JP2826284B2 - 可動棚 - Google Patents

可動棚

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JP2826284B2
JP2826284B2 JP7202187A JP20218795A JP2826284B2 JP 2826284 B2 JP2826284 B2 JP 2826284B2 JP 7202187 A JP7202187 A JP 7202187A JP 20218795 A JP20218795 A JP 20218795A JP 2826284 B2 JP2826284 B2 JP 2826284B2
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邦雄 宮崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震等により床面が水
平方向に激しく揺れたときに、この揺れのエネルギーが
収納物へ伝達されることを極力抑えることにより、収納
物が飛び出したり、棚が転倒することのない安全性に優
れた可動棚に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から物品保管等のために、手動又は
電動で棚を移動させる可動棚が広く使用されている。こ
のような可動棚には種々のものがあり、その用途に応じ
て単独で使用されたり、また可動棚を適宜の台数組み合
わせ配置して使用されている。
【0003】これら従来の可動棚においては、入出庫を
行なう場合には床面上又は天井に敷設された軌条に沿っ
て可動棚を走行させて、収納物の出し入れを行なってい
る。このような従来の可動棚においては、地震等が発生
して床面が水平方向に激しく揺れた場合、可動棚の車輪
がロックされていない状態であれば、車輪の自由回転に
より床面の揺れに対して可動棚がその走行方向に相対移
動し、この可動棚の相対移動により、可動棚の走行方向
に対する揺れのエネルギーをある程度まで吸収できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に地震が
発生したときには、可動棚の走行方向だけでなくあらゆ
る方向からの揺れが作用する。したがって、上記従来の
ような可動棚では、可動棚の走行方向に対しては免震す
ることができても、これとは異なる方向からの揺れに対
しては十分に対応することができなかった。そのため地
震等による揺れエネルギーが可動棚の車輪等を介して棚
に伝達され、可動棚内の収納物が破損し、また収納物が
可動棚から飛び出したり、地震の揺れが激しい場合には
可動棚自体が転倒して人を押し潰すなど大変危険であっ
た。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、地震等による水平方向の
激しい揺のエネルギーが棚や収納物に伝達されることを
極力抑えて、収納物が破損したり、飛び出したりするこ
となく、棚の転倒を防止できる安全な可動棚を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ため本願発明は、免震を必要とする可動棚ごとに個別に
免震手段を設けて、可動棚内の収納物の免震を図ったこ
とを特徴とする。具体的には、本願請求項1記載の発明
は、収納物を収納する棚とこの棚を搭載して一体に走行
する可動台車とを有してなる可動棚であって、上記棚
上記可動台車上で免震手段を介して支持され、上記免震
手段は、上記可動台車の走行方向とは異なる方向に棚を
移動させることができることを特徴とする。
【0007】 請求項2記載の発明のように、上記免震
手段は可動棚の走行方向及びこの走行方向とは異なる方
向に棚を移動させて可動棚の走行方向に対して二重免震
にしてもよい。請求項3記載の発明のように、上記免震
手段は多指向性の移動手段としてもよい。請求項4記載
の発明のように、請求項1記載の発明において、地震等
による揺れが発生した時には棚が移動できるよう制止を
解除し、通常時には棚を所定の位置に制止させておく制
止手段を設けるとよい。 上記の静止手段を設けたものに
おいては、請求項5記載の発明のように、地震等による
揺れを感知する感震装置を設け、この感震装置からの信
号により制止手段を開放するようにするとよい。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】請求項1記載の発明によれば、地震などによる
激しい揺れのうち、可動棚の走行方向への揺れに対して
は、可動台車が走行方向に相対移動することにより揺れ
エネルギーを吸収する。一方、これとは異なる方向の揺
れに対しては、棚を支持する免震手段が、棚を相対的に
移動させることにより揺れエネルギーを吸収する。従っ
て、棚全体としてはあらゆる方向からの揺れに対して相
対的に移動することができ、これにより地震等の揺れエ
ネルギーを吸収し、棚への伝達を遮断できる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】免震手段として可動棚の走行方向及びこれ
とは異なる方向に棚を移動させることができる免震手段
を用いた場合には、可動棚の走行方向に対して二重免震
とすることができる。従って、可動棚の重量等が抵抗と
なって車輪の回転がスムーズでない場合であっても十分
に免震することができるし、また、走行方向に間口面を
有する可動棚などでは倒れやすい間口面に対して二重の
免震とすることができ、棚の転倒などを防止できる。
【0025】免震手段として多指向性の移動手段を用い
た場合、地震等の揺れに対して棚や収納物を可動棚の走
行方向のみならずあらゆる方向に相対移動させることが
できる。従って、可動棚自体の相対移動と相俟って地震
等による水平方向の激しい揺れに対して棚や収納物を二
次元的に相対移動させることができる。
【0026】
【0027】制止手段は、地震等が発生した時には棚又
は可動棚、棚板又はレール受け部材などが相対移動でき
るよう棚の制止を解除する。一方、通常時には棚又は可
動棚、棚板又は軌条部材などを所定の位置に保持する。
また、感震装置を設けた場合、感震装置は地震等による
揺れを感知する。感震装置からの揺れを感知した旨の信
号により、制止手段は解除され、これにより可動棚や棚
などが免震手段などにより自由に移動できるようにな
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明にかかる可動棚の実施例を図面
を用いて説明する。図1、図2において可動棚1は収納
物を収納する棚2と、棚2を搭載して一体に走行する可
動台車3を有している。可動台車3の底面の両端部に
は、図1において紙面手前側と奥側とにそれぞれ走行車
輪11が取り付けられ、図示の実施例では4つの車輪1
1で可動台車3が走行するようになっている。車輪11
は図示しない床面に敷設された軌条に沿って、図1にお
いて紙面に対して手前側、奥側に往復して走行できるよ
うになっている。なお、可動棚は無軌条走行式のもので
もよい。また、可動台車3の一端部(図1において左側
の端部)には操作装置を有するパネル12が取り付けら
れている。このパネル12の上端部には可動台車3を駆
動させるためのハンドル13が設けられている。ハンド
ル13の回転力は図示しない減速機構、スプロケット、
チェーン等の駆動機構を介して上記車輪11に伝達され
るようになっている。なお、駆動系の具体的構成につい
ては周知の構成を用いることができるため説明を省略す
る。また、全ての車輪11を駆動車輪としなくとも、紙
面手前側又は奥側の片側のみを駆動車輪としてもよい。
【0029】一方、上記棚2は周知の構造をした棚であ
って、底板4の両端部に底板4から垂直に立ち上がるよ
うに取り付けられた支柱5、5と、底板4の上面から垂
直に立ち上がるように取り付けられ、上記支柱5、5間
を適宜の間隔で区切るように設けられた中間柱7と、上
記支柱5,5及び中間柱7の上端部にわたって取り付け
られた天板6とを有している。上記支柱5と中間柱7と
の間、又は中間柱7と中間柱7との間には、上記底板4
と平行に棚板8が複数段にわたって取り付けられてお
り、この棚板8上に収納物が収納されるようになってい
る。
【0030】なお、上記図1に示すように、棚2の背面
側(図1において紙面奥側)にブレス14が設けてもよ
い。ブレス14は支柱5の下端から中間柱7の上端に向
かって、又は隣合う中間柱7の上端から下端に向かって
斜めに設けられ、これらのブレス14が山形となるよう
に形成されている。このブレス14を設けることによ
り、特に棚2の側面側からの力に対して棚2の強度を補
強することができる。
【0031】上記底板4の底面、即ち棚2の底面には棚
2の免震手段をなす車輪9が取り付けられている。車輪
9は上記支柱5、及び中間柱7の取り付け位置に対応し
て、図1の手前側と奥側とにそれぞれ取り付けられてお
り、この車輪9によって棚2が上記可動台車3上で可動
棚1の走行方向に対して直交する方向に移動可能となっ
ている。なお、図2で点線9aで示すように、可動台車
3の長手方向にわたって溝9aを形成したり、又はこの
溝に代えて軌条を形成して、この溝9aや軌条に沿って
棚2が移動するようにしてもよい。
【0032】上記可動台車3の上記パネル12が形成さ
れる端部とは反対側の端部には、エンドストッパー10
が設けられている。このエンドストッパー10はその上
端部が棚2の下端部と当接し得るだけの高さを有してお
り、地震等の揺れにより棚2が移動して可動台車3上か
ら外れたり、飛び出したりすることを防止するものであ
る。エンドストッパーに加えて又はこれに代えてゴムや
樹脂又は、ばね、油圧シリンダーなどからなるダンパを
設けてもよい。
【0033】次に、上記図1、図2に示す実施例の可動
棚の動作について説明する。可動棚1に対して収納物の
出し入れを行なう際には、まず手動で上記ハンドル13
を回転させる。このハンドル13の回転により所定の駆
動系を介してその駆動力が可動台車の車輪11に伝達さ
れ、車輪11が回転することにより可動台車3が図示し
ない軌条上を走行する。可動台車3の走行にともなっ
て、車輪9を介して棚2が可動台車と一体に走行を開始
する。そして、所定の位置まで可動棚1が走行したとこ
ろで、収納物の出し入れを行なうことができる。
【0034】この状態で、地震などが発生し、床が水平
方向に激しく揺れた場合、まず床面の揺れが可動台車の
車輪11を介して可動台車3に伝達される。この揺れに
対しては、可動台車3の車輪11が自由回転することに
より、可動台車3が図1においてX方向(図1において
紙面に直交する方向)に移動する。従って、地震等によ
るX方向への揺れに対しては、可動棚1の走行方向であ
るX方向へ相対移動することによって揺れエネルギーを
吸収できる。
【0035】地震等による揺れのうち、X方向に対して
直交する方向からの揺れ、即ちY方向からの揺れは上記
可動台車3の移動では吸収することができないため、こ
の揺れのエネルギーは可動台車3を介して棚2側に伝達
される。このY方向の揺れに対しては、棚2の底面に設
けられた車輪9が、可動台車3上で自由回転することに
より、棚2が地震等によるY方向の揺れに対して相対的
に移動し、地震等の揺れエネルギーを吸収できる。ま
た、その他の方向への揺れに対しても、可動台車3のX
方向への移動及び棚2のY方向への相対移動によってそ
の揺れエネルギーを吸収できる。
【0036】このように、地震等による床面の水平方向
への激しい揺れが生じても、この揺れに対して可動台車
3が可動棚1の走行方向であるX方向へ相対的に移動す
ることにより、また棚2自体のY方向へ相対的な移動に
よって、あらゆる方向からの揺れのエネルギーを吸収
し、揺れが棚2に伝わることを防止できる。従って、棚
2内に収納された収納物が飛び出したり、又は破損する
こともないし、棚2自体が倒れるなどの危険がない安全
な可動棚を得ることができる。
【0037】また、上記図1、図2に示した実施例によ
れば、免震を必要とする各可動棚ごとに個別に免震手段
を設けたことから、既存の棚や規格の棚などにも容易に
適用することがてきイニシャルコストを抑えることがで
きるし、またメンテナンスも各棚ごとに行えばよいから
メンテナンスが容易でありランニングコストを抑えるこ
とができる。また導入時の組立や移設が簡単となる。さ
らに各可動台車ごとに免震手段を設けたことから、可動
棚が設置される床面にかかる加重が分散されることとと
なり床面の保護を図ることができる。
【0038】上記実施例においては、免震手段として棚
2の底面側に車輪を設けた例であったが、かかる車輪を
可動台車3側に設けて、この車輪上を棚2が移動するよ
うにしてもよいし、また車輪に代えて長尺状のローラを
可動台車3と棚2との間に介在させたり、又は棚2側や
台車3側に取り付けてもよい。また免震手段は直動部材
であってもよい。これらの免震手段を用いた場合であっ
ても上記実施例と同様の効果を奏することができる。
【0039】次に、上記実施例の可動棚に適用可能な免
震手段について説明する。免震手段としては上記車輪9
のように一方向にのみ移動できるものでなくとも、キャ
スターなどの複数方向に移動可能な多指向性の移動手段
を用いてもよい。図3はかかる多指向性の移動手段とし
ての二指向性異径走行ローラを用いた例を示したもので
ある。図3において、二指向性異径走行ローラ25は、
中心軸26を中心として回転可能に支持されたフレーム
27を有している。フレーム27はその中心から外周に
向かって放射状に約120°間隔で形成されたローラ支
持体27aを有している。ローラ支持体27aは断面が
略Y字状に形成されている。隣合うローラ支持体27a
間にそれぞれローラ28が軸支され、このローラ28は
紙面手前側及び奥側に回転可能となっている。このロー
ラ28はその端部から軸線方向中央部に向かって徐々に
径が大きくなる樽状に形成されていると共に、二指向性
異径走行路ローラ25の全体を軸26方向からみた場合
に、各ローラ28及びフレーム27の外径を結んだ線が
軸26を中心とする円と一致するようになっている。そ
して、フレーム27は軸26を中心として図3において
左右方向に回転可能となっている。
【0040】上記二指向性異径走行ローラ25を上記図
1、図2に示した可動棚の免震手段として適用した場合
の作用を説明する。上記二指向性異径走行ローラ25は
そのフレーム27が可動棚1の走行方向、即ちX方向へ
回転できるように取り付けられている。この状態で地震
等により床が水平方向に激しく揺れると、この揺れのう
ち図1においてX方向への揺れに対しては可動台車3の
相対的な移動により揺れのエネルギーを吸収できる。ま
た、地震等による揺れが激しい場合には、その揺れエネ
ルギーが棚2側に伝達される。このX方向の揺れに対し
ては、上記二指向性異径走行ローラ25のフレーム27
が軸26を中心として回転し棚2を相対移動させること
によってX方向の揺れエネルギーを吸収できる。また、
図1の可動棚の走行方向に対して直交するY方向の揺れ
に対しては、上記二指向性異径走行ローラ25のローラ
28が図3において紙面手前側、奥側に回転することに
より、棚2を相対的に移動させることにより揺れエネル
ギーを吸収する。よって、かかる場合であっても上記図
1、図2に示す実施例と同様な効果を得ることができ
る。また、棚2はその構造上、図1において間口方向で
あるX方向に倒れ易いが、上記実施例のように棚2の倒
れやすい方向であるX方向に対して二重免震とすること
により、さらに一層棚2の転倒を防止できる。
【0041】図4に示した実施例は、棚を複数方向に移
動させることができる多指向性の移動手段として滑り部
材を用いた例である。なお、図1と同様の構成について
は同一の符号を付して説明を省略する。図4において棚
2の底部には、上記図1、図2の実施例の車輪9に代え
て、四角柱状をした滑り部材30が適宜の間隔をおいて
部分的に取り付けられている。滑り部材30の下面は可
