JP2008256170A - 免震構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば構造物の内部、または外部に設置され、物品等の収納のために利用されるラック等の構造体に免震の機能を付与する。
【解決手段】複数本の柱部材2に支持される上部水平部材3と、上部水平部材3に水平に支持され、上部水平部材3に固定される固定部4aと固定部4aに相対水平移動自在に支持される可動部4bを有する上部スライド部材4と、上部スライド部材4に水平に、且つ上部スライド部材4に交差する方向に支持され、上部スライド部材4の可動部4bに固定される固定部5aと固定部5aに相対水平移動自在に支持される可動部5bを有する下部スライド部材5と、下部スライド部材5の可動部5bから懸垂する吊り材6と、吊り材6を互いに連結する下部つなぎ材7から免震構造体1を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は例えば構造物の内部、または外部に設置され、物品や生物等の収納のために利用されるラック等の構造体に免震の機能を付与した免震構造体に関するものである。
物品等の収納のために利用されるラックは基本的に柱としての縦枠と、隣接する縦枠間に架設される横枠から箱形に組み立てられる。ラック自体が構造物である場合には、ラックを耐震構造化することにより地震力に対しても物品等を健全な状態に保つことが可能である(特許文献1参照)。
しかしながら、ラックが構造物の内部に設置される場合には、ラックを耐震構造化しても、構造物に入力する地震力によってラックに揺れが生ずることは避けられないため、構造物の揺れがラック内の物体に入力しないようにするには、ラック内で地震力を遮断することが必要になる。
構造物の振動に伴い、ラックに生じた振動がラック内の物体に伝達しないようにする方法はラック内の底板の下にローラ支承等の振動絶縁装置を設置する方法(特許文献2参照)と、ラック内の棚を吊り支持する方法(特許文献3参照)に大別される。但し、振動絶縁装置を設置する方法では、その設置のための空間を底板の下に確保する必要から、ラックの容積を犠牲にする不利益があるため、ラックの容積を活用する上では吊り支持の方が有利である。
特開2003−165602号公報(請求項1、段落0011〜0019、図1、図2) 特開2000−320610号公報(請求項1、段落0046〜0052、図1〜図6) 特開平10−327947号公報(請求項1、段落0021〜0026、図1、図2)
棚を吊り支持する特許文献3ではラック本体を車輪によって構造物から絶縁させると共に、ラック本体に支持される棚も車輪によってラック本体から絶縁させることにより構造物に入力する地震動に対してラック本体を自由に相対移動(振動)させ、棚が構造物に対して振動しないようにしている。
構造物に対し、車輪の転動可能な方向にラックが相対移動したときには、棚は構造物に対しては相対移動しないため、棚は絶対変位を生じない状態に置かれる。このとき、車輪の方向にはラックが構造物に対して相対移動できるだけの空間をラックの周りに必要とするため、その空間が確保される状況下での使用が条件になる。
一方、車輪に直交する方向の相対移動が生じたときには、棚がラックに対して振動することになるが、ラックにはそれを転倒させようとするモーメントが作用し、一方側が構造物の床面から浮き上がろうとするため、ラックに敷設された軌条に沿って棚が相対移動できないことが想定される。
本発明は上記背景より、ラックの容積を有効に活用しながら、ラックが構造物内部に配置された場合にも、水平2方向の構造物の振動に対して等しく振動を遮断し得る免震構造体を提案するものである。
請求項1に記載の免震構造体は、複数本の柱部材に支持される上部水平部材と、
この上部水平部材に水平に支持され、前記上部水平部材に固定される固定部とこの固定部に相対水平移動自在に支持される可動部を有する上部スライド部材と、
