JP6325949B2 - 鉄骨構造物の制振方法及び構造、並びにこれを用いたラック式倉庫 - Google Patents

鉄骨構造物の制振方法及び構造、並びにこれを用いたラック式倉庫 Download PDF

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Description

本発明は、地震や強風などの外力による鉄骨構造物の振動を抑制する鉄骨構造物の制振方法及び構造、並びにこれを用いたラック式倉庫に関する。
近年、物流システムの効率化のため、ラック式自動倉庫(立体自動倉庫)が増加している。一般にこの種のラック式自動倉庫は、建屋と、建屋内に並列に設置される複数のラックと、各ラック間に設置されるスタッカクレーンとからなる。各ラックは、建屋内の設置面となる床に、鉄骨の柱と梁とにより、複数の収納部が多層かつ多列状に組み立てられ、建屋とは独立した構造になっている。スタッカクレーンは、主柱、及び主柱に沿って昇降可能な荷台と、荷の積み下ろしを行うためのフォークとを備え、各ラック間の床上に敷設されたレール上に走行可能に設置される。このようにしてラック式自動倉庫では入庫された荷物をパレットに載せてラックの収納部に自動搬送により格納し、荷物を出庫する時は反対に荷物を格納先の収納部から自動搬送により搬出するようになっている。
ところで、このようなラック式自動倉庫の構造では、ラックに地震などの大きな外力が作用すると、ラックそれ自体には大きな被害が生じていなくても、ラックの揺れによってラックに格納されている荷物が荷崩れしたりラックから落下したりする恐れがあり、荷物が落下することになれば、その破損による被害、損害が発生することは勿論のこと、落下した荷物の除去や現状回復のための清掃や整備に要する労力とコストは甚大となる。なお、東日本大震災では、その大きな揺れによってラックから荷物が落下し、スタッカクレーンが運行不能となり、倉庫機能は長期間に亘り停止する事態となった。
そこで、この種の倉庫では、種々の制振対策が講じられており、これが、例えば特許文献1、2などにより提案されている。
特許文献1は倉庫に関するもので、この文献1の倉庫の制振構造は、ラックとラックを覆う建屋との間に、粘弾性ダンパー又は粘性ダンパーと摩擦ダンパーが直列に接続された制振ダンパーが介在されて、この制振ダンパーにより、建物とラックの揺れの違いにより、制振ダンパーが揺れを吸収して、ラックの揺れを低減する形式になっている。
特許文献2はラック倉庫の耐震化構造および方法に関するもので、この文献2のラック倉庫の制振構造は、ラック構造体の最上部にラック列並び方向のラック構造体同士を固定する固定梁部材が設けられ、この固定梁部材に固定手段、アームを介して吊り下げ部が設けられて、そこに少なくともラック列並び方向に質量を可動としたチューンド・マス・ダンパー(TMD)からなる制震手段が固定され、このTMDによりラックの揺れを低減する形式になっている。
特開2013−159450公報 特開2003−165602公報
しかしながら、上記従来のラック式倉庫(特許文献1、2)の制振構造では、次のような問題がある。
(1)特許文献1の倉庫の制振構造では、粘弾性ダンパー又は粘性ダンパーと摩擦ダンパーとからなる制振ダンパーのための大きな設置スペースが必要で、ラック上部と建物との間に十分なスペースを確保する必要があり、制振ダンパーの設置上の自由度が制限される。また、この場合、建物の架構の状況によっては(つまり架構の強度が弱いと)、建物本体の補強が必要になる。
(2)特許文献2のラック倉庫の制振構造のようなTMD方式の場合、荷物の収納状況により質量が大きく異なるラックにおいては、TMDのラックの揺れを低減する制振効果を常に発揮させることは困難であり、またTMDの質量の設定も一義的に決めることが難しい。また、TMDの十分な制振効果を得るために付加質量を大きくすると、TMDが大型化し設置スペースが大きくなり、設置上の制約も大きくなる。
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、上記従来の制振構造とは異なる簡易な方法及び構造で、地震や強風などの外力によるラック式倉庫のラックなどの鉄骨構造物の振動を確実に抑制することのできる鉄骨構造物の制振方法及び構造、並びにこれを用いたラック式倉庫を提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明(イ)は、多層構造の鉄骨構造物と他の構造物との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパーを用いて、当該多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振方法であって、前記鉄骨構造物の前記他の構造物に対向する面を基準面として当該基準面の頂部に中央の支点を設けるとともに、前記鉄骨構造物の前記基準面とは反対側の面の頂部に一端側の支点、前記鉄骨構造物の前記基準面に対向する前記他の構造物の面で前記中央の支点と略同じ高さに他端側の支点をそれぞれ設けて、前記中央の支点に制振ダンパーの一端を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、前記制振ダンパーを当該制振ダンパーの他端が一端の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、前記一端側の支点、前記他端側の支点、及び前記制振ダンパーの他端にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、前記一端側、他端側の各支点、及び前記制振ダンパーの他端間に前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅し前記制振ダンパーに伝達する変位増幅機構を架設し、前記鉄骨構造物の曲げ変形を利用して前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する、ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(ロ)は、多層構造の鉄骨構造物と他の構造物との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパーを用いて、当該多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振構造であって、前記鉄骨構造物の前記他の構造物に対向する面を基準面として当該基準面の頂部に設けられる中央の支点に一端が相互に直交する3次元的に回転可能に連結され、他端が前記一端の上方に位置するように垂直方向に向けて起立状態に設置される制振ダンパーと、前記鉄骨構造物の前記基準面とは反対側の面の頂部に設けられる一端側の支点、前記鉄骨構造物の前記基準面に対向する前記他の構造物の面で前記中央の支点と略同じ高さに設けられる他端側の支点、及び前記制振ダンパーの他端にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結されて前記一端側、他端側の各支点、及び前記制振ダンパーの他端間に架設され、前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅し前記制振ダンパーに伝達する変位増幅機構とを備え、前記鉄骨構造物の曲げ変形を利用して前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する、ことを要旨とする。
