JP6123546B2 - 構造物を構成する柱の免震構造 - Google Patents

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本発明は、立体倉庫、ボイラ鉄骨、立体パーキング、荷役設備等の構造物に適用して構造物の揺れを低減する構造物を構成する柱の免震構造に関するものである。
立体倉庫は、複数の鋼鉄製の柱と複数段の鋼鉄製の梁を備えることにより複数のラック(棚)を立体的に組み立てた構成を有している。大規模な地震が発生した場合には、立体倉庫が損壊する可能性があり、又、立体倉庫に格納された荷が落下して損傷する可能性がある。これにより立体倉庫の柱に免震構造を備えて地震に対する安全性を高めることが考えられている。
立体倉庫の柱の免震構造としては、立体倉庫を構成する複数の柱の各下端部と基礎との間に、積層ゴムからなる免震構造を備えたものがある(特許文献1)。また、立体倉庫の柱を上下の途中位置で切断した構成として、上側の二本の柱の下端を水平な第一水平部材で連結し、上側の二本の柱に対応する下側の二本の柱の上端部を、前記第一水平部材と係合可能な水平な第二水平部材で連結することにより、前記第一水平部材と第二水平部材を長手方向へ低摩擦部材を介してスライド可能とし、前記第一水平部材と第二水平部材とを粘弾性体で接続したものがある(特許文献2)。
特開2006−104883号公報 特開2013−039989号公報
しかし、特許文献1のように、多数の柱が設けられる立体倉庫の各柱の下端に積層ゴムによる免震構造を備えた場合には、基礎の増設が必要なことや積層ゴムが比較的高価であることから立体倉庫の設備コストが増加する問題がある。また、特許文献2においても、前記第一水平部材と第二水平部材を設け、更に、前記第一水平部材と第二水平部材とを接続する粘弾性体を設ける必要があるために、構造が複雑となって立体倉庫の設備コストが増加する問題がある。さらに、特許文献2では、柱を免震する方向が前記第一水平部材と第二水平部材がスライドする長手方向に限定されてしまい、このスライドの方向と直交する方向に対しては免震できないという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなしたもので、簡単な構成にて構造物を構成する柱に作用する揺れを、効果的に免震できるようにした免震構造を提供するものである。
本発明の構造物を構成する柱の免震構造は、端部に遊嵌部を有し構造物の柱を構成する複数の柱部材と、両端部に前記柱部材の遊嵌部と遊びを持って嵌合する被遊嵌部を有し、二つの前記柱部材の間に配設され、傾くことで構造物の柱を免震する免震柱と、を備え、前記遊びは、前記免震柱を前記柱部材に対して傾き可能にする遊びであることを特徴としている。
前記遊嵌部は、凹部と凸部との何れか一方であり、前記被遊嵌部は、凹部と凸部との何れか他方であることが好ましい。
前記凹部は、断面が矩形であり、前記凸部は、断面が矩形で、先細りであることが好ましい。
前記柱部材は、端部から外へ出っ張る出っ張り部が形成され、前記免震柱は、前記柱部材の出っ張り部と面接触する外へ出っ張る出っ張り部が形成されることが好ましい。
前記柱部材の出っ張り部と前記免震柱の出っ張り部との互いの接触面を弾性的に押し付けるトリガ機構を更に備えることが好ましい。
本発明の構造物を構成する柱の免震構造によれば、簡単な構成にて構造物を構成する柱に作用する揺れを、効果的に免震できる。
(a)は、立体倉庫の側面図である。(b)は、立体倉庫の正面図であり、図1(a)のIB−IB矢視図である。 (a)は、構造物を構成する柱の平常時を示した図である。(b)は、免震柱が傾いて構造物を構成する柱を免震する様子を示した図である。 (a)は、構造物を構成する柱の平常時の平面図を示した断面図であり、図2(a)のIIIA−IIIA矢視図である。(b)は、構造物を構成する柱の免震時の平面図を示した断面図であり、図2(b)のIIIB−IIIB矢視図である。 (a)は、平常時の立体倉庫の側面を示す側面図である。(b)は、免震柱が傾いて立体倉庫を構成する柱を免震する様子を示した断面図である。 (a)は、免震構造の変形例を示した断面図であり、(b)は、免震構造の変形例において、免震時を示した断面図である。 (a)は、免震構造の変形例を図5(a)VIA−VIA方向から視た矢視図である。(b)は、免震構造の変形例を、図5(b)のVIB−VIB方向から視た矢視図である。 (a)は、免震構造の他の変形例を示した断面図であり、(b)は、免震構造の他の変形例において、免震時を示した断面図である。 (a)は、免震構造のその他の変形例を示した断面図であり、(b)は、免震構造のその他の変形例において、免震時を示した断面図である。 免震構造のその他の変形例を、図8(a)のIX−IX方向から視た矢視図である。 (a)は免震構造を備えない立体倉庫を示し、(b)は免震構造を一段に備えた立体倉庫の場合を示し、(c)は免震構造を二段に備えた立体倉庫の場合を示している。
