JP3132640B2 - 電動式移動棚装置 - Google Patents

電動式移動棚装置

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JP3132640B2
JP3132640B2 JP08031746A JP3174696A JP3132640B2 JP 3132640 B2 JP3132640 B2 JP 3132640B2 JP 08031746 A JP08031746 A JP 08031746A JP 3174696 A JP3174696 A JP 3174696A JP 3132640 B2 JP3132640 B2 JP 3132640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震等により床面
が水平方向に激しく揺れても、棚へ伝わる床面の揺れの
エネルギーを極力抑えて、棚上の収納物が飛び出した
り、棚が転倒したりすることがないようにした電動式移
動棚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の物品保管倉庫等では、複数の移動
棚に物品を保管することが広く行なわれている。かかる
物品保管倉庫等においては、移動棚として電動モータを
用いる電動式移動棚が広く用いられている。このような
電動式移動棚においては、電動モータから減速機構を介
して車輪に駆動力を伝達することで、十分なトルクを得
て移動棚を駆動している。また、停止時に棚が移動しな
いよう、必要に応じて駆動機構にブレーキ機構を設けた
ものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電動式移
動棚にあっては、ブレーキにより移動棚をロックしてお
くと、地震等による揺れが発生したとき、床面の水平方
向の揺れが車輪を介して移動棚に伝達され、移動棚に収
納されている収納物が飛び出したり、移動棚が転倒する
などの問題がある。また、ブレーキにより棚をロックし
ていない場合でも、駆動車輪側からみると減速機構は増
速機構となり、駆動モータは発電機となるため駆動系の
抵抗が大きく、この抵抗により駆動車輪がロックされて
いるのと同じ状態となり、この駆動車輪を介して地震等
の揺れエネルギーが移動棚に伝達されてしまう。そのた
め、移動棚内の収納物が飛び出すなどして破損してしま
うばかりか、飛び出した収納物が周辺にいる人に当った
り、また地震等の規模が大きい場合には移動棚自体が転
倒して人を押し潰したり、避難通路を塞いだりして大変
危険であるという問題がある。
【0004】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、減速機構の減速比を小さ
く設定することを可能にし、車輪側からみた場合の減速
機構の抵抗を小さくすることで、移動棚に伝わる地震等
の揺れエネルギーを極力抑え、収納物が棚から飛び出し
たり、移動棚が転倒することを防止でき、地震等が発生
しても安全な電動式移動棚を提供することを目的とす
る。
【0005】本発明はまた、移動棚の移動方向への揺れ
に対する免震効果のみでなく、移動棚の移動方向に対し
直交する方向への揺れに対しても免震効果を得ることが
できる電動式移動棚を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、車輪の駆動系内にクラッチ手段および減速
機構を設けると共に、電動モータの速度を制御する速度
制御回路を設け、上記クラッチ手段は、移動棚を駆動す
るときのみつながって電動モータからの駆動力を車輪に
伝達し、それ以外のときは解放して車輪の回転を電動モ
ータ側に伝達しないものであり、上記速度制御回路は、
電動モータを制御して移動棚の移動速度を制御し、上記
減速機構は、これを電動モータへの非通電時に駆動車輪
が回転しうるように構成したことを特徴とする。また、
地震等による揺れを検知する感震装置を有し、クラッチ
手段は、移動棚の走行中に、上記感震装置が地震等によ
る揺れを感知したときに解放するようにしてもよい。
【0007】請求項3記載の発明は、車輪の駆動系内に
クラッチ手段および減速機構を設けると共に、電動モー
タの速度を制御する速度制御回路と、地震等による揺れ
を検知する感震装置とを設け、上記クラッチ手段は、常
時つながれており、上記感震装置が地震等による揺れを
感知したときのみ解放するようにし、上記減速機構は、
これを電動モータへの非通電時に駆動車輪が回転しうる
ように構成したことを特徴とする。
【0008】 速度制御回路は、電流の1サイクル内で
オン・オフすることにより電動モータに流れる電流を制
御するチョッパー、又は電動モータの電源の周波数を制
御するインバータとしてもよい。
【0009】 請求項5記載の発明のように、車輪の駆
動系内に設けたクラッチ手段は、感震装置が地震等によ
る揺れを感知したとき解放するようにすると共に、イン
バータ又はチョッパーを有してなる速度制御回路を設け
てもよい。
【0010】 請求項6記載の発明のように、車輪とこ
の車輪を支持する軸を、軸方向に相対移動可能に連結
し、車輪を軸方向中立位置に保つとともに軸方向の一定
以上の荷重によって破壊する壊れ部材を設けてもよい。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、移動棚を駆動さ
せるときは、クラッチ手段がつながれることにより電動
モータからの駆動力が駆動車輪に伝達される。この状態
で地震等が発生すると、この揺れのエネルギーが駆動
輪、クラッチ、減速機構を介して電動モータに伝達され
る。電動モータは速度制御回路により速度制御されてい
るため、減速機構の減速比は比較的小さく設定すること
ができ、駆動車輪側からみた減速機構の抵抗を小さくす
ることができる。従って、地震等の揺れに応じて駆動車
輪は容易に回転することができ、この回転により地震等
の揺れエネルギーを吸収することができる。
【0012】請求項2、3記載の発明によれば、感震手
段が地震等による床面の揺れを感知すると所定の信号が
発信され、この信号によりクラッチ手段が解放する。従
って、移動棚の駆動車輪からみた電動モータや減速機構
を含む駆動系の抵抗は極めて小さくなる。従って、駆動
車輪は自由回転することができ、この自由回転により地
震等の揺れのエネルギーを吸収できる。また、感震手段
によってクラッチ手段が解放されるまでわずかな時間遅
れがあっても、減速機構の減速比を小さく設定できるた
め、駆動車輪が回転する際の抵抗は少なく、駆動車輪の
回転により地震等の揺れエネルギーを収納物に影響のな
い程度まで小さくできる。
【0013】速度制御手段としてチョッパー又はインバ
ータを用いることにより、電動モータの速度を制御でき
る。従って、減速機構の減速比を大きくしなくとも、移
動棚をスロースタートさせたり、又はスローダウンさせ
て停止させることができるし、また高速移動させること
もできる。
【0014】 請求項6記載の発明によれば、地震等に
よる移動棚の移動方向への揺れに対する免震効果はもち
ろん、移動棚の移動方向に対し直交する方向への揺れに
対する免震効果も期待できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる電動式移動
棚装置の実施の形態を図面を用いて説明する。まず、図
1、図2において本発明にかかる移動棚装置の基本的構
成について説明する。図1、図2において、床1上には
複数の軌条2が互いに平行に敷設されており、この軌条
2に沿って移動棚3が移動可能に配置されている。移動
棚3は、上記軌条2上を走行する移動台車4と、この移
動台車4上に取り付けられた保管棚5とを有している。
保管棚5は棚板が数段にわたって設けられることによ
り、収納スペースが形成される周知の構造のものであ
る。
【0016】上記移動台車4は、鋼製で保管棚5等の荷