動台車3の上面に摺接している。かかる滑り部材30は
樹脂や焼結含油部材などを用いることができる。このよ
うな図4に示す実施例によれば、地震等により床面が激
しく水平方向に揺れた場合、X方向の揺れに対しては可
動棚1が床面に対して相対的に移動することにより、ま
た棚2が滑り部材30により可動台車3上でX方向に相
対移動することにより、この揺れのエネルギーを吸収で
きる。またその他の方向からの揺れに対しては棚2が滑
り部材30により移動台車3上で相対的に移動すること
により、この揺れエネルギーを吸収し、棚2に伝わるこ
とを防止できる。従って、かかる実施例によっても、上
記図1、図2に示す実施例と同様の効果を奏することが
できる。なお、滑り部材30は可動台車3の上面に取り
付けてもよいし、また単に可動台車3と棚2との間に介
在させるだけでもよい。また、この滑り部材の形状は任
意であり、たとえば三角柱状に形成してもよく、滑り部
材と可動台車または棚との接触面積が小さいほうが摩擦
が減少し免震を行うには好ましい。
【0042】図5に示した実施例は、多指向性の移動手
段として滑り部材を潤滑油に浸した例である。図5にお
いて、可動台車3上には枠体16が取り付けられてい
る。この枠体16の内周面は棚2の底面よりも大きく形
成されており、この内周面に潤滑油15が所定量保持さ
れている。また、この枠体16内には板状の滑り部材1
7bが適宜間隔をおいて部分的に設けられている。この
滑り部材17bは樹脂や含油部材などの適宜のもので形
成されている。また、棚2の底面にも、上記可動台車3
側の滑り部材17bの取付け位置に対応するように滑り
部材17aが取り付けられている。上記棚2側の滑り部
材17aの下端面は、可動台車3側の滑り部材17bよ
りも小さく形成されている。そして、この滑り部材17
aと上記滑り部材17bとが摺接するようになってお
り、この滑り部材17aと滑り部材17bとの摺接面が
上記潤滑油15に浸された状態となっている。なお、棚
2と枠体16との間の隙間には、蛇腹状のカバーを設け
て、枠体16内の潤滑油15が外部に飛び出すことを防
止するようにしてもよい。また、潤滑油は適宜人手によ
って補給してもよいし、自動的に補給するようにしても
よい。その他の構成については上記図1、図2に示した
実施例と同様である。
【0043】図5に示した実施例によれば、滑り部材1
7の摺接面に潤滑油15が常に行き渡るようになってい
ることから、滑り部材17aが滑り部材17b上を滑る
ことにより棚2が地震等による揺れに対して相対移動で
きる。よって、上記図4に示した実施例と同様の効果を
奏することができる。なお、滑り部材を棚の底面側にの
み設けて、この滑り部材が可動台車3上に摺接するよう
にしてもよい。また、滑り部材を完全に潤滑油に浸さな
くとも、滑り部材の摺接面に潤滑油や潤滑剤などを塗っ
ておくだけでもよい。かかる場合には潤滑剤としてロウ
や合成樹脂などを用いることもできる。
【0044】図6、7に示した実施例は、多指向性の免
震手段としてボールを用いた例である。なお、図1、図
2に示す実施例と同様の構成については同一の符号を付
して説明を省略する。図6において、可動台車3上には
その上面からみて四角形状をした枠体31が取り付けら
れている。枠体31の内周は棚2の底面よりも大きさく
なるように形成されており、その内周部にはボール32
とリテーナ33とが配置されている。ボール32は上記
リテーナ33を介して適宜の間隔をおいて縦横複数列に
配置され回転自在となっている。ボール32の上端部は
リテーナ33の上面から突出して棚2の底面と当接する
ようになっている。このボール32は、スチールボール
や硬質ゴム、樹脂などにより形成すればよい。
【0045】この状態で地震等による揺れが生じると、
地震等によるX方向への揺れに対しては、可動棚1が走
行方向に移動することで床面の揺れに対して相対移動す
ると共に、ボール32の回転により棚2が可動台車3上
でX方向に相対移動する。また、その他の方向からの揺
れに対してはボール32の回転により棚2が相対的に移
動することにより、揺れのエネルギーを吸収することが
できる。従って、図6、図7に示した実施例によって
も、上記図5に示した実施例と同様の効果を奏すること
ができる。
【0046】なお、上記ボールが回転しない場合であっ
ても、棚との接触面積が少なくなることから棚が可動台
車上で相対移動するときの摩擦抵抗が少なくなり、棚が
可動台車上で相対移動できる。また、上記ボールに代え
て三角柱状の部材等を介在させるだけでも棚との接触面
積が少なくなり、棚が可動台車上で相対移動するときの
摩擦抵抗を少なくすることができ棚が可動台車上で相対
移動できる。また、多指向性の免震手段としては、上記
ボールに代えて多層に形成したゴムや、ばね、スポンジ
やエアーマットなどの弾性部材を取り付けておくだけで
もよい。かかる場合には、地震等の揺れにより棚が揺れ
ると、この揺れに応じて弾性部材が撓むことにより地震
の揺れエネルギーを吸収でき、上記図1、図2に示す実
施例と同様の効果を奏することができる。また、弾性部
材を用いた場合には、上下方向の揺れに対しても免震効
果を発揮でき、棚の3次元的な免震が可能となる。
【0047】図8に示した実施例は、多指向性の免震手
段としてローラ等を組み合わせたものである。図8にお
いて、可動台車3と棚2との間には免震手段18が紙面
手前側と奥側とに合わせて4ヵ所にそれぞれ配置されて
いる。免震手段18はローラ支持部材19と、このロー
ラ支持部材19に取り付けられた下側ローラ20と上側
ローラ21とを有している。ローラ支持部材19はその
四隅部に切欠き部を有する下側支持部19aと、この下
側支持部19aの紙面手前側と奥側とに設けられ、下側
支持部材19aの幅方向の中心部から立ち上がった上側
支持部19bとを有している。下側支持部19aの切欠
き部にはそれぞれ車輪20が取り付けられている。車輪
20は軸を中心として図において左右方向に回転自在と
なっており、この車輪20が可動台車3上を移動するよ
うになっている。また、上側支持部19bの開口部にも
車輪21が取り付けられており、この車輪21はその軸
を中心として紙面手前側、奥側に回転自在となってい
る。車輪21の上端部は棚2の底面と当接しており、車
輪21の回転により棚2が移動可能となっている。従っ
て、この免震手段18は、ローラ21によりX方向に、
ローラ20によりY方向にそれぞれ棚を移動させること
ができるようになっている。
【0048】この状態で地震等による水平方向の激しい
揺れが発生すると、紙面に直交する方向、即ちX方向の
揺れに対しては、可動棚1が走行方向に相対的に移動す
る。また、揺れが激しい場合には、可動台車3を介して
地震等によるX方向の揺れエネルギーが、棚2側に伝達
される。かかるX方向の揺れに対しては、上記車輪21
が自由回転することにより、棚2を地震等の揺れに対し
て相対的に移動させることができる。また、これに直交
する方向からの揺れ、即ちY方向からの揺れに対して
は、上記車輪20が可動台車3上を移動することによ
り、地震等の揺れに対して棚2を相対的に移動させるこ
とができる。このように、図8に示す実施例によっても
上記図1、図2に示す実施例と同様の効果を奏すること
ができる。また、可動棚の走行方向を二重免震としたこ
とから、可動棚の重量等が抵抗となって車輪11の回転
がスムーズでない場合であっても、十分に免震効果を奏
することができるし、また棚2の構造上間口面側に転倒
しやすいため、この方向に対して二重免震とすれば棚2
の転倒を防止でき安全の向上を図ることができる。
【0049】また、免震手段としては図9に示すような
多指向性の免震手段を用いてもよい。図9において、可
動台車3の上端部には、紙面手前側と奥側に車輪22a
が可動台車3の走行方向に対して直交する方向に一列に
配置されている。この車輪22aは紙面に対して左右方
向に回転自在となっている。この車輪22aには断面H
状をした軌条23の開口部が嵌められており、この軌条
23が車輪22aの回転により移動可能となっている。
軌条23の上部両端部には棚2の移動を案内するサスペ
ンションレール24が、上記軌条23に直交する方向、
即ち可動棚1の走行方向に取り付けられている。サスペ
ンションレール24自体は周知の構成であり、サスペン
ションレール24は棚2の底部に取り付けられた車輪2
2bの移動にともなって伸縮自在となっている。
【0050】この状態で地震等による揺れが発生する
と、可動棚1の走行方向に対する揺れに対しては、可動
台車3が相対的に移動することにより、また上記サスペ
ンションレール24に沿って棚2が移動することによ
り、地震の揺れエネルギーを吸収することができる。ま
た、可動棚1の走行方向に直交する方向からの揺れに対
しては、上記軌条23が車輪22aに沿って移動するこ
とにより、地震等の揺れに対して棚2を相対的に移動さ
せることができる。よって、図9に示す実施例によって
も上記図9に示す実施例と同様の効果を奏することがで
きる。なお、上記実施例ではサスペンションレールを用
いたが、これに代えてボールスライドを用いてもよい。
【0051】次に、本発明に適用可能な別の免震手段に
ついて説明する。図10に示した免震手段はマグネット
を用いて棚を可動台車上で浮上させるものである。な
お、上記図1、図2に示す実施例と同様の構成について
は説明を省略する。図10において、可動台車3と棚2
との間には免震手段としてのマグネット35aとマグネ
ット35bとを有してなるマグネット35が取り付けら
れている。可動台車3上面には板状のマグネット35a
がX方向に向かって延出して取り付けられており、この
マグネット35aの取り付け位置に対応する棚2の底面
には板状のマグネット35bがX方向に向かって延出し
て取り付けられている。このマグネット35aとマグネ
ット35bとは互いに同極が対峙するように配置されて
おり、これにより互いに反発しあうようになっている。
また、棚2と可動台車3との間には紐やロープ、チェー
ンなどの制止手段36が取り付けられている。この制止
手段36は、作業を行なうときや可動棚1を停止させて
おく時などの通常時に、棚2を可動台車3上の所定位置
に保持し、地震等による揺れが発生した場合にはこの制
止を開放して、棚2が可動台車3上で自由に移動できる
ようにするものである。この制止手段の具体的な構成に
ついては後述する。
【0052】上記図10に示す実施例によれば、通常時
には上記マグネット35aとマグネット35bとの反発
作用で棚2は可動台車3上からわずかに浮上した状態と
なっており、この浮上した状態の棚2を上記制止手段3
6により可動台車3上の所定位置に保持している。従っ
て、この制止手段36により棚2は可動台車3と一体に
移動することができる。
【0053】このような状態で地震等が発生すると、こ
の地震等による揺れエネルギーが車輪11を介して可動
台車3に伝達される。この揺れに対しては、可動台車3
が走行方向に移動することにより揺れのエネルギーを吸
収できる。一方、棚2は上記マグネット35により可動
台車3上から浮上しているため、可動台車3からの揺れ
のエネルギーは棚2に伝達されることはない。従って、
地震等によるX、Y方向のみならずあらゆる方向からの
揺れのエネルギーの棚22への伝達を遮断でき、上記図
1、図2に示す実施例同様の効果を奏することができ
る。なお、マグネット35により浮上させる場合、棚2
が可動台車3上から完全に浮上していなくとも、地震等
の揺に対して棚2が可動台車3上で相対移動するとき
に、棚と可動台車との間の摩擦抵抗が小さくなる程度に
押し上げられているだけであってもよいし、また棚が可
動台車上で部分的に浮上しているだけであってもよい。
【0054】上記マグネット35aと35bとは、互い
に直交するように設けてもよいし、また棚の全面に設け
てもよい。上記マグネット35としては永久磁石を用い
てもよいし、電磁石を用いてもよいし、またこれらを組
み合わせて用いてもよい。電磁石を用いる場合には、地
震等による揺れを感知する感震装置を設け、この感震装
置が揺れを感知したときだけ電磁石に通電して棚を浮上
させるようにし、常時は電磁石への通電を断って棚を可
動台車上に載置しておくようにしてもよい。また、電磁
石を用いる場合には、バックアップ用の電源を設けるよ
うにしてもよい。かかるバックアップ用電源としては、
バッテリーや発電機などを用いることができる。これに
より地震等により停電した場合であっても棚を可動台車
上から浮上させておくことができ、上記効果を奏するこ
とができる。なお、バッテリーは残量表示機能付きのも
のを用いてもよい。またバッテリーの寿命は、寿命表示
装置や日付管理により管理するようにすればよい。
【0055】なお、棚2を浮上させたときに棚2が一方
へ傾かないように、棚の上端部を押えるようにして支持
する支持部材を設けるようにしてもよい。また、この支
持部材と棚との当接部に車輪などの摩擦防止手段を設
け、棚が地震等の揺れにより相対移動するときの抵抗と
ならないようにしてもよい。
【0056】図11に示した実施例は、棚を浮上させる
免震手段としてエアーを用いた例である。上記実施例と
同一の構成については同一の符号を付して説明を省略す
る。図11において、可動台車3はその底部に車輪11
を有しており、この車輪11により紙面に対して直交す
る方向に走行可能となっている。可動台車3の上面部に
は適宜の間隔をおいてエアーの噴出口45が形成されて
いる。このエアー噴出口45はエアーを供給するための
ホース、パイプなどの供給管46が連通されいる。ま
た、可動台車3の外部にはコンプレッサ49が設けられ
ており、このコンプレッサ49により圧搾空気が上記供
給管46を介してエアー噴出口45から噴出されるよう
になっている。なお、コンプレッサ49等は可動台車3
上に積載しておいてもよい。また、可動台車3上には棚
2が載置されており、この底面が上記エアー噴出口45
上に位置するようになっている。なお、噴出口45は可
動台車3の上部全面に形成しなくともよく、地震等によ
り棚2が移動する範囲を考慮して設ければよい。また、
棚2が可動台車3上で勝手に移動しないようにするた
め、後述する制止手段により棚を制止させておいてもよ
い。
【0057】このような状態で地震等による揺れが発生
すると、可動台車3の走行方向(X方向)の揺れに対し
ては、可動台車3が相対的に移動することによりその揺
れエネルギーを吸収できる。また、棚2はコンプレッサ
49からの圧搾空気によって可動台車3上から浮上して
いることから、地震等によるあらゆる方向からの揺れエ
ネルギーが棚2に伝達されることを防止できる。よって
かかる実施例によっても上記図10に示す実施例と同様
の効果を奏することができる。
【0058】上記実施例では、可動台車側からエアーを
噴出させるようにしたものであったが、棚2側から可動
台車3に向けてエアーを噴出するようにしてもよい。か
かる場合エアーの圧力を効率よく利用するために、棚2
の底面側にスカートを設けてもよい。また、コンプレッ
サと可動棚との間に、エアーの温湿度を調整するための
空調機47や、空気清浄機48等を介在させてもよい。
また、コンプレッサを駆動するため、上記図10に示し
た実施例のバックアップ用の電源やバックアップ用の発
電機を設けるようにしてもよい。さらに、感震装置と圧
搾空気を溜めておくタンクとを設け、地震等による揺れ
を感震装置が感知したときだけタンクのバルブを開い
て、タンク内からエアーを噴出させるようにしてもよ
い。
【0059】上記実施例では、コンプレッサやタンクな
どを設けてエアーを送るものであったが、かかるコンプ
レッサ等に代えて圧縮空気の入ったボンベを用い、感震
装置によって地震が発生したときにボンベのバルブを開
いて、棚側へエアーを供給するようにしてもよい。この
ようにすれば、コンプレッサーなどを設ける必要がな
く、コストの軽減を図ることができる。なお、ボンベの
中の圧縮空気は窒素ガスや炭酸ガス、又は酸素などでも