この上部スライド部材に水平に、且つ前記上部スライド部材に交差する方向に支持され、前記上部スライド部材の前記可動部に固定される固定部とこの固定部に相対水平移動自在に支持される可動部を有する下部スライド部材と、
この下部スライド部材の前記可動部から懸垂する吊り材と、この吊り材を互いに連結する下部つなぎ材とを備えることを構成要件とする。
柱部材は構造物の床、基礎等から直接、立設される場合と、構造物内の床上に配置される下部水平部材から立設される場合がある(請求項4)。上部水平部材は複数本の枠材からフレーム状に組み立てられる場合と、版状に形成される場合がある。免震構造体は前記のように規模に応じ、ラックとして構造物の内部、もしくは外部に設置される他、構造物を構成することもある。
上部スライド部材の固定部が上部水平部材に水平に固定されることで、上部スライド部材の可動部は上部水平部材に対して水平の1方向に相対移動自在となる。また下部スライド部材の固定部が上部スライド部材の可動部に水平に、且つ前記上部スライド部材に交差する方向に固定されることで、下部スライド部材の可動部は上部スライド部材の可動部に対して前記水平の1方向に交差する方向に相対移動自在となる。上部スライド部材の固定部は上部水平部材に直接、または間接的に固定され、下部スライド部材の固定部は上部スライド部材の可動部に直接、または間接的に固定される。
結果的に下部スライド部材の可動部は上部水平部材に対して水平の2方向に相対移動自在となり、構造体に入力する水平力によって構造体に対し、任意の水平方向に相対移動する。上部スライド部材と下部スライド部材が平面上、互いに直交して配置されれば、下部スライド部材の可動部は上部スライド部材の可動部に直交する方向に相対移動自在となる。
上部スライド部材と下部スライド部材は固定部と可動部を有するが、可動部は固定部との間に介在するローラや球等の回転体がその軸の回りに回転することによって固定部に対して相対移動する。回転体の半径をrとすれば、回転体は1回転することにより固定部に対して2πr進む。可動部は回転体に対して2πr進むから、結局、可動部は回転体が1回転することにより固定部に対して4πr進むことになる。
吊り材は下部スライド部材の可動部から懸垂することで、上部水平部材に対して任意の水平方向に相対移動する下部スライド部材の可動部と共に相対移動する。吊り材は下部スライド部材の可動部に相対的な回転変形を拘束された状態で連結される(剛接合される)場合(請求項2)と、相対的な回転変形が可能な状態で連結される(ピン接合される)場合(請求項3)がある。剛接合される場合、吊り材は可動部と共に水平方向に振動し、ピン接合される場合には、可動部に対し、任意の水平軸の回りに回転可能であり、振り子式に振動する。
吊り材が可動部に剛接合される場合には、吊り材を含む枠体が免震構造化し、ピン接合される場合には、吊り材上に組み立てられる枠体が免震構造化する。後者の場合、吊り材の下端部から枠体が組み立てられる。構造体内への物品等の収納物は枠体の内部に収納され、枠体に支持される。
吊り材が可動部に剛接合される場合、枠体は下部スライド部材の可動部と吊り材、及び吊り材の下端部をつなぐ下部つなぎ材から構成される。吊り材が可動部にピン接合される場合には、吊り材の下端部をつなぐ下部つなぎ材とその上に立設される縦材、及び縦材の上端部をつなぐ上部つなぎ材から枠体が構成される。
いずれの場合も、構造体に入力する水平力により下部スライド部材の可動部が水平面内で上部水平部材に対して相対移動し、それに伴って吊り材に支持される枠体が構造体に対して相対移動しようとするため、枠体自体が水平力によって転倒する事態は回避される。また柱部材間に、想定される枠体の、構造体に対する最大相対変位を許容する間隔が確保されている限り、枠体の構造体に対する相対移動が阻害される要因は発生しない。