重に十分耐えうる構造になっている。上記移動台車4
は、移動棚3の開口面側から見て左右両端に車輪取り付
けサドル6,6と、このサドル6,6を連結する棚受け
横梁7,7と、中間車輪を受ける梁8と、電動モータ1
0を受ける梁9とを有している。上記車輪取り付けサド
ル6,6、及び梁8、梁9には、移動棚3の一端部(図
1において下端側)にそれぞれ駆動車輪12が取り付け
られている。これら4つの駆動車輪12は、駆動軸11
によって一体に連結されており、適宜の軸受13を介し
て一体に回転可能となっている。一方、移動台車4の他
端部(図1において上端側)には、従動車輪18が上記
駆動車輪12に対応してそれぞれ取り付けられている。
この従動車輪18はそれぞれ単独の軸が軸受で受けられ
ることにより、台車4に回動自在に取り付けられてい
る。
【0017】なお、上記実施の形態では駆動軸側のみを
同軸としたが、4つの従動車輪18を一つの軸で連結し
て同軸としてもよい。これにより移動棚3が軌条2上で
蛇行することなく安定して走行することができる。
【0018】上記梁9には移動棚の駆動源としての電動
モータ10が取り付けられている。電動モータ10の回
転は、図示しない速度制御回路により制御されるように
なっている。この速度制御回路としては、後述するイン
バータやチョッパーを用いてもよいし、その他適宜の速
度制御回路を用いてもよい。
【0019】上記電動モータ10は、その内部に減速機
構を有しており、電動モータ10の出力軸側にはクラッ
チ15が取り付けられている。かかるクラッチ15とし
ては、摩擦板式のクラッチや、ギア式のクラッチを用い
てもよい。また一方にマグネットを有し他方に電流によ
る回転トルク発生手段を有する電磁誘導式のクラッチな
ど適宜のクラッチ手段を用いることができる。また、ク
ラッチの制御手段としては、ばねとソレノイドとを有
し、ばねによってクラッチが常時解放するように付勢し
ておき、移動棚を駆動する信号を検知したときだけソレ
ノイドを励磁することによりクラッチをつなぐようにし
てもよい。また逆に、ソレノイドを常時励磁して、ばね
の付勢力に抗してクラッチを解放させておき、移動棚を
駆動するときはソレノイドを非励磁として、ばねの付勢
力によりクラッチをつなげるようにしてもよい。また、
クラッチの制御は、その他電磁式のものや、機械的な機
構によるものなど適宜のものでよい。
【0020】上記クラッチ15からの出力軸にはスプロ
ケット16が取り付けられている。一方、上記4つの駆
動車輪12を連結する駆動軸11の長さ方向の略中央部
にはスプロケット14が取り付けられている。この駆動
軸11側のスプロケット14と上記電動モータ10側の
スプロケット16との間にはチェーン17が掛けられて
いる。そして、上記電動モータ10、クラッチ15、ス
プロケット16,17などからなる駆動系により、上記
駆動車輪12が回転されるようになっている。
【0021】次に、上記図1、図2に示した移動棚装置
の動作及び、電動モータを速度制御回路により速度制御
したことによる免震作用について説明する。まず、移動
棚3に収納物を搬入したり、移動棚3から収納物を搬出
したりするため、移動棚3を駆動させて通路を形成する
場合には、まず図示しない通路形成スイッチをオンす
る。通路形成スイッチからの信号により該当する移動棚
3の電磁クラッチ15が閉じると共に電動モータ10が
回転を開始する。電動モータ10の回転力は、電磁クラ
ッチ15、スプロケット16、スプロケット14等を介
して駆動軸11に伝達され、この駆動軸11を介して4
つの駆動車輪12が回転し、移動棚3が駆動される。
【0022】移動棚3が所定の移動距離だけ移動して所
定の通路が形成されると、図示しないリミットスイッチ
又は通路形成センサから通路が形成された旨の信号が入
力され、この信号により電動モータ10の電源がオフさ
れて移動棚3の移動が停止する。これと同時に、上記通
路形成センサからの信号によってクラッチ15は再び解
放され、この状態を通常の状態として維持する。なお、
クラッチ15は移動棚3が確実に停止したことをセンサ
等により検知してから解放するようにしてもよく、これ
により安全性の向上を図ることができる。また、電動モ
ータとしてパルスモータ等を用いて、所定のパルスが検
出されたとき、即ち所定の通路が形成された時に、この
モータのパルス信号によって移動棚3を停止させ、クラ
ッチ15を解放するようにしてもよい。
【0023】移動棚3の駆動時に地震等が発生した場
合、移動棚3は地震等の揺れエネルギーを受けて激しく
振動する。特に移動棚の構造上、軌条方向の前後に傾く
揺れが移動棚の剛性に応じて生じると同時に、床面と相
対的に移動する振動も生じ、移動棚3には図2にa1、
a2で示すように左右方向の加速度が発生する。
【0024】ここで、減速機構の減速比が大きい場合に
は、駆動車輪側からみると減速機構が増速機構となり、
その抵抗が大きい場合には駆動車輪12は実質的にロッ
クされたのと同じ状態になってしまう。そのため、図2
に破線で示したように、あたかも駆動車輪12がエンド
ストッパー20に当接してロックされた状態と同様とな
ってしまい、移動棚3には図2に示すように駆動車輪1
2を支点として慣性力P1が作用する。移動棚3は、こ
の慣性力P1により駆動車輪12を支点として回転し、
地震等の揺れが大きい場合には移動棚3が転倒する危険
がある。また、上記慣性力P1を移動棚3が左方向へ傾
くことにより吸収しても、今度はその反動によって図2
において右側へ反動力P2が作用し、この反動力P2に
よっても移動棚3が転倒する危険がある。地震等の揺れ
が移動棚3が転倒する程度に大きくなくとも、地震等の
揺れが継続することにより、慣性力P1と、その反動力
P2が交互に繰り返して作用すると、移動棚3内の収納
物が飛び出したり、また移動棚3内の収納物が破損する
原因となる。
【0025】本願発明の上記実施の形態では、速度制御
回路により電動モータ10の回転速度を制御できるた
め、減速機構の減速比を小さく設定でき、これにより駆
動車輪12側からみた減速機構を含む駆動系の抵抗を小
さくできる。よって、駆動車輪12は地震等の揺れが生
じた場合でも、駆動車輪12がロックされることはな
く、この駆動車輪12及び従動車輪18の回転により地
震等の揺れエネルギーを吸収することができ、上記慣性
力P1、反動力P2を収納物に影響がない程度まで小さ
くできる。また、電動モータ10をインバータやチョッ
パーなどの速度制御回路を用いて制御することで、移動
棚3をスロースタートさせたり、又はスローダウンさせ
て停止させることができる。
【0026】上記実施の形態では減速比が小さいとはい
ってもギアを用いていることから、レールレベルの差が
ある場合や、移動棚3内の収納物がアンバランスに搭載
されている場合であっても、比較的小さなトルクで駆動
車輪12を回転駆動することができ、移動棚3をスムー
ズに移動させることができる。なお、上記実施の形態に
おいては、電動モータはその減速機構の減速比に応じて
トルクの大きなものを用いればよい。電動モータのトル
クの大きさ等によっては、上記減速機構を廃止して駆動
モータ10と、駆動車輪12の駆動軸とを直結すること
もでき、これにより駆動車輪12側からみたときの減速
機構による抵抗の増幅をなくすこともできる。
【0027】また、上記移動棚3が停止しているときに
は、上記クラッチ15は解放されており、駆動車輪12
が回転しても、その回転力が電動モータ10側に伝達さ
れることはない。従って、移動棚3が外力によって押さ
れると、駆動車輪12は、電動モータ10や減速機構等
の抵抗によって妨げられることはなく回転することがで
きる。もちろん、従動車輪18も抵抗なく回転すること
ができる。
【0028】移動棚が停止している状態で地震等が発生
すると、図2に示すように、移動棚3は床の左方への揺
れの加速度a1に対しては、移動棚3に作用する慣性力
に応じて車輪12、18が回転し、移動棚3が床1に対
