JP3353884B2 - 可動棚 - Google Patents

可動棚

Info

Publication number
JP3353884B2
JP3353884B2 JP18019898A JP18019898A JP3353884B2 JP 3353884 B2 JP3353884 B2 JP 3353884B2 JP 18019898 A JP18019898 A JP 18019898A JP 18019898 A JP18019898 A JP 18019898A JP 3353884 B2 JP3353884 B2 JP 3353884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shelf
movable
rail
seismic isolation
isolation means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18019898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10327947A (ja
Inventor
邦雄 宮崎
光雄 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kongo Co Ltd
Original Assignee
Kongo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kongo Co Ltd filed Critical Kongo Co Ltd
Priority to JP18019898A priority Critical patent/JP3353884B2/ja
Publication of JPH10327947A publication Critical patent/JPH10327947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3353884B2 publication Critical patent/JP3353884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震等の揺れのエネル
ギーが収納物へ伝達されることを極力抑えることによ
り、収納物が飛び出したり、棚が転倒することのない安
全性に優れた可動棚に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から物品保管等のために、手動又は
電動で棚を移動させる可動棚が広く使用されている。こ
のような可動棚には種々のものがあり、その用途に応じ
て単独で使用されたり、また可動棚を適宜の台数組み合
わせ配置して使用されている。
【0003】これら従来の可動棚においては、入出庫を
行なう場合には床面上又は棚の上方に敷設された軌条に
沿って可動棚を走行させて、収納物の出し入れを行なっ
ている。このような従来の可動棚においては、地震等が
発生して棚が設置された建物などが水平方向に激しく揺
れた場合、可動棚の車輪がロックされていない状態であ
れば、車輪の自由回転により建物などの揺れに対して可
動棚がその走行方向に相対移動し、この可動棚の相対移
動により、可動棚の走行方向に対する揺れのエネルギー
をある程度まで吸収できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に地震が
発生したときには、可動棚の走行方向だけでなくあらゆ
る方向からの揺れが作用する。したがって、上記従来の
ような可動棚では、可動棚の走行方向に対しては免震す
ることができても、これとは異なる方向からの揺れに対
しては十分に対応することができなかった。そのため地
震等による揺れエネルギーが可動棚の車輪等を介して棚
に伝達され、可動棚内の収納物が破損し、また収納物が
可動棚から飛び出したり、地震の揺れが激しい場合には
可動棚自体が転倒することもあり得る。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、地震等による水平方向の
激しい揺れエネルギーが棚や収納物に伝達されることを
極力抑えて、収納物が破損したり、飛び出したりするこ
となく、棚の転倒を防止できる安全な可動棚を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本願発明は、免震を必要とする可動棚ごとに個別に
条と車輪を有してなる免震手段を設けて、可動棚の免震
を図ったことを特徴とする。具体的には、本願請求項1
記載の発明は、棚を一方向に移動可能に吊り下げてなる
可動棚であって、上記棚の走行方向とは異なる方向に棚
を移動させることができる免震手段が棚の吊り下げ部に
介在していることを特徴とする。請求項2記載の発明
は、収納物を収納する棚とともに走行する可動台車を有
してなる可動棚であって、上記棚は可動台車から免震手
段を介して吊り下げられ、上記免震手段は、可動台車の
走行方向とは異なる方向に棚を移動させることができる
ことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、免震手段を介して
軌条が支持され、棚の上部に取り付けられた車輪が上記
軌条に沿って回転することにより上記棚が上記軌条に沿
って走行する可動棚であって、上記免震手段は、棚の走
行方向とは異なる方向に軌条及び棚を移動させることが
できることを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、棚の上方に軌条が
支持され、棚の上部に取り付けられた車輪が上記軌条に
沿って回転することにより上記棚が上記軌条に沿って棚
の間口面と平行な方向に走行することができる可動棚で
あって、上記軌条は、免震手段を介し構築物によって支
持され、上記免震手段は、棚の走行方向とは異なる方向
に軌条を移動させることができることを特徴とする。請
求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、複
数の棚の移動を個別に案内する軌条が介在部材を介して
連結され、棚相互の間隔が一定に保たれることを特徴と
する。
【0009】請求項6記載の発明は、請求項4記載の発
明において、免震手段は車輪を有してなり、この車輪の
位置を所定の位置に保持する静止手段を有し、通常時に
は静止手段によって免震手段の車輪が所定の位置に保持
され、地震等による揺れが発生したときには上記免震手
段の車輪が静止手段による静止位置から移動可能である
ことを特徴とする。請求項7記載の発明は、請求項6記
載の発明において、静止手段は、向きが異なる一対の傾
斜面を有してなり、通常時は免震手段の車輪が上記一対
の傾斜面の最低部に保持され、地震等による揺れが発生
したときには免震手段の車輪が上記傾斜面に沿って移動
可能であることを特徴とする。
【0010】請求項8記載の発明は、免震手段を介して
起立した枠形の可動台車を有し、可動台車の上部に軌条
が取り付けられ、棚の上部に取り付けられた車輪が上記
軌条に沿って転動することにより、棚がその間口面と平
行な方向に移動することができる可動棚であって、免震
手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向とは異な
る方向に移動させることができることを特徴とする。
【0011】請求項9記載の発明は、棚の上方において
免震手段を介し構造物によって支持された可動台車を有
し、可動台車に軌条が取り付けられ、棚の上部に取り付
けられた車輪が上記軌条に沿って転動することにより、
棚がその間口面と平行な方向に移動することができる可
動棚であって、免震手段は、地震時に可動台車を上記棚
の移動方向とは異なる方向に移動させることができるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項10記載の発明は、一端部が免震手
段を介して起立し、他端部が免震手段を介し構造物によ
って支持された可動台車を有し、可動台車の上部に軌条
が取り付けられ、棚の上部に取り付けられた車輪が上記
軌条に沿って転動することにより、棚がその間口面と平
行な方向に移動することができる可動棚であって、免震
手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向とは異な
る方向に移動させることができることを特徴とする。
【0013】請求項11記載の発明は、請求項4、8、
9または10記載の発明における棚を、絵画を収納する
絵画ラックとしたものである。
【0014】請求項12記載の発明は、可動台車と棚を
有してなる可動棚であって、上記棚は上記可動台車上で
免震手段を介して支持され、上記免震手段は、可動台車
の走行方向とは異なる方向に棚を移動させることがで
き、可動台車は少なくとも一端側にパネルを有すること
を特徴とする。請求項13記載の発明のように、請求項
12におけるパネルには、可動棚が走行する時の振動ま
たは地震等による揺れによってパネルが損傷することを
防止するパネルの保護手段を設けるとよい。請求項14
記載の発明のように、請求項13におけるパネルの保護
手段は、可動台車とパネルとを回転可能に連結する連結
手段と、パネルと棚とを回転可能に連結する止め具とで
構成するとよい。
【0015】
【作用】請求項1および2記載の発明によれば、地震な
どによる激しい揺れのうち、棚の走行方向への揺れに対
しては、可動台車が走行方向に相対移動することにより
揺れエネルギーを吸収する。一方、これとは異なる方向