枠体は振動を生じた後、水平力の終息と共に次第に停止に至るが、枠体と構造体との間にばねを架設することにより早期に振動を停止させることが可能である。請求項4に記載のように複数本の柱部材が立設される下部水平部材と前記下部つなぎ材との間にばねが架設される場合には、ばねをダンパーとして、またストッパとして機能させることができるため、積極的に枠体の振動を停止させることが可能である。ばねにはコイルスプリング等、軸方向に復元力を発揮し得るばねが使用される。
ばねは上部水平部材と上部スライド部材の可動部との間、または上部スライド部材の可動部と下部スライド部材の可動部との間に架設されることもあり、これらの場合にもばねをダンパーとして、またストッパとして機能させることが可能である。
枠体を構成する下部つなぎ材は下部スライド部材から懸垂する吊り材に支持されることから、吊り材が下部スライド部材の可動部に剛に接合されるか、ピン接合されるかに関係なく、構造体に対して振動するときには振動前の状態からほぼ平行に相対移動する。すなわち下部つなぎ材は下部水平部材に対して平行なまま、相対移動する。下部水平部材と下部つなぎ材との間に架設されるばねは振動のない平常時に軸を鉛直に向けた状態にあり、下部つなぎ材が下部水平部材に対して相対移動したときに伸長する。
構造体の振動時に、下部つなぎ材が振動前の状態から平行に相対移動することで、ばねの上端は下部つなぎ材を含む水平面内を移動することになる。このとき、立面上はばねの下端が下部水平部材に固定された状態のまま、上端が平面に沿った軌道上を移動するため、ばねは原位置に復帰し、原位置を通過するときに振動を減衰させる働きをする。
例えばばね(コイルスプリング)を軸方向に伸縮させる形で使用する場合、ばねは固有振動数を有することから、ばねの固有振動数が枠体の振動数と一致したときに、ばねが共振して枠体の振幅を増大させる可能性がある。これに対し、軸方向に伸長させながら、一端の回りに軸が回転できるようにばねを使用すれば、ばねの変形量と復元力の関係がサインカーブ的になり、固有振動数を持たない使用状態になるため、枠体との共振を回避し、枠体の振動を早期に終息させることが可能である。
ばねの復元力は原位置(平常時の状態)から遠ざかる程、サインカーブに従い、極端に大きくなる反面、原位置に復帰するときに0に近づく傾向がある。このため、ばねは下部つなぎ材が原位置から離れる程、下部つなぎ材を急速に原位置に復帰させようとし、原位置付近に近づく程、下部つなぎ材を減速させるダンパーの働きをする。この結果、下部つなぎ材は振動を繰り返すことなく、早期に原位置に収束しようとする。
ばねはまた、一端が下部水平部材に接続され、他端が下部つなぎ材に接続されることで、下部つなぎ材の移動量に応じた復元力を発揮するため、下部つなぎ材の変位の増大を制限するストッパの機能も発揮する。
相対移動自在な上部スライド部材及び下部スライド部材を水平の2方向に組み合わせ、下部スライド部材から枠体を支持する吊り材を懸垂させるため、構造体に入力する水平力により枠体を構造体に対し、水平の2方向に相対移動させることができる。この結果、収納物が収納される枠体が水平力によって転倒する事態を回避でき、枠体の構造体に対する相対移動を阻害する要因の発生を防止することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1−(a)〜(c)は複数本の柱部材2に支持される上部水平部材3と、上部水平部材3に水平に支持される上部スライド部材4と、上部スライド部材4に水平に、且つ上部スライド部材4に交差する方向に支持される下部スライド部材5と、下部スライド部材5から懸垂する吊り材6と、吊り材6を互いに連結する下部つなぎ材7とを備える免震構造体(以下、構造体)1の具体例を示す。(c)は構造体1の平面を、(a)は(c)のA−A線の断面を、(b)はB−B線の断面を示す。
図1−(a)の一部拡大図である図2、及びその概略図である図4、図5に示すように上部スライド部材4は上部水平部材3に直接、または間接的に固定される固定部4aと、固定部4aに相対水平移動自在に支持される可動部4bを有する。