して相対的に右側へ移動する。また、これとは反対に、
床の右方への加速度a2に対しては、移動棚3が床1に
対して相対的に左側へ移動する。即ち、移動棚3は床1
の軌条方向水平振動に対して車輪が適宜回転し自立した
かたちとなる。従って、駆動車輪12、従動車輪18の
自由回転により床1の振動エネルギーが移動棚3に伝わ
ることが遮断され、移動棚3内の収納物が飛び出した
り、移動棚3の転倒を防止できる。
【0029】このように、上記実施の形態にかかる電動
式移動棚装置によれば、移動棚3の停止時に地震等が発
生しても、クラッチ15は移動棚3を移動するとき以外
は解放されており、駆動車輪12側からの回転力を電動
モータ10側に伝達しないように構成されていることか
ら、地震等による床面の揺れに応じ駆動車輪12及び従
動車輪18が抵抗なく回転し、移動棚3が床1に対し相
対的に移動することによって地震等によるれ揺れエネル
ギーが移動棚3に伝達されるのを防止することができ、
収納されている収納物が飛び出したり、移動棚3が倒れ
たりすることを防止できる。また、停止時には移動棚の
クラッチは解放していることから、地震等により停電し
た時や制御回路にトラブルが発生したときであっても、
移動棚を手動で又は手で直接押すことにより容易に移動
させることができ、避難通路等の確保を容易に行なうこ
とができる。
【0030】なお、上記実施の形態のように、移動棚の
片側車輪のみを駆動車輪とした場合には、少なくとも他
方の車輪は自由回転できることから免震効果を有する
が、これに加えて本発明のような構成とすることで、よ
り一層免震効果に優れた電動式移動棚装置とすることが
できる。また、移動棚の前後両側の車輪を駆動車輪とし
た場合であっても、本発明を適用することにより優れた
免震効果を得ることができる。
【0031】次に、本発明にかかる別の実施の形態につ
いて図3を用いて説明する。図3において、床上に敷設
された軌条の一端側に固定棚34が配置されており、こ
の固定棚34の開口面に対して平行に移動可能に移動棚
33が配置されている。上記固定棚34は、各移動棚3
3の移動を制御するため制御装置35と、地震等による
床面の揺れを感知する感震装置30とを有している。感
震装置30は、錘の揺れ等を利用して床面の揺れを検知
する周知の感震装置である。そして、この感震装置30
からの信号が制御装置35に入力されるようになってい
る。
【0032】上記各移動棚37は、上記図1に示した実
施の形態と同様、電動モータ、減速機構、駆動車輪、従
動車輪等を有している。そして、図3に示す実施の形態
では、各移動棚33は、クラッチを制御するドライバ3
7を有している。このドライバ37は、上記固定棚34
に設けられた制御装置35から所定の信号を受けること
によりクラッチをつなげて駆動車輪に電動モータの駆動
力を伝達させたり、クラッチを解放したりする制御を行
なうものである。なお、このドライバ37は電動モータ
等を制御するドライバと一体に構成し、電動モータの制
御とクラッチの制御とを連動させるようにしてもよい。
【0033】上記固定棚34と移動棚33との間、及び
隣接する各移動棚33の間にはその上端部にスイングア
ーム36が取り付けられている。スイングアーム36に
は導電部材が取り付けられており、この導電部材により
上記固定棚34に設けられた制御装置35と各移動棚の
ドライバ37が電気的に接続されており、この導電部材
を介して制御装置35からの信号が各移動棚33のドラ
イバ37に入力されるようになっいる。各移動棚のドラ
イバ37は、この信号により各移動棚33のクラッチを
つなげたり、また解放するようになっている。その他の
移動棚装置の基本的な構成については、上記図1、図2
に示す実施の形態と同様に構成されている。
【0034】上記のように構成された電動式移動棚33
において、移動棚の駆動系内に設けられたクラッチは、
通常時はつながれている。従って、入庫又は出庫を行な
う場合には、通路を形成するための信号を制御装置35
から入力すると、該当する移動棚の電動モータが駆動さ
れ、この駆動力が減速機構、クラッチ等を介して駆動車
輪に伝達される。これにより該当する移動棚33が移動
して入庫又は出庫用の通路を形成することができる。
【0035】移動棚3の停止時、あるいは駆動時に地震
等が発生すると、この地震等による床面の揺れを固定棚
34に設けられた感震装置30が感知する。この感震装
置30からの信号は、制御装置35に入力される。制御
装置35は、スイングアーム36に設けられた導電部材
を介して、各移動棚33に設けられたクラッチのドライ
ブ装置37にクラッチを解放する旨の信号を送信する。
各移動棚33のドライブ装置37は、この制御装置35
からの信号によりクラッチを解放する。
【0036】移動棚33が停止しているときにクラッチ
が解放されると、駆動車輪側からみて電動モータや減速
機構等の駆動系が抵抗となることなく、駆動車輪は自由
回転することができる。従って、この駆動車輪及び従動
車輪の自由回転により、地震等による揺れエネルギーを
吸収することができる。一方、移動棚33の走行中にク
ラッチが解放すると、電動モータからの駆動力がクラッ
チの解放により遮断される。また、クラッチの解放によ
り駆動車輪側からみて電動モータや減速機構等の駆動系
が抵抗となることはなく、駆動車輪は自由回転すること
ができる。従って、この駆動車輪及び従動車輪の自由回
転により、地震等による揺れエネルギーを吸収すること
ができる。
【0037】このように、上記図3に示した移動棚装置
によれば、感震装置30により地震等による床面の揺れ
を検知したときにクラッチを解放するようにしたことか
ら、移動棚の停止時、又は駆動時のいずれであっても、
クラッチの解放により駆動車輪が自由回転することがで
きる。従って、駆動車輪及び従動車輪の自由回転によ
り、移動棚を床面に対して相対的に移動させることがで
きるから、この相対的な移動により地震等の揺れエネル
ギーを吸収でき、棚内の収納物が飛びだしたり、棚が転
倒することを防止できる。
【0038】また、感震手段30が地震等による揺れを
感知してからクラッチを解放するまでの間にわずかな時
間遅れを生じても、電動モータはインバータやチョッパ
ーなどの速度制御手段により制御されるため、減速機構
の減速比を小さくすることができ、駆動車輪側からみた
減速機構等の抵抗を小さくできる。従って、かかる場合
でも駆動車輪及び従動車輪の回転により、地震等による
揺れのエネルギーを棚内の収納物に影響のない程度まで
小さくできる。さらに、感震装置30を固定棚34に取
り付けたことから、感震装置を安定して動作させること
ができ、誤作動などを防止できる。
【0039】次に、図4に示す別の実施の形態について
説明する。図4に示した実施の形態は、上記図3に示す
実施の形態のようにスイングアームを用いずに、無線に
よって各移動棚を制御するようにしたものである。図示
しない固定棚は、地震等による床面の揺れを感知する感
震装置50と、この信号を無線により各移動棚に送信す
る送信機51を有している。一方、各移動棚は、クラッ
チの制御回路として、上記送信機51からの無線信号を
受信する受信機52と、この受信した信号を増幅するア
ンプ53と、上記受信機52の信号によりクラッチ61
を制御するドライバ54とを有している。また各移動棚
は、クラッチのドライブ電源回路として、交流電源57
を変圧するための変圧器58と、変圧器58により変圧
された交流電流を整流するための整流器59と、バック
アップ用の電源としての充電池60と、主電源側とバッ
クアップ電源側とを切り替えるためのスイッチ56と、
このスイッチを作動させるスイッチドライブ55とを有
している。また、移動棚は、上記クラッチ制御回路とは
別に、電動モータ63を制御するドライバー62を有し
ている。なお、その他の移動棚の基本的構成については
上記図3に示した実施の形態と同様である。