以下、本発明を実施するための形態の例(以下、本実施例と称する。)を図1〜図10を参照しながら説明する。
図1を参照しながら本柱発明の構造物を構成する柱1の免震構造5を適用する構造物の一例として立体倉庫100で説明する。図1(a)は、立体倉庫100の側面図である。図1(b)は、立体倉庫100の正面図であり、図1(a)におけるIB−IB矢視図である。
立体倉庫(構造物)100は、複数の鋼鉄製の柱(構造物を構成する柱)1と複数段の鋼鉄製の梁2を備えることにより複数のラック3(棚)が立体的に組み立てられた構成を有している。立体倉庫100は、スタッカークレーン4を挟む位置に所要の高さを有して立設され、スタッカークレーン4の走行方向に沿って延びる長さを有し、スタッカークレーン4の走行方向と直交する方向の幅は、格納される荷に対応した狭い幅となっている。また、前記立体倉庫100を構成する複数の柱1は、ラック3の荷の重量を支持するための高い強度を有している。
図2(a)及び図3(a)を参照しながら構造物を構成する柱1の免震構造5を説明する。図2(a)は、構造物を構成する柱1の平常時を示した図である。図3(a)は、構造物を構成する柱の平常時の平面図を示した断面図であり、図2(a)のIIIA−IIIA矢視図である。
構造物を構成する柱1及び免震構造5は、複数の柱部材7と、二つの柱部材7の間に配設される免震柱8と、を備えている。
柱部材7は、例えば、角型鋼材であり構造物の柱1を構成する。また、この柱部材7は、端部が免震柱8の端部と遊びを持って嵌合するための遊嵌部7aすなわち凹部となる。この遊嵌部7aは、開口が矩形の孔である。なお遊嵌部7aは、途中に底がある有底であっても良い。
免震柱8は、柱状の本体部8aと、凸状の被遊嵌部8bと、を有している。本体部8aは、例えば、中空の角型鋼材である。なお、本体部8aは、中実と中空のどちらであっても良い。
被遊嵌部8bは、平板の基部とこの平板の基部の中央から突出する部分を有しており、本体部8aの両端部に固定され、固定されると免震柱8の軸方向へ突出する突出部8b1と、突出部8b1の周りから板状に出っ張る出っ張り部8b2と、を有する凸部となる。突出部8b1は、断面形状が矩形の中実又は中空の角柱形状である。
この凸部である被遊嵌部8bは、柱部材7の凹部である遊嵌部7aと水平方向への遊びを持って嵌合する。すなわち、凸部である被遊嵌部8bは、突出部8b1が柱部材7の凹部である遊嵌部7aに挿入され、出っ張り部8b2が柱部材7の端7bと接触する。そして、平常時において、柱部材7と免震柱8は、一直線上の状態を保持する。このとき、突出部8b1は、柱部材7の凹部である遊嵌部7aに対して遊びを持つ。ここで、遊びを持って嵌合するとは、免震柱8を柱部材7に対して傾き可能に遊びを持っていることをいう。
免震柱8は、二つの柱部材7の間に配設され、両端部の凸部である被遊嵌部8bが柱部材7の凹部である遊嵌部7aと遊嵌されて構造物を構成する柱の一部を構成する。そして、免震柱8は、二つの柱部材7に対して傾くことで構造物を構成する柱1を免震する。なお、柱部材7と免震柱の本体部8aを角型鋼材で説明したがこれに限定されるものではない。柱形状であれば良く、例えば、丸型鋼材でも良い。また、断面が多角形状の柱部材でも良い。
図2(b)、図3(b)を参照して、免震柱8が傾いて免震する様子を説明する。図2(b)は、免震柱8が傾いて構造物を構成する柱1を免震する様子を示し、図の矢印に示すように右方向へ地震の揺れが発生した場合を示している。図3(b)は、構造物を構成する柱の免震時の平面図を示した断面図であり、図2(b)のIIIB−IIIB矢視図である。