の揺れに対しては、棚を吊り下げている免震手段が、棚
を相対的に移動させることにより揺れエネルギーを吸収
する。従って、棚全体としてはあらゆる方向からの揺れ
に対して相対的に移動することができ、これにより地震
等の揺れエネルギーを吸収し、棚への伝達を遮断でき
る。
【0016】請求項3記載の発明によれば、地震などに
よる激しい揺れのうち、棚の走行方向の揺れに対して
は、棚が軌条に沿って走行方向に相対移動することによ
り揺れエネルギーを吸収する。一方、これとは異なる方
向の揺れに対しては、軌条を支持する免震手段が軌条お
よび棚を相対移動させることにより揺れのエネルギーを
吸収する。従って、棚全体としてはあらゆる方向からの
地震の揺れに対して相対的に移動することができ、これ
により地震の揺れエネルギーを吸収し、棚への伝達を防
止できる。
【0017】請求項4記載の発明によれば、地震などに
よる激しい揺れのうち、棚の走行方向すなわち棚の間口
面に平行な方向の揺れに対しては、棚が相対移動して地
震の揺れエネルギーを吸収する。一方、これとは異なる
方向の揺れに対しては、免震手段を介し構築物によって
支持された軌条が、上記免震手段によって棚の走行方向
とは異なる方向に相対移動させられ、揺れエネルギーを
吸収する。従って、棚は全体としてはあらゆる方向から
の揺れに対して相対的に移動することができ、これによ
り揺れのエネルギーを吸収することができる。請求項4
記載の発明のように棚の走行方向を棚の間口面と平行な
方向としたものにおいて、請求項5記載の発明のように
複数の棚の移動を個別に案内する複数の軌条を介在部材
によって連結しておけば、地震時の揺れによって棚相互
がぶつかることを防止することができる。
【0018】請求項6および7記載の発明によれば、通
常は免震手段を構成する車輪が静止手段によって所定の
位置に保持され、棚の走行位置を規制している。地震等
による揺れが発生すると、上記車輪が静止手段による静
止を振り切って移動し、地震による揺れエネルギーを吸
収する。
【0019】請求項8〜10記載の発明によれば、地震
などによる激しに揺れのうち、棚の走行方向の揺れに対
しては、棚が走行方向に相対移動して地震の揺れエネル
ギーを吸収する。一方、棚の走行方向に対し直交する方
向の揺れに対しては、可動台車が相対移動することによ
り揺れエネルギーを吸収する。従って、棚はあらゆる方
向からの地震の揺れに対して相対的に移動することがで
き、これにより地震の揺れエネルギーを吸収することが
できる。
【0020】請求項11記載の発明によれば、間口面と
平行な方向に走行する棚を絵画ラックとして使用するた
め、棚の移動中に絵画が空気をまともに受けることがな
く、絵画の脱落や絵画の変質等を防止することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる可動棚の実
施の形態について図面を用いて説明する。図1、図2に
おいて、可動棚1は収納物を収納する棚2と、棚2を搭
載して走行する可動台車3を有している。可動台車3の
底部の左右両端部には、図1において紙面手前側と奥側
とにそれぞれ走行車輪11が取り付けられ、図示の実施
例では4つの車輪11で可動台車3が走行するようにな
っている。車輪11は図示しない床面に敷設された軌条
に沿って、図1において紙面に対し直交する方向すなわ
ち棚2の間口面に直交する方向に往復して走行できるよ
うになっている。可動台車3は、これを直接手動によっ
て押し動かすものであってもよいし、回転操作ハンドル
の手動による回転力を、減速機構、スプロケット、チェ
ーン等の駆動機構を介して車輪11に伝達して走行させ
るハンドル回転式のものであってもよく、モータによっ
て駆動するようにした電動式であってもよい。駆動系の
具体的構成については周知の構成を用いることができる
ため説明を省略する。また、全ての車輪11を駆動車輪
としなくとも、紙面手前側又は奥側の片側のみを駆動車
輪としてもよい。
【0022】可動台車3の上面には門形の支持枠部材2
32が取り付けられている。支持枠部材232の上部天
井面には可動台車3の走行方向に直交する方向に軌条2
34が取り付けられている。軌条234は棚2の上方に
位置していて、横断面形状が横向きのH形をしている。
一方、棚2の上端部には免震手段としての車輪233が
取付けられている。車輪233は、上記軌条234の開
口部に回転自在に嵌められるこによって棚2を吊り下
げ、軌条234に沿って転動することにより棚2が可動
台車3の走行方向とは異なる方向である軌条234方向
に一定の範囲で移動可能となっている。
【0023】一方、上記棚2は周知の構造をした棚であ
って、底板の両端部に底板から垂直に立ち上がった支柱
と、この支柱間を適宜の間隔で区切るように設けられた
中間柱と、これら支柱及び中間柱の上端部にまたがって
取り付けられた天板とを有している。上記支柱と中間柱
との間、又は中間柱と中間柱との間には、上記底板と平
行に棚板が複数段にわたって取り付けられており、この
棚板上に収納物が収納されるようになっている。
【0024】次に、上記図1、図2に示す実施の形態の
動作について説明する。可動棚1を構成する棚2に対し
て収納物の出し入れを行なう際には、まず適宜の操作に
よって、例えば、手動式の場合は直接手で押し、または
回転操作ハンドルを回転させることによって可動台車3
を図示しない軌条上で走行させる。可動台車3の走行に
伴って、支持枠部材232と棚2も一緒に走行を開始
し、所定の可動棚1の前面の空間が広がっていく。所定
の位置まで可動棚1が走行したところで停止させ、上記
空間を作業通路として利用し、この作業通路から可動棚
1の棚2に収納物の出し入れを行なうことができる。
【0025】地震などが発生し、床が水平方向に激しく
揺れると、棚2の間口面に直交する方向の揺れ成分に対
しては、可動台車3の車輪11が回転し、棚2の間口面
に直交する方向の揺れエネルギーが可動台車3に伝達さ
れるのが回避される。一方、棚2の間口面方向の揺れ成
分は、車輪11、可動台車3、支持枠部材232を介し
て軌条234に伝達され、これら車輪11、可動台車
3、支持枠部材232を介して軌条234が棚2の間口
面方向に揺れる。しかし、棚2は免震手段としての車輪
233を介して軌条234から吊り下げられているた
め、軌条234の棚2の間口面方向への揺れに対しては
車輪233が軌条234に沿って回転し、棚2が相対移
動することによって揺れエネルギーが可動台車3に伝達
されるのが回避される。
【0026】このように、地震等による床面の水平方向
への激しい揺れが生じても、可動台車3がその走行方向
へ相対的に移動することにより、また棚2自体が可動台
車3の移動方向に対し直交する方向へ相対移動すること
によって、あらゆる方向からの揺れエネルギーであって
もこれを吸収し、揺れが棚2に伝わることを防止でき
る。従って、棚2内に収納された収納物が飛び出した
り、又は破損することもないし、棚2自体が倒れること
も防止することができる。
【0027】また、上記図1、図2に示した実施例によ
れば、免震を必要とする各棚2または各可動棚1ごとに
個別に免震手段を設けることができるため、既存の棚や
規格の棚などにも容易に適用することがてきイニシャル
コストを抑えることができるし、またメンテナンスも各
棚ごとに行えばよいからメンテナンスが容易でありラン
ニングコストを抑えることができる。また導入時の組立
や移設が簡単となる。さらに各可動台車ごとに免震手段
を設けたことから、可動棚が設置される床面にかかる加
重が分散されることととなり床面の保護を図ることがで
きる。
【0028】なお、図1、図2に示した可動棚に制止手
段を取り付けて棚2を通常時には制止させるようにする
とよい。すなわち、車輪233を有してなる免震手段を
設けたことによって、通常の使用時においても、棚2が
図1において紙面に平行な方向に移動する可能性があ
り、近い勝手が損なわれることがあり得る。そこで、通
常の使用時においては静止手段が棚2の移動を規制し、
地震が発生するとこの規制を解除して棚2を移動可能に
開放するようにする。
【0029】上記棚2の制止手段として、図3に示すよ
うに、軌条243をその長さ方向の中央部に向かって徐
々に低くなるように円弧状に形成してもよい。免震手段
を構成する各車輪233には棚2の荷重がかかっている
ため、各車輪233は軌条243の傾斜に沿い低い方へ
向かって移動しようとする。軌条243は長さ方向の中
央部が最も低い円弧状に形成されているため、棚2はそ
の間口方向の長さの中心と軌条243の長さ方向の中心
とがほぼ一致した位置で静止している。地震が発生して
前記可動台車とともに支持枠部材232、軌条243が
図3において紙面に平行な方向に往復移動すると、軌条
243に沿って車輪233が転動し、地震エネルギーが
棚2に伝達されるのを防止する。このように、図3に示
す実施の形態における軌条243は、車輪233ととも
に免震手段を構成するとともに、通常時に棚2を所定の
位置に静止させる静止手段も兼ねている。
【0030】次に、本発明にかかる別の実施例について
図4を用いて説明する。図4において、固定部としての
固定棚92、92が左右両側に配置されている。この固
定棚自体の構造は周知のものであり、その説明は省略す
る。各固定棚92、92の上面の幅方向(棚の奥行き方
向)中央には紙面手前側から奥側に向かって延びた軌条
93、93が固定されている。この軌条93、93の形
状は特に限定されるものではなく、I字状、U字状でも
よいし、また単に棒状でもよく任意である。また、上記
左右両側の固定棚92、92の上面間には、紙面手前側
と奥側とにそれぞれ軌条94が配置され、この2本の軌