【0040】上記のように構成された電動式移動棚装置
では、常時クラッチがつながれており、入出庫を行なう
場合には電動モータの駆動力により移動棚が駆動され、
所定の通路が形成される。一方、移動棚の停止時、又は
駆動時に地震等が発生すると、固定棚に設けられた感震
装置50がその揺れを感知する。感震装置50が地震等
による揺れを感知すると、その旨の信号が送信機51に
入力され、送信機51は各移動棚に設けられた受信機5
2に対してクラッチを解放する旨の信号を送信する。各
移動棚に設けられた受信機52は、上記送信機51から
の信号を受信すると、まずその信号をアンプ53により
増幅し、この増幅された信号をクラッチ61のドライバ
54に入力する。ドライバ54は、この受信機52から
の信号に応じてクラッチ61を解放する。
【0041】上記ドライバ54は、交流電源57を変圧
器58により所定の電圧に変圧し、整流器59により整
流された電源により駆動されている。一方、整流器59
からの電流は、バックアップ用の充電池60により自動
的にバックアップ用の充電がなされている。そして、上
記アンプ53からの信号はスイッチドライブ55に入力
され、スイッチドライブ55は、通常状態では主電源側
のスイッチ56aをオンさせることによりドライバ54
に給電する。また、地震等により交流電源57からの通
電がストップした場合には、スイッチドライブ55がス
イッチ56を主電源側からバックアップ用電源側に切り
換えて、バックアップ用の電源スイッチ56bをオンす
るようになっている。
【0042】このように、上記図4に示す実施の形態に
よれば、上記図3に示した実施の形態と同様の効果を奏
するだけでなく、無線により各移動棚を制御できるか
ら、移動棚の施工が容易であり、また有線の場合のよう
に断線することもなく、地震時であっても確実に移動棚
を制御することができる。また、クラッチを駆動するた
めのバックアップ用の電源を設けたことから、地震等に
より通電がストップした場合でも、地震等による揺れの
時間は短いためバックアップ電源により十分クラッチを
制御でき、安全性の向上を図ることができる。
【0043】なお、上記実施の形態においては、無線に
より各移動棚を制御するようにしたものであるが、制御
手段としてはラジコンや光、音波などを用いてもよく、
かかる場合にも上記実施の形態と同様の効果を得ること
ができる。また、入出庫情報等も無線等により各移動棚
に送信するようにしてもよい。かかる場合、制御パネル
を固定棚に設けてもよいし、また手元操作装置を用いて
もよい。また、上記バックアップ用バッテリーは日付管
理によりその寿命を管理するようにしてもよいし、また
バッテリーの寿命表示させてもよい。また、バックアッ
プ用バッテリーは、その充電量を表示させるものを用い
てもよい。バックアップ用電源としてはコンデンサーを
用いてもよく、かかる場合であっても地震等による揺れ
の時間は短いため、十分な効果を得ることができる。
【0044】上記図3、図4に示した実施の形態におい
ては、固定棚に感震装置を設けるものであったが、移動
棚が設置される建物の壁面に感震装置を設けるようにし
てもよい。かかる場合にも、感震装置は地震等による揺
れを精度よく感知することができ、安定して動作でき
る。
【0045】次に、図5に示す別の実施の形態について
説明する。図5に示す実施の形態は、固定棚44の開口
面に対して平行に移動可能に設けられた複数の移動棚4
3の各々に感震装置40を取り付けた例であり、その他
モータ、減速機構、クラッチ等の移動棚の基本的構成に
ついては上記図3に示す実施の形態と同様である。かか
る図5に示す実施の形態によれば、移動棚の停止中や駆
動中のいずれの時でも、各移動棚43に設けられた感震
装置40が、地震等による床面の揺れを感知すると、そ
の旨の信号を各移動棚40のドライブ装置47に入力
し、ドライブ装置47は駆動系内に設けられたクラッチ
を解放するようになっている。
【0046】上記図5に示す実施の形態によれば、上記
図3に示す実施の形態と同様な効果を奏することができ
る。また、図5に示す実施の形態によれば、各移動棚4
3に感震装置40が設けられていることから、スイング
アーム等を用いる必要がないため、移動棚43を簡単な
構造とすることができるし、感震装置自体はスイングア
ームに比べて廉価であり、移動棚の施工も容易であるこ
とからコストの軽減させることができる。
【0047】なお、上記図3ないし図5に示す実施の形
態においては、常時クラッチをつなげておいて、感震装
置により地震等による揺れを感知したときのみクラッチ
を解放するようにしたものであったが、移動棚の停止時
にはクラッチを解放しておき、移動棚を駆動するときの
みクラッチをつなげるようにすると共に、移動棚の走行
時に地震等が発生すると、この揺れを感震装置で感知
し、この感震装置からの信号によりクラッチを解放する
ようにしてもよい。
【0048】このように構成しても、移動棚の停止中で
あればクラッチが解放されていることから、駆動車輪側
からみて電動モータや減速機構が抵抗となることはな
く、駆動車輪及び従動車輪は自由に回転することができ
る。従って、かかる駆動車輪及び従動車輪の自由回転に
より、地震等の揺れエネルギーを吸収することができ、
移動棚内の収納物が飛びだしたり、移動棚が転倒するこ
とを防止できる。また、移動棚の走行中、地震等による
揺れを感知したときにクラッチを解放することで、電動
モータからの駆動力を遮断できると共に、駆動車輪側か
らみて電動モータや減速機構が抵抗となって駆動車輪の
回転を妨げることもないから、駆動車輪及び従動車輪の
自由回転により移動棚を地震等の揺れに対し相対的に移
動させることができる。
【0049】また、電動モータはインバータやチョッパ
ーなどの速度制御手段により制御されるため減速機構の
減速比を小さくできる。従って、感震手段が揺れを感知
してから、クラッチを解放するまでの間にわずかな時間
遅れを生じても、駆動車輪側からみた場合、減速機構等
の抵抗は小さいため、この駆動機構の抵抗により駆動輪
がロックされることはなく、駆動車輪及び従動車輪の回
転により地震等による揺れのエネルギーを棚内の収納物
に影響がない程度まで小さくできる。
【0050】上記図3ないし図5に示した例は、図6に
示すように電動モータ側に減速機構を設け、車輪の駆動
軸側にクラッチ機構を設けた例であったが、図7に示す
ように電動モータ側にクラッチ機構を設け、車輪の駆動
軸側に減速機構を設けてもよい。
【0051】図8ないし図10に示す例は、上記図7に
示すように電動モータ側にクラッチ機構を設け、車輪の
駆動軸側に減速機構を設けた移動棚装置を複数配置した
例である。図8に示した例では、図面に向かって左側に
駆動車輪22を有する移動棚23aと右側に駆動車輪2
2を有する移動棚23bとを交互に配置している。この
ような状態で地震等が発生すると、上記実施の形態同
様、移動棚装置又は固定棚等に設けられた感震装置から
の信号により移動棚のクラッチが解放する。図8に示す
例ではクラッチが解放して駆動車輪側の抵抗は小さくな
るとは言え、駆動車輪が減速機構とつながれているた
め、この減速機構が駆動車輪22の抵抗となる。そのた
め、この抵抗により駆動車輪22の回転が規制され、移
動棚23a、23bは抵抗の少ない従動車輪21側へ移
動する。具体的には、図2において左側に駆動車輪22
を有する移動棚23aは地震等の揺れによって右側へ移
動し、右側に駆動車輪22を有する移動棚22bは地震
等の揺れによって左側へ移動する。従って、互いに隣合
う一組みの移動棚23aと移動棚23bとが集合する向
きに移動する。
【0052】このように、図8に示す実施の形態によれ
ば、上記図1、図2に示した実施の形態と同様な効果を
奏することができると共に、地震等による揺れが生じた
場合、互いに隣合う一組みの移動棚23a、23bが集
合するようになっていることから、移動棚内の収納物が