図2(b)に示すとおり、図の矢印に示すように右方向へ地震による揺れが発生したとする。構造物を構成する柱1は、下側の柱部材7が右方向へ移動し、上側の柱部材7が慣性によりその場にとどまろうとする。
そうすると、免震柱8は、図中、上下における凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2が柱部材7の端7bを支点として回動し、上下における凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1が柱部材7の凹部である遊嵌部7aの内周面と接触するまで回動する。免震柱8は、全体として柱部材7に対して傾くこととなる。
以上により、地震が発生しその揺れが外力として構造物を構成する柱1に作用しても、凹部である遊嵌部7aと凸部である被遊嵌部8bが免震柱8を傾き可能にする遊びを持って嵌合しているため、免震柱8が傾くことができ、その結果、構造物を構成する柱1が免震され、構造物を構成する柱1に対して大きな応力が作用しなくなっている。また、免震柱8の傾きは、自重により平常時の状態へ復元されるが、それを超える外力が作用した場合でも、柱部材7の遊嵌部7aによって傾きが制限されるため、構造物を構成する柱1が倒壊することがない。
図4を参照しながら、免震柱8が傾いて立体倉庫100を構成する柱1を免震する様子を説明する。図4(a)は、平常時の立体倉庫100の側面を示す側面図である。図4(b)は、免震柱8が傾いて立体倉庫100を構成する柱1を免震する様子を示した図である。
図4に示すとおり、立体倉庫100は、免震柱8を同じ高さ位置に複数備えている。図4(a)の状態から、例えば、図4(b)の矢印で示す様に地震によって右方向に揺れたとする。立体倉庫100は、免震柱8を挟んで下側のラック3bが右方向へ移動する。このとき、上側のラック3aは、慣性によりその場にとどまろうとする。
そうすると、複数の免震柱8は、上側が左、下側が右となるようそれぞれが同じ様に傾くようになっている。すなわち、立体倉庫100は、免震柱8が傾くことで、上側のラック3aをその場にとどめつつ下側のラック3bの水平変位を許容する。
以上により、本実施例の免震構造5によれば、地震が発生しその揺れが外力として立体倉庫100に作用しても、免震柱8が傾くことにより構造物を構成する柱1が免震され、構造物を構成する柱1に対して大きな応力が作用しなくなっている。
なお、右方向へ地震による揺れが発生した場合で説明したが、図中、左方向へ地震による揺れが発生した場合、複数の免震柱8は、上側が右、下側が左となるようにそれぞれ同じように傾いて、構造物を構成する柱1を免震する。
また、図中、奥から手前に向かう方向に揺れが発生した場合、複数の免震柱8は、上側が奥、下側が手前となるようにそれぞれ同じように傾いて、構造物を構成する柱1を免震する。同様に、図中、手前から奥に向かう方向に揺れが発生した場合、複数の免震柱8は、上側が手前、下側が奥となるようにそれぞれ同じように傾いて、構造物を構成する柱1を免震する。以上により、本発明の構造物を構成する柱1の免震構造5によれば、簡単な構成にて構造物を構成する柱1に作用する揺れを、水平二軸方向で効果的に免震できる。
図5及び図6を参照しながら免震構造5の変形例を説明する。図5(a)は、免震構造5の変形例を示した断面図である。図5(b)は、免震構造の変形例において、免震時を示した断面図である。図6(a)は、免震構造5の変形例を図5(a)VIA−VIA方向から視た矢視図である。図6(b)は、免震構造5の変形例を、図5(b)のVIB−VIB方向から視た矢視図である。
なお、この変形例は、免震柱8における被遊嵌部8bの突出部8b1'を除き、その基本的構成が上記実施例と同様であるため、上記実施例と同様の構成には同一の符号を付し、上記実施例の説明と重複することになる説明を省略する。
図5(a)、図6(a)に示すとおり、凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1'は、正四角錐台形状となっている。すなわち、突出部8b1'は、断面が矩形で先端にいけばいくほど漸次、矩形の辺が短くなる先細りの形状となっている。