下部スライド部材5は上部スライド部材4の可動部4bに直接、または間接的に固定される固定部5aと、固定部5aに相対水平移動自在に支持される可動部5bを有する。吊り材6は下部スライド部材5の可動部5bから直接、または間接的に懸垂し、可動部5bに対して任意の水平軸回りに回転自在に接続される場合と回転しない状態に接続される場合がある。
構造体1は柱部材2が立設される下部水平部材8と柱部材2、及び複数本の柱部材2をつなぐ上部水平部材3を基本の骨組(フレーム)とし、この骨組内に、物品や生物等の収納物が収納される枠体11が骨組に対して相対移動可能に配置される。
骨組の形状は問われず、図示するように四角柱等の多角柱形の他、円柱形等、任意の立体形状に形成される。上部水平部材3と下部水平部材8は柱部材2を支持することができれば、形態も問われず、図示するように2方向の水平材3a、8aからなる場合と、1枚の版(板)からなる場合がある。水平材3a、8aは骨組の剛性を上げるために、柱部材2の頂点が形成する多角形の対角線方向に架設されることもある。
上部スライド部材4の固定部4aと可動部4b、及び下部スライド部材5の固定部5aと可動部5bはそれぞれ互いに鉛直方向に係止しながら、水平方向に相対移動自在な形状をする。具体的には、一方が図2に示すように溝形断面形状等、他方を上下から挟み込む断面形状をし、他方がその形状に包囲される中実、もしくは中空の断面形状をする。
力学的には、固定部4a、5aは常に可動部4b、5bを支持した状態で、変形を生じない剛性を有する断面形状で形成され、可動部4b、5bは吊り材6が支持する物体の荷重を支持した状態で、変形を生じない剛性を有する断面形状で形成される。
図2、図4、図5では上部スライド部材4の可動部4bと下部スライド部材5の固定部5aを溝形の形状にし、固定部4aと可動部5bをそれぞれ可動部4bと固定部5aに包囲される中実断面形状に形成しているが、逆の形状に形成する場合もある。可動部4b、5bは固定部4a、5aに対して軸方向のいずれの向きにも相対移動するため、溝形の形状をする固定部4a、5a、または可動部4b、5bの端部は開放する。
上部スライド部材4の固定部4aは上部水平部材3に直接固定される他、図示するように上部水平部材3の下面に固定された上部ブラケット31に固定される。固定部4aはその軸方向に間隔を置いて配置されるねじやピン等によって上部ブラケット31等に固定される。
下部スライド部材5は平面上、上部スライド部材4に直交する方向等、交差する方向を向いた状態で、上部スライド部材4の下に配置される。下部スライド部材5の固定部5aは固定部4aと同様にねじ5dやピン等によって上部スライド部材4の可動部4bに直接、または間接的に固定される。図2、図4では並列する上部スライド部材4、4の可動部4b、4bの対向する面に固定された各下部ブラケット41に下部スライド部材5の固定部5aを固定している。
図5は図2に示す構造体1の上部水平部材3部分の詳細を斜視図として示す。図2では上部スライド部材4の可動部4bと下部スライド部材5の固定部5aを溝形の形状にしていることから、図5では溝形形状の可動部4bと固定部5aを箱形に組まれたフレーム状の下部ブラケット41に固定し、可動部4bと固定部5aを一体化させている。また上部スライド部材4の固定部4aに、上部水平部材3に固定される上部ブラケット31を固定し、下部スライド部材5の可動部5bに、吊り材6が懸垂する支持部材51を固定している。
下部ブラケット41は図2に示すように可動部4bと固定部5aが交わる隅角部において両者に跨るL形の形状をすればよいが、図5では可動部4bと固定部5aの安定性を高めるために、可動部4bと固定部5aの双方に内接する箱形に下部ブラケット41を形成している。
図5では特に、下部スライド部材5を上部スライド部材4の下に配置し、溝形形状の可動部4bと固定部5aを互いに重ねた状態で、双方に内接する箱形の下部ブラケット41に固定している。このように溝形形状の可動部4bと固定部5aを互いに重ねて組み合わせることで、上部スライド部材4と下部スライド部材5に同一形態で、同一寸法の部品を単純に反転させて使用できる利点がある。