よいし、また圧縮空気の成分を大気と同じにしてもよ
い。また、ボンベを設ける数などは任意であり棚全体の
重量を考慮して配置すればよい。ボンベのバルブとして
は、地震等の揺れのエネルギーで開閉する機械式のバル
ブを用いてもよいし、また電気・電磁式のバルブを用い
てもよい。また、圧縮空気を噴出する場合、ボンベの温
度が急激に変化するため、ボンベを断熱材などで覆って
おけば、ボンベに接触してけがをすることがなくなり安
全である。
【0060】なお、マグネットにより棚を浮上させる場
合や、エアーによって棚を浮上させる場合には、棚2が
可動台車3上から完全に浮上しなくとも、棚が可動台車
上で部分的に浮上しているだけであってもよい。また、
マグネットやエアーなどの浮上手段による押し上げ力に
より、棚が可動台車上から浮上しなくとも地震等の揺に
対して棚2が可動台車3上で相対移動するときに、棚と
可動台車との間の摩擦抵抗が小さくなる程度であっても
よい。
【0061】次に、本発明の実施例に適用可能な棚の制
止手段について説明する。通常時に棚を可動台車上に制
止させて保持しておくためには、ロープや紐、ゴムやば
ね等により棚と可動台車とを連結することにより棚を制
止させておくことができる。また可動台車側に電磁石を
設け、この電磁石に対応する棚の底部に磁性体を設ける
ことにより、通常時は電磁石に通電することで電磁石の
磁気吸引力により棚を吸着して制止させておき、地震等
の揺れが発生したときには感震装置により電磁石への通
電を断つことにより、棚の制止を解除するようにしても
よい。
【0062】図12ないし図27は、本発明に適用可能
な制止手段の例を示したものである。なお、上記図1、
図2に示す実施例と同一の構成については同一の符号を
付して説明を省略する。図12において、棚2の底面に
は制止手段を構成する制止金具50が取り付けられてい
る。制止金具50はコの字状に形成された制止金具片5
0aを有しており、この制止金具片50aが互いに背面
を向け合って対向配置されている。一方、可動台車3の
上端部には板ばね51が適宜間隔をおいて配置されてい
る。板ばね51は、その一端部(図示下端部)が可動台
車上に固定されていると共に、他端部が自由端部となっ
ている。そしてこの板ばね51の自由端部が上記制止金
具片50a、50a間に係合されている。したがって、
棚2の移動にともなって制止金具片50aも共に移動
し、この制止金具片50aが板ばね51を撓ませるよう
になっている。
【0063】図12に示す制止手段によれば、通常時に
は制止金具50が板ばね51に係合することにより、棚
2を可動台車上に保持することができ、安全に作業を行
なうことができる。この状態で地震等による揺れが発生
すると、この揺れのエネルギーによって棚2の車輪9が
回転し、棚2が可動台車上で左右に相対移動する。この
棚2の移動に対しては、板ばね51がその固定された端
部を中心として撓むことにより、棚2の制止を解除でき
る。従って、棚2は可動台車上である程度自由に移動で
き、この移動によって地震等による揺れのエネルギーを
吸収できる。なお、可動台車側と棚側とにそれぞれ制止
金具片を取付け、この制止金具片の間にコイルばねや板
ばねを取り付けてもよい。
【0064】図13に示した制止手段は、棚2の底面に
凹部61を設け、可動台車3の上端部に上記凹部61内
に進退可能であって、この凹部61と係合するかんぬき
手段63を設け、このかんぬき手段63を可動台車3の
上面部に設けられたアクチュエータ62により駆動させ
るようにした例である。
【0065】かかる実施例によれば、可動棚の通常の作
業時においては、図示しないばねなどの付勢力によりか
んぬき手段63を凹部61内に進出させてこれに係合さ
せておく。これにより可動棚1が入出庫等の作業のため
に走行しても、棚2を可動台車3上の所定の位置に制止
させて保持しておくことができ、安全に作業を行なえ
る。また、この状態で地震等による揺れが発生すると、
この揺れを図示しない感震装置が感知し、この感震装置
からの信号により上記アクチュエータ62が作動され
る。アクチュエータ62が作動すると、その駆動力はベ
ルクランク64等を介してかんぬき手段63に伝達さ
れ、かんぬき手段63はばね等の付勢力に抗して凹部6
1内から退避し、これにより凹部61との係合が解除さ
れる。従って、棚2は可動台車3上で自由に移動できる
ようになり、棚2の相対移動により地震等による揺れエ
ネルギーを吸収できる。
【0066】なお、かかる制止手段については、少なく
とも一ヶ所に設ければよいが、各棚の仕様にあわせて適
宜の数設けるようにすればよい。また、感震装置につい
ては、各可動棚に設けてもよいし、固定棚を一緒に配置
する場合にはこの固定棚に設けたり、また可動棚を設置
する建物の壁などに設けるようにしてもよい。また、ア
クチュエータを駆動させるためにバックアップ用の電源
を設けて、停電時であっても作動できるようにしてもよ
い。
【0067】図14に示す実施例は、棚2の底面に設け
られた車輪9に凹部61を形成し、この凹部61にかん
ぬき手段63が係合するようにした例であり、その他の
構成については上記図13に示した例と同様であり、同
一の符号を付して説明を省略する。かかる図14に示し
た実施例によっても、上記実施例と同様な効果を奏する
ことができる。なお、車輪9は棚2側で支持してもよい
し、車輪9を可動台車3の上面側で支持してもよく、可
動台車3側で支持されているときはこの車輪9と棚2の
底面との間の摩擦により棚2の移動を制止することがで
きる。
【0068】図15に示した実施例は、上記実施例のか
んぬき手段に代えてカムを用いた例である。図15にお
いて可動台車3の上面部には、アクチュエータ62によ
り回転駆動されるカム65が設けられている。カム65
は車輪の回転軸を偏心させたものであって、大径部と小
径部とを有している。カム65の大径部は、通常時には
棚2の底面と当接するようになっており、このカム65
と棚2の底面との間の摩擦により棚2の移動を制止する
ようになっている。なお、このカム65の外表面に凹凸
を設け、この凹凸面が棚の底面に接触するようにしても
よい。その他の構成については上記図14に示す実施例
と同様である。
【0069】上記図15に示す実施例によれば、通常時
にはカム65の大径部が棚2側に対向するようになって
おり、このカム65の上端部が棚2の底面に当接してい
るため、その摩擦力により棚2の移動を制止することが
できる。また、この状態で地震等による揺れが発生する
と、この揺れを図示しない感震手段が感知し、この感震
手段からの信号により上記アクチュエータ62が作動し
てカム65を回転させる。カム65はその回転軸が偏心
しているため、カム65の小径部が棚2側に対向するよ
うになる。従って、棚2の制止が解除され棚2が自由に
移動できる。よって、かかる実施例によっても上記図1
4に示す実施例と同様の効果を奏することができる。
【0070】なお、棚2のカムとの当接部にカムの形状
にあわせた凹部66を設け、通常時にはこの凹部66に
カム65の上端部が係合するようにしてもよい、このよ
うにすれば棚2を確実に制止させることができる。ま
た、カム65の形状については上記実施例に限定される
ものではなく、棚の仕様等に応じて適宜の形状とするこ
とができる。
【0071】図16に示した実施例は、棚2の底面部に
凹部68を設けるとともに、可動台車3の上端部にカム
67を設けて、このカム67の上端部が上記凹部68に
係合するようにしたものである。その他カムの形状等に
ついては上記図15に示す実施例と同様である。かかる
実施例によれば、通常時にはカム67と凹部68との係
合により棚2の移動を制止することができる。また、こ
の状態で地震等による揺れが発生すると、この揺れエネ
ルギーによって棚2が移動し、この移動に伴いカム67
が回転する。カム67はその回転軸が偏心しているた
め、上記図15に示す実施例同様、カム67の回転によ
り棚2の制止が解除され、棚2は自由に移動できる。従
って、かかる実施例によっても上記図15に示す実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0072】図17に示す実施例は、制止手段として上
端部が曲面状の制止部材を用いたものである。図17に
おいて、可動台車3の上端部には制止部材69が設けら
れている。制止部材69の上面は、曲面状の凹部69a
となっており、この凹部69aが棚2の車輪9に係合し
ている。この制止部材69の左下端部には孔が形成され
ており、この孔に軸70が挿通されている。軸70は可
動台車3の上端部に支持されており、この軸70を中心
に制止部材69が紙面に対して時計方向に回動するよう
になっている。また、この制止部材69にはベルクラン
ク等を介してアクチュエータ62の駆動力が伝達される
ようになっている。その他の構成については上記図14
に示す実施例と同様である。
【0073】図17に示す実施例によれば、通常時には
図示しないばね等により制止部材69が反時計方向へ回
動付勢されており、制止部材69の凹部69aに車輪9
が係合することにより棚2を制止させている。この状態
で地震等による揺れが発生するとこの揺れを図示しない
感震手段が感知し、この感震手段からの信号により上記
アクチュエータ62が作動して、この駆動力が制止部材
69に伝達されることにより、制止部材69は上記軸7
0を中心として回転する。これにより棚2の制止が解除
されて棚2が自由に移動することができる。従って、図
17に示した実施例によっても上記図14に示す実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0074】図18に示した実施例は、制止部材として
上面部に傾斜面を有する二つの部材を組み合わせた例で
ある。図18において、可動台車3の上端部には制止手
段72が取り付けられている。制止手段72は制止部材
72aと、制止部材72bとを有いる。制止部材72
a、72bの上端部には円弧状の傾斜面が形成されてい
る。この二つの制止部材72a、72bが、図示しない
ばねなどの付勢手段により組み合わされることにより、
車輪9の下端部の外周面に沿った半円弧状の凹部が形成
されるようになっている。そして、この制止手段72は
その中心部に設けられた軸73を中心として、制止部材
72aは反時計方向へ、制止部材72bは時計方向へ回
動するようになっている。
【0075】図18に示した制止手段では、通常時は上
記制止部材72a及び72bは図示しないばねなどの付
勢手段により付勢されているため、その上端部に半円弧
状の凹部が形成され、この凹部に棚2の車輪9が係合す
ることで棚2の移動を制止している。この状態で地震等
による揺れが発生して、棚2が図において左側に揺れた
場合、上記制止部材72aが付勢手段の付勢力に抗し
て、軸73を中心として反時計方向へ回動し、これによ
り棚の制止が解除される。また、図において棚2が右方
向へ揺れた場合には、制止部材72bが軸73を中心と
して、付勢手段の付勢力に抗して時計方向に回動し、こ
れにより棚2の制止が解除される。従って、棚2は可動
台車3上で自由に移動することができ、上記図14に示
す実施例と同様の効果を奏することができる。
【0076】なお、上記図18に示す実施例では、棚が
揺れたときの棚の移動するエネルギー自体を利用して制
止部材の解除を行なっていたが、制止部材の解除を感震
装置とアクチュエータとを用いて、感震装置が地震等に
よる揺れを感知したときに制止手段の解除を行なうよう
にしてもよい。
【0077】図19は制止手段の別の例を示したもので
ある。図19において、可動台車3の上端部には制止部
材74とこの制止部材を駆動するアクチュエータ62と
が配置されている。制止部材74は平板状をしており、
その一端部に形成された孔には軸76が挿通されてい
る。この軸76は台車3に支持されており、この軸76
を中心に制止部材74が回動自在となっている。制止部
材74の他端部にはベルクランク等の一端部が取り付け
られており、このベルクランク等を介してアクチュエー
タ62の駆動力が制止部材74に伝達され、制止部材7
4が回動するようになっている。制止部材74は、通常
時には図示しないばねなどの付勢手段により時計方向に
付勢され、その上面が棚2の車輪9と当接するようにな
っている。なお、その他の構成については図13に示す
実施例と同様である。
【0078】図19に示す実施例によれば、通常時には
図示しない付勢手段により制止部材74が軸76を中心
として反時計方向に回動され、制止部材74の上面が車
輪9の下端部に当接している。従って、棚2は制止部材
74と車輪9との間の摩擦力により所定の位置に制止さ
れて保持されている。この状態で地震等による揺れが発
生すると、図示しない感震装置からの信号によりアクチ
ュエータ62が作動され、このアクチュエータ62の駆
動力がベルクランク等を介して制止部材74に伝達され
る。制止部材74はこの駆動力により付勢手段の付勢力
に抗して、軸76を中心として時計方向に回動する。こ
れにより、棚2の車輪9の制止が解除され棚2は可動台
車3上で自由に移動できる。
【0079】なお、上記実施例おいて制止部材74と当
接する車輪9の外周部をゴムや樹脂75などで覆うよう
にしておいてもよい。このようにすれば、制止手段の制
止効果が向上し、安全に作業を行なうことができる。
【0080】図20、図21に示した実施例は、制止手
段として制止金具を設けたものである。図20において
可動台車3と棚2の下端部との間には、制止手段として
の制止金具77が取り付けられている。制止金具77は
図21に示すように2つの金具77aと77bと、これ
を連結する連結軸79とを有している。金具77a、7
7bは、それぞれその両端部に孔78a、78bを有し
ている。そして各金具77a、77bは、その一端側の
孔78a同士が互いに重なるように配置され、この重な
りあった孔78aに連結軸79が嵌挿固着されており、
これにより金具77aと77bとが一体に構成されてい
る。上記連結軸79としては、ゴム、樹脂、金属、木、
紙などの適宜の部材を用いればよく、ゴムや木、また紙
などであれば廃棄物をリサイクルしたものを使用でき
る。また、各金具77a、77bの他端部側の孔78b
は、それぞれ可動台車3と棚2とにそれぞれビス、ねじ
等の適宜の手段により固定されている。かかる固定手段
は任意である。
【0081】上記図20、図21に示した実施例によれ
ば、通常時には制止金具77により棚2が可動台車3と
連結されているため、棚2は可動台車3上に制止され作
業時などに棚2が可動台車3上でみだりに移動すること
はない。この状態で地震等による水平方向の激しい揺れ
が発生すると、この揺れのエネルギーが棚2に伝達さ
れ、棚2が可動台車3上で移動しようとする。棚2が移
動しようとすると、制止金具77の連結軸79はゴムや
樹脂などの比較的やわらかい部材で構成されているた
め、この棚2の揺れによる引っ張り力により切れたり、
壊れたりしてしまう。これにより、棚2の制止は解除さ
れ、棚2は可動台車3上で自由に移動することができ、
上記図13に示す実施例と同様な効果を奏することがで
きる。なお、上記金具同士を連結する連結軸は比較的や
わらかい部材で構成すればよく、その強度は免震を必要
とする震度、地震等の揺れの加速度や、棚の重量、及び
収納物の重量等を考慮して適宜の部材を選択すればよ
い。
【0082】上記実施例では、棚2の揺れエネルギーを
利用して連結軸を切ったり、壊したりして制止を解除す
るものであったが、別途切断装置を設けて、この切断装
置により連結軸を切断したり壊したりして、制止金具を
開放するようにしてもよい。かかる場合には、地震等の
揺れを感知する感震装置を設け、この感震装置からの信
号により上記切断装置を作動させて制止金具を開放すれ
ばよい。このようにすれば、地震等が発生した場合に確
実に制止金具を開放することができ、安全性の向上を図
ることができる。なお、感震装置を配置する場所等につ