また、この制振構造は各部に次のような構成を備えることが好ましい。
(1)制振ダンパーは、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む。
(2)変位増幅機構は、一端が一端側の支点に3次元的に回転可能な連結部材を介して取り付けられ、他端が制振ダンパーの他端に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、前記一端側の支点と前記制振ダンパーの他端との間に架設される一端側のアームと、一端が他端側の支点に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、他端が前記制振ダンパーの他端に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、前記他端側の支点と前記制振ダンパーの他端との間に架設される他端側のアームとを備え、鉄骨構造体と他の構造体との間に略三角形状に構成される。
上記目的を達成するために、本発明(ハ)は、建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される複数の鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、前記複数のラックのうち相互に隣り合うラックの一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、上記(イ)に記載の鉄骨構造物の制振方法を用いた、ことを要旨とする。
また、本発明(ニ)は、建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、前記ラックを多層構造の鉄骨構造物とし、前記建屋の内面構造を他の構造物として、上記(イ)に記載の鉄骨構造物の制振方法を用いた、ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(ホ)は、建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される複数の鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、前記複数のラックのうち相互に隣り合うラックの一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、上記(ロ)に記載の鉄骨構造物の制振構造を用いた、ことを要旨とする。
また、本発明(ヘ)は、建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、前記ラックを多層構造の鉄骨構造物とし、前記建屋の内面構造を他の構造物として、上記(ロ)に記載の鉄骨構造物の制振構造を用いた、ことを要旨とする。
本発明(イ)−(ヘ)によれば、一方の鉄骨構造物の他方の構造物に対向する面を基準面として当該基準面の頂部に中央の支点を設け、この支点に制振ダンパーの一端を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともにこの制振ダンパーを他端が一端の上方に位置するように垂直方向に向けて設置し、この鉄骨構造物の基準面とは反対側の面の頂部に一端側の支点、この鉄骨構造物の基準面に対向する他方の構造物の面で中央の支点の高さに対応する位置に他端側の支点をそれぞれ設けて、一端側、他端側の各支点、及び制振ダンパーの他端間に相互に直交する3次元的に回転可能に鉄骨構造物の振動による変位を増幅し制振ダンパーに伝達する変位増幅機構を架設し、鉄骨構造物の変形を利用して鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収するようにしたので、従来の制振構造とは異なる簡易な構造で、地震や強風などの外力によるラック式倉庫のラックなどの鉄骨構造物の振動を確実に抑制することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の一実施の形態による鉄骨構造物の制振方法及び構造を示す図 同制振方法及び構造による鉄骨構造物の制振効果を示す図((a)は地震前の状態(b)は地震時の状態) 同制振方法及び構造による制振作用を示す図 本発明の別の実施の形態による鉄骨構造物の制振方法及び構造を示す図 本発明のさらに別の実施の形態による鉄骨構造物の制振方法及び構造を示す図 図1に示す鉄骨構造物の制振方法及び構造を用いたラック式自動倉庫の概略構成を示す図 同ラック式自動倉庫のラックの制振効果を示す図((a)は各ラックが一方向に曲げ変形して各ラック間の距離が長くなった場合(b)は各ラックが他方向に曲げ変形して各ラック間の距離が長くなった場合(c)は各ラックが相互に近接する方向に曲げ変形して各ラック間の距離が短くなった場合) 図4に示す鉄骨構造物の制振方法及び構造を用いたラック式自動倉庫の構成を示す図
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に本発明による鉄骨構造物の制振方法を示している。なお、図1には、2つの鉄骨構造物S1,S2を例示しており、この場合、各鉄骨構造物S1,S2は、図示されない建屋内に、鉄骨の柱と梁とにより、略同じ高さの縦に長い多層状(多段状)に組み立てられ、建屋とは独立した構造になっている。また、各鉄骨構造物S1,S2は正面及び背面が長辺方向の面、左右両側面が短辺方向の面で、各鉄骨構造物S1,S2は一方の長辺方向の面が互いに対向して設置されている。かかる2つの鉄骨構造物S1,S2について、一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、本発明の鉄骨構造物の制振方法を適用している。
