に形成されており、溝10
5の開口部には開口部中心に向かって延出した係止部1
05が形成されている。上記溝105内にはローラ10
6が溝105に沿って回転可能に配置されている。ロー
ラ106は溝105の開口よりも大きな幅を有してお
り、その軸を中心として回転自在となっている。軸の上
端部には紐107が取り付けられており、この紐107
の他端部は棚100の底部に取り付けられることにより
ローラ105と棚100とが連結されている。
【0075】上記図27に示した実施例によれば、棚1
00は常時又は棚の走行時に、棚の浮上手段により床面
上から押し上げられた状態となっている。この状態では
棚100は不安定な状態となり、とくに磁力のバランス
が良くないときなどには棚100が一方側に傾いた状態
となってしまうが、棚100とローラ106とが紐10
7により連結されているため、このローラ106が溝の
係止部105aに当接して棚の傾きを防止することがで
きる。よって棚は100は浮上手段により押し上げられ
たままでも安定して走行できる。また、この状態で地震
等による揺れが発生すると、棚100が上下に揺れて
も、棚100は紐107を介してローラ106に連結さ
れているため、ローラ106が溝の係止部に当接するこ
とで、棚の突き上げによる転倒を防止できる。
【0076】なお、図27に示した実施例では棚とロー
ラを連結する手段として紐を用いたが、これに代えてチ
ェーンやロープ、ゴム、樹脂、糸、金属などを用いても
よい。また、床面の磁石を保護するため図27に示した
ように棚の底部に脚110を設けてもよい。この脚11
0としてはゴム、ばね、樹脂などで形成すればよく、そ
の形状や取り付ける数なども任意である。これにより床
面の磁石に棚が直接当接することを防止でき、磁石が破
損することを防止できる。この脚に代えて床面側の磁石
上にマットなどを配置してもよい。また、棚の底部に車
輪を設ければメンテナンス時に便利である。なお、複数
棚を配置して使用する場合には、ブレーキ、ロックなど
の棚の制止手段と、インターロックを解除するスイッチ
を設け、人が通路に入ると自動で左右の棚のロック、ブ
レーキが作動するようにしてもよい。
【0077】上記図24ないし図27に示した実施例で
は、浮上している棚を人が引いて移動さるものであった
が、棚の底部に車輪を設けこの車輪を手動により、また
は電動により駆動ようにしてもよい。また、浮上手段と
しての磁石のうち少なくも一方を電磁石とし、この電磁
石の交番磁界により棚を移動させるリニア式の移動方法
を用いて棚を移動させるようにしてもよい。また、本発
明は磁石やエアーを免震手段として用いたが、これに代
えてローラ、ボール、車輪、樹脂又は潤滑剤を塗布した
滑り部材、キャスター、オムニホイル(商品名)などを
免震手段として用いたものにも適用できる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、物品の物品の載置設備
を浮上させる浮上手段を有し、この浮上手段の押し上げ
力により上記載置設備を押し上げて地震等による揺れの
エネルギーの伝達を防止するようにしたことから、地震
等により床面が激しく揺れたとしても、その揺れのエネ
ルギーが載置設備側に伝達されることを極力抑えること
ができ、収納物や展示品などが破損したり、また設備自
体が壊れたり破損したりすることを防止できる。また、
載置設備は浮上手段により押し上げられていることか
ら、地震等による縦揺れにも対応することができ、載置
設備の3次元的な免震も可能となる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、地震等の揺
れを感知する感震装置を有し、この感震装置からの信号
により浮上手段を作動させ、地震等が発生したときのみ
物品の載置設備を浮上させるようにしたことから、通常
時には載置設備を床面上に安定して載置しておくことが
できるし、また通常時には浮上手段を作動させておく必
要がないため、運転コストの低減を図ることができる。
【0080】請求項5記載の発明によれば、制止手段を
設け、この制止手段により通常時には物品の載置設備を
所定の位置に制止させておくようにし、地震等による揺
れが発生したときには解放して制止を解除するようにし
たことから、通常時には載置設備を安定して保持できる
し、地震等が発生したときにはこの揺れのエネルギーが
載置設備側に伝達されることを防止でき、収納物や展示
品などが破損したり、設備自体が転倒することを防止で
きる。
【0081】請求項6記載の発明によれば、地震等の揺
れを感知する感震装置を有し、この感震装置からの信号
により制止手段を解放するようにしたことから、地震等
が発生したときに確実に制止手段を解放することがで
き、収納物や展示品などの破損や、設備自体が転倒する
ことをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる免震装置を物品の載置設備とし
ての展示ケースに適用した実施例を分かり易く示した正
面図。
【図2】同上実施例の浮上手段を示す平面図。
【図3】本発明にかかる免震装置の浮上手段として電磁
石を用いた例を分かり易く示した正面図。