いては上述の実施例と同様である。また切断手段や感震
装置にバックアップ用の電源を設けて、停電時であって
も確実に作動できるようにしてもよい。また、制止金具
を開放する方法としては、上述の切断、破断だけでな
く、熱により連結軸を溶かしてもよいし、また化学薬品
を用いて化学反応により連結軸を溶解してもよいし、ま
た爆発などにより連結軸を破壊してもよい。なお、制止
金具を設ける位置は上記実施例のように棚の側面側だけ
でなく、棚2の底面部の車輪9、9の間に設けるように
してもよいし、またその配置する個数についても棚や収
納物の重量などを考慮して適宜の個数設ければよい。ま
た、制止金具の形状、大きさ等は任意である。
【0083】図22に示す制止手段の別の例について説
明する。図22において、棚2の側面の下端部にはフッ
ク81が設けられている。このフック81は釣針状をし
ており、その上端部に開口を有している。一方、可動台
車3上にも上記フック81と同様の形状のフック82が
取り付けられている。また、上記フック81と82との
間には、これらのフックを連結する制止部材80が設け
られている。制止部材80はその両端部にリング80
a、80bがそれぞれ形成されている。そして、リング
80aは上記棚2側のフック81に係止され、リング8
0bは可動台車側のフック82に係止されており、これ
により棚2を可動台車3上の所定の位置に制止させてお
くことができる。また、上記制止部材80は可動台車3
上に設けられたアクチュエータ62によって上下方向に
駆動されるようになっている。その他の構成については
上記図1、図2にに示す実施例と同様である。
【0084】上記実施例おいては、通常時には棚2側の
フック81と可動台車3側のフック82とが制止金具8
0により連結されることから、棚2は可動台車3上の一
定の位置に制止されている。この状態で地震等により激
しい揺れが発生すると、この揺れを図示しない感震装置
が感知し、この信号によりアクチュエータ62が作動さ
れる。アクチュエータ62は図22に矢印で示したよう
に、制止部材80を右上側に押し上げるように作動する
ため、フック81、82と制止部材80との係合が外れ
る。この場合、地震等による揺れで棚2自体も揺れるた
め、棚2が右側側へ移動しようとすることにより、制止
部材80とフック81、82との係合が弛み、容易に制
止部材80を外すことができる。これにより、棚2は可
動台車3上で自由に移動することができるようになる。
なお、かかる制止手段を設ける位置やその個数などは任
意であり、またアクチュエータ等のバックアップ用電源
などを設けてもよい。また、上記制止手段はひも、ロー
プ、チェーンなどであつてもよい。
【0085】図23に示す実施例は、本発明に適用可能
な制止手段の別の例を示したものである。図23におい
て、可動棚1は可動台車83と、この可動台車83に搭
載された棚2とを有してなる。上記可動台車83の上面
部83aは、その左端部及び右端部から中央部に向かっ
て徐々に低くなる断面円弧状の傾斜面が形成されてい
る。この上面部83aに棚2が搭載されている。棚2の
底面84はその左端部及び右端部から中心部に向けて徐
々に下方に突出するよう断面円弧状に形成されており、
上記可動台車83の上面部に沿った形状に形成されてい
る。そして、この棚の底面には車輪9が設けられてお
り、この車輪9により棚2が可動台車83上で移動でき
るようになっている。なお、その他の構成については、
上記図1、図2に示す実例と同様である。
【0086】図23に示す実施例によれば、可動台車8
3の上面部83aが中心部に向かって徐々に低くなる円
弧状に形成されていることから、棚2に対し図面左方向
からの外力F が作用すると、棚2は右側に移動して上
面部83aの傾斜面に乗り上げてしまう。棚2が傾斜面
に乗り上げることにより、今度は棚2に対しては原位置
に戻ろうとする力が作用する。上記外部からの力F が
なくなったり、また小さくなると、この原位置に戻ろう
とする力の方が大きくなり、棚2は原位置に戻ろうとし
て図23において左側に移動する。この原位置に戻ろう
とする力により何度か左右に揺れながら最後には原位置
で停止する。従って、図23に示す実施例によっても棚
を所定位置に制止させておくことができる。また、地震
等により激しく揺れた場合にも、棚は上記と同様な移動
をすることにより地震等による揺れのエネルギーを吸収
することができる。
【0087】なお、上記実施例とは逆に図24に示すよ
うに、可動台車85の上面部をその中心部に向かって徐
々に高くなるような山形の傾斜面を形成すると共に、棚
2の底面86を中心に向かって徐々に高くなるように形
成してもよい。また、図25に示すように可動台車3上
面の両端部に制止部材87を取り付けるようにしてもよ
い。かかる場合には、制止部材87の上面部は外方に向
かって徐々に上方に突出するようにして、その上面を円
弧状に形成しておけばよい。
【0088】また、図26に示すように可動台車3の上
端部に車輪9を取り付け、棚2の底面の両端部に制止部
材88を設けるようにしてもよい。かかる場合には、制
止部材88の上面部をその両端部側に向かって徐々に下
方に突出するように形成し、その下面を円弧状に形成し
ておけばよい。さらに、図26に示すように可動台車8
9の上面を一端側に向かって傾斜させるようにしてもよ
い。かかる場合には傾斜面の低くなる方にストッパ90
を設けておけばよい。また、ストッパ90部分にダンパ
を設けるようにしてもよい。なお、図27に示す実施例
では分かりやすいように傾斜面の傾斜を急にしている
が、実際には棚2が一方向へ片寄る程度の極わずかな傾
斜であればよい。これら図24ないし図27に示す実施
例によっても上記図23に示す実施例と同様な効果を奏
することができる。なお、車輪9の径を異ならせること
によって棚の両端から中央部に向かって、又は一端側か
ら多端側に向かって傾斜を設けるようにしてもよい。
【0089】次に、本発明にかかる可動棚の配置等につ
いて図28ないし図41を用いて説明する。なお、上記
図1に示す実施例と同一の構成については同一の符号を
用いて説明を省略する。図28、図29に示した例は、
可動台車3上に固定棚211を配置すると共に、この間
口面に平行に移動する棚2を複数列にわたって配置した
横引き式の可動棚の例である。可動台車3はその底面に
車輪11を有し、図28において左右方向に移動可能と
なっている。また、可動台車3上には、可動台車3の走
行方向に直交する方向に軌条212が設けらており、こ
の軌条212に沿って棚2が移動するようになってい
る。棚2は前面側の棚2aと、この棚2aと固定棚21
1との間に配置された中間の棚2bとを有してなる。棚
2aの上端部には、この棚2aの両端部を保持するよう
に倒れ止め装置214が取り付けられている。倒れ止め
装置214は各棚2の上端部から固定棚211側に向か
って互いに平行に2本延びており、その先端部に設けら
れた車輪によって固定棚211上に設けられた軌条21
3に沿って移動可能となっている。また、各中間の棚2
bの固定棚側の上端部にも車輪211が2ヵ所設けられ
ている。この車輪211は固定棚2の上端部に設けられ
た軌条を走行するこにより倒れ防止装置215が形成さ
れている。また、図28において可動台車3の右端部側
には、棚2が移動するため可動台車一台分のスペースが
形成されている。
【0090】また、図30に示した例は、可動台車3上
の中央部に固定棚221を設け、この両側に棚2c、2
dを配置し、各棚2c、2dと固定棚221との間に倒
れ止め224、225をそれぞれ配置した例であり、そ
の他の構成は上記図28、図29に示した例と同様であ
る。また、図31に示した例は、可動台車3上に固定棚
を設けずに、両面に間口を有する複式の棚2e、2fを
配置したもので、可動棚自体の構成は図28、29荷示
した例と同様である。かかる場合にも棚2e、2fの上
端部に倒れ防止装置を設けるようにしてもよい。また、
かかる倒れ防止装置に代えて、図32に示すようにボー
ルスライド230を取り付けてもよい。ボールスライド
230の構成自体は周知であるので説明を省略する。ま
た、図33に示すように互いに平行に配置した軌条23
2に沿って可動棚231が間口面に平行に移動するよう
に棚を配置する縦型移動式の棚にも適用できる。なお、
上記図28ないし図32では免震手段としては車輪を用
いた例であったが、これに代えて適宜上述の多指向性の
免震手段などを適用してもよい。なお、棚は左右両側に
車輪を有し、この車輪によって可動台車上に互いに平行
に施設された軌条に沿って移動するようにしてもよい。
【0091】図34、図35に示した例は、可動台車上
に支持枠部材を設け、この支持枠部材に免震手段を介し
て棚を支持するようにしたものである。図34、図35
において、可動台車3の上端部には支持枠部材232が
取り付けられている。支持枠部材232の上部内底面に
は可動棚1の走行方向に直交する方向に軌条234が取
り付けられている。一方、棚2の上端部には免震手段と
しての車輪233が取付けられている。車輪233は上
記軌条234の開口部に回転自在に嵌められ、軌条23
4に沿って移動可能となっている。このように構成した
可動棚によっても、地震等による揺れに対して可動棚1
全体がX方向に相対的に移動すると共に、棚2が軌条2
34に沿ってY方向に相対的に移動できる。従って、か
かる図34、図35に示した実施例によっても上記図
1、図2に示す実施例と同様の効果を奏することができ
る。
【0092】なお、図34、図35に示した可動棚に上
述の制止手段を取り付けて棚2を通常時には制止させて
おいてもよいし、またこれに感震装置を組み合わせても
よい。また、制止手段としては図36に示すように、軌
条243をその長さ方向の中央部に向かって徐々に低く
なるように円弧状に形成してもよい。
【0093】図37に示すように、上述の免震手段をフ
ラット式の可動棚に適用してもよい。図37において、
可動台車253の底面には車輪11が取り付けられてお
り、この車輪が回転することにより左右方向に移動でき
るようになっている。可動台車253上端部には、凹部
255が形成されており、この凹部255内に収納物2
54を搭載する棚に相当するフラットボード252が載
置されている。フラットボード252の底部には車輪2
59が取り付けられている。この車輪259は、フラッ
トボード252を可動台車253の走行方向に対して直
交する方向に移動させることができるようになってい
る。上記フラットボード252上には適宜の収納物25
4が載置されるようになっている。かかるフラット式の
可動棚においても、可動台車253の走行方向への相対
移動と、車輪259によるフラットボード252の相対
移動とによって、上記図1、図2に示す実施例と同様の
効果を奏することができる。
【0094】図38に示した例は、可動台車3上で紙面
に対して直交する方向に移動可能に設けられた棚262
を複数載置した例であり、棚262自体の構成は上記図
1、図2に示す実施例と同様である。このように移動台
車上に複数の棚262を載置した場合であっても、通常
時には上記図1、図2に示す実施例と同様の効果を奏す
ることができる。なお、棚262は複式の棚としてもよ
い。
【0095】図39に示した実施例は、棚の中間部に免
震手段を配置した例である。図39において、下部の棚
273の底面には車輪が設けられており、この車輪によ
って紙面に直交する方向、即ちX方向に移動可能となっ
ている。この下部の棚273の上端部には、可動棚27
1の走行方向に直交する方向に軌条、又は溝状などが形
成されている。一方、上部の棚272の底面には、紙面
に対して左右方向に回転可能に車輪274が適宜の間隔
をおいて設けられている。そして車輪274が上記下部
の棚273の上端部に形成された軌条又は溝状に沿って
回転するようになっており、これにより上部の棚272
が可動棚271の走行方向に直交する方向、即ちY方向
に移動可能となっている。このように図39に示す実施
例によっても、少なくとも上部の棚272については上
記図1、図2に示す実施例と同様の効果を奏することが
できる。また下部の棚273についてもX方向には免震
できる。
【0096】次に、本発明にかかる可動棚に適用可能な
棚の倒れ防止装置について図40ないし図43を用いて
説明する。図40において、可動棚の軌条283に沿っ
て略U字状をした軌条枠281が形成されている。軌条
枠281の上端部は可動棚1の車輪11側に延びるよう
に形成されている。また、可動台車282の間口面側の
底部には、ほぼコの字状をした制止部材280が取り付
けられている。この制止部材280はその開口部内に上
記軌条枠281の上端部が位置するように配置されてい
る。このように図40に示す例によれば、可動棚が図4
0において右側に倒れようとすると、倒れ防止部材28
0の下端部が軌条枠の上端部に当接し、可動棚が転倒す
ることを防止でき、安全性の向上を図ることができる。
なお、かかる倒れ防止部材は、棚の間口面側と背面側の
両方の底面に設けてもよい。軌条枠に代えて別体の当接
部材を取り付けるようにしてもよい。また、この倒れ防
止部材は可動台車上に載置された棚の倒れ防止としても
適用できる。
【0097】図41は別の倒れ防止部材の例である。図
41において、可動台車3上には断面逆L字状をした軌
条286が可動台車3上から立ち上がるようにして設け
られている。軌条286はその開口が可動台車の外方に
向かうように配置されている。一方、棚282の底部に
は車輪285が棚282の内側に向かって取り付けられ
ている。そして、この車輪285が上記軌条286の開
口部に係合するようになっている。図41に示す実施例
によっても、棚282が左右方向に倒れようとすると、
車輪285が軌条286の天井面に当接し、これによっ
て棚2の転倒を防止できる。
【0098】図42、43はさらに別の倒れ防止部材の
例である。各棚301の上端部には、倒れ防止部材30
3が取り付けられている。倒れ防止部材303はL字状
に形成されており、その水平片が棚301上に取り付け
られ、垂直辺が棚301上から立ち上がっている。この
立ち上がった垂直辺の中央には、図39に示すように孔
304が形成されている。この孔304の形状は図43
に示すように水平方向に長い楕円形状であってもよいし
又は丸孔であってもよい。一方、建物の壁300には軸
302が取り付けられている。この軸302は少なくと
も一端側が図42に示すように建物や固定棚などの固定
部材に固定されていればよい。そして、この軸302が
各棚上の上記倒れ防止部材303の孔304に挿通され
ている。
【0099】図42、43に示した例によれば、各棚に
設けられた倒れ防止部材303に軸302を連通させた
ことから、棚301が倒れようとしても倒れ防止部材3
03を介して軸302に支えられるようになるため棚の
転倒を防止できる。また、孔304の形状を楕円形とし
た倒れ防止部材を免震手段を有しない普通に取り付ける
ようにすれば、普通の棚の揺れが激しくとも、他の免震
手段を有する棚に影響を与えることはない。従って、免
震手段を有する棚と普通の棚とを一緒に配置することが
でき、種々の棚の配置に対応できる。なお、倒れ防止部
材の孔の形状は、その棚の揺れ方などに応じて、丸孔と
したり、楕円形としたりその他種々の形状とすればよ
い。
【0100】次に、本発明にかかる別の実施例について
図44を用いて説明する。図44において、固定部とし
ての固定棚92、92が左右両側に配置されている。こ
の固定棚自体の構造は周知のものであり、その説明は省
略する。固定棚92の上端部の幅方向中央には紙面手前
側から奥側に向かって延びた軌条93が形成されてい
る。この軌条の形状は特に限定されるものではなく、I
字状、U字状でもよいし、また単に棒状でもよく任意で
ある。また、上記左右両側の固定棚92、92の上端部
間には、紙面手前側と奥側とにそれぞれ軌条94が配置
され、この2本の軌条94が連結されている。軌条94