図5(b)、図6(b)に示すとおり、地震によって免震柱8が傾くと、凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2が柱部材7の端7bを支点として回動し、凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1'が柱部材7の遊嵌部7aの内周面と接触するまで回動する。このとき、凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1'と柱部材7の凹部である遊嵌部7aとは、面接触する。
免震構造5の他の変形例によれば、凸部である被遊嵌部8bの先細り形状を有する突出部8b1'と柱部材7の凹部である遊嵌部7aとは、面接触することから凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1'と柱部材7の凹部である遊嵌部7aとの接触応力を小さくする事ができ耐久力を高めることができる。
図7を参照しながら免震構造5の他の変形例を説明する。図7(a)は、免震構造5の他の変形例を示した断面図である。図7(b)は、免震構造5の他の変形例において、免震時を示した断面図である。
なお、他の変形例は、柱部材7の凹部を構成する出っ張り部7cと、免震柱8における凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2'と、を除き、その基本的構成が上記実施例と同様であるため、上記実施例と同様の構成には同一の符号を付し、上記実施例の説明と重複することになる説明を省略する。
図7(a)に示すとおり、柱部材7の端7bには、外側へ出っ張る出っ張り部7cすなわちフランジが形成されて凹部の一部を構成する。また、凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2'は、本体部8aから更に外側に出っ張り免震柱8のフランジを形成する。柱部材7の出っ張り部7cと免震柱8の出っ張り部8b2'は、平面形状が矩形であり、同じ大きさとなっている。
免震柱8が柱部材7の間に配設される際は、免震柱8における凸部である被遊嵌部8bの突出部8b1'を柱部材7の凹部である遊嵌部7aに挿入するとともに、免震柱8の出っ張り部8b2'と柱部材7の出っ張り部7cのフランジ面を重ね合わされる。このとき、この重ね合わされた免震柱8の出っ張り部8b2'と柱部材7の出っ張り部7cは、免震柱8と柱部材7の自重によりフランジ面が密着される。なお、免震柱8の出っ張り部8b2'と柱部材7の出っ張り部7cの平面形状を矩形状で説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、円形状でも良い。また、突出部8b1'は、第一実施形態と同様に角柱形状であっても良い。
図7(b)に示すとおり、地震によって免震柱8が傾くと、凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2が柱部材7の凹部の一部を構成する出っ張り部7cを支点として回動し、被遊嵌部8bの突出部8b1'が柱部材7の遊嵌部7aと接触するまで回動する。
免震構造5の他の変形例によれば、凸部である被遊嵌部8bの出っ張り部8b2が柱部材7の出っ張り部7cを支点として回動することにより、先の実施例と比較し回動するための支点がより外側になるため、小さな荷重では柱部材7が傾かないトリガ機能を得る。
図8を参照しながら免震構造5のその他の変形例を説明する。図8(a)は、免震構造5のその他の変形例を示した断面図であり、図8(b)は、免震構造5のその他の変形例において、免震時を示した断面図である。図9は、免震構造5のその他の変形例を、図8(a)のIX−IX方向から視た矢視図である。
なお、その他の変形例は、柱部材7の端部に固定された凸部である遊嵌部17と、免震柱8の出っ張り部8cと、免震柱8の凹部である被遊嵌部8dと、トリガ機構10と、を除き、その基本的構成が上記実施例と同様であるため、上記実施例と同様の構成には同一の符号を付し、上記実施例の説明と重複することになる説明を省略する。
図8(a)、図9に示すとおり、柱部材7の端部には、凸部である遊嵌部17が固定されている。この遊嵌部17は、平板の中央から突出する部分を有しており、柱部材7の出っ張り部7cに固定され、固定されると柱部材7の軸方向へ突出する突出部17aと、突出部17aの周りから板状に出っ張る出っ張り部17bと、を有する凸部となる。出っ張り部17bは途中から外側へ向かうに従って厚みが漸次薄くなっておりテーパ面17b1が形成されている。ここで、その他の変形例では、柱部材7に凸部である遊嵌部17が固定された状態を柱部材7'と新たに定義する。