条94が適宜の部材によって連結されている。軌条94
はI字状、H状、又はU字状など少なくともその一側面
に開口を有する形状となっている。軌条94の長さ方向
両端部下面側には、それぞれ免震手段をなす車輪95が
適宜の軸受を介して回転可能に取り付けられており、軌
条94と固定棚92との間に車輪95が介在している。
車輪95はその軸を中心として回転可能となっており、
これにより上記軌条93に沿って走行可能となってい
る。
【0031】上記固定棚92、92間には複数の棚96
が配置され、各棚96の上方に上記軌条94が位置して
いる。各棚96はその上部に、軸を中心として左右方向
に回転可能な走行車輪97を有している。車輪97は上
記軌条94の開口部に回転自在嵌められており、これに
より棚96が吊り下げられるとともに、紙面手前側と奥
側との2本の軌条94に沿って車輪97が転動すること
によって可動棚96が軌条94方向に、すなわち図4に
おいて左右に移動可能となっている。
【0032】上記図4に示す可動棚においては、一対の
固定棚92、92間に複数の棚96を収束、離散可能に
配置する。通常の作業を行なう場合には、所望の棚96
を軌条94に沿って左右に走行させ、この棚96とこれ
に隣接する棚との間に作業用の空間を形成し、この作業
用の通路から上記棚に対して収納物の出し入れなどを行
なう。
【0033】この状態で地震等による激しい揺れが生ず
ると、この揺れエネルギーは固定棚92、92に伝達さ
れる。この揺れのうち図において左右方向の揺れに対し
ては、上記棚96が軌条94に沿って本来の走行方向に
相対的に移動することにより、揺れのエネルギーを吸収
できる。一方、紙面に直交する方向の揺れに対しては、
軌条94の両端部に取り付けられた車輪95、95が固
定棚92、92の上面間に固定された軌条93に沿って
回転することにより、軌条94を含めて棚96全体を上
記紙面に直交する方向の揺れに対して相対的に移動させ
ることができる。従って、いずれの方向の揺れのエネル
ギーも棚2の相対的な移動により吸収できることとな
り、上記図1、図2に示した実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0034】なお、上記実施の形態に前述の制止手段を
設け、通常時には軌条94が固定棚92上で移動しない
ようにし、地震等による揺れが発生したときに制止を開
放して、軌条94が移動できるようにしてもよい。ま
た、感震装置を設け、この感震装置が地震等による揺れ
を感知したときに制止手段を解除するようにしてもよ
い。また、軌条93の固定部材としては、上記実施の形
態のように固定棚92、92に限られるものではなく、
軌条を支えるための支柱などでもよいし、また棚を配置
している建物の壁自体であってもよい。また、軌条93
の片方を固定棚で、他方を建物の壁その他の構築物で支
持するようにしてもよい。
【0035】図5に示す実施の形態は、建物等の構築物
の一部、例えば構築物の天井と軌条との間に免震手段を
介在させた例である。図5において、複数の可動棚を配
置する建物の天井200には紙面に対して左右方向に延
びた軌条201が取り付けられている。軌条201は紙
面奥側にも取り付けられており、この2本の軌条201
で介在部材203を支持している。軌条201は紙面手
前側に開口を有している。軌条201としては断面I字
状、H状、U字状など適宜のものを用いることができ
る。
【0036】上記介在部材203は軌条201に沿って
配置された平板状をしており、この介在部材203の上
端部には適宜の間隔をおいて車輪202が取り付けられ
ている。車輪202は軸を中心として紙面と平行な面内
において回転自在となっており、この車輪202が上記
軌条201の開口部に回転自在に嵌められている。介在
部材203の底面側には、適宜の間隔をおいて紙面手前
側から奥側に向かって延びた軌条204が取り付けられ
ている。この軌条204は断面が横向きのH字状をして
おり、左右両側部に開口を有している。上記軌条201
と車輪202とで免震手段を構成しており、この免震手
段が建物等の構築物と棚205の軌条204が支持され
ている。また、棚205の上端部の各隅部には車輪20
6が、互いに向き合った二つの車輪を一組みとして取り
付けられている。車輪206は軸を中心として紙面に直
交する方向の面内において回転自在となっており、この
車輪206が上記軌条204の開口部に回転可能に嵌め
られている。これにより棚205が紙面に直交する方向
に移動可能に支持されている。
【0037】図5に示す実施の形態によれば、通常時は
引き手を介して棚205を軌条204に沿って紙面に直
交する方向に走行させて作業などを行なう。この実施の
形態では、複数の棚205がそれぞれ間口面に平行な方
向に移動可能に吊り下げられていて、全ての棚205が
重なり合った状態と、所望の棚205のみを紙面に直交
方向に移動させて引き出した状態にすることができる。
従って、所望の棚205に物品を出し入れしようとする
ときは、その棚205を引き出した状態にする。
【0038】上記全ての棚205が重なり合った状態で
あっても、何れかの棚205が引き出されている状態で
あっても、地震等による揺れが発生すると、建物の天井
200が水平方向に激しく揺れる。この揺れのうち図5
において左右方向の揺れに対しては上記車輪202が軌
条201に沿って回転し、介在部材203を介して可動
棚205全体を相対的に移動させる。一方、地震等によ
る揺れのうち可動棚205の走行方向の揺れ、すなわち
図5において紙面に直交する方向の揺れに対しては上記
車輪206が軌条204に沿って棚205の本来の走行
方向に相対的に移動する。従って、可動棚205全体が
何れの方向へも相対的に移動することになり、地震等に
よる揺れのエネルギーを吸収することができ、前記図
1、図2に示す実施の形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0039】なお、通常の作業時等に介在部材203や
軌条204がみだりに移動しないように前述の制止手段
を設け、地震が発生した時にはこれらが軌条201に沿
って移動できるようにしてもよい。また感震装置を設
け、この信号により制止手段を開放させるようにしても
よい。
【0040】上記図5に示した実施の形態は、介在部材
203により各棚205を連結している。従って、常に
各棚205相互の間隔が保たれ、地震が発生したときな
どに棚205同志が衝突することはない。しかし、地震
エネルギーをより効果的に吸収するには、図6に示すよ
うに介在部材で各棚を連結せずに、個々の棚205が個
別に移動できるようにするのがよい。かかる場合にはロ
ーラ202の支持部材の側面にダンパー218を設け、
隣接する棚205同士が接触したときの衝撃を緩和する
ようにすればよい。また、図6に示すように各棚205
の前後にそれぞれ車輪202を設けて、これをスペーサ
213で連結することにより棚205を安定に支持する
ようにしてもよい。図6に示す例では、棚205を本来
の移動方向に移動させるための軌条として断面略C字状
の軌条214をその開口を下向きにして用いており、こ
の軌条214内に車輪216が配置された構成となって
いる。その他の基本的な構成は上記図5に示した実施例
と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】かかる図6に示した実施の形態によって
も、通常時には引き手を介して可動棚205を軌条21
4に沿って紙面に直交する方向に走行させて作業などを
行なう。地震等による揺れが発生すると、この地震等の
揺れに対して車輪202が軌条201に沿って移動する
ことにより、各棚205は図6において紙面に平行な方
向に相対移動できると共に、車輪216が軌条214に
沿って可動棚205の本来の走行方向、すなわち図6に
おいて紙面に直交する方向に相対移動することができ
る。従って、前記図5に示した実施の形態と同様の効果
を得ることができる。なお、ダンパー218を設ける位
置は棚205の側面や軌条214の側面などでもよく任
意である。
【0042】図7は、図6の実施の形態に適用可能な制
止手段の例を示す。もっとも、図7に示す静止手段と同
様の思想のものは図5に示す実施の形態にも適用可能で
ある。図7に示した静止手段例は、軌条201に傾斜部
材201aを取付けることにより傾斜面を設けた例であ
る。この傾斜面を構成する傾斜部材201aは鋼鈑や平
鋼、型鋼などからなる保持部材201bを折り曲げ、向
きが異なる一対の傾斜面を形成することによって断面略
V字状に形成する共に、この保持部材201bの形状に
合わせて高さが異なるスペーサ201cを上記保持部材
201bと軌条201との間に介在させ、保持部材20
1bを支持したものである。
【0043】このように図7に示した制止手段によれ
ば、通常時には車輪202は上記傾斜部材201aの向
きが異なる一対の傾斜面の最低部に保持されるため、車
輪202の回転が規制され車輪がみだりに回転すること
はない。地震等による激しい揺れが発生した場合には、
この揺れのエネルギーにより上記車輪202が上記静止
位置から傾斜部材201aの傾斜面に沿って回転するた
め、棚205を地震等の揺れに対して相対移動させるこ
とができ、この相対移動によって地震等による揺れのエ
ネルギーを吸収できる。また、地震等による揺れがおさ
まったときには、この傾斜部材201aの傾斜面に沿っ
て車輪202が原位置、即ち傾斜部材201aの傾斜面
内の底部に戻って静止する。なお、この傾斜面は断面略
V字状としなくとも、円弧状の傾斜面であってもよい。