飛び出したり、移動棚が転倒することを防止でき、安全
性の向上を図ることができる。
【0053】次に、図9に示した実施の形態は、移動棚
装置を2群に分けて配置した別の実施の形態である。図
9において、図面に向かって左側に駆動車輪22を有す
る移動棚23aを固定棚24とは反対側(図9において
左側)に3台配置すると共に、図面に向かって右側に駆
動車輪22を有する移動棚23bを固定棚24側(図9
において右側)に3台配置した例であり、その他の構成
は上記図8に示す実施の形態と同様である。このような
状態で地震等が発生すると、移動棚23aはその駆動車
輪22の抵抗が従動車輪24の抵抗よりも大きいことか
ら、図9において右側に移動する。一方、移動棚23b
は、その駆動車輪22の抵抗が従動車輪24の抵抗より
も大きいことから、図9において左側に移動する。従っ
て、移動棚23a、23bの全てが図面中央部に集合す
るようになっている。
【0054】このように図9に示す実施の形態において
も、上記図1、図2に示した実施の形態と同様の効果を
奏することができるし、また移動棚23a、23bが全
て中央部に集合することから、固定棚24と移動棚との
間などに通路が形成されることになって、地震等が発生
したときの避難通路を確保することができ安全性の向上
を図ることができる。なお、上記図9に示した例は、移
動棚23aの数と移動棚23bの数とを互いに3台ずつ
同数配置した例であったが、移動棚の台数は同数でなく
ともよく、配置数については任意である。例えば、移動
棚23aを2台と移動棚23bを4台配置してもよく、
かかる場合であっても、上記図9に示す実施の形態と同
様の効果を得ることができる。
【0055】図10に示した実施の形態は、図面に向か
って左側に駆動車輪23を有する移動棚23aのみを複
数台配置した例であり、その他の構成については上記図
8に示した実施の形態と同様である。このような状態で
地震等が発生すると、駆動車輪23側の抵抗が従動車輪
24側の抵抗よりも大きいことから、移動棚23aは全
て固定棚20側、即ち図10において右側へ移動して集
合する。従って、固定棚20と反対側には広い通路が形
成される。
【0056】上記図10に示した実施の形態によって
も、上記図1、図2に示した実施の形態と同様な効果を
奏することができるし、また移動棚23aが固定棚20
側に傾いても固定棚20によって支えられるようにな
り、移動棚23a内の収納物が飛び出したり、移動棚2
3aが転倒することを防止できる。さらに、全ての移動
棚23aが固定棚20側へ集束すると、固定棚20とは
反対側(図10において左側)に広い通路が形成される
ことから、かかる通路により地震等が発生したときの避
難通路を確保することができ、この点でも安全性の向上
を図ることができる。
【0057】なお、上記図10に示す実施の形態では、
図10において左側(固定棚20側)に駆動輪22を有
する移動棚23aを用いて、移動棚23aが固定棚20
側に集束するように配置したが、これとは反対に、上記
図9の例の移動棚23bのように図面に向かって右側に
駆動輪を有する移動棚を用いて、移動棚がエンドストッ
パー側に集束するように移動棚を配置してもよい。かか
る場合には左端の移動棚がエンドストッパーに当接する
ため固定棚側に集束する場合に比べて転倒しやすくなる
が、固定棚との間に避難用の通路等を確保することがで
き、安全性の向上を図ることができる。
【0058】上記図8ないし図10に示す実施の形態で
は、地震等が発生したことを感震装置に感知し、クラッ
チを解放させるようにしたが、クラッチとしては滑りク
ラッチを用いてもよい。かかる滑りクラッチとしては流
体継ぎ手や粉体継ぎ手、また摩擦板の摩擦により動力を
伝達する摩擦式のクラッチなどを用いることができる。
かかる場合であれば、移動棚を移動するときのみ電動モ
ータ側と車輪の駆動軸側との回転差によりつながり、そ
れ以外のときはつながっていない状態となることから、
移動棚の停止時などに地震等による急激な揺れで駆動車
輪が回転しても、この急激な駆動車輪の回転が直接移動
棚へ伝達されることを防止できる。もっとも、滑りクラ
ッチは完全に解放するものではないため、駆動車輪側か
らみるとある程度の抵抗を有する。したがって、この抵
抗により駆動車輪の回転が規制されることにより上記図
8ないし図10に示す実施の形態と同様の効果を奏する
ことができる。
【0059】なお、上記図1ないし図10に示す実施の
形態において、電動モータ内又は駆動軸側にブレーキを
取り付けて移動棚をロックできるようにしてもよい。こ
れにより、入出庫作業中移動棚が勝手に移動しないよう
ブレーキにより移動棚をロックすることができ、作業時
の安全性の向上を図ることができる。また、このブレー
キを上記感震装置からの信号により、クラッチと連動さ
せて解放してもよいし、またクラッチの動作に連動させ
てもよい。
【0060】次に、本発明にかかる速度制御回路と、こ
の速度制御回路による移動棚の速度制御の実施の形態に
ついて説明する。速度制御回路としては、インバータや
チョッパーを用いることができる。インバータは、電動
モータの回転速度は周波数に比例することから、この周
波数を変えることにより速度制御を行なうものである。
このようなインバータとしては電圧型のインバータや電
流型のインバータなど周知のものを用いることができ
る。このように速度制御回路としてインバータを用いた
場合には、電動モータを効率よく回転させることができ
ると共に、精度の高い速度制御を行なうことができる。
また、チョッパーは1サイクル内でオン・オフさせ、こ
のオン・オフのタイミングを変化させることによりモー
タの速度を制御するものであり、昇圧チョッパー、降圧
チョッパーなど周知のものを用いることができる。ま
た、その他、位相制御回路や周波数制御回路などの周知
の速度制御回路を用いて電動モータの速度制御を行なっ
てもよい。
【0061】図11、図12に示したグラフは、上記イ
ンバータやチョッパーなどを用いて移動棚の速度度制御
を行なった例を示したものであり、各グラフの縦軸は移
動棚の移動速度(v)を、横軸は時間(t)を示してい
る。各移動棚の速度制御については、図11のS1ない
しS3に示すように、移動棚をスロースタートさせてか
ら、一定の速度で移動させた後に、停止位置に近づいた
ときにスローダウンさせて停止させるようにできる。ま
た、移動棚を駆動させるときの速度も、上記S1に示し
たように高速で移動させるだけでなく、図11にS2で
示したように中速で移動させることもできるし、またS
3に示したように低速で移動させることもできる。さら
に、図12にS4で示したように急激に加速させてスタ
ートさせることもできるし、またS5に示すように低速
からスロースタートさせて徐々に加速させることもでき
る。
【0062】このように、電動モータの速度を制御する
ためにインバータやチョッパーなどを用いることによ
り、移動棚をスロースタートさせたり、スローダウンさ
せて停止できるため、移動棚に収納された収納物を破損
させることもなく、安全に移動させることができるし、
また移動棚内に収納物がないときなどには、移動棚を高
速で移動させることにより効率よく入出庫作業等を行な
うことがてきる。なお、移動棚の移動速度については、
上記実施の形態に限定されるものではなく、移動棚が用
いられる用途に応じて適宜の駆動を行なえばよい。
【0063】なお、上記実施の形態はいずれも、移動棚
の間口面に対して直交する方向に移動棚が移動する横型
移動式移動棚であったが、本願発明はかかる場合に限ら
れるものではなく、間口面に対して平行に移動する縦型
移動式移動棚にも適用できる。また、上記実施の形態は
本発明を移動棚に適用した例であったが、本発明はかか
る実施の形態に限定されるものではなく、フラットボー
トなどにも適用できる。
【0064】ここまで説明してきた各実施の形態は、何
れも移動棚の移動方向の揺れに対して免震効果を有する