図2、図5の場合、構造体1に振動が生じたとき、下部ブラケット41に一体化した上部スライド部材4の可動部4bと下部スライド部材5の固定部5aが上部水平部材3に対して相対移動し、下部スライド部材5の可動部5bが下部ブラケット41に対して相対移動することにより、吊り材6が上部水平部材3に対して相対移動する。
固定部4a、5aと可動部4b、5bとの間には可動部4b、5bを相対移動させる回転体4c、5cが介在する。回転体4c、5cは図2に示すように固定部4a、5aと可動部4b、5bとに上下に挟み込まれる位置に配置される。回転体4c、5cは球形、円柱形、樽形等の回転体形状をし、固定部4a、5aと可動部4b、5bの双方に接触しながら軸回りに回転することにより自身が固定部4a、5aに対して移動しながら、可動部4b、5bを固定部4a、5aに対して相対移動させる。
図面では溝形の可動部4bと固定部5aに包囲される中実断面の固定部4aと可動部5bの上下面に半円断面形状の溝を形成し、この溝に球形の回転体4c、5cを嵌合させている。回転体4c、5cの半径をrとすれば、回転体4c、5cが1回転することにより可動部4b、5bは固定部4a、5aに対し、4πrの相対移動を生ずる。
可動部4b、5bは固定部4a、5aに対して相対移動することにより固定部4a、5aの端部から突出し、可動部4b、5bが最も突出したときの突出長さが上部スライド部材4と下部スライド部材5のストローク(相対移動距離)となる。
可動部4b、5bの、固定部4a、5aからの突出長さはそのいずれか一方に、または上部水平部材3、上部ブラケット31や下部ブラケット41等に固定されるストッパ52によって規制される。図2では可動部5bに一体化する支持部材51に可動部5bの移動量を制限するストッパ52を固定している。可動部4b、5bが固定部4a、5aから突出し切った状態では、可動部4b、5bの垂れ下がりを防止するために、可動部4b、5bは固定部4a、5aに重なる重なり代を有する。
上部スライド部材4と下部スライド部材5は枠体11を安定させて支持するために、それぞれ2本で一組になり、距離を隔てて並列する。吊り材6は各下部スライド部材5の可動部5bの軸方向両端部から中央部までの区間に接続され、可動部5b、5bが並列することで、少なくとも4本懸垂する。
この4本の吊り材6の可動部5bへの接続位置により枠体11の大きさ(平面積)が決まるが、図1−(c)に示すように枠体11の平面積の大きさは2本の上部スライド部材4、4と2本の下部スライド部材5、5が形成する四角形の大きさに関係なく任意に設定される。
可動部4b、5bはその軸方向に、固定部4a、5aに対していずれの向きにも相対移動可能であるため、並列する可動部4b、4bが区画する領域は平面上、図6に示すように可動部5bが相対移動を生ずる前の状態から、その平面積の9倍分の領域内を移動可能である。複数本の柱部材2はこの領域内を移動する枠体11との衝突を回避するために、この領域を包囲する位置に配置される。
枠体11は図7、図8のように吊り材6を含むこともあるが、図1では破線で示すように吊り材6の下端部に接続される下部つなぎ材7の上に立設される複数本の縦枠11aと、隣接する縦枠11a、11aを互いにつなぐ横枠11bから枠体11を構成している。
吊り材6は下部スライド部材5の可動部5bから直接、懸垂する他、図1、図2に示すように可動部5bの側面に一体化する支持部材51から懸垂する。吊り材6は支持部材51の両端部等に接続される。吊り材6は図7に示すように支持部材51に対して回転しない状態に連結(剛に接合)される場合と、図8に示すように支持部材51に任意の水平軸回りに回転自在に連結(ピン接合)される場合がある。
吊り材6の下端部には複数本の吊り材6を互いにつなぎ、吊り材6、6間の間隔を保持する下部つなぎ材7が接続される。下部つなぎ材7の吊り材6への接続状態は吊り材6の支持部材51への接続状態によって決まり、吊り材6が支持部材51にピン接合される場合、下部つなぎ材7は吊り材6にピン接合される。