また、上記傾斜部材としては切削加工により上端部に傾
斜面を形成した部材を用いてもよいし、軌条201自体
を切削加工や曲げ加工などにより直接変形させて傾斜面
を設けるようにしてもよい。なお、図7に示した制止手
段は他の実施の形態の制止手段としても適用できる。
【0044】
【0045】図8に示した実施の形態は、免震手段を介
して起立した枠型の可動台車220を有し、この可動台
車220から複数の棚205を吊り下げて支持した例で
ある。図8において、可動台車220は枠型に形成され
ており、紙面手前側と奥側とに開口面を有すると共に、
左右両端面にも開口面を有している。可動台車220の
下端部には、紙面手前側と奥側とにそれぞれ免震手段を
構成する車輪221が2個づつ取り付けられている。こ
の車輪221は軸を中心として紙面に平行な面内で回転
可能となっており、この車輪221の回転によって可動
台車220が紙面に平行な方向に移動可能となってい
る。
【0046】可動台車220の天井面の隅部には、補強
のためのリブ222が取り付けられている。可動台車2
20の天井面には複数の軌条216が取り付けられてい
る。各軌条216は棚205をその本来の移動方向に移
動させるためのもので、上記可動台車220の走行方向
に対して直交する方向、即ち紙面に対して直交する方向
に互いに平行に設けられている。軌条216は一つの棚
205に対し2個ずつ設けられている。軌条216は断
面略C字状に形成されており、その開口部を下方に向け
て取り付けられている。この軌条216内には車輪21
4が配置されており、この車輪214が上記軌条216
に沿って走行するようになっている。車輪214は取り
付け部材を介して絵画ラックなどの棚205の上部に連
結され、車輪214と軌条216を介して棚205が可
動台車220から吊り下げ支持されている。可動台車2
20の紙面奥側には棚205が走行するためのスペース
が形成されている。なお、棚205自体の構成について
は周知であるため説明を省略する。
【0047】このように構成された可動棚では、通常時
には上記棚205を手で紙面に直交する方向に押したり
引いたりして走行させ、各棚205が互いに重なり合っ
た状態から任意所望の棚205を引き出すことにより、
収納物の出し入れなどを行うことができる。地震等によ
る揺れが発生した場合、棚205の本来の走行方向に対
する揺れに対しては、棚205が軌条216に沿って相
対移動することにより、揺れのエネルギーを吸収するこ
とができる。一方、これに対して直交する方向からの揺
れに対しては上記車輪221が回転することにより、可
動棚220を相対移動させることができる。従って、こ
れらの相対移動によって地震等によるあらゆる方向から
の揺れを吸収することができる。
【0048】上記図8に示す実施の形態は、可動台車の
車輪が床面上を移動するものであったが、図9に示すよ
うに、可動台車230の一端部が免震手段としての車輪
221を介して起立し、可動台車230の他端部が免震
手段としての車輪221を介して構造物235に取り付
けられた固定部材231によって支持され、可動台車2
30が床面と固定部材231上を移動するようにしても
よい。図9に示す実施の形態では、固定部材231は建
物の壁面235に取り付けられ、紙面手前側から奥側に
向かって延びて形成されている。また、固定部材231
の取り付け部とは反対側の端部にはストッパ232が形
成されており、このストッパ232により車輪221が
固定部材231上から外れることを防止するようになっ
ている。なお、固定部材231については、車輪221
の位置に対応させて部分的に取り付けてもよい。かかる
図9に示した実施の形態によっても上記図8に示した実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】なお、上記図8、図9に示した例では免震
手段として車輪221を用いたが、かかる車輪に代えて
積層されたゴムなどの上記各実施例記載の免震手段を適
用してもよい。また可動台車は門型や口型のもの、又は
フレーム方式のものなどであってもよい。また図8、9
に示した実施の形態に上述の各種免震手段を適用し、通
常時には可動台車220がみだりに移動しないよう可動
棚220を制止し、地震等による揺れが発生したときに
はこの制止を解除することにより可動台車220が移動
できるようにしてもよい。
【0050】図5〜図9に示す実施の形態はこれを絵画
を収納する絵画ラックとして用いるのに適している。
【0051】次に、図10、図11に示す実施の形態に
ついて説明する。この実施の形態は、収納物のスペース
ごとに区切られた各棚枠が移動するように設けられた可
動棚の例である。図10、図11において、可動棚を収
納する建物の天井には断面H字状の軌条123が取り付
けられている。軌条123は可動棚の走行方向に二本の
軌条が互いに平行に設けられており、そのH字状の軌条
123の溝123aが側部に開口を有するようなってい
る。
【0052】棚121の上端部の隅部には、それぞれ左
右一対の走行車輪124が取り付けられており、この車
輪124が上記軌条123の両側の溝123aに回転自
在に嵌められている。棚121はその両面に間口面を有
するいわゆる複式の棚であって、その棚自体の構成は周
知であるので説明を省略する。棚121の開口面には、
その棚板に沿って棚121の幅方向にわたって軌条部材
129が取り付けられている。軌条部材129は、その
断面がほぼG字状に形成されている。軌条部材129の
上端部は、横方向に突出した突出部129aとなってい
る。また、軌条部材129の下端部は、斜め上方に突出
した突出部129bとなっていると共に、この突出部の
先端部が上方に向かって曲げられていることにより引っ
掛け部129cとなっている。また、棚121の上端部
の開口面側には軌条部材128が棚121の幅方向にわ
たって取り付けられている。軌条部材128は斜め上方
に突出すると共に、その先端部が上方に曲げられて形成
されることにより、引っ掛け部128aが形成されてい
る。棚121の下端部の開口面側には四角柱状の軌条1
27が棚121の幅方向にわたって取り付けられてい
る。
【0053】棚121の両間口面側には、収納物を収納
するスペースごとに区切られた箱状の棚枠122が上記
軌条127、及び軌条部材128、129を介して、棚
121の幅方向に移動自在に取り付けられている。棚枠
122はその側面が開口しており、この開口面から収納
物を出し入れできるようになっている。上記図示の例で
は、棚枠122はそれぞれ幅方向に2つずつ四段にわた
って設けられており、図11において棚121の右端側
には棚枠122が移動するためのスペースが形成されて
いる。
【0054】各棚枠122の背面上端部には車輪125
が設けられている。車輪125は棚枠122の背面上端
部から斜め上方に向かって突出するように設けられた車
輪支持部材に支持されており、この車輪支持部材及び車
輪125により略鍵形となっている。そして、車輪12
5が上記軌条部材128の引っ掛り部128a、又は軌
条受け部材129の引っ掛り部129cに引っ掛るよう
にして配置されている。棚枠122の背面の下端部には
棚枠122の背面部に取り付けられた軸を中心に車輪1
26が回転自在に取り付けられている。車輪126は棚
枠122の間口面に対して直交する方向に回転自在とな
っており、上記軌条部材129の突出部129a又は、
軌条127に沿って移動するようになっている。
【0055】上記のような移動棚120においては、通
常の入出庫などの作業時は、上記車輪124を軌条12
3に沿って移動させることにより可動棚120全体を走
行させる。また軌条部材128、軌条受け部材129、
軌条127に沿って棚枠122を走行させて収納物の入
出庫作業を行なう。この状態で地震等により水平方向の
激しい揺れが発生すると、地震の揺れによるエネルギー
は建物の天井から軌条123、車輪124に伝達され
る。この地震等による揺れのうち可動棚120の走行方
向、図10において紙面に平行な方向への揺れについて
は、車輪124が軌条123に沿って可動棚120全体
が上記の方向に天井に対して相対的に移動することによ
り揺れのエネルギーを吸収できる。
【0056】一方、これに直交する方向からの揺れ、す
なわち図10において紙面に直交する方向からの揺れの
エネルギーは車輪124を介して棚121に伝達され
る。棚121が上記の方向に揺れた場合、棚枠122が
軌条127、軌条部材128、軌条部材129に沿って
移動する。各棚枠122の天井の揺れに対する相対的な
移動により、上記紙面に直交する方向の揺れエネルギー
を吸収できる。また、その他の方向からの揺れに対して
も上記可動棚120全体の移動及び棚枠122の移動に
よってある程度吸収できる。従って、地震等の揺れによ
り棚枠122内の収納物が影響を受けけることを極力小
さくでき、かかる実施例によっても上記図1、図2に示
す実例と同様の効果を得ることができる。なお、棚12
1内の収納物に対しても、可動棚120全体の移動によ
って、紙面に直交する方向の揺れは吸収でき、収納物へ
の影響を小さくできる。
【0057】上述の図1ないし図11に示した各種の免
震手段は、適宜これを組み合わせて用いることもできる
し、これらの免震手段を家具や金庫等に適用してもよ
い。また、各種の可動棚は、単に収納物を収納するだけ
でなく、絵画ラックや、文化財などを展示し収納するた
めの可動棚としても適用することができ、絵画や文化財
の保護にも優れた効果を得ることができる。また、爆発
物等の危険物や薬品、または精密機械などを保管するた
めにも用いることができ、かかる場合にも火災発生の防