図1に示すように、この鉄骨構造物の制振方法は、一方の鉄骨構造物S1(多層構造の鉄骨構造物)と他方の鉄骨構造物S2(他の構造物)との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパー1及び変位増幅機構2を用いて、当該鉄骨構造物、この場合、各鉄骨構造物S1,S2に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する。この制振方法では、まず、一方の鉄骨構造物S1の他方の鉄骨構造物S2に対向する面を基準面P0としてこの基準面P0の頂部、この場合、この基準面P0の長辺方向一側部から他側部までの鉄骨柱S11の頂部のうち適宜の位置の鉄骨柱S11の頂部にそれぞれ中央の支点T0を設けるとともに、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1で中央の支点T0に対応する位置、この場合、各中央の支点T0に対応する鉄骨柱S11の頂部に一端側の支点T1、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する他方の鉄骨構造物S2の面P2で中央の支点T0に対応する位置、この場合、各中央の支点T0に対応する鉄骨柱S21の頂部に他端側の支点T2をそれぞれ設ける。次に、一方の鉄骨構造物S1の基準面P0の中央の支点T0にそれぞれ制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、これらの制振ダンパー1を制振ダンパー1の他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた状態に設置する。そして、かかる各制振ダンパー1の設置状態から、各一端側の支点T1、各他端側の支点T2、及び各制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に各鉄骨構造物S1,S2の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設する。このようにして一方の鉄骨構造物S1と他方の鉄骨構造物S2との間に、複数組の制振ダンパー1及び変位増幅機構2を一方の鉄骨構造物S1の長辺方向一側部から他側部まで並列に組み立て設置し、各鉄骨構造物S1,S2の曲げ変形を利用して各鉄骨構造物S1,S2の振動エネルギーを吸収する。
この場合、制振ダンパー1は、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーなど、一般に制振ダンパーとして知られている各種のエネルギー吸収部材から適宜選択すればよい。変位増幅機構2は、一端を一端側の支点T1に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付け、他端を制振ダンパー1の他端12に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付けて、一端側の支点T1と制振ダンパー1の他端12との間に架設する一端側のアーム21と、一端を他端側の支点T2に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付け、他端を制振ダンパー1の他端12に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付けて、他端側の支点T2と制振ダンパー1の他端12との間に架設する他端側のアーム22とにより、一方の鉄骨構造物S1と他方の鉄骨構造物S2との間に略水平方向に長い略三角形状に構成することが好ましい。
図1はまた鉄骨構造物の制振構造を示している。なお、既述のとおり、図1には、2つの鉄骨構造物S1,S2を例示しており、この場合、各鉄骨構造物S1,S2は、図示されない建屋内に、鉄骨の柱と梁とにより、略同じ高さの縦に長い多層状(多段状)に組み立てられ、建屋とは独立した構造になっている。また、各鉄骨構造物S1,S2は正面及び背面が長辺方向の面、左右両側面が短辺方向の面で、各鉄骨構造物S1,S2は一方の長辺方向の面が互いに対向して設置されている。かかる2つの鉄骨構造物S1,S2について、一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、本発明の鉄骨構造物の制振方法を適用している。
図1に示すように、この鉄骨構造物の制振構造は、一方の鉄骨構造物S1(多層構造の鉄骨構造物)と他方の鉄骨構造物S2(他の構造物)との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパー1及び変位増幅機構2を用いて、当該鉄骨構造物、この場合、各鉄骨構造物S1,S2に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する。この制振構造では、一方の鉄骨構造物S1の他方の鉄骨構造物S2に対向する面を基準面P0としてこの基準面P0の頂部、この場合、この基準面P0の長辺方向一側部から他側部までの鉄骨柱S11の頂部のうち適宜の位置の鉄骨柱S11の頂部にそれぞれ設けられる中央の支点P0に一端11が相互に直交する3次元的に回転可能に連結され、他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立状態に設置される制振ダンパー1と、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1で中央の支点P0に対応する位置、この場合、各中央の支点P0に対応する鉄骨柱S21の頂部に設けられる一端側の支点T1、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する他方の鉄骨構造物S2の面P2で中央の支点P0に対応する位置、この場合、各中央の支点P0に対応する鉄骨柱S21の頂部に設けられる他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結されて一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に架設され、各鉄骨構造物S1,S2の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2とを備える。
各制振ダンパー1は、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー(オイルダンパーを含む。)、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む、一般に制振ダンパーとして知られている各種のエネルギー吸収部材から適宜選択される。この場合、各制振ダンパー1には粘弾性ダンパーが採用される。この粘弾性ダンパーは、鋼板の間に、粘性抵抗の大きい粘性体(高減衰性のゴム又は合成樹脂)が鋼板に対し粘着させた状態で挟み込まれて、振動が加わった際に鋼板の間の粘弾性体がせん断変形して振動エネルギーを吸収する形式で、両端に作動連結部を有する。