はI字状、H状、又はU字状など少なくともその一端部
に開口を有する形状となっており、そのうちの少なくと
も一つの開口が軌条94の側面側に位置するようになっ
ている。軌条94の両端部下面側には、それぞれ免震手
段をなす車輪95が取り付けられており、軌条94と固
定棚92との間に車輪95が介在されるようになってい
る。車輪95はその軸を中心として回転可能となってお
り、これにより上記軌条93に沿って走行可能するよう
になっている。また、可動棚96はその上端部に、軸を
中心として左右方向に回転可能な走行車輪97を有して
いる。車輪97は上記軌条94の開口部に回転自在嵌め
られており、これにより可動棚96が紙面手前側と奥側
との2本の軌条94に沿って左右に移動可能となってい
る。
【0101】上記図44に示す可動棚においては、通常
の作業を行なう場合には、可動棚96を軌条94に沿っ
て左右に走行させ、可動棚96に対して収納物の出し入
れなどを行なう。この状態で地震等による激しい揺れが
生ずると、この揺れエネルギーは固定棚92、軌条94
等を介して可動棚96に伝達される。この揺れのうち図
において左右方向の揺れに対しては、上記可動棚96が
軌条94に沿って走行方向に相対的に移動することによ
り、揺れのエネルギーを吸収できる。一方、紙面に直交
する方向の揺れに対しては、軌条94の両端部に取り付
けられた車輪95が固定棚92の上端部の軌条93に沿
って回転することにより、軌条94を含めて可動棚96
全体をX方向の揺れに対して相対的に移動させることが
できる。従って、X、Yいずれの方向の揺れのエネルギ
ーも可動棚2の相対的な移動により吸収できることとな
り、上記図1、図2に示した実施例と同様の効果を奏す
ることができる。
【0102】なお、上記実施例では、免震手段として車
輪95を用いたものであったが、免震手段としては、上
記車輪に代えて前述の図3ないし図11などに示す免震
手を適用できる。また、前述の制止手段を設け、通常時
には軌条94が固定棚92上で移動しないようにし、地
震等による揺れが発生したときに制止を開放して、軌条
94が移動できるようにしてもよい。また、感震装置を
設け、この感震装置が地震等による揺れを感知したとき
に制止手段を解除するようにしてもよい。また、固定部
材としては、上記実施例のように固定棚に限られるもの
ではなく、軌条を支えるための支柱などでもよいし、ま
た棚を配置している建物の壁自体であってもよい。ま
た、片方を固定棚とし他方を建物の壁として軌条を支持
するようにしてもよい。
【0103】図45に示した実施例は、固定部としの建
物の天井と軌条との間に免震手段を介在させた例であ
る。図45において、可動棚を配置する建物の天井20
0には紙面に対して左右方向に延びた軌条201が取り
付けられている。軌条201は紙面奥側にも取り付けら
れており、この2本の軌条201で介在部材203を支
持している。軌条201は紙面手前側に開口を有してい
る。この軌条201としては断面I字状、H状、U字状
など適宜のものを用いることができる。上記介在部材2
03は軌条201に沿って配置された平板状をしてお
り、この介在部材203の上端部には適宜の間隔をおい
て車輪202が取り付けられている。車輪202は軸を
中心として紙面に対して左右方向に回転自在となってお
り、この車輪202が上記軌条201の開口部に回転自
在に嵌められている。介在部材203の底面側には、適
宜の間隔をおいて紙面手前側から奥側に向かって延びた
軌条204が取り付けられている。この軌条204は断
面I字状をしており、左右両側部に開口を有している。
また、可動棚205の上端部の各隅部には車輪206
が、互いに向き合った二つの車輪を一組みとして取り付
けられている。車輪206は軸を中心として紙面手前
側、奥側に回転自在となっており、この車輪206が上
記軌条204の開口部に回転可能に嵌められている。こ
れにより可動棚205が紙面手前側、奥側に移動可能に
支持されている。
【0104】図45に示す実施例によれば、通常時には
引き手を介して可動棚205を軌条204に沿って紙面
手前側、奥側に走行させて作業などを行なう。この状態
で地震等による揺れが発生すると、建物の天井200が
水平方向に激しく揺れる。この揺れのうち左右方向、即
ちY方向の揺れに対しては上記車輪202が軌条201
に沿って回転し、介在部材203を介して可動棚205
全体を相対的に移動させる。一方、地震等による揺れの
うち可動棚205の走行方向の揺れ、即ちX方向の揺れ
に対しては上記車輪206が軌条204に沿って可動棚
205の走行方向に相対的に移動する。従って、これら
のXY方向へ可動棚205全体が相対的に移動すること
により、地震等による揺れのエネルギーを吸収すること
ができ、上記図1、図2に示す実施例と同様の効果を奏
することができる。
【0105】なお、作業時等に介在部材203や軌条2
04がみだりに移動しないように上述の制止手段を設け
て、地震が発生した時にはこれらがY方向に移動できる
ようにし、通常時にはこれを制止するようにしてもよ
い。また感震装置を設け、この信号により制止手段を開
放させるようにしてもよい。
【0106】上記図45に示した実施例は介在部材20
3により各棚205を連結したものであったが、図46
に示すように介在部材で各棚を連結せずに、各棚205
が個々に相対移動できるようにしてもよい。かかる場合
にはローラ202の支持部材の側面にダンパー218を
設け、隣接する棚205同士が接触したときの衝撃を緩
和するようにすればよい。また、図46に示すように車
輪202を複数設けて、これをスペーサ213で連結す
ることにより棚205を安定して支持するようにしても
よい。また、図46に示した例では軌条として断面略U
字状の軌条214を用いており、この軌条214内に車
輪216が配置された構成となっている。その他の基本
的な構成は上記図45に示した実施例と同様であり、同
一の符号を付して説明を省略する。
【0107】かかる図46に示した実施例によっても、
通常時には引き手を介して可動棚205を軌条214に
沿って紙面手前側、奥側に走行させて作業などを行な
う。この状態で、地震等による揺れが発生すると、この
地震等の揺れに対して車輪202が軌条201に沿って
移動することにより、Y方向に相対移動できると共に、
車輪216が軌条214に沿って可動棚205の走行方
向、即ちX方向に相対移動することができる。従って上
記図45に示した実施例と同様の効果を奏することがで
きる。なお、ダンパー218を設ける位置は棚205の
側面や軌条214の側面などでもよく任意である。
【0108】図47は制止手段の例を示したものであ
る。図47に示した例では、軌条201に傾斜部材20
1aを取付けることにより傾斜面を設けた例である。こ
の傾斜面を構成する傾斜部材201aは鋼鈑や平鋼、型
鋼などからなる保持部材201bを折り曲げて断面略V
字状に形成する共に、この保持部材201bの形状に併
せて高さが異なるスペーサ201cを上記保持部材20
1bと軌条201との間に介在させて保持部材201b
を支持したものである。
【0109】このように図47に示した制止手段によれ
ば、通常時には車輪202は上記傾斜部材201aの傾
斜面内の底部に保持されていることから、車輪202の
回転が規制され車輪がみだりに回転することはない。ま
た、地震等による激しい揺れが発生した場合には、この
揺れのエネルギーにより上記車輪202が傾斜部材20
1aの傾斜面に沿って回転するため、可動棚205を地
震等の揺れに対して相対移動させることができ、この相
対移動によって地震等による揺れのエネルギーを吸収で
きる。また、地震等による揺れがおさまったときには、
この傾斜部材201aの傾斜面に沿って車輪202が原
位置、即ち傾斜部材201aの傾斜面内の底部に戻るよ
うになる。なお、この傾斜面は断面略V字状としなくと
も、円弧状の傾斜面であってもよいし、また傾斜面を断
面略逆V字状に形成してもよい。また、上記傾斜部材と
しては切削加工により上端部に傾斜面を形成した部材を
用いてもよいし、軌条201自体を切削加工や曲げ加工
などにより直接変形させて傾斜面を設けるようにしても
よい。なお、図47に示した制止手段は他の実施例の制
止手段としても適用できる。
【0110】次に、図48に示した例は、枠型をした可
動台車220に棚205を吊り下げて支持した例であ
る。図48において、可動台車220は枠型に形成され
ており、紙面手前側と奥側とに開口面を有すると共に、
左右両端面にも開口面を有している。可動台車220の
下端部には、紙面手前側と奥側とにそれぞれ免震手段を
構成する車輪221が2個づつ取り付けられている。こ
の車輪221は軸を中心として紙面に平行な方向に回転
可能となっており、この車輪221の回転によって可動
台車220が移動可能となっている。
【0111】また可動台車220の天井面の隅部には、
補強のためのリブ222が取り付けられている。可動台
車220の天井面には軌条216が取り付けられてい
る。軌条216は上記可動台車220の走行方向に対し
て直交する方向、即ち紙面に対して直交する方向に互い
に平行に設けられている。軌条216は断面略U字状に
形成されており、その開口部を下方に向けて取り付けら
れている。この軌条216内には車輪214が配置され
ており、この車輪214が上記軌条216に沿って走行
するようになっている。車輪214には取り付け部材を
介して絵画ラックなどの棚205が吊り下げ支持されて
いる。可動台車220の紙面奥側には棚205が走行す
るためのスペースが形成されている。なお、棚205自
体の構成については周知であるため説明を省略する。
【0112】このように構成された可動棚では、通常時
には上記棚205を手で紙面手前側または奥側に引いて
走行させることにより、収納物の出し入れなどを行う。
この状態で、地震等による揺れが発生した場合、棚20
5の走行方向に対する揺れに対しては、棚205が軌条
216に沿って相対移動することにより、揺れのエネル
ギーを吸収することができる。一方、これに対して直交
する方向からの揺れに対しては上記車輪221が回転す
ることにより、可動棚220を相対移動させることがで
きる。従って、これらの相対移動によって地震等による
あらゆる方向からの揺れを吸収することができる。
【0113】上記図48に示した実施例は、可動台車の
車輪が床面上を移動するものであったが、図49に示し
たように可動台車230の車輪221のうち少なくとも
片側の車輪221が建物235などに取り付けられた固
定部材231上を移動するようにしてもよい。かかる図
49に示した実施例では、固定部材231は建物の壁面
235に取り付けられ、紙面手前側から奥側に向かって
延びて形成されている。また、固定部材231の取り付
け部とは反対側の端部にはストッパ232が形成されて
おり、このストッパ232により車輪221が固定部材
231上から外れることを防止するようになっている。
なお、固定部材231については、車輪221の位置に
対応させて部分的に取り付けてもよい。かかる図49に
示した実施例によっても上記図48に示した実施例と同
様の効果を奏することができる。
【0114】なお、上記図48、49に示した例では免
震手段として車輪221を用いたが、かかる車輪に代え
て積層されたゴムなどの上記各実施例記載の免震手段を
適用してもよい。また可動台車は門型や口型のもの、又
はフレーム方式のものなどであってもよい。また図4
8、49に示した実施例に上述の各種免震手段を適用
し、通常時には可動台車220がみだりに移動しないよ
う可動棚220を制止し、地震等による揺れが発生した
ときにはこの制止を解除することにより可動台車220
が移動できるようにしてもよい。
【0115】次に、本発明にかかる別の実施例について
説明する。図50において、床面100には紙面に向か
って直交する方向に延びた二つの凹部103が互いに平
行に形成されている。凹部103内にはその上面中央部
に開口を有する枠体104が凹部103の全長にわたっ
て取り付けられている。この枠体104内には、軌条1
07と、この軌条107と一体に設けられ軌条107を
支持する軌条受け部材106とを有する軌条部材105
が配置されている。また、軌条受け部材106の底面部
には免震手段をなす車輪111が取り付けられている。
上記軌条107及び軌条受け部材106は、上記凹部1
03の全長にわたって延設されている。
【0116】上記軌条107の上端部は上記枠体104
の開口面よりも上方に突出しており、軌条107と枠体
104の開口部の側面との間には適宜の間隔が形成され
ている。上記軌条受け部材106は上記枠体104の上
端開口部の幅よりも大きな幅を有しており、この軌条受
け部材106により枠体104の開口部を塞ぐようにな
っている。また軌条受け部材106の側面と枠体104
の内側面との間には、適宜の間隔が形成されている。軌
条受け部材106の底面には適宜の間隔をおいて二つの
車輪111が取り付けられている。車輪111は軸11
2を中心として可動棚101の走行方向に対して直交す
る方向に回転可能に設けられており、この車輪111が
回転することにより軌条受け部材106、軌条107が
一体に移動するようになっている。また、車輪111と
上記枠体104の内側面との間には適宜の隙間が形成さ
れており、この隙間を上記車輪111が移動できるよう
になっている。一方、可動棚101の底面には車輪10
9が取り付けられており、この車輪109が上記軌条1
07に沿って移動するようになっている。なお、棚自体
の構成については、上記図1、図2に示す実施例と同様
であるため説明を省略する。
【0117】上記のような可動棚101においては、通
常時には可動棚101を軌条107に沿ってX方向に走
行させて収納物の出し入れを行なう。この状態で、地震
等による水平方向の激しい揺れが発生すると、このうち
の可動棚101の走行方向であるX方向の揺れに対して
は、可動棚101が軌条107に沿って相対的に移動す
ることにより、揺れのエネルギーを吸収する。一方、図
50においてY方向の揺れに対しては、免震手段をなす
車輪111が枠体104内でY方向へ相対移動する。こ
れにより軌条受け部材106、軌条107等を介して可
動棚101全体をY方向に相対的に移動させ、揺れのエ
ネルギーを吸収する。また、その他の方向からの揺れに
対しても上記可動棚101自体の移動と車輪111の移
動とによってその揺れのエネルギーを吸収することがで
きる。従って、地震等により床面があらゆる方向に激し
く揺れたとしても、この揺れに対して上記可動棚101
及び車輪111が相対的に移動することにより、地震等
による揺れのエネルギーを吸収できる。
【0118】なお、上記実施例のように、免震手段とし
て車輪111を用いる場合、図示の実施例では車輪11
1を2つ設けたものであったが、かかる車輪の数は任意
である。また、車輪111を一つだけとする場合には、
図51に示すように軌条107を中心に千鳥状に車輪を
配置すればよい。このようにしても上記実施例と同様の
効果を奏することができるし、また、部品点数を減らす
ことができるためコストの低減を図ることができる。
【0119】また、上記実施例では、免震手段として車
輪を用いたものであったが、かかる免震手段としては、
前述の図3ないし図11に示す多指向性の免震手段を適
宜適用することができる。図52はそのうちの磁石を用
いて軌条受け部材、軌条及び棚全体を浮上させた例であ
る。図52に示す例では枠体104の内底面と、軌条受
け部材106の底面とにそれぞれ磁石110を取り付
け、この磁石110が互いに反発するようにしたもので
ある。かかる磁石110は部分的に設けてもよいし、全
面にわたって設けてもよい。かかる実施例においても上
述の実施例同様の効果を得ることができる。
【0120】また、図50に点線で示すように、軌条1
07と枠体104の開口部との間の隙間に制止部材10
8を部分的に又は全長にわたって介在させるようにして
