JP6416527B2 - 鉄骨構造物の制振方法及び構造、並びにこれを用いたラック式倉庫 - Google Patents
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Description
特許文献1は倉庫に関するもので、この文献1の倉庫の制振構造は、ラックとラックを覆う建屋との間に、粘弾性ダンパー又は粘性ダンパーと摩擦ダンパーが直列に接続された制振ダンパーが介在されて、この制振ダンパーにより、建物とラックの揺れの違いにより、制振ダンパーが揺れを吸収して、ラックの揺れを低減する形式になっている。
特許文献2はラック倉庫の耐震化構造および方法に関するもので、この文献2のラック倉庫の制振構造は、ラック構造体の最上部にラック列並び方向のラック構造体同士を固定する固定梁部材が設けられ、この固定梁部材に固定手段、アームを介して吊り下げ部が設けられて、そこに少なくともラック列並び方向に質量を可動としたチューンド・マス・ダンパー(TMD)からなる制震手段が固定され、このTMDによりラックの揺れを低減する形式になっている。
(1)特許文献1の倉庫の制振構造では、粘弾性ダンパー又は粘性ダンパーと摩擦ダンパーとからなる制振ダンパーのための大きな設置スペースが必要で、ラック上部と建物との間に十分なスペースを確保する必要があり、制振ダンパーの設置上の自由度が制限される。また、この場合、建物の架構の状況によっては(つまり架構の強度が弱いと)、建物本体の補強が必要になる。
(2)特許文献2のラック倉庫の制振構造のようなTMD方式の場合、荷物の収納状況により質量が大きく異なるラックにおいては、TMDのラックの揺れを低減する制振効果を常に発揮させることは困難であり、またTMDの質量の設定も一義的に決めることが難しい。また、TMDの十分な制振効果を得るために付加質量を大きくすると、TMDが大型化し設置スペースが大きくなり、設置上の制約も大きくなる。
多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振方法であって、
前記鉄骨構造物の上層部又は中間層部に上部支点を設けるとともに、前記鉄骨構造物の設置面で前記鉄骨構造物から所定の距離離れた位置に下部支点を設けて、
各一端を重合させて又は相互に近接させて回動可能に接続し略逆V字形を呈する一対の上部アームと各一端を重合させて又は相互に近接させて回動可能に接続し略V字形を呈する一対の下部アームとを前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端とを相互に回動可能に接続してなる変位増幅機構に、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む制振ダンパーを前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端の間に連結して組み込んだ前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構を、前記一対の上部アームの各一端を前記上部支点に回動可能に取り付けるとともに、前記一対の下部アームの各一端を前記下部支点に回動可能に取り付けることにより、前記上部支点と前記下部支点との間に斜めに架設して、前記鉄骨構造物の上部支点から下方の前記鉄骨構造物の面と前記鉄骨構造物の設置面と前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構との間が三角形をなす取り付け形式とし、
前記変位増幅機構により前記鉄骨構造物の曲げ変形による前記鉄骨構造物の鉛直方向の変位を増幅して前記制振ダンパーに伝達し、前記制振ダンパーにより前記鉄骨構造物の振動を抑制する、
ことを要旨とする。
多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振構造であって、
前記鉄骨構造物の上層部又は中間層部に上部支点が、前記鉄骨構造物の設置面で前記鉄骨構造物から所定の距離離れた位置に下部支点がそれぞれ設けられて、
各一端を重合されて又は相互に近接して前記上部支点に回動可能に接続される略逆V字形を呈する一対の上部アームと、各一端を重合されて又は相互に近接して前記下部支点に回動可能に接続され、各他端を前記一対の上部アームの各他端に相互に回動可能に接続される略V字形を呈する一対の下部アームとを有し、前記鉄骨構造物の振動により前記上部支点と前記下部支点とを結ぶ直線方向に伸縮し前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅する変位増幅機構と、
前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端の間に連結して前記変位増幅機構に組み込まれ、前記変位増幅機構の伸縮により動作し、前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む制振ダンパーと、
を備え、