変位増幅機構2は、一端が一端側の支点T1に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して取り付けられ、他端が制振ダンパー1の他端12に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付けられ、これら一端側の支点T1と制振ダンパー1の他端12との間に架設される一端側のアーム21と、一端が他端側の支点T2に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付けられ、他端が制振ダンパー1の他端12に3次元的に回転可能な連結部材Jを介して回動可能に取り付けられ、これら他端側の支点T2と制振ダンパー1の他端12との間に架設される他端側のアーム22とを備え、一方の鉄骨構造物S1と他方の鉄骨構造物S2の頂部間に略三角形状に構成される。
このようにして一方の鉄骨構造物S1と他方の鉄骨構造物S2との間に、複数組の制振ダンパー1及び変位増幅機構2が一方の鉄骨構造物S1の長辺方向一側部から他側部まで並列に組み立て設置され、各鉄骨構造物S1,S2の曲げ変形を利用して各鉄骨構造物S1,S2の振動エネルギーを吸収する形式になっている。
図2、図3に各鉄骨構造物S1,S2の地震による変形とこの制振方法及び構造による各鉄骨構造物S1,S2の制振効果を示している。図2に示すように、縦に長い鉄骨構造物S1,S2の場合、地震の発生により振動すると、特に鉄骨構造物S1,S2の上層部側が短辺方向に曲げ変形を繰り返し、振動する。この制振方法及び構造では、特にこの曲げ変形を利用して、この振動を抑制する。すなわち、地震の発生により、各鉄骨構造物S1,S2に外力が加えられ、各鉄骨構造物S1,S2の縦軸方向、この場合、鉄骨柱S11,S21が曲げ変形すると、各鉄骨構造物S1,S2の頂部間に制振ダンパー1と変位増幅機構2をなす各アーム21,22が略三角形状に構成され、各アーム21,22は長さの変化がないために、図3に示すように、各鉄骨構造物S1,S2の曲げ変形による各鉄骨構造物S1,S2間の水平方向の変位、各支点T0,T1,T2,12の鉛直方向の変位は、変位増幅機構2の軸方向の変位に置き換えられる。つまり、一方の鉄骨構造物S1と他方の鉄骨構造物S2との間の距離が変化し、各鉄骨構造物S1,S2の頂部の支点T0,T1,T2,12に回転が生じると、変位増幅機構2を構成する一端側、他端側の各アーム21,22が双方の結合点(制振ダンパーの他端)12を中心に回動又は閉動し、各アーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離が短く又は長くなる。このアーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離の変化、すなわち、制振ダンパー2の一端11、他端12間を結ぶ直線方向を圧縮又は伸長する動作により、各鉄骨構造物S1,S2間の変位を増幅して制振ダンパー1に伝達し、これが制振ダンパー1の粘弾性体にせん断力として作用し粘弾性体自体のせん断変形により、鉄骨構造物S1,S2の振動エネルギーは効果的に吸収され、各鉄骨構造物S1,S2の振動が抑制される。
以上説明したように、この鉄骨構造物の制振方法及び構造によれば、一方の鉄骨構造物S1の他方の鉄骨構造物S2に対向する面を基準面P0として当該基準面P0の鉄骨柱S11の頂部に中央の支点T0を設けるとともに、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱S11の頂部に一端側の支点T1、この一方の鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する他方の鉄骨構造物S2の面P2で中央の支点P0に対応する位置の鉄骨柱S21の頂部に他端側の支点T2をそれぞれ設けて、中央の支点P0に制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、この制振ダンパー1をその他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、一端側の支点T1、他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に各鉄骨構造物S1,S2の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設し、各鉄骨構造物S1,S2の曲げ変形を利用して各鉄骨構造物S1,S2の振動エネルギーを吸収するようにしたので、従来の制振構造とは異なる簡易な構造で、地震などの外力による各鉄骨構造物S1,S2の振動を確実に抑制して、各鉄骨構造物S1,S2を補強することができる。
また、このような簡易な構造で各鉄骨構造物S1,S2の地震エネルギーを吸収することができるので、制振ダンパー1及び変位増幅機構2の大きさ、容量を小さくすることができ、また、各鉄骨構造物S1,S2に作用する付加軸力も小さく、各鉄骨構造物S1,S2を補強する必要がない。さらに、制振ダンパー1及び変位増幅機構2の大きさ、容量を小さくすることで、建屋内の鉄骨構造物S1,S2の周囲のスペースが狭い場合でも制振ダンパー1及び変位増幅機構2の設置が可能であり、設置工事も容易に行うことができる。
さらに、この制振構造は、各鉄骨構造物S1,S2の頂部間に設置されるので、新設の鉄骨構造物の場合、その組み立てとともに施工することができ、既存の鉄骨構造物の場合は、後付けで取り付けることができる。
図4に本発明による別の鉄骨構造物の制振方法を示している。なお、図4には、建屋B内に設置された多層構造の鉄骨構造物S1を例示しており、この場合、鉄骨構造物S1は、建屋B内に、鉄骨の柱と梁とにより、縦に長い多層状(多段状)に組み立てられ、建屋Bとは独立した構造になっている。また、鉄骨構造物S1は正面及び背面が長辺方向の面、左右両側面が短辺方向の面で、この鉄骨構造物S1は一方の長辺方向の面が建屋B内の一側面b1に対向して設置されている。かかる鉄骨構造物S1について、建屋Bの内面構造(一側面B1の鉄骨柱B11など)を他の構造物として、本発明の鉄骨構造物の制振方法を適用している。