ものであったが、これと併せて、移動棚の移動方向に対
し直交する方向の揺れに対しても免震効果をもたせると
なおよい。図13〜図19に示す例がそれである。以
下、その各例について具体的に説明する。
【0065】図13において、移動棚の基部を構成する
移動台車4の底部には軸受73、73が固定され、軸受
73、73の回転輪74、74には軸71が挿入されて
圧入等によって一体化され、軸71が回転自在に支持さ
れている。軸71には上記二つの軸受73、73間にお
いてボールスプライン75が嵌められ、ボールスプライ
ン75の外周側には車輪72が圧入等によって一体に嵌
められている。ボールスプライン75は、周知のように
内周側と外周側とを結ぶ多数のボールの循環路76を有
していて、循環路76の内周側に位置するボールは、軸
71に形成された溝78に嵌まっている。従って、ボー
ルスプライン75に軸線方向の力が加わると、ボールス
プライン75は上記循環路76内をボールが循環しなが
ら軸71に沿って車輪72とともに移動することがで
き、また、軸71が回転駆動されると、回転駆動力がボ
ールスプライン75を介して車輪72に伝達されるよう
になっている。一方の軸受73の回転輪74とボールス
プライン75との間、および他方の軸受73の回転輪7
4とボールスプライン75との間にはそれぞれ弾性体と
してのコイルばね79、79が介装され、これらコイル
ばね79、79の弾力によってボールスプライン75と
車輪72が所定の中立位置に位置するようになってい
る。車輪72は両側にフランジを有していて、両フラン
ジ間の周溝の底部が、床1上に敷設された軌条2の上に
載っている。
【0066】上記軸71は、電動モータによって回転駆
動される駆動軸であってもよいし、電動モータには連結
されていない従動軸であってもよい。軸71が駆動軸の
場合、前述の実施の形態のように、駆動系内に、移動棚
を駆動するときのみつながって電動モータからの駆動力
を車輪72に伝達し、それ以外のときは解放して車輪7
2の回転を電動モータ側に伝達しないようにしたクラッ
チ手段を有し、また、上記電動モータを制御して移動棚
の移動速度を制御する速度制御回路を有している。さら
に、地震等による揺れを感知する感震装置を有し、上記
クラッチ手段は、常時つながれており、上記感震装置が
地震等による揺れを感知したときのみ解放するようにし
てもよい。軸71に対する車輪72の軸方向への移動ス
トロークは、例えば±100mm程度にするとよい。
【0067】図13に示す例によれば、これまでの実施
の形態と同様に、移動棚の移動方向の揺れに対して免震
効果があるのはもちろん、移動棚の移動方向に対し直交
する方向の揺れに対しても免震効果がある。すなわち、
地震等によって床1とともに軌条2が移動棚の移動方向
に対し直交する方向(図13において左右方向)に揺れ
ると、車輪72のフランジ部に軌条2から図13におい
て左右方向の力が加わり、車輪72はボールスプライン
75とともに軸71に沿って移動する。これによって、
地震等による移動棚の移動方向に対し直交する方向の振
動エネルギーが吸収されて移動棚本体に伝達されるのが
防止され、移動棚自体および移動棚に収納されている物
品を地震から保護することができる。車輪72は通常は
ばね79、79によって移動棚本体に対して中立位置に
保持されるため、床1に対する移動棚の相対位置も所定
の中立位置が保たれる。
【0068】図13に示す例では、軸71と車輪72と
の間にボールスプライン75が介装され、軸71と車輪
72とが軸方向に相対移動可能に連結されていて、軸7
1と車輪72とが小さな抵抗で軸方向に円滑に相対移動
できるようになっていたが、上記ボールスプライン75
に代えて、図14に示すような角形スプラインを用いて
もよい。この角形スプラインは、車輪72の内周側に設
けた凹条72aと軸71の外周側に設けた凸条71aと
を嵌め合わせることにより、車輪72と軸71とを回転
方向には一体に、軸方向には相対移動可能に連結してい
る。上記軸71は、スプライン構造の部分の径はある程
度大きい径を必要とするので、スプライン構造の部分の
径を大きく、軸受で支持される部分の径を小さくした段
付形状にしてもよい。
【0069】なお、図14のように軸71と車輪72と
を直接スプライン構造で連結すると、軸71に必要な機
械的強度をもたせるためには軸71の径を大きくする必
要があり、コスト高になるので、軸71の外周に筒状の
スプライン部材を嵌め、このスプライン部材の外周に車
輪72を嵌めるとともに、このスプライン部材と車輪と
をスプライン構造で連結するとよい。上記スプライン部
材は車輪72がある程度の範囲で軸方向に相対移動でき
るように軸方向にある程度の長さをもたせ、あるいは軸
71の長さ方向のほぼ全範囲にわたる長さをもたせる。
こうすることにより、軸71がスプライン部材によって
補強され、軸71の径は小さくてもよいため、コストを
安くすることができる。
【0070】車輪72と軸71とを回転方向には一体
に、軸方向には相対移動可能に連結する手段としては、
その他周知の適宜の手段を用いて差し支えない。また、
車輪72を中立位置に保つ弾性体としては、前記コイル
ばね78、78に代えて、板ばね、スポンジ、ゴム、プ
ラスチックその他適宜のものを用いて差し支えない。
【0071】図13に示す例では、車輪72は両フラン
ジ型で軌条2は上面がフラットな形になっていたが、こ
れに限らず適宜の形状の車輪と軌条を用いることができ
る。図15はその各種変形例を示す。図15(a)に示
す例は、片側にフランジを有する車輪72Aと上面がフ
ラットな軌条2Aとを用いた例である。車輪72Aは軌
条2Aに対し移動棚の大きな荷重をもって接しているた
め、地震等によって軌条2Aが揺れると、車輪72Aも
軌条2A上に接したまま軸71に対して相対移動し、車
輪72Aが軌条2Aから脱線することはあまりない。
【0072】図15(b)に示す例は、軸方向(幅方
向)中央部にフランジを有する車輪72Bと、上記フラ
ンジを受け入れる凹溝を上面側幅方向中央部に有する軌
条2Bとを用いた例である。図15(c)に示す例は、
軸方向(幅方向)中央部に周溝を有する車輪72Cと、
上記周溝に嵌まる凸条を上面側幅方向中央部に有する軌
条2Cとを用いた例である。図15(d)に示す例は、
フランジも周溝もない周面がフラットな車輪72Dと上
面がフラットな軌条2Dとを用いた例である。
【0073】前記図13に示す実施の形態では、車輪を
軸に対し軸方向に相対移動可能に連結した上で、車輪を
中立位置に保つための手段としてコイルばね等を含む弾
性体を用いていたが、車輪を中立位置に保つための手段
としては、弾性体に代わる適宜の手段を用いることがで
きる。例えば、図16に示す例は、一方の軸受73の回
転輪74とボールスプライン75との間、および他方の
軸受73の回転輪74とボールスプライン75との間に
それぞれパイプ状の壊れ部材80、80が介装され、こ
れら壊れ部材80、80がスペーサとして機能すること
によってボールスプライン75と車輪72が所定の中立
位置に位置するようになっている。壊れ部材80、80
は機械的強度の弱い材質あるいは脆い材質でできてお
り、地震等の揺れにより車輪72が軸71に沿って移動
しようとして壊れ部材80、80に一定以上の荷重がか
かると、壊れ部材80、80が破壊され、車輪72が軸
71に沿って移動しうる状態になり、もって、移動棚の
移動方向に直交する方向の免震機能が発揮される。壊れ
部材80、80が破壊された後は、壊れ部材80、80
を新たに装着することによって修復することができる。
【0074】上記壊れ部材80、80の材質としては、
セラミック、ガラス、プラスチック、チップボード、
紙、その他適宜のものを使用して差し支えない。
【0075】既に説明したある実施の形態のように、感
震装置を有するものにおいては、上記壊れ部材80、8
0を、感震装置が地震等による揺れを感知したときの感