止、薬品や機械の保護等に優れた効果を奏することがで
きる。
【0058】図12に示した実施の形態は、本発明に適
用可能なパネルの保護手段を示したものである。図12
において、可動台車3の一端側には可動台車上面から立
ち上がったパネル12が形成されている。このパネル1
2は棚2の高さよりも高くなるように形成されており、
その上端部には水平方向に延びたロッド52が取り付け
られている。ロッド52の先端側は棚2上に位置するよ
うになっており、このロッド52の先端側の端部にロッ
ド52の上端から下端に向かって貫通した孔53が形成
されている。一方、棚2の上端部にはL字状をした係止
部材54が取り付けられている。係止部材54の水平辺
は、棚2の上端部に取り付けられている。係止部材54
の垂直辺は上記棚2の上端面から立ち上がるようになっ
ており、上記ロッド52の孔53に係合されている。
【0059】図12に示す実施の形態によれば、通常の
作業時には棚2が上述の適宜の制止手段により可動台車
3上の所定位置に保持されている。また、パネル12は
係止部材54及びロッド52を介して棚2と連結されて
いる。従って、作業時に可動棚を走行させるなどして
も、この反動などによりパネルが破損したり、またパネ
ル12に取り付けられた可動棚の駆動機構に悪影響を及
ぼすことを防止できる。また、この状態で地震等による
揺れが発生すると、地震等の揺れエネルギーが可動台車
3等を介してパネル12に伝達される。これによりパネ
ル12が振動し、その揺れのエネルギーがロッド52を
介して係止部材54に伝達される。この揺れのエネルギ
ーにより係止部材54が折れたり、又は壊れたりするこ
とにより、棚2とパネル12との連結が開放され、棚2
は地震等の揺れに対して相対移動できるようになり、パ
ネル12が棚2の免震効果を妨げることはない。
【0060】なお、ロッドの孔の形状を楕円形にした
り、またその大きさを大きくして係止部材54との間に
ある程度の遊びをもたせるようにしてもよい。また、上
記実施の形態のようにロッド52に孔を貫通孔としなく
とも、ロッド52の下端部に有底の凹部を形成し、この
凹部に係止部材を係止させてもよい。また、これとは逆
にロッド52側に係止部材を設けると共に、棚の上端部
にこの係止部材と係合する凹部を形成するようにしても
よい。
【0061】また、図13に示すように、ロッド52の
底部に有底の凹部55を設け、この凹部内にばね56に
より下方に付勢されたボール57を配置し、このボール
57を棚2の上面に形成された曲面状の凹部58に係合
させてもよい。かかる実施の形態によれば、通常時には
ばね56に付勢されたボール57が上記棚2に形成され
た凹部58に係合しているため、これにより棚2とパネ
ル12とが連結される。従って、作業時に可動棚を走行
させるなどしても、この反動などによりパネルが破損し
たり、またパネルに取り付けられた可動棚の駆動機構に
対して悪影響を与えることを防止できる。また、この状
態で地震等による揺れが発生すると、棚2の移動によっ
てボール57がばね56の付勢力に抗して上方に押し上
げられ、棚2側とパネル12側との連結が開放される。
従って、棚2とパネル12との連結が開放され、パネル
12が棚2の免震効果を妨げることを防止でき、上記実
施例と同様の効果を奏することができる。なお、上記実
施の形態とは逆に棚2上部に凹部を形成し、その中にば
ね56とボール58とを配置し、これに対応するロッド
52の底面部に曲面状の凹部を形成するようにしてもよ
い。
【0062】パネルの保護手段としては、上記ロッド5
2の下端部に電磁石を設けると共に、これに対応する棚
の上端部に磁性体を設けるようにしてもよい。かかる場
合には通常時に、上記電磁石に通電することにより棚側
の磁性体を吸着して棚とパネル側とを連結させる。一
方、地震等による揺れが発生したときには、この揺れを
感震装置で感知して電磁石への通電を断ち、棚とパネル
側との連結を開放する。このようにしても上記実施例と
同様の効果を奏することができる。
【0063】図14に示した実施例は、ロッド52の下
端部にラック266を形成すると共に、棚2の上端部に
上記ラックと係合するピニオン267を設け、このピニ
オン267をかんぬき手段268でロックできるように
したものである。かんぬき手段268は、ピニオン26
7と係合するかんぬき269と、錘270とを有してい
る。かんぬき269の下端側の一側部には凹部269a
が形成されている。また、かんぬき269はその下端部
に取付けられたばね271により下方に向かって付勢さ
れている。また上記錘270はその上端部に形成された
軸270aを中心として、図において左右方向に振れる
ようになっている。錘270の中間部には図において左
方向に向かって係止片270bが形成されており、この
係止片270bが上記かんぬき269の凹部269aに
係合するようになっている。なお、かんぬき手段268
は棚2の天板内に凹部を形成しこの凹部内に設けてもよ
いし、凹部を設けずに天板上に取り付けるようにしても
よい。
【0064】上記図14に示した例によれば、通常時に
はかんぬき269の凹部269aに錘270側の係止片
270bが係合しているため、かんぬき269はばね2
70の付勢力に抗して係止されている。この状態では、
かんぬき269の上端部が棚241の上端面から突出し
てピニオン267と係合し、ピニオン267の回転がロ
ックされている。この状態で何らかの外力によりパネル
12が振動しても、ピニオン267の回転がロックされ
ていることから、ピニオン267は回転せず、このピニ
オン267及びラック266を介して棚2とパネル12
とが連結された状態となる。従って、パネルがみだりに
振動することを防止でき、パネルが破損したりまたパネ
ルに取り付けられた駆動機構などに悪影響を及ぼすこと
を防止することができる。
【0065】また、この状態で地震等による揺れが発生
すると、その揺れのエネルギーは可動台車3を介してパ
ネル12、ロッド52へと伝達される。この状態ではか
んぬき269によりピニオン267の回転が規制されて
いるため、ラック266、ピニオン267を介して地震
の揺れエネルギーが棚2側に伝達される。そのため、棚
2は地震の初期状態ではこの地震の揺れエネルギーによ
って振動する。そして、この地震等による揺れのエネル
ギーは棚2の上端部に取り付けられた錘270にも伝達
され、この錘270が軸270aを中心に左右方向に揺
れることによりかんぬき269の凹部269aに係合し
ていた係止片270bが凹部269aから外れて係止が
解除される。これにより、ばね271の付勢力により、
かんぬき269が下方に引っ張られ、かんぬき269に
よるピニオン267のロックが解除され、ピニオン26
9は自由に回転可能となる。したがって、地震の揺れエ
ネルギーによりパネル12が振動しても、この振動エネ
ルギーはロッド52を介して棚2側に伝達されることは
なく、棚2の免震効果を妨げることはなく、上記実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0066】なお、上記図14に示した実施の形態では
地震の揺れエネルギーを利用してかんぬき269を開放
するようにしたものであったが、感震装置を設けて、こ
の感震装置が地震による揺れを感知したときにそソレノ
イドなどのアクチュエータを駆動させてかんぬき269
を作動させ、ピニオン267の係止を解除させてもよ
い。また、感震装置やアクチュエータのバックアップ用
の電源を設けるようにしてもよい。また、地震による棚
の振動等を考慮してロッド52を蝶番などを介してパネ
ル2へ取付け、ロッド52がこの取付け部を中心に上下
に回動できるようにしてもよい。また、上記実施の形態
ではラックとピニオンによって棚側とパネル側とを連結
したが、これに代えて摩擦係数の大きな部材を用いてそ
の摩擦力を利用してもよい。
【0067】図15は、本発明に適用可能なパネルの変
形防止手段の別の例を示す。上記実施の形態と同一の構
成については同一の符号を付して説明を省略する。図1
5において、可動台車3の一側端部にはパネル12が蝶
番276を介して取り付けられている。可動台車3の上
端一側辺部とパネル12の下端一側辺部とが互いに当接
しており、パネル12の下端部と可動台車3の一端部と
の間にはスペースSが形成されている。上記蝶番276
は紙面手前側と奥側とにそれぞれ取り付けられており、
この蝶番276を中心としてパネル12が図において左
右方向に回動自在となっている。一方、パネル12の上
端部と棚2の上端部との間には、止め具275が取り付
けられている。止め具275の両端部には孔が形成され
ており、このうちのパネル12側の孔にビス275aが
挿通されている。このビス275aを中心に止め具27
5がパネル12に対して回動自在に取り付けられてい
る。また止め具275の棚2側の孔にはビス275bが
挿通されており、このビス275bを中心に止め具27
5が棚2に対して回動自在に取り付けられている。な
お、この止め具275としては、ゴム、ばね、合成樹脂
により構成してもよいし、またユニバーサルジョイント
を用いてもい。
【0068】上記の例によれば、通常時には、棚2が上
述の制止手段によって可動台車3上の所定の位置に保持
されていると共に、この棚2とパネル12とを上記止め
具275によって連結したことから、パネル12に外力
が加わっても、パネル12が破損したり、またパネル1
2に取り付けられた駆動機構に悪影響を与えることはな
い。また、地震等による揺れが発生した場合には、制止
手段による棚2の制止が解除され、棚2が相対移動しよ