図4に示すように、この鉄骨構造物の制振方法は、多層構造の鉄骨構造物S1と建屋B内の一側面b1との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパー1及び変位増幅機構2を用いて、鉄骨構造物S1に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する。この制振方法では、まず、鉄骨構造物S1の建屋B内の一側面b1に対向する面を基準面P0としてこの基準面P0の頂部、この場合、この基準面P0の長辺方向一側部から他側部までの鉄骨柱S11の頂部のうち適宜の位置の鉄骨柱S11の頂部にそれぞれ中央の支点T0を設けるとともに、この鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1で中央の支点T0に対応する位置、この場合、各中央の支点T0に対応する鉄骨柱S11の頂部に一端側の支点T1、この鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する建屋B内の一側面b1で中央の支点P0に対応する位置、この場合、各中央の支点P0に対向される鉄骨柱b11などの所定の高さに他端側の支点T2をそれぞれ設ける。次に、鉄骨構造物S1の基準面P0の中央の支点T0にそれぞれ制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、これらの制振ダンパー1を制振ダンパー1の他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた状態に設置する。そして、かかる各制振ダンパー1の設置状態から、各一端側の支点T1、各他端側の支点T2、及び各制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に鉄骨構造物S1の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設する。このようにして多層構造の鉄骨構造物S1と建屋B内の一側面b1との間に、複数組の制振ダンパー1及び変位増幅機構2を鉄骨構造物S1の長辺方向一側部から他側部まで並列に組み立て設置し、鉄骨構造物S1の曲げ変形を利用して鉄骨構造物S1の振動エネルギーを吸収する。
なお、制振ダンパー1、変位増幅機構2については、図1に示す鉄骨構造物の制振方法で説明したとおりである(段落0015参照)。
図4はまた鉄骨構造物の制振構造を示している。なお、既述のとおり、図4には、建屋B内に設置された多層構造の鉄骨構造物S1を例示しており、この場合、鉄骨構造物S1は、建屋B内に、鉄骨の柱と梁とにより、縦に長い多層状(多段状)に組み立てられ、建屋Bとは独立した構造になっている。また、鉄骨構造物S1は正面及び背面が長辺方向の面、左右両側面が短辺方向の面で、この鉄骨構造物S1は一方の長辺方向の面が建屋B内の一側面b1に対向して設置されている。かかる鉄骨構造物S1について、建屋Bの内面構造(一側面b1の鉄骨柱b11など)を他の構造物として、本発明の鉄骨構造物の制振構造を適用している。
図4に示すように、この鉄骨構造物の制振構造は、多層構造の鉄骨構造物S1と建屋B内の一側面b1(他の構造物)との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパー1及び変位増幅機構2を用いて、鉄骨構造物S1に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する。この制振構造では、多層構造の鉄骨構造物S1の建屋B内の一側面b1に対向する面を基準面P0としてこの基準面P0の頂部、この場合、この基準面P0の長辺方向一側部から他側部までの鉄骨柱S11の頂部のうち適宜の位置の鉄骨柱S11の頂部にそれぞれ設けられる中央の支点T0に一端が相互に直交する3次元的に回転可能に連結され、他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立状態に設置される制振ダンパー1と、この鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1で中央の支点T0に対応する位置、この場合、各中央の支点T0に対応する各鉄骨柱S11の頂部に設けられる一端側の支点T1、この鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する建屋B内の一側面b1で中央の支点T0に対応する位置、この場合、各中央の支点T0に対向される鉄骨柱b11などの所定の高さに設けられる他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結されて一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に架設され、鉄骨構造物S1の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2とを備える。
各制振ダンパー1、変位増幅機構2の構成については、図1に示す鉄骨構造物の制振構造で既に説明したとおりである(段落0018、段落0019参照)。
このようにして多層構造の鉄骨構造物S1と建屋B内の一側面b1との間に、複数組の制振ダンパー1及び変位増幅機構2が鉄骨構造物S1の長辺方向一側部から他側部まで並列に組み立て設置され、鉄骨構造物S1の曲げ変形を利用して鉄骨構造物S1の振動エネルギーを吸収する形式になっている。
図4を用いて鉄骨構造物S1の地震による変形とこの制振方法及び構造による鉄骨構造物S1の制振効果について説明する。縦に長い鉄骨構造物S1の場合、地震の発生により振動すると、特に鉄骨構造物S1の上層部側が短辺方向に曲げ変形を繰り返し、振動する。この制振方法及び構造では、特にこの曲げ変形を利用して、この振動を抑制する。すなわち、地震の発生により、鉄骨構造物S1に外力が加えられ、鉄骨構造物S1の縦軸方向、この場合、鉄骨柱S11が曲げ変形すると、鉄骨構造物S1の頂部と建屋B内の一側面b1と間に制振ダンパー1と変位増幅機構2をなす各アーム21,22が略三角形状に構成され、各アーム21,22は長さの変化がないために、鉄骨構造物S1の曲げ変形による鉄骨構造物S1の水平方向の変位、各支点T0,T1,T2,12の鉛直方向の変位は、変位増幅機構2の軸方向の変位に置き換えられる。この場合、鉄骨構造物S1と建屋B内の一側面b1との間の距離が変化し、鉄骨構造物S1の頂部の支点T0,T1,T2,12に回転が生じると、変位増幅機構2を構成する一端側、他端側の各アーム21,22が双方の結合点(制振ダンパーの他端)12を中心に回動又は閉動し、各アーム21,22の結合部12と中央の支点T0との距離が短く又は長くなる。このアーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離の変化、すなわち、制振ダンパー1の一端11、他端12間を結ぶ直線方向を圧縮又は伸長する動作により、鉄骨構造物S1の変位を増幅して制振ダンパー1に伝達し、これが制振ダンパー1の粘弾性体にせん断力として作用し粘弾性体自体のせん断変形により、鉄骨構造物S1の振動エネルギーは効果的に吸収され、各鉄骨構造物S1の振動が抑制される。