吊り材6が支持部材51に剛に接合される場合には、下部つなぎ材7は吊り材6に剛に接合される。下部つなぎ材7は上部水平部材3と同様、枠状に形成される場合と版状に形成される場合があり、前者の場合には吊り材6の下端が形成する多角形の対角線方向に架設されることもある。
図7は吊り材6の上端を支持部材51に剛に接合した場合の枠体11の挙動を示す。この場合、枠体11は下部スライド部材5の可動部5bと、複数本の吊り材6と、吊り材6の下端に剛に接合される下部つなぎ材7から構成される。
図7の枠体11は可動部5bを含み、各構成部材が互いに剛接合されることで、剛な箱として下部スライド部材5の固定部5aに沿って構造体1に対して相対移動する。図7−(a)は相対移動のない中立状態を示す。(b)は下部スライド部材5の可動部5bが固定部5aに対して左側へ相対移動したときの様子を、(c)は右側へ相対移動したときの様子を示す。
図8は吊り材6の上端を支持部材51にピン接合した場合の枠体11の挙動を示す。この場合、下部つなぎ材7は吊り材6の下端部にピン接合され、下部つなぎ材7は支持部材51、または下部水平部材8と平行な状態を維持したまま、支持部材51等に対して相対移動する。
図8では下部つなぎ材7に、柱として機能する縦材9を剛に接合し、縦材9の上端に上部つなぎ材10を剛に接合している。但し、枠体11は少なくとも棚としての機能を持てばよいため、下部つなぎ材7上に縦材9と上部つなぎ材10を組み立てずに、下部つなぎ材7のみを枠体11として使用することもある。縦材9を配置する場合、縦材9は主に平面上、複数本(4本)の吊り材6が区画する四角形の内側に配置されるが、振動時に吊り材6との干渉が生じなければ、配置位置は問われない。
図8の場合、枠体11は下部つなぎ材7と縦材9、及び上部つなぎ材10から構成され、それぞれが剛に接合されることで、枠体11が図7の場合と同様、剛な箱として下部つなぎ材7と共に構造体1に対して相対移動する。図8−(a)は相対移動のない中立状態を示す。(b)は下部スライド部材5の可動部5bが固定部5aに対して左側へ相対移動したときの様子を、(c)は右側へ相対移動したときの様子を示す。
図7の場合、下部スライド部材5の可動部5bに剛に接合された吊り材6に下部つなぎ材7が剛に接合され、枠体11が可動部5bを含む関係から、下部つなぎ材7、すなわち枠体11の構造体1に対する相対移動量は可動部5bの相対移動量に等しい。
これに対し、図8の場合には、下部つなぎ材7が可動部5bにピン接合された吊り材6にピン接合され、枠体11が可動部5bを含まない関係から、下部つなぎ材7、すなわち枠体11の構造体1に対する相対移動量は可動部5bの相対移動量の半分程度に留まる。これは可動部5bに対して振り子式に振動する吊り材6に下部つなぎ材7がピン接合されることで、下部つなぎ材7の相対移動が可動部5bに遅れて生ずることにもよる。
従って図8の場合には、可動部5bに図7の場合と等しい相対移動量が生じても、図7の場合より枠体11の構造体1に対する相対移動量が低減されるため、柱部材2、2間の間隔を抑えることができ、構造体1の寸法を小さくできる利点がある。併せて後述のばね12の復元力を小さくすることもできる。
図7、図8における下部つなぎ材7と下部水平部材8との間には相対移動を生じた枠体11の相対移動量を制限し、相対移動後に枠体11を原位置に復帰させるコイルスプリング等のばね12が架設される。
ばね12は図7−(a)、図8−(a)に示す平常状態で自然長である場合と、張力が与えられている場合がある。ばね12は図8に示すように構造体1の骨組を構成する上部水平部材3と、構造体1に対して相対移動する枠体11等との間に架設されることもある。具体的には上部スライド部材4の可動部4bと上部水平部材3との間と、下部スライド部材5の可動部5bと上部水平部材3との間の少なくともいずれか一方に架設される。