うとする。パネル12は上記蝶番267を中心として図
15において左右方向に回動できるようになっていると
共に、その上端部が止め具275により棚2と連結され
ていることから、パネル12は棚2と共に相対移動でき
る。したがって、このパネル12の相対移動により、棚
2の相対移動を妨げることはないし、またパネル12の
相対移動により地震等による揺れのエネルギーを吸収で
き、パネル12の破損やパネルに取り付けられた可動棚
の駆動機構の保護を図ることができる。また、パネル1
2の下端部側にスペースSを設けたことから、パネル1
2が回動する際に可動台車3の端部が障害となることは
ないし、またパネル12の下端部が作業者の足に引っ掛
ることもなく安全である。
【0069】図16に示す実施の形態は、可動台車3の
パネル12の取付け部側の下端部に傾斜面277を設け
ると共に、パネル12の下端部を可動台車3の底面近傍
まで伸ばして配置した例である。その他の構成について
は上記実施の形態と同様であるため説明を省略する。こ
のように、図16に示した実施の形態によれば、地震等
の揺れによりパネル12が回動した場合であっても、可
動台車3の一端側の下端部に傾斜面277が形成され、
この部分にスペースSが形成されているため、パネル1
2の下端部が可動台車3に当接することはない。したが
って、可動台車3がパネル12の回動の障害となること
はなく、上記実施例と同様の効果を奏することができ
る。また、パネル12の正面側からみた場合にパネル1
2の下端部側に余分なスペースがなくなり、外観上仕様
を良好とすることができる。また、図16に示したよう
にパネル12の下端部の前面側にも傾斜面277aを設
けて、このパネル12の下端部の角部が床面に当接しな
いようにしてもよい。なお、図16に示した実施例では
可動台車の一端部に傾斜面277を設けたものであった
が、パネル12の下端部とと可動台車3の一端部との間
の間隔をパネル12が回動できる程度に広くすれば、上
記傾斜面277を設けないようにしてもよい。
【0070】上記図15、図16に示した実施例におい
て、蝶番の数や蝶番を設ける位置などは任意であり、紙
面手前側と奥側とにわたって複数個設けるようにしても
よい。また、蝶番に代えて合成樹脂板や板ばねを屈曲さ
せて、それぞれの端部をパネル側と可動台車側に取り付
けるようにしてもよい。また、蝶番に代えて図17に示
すようにパネルと可動台車との当接部にそれぞれ略L字
状の係合部278,279を設け、この係合部材27
8,279を互いに係合させることによりパネル53を
回動自在に支持してもよいし、図18に示すように係合
部278,279を渦巻状にしてもよい。また図19に
示すように操作面側だけでなくこれと反対側の建物の壁
面側にもパネル280を設ける場合には、前後(図にお
いては左右)のパネルを支持部材286で連結してもよ
い。また、この場合には支持部材286の荷重を支持す
るため、棚上に車輪287を設けてもよい。なお、車輪
287に代えてキャスターやオムニホイル(商品名)、
ボール、ローラ等を設けてもよいし、また樹脂や潤滑剤
を塗布した滑り部材を設けてもよい。
【0071】図12〜図19に示す例は何れも可動台車
3の少なくとも一端部にパネル12を有している。
【0072】図20は、可動台車上に免震手段を介して
棚を載せ、かつ、可動台車にパネルを設けたものの別の
例を示す。図20において、可動台車3の底面の両端部
には、図20において紙面手前側と奥側とにそれぞれ走
行車輪11が取り付けられている。図示の実施の形態で
は4つの車輪11で可動台車3が走行するようになって
いる。車輪11は図示しない床面に敷設された軌条に沿
って、図20において紙面に対して手前側、奥側に往復
して走行できるようになっている。なお、可動棚は無軌
条走行式のものでもよい。可動台車3の一端部(図20
において左側の端部)には操作装置を有するパネル12
が取り付けられている。このパネル12の上端部には可
動台車3を駆動させるためのハンドル13が設けられて
いる。ハンドル13の回転力は図示しない減速機構、ス
プロケット、チェーン等の駆動機構を介して上記車輪1
1に伝達されるようになっている。なお、駆動系の具体
的構成については周知の構成を用いることができるため
説明を省略する。また、全ての車輪11を駆動車輪とし
なくとも、紙面手前側又は奥側の片側のみを駆動車輪と
してもよい。
【0073】一方、上記棚2は周知の構造をした棚であ
って、底板4の両端部に底板4から垂直に立ち上がるよ
うに取り付けられた支柱5、5と、底板4の上面から垂
直に立ち上がるように取り付けられ、上記支柱5、5間
を適宜の間隔で区切るように設けられた中間柱7と、上
記支柱5,5及び中間柱7の上端部にわたって取り付け
られた天板6とを有している。上記支柱5と中間柱7と
の間、又は中間柱7と中間柱7との間には、上記底板4
と平行に棚板8が複数段にわたって取り付けられてお
り、この棚板8上に収納物が収納されるようになってい
る。
【0074】なお、図20に示すように、棚2の背面側
(図20において紙面奥側)にブレス14を設けてもよ
い。ブレス14は支柱5の下端から中間柱7の上端に向
かって、又は隣合う中間柱7の上端から下端に向かって
斜めに設けられ、これらのブレス14が山形となるよう
に形成されている。このブレス14を設けることによ
り、特に棚2の側面側からの力に対して棚2を補強する
ことができる。上記底板4の底面、即ち棚2の底面には
棚2の免震手段をなす車輪9が取り付けられている。車
輪9は上記支柱5、及び中間柱7の取り付け位置に対応
して、図20の手前側と奥側とにそれぞれ取り付けられ
ており、この車輪9によって棚2が上記可動台車3上で
可動棚1の走行方向に対して直交する方向に移動可能と
なっている。
【0075】上記可動台車3の上記パネル12が形成さ
れる端部とは反対側の端部には、エンドストッパー10
が設けられている。このエンドストッパー10はその上
端部が棚2の下端部と当接し得るだけの高さを有してお
り、地震等の揺れにより棚2が移動して可動台車3上か
ら外れたり、飛び出したりすることを防止するものであ
る。エンドストッパーに加えて又はこれに代えてゴムや
樹脂又は、ばね、油圧シリンダーなどからなるダンパを
設けてもよい。
【0076】可動棚1に対して収納物の出し入れを行な
う際には、まず手動でハンドル13を回転させる。この
ハンドル13の回転により所定の駆動系を介してその駆
動力が可動台車の車輪11に伝達され、車輪11が回転
することにより可動台車3が図示しない軌条上を走行す
る。可動台車3の走行にともなって、車輪9を介して棚
2が可動台車と一体に走行を開始する。そして、所定の
位置まで可動棚1が走行したところで、収納物の出し入
れを行なうことができる。
【0077】地震などが発生し、床が水平方向に激しく
揺れた場合、まず床面の揺れが可動台車の車輪11を介
して可動台車3に伝達される。この揺れに対しては、可
動台車3の車輪11が自由回転することにより、可動台
車3が図20において紙面に直交する方向に移動する。
従って、地震等による紙面に直交する方向への揺れに対
しては、可動棚1の走行方向へ相対移動することによっ
て揺れエネルギーを吸収できる。地震等による揺れのう
ち、紙面に平行な方向からの揺れは可動台車3を介して
棚2に伝達される。この揺れに対しては、棚2の底面に
設けられた車輪9が、可動台車3上で自由回転すること
により棚2が相対移動し、地震等の揺れエネルギーを吸
収できる。また、その他の方向への揺れに対しても、可
動台車3の紙面に直交する方向への移動及び棚2の紙面
と平行な方向への相対移動によって揺れエネルギーを吸
収できる。
【0078】図20に示した実施の形態によれば、免震
を必要とする各可動棚ごとに個別に免震手段を設けたこ
とから、既存の棚や規格の棚などにも容易に適用するこ
とがてきイニシャルコストを抑えることができるし、ま
たメンテナンスも各棚ごとに行えばよいからメンテナン
スが容易でありランニングコストを抑えることができ
る。また導入時の組立や移設が簡単となる。さらに各可
動台車ごとに免震手段を設けたことから、可動棚が設置
される床面にかかる加重が分散されることととなり床面
の保護を図ることができる。
【0079】図21は、本発明に適用可能な制止手段の
別の例を示す。図21において、可動棚1は可動台車8
3と、この可動台車83に搭載された棚2とを有してな
る。上記可動台車83の上面部83aは、その左端部及
び右端部から中央部に向かって徐々に低くなる断面円弧
状の傾斜面が形成されている。この上面部83aに棚2
が搭載されている。棚2の底面84はその左端部及び右
端部から中心部に向けて徐々に下方に突出するよう断面
円弧状に形成されており、上記可動台車83の上面部に
沿った形状に形成されている。そして、この棚の底面に
は車輪9が設けられており、この車輪9により棚2が可
動台車83上で移動できるようになっている。その他の
構成については、前記図20に示す実施の形態と同様で
ある。
【0080】図21に示す例によれば、可動台車83の
上面部83aが中心部に向かって徐々に低くなる円弧状
に形成されていることから、棚2に対し図面左方向から
の外力F が作用すると、棚2は右側に移動して上面部
83aの傾斜面に乗り上げる。棚2が傾斜面に乗り上げ
ることにより、今度は棚2に対しては原位置に戻ろうと
する力が作用する。上記外部からの力F がなくなった
り、また小さくなると、この原位置に戻ろうとする力の
方が大きくなり、棚2は原位置に戻ろうとして図21に
おいて左側に移動する。この原位置に戻ろうとする力に
より何度か左右に揺れながら最後には原位置で停止す