以上説明したように、この鉄骨構造物の制振方法及び構造によれば、多層構造の鉄骨構造物S1の建屋B内の一側面b1に対向する面を基準面P0として当該基準面P0の鉄骨柱S11の頂部に中央の支点T0を設けるとともに、この鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱S11の頂部に一端側の支点T1、この鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する建屋B内の一側面b1で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱b11などに他端側の支点T2をそれぞれ設けて、中央の支点P0に制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、この制振ダンパー1をその他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、一端側の支点T1、他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12間に鉄骨構造物S1の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設し、鉄骨構造物S1の曲げ変形を利用して鉄骨構造物S1の振動エネルギーを吸収するようにしたので、従来の制振構造とは異なる簡易な構造で、地震などの外力による鉄骨構造物S1の振動を確実に抑制して、鉄骨構造物S1を補強することができるなど、図1に示す鉄骨構造物の制振方法及び構造と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施の形態では、一端側の支点T1、他端側の支点T2を中央の支点T0に対応する位置に1箇所ずつ設けたが、図5に示すように、他端側の支点T2を鉄骨構造物S1の基準面P0に対向する他方の鉄骨構造物S2の面P2の頂部で中央の支点T0に対応する位置の両側2箇所に対称的に設けて、これら他端側の支点T2,T2と制振ダンパー1の他端12との間に他端側のアーム22を対にして架設してもよく、また反対に、一端側の支点T1を鉄骨構造物S1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の両側2箇所に対称的に設けて、これら一端側の支点T1,T1と制振ダンパー1の他端12との間に一端側のアーム21を対にして架設してもよく、このような複数構成にすることで、各アーム21,22を安定的に(倒れにくくして)架設することができる。
また、上記各実施の形態では、この制振方法及び構造を屋内の鉄骨構造物に適用するものとして例示したが、屋外の鉄骨構造物にも同様に適用することができ、地震や強風などの外力による鉄骨構造物の振動を確実に抑制して、鉄骨構造物を補強することができる。
図6に図1に示す鉄骨構造物の制振方法及び構造を用いたラック式自動倉庫を例示している。
図6に示すように、ラック式自動倉庫Wは、建屋(図示省略)と、建屋内に並列に設置される複数のラックR1,R2と、各ラックR1,R2間に設置されるスタッカクレーン(図示省略)とにより構成される。この場合、各ラックR1,R2は、建屋内の設置面となる床に、鉄骨の柱と梁とにより、複数の収納部が多層かつ多列状に組み立てられ、建屋とは独立した構造になっている。またこの場合、各ラックR1,R2は同じ高さで、各収納部への荷物の搬入、搬出側となる一方の面及びその反対側の他方の面が長辺方向の面で、一方の面の両側の面が短辺方向の面になっている。スタッカクレーンは、主柱、及び主柱に沿って昇降可能な荷台と、荷の積み下ろしを行うためのフォークとを備え、各ラック間の床上に敷設されたレール上に走行可能に設置される。このようにして入庫された荷物をパレットに載せてラックの収納部に自動搬送により格納し、荷物を出庫する時は反対に荷物を格納先の収納部から自動搬送により搬出するようになっている。
このようなラック式自動倉庫Wにおいて、相互に隣り合う各ラックR1,R2の頂部間に制振ダンパー1と一端側のアーム21及び他端側のアーム22からなる変位増幅機構2とを取り付ける。
なお、中央の支点T0、一端側の支点T1及び他端側の支点T2の設定、制振ダンパー1、変位増幅機構2の各構成及びその取り付け方は既述のとおりである(段落0015、段落0017−段落0020参照)。
図7にラックR1,R2の地震による変形とこの制振方法及び構造によるラックR1,R2の制振効果を示している。図7に示すように、縦に長いラックR1,R2の場合、地震の発生により振動すると、特にラックR1,R2の上層部側が短辺方向に曲げ変形を繰り返し、振動する。この制振方法及び構造では、特にこの地震時の卓越する曲げ変形を利用して、この振動を抑制する。すなわち、地震の発生により、各ラックR1,R2に外力が加えられ、各ラックR1,R2の縦軸方向、この場合、鉄骨柱R11,R21が曲げ変形すると、各ラックR1,R2の頂部間に制振ダンパー1と変位増幅機構2をなす各アーム21,22が略三角形状に構成され、各アーム21,22は長さの変化がないために、各ラックR1,R2の曲げ変形による各ラックR1,R2間の水平方向の変位、各支点T0,T1,T2,12の鉛直方向の変位は、変位増幅機構2の軸方向の変位に置き換えられる。つまり、一方のラックR1と他方のラックR2との間の距離が変化し、各ラックR1,R2の頂部の支点T0,T1,T2,12に回転が生じると、変位増幅機構2を構成する一端側、他端側の各アーム21,22が双方の結合点(制振ダンパーの他端)12を中心に回動又は閉動し、各アーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離が短く又は長くなる。このアーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離の変化、すなわち、制振ダンパー1の一端11、他端12間を結ぶ直線方向を圧縮又は伸長する動作により、各ラックR1,R2間の変位を増幅して制振ダンパー1に伝達し、これが制振ダンパー1の粘弾性体にせん断力として作用し粘弾性体自体のせん断変形により、各ラックR1,R2の振動エネルギーは効果的に吸収され、各ラックR1,R2の振動が抑制される。