ばね12は各図の(b)、(c)に示すように枠体11が構造体1に対して相対移動を生じたときに、その移動量を制限し、枠体11を(a)に示す状態に復帰させる機能を有する。ばね12はまた、下端が下部水平部材8に接続され、上端が下部つなぎ材7に接続されていることで、上端が下部つなぎ材7を含む水平面内を移動するため、相対移動を生じた枠体11の変位の増大を抑制するダンパーとしての機能も発揮する。ばね12に張力が与えられる場合には、枠体11を復元させる機能とダンパーとしての機能が増大する。
構造体1をラックとして使用する場合、図1−(a)、(b)に示すように枠体11内に物体を収納する棚13が配置され、その出し入れ口には(c)に示すように開閉自在な扉14が支持される。棚13は枠体11に支持される。
図1ではまた、構造体1への水平力作用時における下部水平部材8の安定性を確保するために、下部水平部材8の下面の、柱部材2の位置に脚部15を接続し、構造体1を脚部15に支持させている。下部水平部材8の安定性が床面に面で支持されている場合より、点で支持されている場合に高まることによる。
(a)〜(c)は免震構造体の構成例を示した図であり、(a)は(c)のA−A線断面図、(b)は(c)のB−B線断面図、(c)は平面図である。 図1に示す免震構造体の上部水平部材部分の詳細例を示した立面図である。 免震構造体が水平力を受けたときの枠体の挙動の様子を示した斜視図である。 免震構造体における上部スライド部材及び下部スライド部材の挙動の様子を示した斜視図である。 図2に示す免震構造体の上部水平部材部分を示した斜視図である。 免震構造体に対する枠体の移動の領域を示した平面図である。 吊り材の上端を支持部材に剛に接合した場合の免震構造体を示した図であり、(a)は枠体の中立状態を示した立面図、(b)、(c)は枠体が振動したときの様子を示した立面図である。 吊り材の上端を支持部材にピン接合した場合の免震構造体を示した図であり、(a)は枠体の中立状態を示した立面図、(b)、(c)は枠体が振動したときの様子を示した立面図である。
符号の説明
1………免震構造体
2………柱部材
3………上部水平部材
3a……水平材、31……上部ブラケット、
4………上部スライド部材
4a……固定部、4b……可動部、4c……回転体、41……下部ブラケット
5………下部スライド部材
5a……固定部、5b……可動部、5c……回転体、5d……ねじ
51……支持部材、52……ストッパ
6………吊り材
7………下部つなぎ材
8………下部水平部材、8a……水平材
9………縦材
10……上部つなぎ材
11……枠体、11a…縦枠、11b…横枠
12……ばね
13……棚
14……扉
15……脚部

Claims (4)

  1. 複数本の柱部材に支持される上部水平部材と、
    この上部水平部材に水平に支持され、前記上部水平部材に固定される固定部とこの固定部に相対水平移動自在に支持される可動部を有する上部スライド部材と、
    この上部スライド部材に水平に、且つ前記上部スライド部材に交差する方向に支持され、前記上部スライド部材の前記可動部に固定される固定部とこの固定部に相対水平移動自在に支持される可動部を有する下部スライド部材と、
    この下部スライド部材の前記可動部から懸垂する吊り材と、この吊り材を互いに連結する下部つなぎ材とを備えることを特徴とする免震構造体。
  2. 前記吊り材は前記下部スライド部材の前記可動部に相対的な回転変形を拘束された状態で連結されていることを特徴とする請求項1に記載の免震構造体。
  3. 前記吊り材は前記可動部に相対的な回転変形が可能な状態で連結されていることを特徴とする請求項1に記載の免震構造体。
  4. 複数本の柱部材が立設される下部水平部材と前記下部つなぎ材との間にばねが架設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の免震構造体。
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