免震柱8は、端部に外側へ出っ張る出っ張り部8cが形成されている。この出っ張り部8cはフランジとして機能する。また、免震柱8は、端部が柱部材7'における凸部である遊嵌部17の突出部17aと遊びを持って嵌合するための被遊嵌部8dとなる。この被遊嵌部8dは、開口が矩形の凹部である。
そして、免震柱8が柱部材7'の間に配設される際は、柱部材7'の突出部17aを免震柱8の被遊嵌部8dに挿入するとともに、免震柱8の出っ張り部8cと柱部材7'の出っ張り部17b1のフランジ面を重ね合わせる。このとき、柱部材7'の出っ張り部17bは、テーパ面17b1を有していることによって、外側へ向かうに従って免震柱8の出っ張り部8cとの隙間が広がっている。
トリガ機構10は、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとの互いのフランジ面(接触面)を弾性的に押し付ける。ここで、トリガ機構10は、例えば、図9に示すとおり、免震柱8の出っ張り部8cの四隅に一つずつ計四つ配設される。トリガ機構10は、連結ボルト材12と、皿ばね13と、ナット14と、ワッシャ15と、を有している。図8(a)では、説明の便宜上、上部の一対のトリガ機構10のみを示している。図示は、省略するが下部の柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとの互いのフランジ面を弾性的に押し付けるトリガ機構10も配されている。
柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cは、互いに重ね合わされた状態で鉛直方向に貫通する貫通孔(不図示)が四か所形成されている。連結ボルト材12は、この貫通孔に上側から下側へ通され、重ね合わされた柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cから突出した部分に弾性部材である皿ばね13が通され、ワッシャ15を介してナット14で連結される。
トリガ機構10は、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとの互いのフランジ面を弾性的に押し付けるように作用する。また、皿ばね13には、小規模の地震の発生による揺れによって、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとが開いて免震柱8が傾かない程度のばね力が与えられている。
図8(b)に示すとおり、免震柱8が傾くと、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとが開き、トリガ機構10の皿ばね13が潰される。このとき、柱部材7'の出っ張り部17bにおけるフランジ面とテーパ面17b1との境を支点にして免震柱8は傾いて出っ張り部8cにおけるフランジ面と柱部材7'の出っ張り部17bにおけるテーパ面17b1とが面接触する。
そうすると、トリガ機構10は、皿ばね13の復元力により柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとを閉じるように作用する。ここで、皿ばね13に代えて弾性部材としてコイルばねを選択しても良い。しかし、皿ばね13は、変形剛性が高いうえに減衰効果を得られるためこれを用いるのが好ましい。
免震構造5のその他の変形例によれば、小規模の地震の発生による揺れによって、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとが開き、免震柱8の出っ張り部8cにおけるフランジ面と柱部材7'の出っ張り部17bにおけるテーパ面17b1とが面接触して、免震柱8が傾かないように設定したトリガ機能を持たせることができる。また、柱部材7'の出っ張り部17bは、外側にテーパ面17b1が形成されていることにより、フランジ面とテーパ面17b1との境を支点にして免震柱8は傾くようになっている。これにより、境を内側や外側にすることによってトリガの強さを変更することができる。