以上説明したように、このラック式自動倉庫Wによれば、相互に隣り合う一方のラックR1の他方のラックR2に対向する面を基準面P0として当該基準面P0の鉄骨柱R11の頂部に中央の支点T0を設けるとともに、この一方のラックR1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱R11の頂部に一端側の支点T1、この一方のラックR1の基準面P0に対向する他方のラックR2の面P2で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱R21の頂部に他端側の支点T2をそれぞれ設けて、中央の支点T0に制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、この制振ダンパー1をその他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、一端側の支点T1、他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、一端側、他端側の各支点T1,T2、及び制振ダンパー1の他端12の間に各ラックR1,R2の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設し、各ラックR1,R2の曲げ変形を利用して各ラックR1,R2の振動エネルギーを吸収するようにしたので、従来の制振構造とは異なる簡易な構造で、地震などの外力によるラックR1,R2の揺れを確実に抑制して、各ラックR1,R2の収納部の荷物の荷崩れや落下を確実に防止することができる。
この場合、ラックR1,R2の変形を変位増幅機構2で増幅して制振ダンパー1に伝達し、制振ダンパー1で効率的に地震エネルギーを吸収するので、ラックR1,R2の荷物の収納状況に拘わらず、確実に制振効果を発揮することができる。したがって、ラックR1,R2の荷物の収容量は減少しない。そして、このようにラックR1,R2の地震エネルギーを効率的に吸収できるので、制振ダンパー1及び変位増幅機構2の大きさ、容量を小さくすることができ、また、容量の小さい制振ダンパー1でも十分な制振効果が得られるため、各ラックR1,R2に作用する付加軸力も小さく、各ラックR1,R2を補強する必要がない。さらに、この制振ダンパー1及び変位増幅機構2の大きさ、容量を小さくできることで、建屋内のラックR1,R2の周囲のスペースが狭い場合でも制振ダンパー1及び変位増幅機構2の設置が可能であり、各部材を軽量にして設置工事も容易に行うことができる。
さらに、この制振構造は、各ラックR1,R2の頂部間に設置されるので、新設のラック式(自動)倉庫の場合、ラックの組み立てとともに施工することができ、既存のラック式(自動)倉庫の場合は、既設のラックに後付けで取り付けることができる。
図8に図4に示す鉄骨構造物の制振方法及び構造を用いたラック式自動倉庫を例示している。なお、この場合、ラック式自動倉庫Wの構成は既に述べたとおりである(段落0032参照)。
このようなラック式自動倉庫Wにおいて、ラックR1の頂部と建屋B内の一側面b1(他の構造物)との間に、制振ダンパー1と一端側のアーム21及び他端側のアーム22からなる変位増幅機構2とを取り付ける。
なお、中央の支点T0、一端側の支点T1及び他端側の支点T2の設定、制振ダンパー1、変位増幅機構2の各構成及びその取り付け方は既述のとおりである(段落0032参照)。
このようにすると、地震の発生により、ラックR1に外力が加えられ、ラックR1の縦軸方向、この場合、鉄骨柱R11が曲げ変形すると、ラックR1の頂部と建屋B内の一側面b1との間に制振ダンパー1と変位増幅機構2をなす各アーム21,22が略三角形状に構成され、各アーム21,22は長さの変化がないために、ラックR1の曲げ変形によるラックR1の水平方向の変位、各支点T0,T1,12の鉛直方向の変位は、変位増幅機構2の軸方向の変位に置き換えられる。この場合、ラックR1と建屋B内の一側面b1との間の距離が変化し、ラックR1の頂部の支点T0,T1,12に回転が生じると、変位増幅機構2を構成する一端側、他端側の各アーム21,22が双方の結合点(制振ダンパーの他端)12を中心に回動又は閉動し、各アーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離が短く又は長くなる。このアーム21,22の結合点12と中央の支点T0との距離の変化、すなわち、制振ダンパー1の一端11、他端12間を結ぶ直線方向を圧縮又は伸長する動作により、ラックR1の変位を増幅して制振ダンパー1に伝達し、これが制振ダンパー1の粘弾性体にせん断力として作用し粘弾性体自体のせん断変形により、ラックR1の振動エネルギーは効果的に吸収され、ラックR1の振動が抑制される。
以上説明したように、このラック式自動倉庫Wによれば、ラックR1の建屋B内の一側面b1に対向する面を基準面P0として当該基準面P0の鉄骨柱R11の頂部に中央の支点T0を設けるとともに、このラックR1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱R11の頂部に一端側の支点T1、このラックR1の基準面P0に対向する建屋B内の一側面b1で中央の支点T0に対応する位置の鉄骨柱b11などに他端側の支点T2をそれぞれ設けて、中央の支点T0に制振ダンパー1の一端11を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、この制振ダンパー1をその他端12が一端11の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、一端側の支点T1、他端側の支点T2、及び制振ダンパー1の他端12にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して一端側、他端側の各支点T1,T2、及び静止ダンパー1の他端12間にラックR1の振動による変位を増幅し制振ダンパー1に伝達する変位増幅機構2を架設し、ラックR1の曲げ変形を利用してラックR1の振動エネルギーを吸収するようにしたので、従来の制振構造とは異なる簡易な構造で、地震などの外力によるラックR1の振動を確実に抑制して、ラックR1を補強することができるなど、図6に示すラック式自動倉庫と同様の作用効果を奏することができる。なお、この自動倉庫Wの場合、容量の小さい制振ダンパー1でも十分な制振効果が得られるので、各ラックR1,R2、建屋Bに作用する付加軸力も小さく、各ラックR1,R2、建屋Bを補強する必要がない。