もよい。制止部材108としては、可撓性の部材や、あ
る程度の力が加わると破損して地震等による軌条の移動
を妨げない部材を用いればよい。具体的には、ゴム、合
成樹脂、布、カーペットや剛性の低い金属などでもよい
し、またパテやモルタル、木材、紙などでもよい。ま
た、紙や木材などを用いる場合であれば、廃棄物をリサ
イクルして使用することもでき、資源の再利用を図るこ
とができると共に経済的である。
【0121】制止手段としては前述の図12ないし図2
7に示す手段を適宜適用することもできるし、これと感
震装置とを組み合わせて、制止手段を枠体104内に配
置し、軌条受け部材106の移動を制止するようにして
もよい。また、感震装置を用いて、この感震装置が地震
等による揺れを感知した場合に制止手段を開放して制止
を解除してもよい。上述の制止手段を用いれば、作業中
に軌条及び軌条受け部材が動いて、可動棚が勝手に移動
することもなくなり、作業の安全性の向上を図ることが
できる。また、地震等により制止手段が開放されるた
め、免震動作に影響を与えることもない。
【0122】次に、図53に示す実施例について説明す
る。図53に示した実施例は、左右両側の凹部103を
連結する溝113を形成し、この溝113内に連結部材
114を配置して、この連結部材114により図におい
て左右両側の軌条部材105を連結させたものである。
枠体104の一側面には上記溝113と連通するように
孔が形成されており、この孔に連結部材114が挿通さ
れている。その他の構成は上記図50に示す構成と同様
である。
【0123】地震等により水平方向に激しい揺れが発生
した場合、連結部材114を設けない場合であれば、左
右の軌条部材105は各々別々に移動してしまうため、
可動棚の揺れの振幅が複雑となってしまうが、図53に
示した実施例のように、左右の軌条部材105を連結部
材114により連結することにより、軌条部材105の
揺れを揃えて、可動棚の揺れの振幅を揃えることがで
き、可動棚内の収納物が飛び出したり、可動棚が転倒し
たりすることをより一層確実に防止できる。
【0124】また、上記のように連結部材114を設け
た場合には、図54に示すようにこの連結部材114の
中間部に車輪111aを設けてもよい。これにより、連
結部材113の移動をスムーズにすることができる。ま
た、図53に示すように、連結部材113の中間部にか
んぬき手段115等の制止手段を設けるようにしてもよ
い。かかる場合には、必要に応じて溝113の中間部に
アクチュエータを取り付けるための凹部を形成するよう
にしてもよい。このように構成することで、両側の軌条
受け部材103に個々に制止手段を設けた場合のように
制止手段が開放するタイミングが個々となることはな
く、安定して動作できる。
【0125】図55に示した実施例は、枠体104をU
字状に形成し、その上端部に蝶番116を介してメンテ
ナンス用の蓋体117を設けたものである。かかる実施
例によれば、上記蓋体117を蝶番116により開閉自
在とすることができる。従って、枠体104内のゴミを
取り除く場合や軌条受け部材106に取り付けられた車
輪111等のメンテナンスを容易に行なうことができ
る。なお、蓋体117は全長にわたって一体のものでな
くともよく、その長さを可動棚101の奥行き寸法と同
じ長さとし、また通路幅と奥行き寸法で割り付けた長さ
として数個に分割して設けてもよい。このように蓋体1
17を分割して設ければ、メンテナンスを行なうときに
容易に蓋体を開閉でき便利である。
【0126】図56に示した実施例は、断面U字状をし
た枠体104の上端部に、開口面と適宜の間隔をおいて
L字状の金具118を複数個取り付けて、この金具11
8の上に蓋体117を載置した例である。その他の構成
については上記図55に示す実施例と同様である。この
ような構成とすることによっても、蓋体117を取り外
すだけでメンテナンス等を行なうことができる。なお、
金具118の上部に孔を形成し、この孔に嵌まるように
蓋体117の下面部に差し込みを形成して取り付けるよ
うにしてもよいし、ビス止めやねじ止めなどでもよい。
【0127】図57に示した実施例は、メンテナンスの
ためレール受け部材106の上端部、枠体104の上端
部などに貫通孔119を形成した例である。かかる実施
例によれば、孔119から掃除機などにより枠体104
内のゴミを吸引することができ、メンテナンスが容易と
なる。なお、メンテナンス時以外は、上記孔119にキ
ャップや蓋などを取り付けたり、カーペットなどで覆う
ことにより、孔119から枠体104内にゴミなどが侵
入することを防止するようにしてもよい。
【0128】なお、上記図50ないし図56に記載した
実施例の車輪109は、その両側にフランジを有するも
のであったが、かかる車輪の形状はこれに限定されるも
のではなく、フランジが全くないものや片側のみにフラ
ンジのあるものなどでもよく、その形状は棚の使用状態
などにあわせて任意である。また、軌条の形状も任意で
あり、車輪の形状に応じて適宜のものを用いればよい。
【0129】次に、本発明にかかる別の実施例について
説明する。図58、図59に示した実施例は、収納物の
スペースごとに区切られた各棚枠が移動するように設け
られた可動棚の例である。図58、図59において、可
動棚を収納する建物の天井には断面H字状の軌条123
が取り付けられている。軌条123は可動棚の走行方向
に二本の軌条が互いに平行に設けられており、そのH字
状の軌条123の溝123aが側部に開口を有するよう
なっている。
【0130】棚121の上端部の隅部には、それぞれ左
右一対の走行車輪124が取り付けられており、この車
輪124が上記軌条123の両側の溝123aに回転自
在に嵌められている。棚121はその両面に間口面を有
するいわゆる複式の棚であって、その棚自体の構成は周
知であるので説明を省略する。棚121の開口面には、
その棚板に沿って棚121の幅方向にわたって軌条部材
129が取り付けられている。軌条部材129は、その
断面がほぼG字状に形成されている。軌条部材129の
上端部は、横方向に突出した突出部129aとなってい
る。また、軌条部材129の下端部は、斜め上方に突出
した突出部129bとなっていると共に、この突出部の
先端部が上方に向かって曲げられていることにより引っ
掛け部129cとなっている。また、棚121の上端部
の開口面側には軌条部材128が棚121の幅方向にわ
たって取り付けられている。軌条部材128は斜め上方
に突出すると共に、その先端部が上方に曲げられて形成
されることにより、引っ掛け部128aが形成されてい
る。棚121の下端部の開口面側には四角柱状の軌条1
27が棚121の幅方向にわたって取り付けられてい
る。
【0131】棚121の両間口面側には、収納物を収納
するスペースごとに区切られた箱状の棚枠122が上記
軌条127、及び軌条部材128、129を介して、棚
121の幅方向に移動自在に取り付けられている。棚枠
122はその側面が開口しており、この開口面から収納
物を出し入れできるようになっている。上記図示の実施
例では、棚枠122はそれぞれ幅方向に2つずつ四段に
わたって設けられており、図59において棚121の右
端側には棚枠122が移動するためのスペースが形成さ
れている。
【0132】各棚枠122の背面上端部には車輪125
が設けられている。車輪125は棚枠122の背面上端
部から斜め上方に向かって突出するように設けられた車
輪支持部材に支持されており、この車輪支持部材及び車
輪125により略鍵形となっている。そして、車輪12
5が上記軌条部材128の引っ掛り部128a、又は軌
条受け部材129の引っ掛り部129cに引っ掛るよう
にして配置されている。また、棚枠122の背面の下端
部には棚枠122の背面部に取り付けられた軸をを中心
に車輪126が回転自在に取り付けられている。車輪1
26は棚枠122の間口面に対して直交する方向に回転
自在となっており、上記軌条部材129の突出部129
a又は、軌条127に沿って移動するようになってい
る。
【0133】上記のような移動棚120においては、通
常の入出庫などの作業時においては、上記車輪124を
軌条123に沿って移動させることにより可動棚120
全体を走行させる。また軌条部材128、軌条受け部材
129、軌条127に沿って棚枠122を走行させて収
納物の入出庫作業を行なう。この状態で地震等により水
平方向の激しい揺れが発生すると、地震の揺れによるエ
ネルギーは建物の天井から軌条123、車輪124に伝
達される。この地震等による揺れのうち可動棚120の
走行方向、即ちX方向への揺れについては、車輪124
が軌条123に沿って可動棚120全体がX方向に天井
に対して相対的に移動することにより揺れのエネルギー
を吸収できる。
【0134】一方、これに直交する方向からの揺れ、即
ちY方向からの揺れのエネルギーは車輪124を介して
棚121に伝達される。棚121がY方向に揺れた場
合、棚枠122が軌条127、軌条部材128、軌条部
材129に沿ってY方向へ移動する。各棚枠122の天
井の揺れに対する相対的な移動により、Y方向の揺れエ
ネルギーを吸収できる。また、その他の方向からの揺れ
に対しても上記可動棚120全体の移動及び棚枠122
の移動によってある程度吸収できる。従って、地震等の
揺れにより棚枠122内の収納物が影響を受けけること
を極力小さくでき、かかる実施例によっても上記図1、
図2に示す実例と同様の効果を奏することができる。な
お、棚121内の収納物に対しても、可動棚120全体
の移動によって、X方向の揺れは吸収でき、収納物への
影響を小さくできる。
【0135】図60に示した実施例は、上記図58、図
59に示した可動棚を床面走行式の可動棚に適用した例
である。なお、上記図58、図59に示した実施例と同
一の構成については同一の符号を付して説明を省略す
る。図60において、床面には二本の軌条133が互い
に平行に敷設されている。可動棚130の底面部には、
車輪134が設けられており、この車輪134が上記軌
条133上を走行するようになっている。その他、可動
棚131及びこの可動棚131の両開口面に移動自在に
取り付けられた可動棚枠122及び、この可動棚枠を支
持する軌条部材128、129等の構成については上記
実施例と同様である。
【0136】図60に示した実施例によっても、可動棚
131がX方向に移動できると共に、棚枠122がY方
向に移動可能に設けられているから、上記図58に示す
実施例と同様の効果を奏することができる。なお、上記
図58ないし図60に示した実施例では、一つの間口に
数段にわたって棚枠を形成したが一つの間口全体にわた
る棚枠としてもよいし、また半間口ごとに棚枠を設ける
ようにしてもよい。
【0137】次に、本発明にかかる別の実施例について
説明する。図61に示した実施例は、複数段に配置され
た棚板を有する可動棚において、必要な棚板に免震手段
を設けた例である。図61は可動棚の棚板部分を示した
ものであって、可動棚自体はその底面に車輪を有し、こ
の車輪によって床面に敷設された軌条に沿って、紙面に
対して直交する方向、即ちX方向に往復移動可能となっ
ている。棚自体の構成については上記図1、図2に示す
棚と同様の構成であるので説明を省略する。そして、各
棚板151の上面部には免震手段としてのローラ152
が適宜の間隔をおいて複数取り付けられている。このロ
ーラ152は紙面に対して直交する方向に設けられた軸
153を中心に、可動棚の走行方向に対して直交する方
向、即ちY方向に回転自在に設けられている。ローラ1
52の上端部は棚板151の上面から突出しており、こ
の突出した上端部に収納物155を保持する保持部材1
54が載置されている。保持部材154の幅は支柱15
0間の間隔よりも小さいな幅に形成されており、これに
より保持部材154がローラ152の回転により棚板1
51上でY方向に移動可能となっている。そして、この
保持板154上に収納物155を載置して収納物を保管
するようになっている。なお、上記保持部材154とし
ては板状の部材やパレットのようなものでもよい。
【0138】図61に示す実施例によれば、通常時には
可動棚全体がX方向に走行することにより収納物の入出
庫等を行なうことができる。この状態で地震等が発生す
ると、この地震等による揺れのうちX方向の揺れに対し
ては、可動棚自体がこの揺れに対してX方向に相対的に
移動することにより地震の揺れのエネルギーを吸収す
る。また、地震等による揺れのうちY方向からの揺れエ
ネルギーは、可動棚の車輪等を介して可動棚の各棚板に
伝達され、各棚板151はY方向に揺れる。この揺れに
対しては、棚板151と保持部材154との間に設けら
れたローラ152が、保持部材154及び収納物155
の慣性力により回転することにより、保持部材153及
び収納物155が棚板151の揺れに対して相対的に移
動する。従って、地震等によるY方向からの揺れのエネ
ルギーはこの保持部材154等の相対的な移動により吸
収することができ、揺れのエネルギーが収納物に伝達さ
れることを防止でき、収納物が飛び出したり、破損した
りすことを防止できる。
【0139】なお、上記図61に示す実施例では、免震
手段としてローラを用いたが、かかるローラは保持部材
側に取り付けるようにしてもよいし、また単に棚板と保
持部材との間に介在させるようにしてもよい。また、ロ
ーラに代えて車輪やボールなどを棚板に取り付けたり、
棚板と保持部材との間に介在させてもよい。免震手段と
してボールを用いる場合には、図62に示すように棚板
156の上面部に凹部を設け、この凹部内にリテーナ1
59を介してボール157を適宜の間隔をおいて保持す
るようにしてもよい。なお、かかる場合にはボール15
7の位置に応じて丸孔を有する蓋体158を設けて、ボ
ール157の上端部が蓋体157上面から突出するよう
に配置し、この蓋体158によりボール157がリテー
ナ159から外れないようにしてもよい。また、図63
に示すように、リテーナに代えて棚板160の上部に有
底の穴160aを形成し、この穴160a内にボール1
57を配置するようにしてもよい。なお。この穴160
aはボール160の径などを考慮して適宜の大きさとす
ればよい。
【0140】免震手段としては上記ローラに代えて上述
の図3ないし図11に示した免震手段としてもよい。か
かる場合にも上記実施例と同様の効果を奏する。なお、
図64に示すように、棚板151の上端部に凹部151
aを形成し、この凹部151a内にローラ153等の免
震手段と保持部材154とを配置するようにしてもよ
い。このようにすれば、地震等による激しい揺れが発生
しても、保持部材154が棚板151上から飛び出すこ
とを防止できる。また、別途ストッパー等を設けてもよ
い。
【0141】上記図61ないし図64に示す実施例に、
上述の制止手段を適用し、通常時には保持部材を棚板上
の所定の位置で制止させておき、地震等による揺れが発
生したときには、制止を解除して保持部材が棚板上で移
動できるようにしてもよい。また、感震装置を設けて、
この感震装置からの信号により制止手段を開放するよう
にしてもよい。
【0142】次に、地震等による可動棚の揺れに応じて
棚の重心を変化させることにより免震を行なう可動棚に
ついて、図65ないし図68を用いて説明する。なお、
上記図1、図2に示す実例と同一の構成については同一
の符号を付して説明を省略する。図65において、可動
棚1を構成する棚2の上端部には、免震手段170が取
り付けられている。免震手段170は箱状に形成された
本体171内に水、油等の液体172を有しており、液
体172が本体171内の所定の高さまで満たされてい
る。この液体172の重量は、棚の高さ、棚に収納され
る荷物の重心位置、棚を構成する部材の強度等を考慮し
て、収納する荷物の荷重と棚の自重の和の1/5ないし
1/300の範囲で設定すればよい。上記本体171の
内底部の両端部は、外方に向かって徐々に高くなる傾斜
面を有している。この傾斜面は、液体172が移動する