知信号によって強制的に破壊するようにしてもよい。強
制的な破壊の方式としては、爆破、打撃その他適宜の方
式を用いることができる。
【0076】また、感震装置を有するものにおいては、
車輪を中立位置に保つための手段を、感震装置が地震等
による揺れを感知したときの感知信号によって、中立保
持位置から排除するようにしてもよい。例えば、図13
の例におけるコイルばね79、79に代えて一方の軸受
73の回転輪74とボールスプライン75との間、およ
び他方の軸受73の回転輪74とボールスプライン75
との間にそれぞれロッド状又はレバー状の介在部材を配
置し、感震装置の感知信号によって上記介在部材を中立
保持位置から排除する。介在部材を中立保持位置から排
除するためのアクチュエータとしては、モータ、ソレノ
イド、エアシリンダ、オイルシリンダ、その他適宜のア
クチュエータを用いることができる。
【0077】図17に示すように、物品の出し入れ面
(間口面)と平行な方向に移動可能な複数の移動棚83
を並べてなる移動棚装置もある。これらの各移動棚83
はその底部に回転自在に設けられた車輪84を床上に敷
設された軌条82に載せることにより、軌条82に沿っ
て移動することができる。かかる移動棚83はもともと
その移動方向に免震機能があることは既に述べたとおり
である。そこで、併せて、車輪84とこれを回転自在に
支持する軸との間に、車輪84と軸とを軸方向に相対移
動可能に連結する前述のようなスプラインを介装し、さ
らに、車輪84を軸方向中立位置に保つ弾性体又は壊れ
部材を設ける。こうすることによって、移動棚84の移
動方向にも、移動棚84の移動方向に直交する方向にも
免震機能を持たせることができる。
【0078】車輪を軸に対し軸方向に相対移動可能に連
結した上で、車輪を中立位置に保つために壊れ部材を用
いる場合、この壊れ部材の形態としては、図18に示す
例のようにピン型の壊れ部材85を用いてもよい。図1
8において、軸71と車輪72との間には、図13に示
す例と同様にボールスプライン75が介装され、車輪7
2はボールスプライン75とともに軸71に沿って移動
可能となっているが、ボールスプライン75の一部から
半径方向にピン型の壊れ部材85が半径方向に打ち込ま
れ、壊れ部材85は軸71にまで至っている。従って、
通常は軸71とボールスプライン75と上記壊れ部材8
5は一体に回転し、また、軸方向に相対移動することも
できず、車輪72は所定の中立位置を保っている。上記
壊れ部材85は機械的強度の弱い材質あるいは脆い材質
でできており、地震等の揺れにより車輪72が軸71に
沿って移動しようとして壊れ部材85に一定以上の剪断
力がかかると、壊れ部材85が剪断され、車輪72が軸
71に沿って移動しうる状態になり、もって、移動棚の
移動方向に直交する方向の免震機能が発揮される。壊れ
部材85が破壊された後は、壊れ部材85を新たに装着
することによって修復することができる。
【0079】車輪72を支持する軸71は、電動モータ
の出力軸が直結されあるいは適宜の減速機構を介して電
動モータの出力軸に連結された駆動軸であってもよい
し、電動モータの駆動力が伝達されない従動軸であって
もよい。軸71が従動軸である場合の軸71の移動棚本
体への取り付け構造および軸71への車輪72の取り付
け構造の一例を図19に示す。図19において、移動棚
の台枠の構造体89、89を貫いて軸71が配置されて
いる。軸71の一端部にはフランジ71bが一体に形成
されるとともにフランジ71bよりも外側に雄ねじ部7
1aが形成されている。上記雄ねじ部71aには座金9
0が挿入されるとともにナット91がねじ込まれ、上記
フランジ部71bと座金90とで上記構造体89が挟み
込まれることにより軸71が構造体89に固定されてい
る。軸71の他端部は図示されていないが、上記一端部
と同様の構造により軸71を構造体89に固定してもよ
い。軸71には二つの上記構造体89、89間において
ボールスプライン75が嵌められ、ボールスプライン7
5の外周側にはボールベアリング等からなる一対の軸受
86、86を介して車輪72が回転自在に嵌められてい
る。軸71にはまた、上記構造体89とボールスプライ
ン75との間にパイプ状の壊れ部材80、80が介装さ
れている。
【0080】図19に示す例によれば、通常は壊れ部材
80、80によって車輪72が所定の中立位置に保たれ
る。地震等による揺れが発生すると、移動棚の移動方向
の揺れエネルギーは車輪72が回転することによりが吸
収され、移動棚の移動方向に対し直交する方向の揺れエ
ネルギーは、壊れ部材80、80が軸方向の荷重によっ
て破壊され、あるいは感震装置の感知信号で爆破されて
ボールスプライン75とともに車輪72が軸71に沿っ
て移動可能となることにより吸収され、移動棚自体又は
移動棚に収納されている物品が地震等による振動から保
護される。
【0081】図19に示す例における軸71は構造体8
9に対して回転不能に取り付けるために、構造体89へ
の取り付け部分の外周の一部を切削した形、例えば断面
D字状に形成し、構造体89には軸71の上記断面形状
に合わせた形、例えばD字形の孔にはめてもよい。ま
た、軸71のフランジ71bは、構造体89から軸71
が抜けるのを防止する機能を果たすものであるから、フ
ランジ71bに代えて適宜のピン、例えば割ピンなどを
用い、これを軸71の直径方向に挿入し貫通させてもよ
い。
【0082】次に、移動棚の移動方向に対し直交する方
向の免震機構の各種変形例について列挙する。車輪を支
持する軸は、同一中心軸線上に並ぶ複数の車輪を全て支
持する通し軸であってもよいし、一部の単数又は複数の
車輪を支持する軸であってもよい。車輪を支持する軸は
必ずしも車輪の両側を軸受で支持する必要はなく、片持
ち的に軸受で支持してもよい。この場合も車輪は軸に対
して軸方向に相対移動可能に取り付けられるとともに、
車輪を中立位置に保持する手段が介装される。移動棚の
移動方向に対し直交する方向の免震機構、すなわち、車
輪を軸方向に移動可能に支持する機構は、免震効果を高
めるために全ての車輪に設けるのが望ましいが、主要な
車輪のみに設け、外周面がフラットで軌条面に対し横滑
りが可能な車輪には必ずしも設ける必要はない。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、電動モータの速度を制
御する速度制御回路を設け、この速度制御回路により電
動モータを制御して、移動棚の移動速度を制御するよう
にしたことから、減速機構の減速比を小さくしたり、又
は減速機構を省略することができる。したがって、駆動
車輪側からみて減速機構等を含む駆動系の抵抗を小さく
することができ、地震等の揺れに対する駆動車輪の回転
が駆動系の抵抗によって妨げられることはないため、こ
の駆動車輪等の回転により地震等の揺れエネルギーを棚
内の収納物に影響がない程度まで小さくできる。
【0084】請求項1記載の発明によれば、移動棚の停
止時にはクラッチが解放されているため、駆動車輪は自
由に回転することができ、この自由回転により移動棚を
床面の揺れに対して相対的に移動させることができる。
また、移動棚の走行時に地震等が発生しても、電動モー
タを速度制御回路により速度制御するようにしたことか
ら、減速機構の減速比を小さくして、電動モータへの非
通電時に駆動車輪が回転しうるように上記減速機構を構
成した。この駆動車輪の回転により地震等の揺れエネル
ギーを棚内の収納物に影響がない程度まで小さくでき
る。
【0085】請求項2記載の発明によれば、感震手段地
震等による揺れを検知する感震装置を有し、クラッチ手
段は、移動棚の走行中に、上記感震装置が地震等による
揺れを感知したときに解放するようにしたことから、移
動棚の走行中に地震等による床面の揺れを感知すると感
震装置からの信号によりクラッチ手段が解放し、移動棚
の駆動車輪は、電動モータや減速機構を含む駆動系の抵