なお、図7、図8の各ラック式(自動)倉庫Wでは、一端側の支点T1、他端側の支点T2を中央の支点T0に対応する位置に1箇所ずつ設けるものとしたが、図5に示すように、他端側の支点T2をラックR1の基準面P0に対向する他方のラックR2の面P2の頂部(又は建屋B内の一側面b1)で中央の支点P0に対応する位置の両側2箇所に対称的に設けて、これら他端側の支点T2と制振ダンパー1の他端12との間に他端側のアーム22を対にして架設してもよく、また反対に、一端側の支点T1をラックR1の基準面P0とは反対側の面P1の頂部で中央の支点T0に対応する位置の両側2箇所に対称的に設けて、これら一端側の支点と制振ダンパーの他端との間に一端側のアームを対にして架設してもよく、このような複数構成にすることで、各アーム21,22を安定的に(倒れにくくして)架設することができる。
S1,S2 多層構造の鉄骨構造物
S11,S21 鉄骨柱
B 建屋
b1 一側面
b11 鉄骨柱
W ラック式自動倉庫
R1,R2 ラック
R11,R21 鉄骨柱
P0 基準面
P1 反対側の面
P2 面
T0 中央の支点
T1 一端側の支点
T2 他端側の支点
1 制振ダンパー
11 一端
12 他端
2 変位増幅機構
21 一端側のアーム
22 他端側のアーム
J 3次元的に回転可能な連結部材

Claims (8)

  1. 多層構造の鉄骨構造物と他の構造物との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパーを用いて、当該多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振方法であって、
    前記鉄骨構造物の前記他の構造物に対向する面を基準面として当該基準面の頂部に中央の支点を設けるとともに、前記鉄骨構造物の前記基準面とは反対側の面の頂部に一端側の支点、前記鉄骨構造物の前記基準面に対向する前記他の構造物の面で前記中央の支点と略同じ高さに他端側の支点をそれぞれ設けて、
    前記中央の支点に制振ダンパーの一端を相互に直交する3次元的に回転可能に連結するとともに、前記制振ダンパーを当該制振ダンパーの他端が一端の上方に位置するように垂直方向に向けて起立させた設置状態から、前記一端側の支点、前記他端側の支点、及び前記制振ダンパーの他端にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結して、前記一端側、他端側の各支点、及び前記制振ダンパーの他端間に前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅し前記制振ダンパーに伝達する変位増幅機構を架設し、
    前記鉄骨構造物の曲げ変形を利用して前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する、
    ことを特徴とする鉄骨構造物の制振方法。
  2. 多層構造の鉄骨構造物と他の構造物との間に、振動エネルギーを吸収する制振ダンパーを用いて、当該多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振構造であって、
    前記鉄骨構造物の前記他の構造物に対向する面を基準面として当該基準面の頂部に設けられる中央の支点に一端が相互に直交する3次元的に回転可能に連結され、他端が前記一端の上方に位置するように垂直方向に向けて起立状態に設置される制振ダンパーと、
    前記鉄骨構造物の前記基準面とは反対側の面の頂部に設けられる一端側の支点、前記鉄骨構造物の前記基準面に対向する前記他の構造物の面で前記中央の支点と略同じ高さに設けられる他端側の支点、及び前記制振ダンパーの他端にそれぞれ相互に直交する3次元的に回転可能に連結されて前記一端側、他端側の各支点、及び前記制振ダンパーの他端間に架設され、前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅し前記制振ダンパーに伝達する変位増幅機構と、
    を備え、
    前記鉄骨構造物の曲げ変形を利用して前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する、
    ことを特徴とする鉄骨構造物の制振構造。
  3. 制振ダンパーは、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む請求項2に記載の鉄骨構造物の制振構造。
  4. 変位増幅機構は、一端が一端側の支点に3次元的に回転可能な連結部材を介して取り付けられ、他端が制振ダンパーの他端に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、前記一端側の支点と前記制振ダンパーの他端との間に架設される一端側のアームと、一端が他端側の支点に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、他端が前記制振ダンパーの他端に3次元的に回転可能な連結部材を介して回動可能に取り付けられ、前記他端側の支点と前記制振ダンパーの他端との間に架設される他端側のアームとを備え、鉄骨構造体と他の構造体との間に略三角形状に構成される請求項2又は3に記載の鉄骨構造物の制振構造。
  5. 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される複数の鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
    前記複数のラックのうち相互に隣り合うラックの一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、請求項1に記載の鉄骨構造物の制振方法を用いた、
    ことを特徴とするラック式倉庫。
  6. 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
    前記ラックを多層構造の鉄骨構造物とし、前記建屋の内面構造を他の構造物として、請求項1に記載の鉄骨構造物の制振方法を用いた、
    ことを特徴とするラック式倉庫。
  7. 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される複数の鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
    前記複数のラックのうち相互に隣り合うラックの一方を多層構造の鉄骨構造物とし、他方を他の構造物として、請求項2乃至4のいずれかに記載の鉄骨構造物の制振構造を用いた、
    ことを特徴とするラック式倉庫。
  8. 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
    前記ラックを多層構造の鉄骨構造物とし、前記建屋の内面構造を他の構造物として、請求項2乃至4のいずれかに記載の鉄骨構造物の制振構造を用いた、
    ことを特徴とするラック式倉庫。
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