際に大きな抵抗とならないよう緩やかな傾斜となってい
る。そして、本体171の上端部には蓋体が取り付けら
れており、本体内の液体172が外へ飛び出したり、ま
た液体が蒸発しないようになっている。
【0143】この状態で、地震等が発生し水平方向から
の激しい揺れが可動棚170に加わると、この揺れの加
速度F に対して棚2は、その慣性力によりこれとは反
対側の図65において左側に相対的に移動することによ
り、地震等による揺れエネルギーを吸収しようとする。
一方、免震ユニット内の液体172は、棚2の左側への
相対移動により、その慣性力によって図65に点線17
2aで示したように棚2の移動方向とは反対側に片寄
る。従って、棚2の重心は棚の移動方向とは反対側に変
化するため、この重心の変化によって可動台車3の移動
方向とは反対側の力が棚2に作用するため、棚2は可動
台車3上の所定の位置に保持されているのと同様な状態
となる。よって、棚2内の収納物が飛び出したり、破損
したりすることがなく、安全性が向上する。
【0144】図66に示すように移動台車3上に支持枠
部材175を設け、この支持枠部材175に棚2を吊り
下げると共に、この棚2の底面部に免震手段170を取
り付けてもよい。なお、棚2を吊り下げるには吊り下げ
部材176により支持し、棚2がある程度移動できるよ
うにする。かかる実施例によっても上記図65に示す実
施例と同様の効果を奏することができる。
【0145】上記実施例では、免震手段として液体を用
いたものであったが、この液体に代えて図67に示すよ
うに錘180をばねやゴムなどの可撓性部材181によ
り四方から保持するようにして配置してよい。また、図
68に示すように球状の錘180にカバー181を被せ
て、このカバー181から錘180の下端部が突出する
ようにし、このカバー181内で錘180が自由に回転
できるようにしてもよい。これにより、錘180がカバ
ー181内で自由に回転できるため、よりスムーズに錘
を移動させることができる。
【0146】上記実施例では、錘自体の慣性力を利用し
て錘を移動させて棚の重心を変化させるものであった
が、感震装置を設け、この感震装置からの信号に応じ
て、オイルシリンダ等のアクチュエーターを作動させて
錘等を移動させるようにしてもよい。また、予め所定の
地震等による揺れの大きさや振幅などのパターンを各震
度ごとに記憶しておき、この記憶された情報に基づいて
錘をアクチュエータにより移動させるようにしてもよ
い。
【0147】なお、上記実施例では、棚の上端部や棚の
底面部に免震手段を設けていたが、免震ユニットを設け
る位置は棚の中間部などでもよく、棚の仕様や用途など
に応じて決めればよい。また、図66に示した実施例の
ように、棚を吊り下げておく場合には、支持枠部材にロ
ーラやキャスター、蝶番などを取付け、このローラやキ
ャスター等を介して支持部材176を取り付けるように
してもよい。また、免震手段をユニット化し、このユニ
ット化した免震手段を上述の各実施例の可動棚に適用
し、上述の各種免震手段を併用してもよい。また、上述
の免震手段を固定棚などに適用してもよい。
【0148】上述の図1ないし図68に示した各種の免
震手段は、適宜これを組み合わせて用いることもできる
し、これらの免震手段を家具や金庫等に適用してもよ
い。また、各種の可動棚は、単に収納物を収納するだけ
でなく、絵画ラックや、文化財などを展示し収納するた
めの可動棚としても適用することができ、絵画や文化財
の保護にも優れた効果を奏することができる。また、爆
発物等の危険物や薬品、または精密機械などを保管する
ためにも用いることができ、かかる場合にも火災発生の
防止、薬品や機械の保護等に優れた効果を奏することが
できる。
【0149】上記図1ないし図68記載の各実施例の可
動棚の駆動方法としては、手動式の可動棚に限られるも
のではなく、電動式の可動棚であってもよいし、また手
引式の可動棚でもよい。なお、可動棚にロック装置が取
り付けら、このロック装置によって可動棚の車輪がロッ
クされている場合であっても、可動棚の車輪と可動棚が
走行する床面との間の摩擦係数が小さい場合には、地震
等による揺れの加速度により車輪が床面上を滑ることに
なる。したがって、可動台車の車輪が床面上を滑ること
によっても、地震等の揺れに対して可動棚が相対移動す
ることができ、免震効果を得ることができる。
【0150】同様に、電動式の可動棚において、駆動車
輪と電動モータとが減速機構やクラッチ等を介して接続
されている場合には、駆動車輪側から見ると減速機構は
増速機構になると共に、電動モータが車輪の回転の負荷
となるため、実質的に車輪に対してブレーキがかけられ
ているのと同様な状態となる。このような状態であって
も可動棚の車輪と床面との間の摩擦係数が小さい場合に
は、地震等による揺れの加速度により、可動棚の車輪が
床面上を滑ることにより、可動棚が相対移動し、免震効
果を得ることができる。なお、2ないし4の複数の車輪
列を有する可動棚であってもよく、かかる場合にはその
うちの少なくとも一つの車輪列が駆動車輪となっている
場合やロックされている場合であっても、ロックされて
いる車輪や駆動車輪が床面上を滑ると共に、他の車輪が
自由回転することによっても免震効果を得ることができ
る。
【0151】電動式の可動棚とした場合には、棚を駆動
するモータを特願平7−39824号に記載したように
チョッパーやインバータによって速度制御するようにし
てもよい。また、駆動車輪は片側だけでもよく、かかる
場合には各可動棚が互いに集合するよう、特開平6−2
63216号公報記載のように構成してもよい。可動台
車は、キャスターや二指向性異径走行ローラまたはボー
ルで走行させるようにしてもよい。
【0152】また、パネルを有する可動棚では、パネル
が破損しないようにパネルの保護手段を設けるようにし
てもよい。図69に示した実施例は、本発明に適用可能
なパネルの保護手段を示したものである。図69におい
て、可動台車3の一端側には可動台車上面から立ち上が
ったパネル12が形成されている。このパネル12は棚
2の高さよりも高くなるように形成されており、その上
端部には水平方向に延びたロッド52が取り付けられて
いる。ロッド52の先端側は棚2上に位置するようにな
っており、このロッド52の先端側の端部にロッド52
の上端から下端に向かって貫通した孔53が形成されて
いる。一方、棚2の上端部にはL字状をした係止部材5
4が取り付けられている。係止部材54の水平辺は、棚
2の上端部に取り付けられている。係止部材54の垂直
辺は上記棚2の上端面から立ち上がるようになってお
り、上記ロッド52の孔53に係合されている。
【0153】図69に示す実施例によれば、通常の作業
時には棚2が上述の適宜の制止手段により可動台車3上
の所定位置に保持されている。また、パネル12は係止
部材54及びロッド52を介して棚2と連結されてい
る。従って、作業時に可動棚を走行させるなどしても、
この反動などによりパネルが破損したり、またパネル1
2に取り付けられた可動棚の駆動機構に悪影響を及ぼす
ことを防止できる。また、この状態で地震等による揺れ
が発生すると、地震等の揺れエネルギーが可動台車3等
を介してパネル12に伝達される。これによりパネル1
2が振動し、その揺れのエネルギーがロッド52を介し
て係止部材54に伝達される。この揺れのエネルギーに
より係止部材54が折れたり、又は壊れたりすることに
より、棚2とパネル12との連結が開放され、棚2は地
震等の揺れに対して相対移動できるようになり、パネル
12が棚2の免震効果を妨げることはない。
【0154】なお、ロッドの孔の形状を楕円形にした
り、またその大きさを大きくして係止部材54との間に
ある程度の遊びをもたせるようにしてもよい。また、上
記実施例のようにロッド52に孔を貫通孔としなくと
も、ロッド52の下端部に有底の凹部を形成し、この凹
部に係止部材を係止させてもよい。また、これとは逆に
ロッド52側に係止部材を設けると共に、棚の上端部に
この係止部材と係合する凹部を形成するようにしてもよ
い。
【0155】また、図70に示すように、ロッド52の
底部に有底の凹部55を設け、この凹部内にばね56に
より下方に付勢されたボール57を配置し、このボール
57を棚2の上面に形成された曲面状の凹部58に係合
させてもよい。かかる実施例によれば、通常時にはばね
56に付勢されたボール57が上記棚2に形成された凹
部58に係合しているため、これにより棚2とパネル1
2とが連結される。従って、作業時に可動棚を走行させ
るなどしても、この反動などによりパネルが破損した
り、またパネルに取り付けられた可動棚の駆動機構に対
して悪影響を与えることを防止できる。また、この状態
で地震等による揺れが発生すると、棚2の移動によって
ボール57がばね56の付勢力に抗して上方に押し上げ
られ、棚2側とパネル12側との連結が開放される。従
って、棚2とパネル12との連結が開放され、パネル1
2が棚2の免震効果を妨げることを防止でき、上記実施
例と同様の効果を奏することができる。なお、上記実施
例とは逆に棚2上部に凹部を形成し、その中にばね56
とボール58とを配置し、これに対応するロッド52の
底面部に曲面状の凹部を形成するようにしてもよい。
【0156】パネルの保護手段としては、上記ロッド5
2の下端部に電磁石を設けると共に、これに対応する棚
の上端部に磁性体を設けるようにしてもよい。かかる場
合には通常時に、上記電磁石に通電することにより棚側
の磁性体を吸着して棚とパネル側とを連結させる。一
方、地震等による揺れが発生したときには、この揺れを
感震装置で感知して電磁石への通電を断ち、棚とパネル
側との連結を開放する。このようにしても上記実施例と
同様の効果を奏することができる。
【0157】図71に示した実施例は、ロッド52の下
端部にラック266を形成すると共に、棚2の上端部に
上記ラックと係合するピニオン267を設け、このピニ
オン267をかんぬき手段268でロックできるように
したものである。かんぬき手段268は、ピニオン26
7と係合するかんぬき269と、錘270とを有してい
る。かんぬき269の下端側の一側部には凹部269a
が形成されている。また、かんぬき269はその下端部
に取付けられたばね271により下方に向かって付勢さ
れている。また上記錘270はその上端部に形成された
軸270aを中心として、図において左右方向に振れる
ようになっている。錘270の中間部には図において左
方向に向かって係止片270bが形成されており、この
係止片270bが上記かんぬき269の凹部269aに
係合するようになっている。なお、かんぬき手段268
は棚2の天板内に凹部を形成しこの凹部内に設けてもよ
いし、凹部を設けずに天板上に取り付けるようにしても
よい。
【0158】上記図71に示した例によれば、通常時に
はかんぬき269の凹部269aに錘270側の係止片
270bが係合しているため、かんぬき269はばね2
70の付勢力に抗して係止されている。この状態では、
かんぬき269の上端部が棚241の上端面から突出し
てピニオン267と係合し、ピニオン267の回転がロ
ックされている。この状態で何らかの外力によりパネル
12が振動しても、ピニオン267の回転がロックされ
ていることから、ピニオン267は回転せず、このピニ
オン267及びラック266を介して棚2とパネル12
とが連結された状態となる。従って、パネルがみだりに
振動することを防止でき、パネルが破損したりまたパネ
ルに取り付けられた駆動機構などに悪影響を及ぼすこと
を防止することができる。
【0159】また、この状態で地震等による揺れが発生
すると、その揺れのエネルギーは可動台車3を介してパ
ネル12、ロッド52へと伝達される。この状態ではか
んぬき269によりピニオン267の回転が規制されて
いるため、ラック266、ピニオン267を介して地震
の揺れエネルギーが棚2側に伝達される。そのため、棚
2は地震の初期状態ではこの地震の揺れエネルギーによ
って振動する。そして、この地震等による揺れのエネル
ギーは棚2の上端部に取り付けられた錘270にも伝達
され、この錘270が軸270aを中心に左右方向に揺
れることによりかんぬき269の凹部269aに係合し
ていた係止片270bが凹部269aから外れて係止が
解除される。これにより、ばね271の付勢力により、
かんぬき269が下方に引っ張られ、かんぬき269に
よるピニオン267のロックが解除され、ピニオン26
9は自由に回転可能となる。したがって、地震の揺れエ
ネルギーによりパネル12が振動しても、この振動エネ
ルギーはロッド52を介して棚2側に伝達されることは
なく、棚2の免震効果を妨げることはなく、上記実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0160】なお、上記図71に示した実施例では地震
の揺れエネルギーを利用してかんぬき269を開放する
ようにしたものであったが、感震装置を設けて、この感
震装置が地震による揺れを感知したときにそソレノイド
などのアクチュエータを駆動させてかんぬき269を作
動させ、ピニオン267の係止を解除させてもよい。ま
た、感震装置やアクチュエータのバックアップ用の電源
を設けるようにしてもよい。また、地震による棚の振動
等を考慮してロッド52を蝶番などを介してパネル2へ
取付け、ロッド52がこの取付け部を中心に上下に回動
できるようにしてもよい。また、上記実施例ではラック
とピニオンによって棚側とパネル側とを連結したが、こ
れに代えて摩擦係数の大きな部材を用いてその摩擦力を
利用してもよい。
【0161】図72に示した例は、本発明に適用可能な
パネルの変形防止手段の別の例を示したものである。な
お、上記実施例と同一の構成については同一の符号を付
して説明を省略する。図72において、可動台車3の一
側端部にはパネル12が蝶番276を介して取り付けら
れている。可動台車3の上端一側辺部とパネル12の下
端一側辺部とが互いに当接しており、パネル12の下端
部と可動台車3の一端部との間にはスペースSが形成さ
れている。上記蝶番276は紙面手前側と奥側とにそれ
ぞれ取り付けられており、この蝶番276を中心として
パネル12が図において左右方向に回動自在となってい
る。一方、パネル12の上端部と棚2の上端部との間に
は、止め具275が取り付けられている。止め具275
の両端部には孔が形成されており、このうちのパネル1
2側の孔にビス275aが挿通されている。このビス2
75aを中心に止め具275がパネル12に対して回動
自在に取り付けられている。また止め具275の棚2側
の孔にはビス275bが挿通されており、このビス27
5bを中心に止め具275が棚2に対して回動自在に取
り付けられている。なお、この止め具275としては、
ゴム、ばね、合成樹脂により構成してもよいし、またユ
ニバーサルジョイントを用いてもい。
【0162】上記実施例によれば、通常時には、棚2が
上述の制止手段によって可動台車3上の所定の位置に保
持されていると共に、この棚2とパネル12とを上記止
め具275によって連結したことから、パネル12に外
力が加わっても、パネル12が破損したり、またパネル
12に取り付けられた駆動機構に悪影響を与えることは
ない。また、地震等による揺れが発生した場合には、制
止手段による棚2の制止が解除され、棚2が相対移動し
ようとする。パネル12は上記蝶番267を中心として
図72において左右方向に回動できるようになっている
と共に、その上端部が止め具275により棚2と連結さ
れていることから、パネル12は棚2と共に相対移動で
きる。したがって、このパネル12の相対移動により、
棚2の相対移動を妨げることはないし、またパネル12
の相対移動により地震等による揺れのエネルギーを吸収
でき、パネル12の破損やパネルに取り付けられた可動
棚の駆動機構の保護を図ることができる。また、パネル
12の下端部側にスペースSを設けたことから、パネル
12が回動する際に可動台車3の端部が障害となること