る。従って、図21に示す実施例によっても棚を所定位
置に制止させておくことができる。また、地震等により
激しく揺れた場合にも、棚は上記と同様な移動をするこ
とにより地震等による揺れのエネルギーを吸収すること
ができる。
【0081】なお、上記の例とは逆に図22に示すよう
に、可動台車85の上面部をその中心部に向かって徐々
に高くなるような山形の傾斜面を形成すると共に、棚2
の底面86を中心に向かって徐々に高くなるように形成
してもよい。また、図23に示すように可動台車3上面
の両端部に制止部材87を取り付けてもよい。この制止
部材87の上面部は外方に向かって徐々に上方に突出
し、その上面が円弧状に形成されている。
【0082】また、図24に示すように可動台車3の上
端部に車輪9を取り付け、棚2の底面の両端部に制止部
材88を設けてもよい。制止部材88はその上面部が両
端部側に向かって徐々に下方に突出するように形成さ
れ、その下面が円弧状に形成されている。さらに、図2
5に示すように可動台車89の上面を一端側に向かって
傾斜させてもよい。かかる場合には傾斜面の低くなる方
にストッパ90を設る。また、ストッパ90部分にダン
パを設けてもよい。なお、図25に示す実施例では分か
りやすいように傾斜面の傾斜を急にしているが、実際に
は棚2が一方向へゆっくり片寄る程度の極わずかな傾斜
であればよい。これら図21ないし図25に示す実施実
施の形態によっても前記図20に示す実施の形態と同様
な効果を得ることができる。
【0083】図20〜図25に示す実施の形態も可動台
車3にパネル12が取り付けられている。
【0084】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、棚を一方
向に移動可能に吊り下げてなる可動棚において、上記棚
の走行方向とは異なる方向に棚を移動させることができ
る免震手段が棚の吊り下げ部に介在しているため、可動
棚の走行方向だけでなく地震等による水平方向のあらゆ
る揺れエネルギーを吸収することができ、収納物が飛び
出したり、破損したり、また棚自体が転倒して人を押し
潰すことなどを防止することができ、可動棚の安全性の
向上を図ることができる。
【0085】請求項2記載の発明によれば、収納物を収
納する棚とともに走行する可動台車を有してなる可動棚
において、上記棚は上記可動台車から免震手段を介して
吊り下げられ、上記免震手段は、上記可動台車の走行方
向とは異なる方向に棚を移動させるものであるため、可
動棚の走行方向だけでなく地震等による水平方向のあら
ゆる揺れエネルギーを吸収することができ、収納物が飛
び出したり、破損したり、また棚自体が転倒して人を押
し潰すことなどを防止することができ、可動棚の安全性
の向上を図ることができる。
【0086】請求項3記載の発明によれば、免震手段を
介して軌条が支持され、棚の上部に取り付けられた車輪
が上記軌条に沿って回転することにより上記棚が上記軌
条に沿って走行する可動棚において、上記免震手段は、
棚の走行方向とは異なる方向に軌条及び棚を移動させる
ものであるため、可動棚の走行方向だけでなく地震等に
よる水平方向のあらゆる揺れエネルギーを吸収すること
ができ、収納物が飛び出したり、破損したり、また棚自
体が転倒して人を押し潰すことなどを防止することがで
き、可動棚の安全性の向上を図ることができる。
【0087】請求項4〜7記載の発明によれば、棚の上
方に軌条が支持され、棚の上部に取り付けられた車輪が
上記軌条に沿って回転することにより上記棚が上記軌条
に沿って棚の間口面と平行な方向に走行することができ
る可動棚において、上記軌条は、免震手段を介し構築物
によって支持され、上記免震手段は、棚の走行方向とは
異なる方向に軌条を移動させることができるものである
ため、可動棚の走行方向だけでなく地震等による水平方
向のあらゆる揺れエネルギーを吸収することができ、収
納物が飛び出したり、破損したり、また棚自体が転倒し
て人を押し潰すことなどを防止することができ、可動棚
の安全性の向上を図ることができる。
【0088】請求項8記載の発明によれば、免震手段を
介して起立した枠形の可動台車を有し、可動台車の上部
に軌条が取り付けられ、棚の上部に取り付けられた車輪
が上記軌条に沿って転動することにより、棚がその間口
面と平行な方向に移動することができる可動棚であっ
て、免震手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向
とは異なる方向に移動させるものであるため、可動棚の
走行方向だけでなく地震等による水平方向のあらゆる揺
れエネルギーを吸収することができ、収納物が飛び出し
たり、破損したり、また棚自体が転倒して人を押し潰す
ことなどを防止することができ、可動棚の安全性の向上
を図ることができる。請求項9および請求項10記載の
発明も、同様の効果を奏する。
【0089】
【0090】請求項12記載の発明によれば、可動台車
と棚を有してなる可動棚であって、上記棚は上記可動台
車上で免震手段を介して支持され、上記免震手段は、可
動台車の走行方向とは異なる方向に棚を移動させること
ができ、可動台車は少なくとも一端側にパネルを有して
いるため、可動棚の走行方向だけでなく地震等による水
平方向のあらゆる揺れエネルギーを吸収することがで
き、収納物が飛び出したり、破損したり、また棚自体が
転倒して人を押し潰すことなどを防止することができ、
可動棚の安全性を向上させることができる。
【0091】請求項13記載の発明によれば、請求項1
2記載の発明に、パネルの保護手段を設けたため、地震
時に可動棚が振動し、免震手段が介在することによって
可動台車に対し棚が相対移動しても、パネルが損傷する
ことを防止することができる。請求項14記載の発明も
同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる可動棚の実施の形態を示す正面
図。
【図2】同上側面図。
【図3】本発明にかかる可動棚の別の実施の形態を示す
正面図。
【図4】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形態
を示す正面図。
【図5】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形態
を示す側面図。
【図6】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形態
を示す側面図。
【図7】同上実施の形態に適用可能な静止手段の例を示
す側面図。
【図8】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形態
を示す側面図。
【図9】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形態
を示す側面図。
【図10】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す側面図。
【図11】同上正面図。
【図12】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図13】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図14】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図15】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図16】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図17】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図18】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図19】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図20】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図21】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図22】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図23】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図24】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【図25】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施の形
態を示す正面図。
【符号の説明】
1 可動棚 2 棚 3 可動台車 9 免震手段としての車輪 12 パネル 23 軌条 95 免震手段としての車輪 201a 静止手段としての傾斜部材 201b 静止手段としての傾斜部材 202 免震手段としての車輪 205 棚 220 可動台車 221 免震手段としての車輪 230 可動台車 233 免震手段としての車輪 243 静止手段を兼ねた軌条