前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構が前記上部支点と前記下部支点との間に斜めに架設されて、前記鉄骨構造物の上部支点から下方の前記鉄骨構造物の面と前記鉄骨構造物の設置面と前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構との間が三角形をなす取り付け形式とし、
前記変位増幅機構により前記鉄骨構造物の曲げ変形による前記鉄骨構造物の鉛直方向の変位を増幅して前記制振ダンパーに伝達し、前記制振ダンパーにより前記鉄骨構造物の振動を抑制する、
ことを要旨とする。
図1に示すように、この鉄骨構造物の制振方法は、多層構造の鉄骨構造物Sに地震などの外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制しようとするもので、鉄骨構造物Sの上層部に上部支点P1を設けるとともに、鉄骨構造物の設置面G上で鉄骨構造物Sから所定の距離離れた位置に下部支点P2を設けて、これら上部支点P1及び下部支点P2間に、鉄骨構造物Sの振動による変位を増幅する変位増幅機構1と、変位増幅機構1によって増幅された鉄骨構造物Sの変位が伝達されて鉄骨構造物Sの振動エネルギーを吸収する制振ダンパー2とを斜めに架設し、鉄骨構造物Sの曲げ変形を利用して鉄骨構造物Sの振動エネルギーを吸収する。
この場合、変位増幅機構1及び制振ダンパー2は長辺方向の両面に設けてもよく、一方の面にのみ設けてもよい。また、この変位増幅機構1及び制振ダンパー2を長辺方向、短辺方向の各面に設けてもよい。
また、この場合、変位増幅機構1は、一端を上部支点P1に回動可能に取り付け、略逆V字形を呈する一対の上部アーム11,11と、一端を下部支点P2に回動可能に取り付け、他端を各上部アーム11,11の他端に回動可能に連結する略V字形を呈する一対の下部アーム12,12とにより、全体として略菱形に構成することが好ましい。制振ダンパー2は、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーなど、一般に制振ダンパーとして知られている各種のエネルギー吸収部材から適宜選択すればよい。
なお、変位増幅機構1及び制振ダンパー2は必要により増設してもよく、この場合、複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2を横方向に並列に設置する。また、この場合、複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2の配列方向中間に設置するものは、変位増幅機構1及び制振ダンパー2を少し小型化し、鉄骨構造物Sの中間層部に設けた上部支点P1と鉄骨構造物の設置面Gで鉄骨構造物Sから所定の距離離れた位置に設けた下部支点P2との間に斜めに架設するようにしてもよい(図5参照)。
図1に示すように、この鉄骨構造物の制振構造は、多層構造の鉄骨構造物Sに地震などの外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動、特に鉄骨構造物Sの短辺方向の振動を抑制するもので、鉄骨構造物Sの長辺方向の一方の面の上層部に設けられる上部支点P1と鉄骨構造物の設置面Gに設けられる下部支点P2との間に介装され、鉄骨構造物Sの振動による変位を増幅する変位増幅機構1と、変位増幅機構1に組み込まれ、変位増幅機構1によって増幅された鉄骨構造物Sの変位が伝達されて鉄骨構造物Sの振動エネルギーを吸収する制振ダンパー2とを備える。
この場合、鉄骨構造物Sの上部支点P1は鉄骨柱の最上部に設定され、下部支点P2は鉄骨構造物の設置面Gにおいて鉄骨構造物Sの一方の長辺方向の面の外側の領域で、特に上部支点P1を設定された鉄骨柱の下端から鉄骨構造物Sの長辺方向に対して直角方向に少し離れた適宜の位置に設定されて、上部支点P1から鉛直方向への直線と上部支点P1と下部支点P2とを結ぶ直線が重なり合うようにして、一対の上部アーム11,11の一端が上部支点P1にピンジョイントにより回動可能に取り付けられ、一対の下部アーム12,12の一端が下部支点P2に取り付けられて、変位増幅機構1が上部支点P1と下部支点P2との間に、鉄骨構造物の設置面Gに対して鈍角をなす斜めに取り付けられる。この場合、鉄骨構造物Sの一方の長辺方向の面と鉄骨構造物の設置面Gと制振ダンパー2を含む変位増幅機構1との間は、側面視縦方向に長い三角形をなす。
このような三角形の取り付けにより、図3(a)に示すように、鉄骨構造物Sの高さLsと変位増幅機構1の長さL1が異なるので、それぞれ下部支点G、P2を中心として回転すると、それぞれの軌跡はRs、R1となり、各部材(鉄骨構造物Sの鉄骨柱と変位増幅機構1)の長さが異なるため、軌跡Rs、R1に差が生じることになる。ここで、変位増幅機構1の鉄骨構造物S側の支点はP1であり、必ず軌跡Rs上を移動するため、軌跡R1と軌跡Rsの差分だけ変位が変化することになり、変位増幅機構1の長さに変化が生じ、これが制振ダンパー2に伝達される。なお、このような三角形の取り付けに代えて、図3(b)に示すように、鉄骨構造物Sに対して変位増幅機構1を近接して平行な取り付けにした場合、鉄骨構造物Sの高さLsと変位増幅機構1の長さL1は等しく、それぞれの下部支点G、P2間の距離も近いため、軌跡Rsと軌跡R1は略重なり、差が生じない。したがって、鉄骨構造物S自体が軸方向に変形しない限り、変位増幅機構1の長さに変化が生じないため、制振ダンパー2は機能しない。
このようにこの制振構造は鉄骨構造物Sの曲げ変形を利用して鉄骨構造物Sの振動エネルギーを吸収する形式になっている。
また、このような簡易な構造で鉄骨構造物Sの地震エネルギーを吸収することができるので、変位増幅機構1及び制振ダンパー2の大きさ、容量を小さくすることができ、鉄骨構造物Sに作用する付加軸力を小さくすることができ、さらに、変位増幅機構1及び制振ダンパー2の大きさ、容量を小さくすることで、建屋内の鉄骨構造物Sの周囲のスペースが狭い場合でも変位増幅機構1及び制振ダンパー2の設置が可能であり、設置工事も容易に行うことができる。
さらに、この制振構造は、鉄骨構造物Sの上層部に設けた上部支点P1と、鉄骨構造物の設置面Gで鉄骨構造物Sから所定の距離離れた位置に設けた下部支点P2との間に設置されるので、新設の鉄骨構造物の場合、その組み立てとともに施工することができ、既存の鉄骨構造物の場合は、後付けで取り付けることができる。
また、変位増幅機構1及び制振ダンパー2は必要により増設されてもよく、この場合、複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2が横方向に並列に設置される。また、この場合、複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2の配列方向中間に設置されるものは、変位増幅機構1及び制振ダンパー2が少し小型化され、鉄骨構造物Sの中間層部に設けた上部支点P1と鉄骨構造物の設置面Gで鉄骨構造物から所定の距離離れた位置に設けた下部支点P2との間に斜めに架設されるようにしてもよい。
さらに、この制振構造では屋内の鉄骨構造物に適用するものとしたが、屋外の鉄骨構造物にも同様に適用することができ、地震や強風などの外力による鉄骨構造物の振動を確実に抑制して、鉄骨構造物を補強することができる。
図5に示すように、ラック式自動倉庫Wは、建屋(図示省略)と、建屋内に並列に設置される複数のラックR(図4にはラックRを1基のみ図示)と、各ラックR間に設置されるスタッカクレーン(図示省略)とにより構成される。この場合、各ラックRは、建屋内の設置面となる床Fに、鉄骨の柱R1と梁R2とにより、複数の収納部R0が多層かつ多列状に組み立てられ、建屋とは独立した構造になっている。また、各ラックRは、各収納部R0への荷物の搬入、搬出側となる一方の面及びその反対側の他方の面が長辺方向の面で、一方の面の両側の面が短辺方向の面になっている。スタッカクレーンは、主柱、及び主柱に沿って昇降可能な荷台と、荷の積み下ろしを行うためのフォークとを備え、各ラック間の床上に敷設されたレール上に走行可能に設置される。このようにして入庫された荷物はパレットに載せてラックの収納部に自動搬送により格納し、荷物を出庫する時は反対に荷物を格納先の収納部から自動搬送により搬出するようになっている。
このようなラック式自動倉庫Wにおいて、ラックRの長辺方向の一方の面(この場合、荷物の搬入、搬出側とは反対側の面)と床Fとの間に複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2が並列に設置される。この場合、ラックRの長辺方向の一方の面の両側に大型の変位増幅機構1及び制振ダンパー2が使用され、ラックRの上部層部に設けられた上部支点P1と床F上でラックRから所定の距離離れた位置に設けられた下部支点P2との間に斜めに架設され、複数の変位増幅機構1及び制振ダンパー2の配列方向中間に小型の変位増幅機構1及び制振ダンパー2が使用され、ラックRの中間層部に設けられた上部支点P1と床F上でラックRから所定の距離離れた位置に設けられた下部支点P2との間に斜めに架設される。
なお、上下各支点P1,P2の設定、変位増幅機構1及び制振ダンパー2の構成、上下各支点P1,P2間への取り付け方は既述のとおりである。
この場合、ラックRの変形を変位増幅機構1で増幅して制振ダンパー2に伝達し、制振ダンパー2で効率的に地震エネルギーを吸収するので、ラックRの荷物の収納状況に拘わらず、確実に制振効果を発揮することができる。したがって、ラックRの荷物の収容量は減少しない。そして、このようにラックRの地震エネルギーを効率的に吸収できるので、変位増幅機構1及び制振ダンパー2の大きさ、容量を小さくすることができ、ラックRに作用する付加軸力も小さくすることができる。さらに、この変位増幅機構1及び制振ダンパー2の大きさ、容量を小さくできることで、建屋内のラックRの周囲のスペースが狭い場合でも変位増幅機構1及び制振ダンパー2の設置が可能であり、各部材を軽量にして設置工事も容易に行うことができる。また、この場合、変位増幅機構1及び制振ダンパー2をラックRの荷物の搬入、搬出側とは反対側の面に取り付けるため、ラックRに荷物を収納した状態で、取り付け工事を行うことができる。
さらに、この制振構造は、ラックRの上層部又は中間層部に設けた上部支点P1と、床F上でラックRから所定の距離離れた位置に設けた下部支点P2との間に設置するので、新設のラック式(自動)倉庫の場合、ラックの組み立てとともに施工することができ、既存のラック式(自動)倉庫の場合は、ラックに後付けで取り付けることができる。
G 鉄骨構造物の設置面
W ラック式自動倉庫
R ラック
R0 収納部
R1 鉄骨柱
R2 鉄骨梁
P1 上部支点
P2 下部支点
1 変位増幅機構
11 上部アーム
12 下部アーム
2 制振ダンパー
Claims (4)
- 多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振方法であって、
前記鉄骨構造物の上層部又は中間層部に上部支点を設けるとともに、前記鉄骨構造物の設置面で前記鉄骨構造物から所定の距離離れた位置に下部支点を設けて、
各一端を重合させて又は相互に近接させて回動可能に接続し略逆V字形を呈する一対の上部アームと各一端を重合させて又は相互に近接させて回動可能に接続し略V字形を呈する一対の下部アームとを前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端とを相互に回動可能に接続してなる変位増幅機構に、高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む制振ダンパーを前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端の間に連結して組み込んだ前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構を、前記一対の上部アームの各一端を前記上部支点に回動可能に取り付けるとともに、前記一対の下部アームの各一端を前記下部支点に回動可能に取り付けることにより、前記上部支点と前記下部支点との間に斜めに架設して、前記鉄骨構造物の上部支点から下方の前記鉄骨構造物の面と前記鉄骨構造物の設置面と前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構との間が三角形をなす取り付け形式とし、
前記変位増幅機構により前記鉄骨構造物の曲げ変形による前記鉄骨構造物の鉛直方向の変位を増幅して前記制振ダンパーに伝達し、前記制振ダンパーにより前記鉄骨構造物の振動を抑制する、
ことを特徴とする鉄骨構造物の制振方法。 - 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
請求項1に記載の鉄骨構造物の制振方法を用いた、
ことを特徴とするラック式倉庫。 - 多層構造の鉄骨構造物に外力によって発生する曲げ変形の繰り返しによる振動を抑制する鉄骨構造物の制振構造であって、
前記鉄骨構造物の上層部又は中間層部に上部支点が、前記鉄骨構造物の設置面で前記鉄骨構造物から所定の距離離れた位置に下部支点がそれぞれ設けられて、
各一端を重合されて又は相互に近接して前記上部支点に回動可能に接続される略逆V字形を呈する一対の上部アームと、各一端を重合されて又は相互に近接して前記下部支点に回動可能に接続され、各他端を前記一対の上部アームの各他端に相互に回動可能に接続される略V字形を呈する一対の下部アームとを有し、前記鉄骨構造物の振動により前記上部支点と前記下部支点とを結ぶ直線方向に伸縮し前記鉄骨構造物の振動による変位を増幅する変位増幅機構と、
前記一対の上部アームの各他端と前記一対の下部アームの各他端の間に連結して前記変位増幅機構に組み込まれ、前記変位増幅機構の伸縮により動作し、前記鉄骨構造物の振動エネルギーを吸収する高減衰性のゴム又は合成樹脂の粘弾性を利用した粘弾性ダンパー、液体の粘性抵抗を利用した粘性ダンパー、摩擦抵抗を利用した摩擦ダンパーを含む制振ダンパーと、
を備え、
前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構が前記上部支点と前記下部支点との間に斜めに架設されて、前記鉄骨構造物の上部支点から下方の前記鉄骨構造物の面と前記鉄骨構造物の設置面と前記制振ダンパーを含む前記変位増幅機構との間が三角形をなす取り付け形式とし、
前記変位増幅機構により前記鉄骨構造物の曲げ変形による前記鉄骨構造物の鉛直方向の変位を増幅して前記制振ダンパーに伝達し、前記制振ダンパーにより前記鉄骨構造物の振動を抑制する、
ことを特徴とする鉄骨構造物の制振構造。 - 建屋と、前記建屋内に前記建屋とは独立した構造で設置される鉄骨構造のラックとを備え、各種荷物を格納するラック式倉庫において、
請求項3に記載の鉄骨構造物の制振構造を用いた、
ことを特徴とするラック式倉庫。
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