はないし、またパネル12の下端部が作業者の足に引っ
掛ることもなく安全である。
【0163】図73に示した例は、可動台車3のパネル
12の取付け部側の下端部に傾斜面277を設けると共
に、パネル12の下端部を可動台車3の底面近傍まで伸
ばして配置した例である。その他の構成については上記
実施例と同様であるため説明を省略する。このように、
図73に示した実施例によれば、地震等の揺れによりパ
ネル12が回動した場合であっても、可動台車3の一端
側の下端部に傾斜面277が形成され、この部分にスペ
ースSが形成されているため、パネル12の下端部が可
動台車3に当接することはない。したがって、可動台車
3がパネル12の回動の障害となることはなく、上記実
施例と同様の効果を奏することができる。また、パネル
12の正面側からみた場合にパネル12の下端部側に余
分なスペースがなくなり、外観上仕様を良好とすること
ができる。また、図73に示したようにパネル12の下
端部の前面側にも傾斜面277aを設けて、このパネル
12の下端部の角部が床面に当接しないようにしてもよ
い。なお、図73に示した実施例では可動台車の一端部
に傾斜面277を設けたものであったが、パネル12の
下端部とと可動台車3の一端部との間の間隔をパネル1
2が回動できる程度に広くすれば、上記傾斜面277を
設けないようにしてもよい。
【0164】上記図72、図73に示した実施例におい
て、蝶番を設ける数や位置などは任意であり、紙面手前
側と奥側とにわたって複数個設けるようにしてもよい。
また、蝶番に代えて合成樹脂板や板ばねを屈曲させて、
それぞれの端部をパネル側と可動台車側に取り付けるよ
うにしてもよい。また、蝶番に代えて図74に示したよ
うにパネルと可動台車との当接部にそれぞれ略L字状の
係合部材278,279を設け、この係合部材278,
279によりパネル53を回動自在に支持するようにし
てもよいし、図75に示すように係合部278,279
を渦巻状にしてもよい。また図76に示すように操作面
側だけでなくこれと反対側の建物の壁面側にもパネル2
80を設ける場合には、前後(図においては左右)のパ
ネルを支持部材286で連結してもよい。また、この場
合には支持部材286の荷重を支持するため、棚上に車
輪287を設けてもよい。なお、車輪287に代えてキ
ャスターやオムニホイル(商品名)、ボール、ローラ等
を設けてもよいし、また樹脂や潤滑剤を塗布した滑り部
材を設けてもよい。
【0165】
【発明の効果】 請求項1記載の発明によれば、収納物
を収納する棚とこの棚を搭載して一体に走行する可動台
車とを有してなる可動棚において、上記棚を可動台車上
で免震手段を介して支持し、この免震手段は可動棚の走
行方向とは異なる方向に棚を移動させることができるよ
うにしたことから、可動棚の走行方向だけでなく地震等
による水平方向のあらゆる揺れエネルギーを吸収するこ
とができ、収納物が飛び出したり、破損したり、また棚
自体が転倒して人を押し潰すことなどを防止することが
でき、可動棚の安全性の向上を図ることができる。
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】請求項2記載の発明によれば、免震手段を
可動棚の走行方向及びこの走行方向とは異なる方向に収
納物又は棚を移動させることができるものとしたことか
ら、可動棚の走行方向に対して二重免震とすることがで
き、可動棚の重量等が抵抗となって車輪の回転がスムー
ズでない場合であっても十分に免震することができる
し、また走行方向に間口面を有する可動棚などでは倒れ
やすい間口面に対して二重の免震とすることができ、棚
の転倒などをより一層防止できる。
【0171】請求項3記載の発明によれば、免震手段を
多指向性の移動手段としたことから、地震等による水平
方向のあらゆる揺れエネルギーを吸収することができ、
棚内の収納物が飛び出したり、破損したり、また棚が転
倒することを防止できる。
【0172】
【0173】
【0174】請求項4記載の発明によれば、地震等が発
生した時には棚又は収納物が移動できるよう制止を解除
し、通常時には棚又は収納物を所定の位置に保持してお
く制止手段を有することから、作業時に棚や収納物がみ
だりに移動することがなく、安全に作業を行なうことが
できる。また、地震等による揺れが発生したときには棚
の制止を解除することから、各種免震手段により棚や収
納物が自由に移動できるようになり、制止手段が免震手
段の免震効果を妨げることはない。
【0175】請求項5記載の発明によれば、地震等によ
る揺れを感知する感震装置を有し、この感震装置からの
信号により制止手段を開放するようにしたことから、確
実に制止手段を解除させることができ、安全性の向上を
図ることができる。
【0176】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる可動棚の実施例を示した正面
図。
【図2】同上実施例の側面図。
【図3】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
例を示した正面図。
【図4】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
別の例を示した正面図。
【図5】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
さらに別の例を示した要部の正面図。
【図6】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
さらに別の例を示した正面図。
【図7】同上実施例の免震手段の平面図。
【図8】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
さらに別の例を示した要部の正面図。
【図9】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段の
さらに別の例を示した要部の正面図。
【図10】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段
のさらに別の例を示した正面図。
【図11】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段
のさらに別の例を示した正面図。
【図12】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
の例を示した底面図。
【図13】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
の別の例を示した断面図。
【図14】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図15】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図16】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図17】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図18】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図19】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した断面図。
【図20】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した正面図。
【図21】同上実施例にかかる制止手段の正面図。
【図22】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を示した正面図。
【図23】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を分かり易く示した正面図。
【図24】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を分かり易く示した正面図。
【図25】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を分かり易く示した正面図。
【図26】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を分かり易く示した正面図。
【図27】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
のさらに別の例を分かり易く示した正面図。
【図28】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た平面図。
【図29】同上実施例にかかる可動棚の側面図。
【図30】本発明に適用可能な可動棚の別の例を示した
側面図。
【図31】本発明に適用可能な可動棚のさらに別の例を
示した側面図。
【図32】本発明にかかる可動棚にボールスライドを適
用した例を示した要部の側面図。
【図33】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た平面図。
【図34】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た正面図。
【図35】同上実施例にかかる可動棚の側部断面図。
【図36】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
の例を分かり易く示した要部の正面図。
【図37】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た正面図。
【図38】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た側面図。
【図39】本発明にかかる可動棚のさらに別の例を示し
た正面図。
【図40】本発明に適用可能な可動棚又は棚の倒れ防止
装置の例を示した側面図。
【図41】本発明に適用可能な可動棚又は棚の倒れ防止
装置の別の例を示した側面図。
【図42】本発明に適用可能な可動棚又は棚の倒れ防止
装置のさらに別の例を示した斜視図。
【図43】同上実施例の倒れ防止装置の要部を示した斜
視図。
【図44】本発明にかかる可動棚の別の実施例を示した
正面図。
【図45】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図46】本発明にかかるさらに別の可動棚の実施例を
示した正面図。
【図47】本発明にかかる可動棚に適用可能な制止手段
の例を示した正面図。
【図48】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図49】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図50】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図51】同上実施例の免震手段の配置の例を示した平
面図。
【図52】同上実施例にかかる可動棚に適用可能な免震
手段例を示した正面図。
【図53】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図54】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図55】本発明にかかる可動棚に適用可能なメンテナ
ンス手段の例を示した正面図。
【図56】本発明にかかる可動棚に適用可能なメンテナ
ンス手段の別の例を示した正面図。
【図57】本発明にかかる可動棚に適用可能なメンテナ
ンス手段のさらに別の例を示した平面図。
【図58】本発明にかかる可動棚の別の例を示した正面
図。
【図59】同上実施例にかかる可動棚のさらに別の例を
示した側面図。
【図60】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図61】本発明にかかる可動棚の棚板に免震手段を適
用した実施例を示した正面図。
【図62】同上実施例に適用可能な免震手段の別の例を
示した要部の断面図。
【図63】同上実施例に適用可能な免震手段の別の例を
示した要部の断面図。
【図64】同上実施例に適用可能な別の免震手段の要部
の例を示した側面図。
【図65】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図66】本発明にかかる可動棚のさらに別の実施例を
示した正面図。
【図67】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段
の例を示した平面図。
【図68】本発明にかかる可動棚に適用可能な免震手段
の別の例を示した側面図。
【図69】本発明に適用可能なパネルの保護手段の例を
示した正面図。
【図70】本発明に適用可能なパネルの保護手段の別の
例を示した要部正面図。
【図71】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した要部正面図。
【図72】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した正面図。
【図73】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した正面図。
【図74】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した要部正面図。
【図75】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した要部正面図。
【図76】本発明に適用可能なパネルの保護手段のさら
に別の例を示した正面図。
【符号の説明】
1,96,101,120、130、205 可動棚 2 棚 3,83,85,89 、220、230 可動台車 9,17,18,22,25,30,32,35,9
5,110,170,180、221 免震手段 23、107、204、214 軌条 50,63,65,67,69,72,74,77,8
0,87,88 制止手段 92 固定部としての固定棚 105 条部材 111 車輪 114 連結部材 151 棚板 153 ローラ 157 ボール 201 軌条 202 車輪 231 固定部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 1/10 A47B 53/02 E04H 9/00 E04B 1/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収納物を収納する棚とこの棚を搭載して
    一体に走行する可動台車とを有してなる可動棚であっ
    て、 上記棚は上記可動台車上で免震手段を介して支持され、 上記免震手段は、上記可動台車の走行方向とは異なる方
    向に棚を移動させることができることを特徴とする可動
    棚。
  2. 【請求項2】 免震手段は可動棚の走行方向及びこの走
    行方向とは異なる方向に棚を移動させて可動棚の走行方
    向に対して二重免震とした請求項1記載の可動棚。
  3. 【請求項3】 免震手段は多指向性の移動手段である請
    求項1記載の可動棚。
  4. 【請求項4】 地震等による揺れが発生した時には棚が
    移動できるよう制止を解除し、通常時には棚を所定の位
    置に制止させておく制止手段を有する請求項1記載の
    動棚。
  5. 【請求項5】 地震等による揺れを感知する感震装置を
    有し、この感震装置からの信号により制止手段を開放す
    ることとした請求項4記載の可動棚。
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