抗により回転が妨げられることはなく、この車輪の自由
回転により地震等の揺れのエネルギーを吸収できる。ま
た、感震手段によってクラッチ手段が解放されるまでわ
ずかな時間遅れがあっても、減速機構の減速比を小さく
設定できるため、駆動車輪が回転する際の抵抗は少な
く、駆動手輪の回転により地震等の揺れエネルギーを棚
内の収納物に影響がない程度まで小さくできる。
【0086】請求項3記載の発明によれば、車輪の駆動
系内にクラッチ手段および減速機構を設けると共に、電
動モータの速度を制御する速度制御回路と、地震等によ
る揺れを検知する感震装置とを設け、上記クラッチ手段
は、常時つながれており、感震装置が地震等による揺れ
を感知したときのみ解放するようにしたことから、地震
等による床面の揺れを感知すると感震装置からの信号に
よりクラッチ手段が解放し、移動棚の駆動車輪は、電動
モータや減速機構を含む駆動系の抵抗により回転が妨げ
られることはない。この車輪の自由回転により地震等の
揺れのエネルギーを吸収できる。また、感震手段によっ
てクラッチ手段が解放されるまでわずかな時間遅れがあ
っても、減速機構の減速比を小さくして、電動モータへ
の非通電時に駆動車輪が回転しうるように上記減速機構
を構成したため、駆動車輪が回転する際の抵抗は少な
く、駆動車輪の回転により地震等の揺れエネルギーを棚
内の収納物に影響がない程度まで小さくできる。
【0087】請求項4、5記載の発明によれば、速度制
御手段としてチョッパー又はインバータを用いたことか
ら、減速機構の減速比を大きくしなくとも、移動棚をス
ロースタートさせたり、又はスローダウンさせて停止さ
せることができるし、また高速移動させることもでき
る。
【0088】 請求項6記載の発明によれば、軸方向の
一定以上の荷重がかかることによって破壊する壊れ部材
を設けたため、通常は壊れ部材によって車輪を所定の中
立位置に保持することができ、地震等によって大きな振
動が発生した場合は、壊れ部材が破壊して移動棚の移動
方向に直交する方向への免震効果を得ることができる。
【0089】
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる移動棚装置の実施の形態を示し
た底面図。
【図2】同上実施の形態にかかる移動棚装置の側面図。
【図3】本発明にかかる移動棚装置にスイングアームを
取り付けた例を示す側面図。
【図4】本発明にかかる移動棚装置のクラッチの駆動回
路の例を示した回路図。
【図5】本発明にかかる移動棚装置に感震装置を取り付
けた例を示す側面図。
【図6】本発明にかかる移動棚のクラッチと減速機構の
配置の例を示した模式図。
【図7】本発明にかかる移動棚のクラッチと減速機構の
配置の別の例を示した模式図。
【図8】本発明にかかる移動棚装置の配置の例を示した
側面図。
【図9】本発明にかかる移動棚装置の配置の別の例を示
した側面図。
【図10】本発明にかかる移動棚装置の配置のさらに別
の例を示した側面図。
【図11】本発明にかかる移動棚装置の速度制御の例を
示したグラフ。
【図12】本発明にかかる移動棚装置の速度制御の別の
例を示したグラフ。
【図13】本発明にかかる移動棚装置のさらに別の実施
の形態の要部を示す正面図。
【図14】本発明に適用可能なスプライン構造の別の例
を示す断面図。
【図15】本発明に適用可能な車輪と軌条との各種変形
例を示す正面図。
【図16】本発明にかかる移動棚装置のさらに別の実施
の形態の要部を示す正面図。
【図17】本発明にかかる移動棚装置のさらに別の実施
の形態を示す平面図。
【図18】本発明にかかる移動棚装置のさらに別の実施
の形態の要部を示す正面図。
【図19】本発明にかかる移動棚装置のさらに別の実施
の形態の要部を示す正面図。
【符号の説明】
3 移動棚 10 電動モータ 12 駆動車輪 15 クラッチ 23 移動棚 30 感震装置 33 移動棚 40 感震装置 43 移動棚 61 クラッチ 63 電動モータ 71 軸 72 車輪 75 ボールスプライン 79 弾性体としてのコイルばね 80 壊れ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 豊 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号 金 剛株式会社内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚の底部に軸装された車輪を電動モータ
    によって駆動し、棚を移動させるようにした電動式移動
    棚装置において、 車輪の駆動系内にクラッチ手段および減速機構を有する
    と共に、上記電動モータの速度を制御する速度制御回路
    を有し、 上記クラッチ手段は、移動棚を駆動するときのみつなが
    って電動モータからの駆動力を車輪に伝達し、それ以外
    のときは解放して車輪の回転を電動モータ側に伝達しな
    いものであり、 上記速度制御回路は、電動モータを制御して移動棚の移
    動速度を制御するものであり、 上記減速機構は、上記電動モータへの非通電時に駆動車
    輪が回転しうるように構成されている ことを特徴とする
    電動式移動棚装置。
  2. 【請求項2】 地震等による揺れを検知する感震装置を
    有し、クラッチ手段は、移動棚の走行中に、上記感震装
    置が地震等による揺れを感知したときに解放する請求項
    1記載の電動式移動棚装置。
  3. 【請求項3】 棚の底部に軸装された車輪を電動モータ
    によって駆動し、棚を移動させるようにした電動式移動
    棚装置において、 車輪の駆動系内にクラッチ手段および減速機構を有する
    と共に、上記電動モータの速度を制御する速度制御回路
    と、地震等による床面の揺れを検知する感震装置とを有
    し、 上記クラッチ手段は、上記感震装置が地震等による床面
    の揺れを感知したとき解放するものであり、 上記減速機構は、上記電動モータへの非通電時に駆動車
    輪が回転しうるように構成されている ことを特徴とする
    電動式移動棚装置。
  4. 【請求項4】 棚の底部に軸装された車輪を電動モータ
    によって駆動し、棚を移動させるようにした電動式移動
    棚装置において、 車輪の駆動系内にクラッチ手段および減速機構を有する
    と共に、上記電動モータの速度を制御する速度制御回路
    を有し、 上記クラッチ手段は、移動棚を駆動するときつながって
    電動モータからの駆動力を車輪に伝達するものであり、 上記速度制御回路は、インバータ又はチョッパーを有
    し、 上記減速機構は、上記電動モータへの非通電時に駆動車
    輪が回転しうるように構成されている ことを特徴とする
    電動式移動棚装置。
  5. 【請求項5】 棚の底部に軸装された車輪を電動モータ
    によって駆動し、棚を移動させるようにした電動式移動
    棚装置において、 車輪の駆動系内にクラッチ手段および減速機構を有する
    と共に、上記電動モータの速度を制御する速度制御回路
    と、地震等による揺れを検知する感震装置とを有し、 上記クラッチ手段は、上記感震装置が地震等による揺れ
    を感知したとき解放するものであり、 上記速度制御回路は、インバータ又はチョッパーを有
    し、 上記減速機構は、上記電動モータへの非通電時に駆動車
    輪が回転しうるように構成されている ことを特徴とする
    電動式移動棚装置。
  6. 【請求項6】 車輪とこの車輪を支持する軸は、軸方向
    に相対移動可能に連結され、車輪を軸方向中立位置に保
    つとともに軸方向の一定以上の荷重によって破壊する壊
    れ部材を有してなる請求項1、3、4又は5記載の電動
    式移動棚装置。
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