【図4】本発明にかかる免震装置を適用した別の例を分
かり易く示した正面図。
【図5】本発明にかかる免震装置を適用したさらに別の
例を分かり易く示した正面図。
【図6】本発明にかかる免震装置を適用したさらに別の
例を分かり易く示した正面図。
【図7】本発明にかかる免震装置の浮上手段としてエア
ーを用いた例を示した正面図。
【図8】同上実施例に適用可能な免震装置の要部を示し
た正面断面図。
【図9】本発明にかかる免震装置を適用した別の例を分
かり易く示した正面図。
【図10】本発明にかかる免震装置を物品の載置設備と
してのフラットボードに適用した例を分かり易く示した
正面図。
【図11】同上実施例に適用可能な制止手段を示した平
面図。
【図12】同上実施例の制止手段の要部断面図。
【図13】本発明にかかる免震装置を棚に適用した例を
分かり易く示した正面図。
【図14】本発明にかかる免震装置を可動棚に適用した
例を分かり易く示した正面図。
【図15】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
例を示した正面図。
【図16】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
別の例を示した正面図。
【図17】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図18】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図19】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図20】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図21】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図22】本発明に適用可能なパネルの変形防止手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図23】本発明に適用可能な可動棚の別の例を示した
正面図。
【図24】本発明にかかる免震装置の別の例を分かり易
く示した正面図。
【図25】同上実施例に適用可能なガイド手段の例を示
した正面図。
【図26】同上実施例の平面図。
【図27】同上実施例に適用可能なガイド手段の別の例
を示した要部正面図。
【符号の説明】
1 物品の載置設備としての展示ケース 31 物品の載置設備としてのフラットボード 41 物品の載置設備としての棚 51 物品の載置設備としての可動棚 91 物品の載置設備としての可動棚 31 物品の載置設備としてのフラットボード 41 物品の載置設備としての棚 51 物品の載置設備としての可動棚 91 物品の載置設備としての可動棚 7,37,47 制止手段 5,8,11,38,45,48,58,95,98
浮上手段としての磁石

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品の載置設備を浮上させる浮上手段を
    有し、この浮上手段は、その押し上げ力により上記物品
    の載置設備を押し上げて地震等による揺れエネルギーが
    上記物品の載置設備側へ伝達されることを防止する免震
    装置。
  2. 【請求項2】 地震等の揺れを感知する感震装置を有
    し、この感震装置からの信号により浮上手段を作動さ
    せ、地震等が発生したときのみ物品の載置設備を押し上
    げる請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 浮上手段は磁石である請求項1又は2記
    載の免震装置。
  4. 【請求項4】 浮上手段はエアーである請求項1又は2
    記載の免震装置。
  5. 【請求項5】 通常時には物品の載置設備を所定の位置
    に制止させ、地震等による揺れが発生したときには解放
    して制止を解除する制止手段を有する請求項1、2、3
    又は4記載の免震装置。
  6. 【請求項6】 地震等の揺れを感知する感震装置を有
    し、この感震装置からの信号により制止手段を解放する
    請求項5記載の免震装置。
JP7210599A 1995-04-27 1995-08-18 免震装置 Pending JPH0914339A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050341A (ja) * 1999-08-04 2001-02-23 Takashi Funaki 物品搭載用免震装置における周囲側面部の改良構造
JP2009264429A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Oiles Ind Co Ltd 免震装置及び免震構造物
CN113521592A (zh) * 2021-07-19 2021-10-22 陕西汽车集团延安专用车有限公司 一种单独负压隔离式病房

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