また、トリガ機構10は、弾性部材として皿ばね13を用いていることから揺れによる荷重を減衰させることができる。さらに、柱部材7'の出っ張り部17bと免震柱8の出っ張り部8cとが開いた際に、傾いた免震柱8を積極的にもとの状態へ復元させることができる。
図10を参照しながら免震構造5を、構造物を構成する1に対して複数配設した変形例を説明する。図10(a)は免震構造5を備えない立体倉庫100を示し、図10(b)は免震構造5を一段に備えた立体倉庫100の場合を示し、図10(c)は免震構造5を二段に備えた立体倉庫100の場合を示している。
なお、この変形例は、免震構造5を複数備えた点を除きその基本的構成が上記実施例と同様であるため、上記実施例と同様の構成には同一の符号を付し、上記実施例の説明と重複することになる説明を省略する。また、図10は、理解し易くするために模式的に示している。
図10(a)のように、免震構造5を備えない立体倉庫100では、地震により基礎が揺れると、立体倉庫100に伝えられた揺れは、上部へ向かうほど大きな加速度での揺れとなる。
一方、図10(b)に示すように一段の免震構造5を備えた立体倉庫100では、免震構造5の免震作用によって、例えば、変形量δを吸収することができる。これにより、免震構造5よりも上部への揺れの伝わりを低減できる。これにより立体倉庫100の上部の揺れを低減することができる。
また、図10(c)に示すように、構造物を構成する柱1に、上下二段の免震構造5を設けると、二段の免震構造5の免震作用により、例えば変形量2δを吸収することができるので、上段の免震構造5よりも上部の立体倉庫100の揺れを更に低減することができる。したがって、図10(c)に示すように、構造物を構成する柱1に、免震構造5を多段に設けると、免震の際に構造物が大きく変形する揺れを吸収することができる。
なお、本発明の構造物を構成する柱の免震構造は、上述の実施例に示した立体倉庫100の柱以外に、ボイラ鉄骨、立体パーキング、荷役設備等の構造物を構成する柱に適用できる。また、柱部材7に凹部が形成され免震柱8に凸部が形成する態様の他、その逆でも良い。すなわち、柱部材7の遊嵌部7aは、凹部と凸部との何れか一方であり、免震柱8の被遊嵌部8bは、凹部と凸部との何れか他方であっても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更することができる。
1 柱
5 免震構造
7 柱部材
7' 柱部材
7a 遊嵌部(凹部)
7c 出っ張り部
8 免震柱
8b 被遊嵌部(凸部)
8b1 突出部
8b1' 突出部
8b2 出っ張り部
8b2' 出っ張り部
8c 出っ張り部
8d 被遊嵌部(凹部)
17 遊嵌部(凸部)
17a 突出部
17b 出っ張り部
100 立体倉庫(構造物)

Claims (5)

  1. 端部に遊嵌部を有し構造物の柱を構成する複数の柱部材と、
    両端部に前記柱部材の遊嵌部と遊びを持って嵌合する被遊嵌部を有し、二つの前記柱部材の間に配設され、傾くことで構造物の柱を免震する免震柱と、を備え、
    前記遊びは、前記免震柱を前記柱部材に対して傾き可能にする遊びであることを特徴とする構造物を構成する柱の免震構造。
  2. 前記遊嵌部は、凹部と凸部との何れか一方であり、
    前記被遊嵌部は、凹部と凸部との何れか他方であることを特徴とする請求項1に記載の構造物を構成する柱の免震構造。
  3. 前記凹部は、断面が矩形であり、
    前記凸部は、断面が矩形で、先細りであることを特徴とする請求項2に記載の構造物を構成する柱の免震構造。
  4. 前記柱部材は、端部から外へ出っ張る出っ張り部が形成され、
    前記免震柱は、前記柱部材の出っ張り部と面接触する外へ出っ張る出っ張り部が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物を構成する柱の免震構造。
  5. 前記柱部材の出っ張り部と前記免震柱の出っ張り部との互いの接触面を弾性的に押し付けるトリガ機構を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の構造物を構成する柱の免震構造。
JP2013154374A 2013-07-25 2013-07-25 構造物を構成する柱の免震構造 Active JP6123546B2 (ja)

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