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−71303(JP,A) 実開 昭60−162505(JP,U) 実開 平4−6473(JP,U) 実開 昭64−18016(JP,U) 実開 昭60−65051(JP,U) 実開 平6−61821(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 53/00 - 53/02 A47B 97/00 B65G 1/10 E04H 9/02 F16F 15/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚を一方向に移動可能に吊り下げてなる
    可動棚であって、 上記棚の走行方向とは異なる方向に棚を移動させること
    ができる軌条と車輪を有してなる免震手段が棚の吊り下
    げ部に介在していることを特徴とする可動棚。
  2. 【請求項2】 収納物を収納する棚とともに走行する可
    動台車を有してなる可動棚であって、 上記棚は上記可動台車から免震手段を介して吊り下げら
    れ、 上記免震手段は、上記可動台車の走行方向とは異なる方
    向に棚を移動させることができることを特徴とする可動
    棚。
  3. 【請求項3】 免震手段を介して軌条が支持され、棚の
    上部に取り付けられた車輪が上記軌条に沿って回転する
    ことにより上記棚が上記軌条に沿って走行する可動棚で
    あって、 上記免震手段は、上記軌条と車輪とは別の軌条と車輪を
    有し棚の走行方向とは異なる方向に上記軌条及び棚を移
    動させることができることを特徴とする可動棚。
  4. 【請求項4】 棚の上方に軌条が支持され、棚の上部に
    取り付けられた車輪が上記軌条に沿って回転することに
    より上記棚が上記軌条に沿って棚の間口面と平行な方向
    に走行することができる可動棚であって、 上記軌条は、免震手段を介し構築物によって支持され、 上記免震手段は、上記軌条と車輪とは別の軌条と車輪を
    有し棚の走行方向とは異なる方向に上記軌条を移動させ
    ることができることを特徴とする可動棚。
  5. 【請求項5】 複数の棚の移動を個別に案内する軌条が
    介在部材を介して連結され、棚相互の間隔が一定に保た
    れる請求項4記載の可動棚。
  6. 【請求項6】 免震手段の車輪の位置を所定の位置に保
    持する静止手段を有し、通常時には静止手段によって免
    震手段の車輪が所定の位置に保持され、地震等による揺
    れが発生したときには上記免震手段の車輪が静止手段に
    よる静止位置から移動可能であることを特徴とする請求
    項4記載の可動棚。
  7. 【請求項7】 静止手段は、向きが異なる一対の傾斜面
    を有してなり、通常時は免震手段の車輪が上記一対の傾
    斜面の最低部に保持され、地震等による揺れが発生した
    ときには免震手段の車輪が上記傾斜面に沿って移動可能
    である請求項6記載の可動棚。
  8. 【請求項8】 免震手段を介して起立した枠形の可動台
    車を有し、可動台車の上部に軌条が取り付けられ、棚の
    上部に取り付けられた車輪が上記軌条に沿って転動する
    ことにより、棚がその間口面と平行な方向に移動するこ
    とができる可動棚であって、 免震手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向とは
    異なる方向に移動させることができる可動棚。
  9. 【請求項9】 棚の上方において免震手段を介し構造物
    によって支持された可動台車を有し、可動台車に軌条が
    取り付けられ、棚の上部に取り付けられた車輪が上記軌
    条に沿って転動することにより、棚がその間口面と平行
    な方向に移動することができる可動棚であって、 免震手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向とは
    異なる方向に移動させることができる可動棚。
  10. 【請求項10】 一端部が免震手段を介して起立し、他
    端部が免震手段を介し構造物によって支持された可動台
    車を有し、可動台車の上部に軌条が取り付けられ、棚の
    上部に取り付けられた車輪が上記軌条に沿って転動する
    ことにより、棚がその間口面と平行な方向に移動するこ
    とができる可動棚であって、 免震手段は、地震時に可動台車を上記棚の移動方向とは
    異なる方向に移動させることができる可動棚。
  11. 【請求項11】 棚は、絵画を収納する絵画ラックであ
    る請求項4、8、9または10記載の可動棚。
  12. 【請求項12】 可動台車と棚を有してなる可動棚であ
    って、 上記棚は上記可動台車上で軌条と車輪を有してなる免震
    手段を介して支持され、 上記免震手段は、可動台車の走行方向とは異なる方向に
    棚を移動させることができ、 可動台車は少なくとも一端側にパネルを有することを特
    徴とする可動棚。
  13. 【請求項13】 パネルは可動棚が走行する時の振動ま
    たは地震等による揺れによってパネルが損傷することを
    防止するパネルの保護手段を有する請求項12記載の可
    動棚。
  14. 【請求項14】 パネルの保護手段は、可動台車とパネ
    ルとを回転可能に連結する連結手段と、パネルと棚とを
    連結する止め具とを有し、この止め具はパネルと棚に対
    して回転可能に連結されてなる請求項13記載の可動
    棚。
JP18019898A 1995-03-30 1998-06-26 可動棚 Expired - Fee Related JP3353884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18019898A JP3353884B2 (ja) 1995-03-30 1998-06-26 可動棚

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7315595 1995-03-30
JP16498495 1995-06-30
JP7-164984 1995-06-30
JP7-73155 1995-06-30
JP18019898A JP3353884B2 (ja) 1995-03-30 1998-06-26 可動棚

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7202187A Division JP2826284B2 (ja) 1995-03-30 1995-08-08 可動棚

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10327947A JPH10327947A (ja) 1998-12-15
JP3353884B2 true JP3353884B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=27301146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18019898A Expired - Fee Related JP3353884B2 (ja) 1995-03-30 1998-06-26 可動棚

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3353884B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008256170A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Teiji Kojima 免震構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10327947A (ja) 1998-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2826284B2 (ja) 可動棚
JPH10281217A (ja) 物品展示用免震台
JP3353884B2 (ja) 可動棚
JP4349649B2 (ja) 対象物設置機構
JP3729316B2 (ja) 物品収納棚
JPH09249303A (ja) スタッカークレーンの振動防止装置
JP4703241B2 (ja) 免震装置
JP7165397B2 (ja) 移動棚の制震装置
JPH11141603A (ja) 家具の免震装置
JP2008032173A (ja) 転倒防止装置
JP3503048B2 (ja) 移動棚設備
JPH0914339A (ja) 免震装置
JPH09235905A (ja) 立体駐車場におけるパレット落下防止装置
JP2975308B2 (ja) 移動棚
JP3478105B2 (ja) 移動棚装置における複数昇降部材の手動連動装置
JP2829630B2 (ja) 上下方向免震装置
JP4292850B2 (ja) 移動ラックの安全装置
JP3407186B2 (ja) 移動ラック装置
JPH0435611A (ja) 積層式免震移動棚
KR101950874B1 (ko) 내진 구조가 적용된 모빌랙
JP3776736B2 (ja) 免震装置
JP3019794U (ja) スタンドタイプの構造物用耐震機構
JPS6125391Y2 (ja)
JP3186275B2 (ja) 免震対応パネル装置
JP2513383Y2 (ja) 昇降棚

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090927

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees